JP2019200322A - 中間転写体及び画像形成装置 - Google Patents

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【課題】本発明の課題は、表面層内部の偏析や偏摩耗を抑制し、長期的なトナークリーニング性を確保することができる中間転写体及び画像形成装置を提供することである。【解決手段】本発明の中間転写体は、電子写真方式の画像形成装置に用いる中間転写体であって、少なくとも基材と表面層とを有し、前記表面層が、(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーが重合した重合体であり、前記表面層にアミン系樹脂粒子が含有され、かつ、前記アミン系樹脂粒子の個数基準における平均粒径が、0.1〜1.4μmの範囲内であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、中間転写体及び画像形成装置に関し、特に、表面層内部の偏析や偏摩耗を抑制し、長期的なトナークリーニング性を確保することができる中間転写体等に関する。
近年では、環境負荷低減やCPP(cost per print:印刷紙1枚当りのコスト)の低減が求められており、中間転写体のような機能材料においてもマシンの寿命近くまで、長期的に機能を保つことが求められている。
これまで、熱可塑性樹脂の樹脂基材上に、ラジカル重合性モノマーを硬化させた樹脂からなる表面層を形成した構成を採用することで、耐久性を高めた中間転写体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、本処方の場合、摩耗や傷が入り、マシンの寿命近くまで長期的にトナークリーニング性を保つことが困難である。
このため、このトナークリーニング性を確保するために、フッ素材料やシリコーン材料を用いた技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、フッ素材料やシリコーン材料のような潤滑性粒子は表面に偏析しやすく、初期的には良いが、フッ素材料やシリコーン材料の喪失、フッ素材料やシリコーン粒子の脱離が発生しやすく、長期的なトナーのクリーニング性を示すことが難しい。
また、硬化性樹脂以外の技術で、ゴム材料を用いた弾性層にシリコーン粒子を均等にパターニングし、粗さを加える技術も知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、ゴム材のため、シリコーン粒子が弾性層の弾性に追従せず、シリコーン粒子の脱離などが発生し、長期的なトナーのクリーニング性を示すことが難しい。
特開2013−024898号公報 特開2017−182081号公報 特開2014−119652号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、表面層内部の偏析や偏摩耗を抑制し、長期的なトナークリーニング性を確保することができる中間転写体及び画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、表面層を(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーが重合した重合体とし、表面層中にアミン系樹脂粒子を含有し、かつ、アミン系樹脂粒子の平均粒径を特定範囲内とすることで、表面層内部の偏析や偏摩耗を抑制し、長期的なトナークリーニング性を確保することができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.電子写真方式の画像形成装置に用いる中間転写体であって、
少なくとも基材と表面層とを有し、
前記表面層が、(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーが重合した重合体であり、前記表面層にアミン系樹脂粒子が含有され、かつ、
前記アミン系樹脂粒子の個数基準における平均粒径が、0.1〜1.4μmの範囲内であることを特徴とする中間転写体。
2.前記表面層を切断し、断面を観察したときに、当該表面層断面全体の面積に対して、アミン系樹脂粒子の面積が1〜15%の範囲内で存在していることを特徴とする第1項に記載の中間転写体。
3.前記中間転写体の表面層を切断し、断面を観察したときに、アミン系樹脂粒子の粒子が均一に分布していることを特徴とする第1項又は第2項に記載の中間転写体。
4.前記アクリル又はメタクリルモノマーが、エチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変性又はカプロラクトン変性されていることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
5.前記中間転写体を最表面側から押し込んだときのマルテンス硬さが、150〜250N/mmの範囲内であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
6.前記中間転写体の最表面の最大高さ粗さRz(JIS B0601;2001)が、0.2〜0.5μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
7.前記中間転写体が、金属酸化物粒子を含有することを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
8.第1項から第7項までのいずれか一項に記載の中間転写体を有する画像形成装置であって、
前記中間転写体上のトナーをクリーニングブレードで除去する機構を有することを特徴とする画像形成装置。
本発明の上記手段により、表面層内部の偏析や偏摩耗を抑制し、長期的なトナークリーニング性を確保することができる中間転写体及び画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
0.1〜1.4μmの範囲内のアミン系樹脂粒子と、(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーを組み合わせることで、前記モノマー又はオリゴマーとアミン系樹脂粒子の親和性が良く、均一に分散することができる。このような均一に分散された塗布液からなる塗布膜を塗布、乾燥した際には、一部のアミン粒子が表面に露出し、微細な表面粗さを加える。この微細な表面粗さにより、クリーニングブレードと中間転写体の駆動トルクが安定し、そのため安定的なトナーのクリーニング性を示す。
また、(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーのエステル部位とアミン系樹脂粒子のアミン部位は、相互作用をしていると推察され、アミンとエステルの相互作用により粒子が膜内部で結合することで、可撓性を維持しながら、膜強度の確保及び粒子の脱離などを防ぐことができる。その結果、中間転写体の表面層内部の偏析や偏摩耗を抑制し、長期的な耐久時におけるトナークリーニング性を確保することができる。
アミン系樹脂粒子の均一分布についての説明図 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す模式図 摩擦試験におけるクリーニングブレードの最大摩耗幅を説明するための図
本発明の中間転写体は、電子写真方式の画像形成装置に用いる中間転写体であって、少なくとも基材と表面層とを有し、前記表面層が、(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーが重合した重合体であり、前記表面層にアミン系樹脂粒子が含有され、かつ、前記アミン系樹脂粒子の個数基準における平均粒径が、0.1〜1.4μmの範囲内であることを特徴とする。
