JP2019198820A - 微酸性次亜塩素酸水の製造方法、電解槽ユニットおよび製造装置 - Google Patents

微酸性次亜塩素酸水の製造方法、電解槽ユニットおよび製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 単位電解槽において電解生成された水素や発生する熱に起因した電極の劣化を防止するとともに、水素を安全に排出することが可能な水溶液の製造方法を提供すること。【解決手段】 本開示は、少なくとも遊離次亜塩素酸が含まれる水溶液の製造方法を提供する。製造方法は、混合室内で塩素イオン含有溶液に気体を混和する工程と、空気または酸素を含む気体が混和された塩素イオン含有溶液を、電解槽20内に設けられた各単位電解槽31に下部から供給する工程とを含む。製造方法は、また、複数の電極24間に電流を印加し、各単位電解槽31に供給される塩素イオン含有溶液中の塩素イオンを電解酸化し、単体塩素を発生させ、次亜塩素酸を含んだ電解液を生成する工程を含む。また、製造方法は、各単位電解槽31の上部から、混和された気体とともに電解生成された水素が混合された電解液を排出する工程と、排出された電解液を水と混合し希釈する行程を含む。【選択図】 図2

Description

本発明は、少なくとも遊離次亜塩素酸を含む水溶液の製造方法、電解槽ユニットおよび水溶液の製造装置に関する。本発明は、より詳細には、塩素イオンを含有する溶液を電解することで、少なくとも遊離次亜塩素酸を含む水溶液を製造する製造方法、該水溶液を製造するために用いられる電解槽ユニットおよび該水溶液を製造するための製造装置に関する。
塩素イオンを含有する溶液、例えば塩酸単独、塩酸と塩化ナトリウムまたは塩化カリウムなどの混合溶液を所定の条件で電気分解し、希釈して、遊離次亜塩素酸を含む水溶液を生成する技術が知られている。この水溶液は、遊離次亜塩素酸が殺菌成分としてはたらき、幅広い微生物などに対して殺菌効果を示すため、広い分野で利用されている。上述した遊離次亜塩素酸を含む水溶液の中でも、塩酸のみを原料として生成される微酸性次亜塩素酸水は、食品添加物の殺菌料にも指定されており、以下のような多くの優れた特徴を備えていることが知られている。
すなわち、微酸性次亜塩素酸水は、(1)原料に塩類を含まないために、金属イオンによる発錆および金属腐食を起こしにくいという特徴、(2)乾燥残渣が発生せず、機器や設備に汚れを残さないという特徴、(3)殺菌スペクトルが広く、細菌、細菌芽胞、真菌、原虫、ウイルスなど殆どの微生物に効果を示すという特徴、(4)空気などの消臭効果があるという特徴、(5)食品などに直接使用しても、食品の味、触感、外観に影響を与えないという特徴、(6)殺菌後の水濯ぎを必要としないため、作業時間短縮、節水などの利点を有するという特徴、および、(7)人に対して毒性が無いという特徴を有する。
そのため、利用分野は極めて広範囲にわたっており、食品加工分野(牛乳・乳製品、飲料、酒類、菓子、惣菜、水産加工、農畜産加工など)、医療介護分野、スポーツやレジャー遊戯施設、農水産分野(水稲栽培、果樹園芸、野菜栽培工場、畜産養鶏、水産養殖等)、さらに、一般家庭の衛生管理などにおいても、安全で効果的な殺菌剤として利用されている。
微酸性次亜塩素酸水の生成は、塩酸など塩素イオンを含有する溶液を無隔膜電解槽で電解し、得られた電解液を水で希釈することによって行われる。この生成技術において、考慮すべき点として、電気分解における、供給電気エネルギーに対する塩素の発生効率、電極の寿命および装置の安全性を挙げることができる。
塩素の発生効率は、電解槽の物理的構造と、電極の反応面の材質および微細構造によって実現される物理的および化学的特性に大きく依存することが知られており、一般に、これまでの知見を参考にして最適な構造が選択されている。
電極の寿命は、触媒の材質や微細構造や電極製法の他に、電解条件にも大きく依存しており、それらを考慮した電解条件を選ぶことが望ましいとされている。
