WO2018047557A1 - 画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

設定輝度が表示部許容最高輝度より高いHDR画像を、明るい視聴環境下においても明るい画像として表示可能とした装置、方法を提供する。入力HDR画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力輝度に対して、所定のゲインを乗算して出力用調整輝度を算出して表示用画像を生成する。画像信号処理部は、入力HDR画像対応の入出力変換関数の出力値が、表示部許容最高輝度以下となる位置に基準点Pを設定し、入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下としたゲイン関数を、入力HDR画像対応入出力変換関数に適用して、出力用調整輝度を算出して表示用画像を生成する。

Description

画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラム
 本開示は、画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムに関する。さらに詳細には、高ダイナミックレンジ画像を、明るさを低下させることなくテレビ等の表示部に表示する画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムに関する。
 最近、撮像素子(イメージ・センサー)の高ビット化などにより、画像の高ダイナミックレンジ化が進んでいる。
 画像のダイナミックレンジは、一般に最小輝度と最大輝度の比で表すことができる。
 高ダイナミックレンジ画像、すなわちHDR(High Dynamic Range)画像は、最大明度色と最低明度色の間のコントラスト比が例えば10000:1以上に達し、現実世界をリアルに表現することができる。
 HDR画像は、可視範囲のほとんどすべての輝度を記録することができ、人間の視覚特性と同等のダイナミックレンジと色域をサポートすることができる。HDR画像は、陰影のリアルな表現や、眩しさの表現等の点で、従来画像であるSDR(Standard Dynamic Range)画像に比較して極めて高画質な画像であると言える。
 現行の多くの一般的な家庭用テレビは、表示可能な画像のダイナミックレンジがHDR画像より狭いSDR画像対応のSDRテレビである。
 SDR画像の表現可能な輝度範囲は、約0~100nitの範囲である。これに対して、HDR画像の表現可能な輝度範囲は、約0~10000nitの範囲であり、HDR画像は、SDR画像に比較して100倍の最高輝度の出力が可能な画像である。なお、輝度単位:nitは、国際単位系(SI)における輝度単位であるcd/m(カンデラ/平方メートル)と同じ輝度単位である。
 今後のテレビ放送コンテンツや、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)などのメディアに格納されるコンテンツは、この約0~10000nitの輝度範囲からなるHDR画像コンテンツが主流になることが予測される。
 元のコンテンツのダイナミックレンジを、画像出力先の表示装置(ディスプレイ)に適合させる処理(ディスプレイ・マッピングと呼ばれる)については、従来から検討されている。(例えば、特許文献1を参照のこと)。
 例えば、最大出力輝度を500nitとした最新型のテレビに、輝度範囲=0~100nitの画像から構成されるSDR画像を表示する場合、SDR画像の輝度を全体的にあげて、0~500nitの明るい画像として表示するといった処理を行なうことができる。このような出力値調整を実行することで、明るいリビング等でテレビを視聴する場合に、画像を暗いと感じることなく明るい画像としての視聴が可能となる。
特表2014-502480号公報
 SDR画像の入出力特性は相対値設定であり、表示装置の表示機能に応じて、出力輝度の調整を自由に行うことが許容されている。すなわち、入力値に対する出力輝度値が一義的に規定されていない。従って、表示装置の出力許容範囲に応じて出力輝度値を自由に制御することが許容される。
 これに対して、現在、検討されているHDR画像の入出力特性規定曲線の一つとして例えばSMPTE ST 2084がある。この曲線は、入力値に対する出力輝度値を一義的に設定した絶対値設定での輝度出力を行うことが好ましいと考えられる。
 輝度範囲=0~10000nitの画像から構成されるHDR画像を、この絶対値規定に従って0~500nitの表示機能を有する表示装置に表示する場合、500~10000nitの画素は、最大出力値=500nitの輝度で表示される。
 一方、0~500nitの画素は、そのまま0~500nitの輝度で出力される。0~100nitの画素も、そのまま0~100nitの輝度で出力される。
 前述のSDR画像は、0~100niの画素が0~500nitの画素値に輝度を上昇させて表示するのに対して、HDR画像では、そのままの輝度0~100nitで表示される。すなわち、HDR画像は、従来のSDR画像より暗い画像として表示されてしまう。この結果、特にリビング環境等の明るい環境下で視聴するユーザに、HDR画像が従来のSDR画像より暗く低画質であると感じさせてしまうという課題が発生する。
 本開示は、例えばこのような状況に鑑みてなされたものであり、明るさの低下を感じさせない画像表示を実現する画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
 本開示の第1の側面は、
 入力画像の入力信号値に対する出力値を決定する画像信号処理部を有し、
 前記画像信号処理部は、
 入力画像の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以上である場合、
 前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度以下となる入力信号位置に基準点Pを設定し、
 入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、
 入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下、
 としたゲインを、前記入力画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に乗算して出力用調整輝度を算出し、算出した出力用調整輝度からなる表示用画像を生成する画像処理装置にある。
 さらに、本開示の第2の側面は、
 画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
 前記画像処理装置は、
 入力画像の入力信号値に対する出力値を決定する画像信号処理部を有し、
 前記画像信号処理部は、
 入力画像の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以上である場合、
 前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度以下となる入力信号位置に基準点Pを設定し、
 入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、
 入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下、
 としたゲインを、前記入力画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に乗算して出力用調整輝度を算出し、算出した出力用調整輝度からなる表示用画像を生成する画像処理方法にある。
 さらに、本開示の第3の側面は、
 画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
 前記画像処理装置は、
 入力画像の入力信号値に対する出力値を決定する画像信号処理部を有し、
 前記プログラムは、前記画像信号処理部に、
 入力画像の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以上である場合、
 前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度以下となる入力信号位置に基準点Pを設定させ、
 入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、
 入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下、
 としたゲインを、前記入力画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に乗算して出力用調整輝度を算出し、算出した出力用調整輝度からなる表示用画像を生成させるプログラムにある。
 なお、本開示のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
 本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本開示の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
 本開示の一実施例の構成によれば、設定輝度が表示部許容最高輝度より高いHDR画像を、明るい視聴環境下においても明るい画像として表示可能とした装置、方法が実現される。
 具体的には、入力HDR画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力輝度に対して、所定のゲインを乗算して出力用調整輝度を算出して表示用画像を生成する。画像信号処理部は、入力HDR画像対応の入出力変換関数の出力値が、表示部許容最高輝度以下となる位置に基準点Pを設定し、入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下としたゲイン関数を、入力HDR画像対応入出力変換関数に適用して、出力用調整輝度を算出して表示用画像を生成する。
 本構成により、設定輝度が表示部許容最高輝度より高いHDR画像を、明るい視聴環境下においても明るい画像として表示可能とした装置、方法が実現される。
 なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
画像処理装置の構成と処理について説明する図である。 HDR画像とSDR画像の入出力特性の例について説明する図である。 HDR画像とSDR画像の入出力特性の例について説明する図である。 コンテンツ制作環境と視聴環境の例について説明する図である。 SDR画像のコンテンツ制作環境と視聴環境の例について説明する図である。 SDR画像の入出力特性の変換処理例について説明する図である。 SDR画像の入出力特性の変換処理を実行する画像処理装置の構成と処理について説明する図である。 SDR画像の入出力特性の変換処理に適用するゲイン関数の例について説明する図である。 HDR画像の入出力特性の一例について説明する図である。 HDR画像のコンテンツ制作環境と視聴環境の例について説明する図である。 HDR画像の入出力特性の変換処理における問題点について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するHDR画像の入出力特性の変換処理の一例について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するHDR画像の入出力特性の変換処理の一例について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するHDR画像の入出力特性の変換処理の一例について説明する図である。 HDR画像の入出力特性の変換処理を実行する画像処理装置の構成と処理について説明する図である。 HDR画像の入出力特性の変換処理に適用するゲイン関数の例について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するHDR画像の入出力特性の変換処理の一例について説明する図である。 HDR画像の入出力特性の変換処理に適用するゲイン関数の例について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するHDR画像の入出力特性の変換処理と変換処理に適用するゲイン関数の例について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するHDR画像の入出力特性の変換処理と変換処理に適用するゲイン関数の例について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 本開示の画像処理装置が実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 本開示の画像処理装置の構成例について説明する図である。
 以下、図面を参照しながら本開示の画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行う。
  1.画像処理装置における画像表示処理の概要について
  2.HDR画像とSDR画像の画像特性について
  3.コンテンツ制作環境とコンテンツ視聴環境の明るさの違いに基づく出力画像の制御処理について
  4.HDR画像に対する出力画像の制御処理の問題点について
  5.HDR画像の輝度低下を防止し、明るいHDR画像の表示を実現する構成について
  6.基準点Pの複数の異なる設定例について
  7.モードに応じてゲイン設定や基準点を変更する例について
  8.画像処理装置の実行する処理シーケンスについて
  9.画像処理装置の構成例について
  10.本開示の構成のまとめ
  [1.画像処理装置における画像表示処理の概要について]
 まず、図1以下を参照して画像処理装置における画像表示処理の一般的な処理例について説明する。
 図1の画像処理装置10は、例えば、テレビ、スマートフォン、PC等の表示部を備えたユーザ装置(クライアント)である。