この特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記表面層を切断し、断面を観察したときに、当該表面層断面全体の面積に対して、アミン系樹脂粒子の面積が1〜15%の範囲内で存在していることが、微細な表面粗さを出現させることができる点で好ましい。
また、前記中間転写体の表面層を切断し、断面を観察したときに、アミン系樹脂粒子の粒子が均一に分布していることが、可撓性を維持する点で好ましい。
前記アクリル又はメタクリルモノマーが、エチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変性又はカプロラクトン変性されていることが、アミン系樹脂粒子との相互作用の点で好ましい。
前記中間転写体を最表面側から押し込んだときのマルテンス硬さが、150〜250N/mmの範囲内であることが、長期的な耐久性が得られ、かつ、クラックの発生を防止できる点で好ましい。
前記中間転写体の最表面の最大高さ粗さRz(JIS B0601;2001)が、0.2〜0.5μmの範囲内であることが、安定的なトナーのクリーニング性が得られる点で好ましい。
前記中間転写体が、金属酸化物粒子を含有することが、耐摩耗性の点で好ましい。
本発明の画像形成装置は、前記中間転写体を有する画像形成装置であって、前記中間転写体上のトナーをクリーニングブレードで除去する機構を有することが、トナーのクリーニング性の向上を図れる点で好ましい。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[中間転写体]
本発明の中間転写体は、電子写真方式の画像形成装置に用いる中間転写体であり、例えば、静電潜像担体(感光体)に担持されたトナー画像を一次転写するものであってもよいし、一次転写後、一次転写したトナー画像を記録媒体へ二次転写するものであってもよく、画像形成装置に組み込まれる。
本発明の中間転写体は、少なくとも基材層と、表面層とを有する。また、中間転写体において基材層は内側に位置し、表面層は外側に位置する。
なお、基材層と表面層との間に弾性体で構成される弾性層を有していてもよい。弾性層は、公知の構成のものを使用できる。
中間転写体は、無端ベルト状の形状である。ここで、「無端ベルト状の形状」とは、例えば、概念的(幾何学的)には一枚の長尺のシート状物の両端部を繋ぎ合わせて形成されるようなループ状の形状を意味する。中間転写体の実際の形状としては、シームレスのベルト状又は円筒状の形状とすることが好ましい。
<基材層>
基材層は、樹脂製であり、中間転写体の使用温度の範囲内において、変性及び変形を生じない樹脂から適宜選択できる。使用される樹脂の例には、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアルキレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリアミドなどが含まれる。
樹脂は、耐熱性及び強度の観点から、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド及びポリアルキレンテレフタレートを含むことが好ましく、ポリフェニレンサルファイド又はポリイミドを含むことがさらに好ましい。
ポリイミドは、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸の加熱により得ることができる。また、ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物や、その誘導体及びジアミンのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶液状態で反応させることにより得ることができる。なお、基材層にポリイミド系樹脂を使用する場合、基材層におけるポリイミド系樹脂の含有率は、51質量%以上であることが好ましい。
また、基材層は、電気抵抗値(体積抵抗率)が10〜1011Ω・cmの範囲内であることが好ましい。基材層の電気抵抗値を所定の範囲内にするためには、基材層は、例えば導電性物質を含有すればよい。
導電性物質の例として、カーボンブラックなどが含まれる。カーボンブラックとしては、中性又は酸性カーボンブラックを使用できる。導電性物質は、導電性物質の種類によっても異なるが、中間転写体の体積抵抗値及び表面抵抗値が所定の範囲になるように添加すればよい。通常、樹脂100質量部に対して10〜20質量部の範囲内で添加すればよく、好ましくは樹脂100質量部に対して10〜16質量部の範囲内で添加すればよい。
また、基材層の厚さは、50〜200μmの範囲内であることが好ましい。さらに基材層は、公知の各種添加剤を添加してもよい。添加剤の例には、ナイロンコンパウンドなどの分散剤が含まれる。
基材層は、従来公知の一般的な方法により製造できる。例えば、基材層は、材料となる耐熱性樹脂を押出機により溶融し、環状ダイを使用したインフレーション法により筒状に成形した後、輪切りにすることで環状(無端ベルト状)に製造できる。
<表面層>
本発明に係る表面層は、(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーが重合した重合体であり、当該表面層にアミン系樹脂粒子が含有され、かつ、前記アミン系樹脂粒子の個数基準における平均粒径が、0.1〜1.4μmの範囲内であることを特徴とする。
前記(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーの重合方法は特に限定されず、生産性の観点から光重合による反応によりラジカル重合することが好ましい。
本発明において、「(メタ)アクリルモノマー」は、アクリルモノマー又はメタクリルモノマーを意味する。
(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーは、2官能以上の官能基を有したモノマー(多官能モノマーともいう。)又はオリゴマー(多官能オリゴマーともいう。)が硬度の観点で好ましい。
また、前記アクリルモノマー又はメタクリルモノマーが、エチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変性又はカプロラクトン変性されていることが、アミン系樹脂粒子との相互作用の点で好ましい。エチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変性又はカプロラクトン変性されている場合には、アクリロイル又はメタクリロイル基のエステルが中心骨格から離れ、相互作用の際の立体障害が減ると推測している。
((メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマー)
(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーは混合して用いてもよい。
(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーは、下記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(1):A−[(X)−M](M)
[式中、Aは、2官能以上のモノマーを表す。Xは、平均3以上の原子が連結した鎖状骨格を有する連結基を表し、前記原子のうち少なくとも一つは、炭素、窒素又は酸素原子である。Mは、光重合性の官能基を表す。m及びnは、官能基の数を表し、1以上の整数であり、m+nは、2〜6の整数である。]
前記一般式(1)中、Aは、2官能以上のモノマーを表す。
