JP2019202509A - 繊維強化樹脂成形装置 - Google Patents

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未央 小山
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未央 小山
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【課題】成形性の悪化を抑制することができる繊維強化樹脂成形装置を提供する。【解決手段】繊維強化樹脂成形装置1は、加熱された熱可塑性繊維強化樹脂シートSを成形する。繊維強化樹脂成形装置1は、下型2と、下型2との間で熱可塑性繊維強化樹脂シートSをプレスする上型3と、下型2及び上型3の周囲に設けられ、複数の繊維5が掛け渡された繊維保持体4と、を備える。複数の繊維5は、下型2と上型3との間において下型2及び上型3から離間して、下型2と上型3とのプレス方向に交差する方向に掛け渡されている。下型2及び上型3は、複数の繊維5上に下型2及び上型3から離間して載置された状態の熱可塑性繊維強化樹脂シートSをプレス可能に設けられている。【選択図】図2

Description

本開示は、繊維強化樹脂成形装置に関する。
加熱された熱可塑性繊維強化樹脂シートを成形する繊維強化樹脂成形装置が知られている。例えば特許文献1に開示される装置は、下型と上型とを備え、加熱された熱可塑性繊維強化樹脂シートが下型上に載置されるとともに当該熱可塑性繊維強化樹脂シート上に複数の連続繊維が載置される。そして、この状態で下型及び上型により熱可塑性繊維強化樹脂シートをプレスすることで、複数の連続繊維同士の間隙に熱可塑性繊維強化樹脂が含浸し、剛性及び強度に優れた繊維強化樹脂が成形される。
特開2015−178241号公報
ところで、上述したような装置では、下型は、加熱された熱可塑性繊維強化樹脂シートと比較して温度が低い。このため、加熱された熱可塑性繊維強化樹脂シートが下型上に載置されると、下型及び上型がプレスされるまでの間に熱可塑性繊維強化樹脂シートから下型に熱が逃げることで、熱可塑性繊維強化樹脂シートの温度が低下する場合がある。この場合、上述した装置では、温度が低下した熱可塑性繊維強化樹脂シートをプレスすることとなるため、成形性が悪化するおそれがある。
そこで、本開示は、成形性の悪化を抑制することができる繊維強化樹脂成形装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る繊維強化樹脂成形装置は、加熱された熱可塑性繊維強化樹脂シートを成形する繊維強化樹脂成形装置であって、下型と、下型との間で熱可塑性繊維強化樹脂シートをプレスする上型と、下型及び上型の周囲に設けられ、複数の繊維が掛け渡された繊維保持体と、を備え、複数の繊維は、下型と上型との間において下型及び上型から離間して、下型と上型とのプレス方向に交差する方向に掛け渡され、下型及び上型は、複数の繊維上に下型及び上型から離間して載置された状態の熱可塑性繊維強化樹脂シートをプレス可能に設けられている。
本開示の一態様によれば、成形性の悪化を抑制することが可能となる。
図1は、本実施形態に係る繊維強化樹脂成形装置を示す図である。 図2は、繊維強化樹脂成形装置の繊維上に熱可塑性繊維強化樹脂シートが載置された状態を示す図である。 図3は、繊維強化樹脂成形装置により熱可塑性繊維強化樹脂シートがプレスされた状態を示す図である。 図4は、変形例に係る繊維強化樹脂成形装置を示す図である。
以下、図面を参照して、例示的な実施形態について説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る繊維強化樹脂成形装置1を示す図である。図2は、繊維強化樹脂成形装置1の繊維5上に熱可塑性繊維強化樹脂シートSが載置された状態を示す図である。図3は、繊維強化樹脂成形装置1により熱可塑性繊維強化樹脂シートSがプレスされた状態を示す図である。図1〜図3に示される繊維強化樹脂成形装置1は、加熱された熱可塑性繊維強化樹脂シートSを成形する装置である。より具体的には、繊維強化樹脂成形装置1は、加熱された熱可塑性繊維強化樹脂シートSを型でプレスすることにより、型の形状に応じた所望の形状となるように熱可塑性繊維強化樹脂シートSを成形する。熱可塑性繊維強化樹脂シートSは、例えば熱可塑性樹脂が軟化してプレスにより成形可能となる温度まで、予め加熱炉等により加熱される。
