JP2019201037A - ウエハ加工用テープ及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

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【課題】ウエハ加工用テープをエキスパンドした際の接着剤層の飛散を抑制することができるウエハ加工用テープ及び半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】半導体ウエハに貼り付けて用いるウエハ加工用テープ1は、基材層11と基材層11上に設けられた粘着層12とを有する粘着フィルム2と、粘着フィルム2の粘着層12上に設けられて半導体ウエハが貼り付けられる円形の接着剤層3と、を備え、接着剤層3には、接着剤層3の外周縁3cよりも内側に、切込15が形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、ウエハ加工用テープ及び半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の一般的な製造方法は、伸縮性及び粘着性を有するウエハ加工用テープを半導体ウエハに貼り付ける工程と、上記ウエハ加工用テープ上の上記半導体ウエハを切断して複数のチップに分割する工程と、上記ウエハ加工用テープをエキスパンド(拡張)して上記複数のチップの間隔を広げる工程と、上記複数のチップをそれぞれピックアップする工程とを含む。上記半導体装置の製造方法で使用するウエハ加工用テープとして、基材層と粘着層とを有する粘着フィルム(ダイシングテープ)と、上記粘着フィルムの粘着層上に設けられた接着剤層(ダイボンディングフィルム)と、を備えるダイシング・ダイボンドフィルムが提案されている。
上記半導体ウエハの切断工程は、一般的にダイシングブレードを用いて実施され、上記ダイシング・ダイボンドフィルムを用いた場合には、上記半導体ウエハと上記ダイボンドフィルムとが一緒に切断される。しかし、このような方法では、切断するウエハの薄肉化に伴って、チップ欠け及びチップ割れといった不具合が発生し易くなる。
これに対し、近年、半導体ウエハの切断方法として、レーザー加工装置を用いて、ウエハに接触することなく、ウエハを切断する、いわゆるステルスダイシングが提案されている。ステルスダイシングによる半導体ウエハの切断方法の一例として、特許文献1は、(1)ダイボンディングフィルムを介してダイシングテープが貼り付けられた半導体ウエハに対して、その内部に焦点光を合わせてレーザー光を照射することによって、上記半導体ウエハ内部に多光子吸収による改質領域を形成し、この改質領域で切断予定部を形成する工程と、次いで、(2)上記ダイシングテープをエキスパンドすることによって、上記切断予定部に沿って上記半導体ウエハ及びダイボンドフィルムを切断及び分割する工程とを備えた方法を開示している。
特許文献1に開示された半導体ウエハの切断方法によれば、半導体ウエハにレーザー光を照射した後に上記ダイシングテープをエキスパンドすることによって、半導体ウエハに接触することなく、半導体ウエハ及びダイボンドフィルムを切断することができる。そのため、ダイシングブレードを用いた場合に発生し易い、チップ欠け及びチップ割れといった不具合を解消することが可能である。上記ステルスダイシングによる切断方法は、例えば、50μm以下にウエハが薄肉化された場合に、特に有効である。
特許4358502号公報 特開2009−164556号公報 特許5298588号公報 特開2017−005160号公報
上記ステルスダイシングによる半導体ウエハ及びダイボンドフィルムの切断性を向上させる方法として、特許文献2は、−15〜5℃の低温条件下でエキスパンドを実施することによって、ダイボンドフィルムの伸びを抑制し、かつ応力を増加させる方法を開示している。低温条件下でエキスパンドを実施した場合、ダイボンドフィルムの伸びを抑制することができる。また、ステルスダイシングによる方法に関連し、ウエハ加工用テープについても様々な開発が進められている。しかしながら、低温条件下において粘着層に対するダイボンドフィルムの粘着力が不十分になった場合、又は、半導体ウエハ及びダイボンドフィルムの切断性を確保するためにエキスパンド速度を速く又はエキスパンド量を多くした場合は、分割時の衝撃及び応力増加により、ダイボンドフィルムの外周部が粘着層から剥離して飛散しやすい傾向にある。飛散したダイボンドフィルムがウエハ上に付着すると、ピックアップ作業の障害になり、又は、歩留が低下するため、改善が望まれている。
上記エキスパンド工程におけるダイボンドフィルムの飛散を防ぐ方法として、粘着層に対するダイボンドフィルムの粘着力を上昇させ、分割時の衝撃及び応力増加に対して、保持力を高める方法が挙げられる。しかしながら、粘着力を上昇させた場合、ピックアップの工程でチップが剥がれ難くなり、ピックアップ不良又はチップ割れが発生する可能性がある。また、エキスパンド速度を遅くするとともに、エキスパンド量を少なくして、ダイボンドフィルムの飛散を防ぐ方法がある。しかしながら、その場合は、ダイボンドフィルムの良好な切断性の確保が難しく、また、エキスパンド条件の最適化に多くの時間と労力を要する。
また、特許文献3は、ダイボンドフィルムの外周端部に切込又は切欠を有することで、応力を分散し、ダイボンドフィルムの飛散を防ぐことを開示している。しかしながら、外周端部に切込又は切欠を有する場合、ダイボンドフィルムをプリカットするとき、又は、ダイシングテープと貼り合わせるときに、外周端部に折れ曲がりが発生する可能性がある。一方、特許文献4は、ダイボンドフィルムの直径を小さくすることで飛散を防ぐことを開示している。しかしながら、ダイボンドフィルムの直径が小さいと、半導体ウエハに貼り付けるときに位置ずれが発生した場合に、ダイボンドフィルムが半導体ウエハ全体に貼られない不具合が発生する懸念がある。