Aの構造は特に限定されず、Aの例としては、ビスフェノールA、シクロデカン、ネオペンチル、トリメチロールプロパン、グリセリン、イソシアヌレート、ペンタテリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
また、下記A1〜A9の構造が挙げられる。
Figure 2019200322
前記一般式(1)中、Xは、一般的にEO変性などの主骨格から変性された部位であり、平均3以上の原子が連結した鎖状骨格を有する連結基を表し、前記原子のうち少なくとも一つは、炭素、窒素又は酸素原子である。
ここで、「平均3以上の原子」とは、炭素、窒素又は酸素原子で構成された結合の原子の数が3以上であることをいう。また、Xが、分岐構造の場合は、主鎖の原子の数が3以上であることをいう。例えば、プロピレンオキサイドは、原子の数が四つであるが、本発明の場合は原子の数が三つとして算出する。
また、多官能モノマーのXが複数混在する場合は、官能基当たりの平均数として、原子の連結数を算出する。
また、Xは、エチレンオキサイド鎖、プロピレンオキサイド鎖又はカプロラクトン鎖であることが好ましい。
Xの具体的構造を下記に示す。
Figure 2019200322
前記一般式(1)中、Mは、光重合性の官能基であれば、特に限定されない。
光重合性官能基の例としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、エポキシ基、ビニルエーテル基などが挙げられる。硬化反応速度の観点で、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
ここで、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
Figure 2019200322
前記一般式(1)中、m及びnは、官能基の数を表し、1以上の整数である。
m+nは、2〜6の整数であり、好ましくは、5〜6の整数である。
本発明に係る(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーは、5個以上の官能基を有することが、耐摩耗性が良好となり、耐傷に対する耐性がある点で好ましい。
また、本発明に係る表面層は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有するモノマーが重合してなる重合体を含有することが、重合反応速度が速く生産性が良好となる点で好ましい。すなわち、前記(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーの少なくとも一方が、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有することが好ましい。
前記表面層における前記(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーに由来する構成物(成分)の添加量は、表面層の全体の体積(100体積部)に対して、60〜99体積部の範囲内が好ましく、特に70〜85体積部の範囲内が好ましい。
表面層を構成する成分の分析方法は、一般的に用いられる方法を用いることができる。モノマーの組成比の分析方法としては、固体NMRや、成形物を加水分解後にNMRやGC−MSやLC−MSなどを用いて構造同定し、モル分率を求める手法を用いることができる。
また、各成分の体積割合の算出方法としては、上記のようにしてモル分率を求めた後に、比重をかけることで算出することができる。比重はメーカー値などの一般的な値を求めてもよい。また、表面層に、後述する金属酸化物微粒子を加えた場合は、元素分析により構造を推定することができる。
(アミン系樹脂粒子)
前記表面層には、アミン系樹脂粒子が含有され、かつ、前記アミン系樹脂粒子の個数基準における平均粒径が、0.1〜1.4μmの範囲内であることを特徴とする。
アミン系樹脂粒子は、ポリマーの主骨格に窒素(N)原子を含む樹脂粒子のことであり、アミン系樹脂粒子を元素分析した際に、窒素/炭素(N/C)元素比が0.05以上を示す。ポリマーとしてはメラミン・グアナミン、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ナイロンなどが挙げられる。アミン系樹脂粒子の分子構造は、固体NMRなどにより同定することもできる。
また、アミン系樹脂粒子は粒子形状制御のために、コア・シェル構造のように他の材料と複合化された材料でもよい。ただし、必ず最表面にアミン系樹脂が存在し、かつ体積の50%以上はアミン系樹脂で構成されなければならない。
アミン系樹脂粒子の個数基準における平均粒径が、0.1〜1.4μmの範囲内であることがクリーニング性の観点で好ましい。平均粒径が0.1μm以上であると、表面層の表面に微小な粗さが出現しやすくなり、1.4μm以下であると、粒子の沈降を防止でき、また、表面の粗さが大き過ぎることなく、クリーニング不良などの不具合も生じない。
アミン系樹脂粒子の個数基準における平均粒径は、0.4〜1.0μmの範囲内であることがより好ましい。
(個数基準における平均粒径)
前記平均粒径は、以下のようにして求めることができる。
走査型電子顕微鏡(SEM)「JSM−7401F」(日本電子社製)を用いて、1万倍に拡大したSEM写真をスキャナーにより取り込む。画像処理解析装置「LUZEX AP」(ニレコ社製)にて、当該SEM写真画像のアミン系樹脂粒子について2値化処理し、アミン系樹脂粒子1000個についての水平方向のフェレ径を算出し、その平均値を個数平均粒径とする。
前記表面層を切断し、断面を観察したときに、当該表面層断面全体の面積に対して、アミン系樹脂粒子の面積が1〜15%の範囲内で存在していることが好ましい。1%以上であると、表面層の表面にアミン系樹脂粒子の微細粗さを出すことができる点で好ましく、15%以下であると、表面層全体の重合反応基の割合が減ることで脆さが発現することもない。前記アミン系樹脂粒子の面積は、5〜13%の範囲内であることがより好ましい。
前記アミン系樹脂粒子の面積の求め方は、表面層の断面SEM画像でアミン系樹脂粒子とその他成分でコントラストをつけ、画像処理で二値化し面積を算出する方法などがある
前記中間転写体の表面層を切断し、断面を観察したときに、アミン系樹脂粒子が均一に分布していることが好ましい。
本発明において、均一に分布とは、図1(a)及び(b)に示すように、中間転写体100の表面層102を切断し、その断面をSEMなどで観察し、表面層102から基材層101の厚さ方向におけるアミン系樹脂粒子103由来の頻度が0.5μmピッチでスキャンした場合に、70%以上の頻度差がないことをいう。なお、定量性の観点において、測定する範囲は100mm×100mm以上の範囲を計測し、平均化することが好ましい。
前記アミン系樹脂粒子が均一に分布するための手段としては、前記(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーとアミン系樹脂粒子とを混合し、剪断力(シェア)をかけることにより微細化し均一に分布することができる。
シェアのかけ方は、特に限定しないが、粒子の破壊がしにくい観点から、USホモジナイザーのようなメディアレスの分散であることがより好ましい。
また、アミン系樹脂粒子を加えた場合の表面層の微細粗さを観察する方法は、SEM(走査電子顕微鏡)やAFM(原子間力顕微鏡)などの手法があるが、現在の技術では定量化が非常に難しく、代替手法として、後述する最大高さ粗さRz(JIS B0601;2001)により粗さの程度の判断が可能となる。
