JP2019201321A - 基準レベル表示装置及びそのプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】制作者が映像信号レベルを簡易、正確に判断できる補助装置を提供する。【解決手段】映像調整システム100(100B)において、補助装置40(40B)は、基準レベル映像を生成する基準レベル映像生成部41と、HDR映像に対して、基準レベル映像生成部41が生成した基準レベル映像を所定の表示位置に合成する映像合成部43(43B)と、を備える。映像合成部43(43B)は、表示画面とHDR映像とのアスペクト比が一致する場合、HDR映像の周辺に表示位置が予め設定され、HDR映像に対して表示画面が縦長又は横長となる場合、HDR映像が表示されない表示画面の余白領域に表示位置が予め設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、テレビ番組の制作者による映像信号レベルの調整を補助するための基準レベル表示装置及びそのプログラムに関する。
従来、テレビ番組制作等において、制作者が映像信号レベルを適切に調整するため、図13のような映像調整システム90が用いられる。この映像調整システム90では、制作者が、映像モニタ20と波形モニタ30の両方を確認し、映像調整装置10で映像信号レベルを調整することになる。
ここで、高ダイナミックレンジ(HDR:High Dynamic Range)映像は、従来のダイナミックレンジ(SDR:Standard Dynamic Range)映像に比べて、映像の明暗幅が大きく、かつ、最大輝度が高い映像モニタ20で表示されることを前提に制作されている。ダイナミックレンジが狭い映像や過度に明るい映像が制作されず、かつ、番組間で明るさの一貫性を保つことを目的に、HDR用の基準レベルがITU−RレポートBT.2408に示されている(非特許文献1)。この基準レベルは、反射率100%の被写体やグラフィクス白に対する映像信号レベルを、HLG(Hybrid Log Gamma)方式では映像信号レベル75%、PQ(Perceptual Quantization)方式では映像信号レベル58%とするものである。これらは、ピーク輝度1000cd/mのディスプレイにおいて203cd/mの輝度に相当する。テレビ番組制作等においては、この基準レベルを考慮した運用が望まれ、波形モニタ30に映像信号レベル75%(HLG方式の場合)を示すマーカを付けたり、画面内の二次元的な映像信号レベル分布を濃淡や色で表現することが行われている(特許文献1)。
特許第4181625号公報
"Operational practices in HDR television production"、[online]、[平成30年4月2日検索]、インターネット〈URL:https://www.itu.int/pub/R-REP-BT.2408>
しかし、テレビ番組制作等では、制作者が最終的な画質を映像モニタ20で確認する必要があり、映像モニタ20と波形モニタ30を併用するのは煩雑である。さらに、制作者が明るい映像を見続けた場合、目の順応により映像モニタ20に表示された映像の明るさの感じ方が変化する。これにより、制作者が、波形モニタ30の映像信号レベルと映像モニタ20に表示された映像の明るさとの間に不一致を感じる可能性や、意図せずに明るい映像を制作する可能性もある。
そこで、本発明は、制作者が映像信号レベルを簡易、正確に判断できる基準レベル表示装置及びそのプログラムを提供することを課題とする。
前記した課題に鑑みて、本発明に係る基準レベル表示装置は、高ダイナミックレンジ映像を表示する映像表示装置の表示画面の周辺部に、基準レベルを表す基準レベル映像を表示する基準レベル表示装置であって、予め設定された基準レベルで基準レベル映像を生成する基準レベル映像生成部と、高ダイナミックレンジ映像に対して、基準レベル映像生成部が生成した基準レベル映像を予め設定された表示位置に合成する映像合成部と、を備える構成とした。
かかる基準レベル表示装置によれば、映像合成部は、表示画面と高ダイナミックレンジ映像とのアスペクト比が一致する場合、高ダイナミックレンジ映像の周辺の一部又は周辺の全部に重ねて、表示位置が予め設定される。さらに、映像合成部は、表示画面と高ダイナミックレンジ映像とのアスペクト比が一致せずに高ダイナミックレンジ映像に対して表示画面が縦長又は横長となる場合、高ダイナミックレンジ映像が表示されない表示画面の周辺となる余白領域の一部又は余白領域の全部に、表示位置が予め設定される。