 画像処理装置10は、例えば、放送局やストリーミング・サーバ等からの受信画像データ、あるいはBD(Blu-ray(登録商標) Disc)などのメディアからの再生画像データを表示部13に表示する。
 画像信号処理部11は、例えば、放送局やサーバ、あるいはBD(Blu-ray(登録商標) Disc)などのメディアから入力する符号化ストリームを復号し、復号データに基づいて生成した画像信号を表示制御部12に出力する。
 例えば、表示部13の表示特性に応じた出力信号を生成して表示制御部12に出力する。
 表示制御部12は、画像信号処理部11からの入力信号に基づいて、表示部13に対する出力信号を生成する。
 表示部13は、表示制御部12からの入力信号を用いて表示パネルを駆動し、画像表示を実行する。
 放送局やサーバの提供するコンテンツ、あるいはメディアに格納されるコンテンツを構成する画像データは、時代とともにより高品質な画像に変化してきている。具体的には、これまでの2K画像から、4K画像や8K画像と呼ばれる高解像度画像に推移しつつある。
 さらに、これまでのSDR(Standard Dynamic Range)画像に比較して低輝度から高輝度まで広い輝度範囲の画像を忠実に再現可能とした高ダイナミックレンジ(HDR:High Dynamic Range)画像の利用が普及しつつある。
 HDR画像は、SDR画像より表現可能なダイナミックレンジが広く、可視範囲とほぼ同等の輝度を表現可能な画像であり、人間の視覚特性とほぼ同等のダイナミックレンジと色域をサポートすることができる。
 SDR画像は、例えばITU-R BT.709、あるいはITU-R BT.1886準拠の光電変換関数(OETF:Optical-Electro Transfer Function)を用いて輝度を非線形変換した8~10ビットの信号値によって出力される。
 一方、HDR画像は、例えばITU-R BT.2020準拠の光電変換関数(OETF:Optical-Electro Transfer Function)を用いて輝度を非線形変換した10~12ビットの信号値によって出力される。
 前述したように、SDR画像の表現可能な輝度範囲は、約0~100nitの範囲である。これに対して、HDR画像の表現可能な輝度範囲は、約0~10000nitの範囲である。
 このように、HDR画像は、SDR画像に比較して100倍の最高輝度の出力が可能な画像である。なお、輝度単位:nitは、国際単位系(SI)における輝度単位であるcd/m(カンデラ/平方メートル)と同じ輝度単位である。
 今後のテレビ放送コンテンツや、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)などのメディア格納コンテンツは、この約0~10000nitの輝度範囲を持つHDR画像コンテンツが主流になると予測される。
 しかし、前述したように、これらのコンテンツを視聴する各家庭のテレビ等の表示装置は、現在も今後も10000nitの高輝度レベルの出力は困難であることが予測されている。
 現在、多く利用されているSDR画像対応テレビの出力可能な最大輝度レベルは100nit程度であり、今後、普及していくと推定されるHDR対応テレビにおいても、消費電力等の関係から、最大輝度は500~1000nit程度以下に抑えられると推定される。
 従って、放送コンテンツやメディア格納コンテンツの最大輝度が10000nitのHDR画像であっても、テレビ等の表示装置においては、最大輝度を1000nit以下の画像として表示せざる得ないという状況が発生する。
 しかし、前述したように、0~10000nitの輝度範囲を持つHDR画像を表示装置(ディスプレイ)の出力可能輝度範囲、例えば0~1000nitの範囲で絶対値設定に従った表示処理を行なうと暗い画像であるとの印象を与えてしまう。
 すなわち入力値に対する出力値設定を変更しない絶対値設定でHDR画像を表示すると、入力に対する出力値を変更可能な相対値設定であるSDR画像に対して出力値(輝度)を向上させる制御を行ったSDR表示画像より暗い画像であるとの印象を視聴者に与えてしまう。
  [2.HDR画像とSDR画像の画像特性について]
 次に、図2を参照してHDR画像とSDR画像の画像特性について説明する。
 図2は、HDR画像とSDR画像の信号値と、表示輝度との対応関係を示すグラフである。以下の各図を示している。
 (A)HDR画像の入力信号値と出力輝度値との対応関係グラフ
 (B)SDR画像の入力信号値と出力輝度値との対応関係グラフ
 図2に示す、これら2つのグラフは横軸が入力(信号値(0~1))、縦軸が出力(輝度(cd/m))であり、入力(信号値)と出力(輝度)の対応関係を示すグラフである。このグラフは、入力電気信号を出力光信号に変換する電光変換関数(EOTF:Electro-Optical Transfer Function)を示すグラフである。
 (A),(B)とも横軸は、入力信号値である。具体的には、例えばR,G,Bの各信号値(例えば8~12ビット信号値)に相当し、このビット信号値を0~1.0に正規化して示している。
 縦軸は、表示部に出力される画像を構成する画素の輝度値を示している。
 図2(B)に示すように、SDR画像では、入力信号値(0~1)に対して、輝度値:0~100(cd/平方m)の出力が得られる。
 一方、図2(A)に示すHDR画像では、入力信号値(0~1)に対して、輝度値:0~10000(cd/平方m)の出力が得られる。
 このように、HDR画像では、SDR画像に比較して、約100倍の輝度範囲の画像出力が可能となる。
 これは、HDR画像が、より暗いところから明るいところまで、実際に肉眼で見た状況に近い画像を忠実に出力可能であることを意味するものである。
 図2(A)に示すHDR画像の入力信号値と出力輝度値との対応関係グラフに示す曲線(EOTF曲線)は、SMPTE ST 2084曲線と呼ばれる。この曲線は、HDR画像の1つの代表的な特性曲線であり、SMPTE(米国映画テレビ技術者協会)の規格として規定された曲線である。
 なお、SMPTE ST 2084曲線は、PQ(Perceptual Quantization)曲線とも呼ばれる。
 SMPTE ST 2084曲線は、HDR画像を構成する輝度範囲:0~10000cd/平方mのダイナミックレンジに対応する符号化データの生成に用いられる。具体的には、HDR画像を構成する輝度範囲のダイナミックレンジを、人間の眼に合わせた量子化ステップのカーブとして定義されるSMPTE ST 2084曲線に従って変換することで所定ビット(例えば10~12ビット)の階調に収めた画像信号を生成することができる。
 一方、図2(B)に示すSDR画像の入力信号値と出力輝度値との対応関係グラフに示す曲線(EOTF曲線)は、BT.1886曲線と呼ばれる。
 BT.1886曲線は、SDR画像を構成する輝度範囲:0~100cd/平方mのダイナミックレンジに対応する符号化データの生成に用いられる。具体的には、SDR画像を構成する輝度範囲のダイナミックレンジを、人間の眼に合わせた量子化ステップのカーブとして定義されるBT.1886曲線に従って変換することで所定ビット(例えば8~10ビット)の階調に収めた画像信号を生成することができる。
 図2(A)に示すHDR画像対応の入出力特性を示すEOTF(電光変換関数)曲線であるSMPTE ST 2084曲線と、図2(B)に示すSDR画像対応の入出力特性を示すEOTF(電光変換関数)曲線であるBT.1886曲線を1つのグラフとして示すと図3のようになる。
 なお、図3に示すグラフでは、縦軸の輝度を対数(log)軸として設定している。
 図3に示すグラフは横軸が入力(信号値(0~1))、縦軸が出力(輝度(cd/m))であり、入力(信号値)と出力(輝度)の対応関係を示すグラフである。このグラフは、図2(A),(B)と同様、入力電気信号を出力光信号に変換する電光変換関数(EOTF:Electro-Optical Transfer Function)を示すグラフである。
 図3に示すように、例えば入力信号の最大値=1.0において、SDR画像の出力輝度は、100cd/mであるのに対して、HDR画像の出力輝度は、10000cd/mであり、輝度レベルで100倍の差がある。
  [3.コンテンツ制作環境とコンテンツ視聴環境の明るさの違いに基づく出力画像の制御処理について]
 次に、図4以下を参照してコンテンツ制作環境とコンテンツ視聴環境の明るさの違いと、コンテンツ視聴環境側の画像処理装置(テレビ)等で実行される画像の明るさ調整のための画像制御処理の例について説明する。
 SDR画像コンテンツやHDR画像コンテンツの制作工程としての色や輝度調整は、図4(a)に示すように、コンテンツ制作用モニタ21に画像コンテンツを表示し、表示画像を観察して実行される。
 この画像調整処理は、多くの場合、外部の光の影響を抑えるため、暗室において実行される。
 図4(a)コンテンツ制作環境に示すように、暗室に設置したコンテンツ制作用モニタ21にSDR画像コンテンツやHDR画像コンテンツを表示して、表示画像を観察しながら画像の色、輝度の調整を実行する。
 暗室で調整を行う主な理由は、例えば蛍光灯やLED等の照明、あるいは太陽光等、外光の影響のある明るい部屋で色調整等を行うと、外光に含まれる色成分や輝度等の影響により、正確な調整が困難になるためであり、外光の影響を受けない環境で正確な調整を実行するためである。
 このように暗室での色調整や輝度調整が制作なされたコンテンツが、例えばBD等のメディアに格納され、ユーザに提供される。あるいは放送波を介してユーザのテレビ等の表示装置に送信される。
 図4(b)は、一般的なコンテンツ視聴環境の例を示す図である。
 一般的なコンテンツ視聴ユーザは、例えば家のリビング等においてテレビを視聴する。リビングは、蛍光灯やLED等の照明、あるいは太陽光等の外光によって、所定の明るさに保たれた明るい環境である。
 このような明るい環境で、テレビ等のコンテンツ視聴用モニタ31にコンテンツを表示して視聴する。
 なお、以下に説明する処理例において、コンテンツ視聴用モニタ31は、最新型のモニタであり、300~1000cd/mの高輝度画像を出力可能な表示部を持つものとして説明する。
 このような高輝度画像を出力可能なコンテンツ視聴用モニタ31にSDR画像やHDR画像を表示する。
 この表示コンテンツは、図4(a)に示すように、暗室で制作されたコンテンツであり、暗い環境で最適な色合い、輝度に調整された画像である。
 このため、明るい環境で、このようなコンテンツを見ると、画像全体が暗く感じてしまう。
 300~1000cd/mの高輝度画像を出力可能な表示部を持つテレビ等のコンテンツ視聴用モニタ31は、コンテンツ視聴用モニタ31の出力可能な高輝度を有効に利用するため、暗い環境で制作されたSDR画像コンテンツの輝度を全体的に上昇させて、明るいSDR画像として表示する処理を行なうことが提案されている。
 この処理について、図5以下を参照して説明する。
 図5には、図4と同様、以下の各図を示している。
 (a)コンテンツ制作環境
 (b)コンテンツ視聴環境(リビング)
 図5(a)コンテンツ制作環境に示すように、暗室に設置したコンテンツ制作用モニタ21にSDR画像コンテンツを表示して、表示画像を観察しながら画像の色、輝度の調整を実行する。
 SDR画像に対する画像調整処理は、入出力特性が、先に図2、図3を参照して説明したSDR画像対応の入出力特性曲線(EOTF曲線)、すなわちBT.1886曲線に一致するように調整される。
 具体的には、図5(a)に示すように、入力信号0~1.0の最大値である入力信号値=1.0において、100cd/mの輝度の出力となるように調整する処理が行われる。
 しかし、この調整処理は、暗い環境で行われるため、このコンテンツをこのままの入出力特性で、明るい環境下で表示すると、画像全体が暗く感じてしまう。
 このような画像の明るさ低下を防止するため、このSDR画像コンテンツの輝度を全体的に上昇させる処理を、ユーザ側の画像処理装置、すなわちテレビ等のコンテンツ視聴用モニタ31側で実行する。
 具体的には、図5(b)に示すように、入力SDR画像の入出力特性、すなわち、図2、図3を参照して説明したSDR画像対応の入出力特性曲線(EOTF曲線)であるBT.1886曲線を変換して、入力信号値=1.0において、約250~300cd/mの輝度の出力となるように調整する。
 すなわち、入力したSDR画像の入出力特性曲線(EOTF曲線)を変換して、異なる入出力特性を有する変換入出力特性曲線を設定し、この変換入出力特性曲線を利用して、入力信号(0~1.0)に対する出力値(輝度)を設定して表示部に出力する。
 具体的な入出力特性曲線(EOTF曲線)の変換処理例について、図6を参照して説明する。
 図6に示すグラフは、先に図3を参照して説明したと同様、横軸に入力信号値(0~1.0)、縦軸に出力値である輝度(cd/m)の対数(log)軸からなるグラフである。
 図6には、以下の2つの入出力特性曲線(EOTF曲線)を示している。
 (a)EOTFa:fa(x)
 (b)EOTFb:fb(x)
 (a)EOTFa:fa(x)は、入力SDR画像の入出力変換関数であり、暗室において制作したコンテンツの有する入出力特性である。すなわち、図3を参照して説明したSDR画像のEOTFであるBT.1886曲線に相当する。
 なお、関数fa(x)は、入力信号=xとして、出力(輝度)=yを算出する変換関数(EOTFa)である。
 EOTFa:fa(x)は、入力信号:x=1.0において、出力輝度:y=100cd/mを算出する関数として設定される。
 一方、(b)EOTFb:fb(x)は、画像処理装置としてのコンテンツ視聴用モニタ31において実行される入出力特性変換処理によって生成した表示用SDR画像の入出力特性である。
 画像処理装置としてのコンテンツ視聴用モニタ31は、入力SDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))を、所定の変換アルゴリズムに従って変換し、全体的に輝度を上げるように変換する。図3を参照して説明したSDR画像のEOTFであるBT.1886曲線の変換曲線を生成する。
 この変換処理によって、表示用のSDR画像の新たな入出力変換関数(EOTFb:fb(x))が生成される。
