JP2019202788A - 液体用紙容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムへの製膜適性に優れたシーラント層を有して箱形に形成された液体用紙容器において、内容物充填後の密封適性に優れ、かつ内容物由来の成分の低吸着性に優れた、液体用紙容器を提供することを課題とする。【解決手段】液体用紙容器であって、シーラント層は接液面側から、ポリエチレン1層、環状ポリオレフィン層、ポリエチレン2層から構成され、ポリエチレン1層は直鎖状低密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレンとのブレンドからなり、ポリエチレン1層の直鎖状低密度ポリエチレンの含有比率は、1%以上、50%以下であって、ポリエチレン1層の直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.925g/cm3以下であって、環状ポリオレフィン層の環状ポリオレフィンのTgは、40℃以上、100℃以下であって、紙基材層と、該シーラント層との間には、ガスバリア層が設けられていることを特徴とする液体用紙容器である。【選択図】図1

Description

本発明は液体用紙容器に関するものである。特にシーラント層の、内容物の香味成分の吸着が少なく、シーラントの製膜性に優れるとともに、内容物充填後の密封性、すなわち充填適性に優れる液体紙容器に関するものである。
食品や非食品などの液体内容物に使用される液体用紙容器は、牛乳や酒パックをその代表格として、広く用いられている。その構成は、紙を基材として容器内面となる側に熱可塑性樹脂によるシーラント層が設けられた積層材料からなる。液体用紙容器はそのほか果汁飲料、お茶、コーヒー、乳飲料等の飲料、スープ等の液体食品、日本酒、焼酎等の酒類にも広く用いられている。
一般にこれらの液体用紙容器は、紙を基材とする積層体構成されており、紙基材とシーラント層からなる構成のほか、紙層とシーラント層の間にアルミニウム箔や金属蒸着フィルム、金属酸化物蒸着フィルム、を用いてガスバリア層としたり、あるいは、無機化合物蒸着フィルムなどのガスバリア性のある層を設けたものなどもある。
容器内側になる層にはシーラント層を設けてある。シーラント層によって箱形に立体を形成して液体用紙容器とすることができ、また内容物充填後に容器を密封することが可能である。一般にシーラント層にはポリオレフィン系樹脂が用いられることが多い。
また容器外側になる層には、熱可塑性樹脂層が設けてある。一般に熱可塑性樹脂層には、ポリオレフィン系樹脂等が用いられてきた。そのため、積層体を折罫線などで折り曲げて立体的に容器を組み立てる際には、積層体の表裏、あるいはシーラント同士を対向させて重ね、ヒートシールによって溶着することが可能である。
ところがシーラント層としてポリオレフィン系樹脂は使いやすい半面、内容物の香味成分などを吸着しやすいこともあって、風味が変化するといった問題が指摘されてきた。あるいは、内容物によっては、含まれる薬効成分の吸着によって、内容物の組成や効能に変化が生ずるといった問題も指摘されている。
そのほか、シーラントフィルムを成膜する際に製膜適性や、内容物充填後のシール強度なども必要な性能として求められるところである。
たとえば下記特許文献には、液体用紙容器に低吸着性を付与するために、シーラント層を、低密度ポリエチレン層/環状オレフィン層/低密度ポリエチレン層としたものであるが、低吸着性を考慮したものであって良好であるものの、製膜適性、充填適性は十分なものではなかった。
特許第5560520号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであって、フィルムへの製膜適性に優れたシーラント層を有して箱形に形成された液体用紙容器において、内容物充填後の密封適性に優れ、かつ内容物由来の成分の低吸着性に優れた、液体用紙容器を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
紙を基材層として、容器の最内層にはシーラント層を有し、最外層には熱可塑性樹脂層を有する積層体からなる、液体用紙容器であって、
該シーラント層は接液面側から、ポリエチレン1層、環状ポリオレフィン層、ポリエチレン2層から構成され、
該ポリエチレン1層は直鎖状低密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレンとのブレンドからなり、
該ポリエチレン1層の直鎖状低密度ポリエチレンの含有比率は、1%以上、50%以下であって、
該ポリエチレン1層の直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.925g/cm以下であって、
該環状ポリオレフィン層の環状ポリオレフィンのTgは、40℃以上、100℃以下であって、
紙基材層と、該シーラント層との間には、紙基材層側に接着層を有して、ガスバリア層が設けられていることを特徴とする、液体用紙容器である。
また、請求項2に記載の発明は、