このように、基準レベル表示装置は、高ダイナミックレンジ映像と基準レベル映像とを同時に映像表示装置に表示するので、制作者が基準レベルを確認しながら、高ダイナミックレンジ映像の映像信号レベルを調整することができる。このとき、基準レベル表示装置は、高ダイナミックレンジ映像の周辺又は表示画面の余白領域に基準レベル映像を表示するので、基準レベル映像が高ダイナミックレンジ映像を確認する際の邪魔となりにくい。
なお、前記した基準レベル表示装置は、一般的なコンピュータを前記した各手段として協調動作させるプログラムで実現することもできる。
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
本発明に係る基準レベル表示装置は、高ダイナミックレンジ映像の周辺又は表示画面の余白領域に基準レベル映像を同時に表示することができる。これにより、基準レベル表示装置では、基準レベル映像が高ダイナミックレンジ映像を確認する際の邪魔となりにくく、制作者が映像信号レベルを簡易、正確に判断することができる。
第1実施形態における映像調整システムの構成を示すブロック図である。 第1実施形態においてセーフエリアを説明する説明図である。 第1実施形態において合成映像の一例を説明する説明図であり、(a)では基準レベル映像が右側のセーフエリア外領域に重ねて合成され、(b)では、基準レベル映像が右側のセーフエリア外領域に表示され、(c)では左右両側のセーフエリア外領域に表示され、(d)では左側のセーフエリア外領域に表示されている。 第1実施形態において合成映像の一例を説明する説明図であり、(a)では基準レベル映像が上側のセーフエリア外領域に重ねて合成され、(b)では基準レベル映像が上側のセーフエリア外領域に表示され、(c)では上下両側のセーフエリア外領域に表示され、(d)では下側のセーフエリア外領域に表示されている。 第1実施形態において、複数の基準レベルを設定したときの合成映像の一例を説明する説明図である。 第1実施形態において、複数の基準レベルを設定したときの合成映像の一例を説明する説明図である。 図1の映像信号レベル調整補助装置の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態において合成映像の一例を説明する説明図であり、(a)では基準レベル映像がHDR映像の右側に重ならないように合成され、(b)では基準レベル映像がHDR映像の右側に表示され、(c)ではHDR映像の左右両側に表示され、(d)ではHDR映像の左側に表示されている。 第2実施形態において合成映像の一例を説明する説明図であり、(a)では基準レベル映像がHDR映像の上側に重ならないように合成され、(b)では基準レベル映像がHDR映像の上側に表示され、(c)ではHDR映像の上下両側に表示され、(d)ではHDR映像の下側に表示されている。 第3実施形態における映像調整システムの構成を示すブロック図である。 第4実施形態における映像調整システムの構成を示すブロック図である。 第4実施形態において合成映像の一例を説明する説明図であり、(a)はHDR映像を表し、(b)は縮小映像を表し、(c)は合成映像を表す。 従来における映像信号レベルの調整を説明する説明図である。
以下、本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の手段には同一の符号を付し、説明を省略した。
(第1実施形態)
[映像調整システム]
図1を参照し、第1実施形態における映像調整システム100の構成について説明する。
映像調整システム100は、制作者がHDR映像の映像信号レベルを調整するものである。図1に示すように、映像調整システム100は、映像調整装置10と、映像モニタ(映像表示装置)20と、波形モニタ30と、映像信号レベル調整補助装置(基準レベル表示装置)40と、映像切替手段50とを備える。
本実施形態では、例えば、HDR映像のアスペクト比が、UHDTV(Ultra High Definition Television)フォーマットに準じた16:9であることとする。
以後、映像信号レベル調整補助装置40を「補助装置40」と略記する。また、図1では、制作者による映像モニタ20及び波形モニタ30の監視、基準レベル及び表示位置の指示、映像信号レベルの調整、HDR映像又は合成映像の切替などを破線で図示した。
映像調整装置10は、HDR映像が入力され、入力されたHDR映像の調整を制作者が行うものである。例えば、映像調整装置10は、制作者がHDR映像の映像信号レベル、色や階調特性などを手動で調整する一般的な映像調整装置である。そして、映像調整装置10は、HDR映像を補助装置40及び映像切替手段50に出力し、HDR映像を映像蓄積装置(不図示)などに出力する。