 図6に示すように、表示用SDR画像の新たな入出力変換関数(EOTFb:fb(x))は、入力信号:x=1.0において、出力輝度:y=250~300cd/mを算出する関数となる。
 このように、画像処理装置としてのコンテンツ視聴用モニタ31は、入力SDR画像のEOTFa:fa(x)を、所定の変換アルゴリズムに従って変換し、全体的に輝度を上げるような入出力特性を持つ変換関数:EOTFb:fb(x)を生成する。
 さらに、この新たな入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を適用して入力信号x=0~1.0に対応する出力(輝度)を算出して表示部に表示する画像を生成する。
 新たに生成した入出力変換関数であるEOTFb:fb(x)は、元の入出力変換関数であるEOTFa:fa(x)に比較して、出力(輝度)が高く設定されている。
 すなわち、同じ入力信号値に対して高輝度、すなわち明るい画素値が出力される。
 画像処理装置であるコンテンツ視聴用モニタ31、すなわち、例えば、ユーザの各テレビにおいて、このような入出力特性曲線の変換処理を実行することで、明るい視聴環境下でも、暗さを感じさせることなく十分明るいSDR画像コンテンツを表示して視聴することが可能となる。
 画像処理装置であるコンテンツ視聴用モニタ31において実行する処理にについて、図7を参照して説明する。
 図7に示す画像処理装置100は、例えば、図5に示すコンテンツ視聴用モニタ31である。なお、画像処理装置100は、その他の装置、例えば、テレビ、スマートフォン、PC等の表示部を備えた様々な装置であってもよい。
 画像処理装置100は、例えば、放送局やストリーミング・サーバ等からの受信画像データ、あるいはBD(Blu-ray(登録商標) Disc)などのメディアからの再生画像データを表示部103に表示する。
 画像信号処理部101は、例えば、放送局やサーバ、あるいはBD(Blu-ray(登録商標) Disc)などのメディアから入力する符号化ストリームを復号し、復号データに基づいて生成した画像信号を表示制御部102に出力する。例えば、表示部103の表示特性に応じた出力信号を生成して表示制御部102に出力する。
 この画像信号処理部101において、図6を参照して説明した入出力特性曲線(EOTF曲線)の変換処理が実行される。
 画像信号処理部は、入力SDR画像のオリジナルの入出力特性曲線(EOTF曲線)、すなわち、BT.1886曲線(図6に示すEOTFa:fa(x))を、所定の変換アルゴリズムに従って変換し、全体的に輝度を上げるような入出力特性を持つ新たな表示用の入出力変換関数:EOTFb:fb(x)を生成する。
 この入出力変換関数(EOTF)に対する変換処理は、例えば、入力信号値(x)各々に応じたゲインGを設定したゲイン関数G(x)を、入力SDR画像オリジナルの入出力特性(EOTF)に乗算することで実行される。
 図8にゲイン関数G(x)の例を示す。
 図8に示すゲイン関数G(x)は、入力信号値(x)に応じて既定されるゲイン値yを規定した関数である。

 図8に示すようにゲイン関数G(x)は、入力信号値:x=0~1のすべてにおいて、ゲイン値:yが1以上の設定とされる。ゲイン値yは、ほぼ1~5程度の範囲に設定される。
 全体的に輝度を上げるような入出力特性を持つ新たな入出力変換関数:EOTFb:fb(x)は、入力SDR画像の元の入出力変換関数:EOTFa:fa(x)とゲイン関数G(x)との乗算式、すなわち、以下の式によって算出される。
 fb(x)=G(x)×fa(x)
 ゲイン関数G(x)は、入力信号値:x=0~1の範囲ですべて1以上の値であり、上記式に従って、算出される新たな入出力変換関数:EOTFb:fb(x)の輝度は、元の変換関数fa(x)を適用した輝度より大きな値となる。
 すなわち、新たに算出された変換関数:EOTFb:fb(x)を適用することで、すべての入力信号値x=0~1において、出力輝度が、元の変換関数:EOTFa:fa(x)による算出輝度より、高い輝度となり、明るい画像を生成することができる。
 図7に示す画像信号処理部101は、例えばこのようにゲイン関数G(x)を用いて、入力SDR画像のオリジナルの入出力変換関数(EOTFa:fa(x))を変更して、新たな入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を生成し、この入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を適用して画像を構成する各画素の入力信号(x)に基づく出力画素値(輝度)を算出する。
 表示制御部102は、画像信号処理部101が、新たな入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を適用して算出した画素値に基づいて、表示部103に対する出力信号を生成する。
 表示部103は、表示制御部102からの入力信号を用いて表示パネルを駆動し、画像表示を実行する。
 これらの処理により、表示部103には、元の入力SDR画像より明るい画像が表示されることになり、例えば明るいリビングでコンテンツに表示部103の表示画像を観察しても、十分に明るい画像として観察することが可能となる。
  [4.HDR画像に対する出力画像の制御処理の問題点について]
 上述したように、暗い暗室において制作されたSDR画像の入出力変換関数(EOTF)を変更する処理により、明るいリビング環境での視聴に最適な明るいSDR画像を生成して表示することが可能となる。
 しかし、上述した処理と同様の処理を高ダイナミックレンジのHDR画像に適用すると問題が発生する。以下、この問題について説明する。
 図9には、先に図3を参照して説明したHDR画像の入出力特性を示す入出力変換関数(EOTF)曲線であるSMPTE ST 2084曲線を示している。
 横軸が入力(信号値(0~1))、縦軸が出力(輝度(cd/m))の対数軸であり、入力(信号値)と出力(輝度)の対応関係を示すグラフである。
 前述したように、HDR画像は、約0~10000cd/mの輝度範囲の出力を可能とした画像データであり、図9に示すように、入力信号=1.0において、輝度=10000cd/mの設定となる。
 しかし、先に説明したように、今後、普及していくと推定されるHDR対応テレビにおいても出力最大輝度は500~1000cd/m程度であり、10000cd/mの輝度を出力することはできない。
 図9に示す例では、一例として、表示部許容最高輝度を1000cd/mとして示している。
 HDR画像の制作環境も、先に説明したSDR画像の制作環境と同様、やはり外光の影響を受けない暗室で行われることが多い。
 図10を参照して、HDR画像コンテンツの制作環境と視聴環境の例について説明する。
 図10には、先に図5を参照して説明したSDR画像の制作環境と視聴環境と同様、HDR画像についての以下の各図を示している。
 (a)コンテンツ制作環境
 (b)コンテンツ視聴環境(リビング)
 図10(a)コンテンツ制作環境に示すように、暗室に設置したコンテンツ制作用モニタ21にHDR画像コンテンツを表示して、表示画像を観察しながら画像の色、輝度の調整を実行する。
 HDR画像に対する画像調整処理は、入出力特性が、図9に示すHDR画像対応の入出力特性曲線(EOTF曲線)、すなわちSMPTE ST 2084曲線に一致するように調整される。
 具体的には、図10(a)に示すように、入力信号0~1.0の最大値である入力信号値=1.0において、10000cd/mの輝度の出力となるように調整する処理が行われる。
 しかし、この10000cd/mの輝度は、図10(b)コンテンツ視聴環境のコンテンツ視聴用モニタ(テレビ)31において出力できない。
 従って、ユーザ側の画像処理装置、すなわちテレビ等のコンテンツ視聴用モニタ31側で、出力画素値(輝度)の調整が必要となる。
 先に図6を参照して説明したSDR画像の輝度調整処理においては、入力信号:x=1.0の輝度を、より明るい方向に調整することで、コンテンツ制作時よりも明るい表示用コンテンツを生成することができた。
 しかし、このHDR画像は、入力信号:x=1.0の輝度が10000cd/mであり、ユーザ側の画像処理装置、すなわちテレビ等のコンテンツ視聴用モニタ31は出力できない、従って、入力信号:x=1.0の輝度を、表示部の出力可能な最高輝度レベル(1000cd/m)まで低下させることが必要となる。
 すなわち、ユーザ側の画像処理装置、すなわちテレビ等のコンテンツ視聴用モニタ31は、入力したHDR画像の入出力特性曲線(EOTF曲線)を変換して、異なる入出力特性を有する変換入出力特性曲線を設定し、この変換入出力特性曲線を利用して、入力信号(0~1.0)に対する出力値(輝度)を設定して表示部に出力する。
 具体的な入出力特性曲線(EOTF曲線)の変換処理例について、図11を参照して説明する。
 図11に示すグラフは、図9を参照して説明したと同様、横軸に入力信号値(0~1.0)、縦軸に出力値である輝度(cd/m)の対数(log)軸からなるグラフである。
 図11には、以下の2つの入出力特性曲線(EOTF曲線)を示している。
 (a)EOTFa:fa(x)
 (b)EOTFb:fb(x)
 (a)EOTFa:fa(x)は、入力HDR画像のオリジナルの入出力変換関数であり、暗室において制作したコンテンツの有する入出力特性である。すなわち、図9を参照して説明したHDR画像の入出力変換関数(EOTF)であるSMPTE ST 2084曲線に相当する。
 なお、関数fa(x)は、入力信号=xとして、出力(輝度)=yを算出する変換関数(EOTFa)である。
 入力HDR画像のオリジナルの入出力変換関数(EOTFa:fa(x))は、入力信号:x=1.0において、出力輝度:y=10000cd/mを算出する関数である。
 一方、(b)EOTFb:fb(x)は、画像処理装置としてのコンテンツ視聴用モニタ31において実行される入出力特性変換処理によって生成する表示用HDR画像の入出力特性を示す入出力変換関数である。
 画像処理装置としてのコンテンツ視聴用モニタ31は、入力HDR画像のオリジナルの入出力変換関数(EOTFa:fa(x))を、所定の変換アルゴリズムに従って変換し、出力輝度を表示部において表示可能な最高輝度以下に設定するように入出力特性を変換する。
 この変換処理によって生成される表示用HDR画像の新たな入出力変換関数(EOTFb:fb(x))は、例えば図に示すように、入力信号:x==1.0において、出力輝度:y=1000cd/mを算出する関数として設定することになる。
 この変換処理によって、オリジナルの入出力変換関数(EOTFa:fa(x))の最大出力輝度:y=10000cd/mを表示部において表示可能な最高輝度:y=1000cd/mに低下させることが可能となる。
 表示用HDR画像の新たな入出力変換関数(EOTFb:fb(x))は、入力信号:x=1.0において、出力輝度:y=1000cd/mが出力され、入力信号値:x=0~1.0まで、全ての入力信号に対応した異なる階調の画像を表示することが可能となる。
 しかし、図11に示す新たに生成した入出力変換関数であるEOTFb:fb(x)は、入力信号:x=0~1.0の全てにおいて、元の入出力変換関数であるEOTFa:fa(x)の出力輝度より低い輝度の出力に設定されてしまう。
 例えば入力信号:x=0.6の場合、元の入出力変換関数であるEOTFa:fa(x)の出力輝度は、約300~400cd/mであるのに対して、新たに生成した入出力変換関数であるEOTFb:fb(x)の出力輝度は、約60~70cd/mまで低下してしまうことになる。
 このように、図11に示す新たに生成した表示用HDR画像の入出力変換関数(EOTFb:fb(x))は、入力信号:x=0~1.0の全てにおいて、元の入出力変換関数であるEOTFa:fa(x)の出力輝度より低い輝度の出力となり、この結果、画像全体が暗くなってしまうという問題が発生する。
  [5.HDR画像の輝度低下を防止し、明るいHDR画像の表示を実現する構成について]
 次に、上述した問題点を解決する構成、すなわち、HDR画像の輝度低下を防止し、明るいHDR画像の表示を実現する構成について説明する。
 図12以下を参照して、明るいHDR画像の表示を実現する構成について説明する。
 図12は、先に図10を参照して説明したと同様のHDR画像の制作環境と視聴環境を示す図であり、以下の各図を示している。
 (a)コンテンツ制作環境
 (b)コンテンツ視聴環境(リビング)
 図12(a)コンテンツ制作環境に示すように、暗室に設置したコンテンツ制作用モニタ21にHDR画像コンテンツを表示して、表示画像を観察しながら画像の色、輝度の調整を実行する。
 HDR画像に対する画像調整処理は、入出力特性が、図9に示すHDR画像対応の入出力特性曲線(EOTF曲線)、すなわちSMPTE ST 2084曲線に一致するように調整される。
 具体的には、図12(a)に示すように、入力信号0~1.0の最大値である入力信号値=1.0において、10000cd/mの輝度の出力となるように調整する処理が行われる。
 しかし、この10000cd/mの輝度は、図10(b)コンテンツ視聴環境のコンテンツ視聴用モニタ(テレビ)31において出力できない。
 従って、ユーザ側の画像処理装置、すなわちテレビ等のコンテンツ視聴用モニタ31側で、出力画素値(輝度)の調整が必要となる。
 ユーザ側の画像処理装置、すなわちテレビ等のコンテンツ視聴用モニタ31は、入力したHDR画像の入出力特性曲線(EOTF曲線)を変更する処理を行なうが、この処理は、以下の(条件)を満足する設定で行う。
 (条件)入力HDR画像の入出力変換関数(EOTF)上の基準点Pの入力信号値(In_p)以下の入力信号値範囲でゲインを1以上、入力信号値(In_p)以上の入力信号値範囲でゲインを1以下に設定したゲイン関数G(x)を、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に適用して生成する。
 上記(条件)を満足する処理によって新たな入出力変換関数(EOTF)を設定して、この新たな入出力変換関数(EOTF)に従った入出力変換処理を実行して表示画像を生成して出力する。