前記ポリエチレン1層の直鎖状低密度ポリエチレン層の密度が、0.915g/cm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の液体用紙容器である。
また、請求項3に記載の発明は、
前記ガスバリア層は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、またはポリアミドフィルムの表面に、アルミニウム、または無機化合物を蒸着したもの、もしくはアルミニウム箔であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の液体用紙容器である。
また、請求項4に記載の発明は、
前記ポリエチレン1層、ポリエチレン2層のいずれか、または両方が、複数の層で構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液体用紙容器である。
本発明によれば、フィルムへの製膜適性に優れたシーラント層を有して箱形に形成された液体用紙容器において、内容物充填後の密封適性に優れ、かつ内容物由来の成分の低吸着性に優れた、液体用紙容器を提供することが可能である。
特に請求項2に記載の発明によれば、フィルムへの製膜適性に優れたシーラント層を有して箱形に形成された液体用紙容器において、内容物充填後の密封適性により優れ、かつ内容物由来の成分の低吸着性に優れた、液体用紙容器を提供することが可能である。
特に請求項3に記載の発明によれば、液体用紙容器において、内容物充填後の密封適性に優れ、かつ積層体へのガスバリア性の付与によって、内容物由来の成分の低吸着性により優れた、液体用紙容器を提供することが可能である。加えて、積層体のガスバリア性能を向上させることによって内容物の保存性の向上にも効果的である。
特に請求項4に記載の発明によれば、ポリエチレン層の形成を、複数の層で構成する場合には、材料や製膜方式の自由度を大きくすることが可能である。
図1は、本発明に係る液体用紙容器を構成する積層体の、一実施態様を説明するための部分断面模式図である。
以下、本発明を図1を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
図1は、本発明に係る液体用紙容器を構成する積層体の、一実施態様を説明するための部分断面模式図である。
本発明による液体用紙容器を構成する積層体(10)は、紙を基材層(1)として、容器の最内層にはシーラント層(5)を有し、最外層には熱可塑性樹脂層(6)を有する。
また、シーラント層(5)は接液面側から、ポリエチレン1層(2)、環状ポリオレフィン層(3)、ポリエチレン2層(4)から構成される。
ポリエチレン1層は直鎖状低密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレンとのブレンドからなり、ポリエチレン1層の直鎖状低密度ポリエチレンの含有比率は、1%以上、50%以下である。
また、環状ポリオレフィン層の環状ポリオレフィンのTgは、40℃以上、100℃以下である。
さらに、紙基材層と、該シーラント層との間には、紙基材層側に接着層を有して、ガスバリア層が設けられている。
このような構成要件によって、本発明によれば、フィルムへの製膜適性に優れたシーラント層を有して箱形に形成された液体用紙容器において、内容物充填後の密封適性に優れ、かつ内容物由来の成分の低吸着性に優れた、液体用紙容器を提供することが可能である。
また本発明においてはポリエチレン1層の直鎖状低密度ポリエチレン層の密度が、0.915g/cm以下とすることができる。
また本発明においては、ガスバリア層は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、またはポリアミドフィルムの表面に、アルミニウム、または無機化合物を蒸着したもの、もしくはアルミニウム箔のいずれかとすることができる。
また本発明においては、ポリエチレン1層、ポリエチレン2層のいずれか、または両方を、複数の層で構成することができる。
次に、本発明による液体用紙容器を構成する、積層体の各層について、さらに詳細に説明を加える。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層(6)は、ポリエチレン樹脂を用いることができる。たとえば、低密度ポリエチレン樹脂や、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を用いることができ、あるいはエチレンメタクリル酸等の酸コポリマーを用いることができる。またこれらの樹脂のブレンドを
用いることができる。
熱可塑性樹脂層(6)は、積層体(10)の反対側の表面にはシーラント層(5)を設けてあり、液体用紙容器を形成する際には、両者をヒートシールなどによってシールして容器を組み立てることができ利便性が高い。また、熱可塑性樹脂層(6)の厚さは、10μm〜40μmの範囲が好ましい。