本発明の一側面は、このような背景に鑑み、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際の接着剤層の飛散を抑制することができるウエハ加工用テープ及び半導体装置の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の一側面に係るウエハ加工用テープは、半導体ウエハに貼り付けて用いるウエハ加工用テープであって、基材層と基材層上に設けられた粘着層とを有する粘着フィルムと、粘着フィルムの粘着層上に設けられて半導体ウエハが貼り付けられる円形の接着剤層と、を備え、接着剤層には、接着剤層の外周縁よりも内側に、切込が形成されている。
このウエハ加工用テープでは、接着剤層に半導体ウエハが貼り付けられた状態でウエハ加工用テープをエキスパンドすることで、半導体ウエハを複数の半導体チップに分離することができる。このとき、接着剤層では、切込が形成されているため、切込から亀裂が進行する。このため、接着剤層に生じる応力を分散することができるとともに、接着剤層に生じる亀裂の発生及び進行方向を制御することができる。これにより、接着剤層の飛散を抑制することができる。しかも、切込は、接着剤層の外周縁よりも内側に形成されているため、切込から進行する亀裂が、接着剤層の外周縁に到達して接着剤層の破片が飛散するのを抑制することができる。
なお、ウエハ加工用テープをエキスパンドする前に、ステルスダイシング、ブレードハーフカットダイシング等の方法により、半導体ウエハに分断予定ラインを形成しておくことにより、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に、半導体ウエハを複数の半導体チップに分離することができる。
切込は、接着剤層の半導体ウエハが貼り付けられるウエハ貼付予定領域よりも外側に形成されていてもよい。このウエハ加工用テープでは、切込がウエハ貼付予定領域よりも外側に形成されているため、接着剤層に半導体ウエハが貼り付けられた状態でウエハ加工用テープをエキスパンドした際に、分離された各半導体チップ上に接着剤層の亀裂が生じるのを抑制することができる。
ところで、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に接着剤層に生じる応力は、接着剤層の中心から遠くなるほど、つまり、外周縁に近くなるほど高くなる。このため、切込の形成位置が接着剤層の外周縁に近いほど、応力の分散の観点から好ましい。
そこで、切込の最も接着剤層の外周縁側に位置する外側先端は、接着剤層の半導体ウエハが貼り付けられるウエハ貼付予定領域の外周縁と接着剤層の外周縁との中間位置よりも外側に位置していてもよい。このウエハ加工用テープでは、切込の外側先端がウエハ貼付予定領域の外周縁と接着剤層の外周縁との中間位置よりも外側に位置しているため、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に接着剤層に生じる応力を適切に分散させることができる。これにより、接着剤層の飛散を更に抑制することができる。
接着剤層の半導体ウエハが貼り付けられるウエハ貼付予定領域から接着剤層の外周縁までの距離をD、接着剤層の外周縁から切込の最も接着剤層の外周縁側に位置する外側先端までの距離をd1とした場合、0.05≦(d1/D)≦0.5の関係を満たしてもよい。このウエハ加工用テープでは、0.05≦(d1/D)≦0.5の関係を満たすため、切込から進行する亀裂が接着剤層の外周縁に到達して接着剤層の破片が飛散するのを抑制しつつ、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に接着剤層に生じる応力を適切に分散させることができる。
ウエハ加工用テープの半導体ウエハが貼り付けられるウエハ貼付予定領域から接着剤層の外周縁までの距離をD、ウエハ貼付予定領域の外周縁から切込の最もウエハ貼付予定領域側に位置する内側先端までの距離をd2とした場合、0.1≦(d2/D)≦0.7の関係を満たしてもよい。このウエハ加工用テープでは、0.1≦(d2/D)≦0.7の関係を満たすため、分離された各半導体チップ上に接着剤層の亀裂が生じるのを抑制しつつ、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に接着剤層に生じる応力を適切に分散させることができる。また、製造誤差等によりウエハ加工用テープに対する半導体ウエハの位置がズレた場合であっても、切込が半導体ウエハ上に配置されるのを抑制することができる。
切込は、接着剤層の径方向に対して傾斜していてもよい。このウエハ加工用テープでは、切込が接着剤層の径方向に対して傾斜しているため、切込から進行する亀裂が、接着剤層の外周縁及びウエハ貼付予定領域に到達するのを抑制することができる。
切込は、X状に形成されていてもよい。このウエハ加工用テープでは、切込がX状に形成されているため、切込の4つの先端から亀裂を進行させることができる。これにより、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に接着剤層に生じる応力を適切に分散させることができる。
切込は、接着剤層の周方向に傾斜したI状に形成されていてもよい。このウエハ加工用テープでは、切込が接着剤層の周方向に傾斜したI状に形成されているため、切込の2つの先端から亀裂を進行させることができる。これにより、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に接着剤層に生じる応力を適切に分散させることができる。
切込は、接着剤層の周方向に複数形成されていてもよい。このウエハ加工用テープでは、切込が接着剤層の周方向に複数形成されているため、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に接着剤層に生じる応力を適切に分散させることができる。
なお、複数の切込のそれぞれが接着剤層の周方向に傾斜したI状に形成されている場合は、複数の切込のそれぞれがX状に形成されている場合に比べて、隣り合う切込の先端の間隔を十分に確保することができる。これにより、各切込から進行する亀裂により隣り合う切込が接続されるのを抑制することができるため、接着剤層の破片が飛散するのを抑制することができる。