 具体的な入出力特性曲線(EOTF曲線)の変換処理例について、図13を参照して説明する。
 図13に示すグラフは、図9や図11を参照して説明したと同様、横軸に入力信号値(0~1.0)、縦軸に出力値である輝度(cd/m)の対数(log)軸からなるグラフである。
 図13には、以下の2つの入出力特性曲線(EOTF曲線)を示している。
 (a)EOTFa:fa(x)
 (b)EOTFb1:fb1(x)
 (a)EOTFa:fa(x)は、入力HDR画像の入出力変換関数であり、暗室において制作したコンテンツの有する入出力特性である。すなわち、図9を参照して説明したHDR画像のEOTFであるSMPTE ST 2084曲線に相当する。
 なお、関数fa(x)は、入力信号=xとして、出力(輝度)=yを算出する変換関数(EOTFa)である。
 EOTFa:fa(x)は、入力信号:x=1.0において、出力輝度:y=10000cd/mを算出する関数として設定される。
 一方、(b)EOTFb1:fb1(x)は、画像処理装置としてのコンテンツ視聴用モニタ31において実行される入出力特性変換処理によって生成する表示用HDR画像の新たな入出力特性を示す入出力変換関数である。
 画像処理装置としてのコンテンツ視聴用モニタ31は、入力HDR画像のオリジナルの入出力変換関数(EOTFa:fa(x))を、所定の変換アルゴリズムに従って変換し、出力輝度を表示部において表示可能な最高輝度以下に設定するとともに、画像の明るさを低下させないように入出力特性を変換する。
 図13中に、EOTFb1:fb1(x)として示す曲線は、入力HDR画像のオリジナルの入出力変換関数(EOTFa:fa(x))であるSMPTE ST 2084曲線に基づいて生成した新たなHDR画像表示用の入出力変換関数、すなわち、SMPTE ST 2084曲線の変換曲線である。
 EOTFb1:fb1(x)は、図に示すように、以下の条件を満たす入出力変換関数として設定される。
 (条件)入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P1の入力信号値(In_p1=0.74)以下の入力信号値範囲(入力信号=0~0.74)でゲインを1以上、入力信号値(In_p1=0.74)以上の入力信号値範囲(入力信号=0.74~1.0)でゲインを1以下に設定したゲイン関数G(x)を、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に適用して生成する。
 画像処理装置であるコンテンツ視聴用モニタ31、すなわち、例えば、ユーザの各テレビにおいて、このような入出力特性曲線の変換処理を実行することで、明るい環境下で視聴する場合に、十分明るいHDR画像コンテンツを表示して視聴することが可能となる。
 図13に示す表示画像用の新たな入出力変換関数(EOTFb1:(fb1))は、上記(条件)を満足する曲線である。
 なお、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P1は、図13に示す例では、入出力変換関数(EOTFa:fa(x))の曲線(SMPTE-ST 2084曲線)と、表示部許容最高輝度(1000cd/m)との交点に設定している。
 入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P1の入力信号値(In_p1=0.74)以下の入力信号値範囲(入力信号=0~0.74)でゲインを1以上とすることで、入力信号値=0~0.74の出力は、入力HDR画像対応のオリジナルのOETF:fa(x)より高輝度、すなわち明るさが増す設定となる。
 例えば図13に示す点Q1は、入力信号値=0.5(In_q1)に対応する変換後のEOTFb:fb(x)の出力ポイントを示しており、このQ1の出力輝度は約250~300cd/mとなる。
 これは、元の入力HDR画像対応のオリジナルのOETF:fa(x)の入力信号値=0.5(In_q1)における出力輝度(約100cd/m)に比較して、出力(輝度)が上昇している。
 一方、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P1の入力信号値(In_p1=0.74)以上の入力信号値範囲(入力信号=0.74~1.0)でゲインを1以下とすることで、入力信号値=0.74~1.0の出力は、入力HDR画像対応のオリジナルのOETF:fa(x)より低輝度となる。
 なお、この範囲、すなわち、入力信号値=0.74~1.0の範囲は、変換後のOETFb1:fb1(x)により、出力輝度が、すべて表示部許容最高輝度(1000cd/m)に設定される。
 例えば、図13に示す点R1は、入力信号値=1.0(In_r1)に対応する変換後のEOTFb1:fb1(x)の出力ポイントを示しており、このR1の出力輝度は表示部許容最高輝度(1000cd/m)となる。
 このように、画像処理装置であるコンテンツ視聴用モニタ31、すなわち、例えば、ユーザの各テレビが、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))を、前述した(条件)を満足する設定で、新たな表示用HDR画像の入出力変換関数(EOTFb1:fb1(x))を生成し、生成した入出力変換関数(EOTFb1:fb1(x))を適用し入力信号値0~1.0に対応する出力画素値(輝度)を算出して表示部に表示する。
 このような入出力特性曲線の変換処理を実行することで、表示部許容最高輝度:1000cd/m以下の画素の輝度が、元の入力HDR画像のオリジナルの画素の輝度値より高く設定される。これにより、明るい環境下で視聴する場合に、十分明るいHDR画像コンテンツを表示して視聴することが可能となる。
 なお、図13の例では、表示部許容最高輝度が1000cd/mである表示部を用いた例である。この他の表示部許容最高輝度を持つ装置の場合には、その装置の表示部許容最高輝度に応じて、基準点Pが設定される。
 図14を参照して、表示部許容最高輝度が800cd/mである表示部を用いた場合の処理例について説明する。
 図14に示すグラフも、図13と同様、横軸に入力信号値(0~1.0)、縦軸に出力値である輝度(cd/m)の対数(log)軸からなるグラフである。
 図14には、以下の2つの入出力特性曲線(EOTF曲線)を示している。
 (a)EOTFa:fa(x)
 (b)EOTFb2:fb2(x)
 (a)EOTFa:fa(x)は、入力HDR画像の入出力変換関数であり、暗室において制作したコンテンツの有する入出力特性である。すなわち、図9を参照して説明したHDR画像のEOTFであるSMPTE ST 2084曲線に相当する。
 EOTFa:fa(x)は、入力信号:x=1.0において、出力輝度:y=10000cd/mを算出する関数として設定される。
 一方、(b)EOTFb2:fb2(x)は、画像処理装置としてのコンテンツ視聴用モニタ31において実行される入出力特性変換処理によって生成する表示用HDR画像の新たな入出力特性である。
 EOTFb2:fb2(x)は、図に示すように、以下の条件を満たす入出力変換関数として設定される。
 (条件)入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P2の入力信号値(In_p2=0.72)以下の入力信号値範囲(入力信号=0~0.72)でゲインを1以上、入力信号値(In_p2=0.72)以上の入力信号値範囲(入力信号=0.72~1.0)でゲインを1以下に設定したゲイン関数G(x)を、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に適用して生成する。
 図14に示す例は、表示部許容最高輝度が800cd/mであり、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P2は、入出力変換関数(EOTFa:fa(x))の曲線(SMPTE-ST 2084曲線)と、表示部許容最高輝度(800cd/m)との交点に設定される。
 入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P2の入力信号値(In_p2=0.72)以下の入力信号値範囲(入力信号=0~0.72)でゲインを1以上とすることで、入力信号値=0~0.72の出力は、入力HDR画像対応のオリジナルのOETF:fa(x)より高輝度、すなわち明るさが増す設定となる。
 例えば図14に示す点Q2は、入力信号値=0.5(In_q2)に対応する変換後のEOTFb2:fb2(x)の出力ポイントを示しており、このQ2の出力輝度は約250~300cd/mとなる。
 元の入力HDR画像対応のオリジナルのOETF:fa(x)の入力信号値=0.5(In_q2)における出力輝度(約100cd/m)に比較して、出力(輝度)が上昇する。
 一方、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P2の入力信号値(In_p2=0.72)以上の入力信号値範囲(入力信号=0.72~1.0)でゲインを1以下とすることで、入力信号値=0.72~1.0の出力は、入力HDR画像対応のオリジナルのOETF:fa(x)より低輝度となる。
 なお、この範囲、すなわち、入力信号値=0.72~1.0の範囲は、変換後のOETFb2:fb2(x)により、出力輝度が、すべて表示部許容最高輝度(800cd/m)に設定される。
 例えば、図14に示す点R2は、入力信号値=1.0(In_r2)に対応する変換後のEOTFb2:fb2(x)の出力ポイントを示しており、このR2の出力輝度は表示部許容最高輝度(800cd/m)となる。
 このような入出力特性曲線の変換処理を実行することで、表示部許容最高輝度:800cd/m以下の画素の輝度が、元の入力HDR画像のオリジナルの画素の輝度値より高く設定される。これにより、明るい環境下で視聴する場合に、十分明るいHDR画像コンテンツを表示して視聴することが可能となる。
 画像処理装置であるコンテンツ視聴用モニタ31において実行する処理にについて、図15を参照して説明する。
 図15に示す画像処理装置100は、例えば、図12に示すコンテンツ視聴用モニタ31である。なお、画像処理装置100は、その他の装置、例えば、テレビ、スマートフォン、PC等の表示部を備えた様々な装置であってもよい。
 画像処理装置100は、例えば、放送局やストリーミング・サーバ等からの受信画像データ、あるいはBD(Blu-ray(登録商標) Disc)などのメディアからの再生画像データを表示部103に表示する。
 画像信号処理部101は、例えば、放送局やサーバ、あるいはBD(Blu-ray(登録商標) Disc)などのメディアから入力する符号化ストリームを復号し、復号データに基づいて生成した画像信号を表示制御部102に出力する。例えば、表示部103の表示特性に応じた出力信号を生成して表示制御部102に出力する。
 この画像信号処理部101において、図13や図14を参照して説明した入出力変換関数(EOTF)の変換処理が実行される。
 なお、以下では、画像処理装置100は、表示部許容最高輝度が図13を参照して説明した設定、すなわち、1000cd/mである場合の処理について説明する。
 画像信号処理部は、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTF)、すなわち、SMPTE ST 2084曲線(図13に示すEOTFa:fa(x))を、所定の変換アルゴリズムに従って変換し、新たなHDR画像表示用の変換関数、例えば、図13に示す入出力変換関数(EOTFb1:fb1(x))を生成する。
 この新たな入出力変換関数の算出処理は、例えば、各入力信号値(x)に応じて予め規定されたゲインGを、入力HDR画像のオリジナルの入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に乗算することで実行される。
 図16にゲイン関数G1(x)の例を示す。
 図16に示すゲイン関数G1(x)は、入力信号値(x)に応じて既定されるゲイン値yを規定した関数である。
 図16に示すようにゲイン関数G1(x)は、先に図12を参照して説明した条件を満たすゲイン値の設定を持つ関数である。すなわち、以下の条件である。
 (条件)入力HDR画像の入出力変換関数(EOTF)上の基準点Pの入力信号値(In_p)以下の入力信号値範囲でゲインを1以上、入力信号値(In_p)以上の入力信号値範囲でゲインを1以下に設定したゲイン関数G(x)を、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に適用して生成する。
 図16に示すゲイン関数G1(x)は、上記(条件)を満足する。
 図16に示すゲイン関数G1(x)は、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTF)上の基準点P1の入力信号値(In_p1=0.74)以下の入力信号値範囲(入力信号値=0~0.74)でゲイン値が1以上の設定である。
 また、基準点P1の入力信号値(In_p1=0.74)以下の入力信号値範囲(入力信号値=0.74~1.0)でゲイン値が1以下の設定となっている。
 基準点P1の入力信号値(In_p1=0.74)におけるゲイン関数G1(x)のゲイン値は1であり、この基準点では、元の入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))による出力輝度と、変換後の新たな入出力変換関数(EOTFb1:fb1(x))による出力輝度は一致する。この基準点P1の出力輝度は、表示部最高輝度=1000cd/mである。
 すなわち、この入力信号値(In_p1=0.74)におけるゲイン値は1.0である。
 また、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTF)上の基準点P1の入力信号値(In_p1=0.74)以下の入力信号値範囲(入力信号値=0~0.74)でゲイン値が1以上の設定となる。