なお、映像調整装置10は、一般的なものであり、本発明に直接関係しないため、これ以上の説明を省略する。
映像モニタ20は、後記する補助装置40から入力された合成映像を表示するものである。本実施形態では、例えば、映像モニタ20が、表示画面のアスペクト比が16:9となるマスタモニタであることとする。ここで、合成映像とは、HDR映像の周辺に基準レベル映像が合成された映像のことである。
波形モニタ30は、後記する映像切替手段50から入力されたHDR映像又は合成映像について、映像信号レベル等の画像特性を表示するものである。例えば、波形モニタ30は、映像信号レベルにおける水平又は垂直の一次元的な特性を波形で表示したり、水平及び垂直の二次元的な分布を濃淡や色の違いで表示したりする。
映像切替手段50は、映像調整装置10から入力されたHDR映像、又は、補助装置40から入力された合成映像を切り替えて、波形モニタ30に出力するものである。例えば、映像切替手段50は、制作者が手動で切り替え可能な一般的なスイッチである。本実施形態では、映像切替手段50が、補助装置40からの合成映像を出力するように切り替えられている。
なお、映像モニタ20、波形モニタ30及び映像切替手段50は、一般的なものであるため、これ以上の説明を省略する。また、波形モニタ30及び映像切替手段50の有無は、本発明に直接関係しない。また、図1では、波形モニタ30及び映像切替手段50を別々に図示したが、波形モニタ30が映像切替手段50を内蔵してもよい。
[補助装置の構成]
補助装置40は、制作者による映像信号レベルの調整を補助するために、基準レベル映像と映像調整装置10から入力されたHDR映像との合成映像を映像モニタ20に表示するものである。図1に示すように、補助装置40は、基準レベル映像生成部41と、映像合成部43とを備える。
本実施形態では、制作者が、図示を省略したスイッチ、ボタン、マウス、キーボード等の操作手段を用いて、基準レベル・表示位置指示を基準レベル映像生成部41に設定(指示)することとする。また、基準レベル・表示位置指示は、補助装置40の既定値として予め設定しておくこととしてもよい。
基準レベル・表示位置指示とは、基準レベル、基準レベル映像の表示位置、及び、基準レベル映像の表示・非表示を補助装置40に指示するものである。
基準レベルとは、映像制作の際に基準となる映像信号レベル(ビデオレベル)を表すものである。この基準レベルは、ITU−RレポートBT.2408に従い、PQ方式であれば58%、HLG方式であれば75%に設定することが好ましい。また、基準レベルは、63%のように制作者の裁量で任意に設定することもできる。この基準レベル63%は、HLG方式の場合、ピーク輝度1000cd/mのディスプレイにおいて100cd/mの輝度に相当する。
表示位置とは、映像モニタ20の表示画面に基準レベル映像を表示する位置、及び、基準レベル映像の表示・非表示を表すものである。この表示位置は、表示画面とHDR映像とのアスペクト比を考慮し、制作者の裁量で任意に設定することができる。本実施形態では、表示位置は、表示画面とHDRとのアスペクト比が一致するので、HDR映像の周辺の一部又はその周辺の全部に設定されていることとする。
基準レベル映像生成部41は、制作者が設定した基準レベルで基準レベル映像を生成するものである。そして、基準レベル映像生成部41は、生成した基準レベル映像と、基準レベル・表示位置指示とを映像合成部43に出力する。
この基準レベル映像は、制作者が設定した基準レベルを表す無彩色画像である。例えば、基準レベル映像は、基準レベルが高くなる程に明るく(白く)なり、基準レベルが低くなる程に暗く(黒く)なる画像である。
映像合成部43は、映像調整装置10からのHDR映像に対して、基準レベル映像生成部41からの基準レベル映像を、基準レベル・表示位置指示の表示位置に合成するものである。つまり、映像合成部43は、HDR映像の周辺の一部又はその周辺の全部に基準レベル映像を合成して合成映像を生成する。そして、映像合成部43は、生成した合成映像を映像モニタ20及び映像切替手段50に出力する。
<合成映像の具体例>
図2〜図6を参照し、本実施形態における合成映像の一例について説明する。