複数の切込は、接着剤層の周方向に等間隔に形成されていてもよい。このウエハ加工用テープでは、複数の切込が接着剤層の周方向に等間隔に形成されているため、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に接着剤層に生じる応力を適切に分散させることができる。
複数の切込は、同一円周上に形成されていてもよい。このウエハ加工用テープでは、複数の切込が同一円周上に形成されているため、複数の切込を容易に形成することができる。
複数の切込は、二以上の異なる同心円周上に形成されていてもよい。このウエハ加工用テープでは、複数の切込が二以上の異なる同心円周上に形成されているため、接着剤層に生じる亀裂の発生及び進行方向をより細かく制御することができる。
複数の切込は、接着剤層の径方向から見て重なっていてもよい。このウエハ加工用テープでは、複数の切込が接着剤層の径方向から見て重なっているため、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に接着剤層に生じさせる亀裂の数を増やすことができる。これにより、接着剤層に生じる応力を分散することができるとともに、接着剤層に生じる亀裂の発生及び進行方向をより細かく制御することができる。
複数の切込は、接着剤層の径方向から見て重なっていなくてもよい。このウエハ加工用テープでは、複数の切込が接着剤層の径方向から見て重なっていないため、切込を容易に形成することができるとともに、各切込から進行する亀裂により隣り合う切込が接続されるのを抑制することができる。これにより、接着剤層3の破片が飛散するのを抑制することができる。
複数の切込は、同じ形状に形成されていてもよい。このウエハ加工用テープでは、複数の切込が同じ形状にされているため、接着剤層に生じる亀裂の発生及び進行方向を容易に制御することができる。
複数の切込は、二以上の異なる形状に形成されていてもよい。このウエハ加工用テープでは、複数の切込が二以上の異なる形状に形成されているため、接着剤層に生じる亀裂の発生及び進行方向を細かく制御することができる。
隣り合う切込の間隔は、2mm以上40mm以下であってもよい。このウエハ加工用テープでは、隣り合う切込の間隔が2mm以上40mm以下であるため、各切込から進行する亀裂により隣り合う切込が接続されて接着剤層の破片が飛散するのを抑制しつつ、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に接着剤層に生じる応力を適切に分散させることができる。
本発明の一側面に係る半導体装置の製造方法は、上記の何れかのウエハ加工用テープを用いて半導体装置を製造する方法であって、ウエハ加工用テープの接着剤層を半導体ウエハに貼り付ける貼付工程と、ウエハ加工用テープをエキスパンドすることにより、半導体ウエハを複数の半導体チップに分離するエキスパンド工程と、粘着フィルムから半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、を備える。
この半導体装置の製造方法では、ウエハ加工用テープの接着剤層を半導体ウエハに貼り付ける貼付工程を行った後に、ウエハ加工用テープをエキスパンドするエキスパンド工程を行うことで、半導体ウエハを複数の半導体チップに分離する。このとき、接着剤層では、切込が形成されているため、切込から亀裂が進行する。このため、接着剤層に生じる応力を分散することができるとともに、接着剤層に生じる亀裂の発生及び進行方向を制御することができる。これにより、接着剤層の飛散を抑制することができる。しかも、切込は、接着剤層の外周縁よりも内側に形成されているため、切込から進行する亀裂が接着剤層の外周縁に到達して接着剤層の破片が飛散するのを抑制することができる。これにより、接着剤層の外周端部の剥離を抑制することができるため、接着剤層の飛散を更に抑制することができる。
なお、エキスパンド工程の前工程において、ステルスダイシング、ブレードハーフカットダイシング等の方法により、半導体ウエハに分断予定ラインを形成しておくことにより、エキスパンド工程において、半導体ウエハを複数の半導体チップに分離することができる。
本発明の一側面によれば、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際の接着剤層の飛散を抑制することができる。
実施形態に係るウエハ加工用テープの一例を示す平面図である。 図1に示すII−II線における模式断面図である。 図3(a)は、離型テープを剥離したウエハ加工用テープの一例を示す平面図であり、図3(b)は、離型テープを剥離したウエハ加工用テープの一例を示す底面図である。 図3(a)に示すIV−IV線における模式断面図である。 図5(a)は貼付工程、図5(b)はエキスパンド工程、図5(c)はヒートシュリンク工程を示す図である。 図4(a)に示す積層体の一部拡大図である。 図4(a)に示す積層体の一部拡大図である。 図8(a)及び図8(b)は、切込の変形例を示す図である。 図9(a)及び図9(b)は、切込の変形例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
[ウエハ加工用テープの概略構成]
まず、本実施形態に係るウエハ加工用テープの概略構成について説明する。本実施形態に係るウエハ加工用テープは、半導体装置の製造時に、半導体ウエハ(不図示)に貼り付けられて用いられるテープである。ウエハ加工用テープは、通常は、長尺に形成されて、ロール状に巻かれた状態となっている。
図1〜図4に示すように、ウエハ加工用テープ1は、基材層11と基材層11上に設けられた粘着層12とを有する粘着フィルム2と、粘着フィルム2の粘着層12上に設けられて半導体ウエハが貼り付けられる接着剤層3と、を備えている。なお、以下の説明では、粘着フィルム2及び接着剤層3を、積層体5ともいう。
