JP2019199433A - 胃粘膜保護剤 - Google Patents

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敏生 森川
清文 二宮
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清文 二宮
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Okaya Mitsuhiro
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Abstract

【課題】従来の消化性潰瘍治療には、攻撃因子抑制剤が広く用いられてきた。一方、治療・改善のみならず、予防的効果も期待される防御因子増強剤としては、攻撃因子抑制剤と比較して少なかった。しかし、身体機能が低下している場合、攻撃因子抑制剤は、作用が強すぎ患者の負担は大きいと考えられる。したがって、身体に悪影響を及ぼさない防御因子増強剤が求められていた。【解決手段】ミョウガの花穂部を水、低級アルコール若しくはその含水物により抽出して得られる抽出物を有効成分として含むことを特徴とする胃粘膜保護剤は、胃壁の粘膜保護能力を有しており、しかも自然食品由来のものなので、毒性もなく好適に利用することができる。【選択図】図1

Description

本発明はショウガ科(Zingiberaceae)植物のミョウガ(学名:Zingiber mioga)の可食部である花穂部の抽出物をベースとした胃粘膜保護剤に関するものである。
ミョウガは、ショウガ科ショウガ属の多年草で、日本を含む東アジアに自生している。食用としては、日本で広く栽培されている。ミョウガは独特のさわやかな香りがあり、また華やかな紅色をしているため、ハナミョウガ(開花前の花穂)やミョウガタケ(地下茎から別に出る茎葉)が薬味として多く利用されている。また、民間療法として、ミョウガは、脳を刺激する眠気覚まし、血流改善、発汗作用、食欲増進や解毒作用といった薬理効果を期待して用いられている。
しかし、ミョウガは90%以上が水でできており、また辛味を有していて、大量に食することができない。したがって、単にミョウガを数回程度食しただけでは、前記のようなミョウガの薬理効果はあまり期待できないと考えられる。そこで、ミョウガの薬理効果を効率良く発揮し得るミョウガ抽出物の有効性が種々検討されている。
例えば特許文献1には、ミョウガの水抽出物が降圧作用、中枢神経抑制作用、コリン作動性神経興奮作用、心臓抑制作用、抗炎症作用を有することが開示されている。また、特許文献2には、ミョウガのヘキサン抽出物から得られるラブダン型ジテルペン化合物であるミョウガトリアールが抗菌剤、抗血栓剤、抗炎症剤として用いられることが開示されている。
さらに特許文献3には、ミョウガの花穂から得られるラブダン型ジテルペン化合物であるガラナールA、若しくはガラナールB、又はこれらの混合物およびミョウガナールが老化抑制剤として用いられることが開示されている。
また、非特許文献1には、ミョウガの酢酸エチル抽出物から得られるミョウガジアールが、抗菌作用、コレステロール低下作用、血小板凝集抑制作用を有し、また辛味成分であることが開示されている。
また、非特許文献2には、ミョウガジアールやミョウガトリアールがTRP(Transient Receptor Potential)チャネルである、TRPA1受容体やTRPV1受容体の活性化を促進することが開示されている。TRPA1受容体やTRPV1受容体は体熱産生に関与するため、ミョウガジアールやミョウガトリアールは体熱産生を促進する効果があると考えられる。
特開昭55−009021号公報 特開2006−241068号公報 特開2014−152118号公報
Biosci. Biotechnol. Biochem., 2002,66(12), p.2698−2700 Life Sci., 2009,85,p.60−69 Bioorg. Med. Chem. Lett., 2003,13, p.1101−1106
天然植物を利用した製品の開発分野のひとつとして、合成品に代替する生体安全性に優れ、かつ、副作用のない胃粘膜保護剤の開発がある。消化性潰瘍治療剤は、攻撃因子抑制剤と防御因子増強剤の2つに大別され、胃粘膜保護剤は後者の区分に属する。