 例えば、図16に示すQ1は、入力信号値=0.5(In_q1)の変換後の新たな入出力変換関数(EOTFb1:fb1(x))による出力輝度を示す位置であり、約250~300cd/mの出力輝度である。この入力信号値=0.5(In_q1)における元の入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))の出力輝度は、約100cd/mであり、この位置のゲイン値Gq1は、約2.5~3.0である。
 一方、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTF)上の基準点P1の入力信号値(In_p1=0.74)以上の入力信号値範囲(入力信号値=0.74~1.0)でゲイン値が1以下の設定となる。
 例えば、図16に示すR1は、入力信号値=1.0(In_r1)の変換後の新たな入出力変換関数(EOTFb1:fb1(x))による出力輝度を示す位置であり、表示部許容最高輝度である1000cd/mの出力輝度である。この入力信号値=1.0(In_r1)における元の入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))の出力輝度は、約10000cd/mであり、この位置のゲイン値Gr1は、約0.1である。
 なお、図16に示すゲイン関数G1(x)は、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTF)上の基準点P1の入力信号値(In_p1=0.74)以下の入力信号値範囲(入力信号値=0~0.74)でゲイン値が1以上の設定である。
 このゲイン値が1以上の範囲においては、できるだけ広範囲を同一ゲイン値の設定とすることが好ましい。これは、ゲインが変化すると出力画像の色合い等が変化する場合があり、元の画像との差異が発生する可能性があるからである。
 図16に示す例では、例えば入力信号値=0~0.5の範囲で、ゲイン値=3.0に維持することで、この範囲の画像の色合いを元の画像と同様にすることが可能となる。
 このように、図15に示す画像処理装置100の画像信号処理部101は、元の入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に対して、以下の条件を満たすゲイン関数G1(x)を適用して、新たな入出力変換関数(EOTFb1:fb1(x))を生成する。
 (条件)入力HDR画像の入出力変換関数(EOTF)上の基準点Pの入力信号値(In_p)以下の入力信号値範囲でゲインを1以上、入力信号値(In_p)以上の入力信号値範囲でゲインを1以下に設定したゲイン関数G(x)を、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に適用して生成する。
 画像信号処理部101は、新たな入出力変換関数(EOTFb1:fb1(x))を以下の式によって算出する。
 fb1(x)=G1(x)×fa(x)
 上記式に従って、新たに算出された入出力変換関数:EOTFb1:fb1(x)を適用することで、基準点(P1)以下の入力信号値x=0~(In_p1)において、出力輝度が、元の変換関数:EOTFa:fa(x)の設定輝度より、高い輝度に設定される。
 一方、基準点(P1)以上の入力信号値x=(In_p1)~1.0において、出力輝度が、元の変換関数:EOTFa:fa(x)の設定輝度より、低い輝度、例えば表示部許容最高輝度に設定される。
 図15に示す画像信号処理部101は、例えばこのようなゲイン関数G1(x)を用いて、入力HDR画像のオリジナルの入出力変換関数(EOTFa:fa(x))を変更して、新たな入出力変換関数(EOTFb1:fb1(x))を生成し、この入出力変換関数(EOTFb1:fb1(x))を適用して画像を構成する各画素の入力信号(x)に基づく出力画素値(輝度)を算出する。
 表示制御部102は、画像信号処理部101が、新たな入出力変換関数(EOTFb1:fb1(x))を適用して算出した画素値に基づいて、表示部103に対する出力信号を生成する。
 表示部103は、表示制御部102からの入力信号を用いて表示パネルを駆動し、画像表示を実行する。
 これらの処理により、表示部103には、基準点P1以下の入力信号に対する出力は、元の入力HDR画像より明るい出力(輝度)となり、基準点P1以下の入力信号に対する出力は、表示部許容最高輝度に設定された画像が表示されることになる。
 この結果、例えば明るいリビングでコンテンツに表示部103の表示画像を観察しても、十分に明るい画像を観察することが可能となる。
  [6.基準点Pの複数の異なる設定例について]
 図13、図14を参照して基準点Pを境界として、ゲイン設定を変更する例について説明した。このゲインG=1.0の設定とする基準点Pは、様々な異なる設定が可能である。
 図13、図14を参照して説明した例では、いずれも入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))曲線と、表示部許容最高輝度のラインの交点を基準点Pとしている。
 このような基準点の設定と異なる例について、図17を参照して説明する。
 図17に示すグラフは、先に説明した図13、図14と同様、横軸に入力信号値(0~1.0)、縦軸に出力値である輝度(cd/m)の対数(log)軸からなるグラフである。
 図17にも、以下の2つの入出力特性曲線(EOTF曲線)を示している。
 (a)EOTFa:fa(x)
 (b)EOTFb3:fb3(x)
 (a)EOTFa:fa(x)は、入力HDR画像の入出力変換関数であり、暗室において制作したコンテンツの有する入出力特性である。すなわち、図9を参照して説明したHDR画像のEOTFであるSMPTE ST 2084曲線に相当する。
 EOTFa:fa(x)は、入力信号:x=1.0において、出力輝度:y=10000cd/mを算出する関数として設定される。
 一方、(b)EOTFb3:fb3(x)は、画像処理装置としてのコンテンツ視聴用モニタ31において実行される入出力特性変換処理によって生成する表示用HDR画像の新たな入出力特性である。
 EOTFb3:fb3(x)は、図に示すように、以下の条件を満たす入出力変換関数として設定される。
 (条件)入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P3の入力信号値(In_p3=0.73)以下の入力信号値範囲(入力信号=0~0.73)でゲインを1以上、入力信号値(In_p3=0.73)以上の入力信号値範囲(入力信号=0.73~1.0)でゲインを1以下に設定したゲイン関数G(x)を、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に適用して生成する。
 図17に示す例は、表示部許容最高輝度が、先に図13を参照して説明した例と同様、1000cd/mであるが、基準点Pを、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))曲線と、表示部許容最高輝度(1000cd/m)のラインの交点に設定していない。
 図17に示す例では、基準点P3を、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))曲線が、表示部許容最高輝度(1000cd/m)に達する前のポイントに設定している。
 入力信号=0.73(In_p3)は、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))曲線による出力値が約900cd/mであり、この位置を基準点P3としている。
 入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P3の入力信号値(In_p3=0.73)以下の入力信号値範囲(入力信号=0~0.73)でゲインを1以上とすることで、入力信号値=0~0.73に対する出力が、入力HDR画像対応のオリジナルのOETF:fa(x)より高輝度、すなわち明るさが増す設定となる。
 例えば図17に示す点Q3は、入力信号値=0.5(In_q3)に対応する変換後のEOTFb3:fb3(x)の出力ポイントを示しており、このQ3の出力輝度は約250~300cd/mとなる。
 元の入力HDR画像対応のオリジナルのOETF:fa(x)の入力信号値=0.5(In_q3)における出力輝度(約100cd/m)に比較して、出力(輝度)が上昇する設定である。
 一方、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P3の入力信号値(In_p3=0.73)以上の入力信号値範囲(入力信号=0.73~1.0)でゲインを1以下とすることで、入力信号値=0.73~1.0の出力は、入力HDR画像対応のオリジナルのOETF:fa(x)より低輝度となる。
 なお、この範囲、すなわち、入力信号値=0.73~1.0の範囲は、変換後のOETFb2:fb3(x)により、出力輝度が、表示部許容最高輝度(1000cd/m)までなだらかに上昇する設定となる。
 例えば、図17に示す点R3は、入力信号値=1.0(In_r3)に対応する変換後のEOTFb3:fb3(x)の出力ポイントを示しており、このR3の出力輝度は表示部許容最高輝度(1000cd/m)となる。
 なお、入力信号に対する出力値の設定は、ゲイン関数の設定によって決定されるものであり、ゲイン関数の設定変更により、様々な態様に設定できる。
 図17に示す入出力変換曲線(EOTFb3:fb3(x))を生成するためのゲイン関数G3(x)の例を図18に示す。
 図18に示すように、ゲイン関数G3(x)は、基準点P3の入力信号位置(入力信号=0.73(In_p3))においてゲイン値=1.0となる。
 また、ゲイン関数G3(x)は、基準点P3の入力信号位置(入力信号=0.73(In_p3))以下においてゲイン値が1.0以上となる。
 また、基準点P3の入力信号位置(入力信号=0.73(In_p3))以上においてゲイン値が1.0以下となる。
 図15に示す画像処理装置100の画像信号処理部101は、新たな入出力変換関数(EOTFb3:fb3(x))を以下の式によって算出する。
 fb3(x)=G3(x)×fa(x)
 上記式に従って、新たに算出された変換関数:EOTFb3:fb3(x)を適用することで、基準点(P3)以下の入力信号値x=0~(In_p3)において、出力輝度が、元の変換関数:EOTFa:fa(x)の設定輝度より高い輝度に設定される。
 一方、基準点(P3)以上の入力信号値x=(In_p3)~1.0において、出力輝度が、元の変換関数:EOTFa:fa(x)の設定輝度より低い輝度に設定される。
 このようなゲイン関数(G3(x))を適用して入出力特性曲線の変換処理を実行することで、基準点P3以下の入力信号に対する出力輝度が、元の入力HDR画像のオリジナルの画素の輝度値より高く設定される。この結果、明るい環境下で視聴する場合に、表示部許容最高輝度以下の設定で、かつ十分明るいHDR画像コンテンツを表示して視聴することが可能となる。
  [7.モードに応じてゲイン設定や基準点を変更する例について]
 ユーザがテレビでコンテンツを視聴する場合、明るい環境でコンテンツを視聴するとは限らず、映画館等のように暗くしてコンテンツ鑑賞を行う場合もある。
 このように暗くしてコンテンツ鑑賞を行う場合、テレビの表示画像も輝度を落として見る場合がある。
 多くのテレビにはユーザ設定可能な複数の表示モードが備えられている。
 例えば、以下の2つのモードである。
 (モード1)明るい画像を表示するノーマルモード(あるいはリビングモード)
 (モード2)明るさを抑えた画像を表示するシネマモード
 このようにユーザの設定したモードに応じて、ゲイン設定や基準点を変更する例について説明する。
 図19は、ユーザの設定したモードに応じて、ゲイン設定を変更する例について説明する図である。
 図19には、以下の3つの入出力特性曲線(EOTF曲線)を示している。
 (a)EOTFa:fa(x)
 (b)EOTFb1:fb1(x)
 (c)EOTFb1s:fb1s(x)
 (a)EOTFa:fa(x)は、入力HDR画像の入出力変換関数であり、暗室において制作したコンテンツの有する入出力特性である。すなわち、図9を参照して説明したHDR画像のEOTFであるSMPTE ST 2084曲線に相当する。
 EOTFa:fa(x)は、入力信号:x=1.0において、出力輝度:y=10000cd/mを算出する関数として設定される。
 また、
 (b)EOTFb1:fb1(x)
 (c)EOTFb1s:fb1s(x)
 これら2つのEOTFは、画像処理装置としてのコンテンツ視聴用モニタ31において実行される入出力特性変換処理によって生成する表示用HDR画像の新たな入出力特性である。
 (b)EOTFb1:fb1(x)は、先に、図13や図16を参照して説明したと同様の入出力変換関数であり、
 (モード1)明るい画像を表示するノーマルモード(あるいはリビングモード)
 この(モード1)対応のEOTFである。
 一方、(c)EOTFb1s:fb1s(x)は、
 (モード2)明るさを抑えた画像を表示するシネマモード
 この(モード2)対応のEOTFである。
 これらの2つのEOTF、すなわち、
 (b)EOTFb1:fb1(x)
 (c)EOTFb1s:fb1s(x)
 これらのどちらを利用するかは、ユーザのモード設定に応じて決定される。
 なお、
 (b)EOTFb1:fb1(x)
 (c)EOTFb1s:fb1s(x)
 これらのEOTFは、いずれも、先に説明した以下の(条件)を満足する。
 (条件)入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P1の入力信号値(In_p1=0.73)以下の入力信号値範囲(入力信号=0~0.73)でゲインを1以上、入力信号値(In_p1=0.73)以上の入力信号値範囲(入力信号=0.73~1.0)でゲインを1以下に設定したゲイン関数G(x)を、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に適用して生成する。
 なお、図19に示す例は、表示部許容最高輝度が1000cd/mである。