また、ウエハ加工用テープ1は、積層体5の接着剤層3側の一面に貼り付けられた長尺の離型テープ(保護フィルム)4も備えている。離型テープ4の積層体5側の一面の一部又は全部は、離型剤で離型処理されている。離型テープ4は、半導体ウエハに貼り付けられる際に、ウエハ加工用テープ1(粘着フィルム2及び接着剤層3の積層体5)から剥離される。このため、ウエハ加工用テープ1は、必ずしも離型テープ4を備えていなくてもよく、また、粘着フィルム2及び接着剤層3の積層体5のみで構成されていてもよい。
接着剤層3は、半導体チップのダイボンディングに用いられるダイボンドフィルムである。接着剤層3は、半導体ウエハよりも大径の円形に形成されている。接着剤層3は、半導体ウエハに貼り付けられる中央のウエハ貼付予定領域3aと、ウエハ貼付予定領域3aの外側の外縁領域3bと、を有している。外縁領域3bは、ウエハ貼付予定領域3aと接着剤層3の外周縁3cとの間の領域である。
粘着フィルム2は、半導体ウエハの周囲に配置されるウエハリングに接合されて半導体チップのダイシングに用いられるダイシングテープである。粘着フィルム2は、接着剤層3よりも大径の円形に形成されている。粘着フィルム2の外縁部は、接着剤層3よりも外側にはみ出しており、離型テープ4の表面に直接重ね合わされた状態となっている。なお、離型テープ4の両脇部分のそれぞれには、粘着フィルム2と同じフィルムにより形成された一対の縁部6が設けられている。一対の縁部6は、粘着フィルム2から離間して設けられている。粘着フィルム2及び一対の縁部6は、粘着フィルム2を形成するフィルムをプリカットすることにより形成されている。
[半導体装置の製造方法]
次に、半導体装置の製造方法について説明する。半導体装置の製造方法は、上述したウエハ加工用テープ1を用いて行う。
半導体装置の製造方法では、まず、半導体ウエハに分断予定ラインを形成するダイシング工程を行う。ダイシング工程では、半導体ウエハの表面に支持テープを貼り付けて、ステルスダイシング、ブレードハーフカットダイシング等の方法により、半導体ウエハに分断予定ラインを形成する。分断予定ラインは、後工程のエキスパンド工程において半導体ウエハを複数の半導体チップに分断するラインである。ステルスダイシングは、半導体ウエハに対して、その内部に焦点光を合わせてレーザー光を照射することによって、半導体ウエハ内部に多光子吸収による改質領域を形成し、この改質領域を分断予定ラインとする方法である。ブレードハーフカットダイシングは、ダイシングブレードにより半導体ウエハをハーフカットすることにより、分断予定ラインを形成する方法である。
次に、半導体ウエハの裏面を研削するバックグラインド工程を行う。
次に、図5(a)に示すように、ウエハ加工用テープ1の接着剤層3を半導体ウエハ20に貼り付ける貼付工程を行う。貼付工程では、支持テープ22付きの半導体ウエハ20の周囲にウエハリング30を配置する。そして、ウエハ加工用テープ1から離型テープ4を剥離した後、ウエハ加工用テープ1の粘着フィルム2の外縁部をウエハリング30に貼り付けるとともに、ウエハ加工用テープ1の接着剤層3のウエハ貼付予定領域3aを半導体ウエハ20に貼り付ける。その後、半導体ウエハ20から支持テープ22を剥離する。
次に、図5(b)に示すように、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドすることにより、半導体ウエハ20を複数の半導体チップ21に分離するエキスパンド工程を行う。エキスパンド工程では、固定部材34とステージ31とでウエハリング30及び粘着フィルム2を挟み込んで固定する。そして、−15〜5℃の低温条件下で、ウエハ加工用テープ1の下方から円筒状の突き上げ部材32を上昇させて、ウエハ加工用テープ1をエキスパンド(拡張)する。すると、半導体ウエハ20が分断予定ラインに沿って分離されるとともに、接着剤層3も半導体チップ21毎に分離される。
次に、図5(c)に示すように、突き上げ部材32を下降させて、ウエハ加工用テープ1に生じた弛みを除去し、半導体チップ21の間隔を安定に保持するヒートシュリンク工程を行う。ヒートシュリンク工程では、突き上げ部材32によりウエハ加工用テープ1を少しエキスパンドして半導体チップ21の間隔を保持した後、突き上げ部材32を下降させる。そして、粘着フィルム2の半導体チップ21が存在する領域とウエハリング30との間の部分に、ヒータ33を用いて90〜120℃の温風を当てる。これにより、粘着フィルム2を加熱収縮させてウエハ加工用テープ1を緊張させる。
次に、粘着フィルム2から半導体チップ21をピックアップするピックアップ工程を行う。ピックアップ工程では、粘着フィルム2に紫外線を照射する等して粘着フィルム2の粘着力を低下させた後、粘着フィルム2から半導体チップ21をピックアップする。これにより、接着剤層3が付着した半導体チップ21が得られる。
[ウエハ加工用テープの詳細構成]
次に、ウエハ加工用テープ1の詳細構成について説明する。
図3に示すように、ウエハ加工用テープ1の接着剤層3には、接着剤層3の外周縁3cよりも内側に、切込15が形成されている。切込15は、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドした際に、積極的に亀裂を発生させることで接着剤層3に生じる応力を分散するためのものである。切込15は、接着剤層3を貫通するフルカットにより形成されるものであることが好ましいが、接着剤層3を貫通することなく途中まで切断したハーフカットにより形成されるものであってもよい。切込15を形成するタイミングとしては、金型等で接着剤層3を円形にプリカットするときと同時に実施することが、工程が増えることなく好ましいが、接着剤層3に粘着フィルム2を貼り合わせた後、ウエハ加工用テープ1を半導体ウエハ20に貼り付けた後等であってもよい。
切込15の形成位置は、特に限定されるものではないが、切込15は、ウエハ貼付予定領域3aよりも外側に形成されていることが好ましい。但し、半導体ウエハ20の外縁部は半導体チップ21として使われないため、切込15は、ウエハ貼付予定領域3aよりも内側に形成されていてもよい。