ITU−R勧告BT.1848は、映像の周辺の所定範囲にセーフエリア(safe area)を規定している。図2に示すように、セーフエリアとして、アクションセーフマージン(action safe margin)Aと、グラフィックセーフマージン(graphics safe margin)Gとが規定されている。グラフィックセーフマージンGは、タイトル等の重要な情報を表示するエリアであり、映像Pのうち、上下左右に5%残した範囲となる。また、アクションセーフマージンAは、その他の情報を表示するエリアであり、映像Pのうち、上下左右に3.5%残した範囲となる。例えば、3840×2160画素の4K−UHDTVフォーマットの場合、HDR映像の左右両端各134画素及び上下両端各76画素の範囲NAが、セーフエリア(アクションセーフマージンA)から外れたセーフエリア外領域となる。この規定を考慮し、HDR映像のセーフエリア外領域に基準レベル映像を合成表示すれば、映像制作への影響を最小限に留めることができる。
なお、本実施形態では、セーフエリアの規定に従ってセーフエリア外領域に基準レベル映像を合成表示するように設定されているが、セーフエリア外領域と基準レベル映像の合成表示領域とを一致させなくてもよい。
図3及び図4に示すように、基準レベル映像Pは、HDR映像Pの上下左右のセーフエリア外領域の一部のみに合成表示してもよい(ハッチングで図示)。
図3(a)では、基準レベル映像Pが、HDR映像Pの右側のセーフエリア外領域に重なるように合成されている。従って、図3(b)の合成映像Pでは、基準レベル映像Pが、HDR映像Pの右側のセーフエリア外領域に表示されている。
また、基準レベル映像Pが、図3(c)では左右両側のセーフエリア外領域に表示され、図3(d)では左側のセーフエリア外領域に表示されている。
図4(a)では、基準レベル映像Pが、HDR映像Pの上側のセーフエリア外領域に重なるように合成されている。従って、図4(b)の合成映像Pでは、基準レベル映像Pが、上側のセーフエリア外領域に表示されている。
また、基準レベル映像Pが、図4(c)では上下両側のセーフエリア外領域に表示され、図4(c)では下側のセーフエリア外領域に表示されている。
なお、これらの他、右側と上側のセーフエリア外領域など、任意位置のセーフエリア外領域に基準レベル映像Pを表示してもよい(不図示)。
図5に示すように、基準レベル映像Pは、セーフエリア外領域の全部に重ねるように合成してもよい。つまり、図5では、基準レベル映像Pが上下左右全域のセーフエリア外領域に表示されている。
ここで、制作者の裁量で、複数の基準レベルを設定することもできる。この場合、基準レベル映像Pは、それぞれの基準レベルを異なる領域に表示することになる。図5に示すように、基準レベル映像Pの左右両側で75%(HLG方式の基準レベル)を表し(ハッチングで図示)、上下両側で最大映像信号レベルの100%を表してもよい(ドットで図示)。また、図6に示すように、基準レベル映像Pの右側上半分で75%を表し(ハッチングで図示)、右側下半分で100%を表してもよい(ドットで図示)。
これにより、制作者が、最大映像信号レベルとHLG方式の基準レベルのように、異なる映像信号レベルを同時に確認できる。
なお、図5の基準レベル映像Pが上下左右の位置によって異なる基準レベルを表しているが、基準レベル映像Pの上下左右で同一の基準レベルを表してもよい。
[補助装置の動作]
図7を参照し、補助装置40の動作について説明する。
図7に示すように、制作者が操作手段を用いて、基準レベル、表示位置、及び、基準レベル映像の表示・非表示を基準レベル映像生成部41に設定する(ステップS1)。
基準レベル映像生成部41は、ステップS1で設定された基準レベルを表す基準レベル映像Pを生成する(ステップS2)。
映像合成部43は、映像調整装置10からのHDR映像Pに対して、ステップS2で生成した基準レベル映像Pを、ステップS1で設定された表示位置に合成する(ステップS3)。
その後、映像合成部43は、ステップS3で生成した合成映像Pを映像モニタ20に表示する。
[作用・効果]
以上のように、補助装置40は、HDR映像Pのセーフエリア外領域に基準レベル映像Pを同時に表示するので、制作者がHDR映像Pと基準レベルとを同時に確認することができる。これにより、基準レベル映像PがHDR映像Pを確認する際の邪魔となりにくく、制作者が映像信号レベルを簡易、正確に判断することができる。
(第2実施形態)
図1を参照し、第2実施形態における映像調整システム100Bについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
第1実施形態では、基準レベル映像PがHDR映像Pのセーフエリア外領域に表示されることとして説明した。つまり、第1実施形態では、基準レベル映像Pは、HDR映像Pに重なるように、HDR映像Pの周辺に表示されている。