胃や腸といった消化器官の粘膜が損傷を受ける種々の消化性潰瘍は、粘膜の防御能力が弱くなることと、胃液などの攻撃因子の分泌などが多くなり、そのバランスがくずれたことに起因することが多い。
従来の消化性潰瘍治療には、攻撃因子抑制剤であるH2受容体拮抗剤のファモチジンやプロトンポンプ阻害剤のオメプラゾールなどの酸分泌抑制剤が広く用いられてきた。一方、治療・改善のみならず、予防的効果も期待される防御因子増強剤としては、セトラキサートなどの胃粘膜微小循環改善剤やスクラルファートなどの粘膜抵抗強化剤などが用いられてきたが、その比率は前記攻撃因子抑制剤と比較して少ないものであった。
加えて、近年増加の一途をたどる高齢者は、身体機能が低下しているため、様々な代謝や排泄が遅くなっている。したがって、高齢者に対して、攻撃因子抑制剤を使用すると、その作用が強く表れる可能性が高い。このような患者に対しては、防御因子増強剤の方が適していると言える。そこで、より安全で効果の高い防御因子増強剤が求められていた。
発明者らは、天然植物を利用した胃粘膜保護剤の開発において、有用な利用植物を求めて、鋭意、検討を進めた。その結果、ショウガ科植物のミョウガの可食部である花穂部の抽出エキスにエタノール誘発胃粘膜損傷に対して抑制作用があることを見出すことで、本発明を完成するに至った。
より具体的に、本発明に係る胃粘膜保護剤は、
ミョウガの花穂部を水、低級アルコール若しくはその含水物により抽出して得られる抽出物を有効成分として含むことを特徴とする。
本発明により、新規な胃粘膜保護剤が提供される。本発明の前記胃粘膜保護剤は、従来のセトラキサート等の合成薬品系の胃粘膜保護剤に代わる天然植物系の生体安全性と経済性に優れる胃粘膜保護剤として有効である。すなわち、本発明のショウガ科植物のミョウガの花穂部から調製された抽出エキスは生体安全性と経済性に優れる天然植物系の胃粘膜保護剤として有効なものである。
本発明に係る胃粘膜保護剤(ミョウガ花穂エタノール抽出エキス)の胃粘膜に対する損傷係数を示すグラフである。 胃壁の損傷程度を表す、胃壁の観察写真である。
以下に本発明に係る胃粘膜保護剤について図面および実施例を示し説明を行う。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態および一実施例を例示するものであり、本発明が以下の説明に限定されるものではない。以下の説明は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変することができる。
本発明に係る胃粘膜保護剤は、ショウガ科(Zingiberaceae)植物のミョウガ(学名:Zingiber mioga;以下単に「ミョウガ」と呼ぶ。)の花穂部から抽出した抽出エキスを含有する。
ミョウガは、国内では、高知県、奈良県、群馬県、秋田県、山形県、和歌山県、長野県、富山県、青森県、新潟県などで生産されている。産地や栽培法などによって、ミョウガの中に含有されている成分量や種類に若干の差異はある。しかし、いずれの地域に育成しているものでも利用することができる。
ミョウガからエキスを抽出するには、一般的な抽出法を利用することができる。具体的には、刻加工あるいは粉末化した植物(以後「被抽出物」という。)を水あるいは低級アルコール(例えばメタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノールなど)、あるいはそれらの混合溶媒(以後「溶媒等」という。)にて、(1)室温下、冷浸抽出であれば一昼夜、(2)沸騰水浴下熱時抽出であれば2〜3時間の抽出時間にて抽出する。なお、この際溶媒等は、被抽出物の10倍量(重量比)以上の溶媒量が用いられる。また、溶媒等は、水、低級アルコール若しくはその含水物ということもできる。なお、ここで低級アルコールとは、炭素数5以下のアルコールをいう。
そして、抽出液をろ別後、残渣に更に同量の溶媒を加え、同様の操作を2〜3回繰り返す。各操作毎に得られた抽出液を合わせて減圧下濃縮し、抽出物(抽出エキス)を得る。
この抽出物は、医薬的に受容可能な塩、賦形剤、保存剤、着色剤、矯味剤等と共に、医薬品又は食品の製造分野において公知の方法によって、液剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などの種々の形態で使用することができる。
以下、本発明を実施例により、さらに詳しく説明する。なお、本発明は実施例のものに限定されないことは言うまでもない。
[実施例1]ミョウガ新鮮花穂部の抽出