前記表面層における前記アミン系樹脂粒子の添加量は、表面層の全体の体積(100体積部)に対して、1〜15体積部の範囲内が好ましく、特に5〜13体積部の範囲内が好ましい。
(金属酸化物微粒子)
本発明の中間転写体は、金属酸化物粒子を含有することが好ましい。金属酸化物粒子を含有させた場合、金属酸化物粒子が硬く、長期的な耐久性を示しやすい。具体的に、表面層が、未処理の金属酸化物微粒子(以下、「未処理金属酸化物微粒子」ともいう。)を、所定の表面修飾剤によって表面修飾が施された金属酸化物微粒子を含有することが、耐摩耗性の点で好ましい。
未処理金属酸化物微粒子は、遷移金属も含めた金属の酸化物であればよく、例えば、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウムなどが挙げられる。
未処理金属酸化物微粒子は、強靱性付与及び耐久性付与の観点から、酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛又は酸化スズであることが好ましく、酸化アルミニウム(アルミナ)又は酸化スズであることがさらに好ましい。
未処理金属酸化物微粒子は、気相法、塩素法、硫酸法、プラズマ法、電解法などの一般的な製造方法で作製されたものを用いることができる。
未処理金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、1〜300nmの範囲内であることが好ましく、3〜100nmの範囲内であることがより好ましい。数平均一次粒径が1nm以上の場合、耐摩耗性が十分となり、数平均一次粒径が300nm以下の場合、分散性が良好となり、塗布液中で沈降しにくい。また、粒子が表面層の光硬化を阻害することなく、耐摩耗性が良好となる。
未処理金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置(商品名:「LUZEX AP」、(株)ニレコ製)ソフトウェアバージョン Ver.1.32を使用して数平均一次粒径を算出した値とする。
本発明に係る表面修飾された金属酸化物微粒子を作製するための表面修飾剤は、特に限定されるものではなく、Siを含有することが好ましい。表面修飾量は、表面修飾後の金属酸化物微粒子を550℃で3時間熱処理し、その強熱残分を蛍光X線にて定量分析し、Si量から分子量換算で求められる。
表面修飾は、湿式メディア分散型装置を用いることができる。湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、金属酸化物微粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を実行できる装置であり、その構成としては、未処理金属酸化物微粒子に表面修飾を行う際に未処理金属酸化物微粒子を十分に分散させ、かつ、表面修飾できる形式であれば特に問題はなく、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミルなどが使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズなどの粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力などにより微粉砕、分散が行われる。分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本実施形態では0.3〜1.0mm程度のものを用いることが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本実施形態では特にジルコニア又はシリコーンカーバイドといったセラミック製の素材を採用することが好ましい。
以上のような湿式処理により、前記表面修飾された金属酸化物微粒子を得ることができる。
前記表面修飾が施された金属酸化物微粒子は、(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーを重合してなる重合体100体積部に対して5〜40体積部の範囲内で含有されることが好ましく、10〜30体積部の範囲内であることがより好ましい。金属酸化物微粒子の含有量が5〜40体積部の範囲内であれば、中間転写体の硬度が低くなって、転写性及び耐久性が低くなるおそれもない。また、表面層が脆く割れやすくなったり、製造時における塗布ムラが生じてしまうおそれもない。
本発明に係る表面層は、他の添加剤をさらに含有していてもよい。添加剤は、例えば、硬化性組成物に添加することによって、表面層に適宜に添加される。当該他の添加物は、硬化性組成物に、表面層の製造に適当な物性を付与するために添加されてもよい。
当該他の添加剤の例には、重合開始剤、有機溶剤、光安定剤、紫外線吸収剤、触媒、着色剤、帯電防止剤、滑剤、レベリング剤、消泡剤、重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤及び表面改質剤などが含まれる。
表面層の厚さは、2〜10μmの範囲内であることが好ましい。2μm以上であると、厚さが薄くなり過ぎることがなく、凹みが加わる力に対して、下層を保護することができる。また、10μm以下であると、可撓性に優れ、透過光量も十分となり、基材と表面層との界面接着の観点で好ましい。
本発明の中間転写体は、例えば、上述した、(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーを重合してなる重合体と、アミン系樹脂粒子と、必要に応じて金属酸化物微粒子や前記添加物を含む表面層形成用塗布液を、前記基材層上に塗布し、所定の光量となるように活性エネルギー線を照射することにより製造することができる。
(マルテンス硬さ)
本発明の中間転写体は、最表面側から押し込んだときのマルテンス硬さが、150〜250N/mmの範囲内であることが好ましく、180〜210N/mmの範囲内であることがより好ましい。
150N/mm以上であると、長期的な耐久性を示すことができ、250N/mm以下であると、中間転写体にクラックが発生することもない。
マルテンス硬さは、株式会社フィッシャー・インストルメンツ社製の超微小硬さ試験システム「HM−2000S」を用い、中間転写ベルトの表面側から測定し、20点の平均値として算出する。
前記中間転写体の最表面の最大高さ粗さRz(JIS B0601;2001)は、0.2〜0.5μmの範囲内であることが、トナーのクリーニング性の観点で好ましい。
[画像形成装置]
本発明の画像形成装置は、前述した本発明の中間転写体を有する画像形成装置であって、前記中間転写体上のトナーをクリーニングブレードで除去する機構を有することを特徴とする。また、その他の構成は公知の構成を特に制限することなく採用できる。
図2は、本発明の画像形成装置の一例を示す模式図である。
図2に示されるように、画像形成装置1は、公知の電子写真方式により記録媒体上に画像を形成するものであり、画像形成部10と、中間転写ユニット20と、用紙搬送部30と、定着装置40と、制御部45とを有し、ネットワーク(例えば、LAN)を介して外部の端末装置(不図示)から受け付けたプリントジョブに基づいて、カラー及びモノクロのプリントを選択的に実行する。
画像形成部10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の現像色に対応した画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kを有する。画像形成ユニット10Yは、静電潜像担体である感光体ドラム11と、その周囲に配された帯電装置12と、露光装置13と、現像装置14と、一次転写ローラー15と、感光体クリーニング装置16と、ベルトクリーニング装置26と、二次転写ローラー22とを有する。