熱可塑性繊維強化樹脂シートSは、シート状に成形された熱可塑性繊維強化樹脂である。熱可塑性繊維強化樹脂は、熱可塑性樹脂に繊維材が混入された材料である。熱可塑性繊維強化樹脂としては、公知の材料を用いることができる。熱可塑性繊維強化樹脂の熱可塑性樹脂としては、例えばPA6、PA66、ABS、PP、PPS等が挙げられる。また、熱可塑性繊維強化樹脂の繊維材としては、例えば炭素繊維、セルロース系繊維、ナイロン、アラミド、PE等が挙げられる。より具体的に、炭素繊維はポリアクリロニトリル繊維、ピッチ繊維等であってもよく、セルロース系繊維はレーヨン等であってもよい。
繊維強化樹脂成形装置1は、下型2、上型3、及び繊維保持体4を備えている。下型2は、例えば下型支持部6により下側から支持されている。上型3は、例えば上型支持部7により上側から支持されている。下型2及び上型3は、対面するように配置された一対の型である。下型2及び上型3の少なくともいずれかがプレス方向(型閉じする方向)に移動することで、下型2及び上型3が型閉じする。例えば、上型3は下型2の鉛直方向上方に配置されており、「プレス方向」は鉛直方向である。ここでは、上型3が鉛直方向下方に移動することで、下型2及び上型3が型閉じする。なお、繊維強化樹脂成形装置1は、下型2及び上型3の少なくともいずれかをプレス方向に移動させるアクチュエータ(不図示)を更に備えていてもよい。
下型2は、熱可塑性繊維強化樹脂シートSをプレスするための一対の型のうちの一方の型である。下型2は、下型基部2a及び下型凸部2bを有している。下型基部2aは、例えばブロック状に形成されている。下型基部2aは、直方体状をなしていてもよい。下型凸部2bは、下型基部2aの上面(すなわち、上型3側の面)に突出するように形成された部分である。下型基部2a及び下型凸部2bは、単一部材として一体的に形成されている。
上型3は、熱可塑性繊維強化樹脂シートSをプレスするための一対の型のうちの他方の型である。上型3は、下型2との間で熱可塑性繊維強化樹脂シートSをプレスする。上型3は、ブロック状に形成されている。上型3は、直方体状をなしていてもよい。上型3の下面(すなわち、下型2側の面)には、上方に向かって窪んだ上型凹部Cが形成されている。下型2及び上型3が型閉じするときには、下型凸部2bが上型凹部Cに入り込む。このとき、下型凸部2bと上型凹部Cとの間には熱可塑性繊維強化樹脂シートSを成形するための微小な隙間が形成される。
繊維保持体4は、下型2及び上型3の周囲に設けられ、複数の繊維5が掛け渡された部材である。例えば、繊維保持体4は、第1繊維保持部4a、第2繊維保持部4b、第3繊維保持部4c、及び第4繊維保持部4dを有している。第1繊維保持部4a、第2繊維保持部4b、第3繊維保持部4c、及び第4繊維保持部4dは、下型2の四隅側に、下型2に対する相対位置が変化しないようにそれぞれ配置された支柱であり、鉛直方向にそれぞれ延在している。第1繊維保持部4a及び第4繊維保持部4dは、下型2に関して対称の位置に配置されている。また、第2繊維保持部4b及び第3繊維保持部4cは、下型2に関して対称の位置に配置されている。
第1繊維保持部4aと第4繊維保持部4dとの間には、例えば2本の第1繊維(繊維)5aが掛け渡されている。2本の第1繊維5aは、互いに平行且つ同じ高さに設けられている。より具体的には、第1繊維5aは、下型2と上型3との間において下型2及び上型3から離間して、下型2と上型3とのプレス方向に交差する方向に掛け渡されている。「プレス方向に交差する方向」は、ここでは水平方向であるが、水平方向から多少傾いた方向であってもよい。
第2繊維保持部4bと第3繊維保持部4cとの間には、例えば2本の第2繊維(繊維)5bが掛け渡されている。2本の第2繊維5bは、互いに平行且つ同じ高さに設けられている。より具体的には、第2繊維5bは、下型2と上型3との間において下型2及び上型3から離間して、下型2と上型3とのプレス方向に交差する方向に掛け渡されている。第2繊維5bは、第1繊維5aと同じ高さに設けられている。
上述したように、第1繊維保持部4a及び第4繊維保持部4dは下型2に関して対称の位置に配置されており、第2繊維保持部4b及び第3繊維保持部4cは下型2に関して対称の位置に配置されている。これにより、第1繊維5aと第2繊維5bとは、下型2の下型凸部2bの上方の交差領域Xにおいて互いに交差している。