必要に応じて、商品としてのイメージアップや、内容物についての必要な情報表示や意匠性の向上を目的として、紙を基材とする積層体(10)中の、包装容器外側から見える層に印刷層を設けることができる。印刷層は紙容器の最外層すなわち熱可塑性樹脂層(6)の上に設けるのでも構わない。
また印刷層は、紙容器の一部に設けるのでもよく、また紙容器の全面に渡って設けるのでもよい。あるいは、印刷層を用いずに表示部を設ける方法としては、たとえば紙容器の表面に、印刷されたシールを貼着することも可能である。
ここで、印刷方法、および印刷インキには、とくに制約を設けるものではないが、既知の印刷方法の中から被印刷体への印刷適性、色調などの意匠性、密着性、食品容器としての安全性などを考慮すれば適宜選択してよい。
また印刷方法についても、たとえば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの既知の印刷方法から、適宜選択して用いることができる。中でもグラビア印刷法は、生産性、プラスチックフィルムへの印刷適性、および絵柄の高精細度において好ましく用いることができる。
(基材層)
積層体(10)は、紙を基材層(1)とする。紙の坪量は、内容量によって選択することができる。
たとえば内容量が、
1リットルの場合:280g/m〜380g/m
2リットルの場合:350g/m〜450g/m
のものをひとつの目安として用いることができる。
(接着剤層)
図1に示す例において、接着剤層(8)は、基材層(1)と、ガスバリア層(7)との間に位置して、両者を積層することに用いる。低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、あるいはエチレンメタクリル酸等のポリエチレン系コポリマー等を用いることができる。
接着剤層(8)の厚さは、10μm〜40μmの範囲とすることができ、この範囲であることが、生産性および接着強度の点で好ましい。接着剤層(8)の形成には、エクストルーダーによる押し出しによる層形成を用いることができ、あるいはドライラミネーションを用いて接着剤層(8)を設けて、貼り合せることもできる。ドライラミネーションにおいて、接着剤の塗布量は1〜5g/mとすることができる。
(ガスバリア層)
内容物の保存性の向上、紙容器の低吸着性の向上を目的として、積層体中にガスバリア層(7)を設ける。ガスバリア層(7)として、アルミニウム箔などの金属箔、のほか、プラスチックフィルムにアルミニウム蒸着層、アルミナ蒸着層、無機化合物蒸着層を設けた
ガスバリアフィルムを効果的に用いることができる。アルミニウム箔を用いる場合には、厚さは6μm〜25μmのものを、好適に用いることができる。
一般にプラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用できる。
ガスバリアフィルムの場合には、用いられるプラスチックフィルムは、特段の限定を加えるものではないが、たとえばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルム基材とする場合は、フィルム強度と価格、また低吸着性の点においてより好ましい。
また、積層体中にポリアミドフィルムを用いる場合には、耐突き刺し性や、耐衝撃性、機械強度に優れる。一般にプラスチックフィルムの厚さは、9μm〜25μmのものを、好適に用いることができる。
また、たとえば、積層体(10)中に、プラスチックフィルムの表面にガスバリア層(7)として無機化合物からなるガスバリア層を蒸着した、ガスバリアフィルムを設けることができる。前述のように、アルミニウム箔などの金属箔、のほか、プラスチックフィルムにアルミニウム蒸着層、アルミナ蒸着層、を設ける方法もあり、いずれの場合においても内容物の保存性向上に有効である。
ガスバリアフィルムの場合、ガスバリア層はたとえば、無機化合物の蒸着層、およびコーティング層で構成することができ、プラスチックフィルムにアンカーコートを設けた後、無機化合物の蒸着層、コーティング層を順次設ける。
無機化合物の蒸着層を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けたプラスチックフィルム上に付着させ、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。
また、コーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。
このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着性の向上を図ることができる。
無機化合物層は真空蒸着法による膜のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
したがって、ガスバリアフィルムとしてより高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、外力による変形に耐えられる可撓性を有するため、液体用紙容器としての適性も具備することができる。
(ポリエチレン2層)
ポリエチレン2層(4)は、図1において示すように、シーラント層(5)のうちのひと