ところで、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドした際に接着剤層3に生じる応力は、接着剤層3の中心から遠くなるほど、つまり、外周縁3cに近くなるほど高くなる。このため、切込15の形成位置が接着剤層3の外周縁3cに近いほど、応力の分散の観点から好ましい。このような観点から、図6に示すように、切込15の最も接着剤層3の外周縁3c側に位置する外側先端15aは、ウエハ貼付予定領域3aと接着剤層3の外周縁3cとの中間位置3dよりも外側に位置していることが好ましい。
また、図6に示すように、ウエハ貼付予定領域3aから接着剤層3の外周縁3cまでの距離をDとし、切込15の最も接着剤層3の外周縁3c側に位置する先端を外側先端15aとし、接着剤層3の外周縁3cから切込15の外側先端15aまでの距離をd1とする。この場合、以下の式(1)を満たすことが好ましい。
0.05≦(d1/D)≦0.5 …(1)
0.05≦(d1/D)を満たすことで、切込15の外側先端15aが接着剤層3の外周縁3cに近づき過ぎないようにすることができる。これにより、切込15から進行する亀裂が接着剤層3の外周縁3cに到達して接着剤層3の破片が飛散するのを抑制することができる。この場合、0.08≦(d1/D)を満たすことが更に好ましく、0.1≦(d1/D)を満たすことが特に好ましい。
一方、(d1/D)≦0.5を満たすことで、切込15の外側先端15aが接着剤層3の外周縁3cから離れ過ぎないようにすることができる。これにより、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドした際に接着剤層3に生じる応力を適切に分散させることができる。この場合、(d1/D)≦0.4を満たすことが更に好ましく、(d1/D)≦0.35を満たすことが特に好ましい。
以上より、0.05≦(d1/D)≦0.5を満たすことで、切込から進行する亀裂が接着剤層の外周縁に到達して接着剤層の破片が飛散するのを抑制しつつ、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に接着剤層に生じる応力を適切に分散させることができる。この場、0.08≦(d1/D)≦0.4を満たすことが更に好ましく、0.1≦(d1/D)≦0.35を満たすことが特に好ましい。
また、図6に示すように、ウエハ貼付予定領域3aから接着剤層3の外周縁3cまでの距離をDとし、切込15の最もウエハ貼付予定領域3a側(接着剤層3の外周縁3cとは反対側)に位置する先端を内側先端15bとし、ウエハ貼付予定領域3aから切込15の内側先端15bまでの距離をd2とする。この場合、以下の式(2)を満たすことが好ましい。
0.1≦(d2/D)≦0.7 …(2)
0.1≦(d2/D)を満たすことで、切込15の内側先端15bがウエハ貼付予定領域3aに近すぎないようにすることができる。これにより、分離された各半導体チップ21上に接着剤層3の亀裂が生じるのを抑制することができる。また、製造誤差等によりウエハ加工用テープ1に対する半導体ウエハ20の位置がズレた場合であっても、切込15が半導体ウエハ20上に配置されるのを抑制することができる。この場合、0.15≦(d2/D)を満たすことが更に好ましく、0.2≦(d2/D)を満たすことが特に好ましい。
一方、(d2/D)≦0.7を満たすことで、切込15の内側先端15bがウエハ貼付予定領域3aから離れ過ぎないようにすることができる。これにより、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドした際に接着剤層3に生じる応力を適切に分散させることができる。この場合、(d2/D)≦0.6を満たすことが更に好ましく、(d2/D)≦0.5を満たすことが特に好ましい。
以上より、0.1≦(d2/D)≦0.7の関係を満たすことで、分離された各半導体チップ上に接着剤層の亀裂が生じるのを抑制しつつ、ウエハ加工用テープをエキスパンドした際に接着剤層に生じる応力を適切に分散させることができる。また、製造誤差等によりウエハ加工用テープに対する半導体ウエハの位置がズレた場合であっても、切込が半導体ウエハ上に配置されるのを抑制することができる。この場合、0.15≦(d2/D)≦0.6の関係を満たすことが更に好ましく、0.2≦(d2/D)≦0.5の関係を満たすことが特に好ましい。
切込15の大きさは、特に限定されるものではなく、ウエハ加工用テープ1を貼り付ける半導体ウエハ20の大きさ、接着剤層3の直径等により適宜選択することができる。ウエハ加工用テープ1を貼り付ける半導体ウエハ20の大きさが12インチであり、接着剤層3の直径が320mmである場合、切込15の大きさは、例えば、2〜7mm四方程度に収まる大きさとすることができる。
切込15の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、X状、I状、+状、−状、U状、V状、W状等とすることができる。等方的に応力を分散させる観点からは、X状、+状等が好ましい。
ここで、切込15が接着剤層3の径方向Rに対して傾斜した形状である場合は、切込15から進行する亀裂が、接着剤層3の外周縁3c及びウエハ貼付予定領域3aに到達するのを抑制することができる。
また、切込15がX状に形成されている場合は、切込15の4つの先端から亀裂を進行させることができる。これにより、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドした際に接着剤層に生じる応力を適切に分散させることができる。
また、切込15が接着剤層3の周方向Cに傾斜したI状に形成されている場合は、切込15の2つの先端から亀裂を進行させることができる。これにより、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドした際に接着剤層3に生じる応力を適切に分散させることができる。