感光体ドラム11は、例えば負帯電型の有機感光体であり、矢印Aで示す方向に回転する。帯電装置12は、感光体ドラム11の周面を帯電させる。帯電装置12は、例えばコロナ帯電器である。帯電装置12は、帯電ローラーや帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材を感光体ドラム11に接触させて帯電させる接触帯電装置であってもよい。露光装置13は、例えば、光源としての半導体レーザーと、形成すべき画像に応じたレーザー光を感光体ドラム11に向けて照射する光偏向装置(ポリゴンモーター)とを含む。
現像装置14は、内部にトナーを含む現像剤が収容され、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーで現像し、これにより感光体ドラム11上にトナー画像が作像される。すなわち、これにより静電潜像担体にトナー画像が担持される。ここで、「トナー画像」とは、トナーが画像状に集合した状態をいう。
トナーは、公知のトナーを用いることができる。トナーは、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。一成分現像剤は、トナー粒子から構成される。また、二成分現像剤は、トナー粒子及びキャリア粒子から構成される。トナー粒子は、トナー母体粒子及びその表面に付着したシリカ、潤滑剤などの外添剤から構成される。トナー母体粒子は、例えば、結着樹脂、着色剤及びワックスから構成される。
潤滑剤の種類は、特に限定されない。潤滑剤の種類の例には、ステアリン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなどの金属石鹸類や、各種脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、炭素数18〜70の脂肪族アルコール類、ポリエチレン類、各種ワックス類、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、層状結晶構造を有する各種の無機材料(窒化ホウ素、メラミンシアヌレート、二硫化モリブデン、フッ化黒鉛、マイカなど)など、公知の種類を用いることができる。
潤滑剤は、延展が容易な観点から、ステアリン酸塩の金属石鹸や、脂肪酸亜鉛塩が望ましく、特にステアリン酸亜鉛が好ましい。また、潤滑剤の粒径も特に限定されないが、小径であるほど単位面積あたりの供給粒子数を増やすことができ、延展効率を高くして、動摩擦力の減少効果を発揮しやすい観点から、平均粒径10μm以下であることが好ましい。
中間転写ユニット20は、駆動ローラー24と従動ローラー25に張架されて矢印方向に循環走行される中間転写体21を有する。中間転写体21は、シームレスベルト形状(すなわち無端ベルト状の形状)であって、設計で決まる所望の周長になるように樹脂材料を射出成型又は遠心成型した円筒状のものである。
ベルトクリーニング装置26は、クリーニング部材(クリーニングブレード)26aを有する。二次転写ローラー22は、従動ローラー25とともに駆動して、中間転写体21に一次転写されたトナー画像を記録媒体に二次転写する。
なお、カラーのプリント(カラーモード)を実行する場合には、画像形成ユニット10M、10Y、10C、10K毎に、対応する色のトナー画像が感光体ドラム11上に作像され、その作像されたトナー画像それぞれが中間転写体21上に転写される。このY〜Kの各色の作像動作は、各色のトナー画像が、走行する中間転写体21の同じ位置に重ね合わせて転写されるように上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
用紙搬送部30は、上記の作像タイミングに合わせて、給紙カセットから記録媒体である用紙Sを1枚ずつ繰り出して、繰り出された用紙Sを搬送路31上を二次転写ローラー22に向けて搬送する。定着装置40は、加熱、加圧されることにより、その表面のトナーが用紙Sの表面に融着して定着された後、排紙ローラー32によって排紙トレイ33上に排出される。このようにして、記録媒体上にトナー画像に対応した画像が形成される。
各色トナー画像が二次転写された後の用紙Sは、定着装置40まで搬送され、定着装置40において加熱、加圧されることにより、その表面のトナーが用紙Sの表面に融着して定着された後、排紙ローラー32によって排紙トレイ33上に排出される。このようにして、記録媒体上にトナー画像に対応した画像が形成される。
なお、上記では、カラーモードを実行する場合の動作を説明したが、モノクロ、例えばブラック色のプリント(モノクロモード)を実行する場合には、ブラック色用の画像形成ユニット10Kだけが駆動され、上記と同様の動作によりブラック色に対する帯電、露光、現像、転写、定着の各工程を経て記録用紙Sにブラック色の画像形成(プリント)が実行される。
制御部45は、ネットワークを介して外部の端末装置から受け付けたプリントジョブのデータに基づき各部を制御して円滑なプリント動作を実行させる。
[画像形成方法]
本発明に係る画像形成方法は、感光体ドラム11に担持されているトナー画像を中間転写体21に転写する一次転写工程と、中間転写体21に担持されているトナー画像を記録媒体に転写する二次転写工程と、二次転写工程後に中間転写体21の表面にクリーニング部材26aを当接させて表面に残留する残留トナーを除去するクリーニング工程とを含み、かつ例えば、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及び定着工程を含む。また、画像形成方法は、平均粒径が10μm以下の潤滑剤を中間転写体21に塗布する工程をさらに含んでいてもよい。
本実施の形態に係る画像形成方法を実施するためには、前述した画像形成装置1と同様に構成した装置を用いることができる。
帯電工程では、感光体ドラムを帯電装置などで帯電させる。感光体ドラムは、例えば、光導電性を有する負帯電型の有機感光体である。有機感光体は、例えば、導電性支持体と、電荷発生層と、電荷輸送層と、表面層とを有する。
露光工程では、帯電した感光体ドラムに対して、露光装置などにより光を照射して、静電潜像を形成する。
現像工程では、静電潜像が形成された感光体ドラムにトナーを供給して静電潜像に応じたトナー画像を形成する。現像工程は、例えば、電子写真方式の画像形成装置における公知の現像装置を用いて行うことができる。
転写工程では、転写ユニットを用いて、感光体ドラム11上のトナー画像を記録媒体に転写する。本実施の形態では、転写工程は、一次転写工程と、二次転写工程とを有する。一次転写工程では、一次転写ローラー15を用いて、感光体ドラム11上のトナー画像を中間転写体21上に静電作用により転写させる。二次転写工程では、二次転写ローラーを用いて、中間転写体21上のトナー画像を記録媒体に転写させる。このように、本実施の形態に係る画像形成方法は、実質的に中間転写方式である。
定着工程では、記録媒体に転写されたトナー画像が、公知の定着装置などによって、記録媒体に定着される。
なお、一次転写後の感光体ドラム11に対して、感光体ドラム11に残留したトナーを除去するドラムクリーニング工程を行ってもよい。また、二次転写後の中間転写体21に対して、中間転写体21に残留したトナーを除去するベルトクリーニング工程を行ってもよい。ベルトクリーニング工程は、クリーニングブレード(クリーニング部材)26aを有するベルトクリーニング装置26を用いて行われる。ベルトクリーニング装置26は、トナー画像を記録媒体に転写した後の中間転写体21の表面にクリーニング部材26aを当接させて表面に残留したトナー粒子をクリーニングする。残留したトナー粒子をクリーニングする方法の例には、押圧したクリーニングブレードを用いる方法、押圧した滑剤塗布の専用ブレードを用いる方法、押圧したブラシを用いる方法、押圧したゴムローラーを用いる方法、押圧したスポンジローラーを用いる方法、押圧した極薄(厚さ0.3mm以下)の金属板を用いる方法などが含まれる。残留したトナー粒子をクリーニングする方法は、必要な部品数を減らす観点から、クリーニングブレードを用いる方法が好ましい。