また、電極劣化の主要な要因として、陰極面で発生する水素ガスの影響が考えられる。高濃度の水素ガスは、特にチタンを材料とした電極に吸収されやすく、金属との合金をつくることが知られている。陰極面で合金が生成されると、2つの理由で電解効率が悪化すると考えられる。第1に、合金が作られることにより、その面の電気抵抗が高くなると共に、反応触媒機能も低下し、電力エネルギーのロスとなる点である。第2に、電極が、膨張変形する点である。
特に複極式電極を用いる場合、電極の表裏で発生する物質が異なり、水素が陰極面で生成されることになるので、水素の電極面での吸蔵のほとんどが陰極作用面で起きることになる。このため、陰極面は膨張し、結果として、電極は、陰極作用面を凸状に、陽極作用面を凹状になるように湾曲変形することになる。複数の電極の構造や配置は、物質の電解発生効率を配慮して設計されるところ、上述したような電極の変形が発生することにより、立体構造が設計値から外れ、電解効率が顕著に悪化し、これが寿命短縮の一原因となる。
そのほかの寿命に影響する物理的条件の1つとしては、電解によって発生する熱がある。電極の温度上昇を極力抑制することが電極寿命に好適であることは広く知られている。
装置の安全性に関しては、さらに、電解生成される水素ガスを配慮する必要がある。水素ガスは殆ど水に溶解しないため、発生したほぼ全量が純粋な水素ガスの状態で外部に排出される。空気と混合し、水素ガスの体積比率が4%を超すと可燃性を持つため、より安全な濃度にして排出することが重要である。
上述した電解効率に関連しては、特開2003−62576号公報(特許文献1)が知られている。特許文献1は、煩雑なメンテナンス作業を行うことなく、カソードに付着する水酸化マグネシウムなどの付着物を取り除くことを目的とした技術を開示する。特許文献1の従来技術は、被処理水に浸漬されたアノードとカソード間に電流を流し、電解によって被処理水中に次亜塩素酸を発生させる次亜塩素酸発生装置において、被処理水中に気泡を発生するための気泡発生装置をカソードの下側に設け、この気泡発生装置が発生した気泡をカソードの表面に沿って上昇させることを特徴とする。
しかしながら、特許文献1の従来技術は、気泡による攪拌効果により水酸化マグネシウムなどの付着物の除去を狙ったものであり、電解槽内で気泡を発生させいるため、充分に均一に気体が混和しない。したがって、電極で発生した水素が電極に吸蔵されてしまい電極の寿命が短くなってしまうことを充分に防止することができるものではなかった。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、本発明は、単位電解槽において電解生成された水素や電解によって発生する熱に起因した電極の劣化を防止するとともに、発生した水素を安全に排出することが可能な製造方法、電解槽ユニットおよび製造装置を提供することを目的とする。
本発明者は、寿命を迎えた複数の電極板について、その状態を観察するとともに、使用期間、電解条件などを調査し、それぞれの使用条件と各電極の状態を照合することで、寿命に影響する原因の推定およびその対策の検討を行った結果、各単位電解槽に供給される前の塩素イオン含有溶液に、混合室内で空気などの気体を混和した後、各単位電解槽に供給することで、電解生成された水素や発生した熱に起因した電極劣化の防止が可能となるとともに水素の安全な排出が可能となることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明によれば、上記課題を解決するために下記特徴を有する、少なくとも遊離次亜塩素酸が含まれる水溶液の製造方法が提供される。本製造方法は、混合室内で塩素イオン含有溶液に気体を混和する工程と、気体が混和された塩素イオン含有溶液を、電解槽内に設けられた各単位電解槽に下部から供給する工程とを含む。本製造方法は、さらに、複数の電極間に電流を印加し、各単位電解槽に供給される塩素イオン含有溶液中の塩素イオンを電解酸化し、単体塩素を発生させ、次亜塩素酸を含んだ電解液を生成する工程と、各単位電解槽の上部から、混和された気体とともに電解生成された水素が混合された電解液を排出する工程と、排出された電解液を水と混合し希釈する行程とを含む。