切込15の数は、特に限定されるものではないが、接着剤層3に生じる応力を効率的に分散させる観点から、複数であることが好ましい。また、切込15の数は、ウエハ加工用テープ1を貼り付ける半導体ウエハの大きさ、接着剤層3の直径等により適宜選択することができる。ウエハ加工用テープ1を貼り付ける半導体ウエハの大きさが12インチであり、接着剤層3の直径が320mmである場合、切込15の数は、例えば、30〜150程度とすることができる。切込15の数を所定数(例えば30)以上とすることにより、接着剤層3に生じる応力を効率的に分散させることができ、切込15の数を所定数(例えば150)以下とすることにより、切込15から進行する亀裂により隣り合う切込15が接続されて接着剤層3の破片が飛散するのを抑制することができる。
切込15が複数形成されている場合、複数の切込15は、接着剤層3の周方向Cに等間隔に配置されていなくてもよいが、接着剤層3に生じる応力を効率的に分散させる観点から、接着剤層3の周方向Cに等間隔に配置されていることが好ましい。
また、図7に示すように、切込15が複数形成されている場合、隣り合う切込15の間隔Pは、特に限定されるものではないが、2mm以上40mm以下とすることが好ましい。
隣り合う切込15の間隔Pが2mm以上であることで、隣り合う切込15が近づき過ぎないようにすることができる。これにより、各切込15から進行する亀裂により隣り合う切込15が接続されて接着剤層3の破片が飛散するのを抑制することができる。この場合、隣り合う切込15の間隔Pは、5mm以上であることが更に好ましく、8mm以上であることが特に好ましい。
一方、隣り合う切込15の間隔Pが40mm以下であることで、隣り合う切込15が離れ過ぎないようにすることができる。これにより、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドした際に接着剤層3に生じる応力を適切に分散させることができる。この場合、隣り合う切込15の間隔Pは、30mm以下であることが更に好ましく、20mm以下であることが特に好ましい。
以上より、隣り合う切込15の間隔Pが2mm以上40mm以下であることで、各切込15から進行する亀裂により隣り合う切込15が接続されて接着剤層3の破片が飛散するのを抑制しつつ、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドした際に接着剤層3に生じる応力を適切に分散させることができる。この場合、隣り合う切込15の間隔Pは、5mm以上30mm以下であることが更に好ましく、8mm以上20mm以下であることが特に好ましい。
また、切込15が接着剤層3の周方向Cに複数形成されている場合、図8(a)に示すウエハ加工用テープ1Aのように、複数の切込15のそれぞれは、接着剤層3の周方向Cに傾斜したI状に形成されていることが好ましい。この場合、複数の切込のそれぞれがX状に形成されている場合に比べて、隣り合う切込15の先端の間隔を十分に確保することができる。これにより、各切込15から進行する亀裂により隣り合う切込15が接続されるのを抑制することができるため、接着剤層3の破片が飛散するのを抑制することができる。
また、複数の切込15は、図8(b)に示すウエハ加工用テープ1Bのように、同一円周上に形成されていてもよく、図9(a)に示すように、二以上の異なる同心円周上に形成されていてもよい。複数の切込15が同一円周上に形成されている場合は、複数の切込15を容易に形成することができる。一方、複数の切込15が二以上の異なる同心円周上に形成されている場合は、接着剤層3に生じる亀裂の発生及び進行方向をより細かく制御することができる。
また、複数の切込15は、図9(a)に示すウエハ加工用テープ1Cのように、径方向Rから見て重なっていてもよく、図9(b)に示すウエハ加工用テープ1Dのように、径方向Rから見て重なっていなくてもよい。複数の切込15が径方向Rから見て重なっている場合は、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドした際に接着剤層3に生じさせる亀裂の数を増やすことができる。これにより、接着剤層3に生じる応力を分散することができるとともに、接着剤層3に生じる亀裂の発生及び進行方向をより細かく制御することができる。一方、複数の切込15が径方向Rから見て重なっていない場合は、切込15を容易に形成することができるとともに、各切込15から進行する亀裂により隣り合う切込15が接続されるのを抑制することができる。これにより、接着剤層3の破片が飛散するのを抑制することができる。
また、複数の切込15は、同じ形状に形成されていてもよく、二以上の異なる形状に形成されていてもよい。複数の切込15が同じ形状にされている場合は、接着剤層3に生じる亀裂の発生及び進行方向を容易に制御することができる。一方、複数の切込が二以上の異なる形状に形成されている場合は、接着剤層3に生じる亀裂の発生及び進行方向を細かく制御することができる。
このように、本実施形態に係るウエハ加工用テープ1では、接着剤層3に半導体ウエハ20が貼り付けられた状態でウエハ加工用テープ1をエキスパンドすることで、半導体ウエハ20を複数の半導体チップ21に分離することができる。このとき、接着剤層3では、切込15が形成されているため、切込15から亀裂が進行する。このため、接着剤層3に生じる応力を分散することができるとともに、接着剤層3に生じる亀裂の発生及び進行方向を制御することができる。これにより、接着剤層3の飛散を抑制することができる。しかも、切込15は、接着剤層3の外周縁3cよりも内側に形成されているため、切込15から進行する亀裂が、接着剤層3の外周縁3cに到達して接着剤層3の破片が飛散するのを抑制することができる。
また、切込15がウエハ貼付予定領域3aよりも外側に形成されている場合は、接着剤層3に半導体ウエハ20が貼り付けられた状態でウエハ加工用テープ1をエキスパンドした際に、分離された各半導体チップ21上に接着剤層3の亀裂が生じるのを抑制することができる。