また、潤滑剤を中間転写体に塗布する工程をさらに含んでいてもよい。潤滑剤を中間転写体21に塗布する工程は、潤滑剤を中間転写体21に塗布することができれば特に限定されない。固形の潤滑剤から潤滑剤をブラシなどによって削り取りながら、中間転写体21に直接塗布しても良いし、トナー粒子に潤滑剤が配合されたトナー粒子を用い、トナーによって中間転写体21に潤滑剤を供給してもよい。本実施の形態では、潤滑剤を中間転写体に塗布する工程は、トナー粒子に潤滑剤が配合されたトナー粒子を用い、トナーによって中間転写体に潤滑剤を供給する工程である。なお、いずれの塗布工程であっても、潤滑剤の平均粒径は、10μm以下である。
このように、本実施の形態では、前述した本発明の中間転写体21を用いているため、長期的なトナーのクリーニング性を確保することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下で使用する(メタ)アクリルモノマーの構造を下記に示す。
Figure 2019200322
Figure 2019200322
[中間転写体1の作製]
<基材層1の作製>
ポリフェニレンサルファイド樹脂(商品名:「E2180」、東レ社製)100体積部、導電フィラー(商品名:「ファーネス#3030B」、三菱ケミカル社製)16体積部、グラフト共重合体(商品名:「モディパーA4400」、日油社製)1体積部、及び滑材(モンタン酸カルシウム)0.2体積部を単軸押出機に投入し、溶融混練させて樹脂混合物とした。
次いで、単軸押出機の先端にスリット状でシームレスベルト形状の吐出口を有する環状ダイスを取り付け、混練された上記樹脂混合物を、シームレスベルト形状に押し出した。そして、押し出されたシームレスベルト形状の樹脂混合物を、吐出先に設けた円筒状の冷却筒に外挿させて冷却して固化することにより、厚さ120μmでシームレス円筒状(無端ベルト状)の中間転写体用の基材層1を作製した。
<表面層形成用塗布液1の調製>
(メタ)アクリルモノマーとして(商品名:「DPEA−12」、日本化薬社製)を化合物75体積部、アミン系樹脂粒子として(商品名:「エポスターS」、日本触媒社製)を10体積部、金属酸化物微粒子(商品名:「AEROXIDE TiO NKT 90」)15体積部を混合し、超音波ホモジナイザー(商品名:「UX−300」、三井電気精密機社製))にて分散・混合を行った。また、光重合開始剤(商品名:「Irgacure TPO」、BASF社製)4体積部を、固形分濃度が10質量%となるよう、溶剤であるMIBK(メチルイソブチルケトン)中に溶解、分散させることにより、表面層形成用塗布液1を調製した。
<表面層1の形成>
上記の基材層1の外周面上に、表面層形成用塗布液1を、塗布装置を使用して浸漬塗布方法によって下記の塗布条件で乾燥後の厚さが3.8μmとなるように塗布することによって塗膜を形成した。
引き続き、この塗膜に活性光線(活性エネルギー線)として紫外線を、下記の照射条件で照射することにより、塗膜を硬化して表面層を形成した。これにより、中間転写体1を得た。なお、紫外線の照射は、光源を固定し、基材層1の外周面上に塗膜が形成された前駆体を周速度60mm/sで回転しながら行った。
(塗布条件)
塗布液供給量:1L/min
(紫外線の照射条件)
光源の種類:365nm LED光源(商品名:「SPX−TA」、アイグラフィックス社製)
照射口から塗膜の表面までの距離:60mm
雰囲気:窒素
照射光量:1.4J/cm
照射時間(前駆体を回転させている時間):240秒間
[中間転写体2の作製]
中間転写体1の作製において、下記に示す表面層形成用塗布液2の調製以外は、中間転写体1と同様の手法で中間転写体2を作製した。
<表面層形成用塗布液2の調製>
(メタ)アクリルモノマーとして(商品名:「DPHA」、日本化薬社製)を化合物75体積部、アミン系樹脂粒子として(商品名:「エポスターS12」、日本触媒社製)を10体積部、金属酸化物微粒子(商品名:「AEROXIDE TiO NKT 90」)15体積部を混合し、超音波ホモジナイザー(商品名:「UX−300」、三井電気精密機社製))にて分散・混合を行った。また、光重合開始剤(商品名:「Irgacure TPO」、BASF社製)4体積部を、固形分濃度が10質量%となるよう、溶剤であるMIBK(メチルイソブチルケトン)中に溶解、分散させることにより、表面層形成用塗布液2を調製した。
[中間転写体3の作製]
中間転写体1の作製において、下記に示す表面層形成用塗布液3の調製以外は、中間転写体1と同様の手法で中間転写体3を作製した。
<表面層形成用塗布液3の調製>
(メタ)アクリルモノマーとして(商品名:「DPCA−120」、日本化薬社製)を化合物75体積部、アミン系樹脂粒子として(商品名:「トレパール PAI」、東レ社製)を10体積部、金属酸化物微粒子(商品名:「AEROXIDE TiO NKT 90」)15体積部を混合し、超音波ホモジナイザー(商品名:「UX−300」、三井電気精密機社製))にて分散・混合を行った。また、光重合開始剤(商品名:「Irgacure TPO」、BASF社製)4体積部を、固形分濃度が10質量%となるよう、溶剤であるMIBK(メチルイソブチルケトン)中に溶解、分散させることにより、表面層形成用塗布液3を調製した。
[中間転写体4の作製]
中間転写体1の作製において、下記に示す表面層形成用塗布液4の調製以外は、中間転写体1と同様の手法で中間転写体4を作製した。
<表面層形成用塗布液4の調製>
(メタ)アクリルモノマーとして(商品名:「A−DPH−6PA」、新中村化学社製)を化合物70体積部、アミン系樹脂粒子として(商品名:「エポスターSS」、日本触媒社製)を15体積部、金属酸化物微粒子(商品名:「AEROXIDE TiO NKT 90」)15体積部を混合し、超音波ホモジナイザー(商品名:「UX−300」、三井電気精密機社製)にて分散・混合を行った。また、光重合開始剤(商品名:「Irgacure TPO」、BASF社製)4体積部を、固形分濃度が10質量%となるよう、溶剤であるMIBK(メチルイソブチルケトン)中に溶解、分散させることにより、表面層形成用塗布液4を調製した。
[中間転写体5の作製]
中間転写体1の作製において、下記に示す表面層形成用塗布液5の調製以外は、中間転写体1と同様の手法で中間転写体5を作製した。
<表面層形成用塗布液5の調製>
(メタ)アクリルモノマーとして(商品名:「SR350」、Sartomer社製)を化合物75体積部、アミン系樹脂粒子として(商品名:「オプトビーズ 500s」、日産化学工業社製)を10体積部、金属酸化物微粒子(商品名:「AEROXIDE TiO NKT 90」)15体積部を混合し、超音波ホモジナイザー(商品名:「UX−300」、三井電気精密機社製))にて分散・混合を行った。また、光重合開始剤(商品名:「Irgacure TPO」、BASF社製)4体積部を、固形分濃度が10質量%となるよう、溶剤であるMIBK(メチルイソブチルケトン)中に溶解、分散させることにより、表面層形成用塗布液5を調製した。
[中間転写体6の作製]
中間転写体1の作製において、下記に示す表面層形成用塗布液6の調製以外は、中間転写体1と同様の手法で中間転写体6を作製した。