 図19には、さらに、2つのゲイン関数G1(x),G1s(x)を示している。
 ゲイン関数G1(x)は、先に図16を参照して説明したゲイン関数G1(x)であり、「(モード1)明るい画像を表示するノーマルモード(あるいはリビングモード)」対応のゲイン関数である。
 一方、ゲイン関数G1s(x)は、「(モード2)シネマモード」対応のゲイン関数である。
 シネマモード対応のゲイン関数G1s(x)のゲイン値は、基準点P1以下の入力信号値(0~In_p1)において、ノーマルモード対応のゲイン関数G1(x)のゲイン値より小さい設定となっている。
 これにより、シネマモード対応のゲイン関数G1s(x)を利用すると、基準点P1以下の入力信号値(0~In_p1)に対する出力が、ノーマルモード対応のゲイン関数G1(x)を利用した場合に比較して低い出力、すなわち明るさが抑えられた画像が表示されることになる。
 このように、ユーザの選択したモードによって利用するゲイン関数が切り換えられて、その切り換えにより、異なるEOTFを適用した表示画像生成処理が実行される。
 ユーザがシネマモードを選択すると、シネマモード対応のゲイン関数G1s(x)が選択され、図19に示すシネマモードEOTFb1s:fb1s(x)を適用した入出力変換処理が実行される。
 一方、ユーザがノーマルモードを選択すると、ノーマルモード対応のゲイン関数G1(x)が選択され、図19に示すノーマルモードEOTFb1:fb1(x)を適用した入出力変換処理が実行される。
 このようにモード設定に応じた異なる画像の表示が可能となる。
 なお、図19に示す例では、シネマモード対応のゲイン関数G1s(x)の設定を、基準点P1以下の入力信号値(0~In_p1)におけるゲイン値が、1.0~2.0の範囲となる設定としており、シネマモードにおいても、入力信号値(0~In_p1)範囲の出力値は、元の入出力特性であるSMPTE ST 2084を利用した場合より、明るくなる。
 シネマモード対応のゲイン関数は、この他の設定も可能である。例えば、シネマモード対応のゲイン関数G1s(x)の設定を、基準点P1以下の入力信号値(0~In_p1)の範囲のゲイン値を全て1.0に設定する。
 このような設定とすれば、シネマモードにおける入力信号値(0~In_p1)範囲の出力値を、元の入出力特性であるSMPTE ST 2084を利用した場合と同一に設定することができる。
 図20は、ユーザの設定したモードに応じて、ゲイン設定と基準点を併せて変更する例について説明する図である。
 図20にも図19と同様、以下の3つの入出力特性曲線(EOTF曲線)を示している。
 (a)EOTFa:fa(x)
 (b)EOTFb1:fb1(x)
 (c)EOTFb5:fb5(x)
 (a)EOTFa:fa(x)は、入力HDR画像の入出力変換関数であり、暗室において制作したコンテンツの有する入出力特性である。すなわち、図9を参照して説明したHDR画像のEOTFであるSMPTE ST 2084曲線に相当する。
 EOTFa:fa(x)は、入力信号:x=1.0において、出力輝度:y=10000cd/mを算出する関数として設定される。
 また、
 (b)EOTFb1:fb1(x)
 (c)EOTFb5:fb5(x)
 これら2つのEOTFは、画像処理装置としてのコンテンツ視聴用モニタ31において実行される入出力特性変換処理によって生成する表示用HDR画像の新たな入出力特性である。
 (b)EOTFb1:fb1(x)は、先に、図13や図16を参照して説明したと同様の入出力変換関数であり、
 (モード1)明るい画像を表示するノーマルモード(あるいはリビングモード)
 この(モード1)対応のEOTFである。
 一方、(c)EOTFb5:fb5(x)は、
 (モード2)明るさを抑えた画像を表示するシネマモード
 この(モード2)対応のEOTFである。
 これらの2つのEOTF、すなわち、
 (b)EOTFb1:fb1(x)
 (c)EOTFb5:fb5(x)
 これらのどちらを利用するかは、ユーザのモード設定に応じて決定される。
 なお、
 (b)EOTFb1:fb1(x)
 このEOTFは、基準点P1が、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))と表示部許容最高輝度=1000cd/mの交点に設定され、先に説明した以下の(条件)を満足する。
 (条件)入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P1の入力信号値(In_p1=0.74)以下の入力信号値範囲(入力信号=0~0.74)でゲインを1以上、入力信号値(In_p1=0.74)以上の入力信号値範囲(入力信号=0.74~1.0)でゲインを1以下に設定したゲイン関数G(x)を、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に適用して生成する。
 一方、(c)EOTFb5:fb5(x)
 このEOTFは、基準点P5が、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))と表示部許容最高輝度=1000cd/mの交点位置ではなく、入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の、表示部許容最高輝度=1000cd/mより低い出力輝度、約900cd/mの出力輝度位置に設定されている。
 ただし、以下の(条件)を満足する。
 (条件)入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))上の基準点P5の入力信号値(In_p5=0.73)以下の入力信号値範囲(入力信号=0~0.73)でゲインを1以上、入力信号値(In_p5=0.73)以上の入力信号値範囲(入力信号=0.73~1.0)でゲインを1以下に設定したゲイン関数G(x)を、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に適用して生成する。
 図20には、さらに、2つのゲイン関数G1(x),G5(x)を示している。
 ゲイン関数G1(x)は、先に図16を参照して説明したゲイン関数G1(x)であり、「(モード1)明るい画像を表示するノーマルモード(あるいはリビングモード)」対応のゲイン関数である。
 一方、ゲイン関数G5(x)は、「(モード2)シネマモード」対応のゲイン関数である。
 シネマモード対応のゲイン関数G5(x)のゲイン値は、基準点P5以下の入力信号値(0~In_p5)において、1以上で、かつノーマルモード対応のゲイン関数G1(x)のゲイン値より小さい設定となっている。
 さらに、ゲイン関数G5(x)のゲイン値は、基準点P5以上の入力信号値(In_p5~1.0)においては、1以下で、かつノーマルモード対応のゲイン関数G1(x)のゲイン値より小さい設定となっている。
 これにより、シネマモード対応のゲイン関数G5(x)を利用すると、全ての入力値0~1.0に対する出力が、ノーマルモード対応のゲイン関数G1(x)を利用した場合に比較して低い出力、すなわち明るさが抑えられた画像が表示されることになる。
 このように、ユーザの選択したモードによって利用するゲイン関数が切り換えられて、その切り換えにより、異なるEOTFを適用した表示画像生成処理が実行される。
 ユーザがシネマモードを選択すると、シネマモード対応のゲイン関数G5(x)が選択され、図20に示すシネマモードEOTFb5:fb5(x)を適用した入出力変換処理が実行される。
 一方、ユーザがノーマルモードを選択すると、ノーマルモード対応のゲイン関数G1(x)が選択され、図20に示すノーマルモードEOTFb1:fb1(x)を適用した入出力変換処理が実行される。
 このようにモード設定に応じた異なる画像の表示が可能となる。
  [8.画像処理装置の実行する処理シーケンスについて]
 次に、図21に示すフローチャートを参照して、画像処理装置の実行する処理シーケンスについて説明する。
 図21に示すフローチャートに従った処理は、例えば、図15に示す画像処理装置100の画像信号処理部101、表示制御部102、表示部103において、画像処理装置の記憶部に格納されたプログラムに従って実行される。
 以下、図21に示すフローチャートの各ステップの処理について、順次、説明する。
  (ステップS101)
 まず、ステップS101において、例えば図15に示す画像処理装置100の画像信号処理部101が、HDR画像信号を入力する。
 HDR画像は、画像処理装置の通信部が放送波を介して受信した放送コンテンツや、コンテンツサーバから取得したコンテンツ、あるいはBD(Blu-Ray(登録商標)Disc)やフラッシュメモリ等のメディアからの再生コンテンツに含まれる画像データである。
  (ステップS102)
 次に、画像信号処理部101は、ステップS102において、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))から基準点Pを選択する。
 基準点Pは、先に図13~図20等を参照して説明した基準点Pであり、基準点Pは、入力HDR画像対応の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))を変換して、新たなHDR画像表示用入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を生成するために適用するゲイン関数のゲイン値変更点、すなわち、ゲイン値が1以上と1以下の設定となる境界位置である。
 基準点Pの入力信号値以下の入力信号値ではゲインを1以上、準点Pの入力信号値以上の入力信号値ではゲインを1以下に設定する。このように、基準点Pはゲイン設定の変更点となる境界ポイントである。
 基準点Pの選択処理は、予め記憶部に格納されたプログラムに従って実行される。
 あるいは、画像処理装置100の画像信号処理部101が、入力するHDT画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))と、表示部の表示許容輝度情報に基づいて決定する構成としてもよい。
 例えば、先に図13を参照して説明した例では、基準点Pは、入出力変換関数(EOTFa:fa(x))の曲線(SMPTE-ST 2084曲線)と、表示部許容最高輝度(1000cd/m)との交点に設定される。
 また、図17を参照して説明した例では、基準点Pは、入出力変換関数(EOTFa:fa(x))の曲線(SMPTE-ST 2084曲線)上の、表示部許容最高輝度(1000cd/m)以下の点に設定される。
 なお、画像処理装置が入力する様々な異なるタイプのHDR画像各々の異なる入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に対応した複数の基準点P選択アルゴリズムを画像処理装置の記憶部に格納し、画像処理装置の画像信号処理部101が、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))の種類を判別して、判別結果に応じて、最適な基準点P選択アルゴリズムを選択適用する構成としてもよい。
 上述した実施例ではHDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))をSMPTE ST 2084とした例を説明したが、SMPTE ST 2084以外のHDR画像入出力特性曲線が利用される場合も想定される。
 例えば、SMPTE ST 2084曲線と異なる入出力特性を有するHDR画像の例としてHLG方式に従った画像がある。
 HLG方式のHDR画像とは、ガンマ曲線と対数(log)曲線とを組み合わせたハイブリッド・ログ・ガンマ(HLG:Hybrid Log-Gamma)曲線を入出力信号変換関数として用いたHDR画像である。
 このように、画像処理装置が、異なるタイプのHDR画像を入力して処理を行なう場合、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))の種類に応じて異なる基準点P選択アルゴリズムを適用する構成としてもよい。
  (ステップS103)
 次に、画像処理装置100の画像信号処理部101は、ステップS103において、ステップS102で決定した基準点P対応の入力値(In_p)以下の入力信号範囲のゲインを1以上、基準点P対応の入力値(In_p)以上の入力信号範囲のゲインを1以下としたゲイン関数G(x)を記憶部から取得、または生成する。
 このゲイン関数G(x)は、図13~図20を参照して説明したゲイン関数G(x)であり、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に適用して、新たな表示用HDR画像の入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を生成するために利用するゲイン関数である。
 画像処理装置100の記憶部には、画像処理装置が入力する様々な異なるタイプのHDR画像各々の異なる入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に対応した複数のゲイン関数g(x)が格納されている。
 画像処理装置100の画像信号処理部101は、入力HDR画像のタイプに応じたゲイン関数G(x)を記憶部から選択する。
 あるいは、画像信号処理部101が、入力HDR画像のタイプに応じたゲイン関数G(x)生成アルゴリズムを適用してゲイン関数G(x)を生成する。
 なお、ステップS102において決定する基準点Pの位置や、ステップS103で取得または生成するゲイン関数G(x)は、入力HDR画像の入出力特性や、ユーザの設定モードに応じて決定される。
 入力HDR画像の入出力特性の種類としては、例えばSMPTE ST 2084曲線や、HLG(ハイブリッド-ログ-ガンマ)曲線等がある。、
 また、ユーザ設定モードには、ノーマルモード(リビングモード)やシネマモードがある。
  (ステップS104)
 次に、画像処理装置100の画像信号処理部101は、ステップS104において、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))と、ゲイン関数G(x)を用いて、新たな表示画像用入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を生成する。