好適な実施形態では、電解槽は、複数の板状電極が平行に配置され、両最外側の2枚の板状電極には給電結線され、前記両最外側の給電結線された2枚の板状電極の間に少なくとも1枚の非給電結線の板状電極が、それぞれ平行に配置された複極式電解槽である。複数の板状電極の間隙に構成される単位電解槽それぞれに、空気又は酸素を含む気体が混和された塩素イオン含有溶液が供給され、各単位電解槽それぞれから、電解物と混和された気体との混合物が排出される。
さらに好適な実施形態では、板状電極は、水素を吸蔵する性質を有する材料を含む基材で形成されており、混和された気体は、空気である。
また、特定の実施形態では、板状電極は、チタン、またはチタンを含む合金を含む基材で形成されたものである。
また、さらに、好ましい実施形態では、混和する工程では、混合室内に設けられた多孔質フィルム、多孔質焼成体または多孔質樹脂を介して気体が塩素イオン含有溶液に分散注入される。
特定の実施形態では、混合室は、電解槽の外部に設けられており、気体が分散注入された塩素イオン含有溶液が、混合室から電解槽の下部に設けられた液溜り部に送液され、液溜り部から各単位電解槽に供給される。
別の特定の実施形態では、混合室は、電解槽の下部に設けられた液溜り部であり、気体が分散注入された塩素イオン含有溶液が、液溜り部から各単位電解槽に供給される。
1または複数の実施形態では、塩素イオン含有溶液が、塩化水素、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムからなる群から選択された1または複数の物質が溶解した水溶液であることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、さらに、下記特徴を有する、電解槽ユニットを提供することができる。本電解槽ユニットは、電解槽と、電解槽の内部または外部に設けられ、供給された塩素イオン含有溶液と気体とを混和するための混合室とを含む。電解槽ユニットは、電解槽内に設けられる複数の電極をさらに含む。電解槽ユニットは、また、電解槽内の下部に設けられ、上記混合室で気体が混和された塩素イオン含有溶液を、各単位電解槽に供給するための供給口を含む。さらに、電解槽ユニットは、電解槽内に設けられ、各単位電解槽に供給される塩素イオン含有溶液中の塩素イオンが電解酸化されて生成した、次亜塩素酸を含む電解液であって、混和された気体および電解生成された水素が混合された電解液を、各単位電解槽から排出するための排出口を含む。
好適な実施形態では、電解槽は、複数の板状電極が平行に配置され、両最外側の2枚の板状電極には給電結線され、両最外側の給電結線された2枚の板状電極の間に少なくとも1枚の非給電結線の板状電極が、それぞれ平行に配置された複極式電解槽である。複数の板状電極の間隙に構成される単位電解槽それぞれに、空気又は酸素を含む気体が混和された塩素イオン含有溶液が供給され、各単位電解槽それぞれから、電解物と混和された気体との混合物が排出される。
さらに好適な実施形態では、板状電極は、水素を吸蔵する性質を有する材料を含む基材で形成されており、混和された気体は、空気である。
本発明によれば、さらに、上述した電解槽ユニットを含み、下記特徴を有する、少なくとも遊離次亜塩素酸が含まれる水溶液の製造装置を提供する。本製造装置は、複数の電極間に直流電流を印加するための電源装置と、電解槽ユニットの電解槽の内部または外部に設けられ、電解槽と開口を介して連通し、開口から排出された電解液を水と混合し希釈するための希釈槽をさらに含む。本製造装置は、希釈槽から少なくとも遊離次亜塩素酸が含まれる水溶液を取り出すための取出口を含む。
また、さらに、好ましい実施形態では、製造装置は、混合室内に設けられた、塩素イオン含有溶液に気体を分散注入するための多孔質フィルム、多孔質焼成体または多孔質樹脂をさらに含む。
特定の実施形態では、混合室は、電解槽の外部に設けられ、電解槽は、電解槽の下部に設けられ、混合室から送液される、気体が混和された塩素イオン含有溶液を受け入れる液溜り部をさらに含む。気体が分散注入された塩素イオン含有溶液が、液溜り部から各単位電解槽に供給される。
別の特定の実施形態では、混合室は、電解槽の下部に設けられた液溜り部である。気体が分散注入された塩素イオン含有溶液が、液溜り部から各単位電解槽に供給される。