これに対し、第2実施形態では、基準レベル映像Pは、HDR映像Pが表示されない表示画面の余白領域に表示される点が、第1実施形態と異なる。つまり、基準レベル映像Pは、HDR映像Pに重ならないように、映像モニタ20Bの表示画面の周辺に表示されている。
図1に示すように、映像調整システム100Bは、映像調整装置10と、映像モニタ20Bと、波形モニタ30と、補助装置40Bと、映像切替手段50とを備える。
映像モニタ20Bは、後記する補助装置40Bから入力された合成映像Pを表示するものである。本実施形態では、映像モニタ20Bの表示画面が、HDR映像Pのアスペクト比に対して縦長又は横長となっている。例えば、HDR映像Pのアスペクト比16:9に対して、映像モニタ20Bのアスペクト比が16:11(縦長)や18:9(横長)となる。
他の点、映像モニタ20Bは、第1実施形態と同様のため、これ以上の説明を省略する。
補助装置40Bは、基準レベル映像生成部41と、映像合成部43Bとを備える。
本実施形態では、表示画面とHDR映像Pとのアスペクト比が一致せず、HDR映像Pのアスペクト比に対して表示画面が縦長又は横長になっている。このため、基準レベル映像Pの表示位置が、HDR映像Pが表示されない表示画面の周辺となる余白領域の一部又は余白領域の全部に予め設定されていることとする。
映像合成部43Bは、映像調整装置10からのHDR映像Pに対して、基準レベル映像生成部41からの基準レベル映像Pを、基準レベル・表示位置指示の表示位置に合成するものである。つまり、映像合成部43Bは、映像モニタ20Bの表示画面の周辺となる余白領域の一部又は余白領域の全部に基準レベル映像Pを合成し、合成映像Pを生成する。
このように、補助装置40Bは、映像モニタ20Bの表示画面がHDR映像Pのアスペクト比に対して縦長又は横長の場合、映像モニタ20BにHDR映像Pの全体を表示しつつ、余白領域に基準レベル映像Pも表示できる。
<合成映像の具体例>
図8及び図9を参照し、本実施形態における合成映像Pの具体例について説明する。
図8では、映像モニタ20Bが横長(アスペクト比18:9)なので、映像モニタ20Bの表示画面の左右が余白領域となる。つまり、基準レベル映像Pは、映像モニタ20Bの表示画面の左右に表示すればよい。ここで、図8(a)では、基準レベル映像Pが、HDR映像Pに重ならないように、そのHDR映像Pの右側に合成されている。従って、基準レベル映像Pが、図8(b)ではHDR映像Pの右側に表示されている。
また、基準レベル映像Pが、図8(c)ではHDR映像Pの左右両側に表示され、図8(d)ではHDR映像Pの左側に表示されている。
図9では、映像モニタ20Bが縦長(アスペクト比16:11)なので、映像モニタ20Bの表示画面の上下が余白領域となる。つまり、基準レベル映像Pは、映像モニタ20Bの表示画面の上下に表示すればよい。ここで、図9(a)では、基準レベル映像Pが、HDR映像Pに重ならないように、そのHDR映像Pの上側に合成されている。従って、基準レベル映像Pが、図9(b)ではHDR映像Pの上側に表示されている。
また、基準レベル映像Pが、図9(c)ではHDR映像Pの上下両側に表示され、図9(d)ではHDR映像Pの下側に表示されている。
なお、第1実施形態と同様、複数の基準レベルを設定してもよい(不図示)。
[作用・効果]
以上のように、補助装置40Bは、映像モニタ20Bの表示画面の余白領域に基準レベル映像Pを表示するので、HDR映像Pの一部が基準レベル映像Pと重なることがなく、制作者がHDR映像Pと基準レベルとを同時に確認することができる。これにより、補助装置40Bでは、基準レベル映像PがHDR映像Pを確認する際の邪魔とならないので、制作者が映像信号レベルを簡易、正確に判断することができる。
(第3実施形態)
図10を参照し、第3実施形態における映像調整システム100Cについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
第1実施形態では、基準レベルの表示位置を手動で設定することとして説明した。これに対し、第3実施形態では、基準レベルの表示位置を自動で決定する点が、第1実施形態と異なる。
図10に示すように、補助装置40Cは、基準レベル映像生成部41と、映像合成部43Cと、余白領域判定部45とを備える。
余白領域判定部45は、映像モニタ20,20Bの表示画面のアスペクト比を取得し、取得した表示画面とHDR映像Pとのアスペクト比を比較することで、余白領域の有無を判定するものである。例えば、映像モニタ20,20Bの解像度やアスペクト比の情報は、映像モニタ20,20Bに格納されているEDID(Extended Display Identification Data)に記述されており、DVI(Digital Visual Interface)又はHDMI(High Definition Multimedia Interface)を介して取得できる。