また、切込15の外側先端15aがウエハ貼付予定領域3aと接着剤層3の外周縁3cとの中間位置3dよりも外側に位置している場合は、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドした際に接着剤層3に生じる応力を適切に分散させることができる。これにより、接着剤層3の飛散を更に抑制することができる。
また、切込15が接着剤層3の周方向Cに複数形成されている場合は、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドした際に接着剤層3に生じる応力を適切に分散させることができる。この場合、複数の切込15のそれぞれが接着剤層3の周方向Cに傾斜したI状に形成されていることで、複数の切込15のそれぞれがX状に形成されている場合に比べて、隣り合う切込15の先端の間隔を十分に確保することができる。これにより、各切込15から進行する亀裂により隣り合う切込15が接続されるのを抑制することができるため、接着剤層3の破片が飛散するのを抑制することができる。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、ウエハ加工用テープ1の接着剤層3を半導体ウエハ20に貼り付ける貼付工程を行った後に、ウエハ加工用テープ1をエキスパンドするエキスパンド工程を行うことで、半導体ウエハ20を複数の半導体チップ21に分離する。このとき、接着剤層3では、切込15が形成されているため、切込15から亀裂が進行する。このため、接着剤層3に生じる応力を分散することができるとともに、接着剤層3に生じる亀裂の発生及び進行方向を制御することができる。これにより、接着剤層3の飛散を抑制することができる。しかも、切込15は、接着剤層3の外周縁3cよりも内側に形成されているため、切込15から進行する亀裂が接着剤層3の外周縁3cに到達して接着剤層3の破片が飛散するのを抑制することができる。このため、その後に、粘着フィルム2から半導体チップ21をピックアップするピックアップ工程を行うことで、飛散した接着剤層3が付着しておらず、片面に接着剤層3が貼り付けられた半導体チップ21を得ることができる。
本発明のウエハ加工用テープ及び半導体装置の製造方法は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、半導体装置の製造方法では、エキスパンド工程においてウエハ加工用テープをエキスパンドすることにより半導体ウエハを複数の半導体チップに分断することができれば、如何なる方法及び如何なるタイミングで、半導体ウエハに分断予定ラインを形成してもよい。例えば、貼付工程の後にダイシング工程を行ってもよい。
以下、本発明の実施例を説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
接着剤層(ダイボンドフィルム)の厚さが20μm、粘着フィルム(ダイシングテープ)の厚さが110μm、接着剤層の直径が320mmの日立化成株式会社製のウエハ加工用テープ(型番 FH−9011−20)を用意し、ウエハ加工用テープに貼り付ける半導体ウエハの直径、つまりウエハ貼付予定領域の直径を、300mmとした。そして、ウエハ加工用テープに、切削機器を用いて4mmの−状の切込を形成した。切込の最も接着剤層の外周縁側に位置する外側先端を、接着剤層の外周縁から5mmの位置とした。
次いで、ウエハ加工用テープから保護フィルムを剥離し、ウエハ貼付予定領域に半導体ウエハを貼り付けた。この半導体ウエハとして、予め、表面に支持テープを貼り付け、10mm×10mmにステルスダイシングし、更に厚さが30μmとなるように裏面を研磨したものを用いた。次いで、半導体ウエハから支持テープを剥離し、株式会社ディスコ製のダイセパレータ(型番 DDS−2300)を用いて、以下の条件にてウエハ加工テープのエキスパンド及びヒートシュリンクを行い、実施例1のウエハ加工用テープを得た。
[エキスパンド条件]
冷却温度:−15℃、冷却時間:120秒、エキスパンド量:12mm、エキスパンド速度:200mm/s、エキスパンド後の保持時間:10秒
[ヒートシュリンク条件]
ヒータ温度:220℃、ヒータ回転速度:5°/s、エキスパンド量:7mm
(実施例2)
切込の形状を4mm四方の×状とし、切込の最も接着剤層の外周縁側に位置する外側先端を、接着剤層の外周縁から3mmの位置とした他は、実施例1と同条件として、実施例2のウエハ加工用テープを得た。
(実施例3)
切込の形状を4mm四方の×状とし、切込の最も接着剤層の外周縁側に位置する外側先端を、接着剤層の外周縁から2mmの位置とした他は、実施例1と同条件として、実施例3のウエハ加工用テープを得た。
(実施例4)
切込の数を72とした他は、実施例3と同条件として、実施例3のウエハ加工用テープを得た。
(実施例5)
切込の最も接着剤層の外周縁側に位置する外側先端を、接着剤層の外周縁から1mmの位置とした他は、実施例4と同条件として、実施例5のウエハ加工用テープを得た。
(比較例1)
接着剤層に切込を形成しない他は、実施例1と同条件として、比較例1のウエハ加工用テープを得た。
(比較例2)
切込の数を72とし、切込の最も接着剤層の外周縁側に位置する外側先端を、接着剤層の外周縁とした他は、実施例1と同条件として、比較例2のウエハ加工用テープを得た。
(接着剤層の飛散性評価)
実施例1〜5及び比較例1〜2のウエハ加工用テープのそれぞれに半導体ウエハを貼り付け、各ウエハ加工用テープをエキスパンドした後、各ウエハ加工用テープの接着剤層の外周部を目視により観察した。接着剤層の破片が飛散していなかったものをA、接着剤層の破片が僅かに飛散したものをB、接着剤層の破片が飛散したものをC、接着剤層の破片が著しく飛散したものをDとした。評価結果を表1に示す。
(接着剤層の分断性評価)