つで、ガスバリア層(7)に接して設けられている層である。
ポリエチレン樹脂のうち、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンド、を少なくとも含んで設けられる層である。
ポリエチレン2層の層形成は、エクストルーダーを用いて押し出し製膜するのでも良く、また単層でも複数の層で構成するのでもよい。ポリエチレン2層(4)の厚さは、10μm〜40μmが好ましい。
ポリエチレン2層(4)とガスバリア層(7)との積層は、ポリエチレン2層(4)をエクストルーダーで製膜して積層するのでも良く、ドライラミネーションで接着剤を用いて積層するのでもよい。
(環状オレフィン層)
環状オレフィン層(3)は、シーラント層(5)の中間に設けられる。環状オレフィンコポリマー(COC)や、環状オレフィンポリマー(COP)が使用可能である。環状ポリオレフィンのTgは、40℃以上、100℃以下の範囲のものを用いる。環状オレフィン層(3)を設けることによって、液体用紙容器(10)の低吸着性向上に有効である。厚さは3μm〜30μmが好適である。
(ポリエチレン1層)
本発明において、ポリエチレン1層(2)は、シーラント層(5)のうち、最内層すなわち接液面側に設けられる。その組成は、直鎖状低密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレンとのブレンドからなり、ポリエチレン1層(2)の、直鎖状低密度ポリエチレンの含有比率は、1%以上、50%以下である。
ポリエチレン1層(2)の直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.925g/cm以下である。あるいはポリエチレン1層(2)の直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.915g/cm以下としてもよく、より好ましい。
また、ポリエチレン1層(2)は、アンチブロッキング剤やスリップ剤などの添加剤を含んでいてもよい。
このようにして、本発明によれば、フィルムへの製膜適性に優れたシーラント層を有して箱形に形成された液体用紙容器において、内容物充填後の密封適性に優れ、かつ内容物由来の成分の低吸着性に優れた、液体用紙容器を提供することが可能である
以下本発明を、実施例および比較例によって更に具体的な説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。また実施例および比較例の説明において、層構成などは図1に示す部分断面図を適宜参照することができる。
評価項目、および評価基準は以下のとおりである。
(1.製膜適性)
キャスト製膜機を使用して、シーラントフィルムの製膜を実施。
500m分製膜の上、製膜可否の評価を行なった。
〇:耳ゆれ発生なし。
×:耳ゆれにより製膜不可。
(2.充填機特性)
ゲーベルトップ型紙容器用の充填機を用いて、充填・成型を実施。
液体用紙容器は、ゲーベルトップ型85mm角、内容量2リットルである。
トップシール部およびボトムシール部を切り出して、浸透液を用いて、シール部の密封状態(液漏れの有無、および程度)を観察、評価した。
〇:液漏れのないもの
△:液漏れあるが軽微なもの
×:液漏れがあるもの
なお試験体はn=30とした。
(3.低吸着性)
各構成のうち、バリア層より内側の層構成について、100mm×100mmのパウチを作成し、リモネン100mlを封入した。
40℃×1週間保存した後、パウチの重量を測定して、リモネンの吸着量を測定した。
〇:0〜0.5
×:0.5を超えるもの
なお数値は比較例3を1.0としたときの比で表した。
以下実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例6の構成について説明する。
なお、樹脂名等のアルファベット表記の略号は下記のとおりである。
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
LDPE:低密度ポリエチレン
COP:環状オレフィンポリマー
COC:環状オレフィンコポリマー
EMAA:エチレンメタクリル酸
MI:メルトインデックス
Tg:ガラス移転点
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム
AC:アンカーコート。
<実施例1>
積層体の構成は下記のとおりである。
LDPE(厚さ20μm)/紙(坪量400g/m)/EMAA(厚さ20μm)/シリカ蒸着PET(厚さ12μm)/AC/LDPE(厚さ20μm)/シーラント層(厚さ40μm)。
このうち、LDPE(厚さ20μm)、およびEMAA(厚さ20μm)、およびLDPE(厚さ20μm)は、エクストルーダーによる押し出しで形成した。
シーラント層(5)の層構成は下記のとおりである。
接液面側から、
ポリエチレン1層(2)
LLDPE95%+LDPE5%、すなわちLDPE含有率5%の場合である。
(厚さ10μm)
このうち、
LLDPEは密度=0.903、MI=6である。