ミョウガ新鮮花穂部の冷凍保存品(280g)を室温にて解凍後、ジューサーミキサーに適量の局方エタノール(甘糟化学産業社製)を加えて粉砕し、被抽出物とした。この被抽出物に、溶媒等として総計で湿重量の約5倍量となる局方エタノール(約1.4L)を加え、加熱還流下し3時間抽出した。抽出液をひだ折りろ紙(アドバンテック社製、No.2ろ紙)にてろ別した後、残渣に新たな局方エタノールを加え同様の抽出操作を合計3回繰り返した。各抽出操作で得た抽出液を合わせ、ロータリーエバポレーターにて減圧下、溶媒留去し、エタノール抽出エキス(抽出物)5.5g(2.0%、新鮮花穂部からの収率)を得た。
[実施例2]エタノール誘発胃粘膜損傷モデルラットを用いた胃保護作用の検証
24〜26時間絶食させたSprague−Dawley系雄性ラット(体重約250g)に被験物質を経口投与し、1時間後に99.5%エタノール(1.5ml/匹)を経口投与した。1時間後にエーテル麻酔下、頚椎脱臼により安楽死させ、直ちに胃を摘出した。1.5%ホルマリン10mlを胃内に注入し固定した後、大彎に沿って切り開き、損傷の長さ(mm)を測定し、損傷係数とした(非特許文献3参照)。
被験物質は、本発明に係る胃粘膜保護剤(ミョウガ抽出物)と、予防的効果が期待される防御因子増強剤であるセトラキサートを用意した。それぞれ、ミョウガ投与群、セトラキサート投与群と呼ぶ。これに被験物質を何も与えないコントロールも実施した。これをコントロール群と呼ぶ。
ミョウガ投与群は、ミョウガ抽出物を125mg/kg与えたもの(ミョウガ125投与群と呼ぶ)、250mg/kg与えたもの(ミョウガ250投与群)、および500mg/kg与えたもの(ミョウガ500投与群)を作製した。
したがって、形成したサンプル群は、コントロール群、ミョウガ125投与群、ミョウガ250投与群、ミョウガ500投与群、セトラキサート投与群の5群である。各群はn=5で行った。
結果を表1および図1に示す。図1を参照して、横軸は各サンプル群であり、縦軸は各群の損傷係数を、コントロール群を100(%)とした時の割合で示したものである。横軸はサンプル群の名称と投与量(mg/kg)を示した。サンプル群では、コントロール群を「Control」とし、ミョウガ125投与群、ミョウガ250投与群、ミョウガ500投与群は、まとめて「ミョウガ花穂エタノール抽出エキス」とし、セトラキサート投与群は「セトラキサート」と示した。ミョウガを投与した群の区別は投与量で区別できる。なお、「*」はp<0.05であり、「**」はp<0.01を表す。
また、損傷係数(%)を100%から引いた値を抑制率(%)とする。抑制率は表1に示した。
図1および表1を参照して、コントロール群に対して、ミョウガ投与群は投与量が増えるに従い、損傷係数は低くなった。ミョウガ500投与群に至っては、抑制率が99.1%であった。一方、従来知られている防御因子増強剤であるセトラキサートは、抑制率が89.9%であった。
図2には、各群のマウスから摘出、固定した後、大彎に沿って切り開いた胃の写真である。図2(a)はコントロール群、図2(b)から図2(d)はそれぞれ、ミョウガ125投与群、ミョウガ250投与群およびミョウガ500投与群の代表的な写真である。マウスの胃は、噴門で食道を切除し、幽門で十二指腸を切除した。取り出した胃の幽門にハサミを入れ、大彎にそって噴門まで切り開いた。図2(a)に噴門の位置と幽門の位置を示す。
図2(a)を参照して、写真の濃い部分は胃体部の皺襞に沿って形成された損傷を表す。図2(a)では、損傷の代表的な箇所の1か所を矢印で示したが、矢印以外の部分でも多くの損傷が見受けられる。一方、図2(b)から図2(d)にかけて、この損傷は薄くなり、ミョウガ500投与群ではほぼ損傷は見えない。
以上のことより、本発明に係るミョウガ抽出物が、胃粘膜保護剤として有効であることがわかる。特に、エタノールを投与する前にミョウガ抽出物を与えた結果、エタノールによる損傷の発生を抑制していることから、胃粘膜保護剤として有効であることがわかる。
本発明に係る胃粘膜保護剤は、胃壁の保護用の薬剤として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. ミョウガの花穂部を水、低級アルコール若しくはその含水物により抽出して得られる抽出物を有効成分として含むことを特徴とする胃粘膜保護剤。
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