 すなわち、例えば、以下の式に従って、新たな表示画像用入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を生成する。
 fb(x)=G(x)×fa(x)
  (ステップS105)
 次に、画像処理装置100の画像信号処理部101、および表示制御部102は、ステップS105において、ステップS104で生成した新たな表示画像用入出力変換関数(EOTFb:fb(x))に従って、入力値に基づく出力(輝度)を設定したHDR画像を表示部に出力する。
 これらの処理によって、画像処理装置、例えばユーザのテレビには、入力HDR画像のオリジナルの入出力特性ではなく、ゲイン制御によって生成された新たな入出力特性に従った画像が表示されることになる。
 この入出力特性の変換処理を実行することで、例えば、入力HDR画像のオリジナルの画素値(輝度)が、表示部の許容最高輝度以下の設定である場合は、元の入出力関数に従って算出される輝度より高輝度の画素として出力が実行される。また、入力HDR画像のオリジナル画素値(輝度)が、表示部の許容最高輝度以上の設定である場合は、表示部の許容最高輝度で出力される。
 この結果、少なくとも表示部の許容最高輝度以下の画素については、オリジナル画像の設定輝度より高輝度での表示が実行されることになり、例えば、明るいリビング環境下でHDR画像を視聴する場合でも、十分明るいHDR画像コンテンツとして表示、視聴することが可能となる。
 図21に示すフローチャートは、画像処理装置に入力する画像データがHDR画像であることを前提とした処理フローである。
 しかし、現時点では、画像処理装置の入力画像、すなわちネットワークやメディアを介して入力する画像は、HDR画像とSDR画像が混在することが想定される。
 このような異なるダイナミックレンジを持つ画像を入力する場合の処理シーケンスについて図22に示すフローチャートを参照して説明する。
 図22に示すフローチャートに従った処理は、例えば、図7や図15に示す画像処理装置100の画像信号処理部101、表示制御部102において、画像処理装置の記憶部に格納されたプログラムに従って実行される。
 以下、図22に示すフローチャートの各ステップの処理について、順次、説明する。
  (ステップS201)
 まず、ステップS201において、画像処理装置100の画像信号処理部101が、HDR画像信号、またはSDR画像信号を入力し、入力画像信号がHDR画像であるかSDR画像であるかを判別する。
 画像の種類は、画像に併せて、または画像に先行して入力する画像属性情報に基づいて判定することができる。
 なお、入力画像は、画像処理装置の通信部が放送波を介して受信した放送コンテンツや、コンテンツサーバから取得したコンテンツ、あるいはBD(Blu-Ray(登録商標)Disc)やフラッシュメモリ等のメディアから再生されたコンテンツに含まれる画像データである。
 ステップS201において、入力画像がSDR画像であると判定した場合は、ステップS211に進む。
 一方、ステップS201において、入力画像がHDR画像であると判定した場合は、ステップS221に進む。
  (ステップS211)
 ステップS201において、入力画像がSDR画像であると判定した場合は、ステップS211に進む。
 画像処理装置100の画像信号処理部101は、ステップS211において、入力SDR画像の入出力特性を変更するためのゲインを設定したゲイン関数を取得または生成する。
 すなわち、入力SDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))に適用して、新たな表示用SDR画像の入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を生成するために利用するゲイン関数である。
 このSDR画像に適用するゲイン関数は、全ての入力値に対して1以上のゲインを設定したゲイン関数である。
 先に、図8を参照して説明したゲイン関数G(x)である。
  (ステップS212)
 次に、画像処理装置100の画像信号処理部101は、ステップS212において、入力SDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))と、ゲイン関数G(x)を用いて、新たなSDR画像表示画像用入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を生成する。
 すなわち、例えば、以下の式に従って、新たなSDR画像表示画像用入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を生成する。
 fb(x)=G(x)×fa(x)
  (ステップS213)
 次に、画像処理装置100の画像信号処理部101、および表示制御部102は、ステップS213において、ステップS212で生成した新たなSDR画像表示画像用入出力変換関数(EOTFb:fb(x))に従って、入力値に基づく出力(輝度)を設定したSDR画像を表示部に出力する。
 これらの処理によって、画像処理装置、例えばユーザのテレビには、入力SDR画像のオリジナルの入出力特性ではなく、ゲイン制御によって生成された新たな入出力特性に従った画像が表示されることになる。
 このように、SDR画像に対しては、すべての入力信号0~1について、ゲイン1以上のゲイン関数G(x)のゲイン制御が実行され、表示されるSDR画像の画素値は、すべての入力信号値に対して、入力SDR画像オリジナルの画素値(輝度)より高い画素値(輝度)として出力されることになる。
 この結果、例えば、明るいリビング環境下でSDR画像を視聴する場合でも、十分明るいSDR画像コンテンツを表示して視聴することが可能となる。
 一方、ステップS201において、入力画像がHDR画像であると判定した場合は、ステップS221~S224の処理が実行される。
 ステップS221~S224の処理は、先に図21に示すフローを参照して説明したステップS102~S105の処理と同様の処理である。
 すなわち、ステップS221において、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))から基準点Pを選択する。
 ステップS222において、基準点P対応の入力値(In_p)以下の入力信号範囲のゲインを1以上、基準点P対応の入力値(In_p)以上の入力信号範囲のゲインを1以下としたゲイン関数G(x)を取得または生成する。
 ステップS223において、入力HDR画像の入出力変換関数(EOTFa:fa(x))と、ゲイン関数G(x)を用いて、新たな表示画像用入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を生成する。以下の式に従って、新たな表示画像用入出力変換関数(EOTFb:fb(x))を生成する。
 fb(x)=G(x)×fa(x)
 次に、ステップS224において、ステップS223で生成した新たな表示画像用入出力変換関数(EOTFb:fb(x))に従って、入力値に基づく出力(輝度)を設定したHDR画像を表示部に出力する。
 これらの処理により、HDR画像についても、表示部の許容最高輝度以下の画素はオリジナル画像より高輝度の表示がなされることになり、例えば、明るいリビング環境下でHDR画像を視聴する場合でも、十分明るいHDR画像コンテンツを表示して視聴することが可能となる。
  [9.画像処理装置の構成例について]
 次に、本開示の画像処理装置のハードウェア構成例について、図23を参照して説明する。
 CPU(Central Processing Unit)301は、ROM(Read Only Memory)302、または記憶部308に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行するデータ処理部として機能する。例えば、上述した実施例において説明したシーケンスに従った処理を実行する。RAM(Random Access Memory)303には、CPU301が実行するプログラムやデータなどが記憶される。これらのCPU301、ROM302、およびRAM303は、バス304により相互に接続されている。
 CPU301はバス304を介して入出力インタフェース305に接続され、入出力インタフェース305には、各種スイッチ、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部306、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部307が接続されている。CPU301は、入力部306から入力される指令に対応して各種の処理を実行し、処理結果を例えば出力部307に出力する。
 入出力インタフェース305に接続されている記憶部308は、例えばハードディスク等からなり、CPU301が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部309は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介したデータ通信の送受信部、さらに放送波の送受信部として機能し、外部の装置と通信する。
 入出力インタフェース305に接続されているドライブ310は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはメモリカード等の半導体メモリなどのリムーバブルメディア311を駆動し、データの記録あるいは読み取りを実行する。
  [10.本開示の構成のまとめ]
 以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
 なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
 (1) 入力画像の入力信号値に対する出力値を決定する画像信号処理部を有し、
 前記画像信号処理部は、
 入力画像の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以上である場合、
 前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度以下となる入力信号位置に基準点Pを設定し、
 入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、
 入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下、
 としたゲインを、前記入力画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に乗算して出力用調整輝度を算出し、算出した出力用調整輝度からなる表示用画像を生成する画像処理装置。
 (2) 前記画像信号処理部は、
 前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度に一致する位置に基準点Pを設定する(1)に記載の画像処理装置。
 (3) 前記画像信号処理部は、
 入力信号値が前記基準点P以上の入力信号範囲で、
 前記出力用調整輝度が表示部許容最高輝度となるように、入力信号値対応のゲインを設定する(1)または(2)に記載の画像処理装置。
 (4) 前記画像信号処理部は、
 入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲で、
 前記出力用調整輝度が入力信号値の上昇に応じて表示部許容最高輝度まで緩やかに上昇するように、入力信号値対応のゲインを設定する(1)または(2)に記載の画像処理装置。
 (5) 前記入力画像は、HDR(High Dynamic Range)画像であり、
 前記画像信号処理部は、
 入力HDR画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に、前記ゲインを乗算して出力用調整輝度を算出する(1)~(4)いずれかに記載の画像処理装置。
 (6) 前記入力HDR画像対応の入出力変換関数は、SMPTE ST 2084曲線に従った関数である(5)に記載の画像処理装置。
 (7) 前記入力HDR画像対応の入出力変換関数は、HLG(Hybrid Log-Gamma)曲線に従った関数である(5)に記載の画像処理装置。
 (8) 前記画像信号処理部は、
 前記入力画像対応の入出力変換関数の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以下ある場合、
 全ての入力信号値範囲で1以上に設定したゲインを、前記入力画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に乗算して出力用調整輝度を算出する(1)~(7)いずれかに記載の画像処理装置。
 (9) 前記入力画像は、SDR(Standard Dynamic Range)画像であり、
 前記画像信号処理部は、
 入力SDR画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に、前記ゲインを乗算して出力用調整輝度を算出する(8)に記載の画像処理装置。
 (10) 前記画像信号処理部は、
 前記入力画像対応の入出力変換関数の種類に応じて、異なるゲインを適用して、前記表示用調整輝度を算出する(1)~(9)いずれかに記載の画像処理装置。
 (11) 前記画像信号処理部は、
 表示部の設定モードに応じて、異なるゲインを適用して、前記表示用調整輝度を算出する(1)~(10)いずれかに記載の画像処理装置。
 (12) 前記画像信号処理部は、
 表示部の設定モードに応じて、前記基準点Pの位置を異なる位置に設定する(1)~(11)いずれかに記載の画像処理装置。
 (13) 前記画像信号処理部は、
 入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲の少なくとも所定範囲を、同一ゲイン設定区間とする(1)~(12)いずれかに記載の画像処理装置。