LDPEは、密度=0.923、MI=7である。
環状ポリエチレン層(3)
COP:環状オレフィンポリマー(厚さ15μm)
Tg=80℃である。
ポリエチレン2層(4)
LLDPE:(厚さ15μm)
LLDPEは、密度=0.915、MI=4である。
<実施例2>
積層体の構成は下記のとおりである。
LDPE(厚さ20μm)/紙(坪量400g/m)/EMAA(厚さ20μm)/アルミニウム蒸着PET(厚さ12μm)/(ドライラミネーション接着剤)/シーラント層(厚さ60μm)。
このうち、LDPE(厚さ20μm)、およびEMAA(厚さ20μm)は、エクストルーダーによる押し出しで形成した。
シーラント層(5)の層構成は下記のとおりである。
接液面側から、
ポリエチレン1層(2)
LLDPE99%+LDPE1%、すなわちLDPE含有率1%の場合である。
(厚さ10μm)
このうち、
LLDPEは密度=0.903、MI=6である。
LDPEは、密度=0.923、MI=7である。
環状ポリエチレン層(3)
COP:環状オレフィンポリマー(厚さ15μm)
Tg=80℃である。
ポリエチレン2層(4)
接液面側から、
LLDPE(厚さ15μm)/LDPE(厚さ20μm)の2層で構成される。
このうち、
LLDPEは、密度=0.915、MI=4である。
また、
LDPEは、密度=0.923、MI=7である。
<実施例3>
積層体の構成は下記のとおりである。
LDPE(厚さ20μm)/紙(坪量400g/m)/EMAA(厚さ20μm)/アルミナ蒸着PET(厚さ12μm)/AC/LDPE(厚さ20μm)/シーラント層(厚さ40μm)。
このうち、LDPE(厚さ20μm)、およびEMAA(厚さ20μm)、およびLDPE(厚さ20μm)は、エクストルーダーによる押し出しで形成した。
シーラント層(5)の層構成は下記のとおりである。
接液面側から、
ポリエチレン1層(2)
LLDPE50%+LDPE50%、すなわちLDPE含有率50%の場合である。
(厚さ10μm)
このうち、
LLDPEは、密度=0.903、MI=6である。
LDPEは、密度=0.923、MI=7である。
環状ポリエチレン層(3)
COC:環状オレフィンコポリマー(厚さ15μm)
Tg=80℃である。
ポリエチレン2層(4)
LLDPE:(厚さ15μm)
LLDPEは、密度=0.915、MI=4である。
<比較例1>
積層体の構成は下記のとおりである。
LDPE(厚さ20μm)/紙(坪量400g/m)/EMAA(厚さ20μm)/シリカ蒸着PET(厚さ12μm)/AC/LDPE(厚さ20μm)/シーラント層(厚さ40μm)。
シーラント層(5)の層構成は下記のとおりである。
接液面側から、
ポリエチレン1層(2)
LLDPE99.5%+LDPE0.5%、すなわちLDPE含有率0.5%の場合である。この部分のみ実施例1と異なる。
(厚さ10μm)
このうち、
LLDPEは密度=0.903、MI=6である。
LDPEは、密度=0.923、MI=7である。
環状ポリエチレン層(3)
COP:(厚さ15μm)
Tg=80℃である。
ポリエチレン2層(4)
LLDPE:(厚さ15μm)
LLDPEは、密度=0.915、MI=4である。
<比較例2>
積層体の構成は下記のとおりである。
LDPE(厚さ20μm)/紙(坪量400g/m)/EMAA(厚さ20μm)/シリカ蒸着PET(厚さ12μm)/AC/LDPE(厚さ20μm)/シーラント層(厚さ40μm)。
シーラント層(5)の層構成は下記のとおりである。
接液面側から、
ポリエチレン1層(2)
LLDPE45%+LDPE55%、すなわちLDPE含有率55%の場合である。この
部分のみ実施例1と異なる。
(厚さ10μm)
このうち、
LLDPEは密度=0.903、MI=6である。
LDPEは、密度=0.923、MI=7である。
環状ポリエチレン層(3)
COP:(厚さ15μm)
Tg=80℃である。
ポリエチレン2層(4)
LLDPE:(厚さ15μm)
LLDPEは、密度=0.915、MI=4である。
<比較例3>
積層体の構成は下記のとおりである。
LDPE(厚さ20μm)/紙(坪量400g/m)/EMAA(厚さ20μm)/アルミニウム蒸着PET(厚さ12μm)/(ドライラミネーション接着剤)/シーラント層(厚さ60μm)。
シーラント層(5)の層構成は下記のとおりである。
LLDPE(厚さ60μm)単層で構成される。
また、
LLDPEは、密度=0.903、MI=6である。
すなわち、比較例3においては、シーラント層(5)の層構成は
LLDPE単層で構成され、環状ポリオレフィン層を設けていない、この点は比較例1と異なる。
<比較例4>
積層体の構成は下記のとおりである。
LDPE(厚さ20μm)/紙(坪量400g/m)/EMAA(厚さ20μm)/シリカ蒸着PET(厚さ12μm)/AC/LDPE(厚さ20μm)/シーラント層(厚さ40μm)。
シーラント層(5)の層構成は下記のとおりである。
接液面側から、
ポリエチレン1層(2)
LLDPE0%+LDPE100%、すなわちLDPE含有率100%の場合である。