ここで、余白領域判定部45は、映像モニタ20,20Bの表示画面とHDR映像Pとのアスペクト比が一致する場合、余白領域が無いと判定する。例えば、余白領域判定部45は、補助装置40Cに映像モニタ20が接続されている場合、両方のアスペクト比が16:9と一致するため、余白領域が無いと判定する。
一方、余白領域判定部45は、映像モニタ20,20Bの表示画面とHDR映像Pとのアスペクト比が一致しない場合、HDR映像Pのアスペクト比に対して映像モニタ20Bが縦長又は横長であるかにより、余白領域の位置を判定する。
例えば、アスペクト比18:9の映像モニタ20Bが補助装置40Cに接続されている場合を考える。この場合、余白領域判定部45は、HDR映像Pのアスペクト比16:9と映像モニタ20Bのアスペクト比18:9とを比較し、余白領域の位置を映像モニタ20Bの左右と判定する。
また、例えば、アスペクト比16:11の映像モニタ20Bが補助装置40Cに接続されている場合を考える。この場合、余白領域判定部45は、HDR映像Pのアスペクト比16:9と映像モニタ20Bのアスペクト比16:11とを比較し、余白領域の位置を映像モニタ20Bの上下と判定する。
その後、余白領域判定部45は、基準レベル映像生成部41を介して、前記した判定結果を映像合成部43Cに出力する。この判定結果は、余白領域の有無と、余白領域が有る場合には余白領域の位置とを表す。
映像合成部43Cは、余白領域判定部45から入力された判定結果に基づいて、基準レベル映像Pの表示位置を決定するものである。
ここで、映像合成部43Cは、余白領域が無いと判定された場合、第1実施形態と同様、セーフエリア外領域の一部又はセーフエリア外領域の全部に表示位置を決定する。
一方、映像合成部43Cは、余白領域が有ると判定された場合、第2実施形態と同様、余白領域の一部又は余白領域の全部に表示位置を決定する。
なお、セーフエリア外領域や余白領域のどの部分(上側、下側、右側、左側、及び、これらの組み合わせ)に基準レベル映像Pを表示するかは、予め設定しておく。
[作用・効果]
以上のように、補助装置40Cは、基準レベル映像Pの表示位置を自動で決定できるので、制作者による設定の手間や設定ミスを低減し、より利便性を向上させることができる。
(第4実施形態)
図11を参照し、第4実施形態における映像調整システム100Dについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
第1実施形態では、HDR映像Pに基準レベル映像Pを重ねて表示していた。これに対し、第4実施形態では、HDR映像Pの縮小により生じた余白領域に、基準レベル映像Pを表示する点が、第1実施形態と異なる。
図11に示すように、補助装置40Dは、基準レベル映像生成部41と、映像合成部43Dと、映像縮小部47とを備える。
映像縮小部47は、図12(a)及び(b)に示すように、映像調整装置10からのHDR映像Pを縮小することで、縮小映像Pを生成するものである。ここで、HDR映像Pの縮小率は任意であり、制作者がHDR映像Pを確認し易いように、最小限の縮小に留めることが好ましい。例えば、映像縮小部47は、前記したセーフエリアと同程度のサイズまで、HDR映像Pを縮小してもよい。
映像合成部43Dは、図12(c)に示すように、映像縮小部47から入力された縮小映像Pに対して、基準レベル映像生成部41から入力された基準レベル映像Pを合成するものである。つまり、図12(c)の合成映像Pでは、基準レベル映像Pが、縮小映像Pの周辺となる余白領域に表示されている。本実施形態では、映像合成部43Dは、縮小映像Pが表示されない表示画面の余白領域の一部又は余白領域の全部に、表示位置が予め設定されている。
なお、基準レベル映像Pの合成自体は第2実施形態と同様のため、これ以上の説明を省略する。
以上のように、補助装置40Dは、映像モニタ20の表示画面とHDR映像Pとのアスペクト比が同一の場合でも、HDR映像Pに重ねずに基準レベル映像Pを表示することができる。これにより、補助装置40Dでは、制作者が映像信号レベルを簡易、正確に判断することができる。
さらに、第4実施形態で説明した手法を第3実施形態と組み合わせて、余白領域が無いと判定された場合の基準レベル映像表示方法の選択肢とすることも可能である。
(変形例)
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