熱可塑性繊維強化樹脂シートSは、下型2及び上型3によりプレスされる前に、加熱された状態で繊維5上の交差領域Xに載置される。ここで、繊維5は、適度な撓みを有して繊維保持体4に掛け渡されており、下型2及び上型3が型閉じされる際にも繊維5には過剰な張力が加わらず、且つ、熱可塑性繊維強化樹脂シートSの重みにより鉛直方向下方に押し下げられても下型2には接触しない。熱可塑性繊維強化樹脂シートSは、下型2及び上型3が型閉じしたときに、下型凸部2bと上型凹部Cとの間の適切な位置となるように、交差領域Xに載置される。
交差領域Xに載置された熱可塑性繊維強化樹脂シートSは、加熱されて軟化している。このため、下型2及び上型3が型閉じされると、下型2及び上型3から離間して繊維5上の交差領域Xに載置された熱可塑性繊維強化樹脂シートSは、下型2及び上型3により押し潰されながら下型凸部2bと上型凹部Cとの間の微小な隙間に充填される。このようにして、熱可塑性繊維強化樹脂シートSは、下型2及び上型3によりプレスされて、下型2及び上型3の形状に応じた所望の形状となるように成形される。換言すると、下型2及び上型3は、複数の繊維5上に下型2及び上型3から離間して載置された状態の熱可塑性繊維強化樹脂シートSをプレス可能に設けられている。
以上説明したように、繊維強化樹脂成形装置1によれば、加熱された熱可塑性繊維強化樹脂シートSは、複数の繊維5上に下型2及び上型3から離間して載置された状態で、下型2及び上型3によりプレスされる。このため、加熱された熱可塑性繊維強化樹脂シートSは、当該熱可塑性繊維強化樹脂シートSよりも温度の低い下型2上に接触しないため、プレスされるまでの間に熱可塑性繊維強化樹脂シートSから下型2に熱が逃げて熱可塑性繊維強化樹脂シートSの温度が低下することが抑制される。よって、繊維強化樹脂成形装置1によれば、熱可塑性繊維強化樹脂シートSの成形性の悪化を抑制することが可能となる。
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
例えば、繊維保持体は、上記実施形態に示されるような構成に限定されない。繊維保持体は、掛け渡された複数の繊維5上に下型2及び上型3から離間して熱可塑性繊維強化樹脂シートSが載置可能となるように構成されていればよい。図4は、変形例に係る繊維強化樹脂成形装置1Aを示す図である。例えば図4に示されるように、繊維保持体は、複数の繊維5として2本の第3繊維5cのみを掛け渡されていてもよい。2本の第3繊維5cは、互いに平行且つ同じ高さに設けられている。より具体的には、第3繊維5cは、下型2と上型3との間において下型2及び上型3から離間して、下型2と上型3とのプレス方向に交差する方向に掛け渡されている。そして、熱可塑性繊維強化樹脂シートSは、2本の第3繊維5c上に、当該第3繊維5cの延在方向に沿って載置されている。このような構成を備える繊維強化樹脂成形装置1Aにおいても、上述した繊維強化樹脂成形装置1と同様の作用及び効果が奏される。
また、繊維保持体4は、下型2及び上型3の周囲に設けられ、複数の繊維5が掛け渡されていればよく、必ずしも上記実施形態に示されるような支柱でなくてもよい。また、繊維保持体4は、第1繊維保持部4a、第2繊維保持部4b、第3繊維保持部4c、及び第4繊維保持部4dのように別体の部材として構成されていなくてもよく、例えば下型2及び上型3を連続的に包囲する一体の部材として構成されていてもよい。
また、複数の繊維5は、下型2と上型3との間において下型2及び上型3から離間して、下型2と上型3とのプレス方向に交差する方向に掛け渡されていればよく、繊維5の本数及び繊維保持体4に掛け渡される態様は、上記実施形態に限定されない。
1,1A…繊維強化樹脂成形装置、2…下型、3…上型、4…繊維保持体、5…繊維、S…熱可塑性繊維強化樹脂シート。

Claims (1)

  1. 加熱された熱可塑性繊維強化樹脂シートを成形する繊維強化樹脂成形装置であって、
    下型と、
    前記下型との間で前記熱可塑性繊維強化樹脂シートをプレスする上型と、
    前記下型及び前記上型の周囲に設けられ、複数の繊維が掛け渡された繊維保持体と、を備え、
    複数の前記繊維は、前記下型と前記上型との間において前記下型及び前記上型から離間して、前記下型と前記上型とのプレス方向に交差する方向に掛け渡され、
    前記下型及び前記上型は、複数の前記繊維上に前記下型及び前記上型から離間して載置された状態の前記熱可塑性繊維強化樹脂シートをプレス可能に設けられている、繊維強化樹脂成形装置。
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