(厚さ10μm)。この部分のみ実施例1と異なる。
また、
LDPEは、密度=0.923、MI=7である。
環状ポリエチレン層(3)
COP:(厚さ15μm)
Tg=80℃である。
ポリエチレン2層(4)
LLDPE:(厚さ15μm)
LLDPEは、密度=0.915、MI=4である。
<比較例5>
積層体の構成は下記のとおりである。
LDPE(厚さ20μm)/紙(坪量400g/m)/EMAA(厚さ20μm)/シリカ蒸着PET(厚さ12μm)/AC/LDPE(厚さ20μm)/シーラント層(厚さ40μm)。
シーラント層(5)の層構成は下記のとおりである。
接液面側から、
ポリエチレン1層(2)
LLDPE100%+LDPE0%、すなわちLLDPE含有率100%の場合である。(厚さ10μm)
この部分のみ実施例1と異なる。
このうち、
LLDPEは密度=0.903、MI=6である。
環状ポリエチレン層(3)
COP:(厚さ15μm)
Tg=80℃である。
ポリエチレン2層(4)
LLDPE:(厚さ15μm)
LLDPEは、密度=0.915、MI=4である。
<比較例6>
積層体の構成は下記のとおりである。
LDPE(厚さ20μm)/紙(坪量400g/m)/EMAA(厚さ20μm)/シリカ蒸着PET(厚さ12μm)/AC/LDPE(厚さ20μm)/シーラント層(厚さ40μm)/フィラー含有層。
比較例6においては、接液面側表面がフィラー含有層である。
すなわち、フィラー含有層、すなわちLLDPEにフィラーを添加した層を、シーラント層(5)の接液面側に、さらに追加して設ける。この部分のみが実施例1と異なる。
シーラント層(5)の層構成は下記のとおりである。
ポリエチレン1層(2)
LLDPE95%+LDPE5%、すなわちLDPE含有率5%の場合である。
(厚さ10μm)
このうち、
LLDPEは密度=0.903、MI=6である。
LDPEは、密度=0.923、MI=7である。
環状ポリエチレン層(3)
COP:(厚さ15μm)
Tg=80℃である。
ポリエチレン2層(4)
LLDPE:(厚さ15μm)
LLDPEは、密度=0.915、MI=4である。
前述の評価項目、および評価基準に基づく評価結果を表1に示す。
Figure 2019202788
表1に示す結果から、本発明による実施例1〜実施例3は、各評価項目について、全てが〇評価であって、したがって総合評価も〇であって、比較例1〜比較例6に比べて、明らかに優位である。
このように本発明によれば、フィルムへの製膜適性に優れたシーラント層を有して箱形に形成された液体用紙容器において、内容物充填後の密封適性に優れ、かつ内容物由来の成分の低吸着性に優れた、液体用紙容器を提供することが可能であることを検証することができた。
1・・・基材層
2・・・ポリエチレン2層
3・・・環状ポリオレフィン層
4・・・ポリエチレン2層
5・・・シーラント層
6・・・熱可塑性樹脂層
7・・・ガスバリア層
8・・・接着剤層
10・・・積層体

Claims (4)

  1. 紙を基材層として、容器の最内層にはシーラント層を有し、最外層には熱可塑性樹脂層を有する積層体からなる、液体用紙容器であって、
    該シーラント層は接液面側から、ポリエチレン1層、環状ポリオレフィン層、ポリエチレン2層から構成され、
    該ポリエチレン1層は直鎖状低密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレンとのブレンドからなり、
    該ポリエチレン1層の直鎖状低密度ポリエチレンの含有比率は、1%以上、50%以下であって、
    該ポリエチレン1層の直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.925g/cm以下であって、
    該環状ポリオレフィン層の環状ポリオレフィンのTgは、40℃以上、100℃以下であって、
    紙基材層と、該シーラント層との間には、紙基材層側に接着層を有して、ガスバリア層が設けられていることを特徴とする、液体用紙容器。
  2. 前記ポリエチレン1層の直鎖状低密度ポリエチレンの密度が、0.915g/cm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の液体用紙容器。
  3. 前記ガスバリア層は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、またはポリアミドフィルムの表面に、アルミニウム、または無機化合物を蒸着したもの、もしくはアルミニウム箔であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の液体用紙容器。
  4. 前記ポリエチレン1層、ポリエチレン2層のいずれか、または両方が、複数の層で構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液体用紙容器。
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