上述した飛散性評価の後、半導体ウエハ(分断された複数の半導体チップ)の上方から顕微鏡にて観察し、接着剤層が分断されているかを評価した。顕微鏡による観察は、半導体ウエハの全面に対して実施した。接着剤層が分断されていたものをA、接着剤層が分断されていない部分があったものをBとした。評価結果を表1に示す。
(ピックアップ性評価)
上述した分断性評価の後、粘着フィルムに紫外線を照度100mW/cm、照射量200mJ/cmの条件で照射し、粘着フィルムの粘着層を硬化させて粘着力を低下させた。その後、分断された接着剤層付き半導体チップ100個について、株式会社日立ハイテクノロジーズ製のDB800−HSDを用いて、ピックアップ高さ200μm、ピックアップ速度1mm/s、多ピン突き上げ(ピン数:9)の条件にてピックアップを行った。問題なくピックアップできたものをA、ピックアップ不良が発生したものをBとした。評価結果を表1に示す。
Figure 2019201037
表1に示すように、実施例1〜5は、比較例1及び2よりも飛散性が良かった。具体的には、実施例1及び2では、接着剤層の飛散が僅かに発生したが、実施例3〜5では、接着剤層の飛散が発生せず、結果が良好であった。一方、比較例1では、接着剤層の飛散が著しく発生した。比較例2では、切込が接着剤層の外周縁に形成されていることに起因して、面積の小さい三角形状の接着剤層の破片が飛散した。分断性及びピックアップ性は、切込の有無によらず結果は良好であった。
1,1A,1B,1C,1D…ウエハ加工用テープ、2…粘着フィルム、3…接着剤層、3a…ウエハ貼付予定領域、3b…外縁領域、3c…外周縁、3d…中間位置、4…離型テープ、5…積層体、6…縁部、11…基材層、12…粘着層、15…切込、15a…外側先端、15b…内側先端、20…半導体ウエハ、21…半導体チップ、22…支持テープ、30…ウエハリング、31…ステージ、32…部材、33…ヒータ、34…固定部材、C…周方向、R…径方向、P…隣り合う切込の間隔。

Claims (18)

  1. 半導体ウエハに貼り付けて用いるウエハ加工用テープであって、
    基材層と前記基材層上に設けられた粘着層とを有する粘着フィルムと、
    前記粘着フィルムの前記粘着層上に設けられて前記半導体ウエハが貼り付けられる円形の接着剤層と、を備え、
    前記接着剤層には、前記接着剤層の外周縁よりも内側に、切込が形成されている、
    ウエハ加工用テープ。
  2. 前記切込は、前記接着剤層の前記半導体ウエハが貼り付けられるウエハ貼付予定領域よりも外側に形成されている、
    請求項1に記載のウエハ加工用テープ。
  3. 前記切込の最も前記接着剤層の外周縁側に位置する外側先端は、前記接着剤層の前記半導体ウエハが貼り付けられるウエハ貼付予定領域の外周縁と前記接着剤層の外周縁との中間位置よりも外側に位置している、
    請求項1又は2に記載のウエハ加工用テープ。
  4. 前記接着剤層の前記半導体ウエハが貼り付けられるウエハ貼付予定領域から前記接着剤層の外周縁までの距離をD、前記接着剤層の外周縁から前記切込の最も前記接着剤層の外周縁側に位置する外側先端までの距離をd1とした場合、
    0.05≦(d1/D)≦0.5
    の関係を満たす、
    請求項1〜3の何れか一項に記載のウエハ加工用テープ。
  5. 前記ウエハ加工用テープの前記半導体ウエハが貼り付けられるウエハ貼付予定領域から前記接着剤層の外周縁までの距離をD、前記ウエハ貼付予定領域の外周縁から前記切込の最も前記ウエハ貼付予定領域側に位置する内側先端までの距離をd2とした場合、
    0.1≦(d2/D)≦0.7
    の関係を満たす、
    請求項1〜4の何れか一項に記載のウエハ加工用テープ。
  6. 前記切込は、前記接着剤層の径方向に対して傾斜している、
    請求項1〜5の何れか一項に記載のウエハ加工用テープ。
  7. 前記切込は、X状に形成されている、
    請求項1〜6の何れか一項に記載のウエハ加工用テープ。
  8. 前記切込は、前記接着剤層の周方向に傾斜したI状に形成されている、
    請求項1〜6の何れか一項に記載のウエハ加工用テープ。
  9. 前記切込は、前記接着剤層の周方向に複数形成されている、
    請求項1〜8の何れか一項に記載のウエハ加工用テープ。
  10. 複数の前記切込は、前記接着剤層の周方向に等間隔に形成されている、
    請求項9に記載のウエハ加工用テープ。
  11. 複数の前記切込は、同一円周上に形成されている、
    請求項9又は10に記載のウエハ加工用テープ。
  12. 複数の前記切込は、二以上の異なる同心円周上に形成されている、
    請求項9又は10に記載のウエハ加工用テープ。
  13. 複数の前記切込は、前記接着剤層の径方向から見て重なっている、
    請求項9〜12の何れか一項に記載のウエハ加工用テープ。
  14. 複数の前記切込は、前記接着剤層の径方向から見て重なっていない、
    請求項9〜12の何れか一項に記載のウエハ加工用テープ。
  15. 複数の前記切込は、同じ形状に形成されている、
    請求項9〜14の何れか一項に記載のウエハ加工用テープ。
  16. 複数の前記切込は、二以上の異なる形状に形成されている、
    請求項9〜14の何れか一項に記載のウエハ加工用テープ。
  17. 隣り合う前記切込の間隔は、2mm以上40mm以下である、
    請求項9〜16の何れか一項に記載のウエハ加工用テープ。
  18. 請求項1〜17の何れか一項に記載したウエハ加工用テープを用いて半導体装置を製造する方法であって、
    前記ウエハ加工用テープの前記接着剤層を前記半導体ウエハに貼り付ける貼付工程と、
    前記ウエハ加工用テープをエキスパンドすることにより、前記半導体ウエハを複数の半導体チップに分離するエキスパンド工程と、
    前記粘着フィルムから前記半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、を備える、
    半導体装置の製造方法。
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