<表面層形成用塗布液6の調製>
(メタ)アクリルモノマーとして(商品名:「ATM4P」、新中村化学社製)を化合物83体積部、アミン系樹脂粒子として(商品名:「エポスターS6」、日本触媒社製)を2体積部、金属酸化物微粒子(商品名:「AEROXIDE TiO NKT 90」)15体積部を混合し、超音波ホモジナイザー(商品名:「UX−300」、三井電気精密機社製))にて分散・混合を行った。また、光重合開始剤(商品名:「Irgacure TPO」、BASF社製)4体積部を、固形分濃度が10質量%となるよう、溶剤であるMIBK(メチルイソブチルケトン)中に溶解、分散させることにより、表面層形成用塗布液6を調製した。
[中間転写体7の作製]
中間転写体1の作製において、下記に示す表面層形成用塗布液7の調製以外は、中間転写体1と同様の手法で中間転写体7を作製した。
<表面層形成用塗布液7の調製>
(メタ)アクリルモノマーとして(商品名:「DPEA−12」、日本化薬社製)を化合物67体積部、アミン系樹脂粒子として(商品名:「オプトビーズ 500s」、日産化学工業社製)を18体積部、金属酸化物微粒子(商品名:「AEROXIDE TiO NKT 90」)15体積部を混合し、超音波ホモジナイザー(商品名:「UX−300」、三井電気精密機社製))にて分散・混合を行った。また、光重合開始剤(商品名:「Irgacure TPO」、BASF社製)4体積部を、固形分濃度が10質量%となるよう、溶剤であるMIBK(メチルイソブチルケトン)中に溶解、分散させることにより、表面層形成用塗布液7を調製した。
[中間転写体8の作製]
中間転写体1の作製において、下記に示す表面層形成用塗布液8の調製以外は、中間転写体1と同様の手法で中間転写体8を作製した。
<表面層形成用塗布液8の調製>
(メタ)アクリルモノマーとして(商品名:「SR350」、Sartomer社製)を化合物82体積部、アミン系樹脂粒子として(商品名:「エポスターS」、日本触媒社製)を3体積部、金属酸化物微粒子(商品名:「AEROXIDE TiO NKT 90」)15体積部を混合し、超音波ホモジナイザー(商品名:「UX−300」、三井電気精密機社製)にて分散・混合を行った。また、光重合開始剤(商品名:「Irgacure TPO」、BASF社製)4体積部を、固形分濃度が10質量%となるよう、溶剤であるMIBK(メチルイソブチルケトン)中に溶解、分散させることにより、表面層形成用塗布液8を調製した。
[中間転写体9の作製](比較例)
中間転写体1の作製において、下記に示す表面層形成用塗布液9の調製以外は、中間転写体1と同様の手法で中間転写体9を作製した。
<表面層形成用塗布液9の調製>
前記表面層形成用塗布液1の調製において、アミン系樹脂粒子ではなく、PTEF粒子
(商品名:「L173JE」、旭硝子社製)に変更した以外は同様の手法で表面層形成用塗布液9を調製した。
[中間転写体10の作製](比較例)
中間転写体1の作製において、下記に示す表面層形成用塗布液10の調製以外は、中間転写体1と同様の手法で中間転写体10を作製した。
<表面層形成用塗布液10の調製>
前記表面層形成用塗布液1の調製において、アミン系樹脂粒子ではなく、シリコーン粒子(商品名:「トスパール120」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)に変更した以外は同様の手法で表面層形成用塗布液10を調製した。
[中間転写体11の作製](比較例)
中間転写体1の作製において、下記に示す表面層形成用塗布液11の調製以外は、中間転写体1と同様の手法で中間転写体11を作製した。
<表面層形成用塗布液11の調製>
前記表面層形成用塗布液1の調製において、アミン系樹脂粒子を(商品名:「オプトビーズ 2000M」、日産化学工業社製)に変更した以外は同様の手法で表面層形成用塗布液11を調製した。
[中間転写体12の作製](比較例)
前記基材層1上に、特開2014−119652号公報の実施例1にしたがい、アクリルゴムを用いた弾性表面層を作製した。
具体的には、以下に示す各材料を配合し、ニーダーにて混練することでゴム組成物を作製した。
<弾性表面層>
(材料組成)
・アクリルゴム(日本ゼオン株式会社製 ニポールAR12)100質量部
・ステアリン酸(日油株式会社製 ビーズステアリン酸つばき) 1質量部
・赤リン(燐化学工業株式会社製 ノーバエクセル140F) 10質量部
・水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製 ハイジライトH42M)
40質量部
・架橋剤(デュポン ダウ エラストマー ジャパン製 Diak.No.1(ヘキサメチレンジアミンカーバメイト)) 0.6質量部
・架橋促進剤(Safic alcan社製 VULCOFAC ACT55(70%1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7と二塩基酸との塩、30%アモルファスシリカ)) 0.6質量部
・カーボンブラック(コロンビアンカーボン ConductexSC Ultra)
2質量部
次いで、上記のようにして得られたゴム組成物を下記配合にて有機溶剤(MIBK:メチルイソブチルケトン)に溶かして固形分30質量%のゴム溶液を作製した。すなわち、弾性表面層を構成する材料を塗布液化する工程を実施した。
(配合)
・上記ゴム組成物 100質量部
・イオン導電剤(日本カーリット株式会社製 QAP−01)0.3質量部
・シリコーン系界面活性剤(ビックケミー社製 BYK−066N)
0.2質量部
上記配合で作製した塗布液であるゴム溶液を真空脱泡する真空脱泡工程を経て、先に作製した基材層1を回転させながら基材層1上にノズルよりゴム塗料を連続的に吐出しながら基材層の軸方法に移動させ螺旋状に塗工した。塗布量としては最終的な厚さが500μmになるような液量の条件とした。その後、ゴム塗料が塗工された基材層をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で100℃まで昇温して60分加熱した。このようにして、塗布液であるゴム溶液を基材層1上に塗布して製膜化する工程を実施した。
その後、乾燥機から取り出して冷却し、この表面に、特開2014−119652号公報の図4を用いて説明した方法を用いて、球状樹脂粒子として、アミン系樹脂粒子(商品名:「エポスターS12」、日本触媒社製)をまんべんなく表面にまぶした。そして、ポリウレタンゴムブレードの押し付け部材を、押圧力100mN/cmで押し当てて弾性表面層に固定化した。その後、再び熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で170℃まで昇温して60分加熱処理し、中間転写体12を得た。すなわち、ゴム溶液を基剤層上に塗布して製膜化した弾性表面層に球状樹脂粒子(アミン系樹脂粒子)を埋設した後、加熱する加熱工程を経ることで、中間転写体12を得た。
得られた各中間転写体について、最表面の最大高さ粗さRz(JIS B0601;2001)、及び、中間転写体を最表面側から押し込んだときのマルテンス硬さついて前記した方法で測定し、測定結果を下記表Iに示した。
また、得られた中間転写体1〜8は、表面層を切断し、断面を観察したときに、アミン系樹脂粒子の粒子が均一に分布していることを確認した。
さらに、各中間転写体の作製で使用したアミン系樹脂粒子の粒子種、平均粒径及び表面層断面全体の面積に対するアミン系樹脂粒子の面積率、(メタ)アクリルモノマーの変性種及び反応性基について下記表Iに示した。なお、前記アミン系樹脂粒子の面積率については、前記した方法により測定した。