前記した各実施形態では、制作者が補助装置に設定を行うこととして説明したが、装置製造者など制作者以外が設定を行ってもよい。
前記した各実施形態では、HDR映像のアスペクト比がHDTVフォーマットに準じた16:9であることとして説明したが、これに限定されない。例えば、HDR映像のアスペクト比は、デジタルシネマフォーマットに準じた2.35:1や、SDTVフォーマットに準じた4:3など、任意である。
前記した各実施形態では、補助装置を独立したハードウェアとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、補助装置を映像モニタの内部に組み込んでもよい。また、本発明は、コンピュータが備えるCPU、メモリ、ハードディスク等のハードウェア資源を、前記した補助装置として協調動作させるプログラムで実現することもできる。これらのプログラムは、通信回線を介して配布してもよく、CD−ROMやフラッシュメモリ等の記録媒体に書き込んで配布してもよい。
10 映像調整装置
20,20B 映像モニタ(映像表示装置)
30 波形モニタ
40〜40D 映像信号レベル調整補助装置(基準レベル表示装置)
41 基準レベル映像生成部
43〜43D 映像合成部
45 余白領域判定部
47 映像縮小部
50 映像切替手段
90,100〜100D 映像調整システム
A アクションセーフマージン
G グラフィックセーフマージン
NA セーフエリア外領域
P 映像
HDR映像
基準レベル映像
合成映像
縮小映像

Claims (6)

  1. 高ダイナミックレンジ映像を表示する映像表示装置の表示画面の周辺部に、基準レベルを表す基準レベル映像を表示する基準レベル表示装置であって、
    予め設定された前記基準レベルで前記基準レベル映像を生成する基準レベル映像生成部と、
    前記高ダイナミックレンジ映像に対して、前記基準レベル映像生成部が生成した基準レベル映像を予め設定された表示位置に合成する映像合成部と、を備え、
    前記映像合成部は、
    前記表示画面と前記高ダイナミックレンジ映像とのアスペクト比が一致する場合、前記高ダイナミックレンジ映像の周辺の一部又は当該周辺の全部に重ねて、前記表示位置が予め設定され、
    前記表示画面と前記高ダイナミックレンジ映像とのアスペクト比が一致せずに前記高ダイナミックレンジ映像に対して前記表示画面が縦長又は横長となる場合、前記高ダイナミックレンジ映像が表示されない前記表示画面の周辺となる余白領域の一部又は当該余白領域の全部に、前記表示位置が予め設定されることを特徴とする基準レベル表示装置。
  2. 前記映像合成部は、前記表示画面と前記高ダイナミックレンジ映像とのアスペクト比が一致する場合、前記高ダイナミックレンジ映像の周辺に規定されたセーフエリア外領域の一部又は当該セーフエリア外領域の全部に、前記表示位置が予め設定されることを特徴とする請求項1に記載の基準レベル表示装置。
  3. 前記表示画面のアスペクト比を取得し、取得した前記表示画面と前記高ダイナミックレンジ映像とのアスペクト比が一致する場合、前記表示画面に前記余白領域が無いと判定し、
    当該アスペクト比が一致しない場合、前記表示画面に前記余白領域が有ると判定する余白領域判定部、をさらに備え、
    前記映像合成部は、前記余白領域が無いと判定された場合、前記高ダイナミックレンジ映像の周辺の一部又は当該周辺の全部に前記表示位置を決定し、前記余白領域が有ると判定された場合、前記余白領域の一部又は当該余白領域の全部に前記表示位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の基準レベル表示装置。
  4. 前記基準レベル映像生成部は、複数の前記基準レベルが予め設定され、それぞれの前記基準レベルを表す前記基準レベル映像を生成することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の基準レベル表示装置。
  5. 前記高ダイナミックレンジ映像を縮小した縮小映像を生成する映像縮小部、をさらに備え、
    前記映像合成部は、前記縮小映像が表示されない前記表示画面の周辺となる余白領域の一部又は当該余白領域の全部に、前記表示位置が予め設定されることを特徴とする請求項1に記載の基準レベル表示装置。
  6. コンピュータを、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の基準レベル表示装置として機能させるためのプログラム。
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