 (14) 前記画像信号処理部は、
 前記入力画像の対応の入出力変換関数であり、入力値に対する出力値を一義的に規定した絶対値設定の入出力変換関数を適用して算出した出力値に、前記ゲイン値を乗算して、前記表示用調整輝度を算出する(1)~(13)いずれかに記載の画像処理装置。
 (15) 前記画像信号処理部は、
 入力画像の入力信号値に対する出力輝度を規定した入力画像対応の入出力変換関数を変換して、新たな表示用入出力変換関数を生成する構成であり、
 前記画像信号処理部は、
 入力画像の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以上である場合、
 前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度以下となる入力信号位置に基準点Pを設定し、
 入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、
 入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下、
 としたゲイン関数を、
 前記入力画像対応の入出力変換関数に適用して、前記表示用入出力変換関数を生成し、
 生成した前記表示用入出力変換関数に従って、入力画像の入力信号値に対する出力用調整輝度を算出し、算出した出力用調整輝度からなる表示用画像を生成する(1)~(14)いずれかに記載の画像処理装置。
 (16) 前記画像信号処理部は、
 入力HDR画像対応の入出力変換関数に対して、前記ゲイン関数を適用して、新たなHDR画像表示用入出力変換関数を生成する(15)に記載の画像処理装置。
 (17) 画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
 前記画像処理装置は、
 入力画像の入力信号値に対する出力値を決定する画像信号処理部を有し、
 前記画像信号処理部は、
 入力画像の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以上である場合、
 前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度以下となる入力信号位置に基準点Pを設定し、
 入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、
 入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下、
 としたゲインを、前記入力画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に乗算して出力用調整輝度を算出し、算出した出力用調整輝度からなる表示用画像を生成する画像処理方法。
 (18) 画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
 前記画像処理装置は、
 入力画像の入力信号値に対する出力値を決定する画像信号処理部を有し、
 前記プログラムは、前記画像信号処理部に、
 入力画像の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以上である場合、
 前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度以下となる入力信号位置に基準点Pを設定させ、
 入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、
 入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下、
 としたゲインを、前記入力画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に乗算して出力用調整輝度を算出し、算出した出力用調整輝度からなる表示用画像を生成させるプログラム。
 また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
 なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
 以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、設定輝度が表示部許容最高輝度より高いHDR画像を、明るい視聴環境下においても明るい画像として表示可能とした装置、方法が実現される。
 具体的には、入力HDR画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力輝度に対して、所定のゲインを乗算して出力用調整輝度を算出して表示用画像を生成する。画像信号処理部は、入力HDR画像対応の入出力変換関数の出力値が、表示部許容最高輝度以下となる位置に基準点Pを設定し、入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下としたゲイン関数を、入力HDR画像対応入出力変換関数に適用して、出力用調整輝度を算出して表示用画像を生成する。
 本構成により、設定輝度が表示部許容最高輝度より高いHDR画像を、明るい視聴環境下においても明るい画像として表示可能とした装置、方法が実現される。
  10 画像処理装置
  11 画像信号処理部
  12 表示制御部
  13 表示部
  21 コンテンツ制作用モニタ
  31 コンテンツ視聴用モニタ
 100 画像処理装置
 101 画像信号処理装置
 102 表示制御部
 103 表示部
 301 CPU
 302 ROM
 303 RAM
 304 バス
 305 入出力インタフェース
 306 入力部
 307 出力部
 308 記憶部
 309 通信部
 310 ドライブ
 311 リムーバブルメディア

Claims (18)

  1.  入力画像の入力信号値に対する出力値を決定する画像信号処理部を有し、
     前記画像信号処理部は、
     入力画像の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以上である場合、
     前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度以下となる入力信号位置に基準点Pを設定し、
     入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、
     入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下、
     としたゲインを、前記入力画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に乗算して出力用調整輝度を算出し、算出した出力用調整輝度からなる表示用画像を生成する画像処理装置。
  2.  前記画像信号処理部は、
     前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度に一致する位置に基準点Pを設定する請求項1に記載の画像処理装置。
  3.  前記画像信号処理部は、
     入力信号値が前記基準点P以上の入力信号範囲で、
     前記出力用調整輝度が表示部許容最高輝度となるように、入力信号値対応のゲインを設定する請求項1に記載の画像処理装置。
  4.  前記画像信号処理部は、
     入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲で、
     前記出力用調整輝度が入力信号値の上昇に応じて表示部許容最高輝度まで緩やかに上昇するように、入力信号値対応のゲインを設定する請求項1に記載の画像処理装置。
  5.  前記入力画像は、HDR(High Dynamic Range)画像であり、
     前記画像信号処理部は、
     入力HDR画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に、前記ゲインを乗算して出力用調整輝度を算出する請求項1に記載の画像処理装置。
  6.  前記入力HDR画像対応の入出力変換関数は、SMPTE ST 2084曲線に従った関数である請求項5に記載の画像処理装置。
  7.  前記入力HDR画像対応の入出力変換関数は、HLG(Hybrid Log-Gamma)曲線に従った関数である請求項5に記載の画像処理装置。
  8.  前記画像信号処理部は、
     前記入力画像対応の入出力変換関数の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以下ある場合、
     全ての入力信号値範囲で1以上に設定したゲインを、前記入力画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に乗算して出力用調整輝度を算出する請求項1に記載の画像処理装置。
  9.  前記入力画像は、SDR(Standard Dynamic Range)画像であり、
     前記画像信号処理部は、
     入力SDR画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に、前記ゲインを乗算して出力用調整輝度を算出する請求項8に記載の画像処理装置。
  10.  前記画像信号処理部は、
     前記入力画像対応の入出力変換関数の種類に応じて、異なるゲインを適用して、前記表示用調整輝度を算出する請求項1に記載の画像処理装置。
  11.  前記画像信号処理部は、
     表示部の設定モードに応じて、異なるゲインを適用して、前記表示用調整輝度を算出する請求項1に記載の画像処理装置。
  12.  前記画像信号処理部は、
     表示部の設定モードに応じて、前記基準点Pの位置を異なる位置に設定する請求項1に記載の画像処理装置。
  13.  前記画像信号処理部は、
     入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲の少なくとも所定範囲を、同一ゲイン設定区間とする請求項1に記載の画像処理装置。
  14.  前記画像信号処理部は、
     前記入力画像の対応の入出力変換関数であり、入力値に対する出力値を一義的に規定した絶対値設定の入出力変換関数を適用して算出した出力値に、前記ゲイン値を乗算して、前記表示用調整輝度を算出する請求項1に記載の画像処理装置。
  15.  前記画像信号処理部は、
     入力画像の入力信号値に対する出力輝度を規定した入力画像対応の入出力変換関数を変換して、新たな表示用入出力変換関数を生成する構成であり、
     前記画像信号処理部は、
     入力画像の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以上である場合、
     前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度以下となる入力信号位置に基準点Pを設定し、
     入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、
     入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下、
     としたゲイン関数を、
     前記入力画像対応の入出力変換関数に適用して、前記表示用入出力変換関数を生成し、
     生成した前記表示用入出力変換関数に従って、入力画像の入力信号値に対する出力用調整輝度を算出し、算出した出力用調整輝度からなる表示用画像を生成する請求項1に記載の画像処理装置。
  16.  前記画像信号処理部は、
     入力HDR画像対応の入出力変換関数に対して、前記ゲイン関数を適用して、新たなHDR画像表示用入出力変換関数を生成する請求項15に記載の画像処理装置。
  17.  画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
     前記画像処理装置は、
     入力画像の入力信号値に対する出力値を決定する画像信号処理部を有し、
     前記画像信号処理部は、
     入力画像の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以上である場合、
     前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度以下となる入力信号位置に基準点Pを設定し、
     入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、
     入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下、
     としたゲインを、前記入力画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に乗算して出力用調整輝度を算出し、算出した出力用調整輝度からなる表示用画像を生成する画像処理方法。
  18.  画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
     前記画像処理装置は、
     入力画像の入力信号値に対する出力値を決定する画像信号処理部を有し、
     前記プログラムは、前記画像信号処理部に、
     入力画像の最大出力輝度が、表示部許容最高輝度以上である場合、
     前記入力画像の出力輝度が、前記表示部許容最高輝度以下となる入力信号位置に基準点Pを設定させ、
     入力信号値が基準点P以下の入力信号範囲でゲインを1以上、
     入力信号値が基準点P以上の入力信号範囲でゲインを1以下、
     としたゲインを、前記入力画像対応の入出力変換関数に従って算出される出力値に乗算して出力用調整輝度を算出し、算出した出力用調整輝度からなる表示用画像を生成させるプログラム。
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