[評価]
下記評価1〜評価3について評価し、その結果を表IIに示した。
<評価1>初期クリーニング性(トナーの拭き取り性)
(評価装置の準備)
評価装置として、市販のフルカラー複合機(bizhub(登録商標)C554e:コニカミノルタ株式会社)の改造機を準備した。具体的には、上述した中間転写体を用いて、転写ユニットを組み立てた。また、ひずみ測定機を装備した転写ユニット用の単体駆動機を準備した。さらに、上記の転写ユニットを有する改造機を準備した。
クリーニングブレードは、あらかじめ30μm摩耗したものを用いた。ここで、あらかじめ30μm摩耗したものとは、図3に示すように最大摩耗幅dが30μmのクリーニングブレードをいう。最大摩耗幅dとは、クリーニングブレードの左側と、クリーニングブレードの右側との摩耗した部分の両端部間の長さを意味する。また、クリーニングブレードの摩耗幅は、クリーニングブレードを45°傾斜させ、中間転写体との接触部分をレーザー顕微鏡(Vk−X100、100倍対物レンズ、0.1μmのステップ幅で観察;株式会社キーエンス)で計測した。
このようなクリーニングブレードのエッジ部には、評価用のトナーを付着させた。評価用のトナーとしては、bizhub(登録商標)C554e用トナー(TN512)を用いた。
また、中間転写体の幅方向においては、クリーニングブレードが接触する全範囲であって、中間転写体の周方向においては、クリーニングブレードの直前の位置であって、全周の1/3の範囲に、0.4g/mとなるように均一に評価用のトナーを付着させてセッティングした。
なお、クリーニングブレードは、UW085(NOK株式会社製、厚さ2.0mm)、を使用し、中間転写体に対する当接力を30N/mとし、中間転写体に対する実効当接角を14°とし、自由長は9mmとした。
また、中間転写体は、新品状態のものを用いた。
初期クリーニング性は、二次転写ユニットを取り外した状態で、4.0g/mの割合のトナーをA3サイズの中間転写体に印刷を行い、印刷終了後の中間転写体上のトナー拭き取り状態を確認した。このときに、クリーニングブレードの食い込み圧条件を変更し、クリーニングブレードの食い込み圧ごとのトナー拭き取り性を評価した。
◎:10N/mのクリーニングブレード食い込み圧でも拭き取れる。
○:20N/mのクリーニングブレード食い込み圧でトナーを拭き取れる。
△:30N/mのクリーニングブレード食い込み圧でも拭き取れる。
×:30N/mのクリーニングブレード食い込み圧でトナー拭き残しが発生。
○以上を合格と判定した。
<評価2>研磨後クリーニング性(研磨試験後のトナー拭き取り性)
上記の<評価1>と同様に、評価装置を準備した。そして、前記新品状態の中間転写体の代わりに、以下の中間転写体を用いた。
30μmの粗さの研磨紙を中間転写体の長手方向に5N/mの圧力で押し当て、100mm/秒の速度で20分間駆動させ、その後bizhub(登録商標)C554eにて、画像濃度が20%になるように設定し、A4普通用紙で1万枚印刷した後の中間転写体を用いた。
その他は、(1)初期クリーニング性の評価と同様にして、研磨試験後のトナー拭き取り性を評価した。
<評価3>算術平均高さ変化ΔSa
上記<評価2>の中間転写体の研磨試験前と、上記<評価2>の中間転写体の研磨試験直後について、それぞれ算術平均高さSaを計測し、研磨試験前の算術平均高さSaと研磨試験後の算術平均高さSaの変化(ΔSa)について評価を行った。算術平均高さSaの測定には、レーザー顕微鏡(Vk−X100、20倍対物レンズ、0.1μmのステップ幅で観察;株式会社キーエンス)で観察して、高さプロファイルを得て、面内歪み補正を行った後、面全体の算術平均高さSaを算出した。算術平均高さSaは、研磨試験前と研磨試験後の中間転写体において、それぞれ20点を平均した値を用いている。
◎:ΔSaが0.3μm未満
○:ΔSaが0.3μm以上0.5μm未満
△:ΔSaが0.5μm以上1.0μm未満
×:ΔSaが1.0μm以上
○以上を合格と判定した。
Figure 2019200322
Figure 2019200322
表IIに示す結果より、本発明の中間転写体は、比較例の中間転写体に比べて、初期クリーニング性、研磨後クリーニング性及び研磨試験前後の算術平均高さ変化(ΔSa)の評価において、いずれも良好であることが認められる。
1 画像形成装置
10 画像形成部
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
11 感光体ドラム
12 帯電装置
13 露光装置
14 現像装置
15 一次転写ローラー
16 感光体クリーニング装置
20 中間転写ユニット
21 中間転写体
22 二次転写ローラー
24 駆動ローラー
25 従動ローラー
26 ベルトクリーニング装置
26a クリーニング部材(クリーニングブレード)
30 用紙搬送部
31 搬送路
32 排紙ローラー
33 排紙トレイ
40 定着装置
45 制御部
S 用紙
100 中間転写体
101 基材層
102 表面層
103 アミン系樹脂粒子

Claims (8)

  1. 電子写真方式の画像形成装置に用いる中間転写体であって、
    少なくとも基材と表面層とを有し、
    前記表面層が、(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマーが重合した重合体であり、前記表面層にアミン系樹脂粒子が含有され、かつ、
    前記アミン系樹脂粒子の個数基準における平均粒径が、0.1〜1.4μmの範囲内であることを特徴とする中間転写体。
  2. 前記表面層を切断し、断面を観察したときに、当該表面層断面全体の面積に対して、アミン系樹脂粒子の面積が1〜15%の範囲内で存在していることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  3. 前記中間転写体の表面層を切断し、断面を観察したときに、アミン系樹脂粒子の粒子が均一に分布していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中間転写体。
  4. 前記アクリル又はメタクリルモノマーが、エチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変性又はカプロラクトン変性されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  5. 前記中間転写体を最表面側から押し込んだときのマルテンス硬さが、150〜250N/mmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  6. 前記中間転写体の最表面の最大高さ粗さRz(JIS B0601;2001)が、0.2〜0.5μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  7. 前記中間転写体が、金属酸化物粒子を含有することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の中間転写体を有する画像形成装置であって、
    前記中間転写体上のトナーをクリーニングブレードで除去する機構を有することを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7404890B2 (ja) 2020-01-28 2023-12-26 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法

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