上記構成により、単位電解槽において電解生成された水素や電解によって発生する熱に起因した電極の劣化を防止するとともに、発生した水素を安全に排出することが可能となる。
微酸性次亜塩素酸水製造装置の実施形態を示す図。 微酸性次亜塩素酸水製造装置における電解槽ユニットの実施形態を示す図。 微酸性次亜塩素酸水製造装置における空気混和部の実施形態を示す図。 微酸性次亜塩素酸水製造装置における電解槽ユニットの他の実施形態を示す図。 微酸性次亜塩素酸水の製造方法の実施形態を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は、これらの図面に示される特定の実施形態に限定されるものではない。
図1は、微酸性次亜塩素酸水を生成する製造装置(以下、単に製造装置として参照する。)の実施形態を示す図である。
図1に示す製造装置50は、内槽20と、内槽20の外側に設けられ、内槽20を囲むように構成された外槽32とを含む二重殻構造電解槽40を含み構成される。
内槽20は、電気分解により次亜塩素酸を含有する電解液を生成するための電解槽としてはたらく。内槽20内で生成された高濃度の次亜塩素酸を含有する電解液は、内槽20の天井に設けられた開口28から内槽20の外側にある外槽32内へ排出される。外槽32は、内槽20に開口28介して連通しており、生成された電解液を希釈するための希釈槽としてはたらく。外槽32内には、生成された電解液を希釈すると共に内槽20を冷却するための水(以下、希釈水として参照する)が満たされている。外槽32には、希釈水供給口33が設けられており、希釈水供給口33から供給される希釈水34は、外槽32内に浸漬された内槽20を冷却しながら電解液を希釈する。
そして、希釈された電解液は、所定の次亜塩素酸濃度および所定のpHとされて、取出口35を介して、微酸性次亜塩素酸水36として二重殻構造電解槽40外部に排出される。
ここで、微酸性次亜塩素酸水とは、次亜塩素酸水(塩酸または塩化ナトリウム水溶液を電解することにより得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液)の一種であって、塩酸および必要に応じ塩化ナトリウム水溶液を加え適切な濃度に調整した水溶液を無隔膜電解槽内で電解して得られた水溶液をいう。なお、微酸性次亜塩素酸水の有効塩素濃度の範囲は10〜80mg/Lであり、pHの範囲は、5.0〜6.5とされている。
図1に示す製造装置50は、さらに、空気混和部10を含み構成される。原料である塩化水素溶液は、原料タンク1に貯留されており、原料供給管2および原料供給ポンプ3を使用して空気混和部10に供給される。同時に、空気が空気吸入管5および送気ポンプ6を使用して空気混和部10に導入される。空気混和部10は、原料と空気とを混和するための混合室を備え、原料タンク1から供給された塩化水素溶液に対する空気の分散注入が行われる。空気混和部10内で空気が分散注入された塩化水素溶液は、空気原料供給管7を介して、二重殻構造電解槽40に設けられた原料供給口30から、その内部の内槽20に供給される。
図1に示す製造装置50は、さらに、電源装置41と、電流計42と、制御装置43とを含んで構成される。電源装置41は、二重殻構造電解槽40の給電端子29に電気的に接続されており、二重殻構造電解槽40内部の内槽20に直流電流を印加する。電流の値は、電流計42によって測定される。電流計42で測定された電流値は、制御装置43に与えられる。制御装置43は、電流値の変動に応じて、連続的に電気分解を行う場合の原料供給ポンプ3および送気ポンプ6の動作を制御することができる。例えば、制御装置43にあらかじめ電流値の範囲を設定しておき、測定した電流値が設定値未満の場合には、原料供給ポンプ3および送気ポンプ6を動作させて原料および空気の供給を開始させる。また、測定した電流値が設定値を超えた場合には、原料供給ポンプ3および送気ポンプ6を停止し、原料および空気の供給を停止する。あるいは、他の実施形態では、制御装置43は、送気ポンプ6の動作を継続する一方で、電流値の変動に応じて原料供給ポンプ3の動作を制御してもよい。例えば、測定した電流値が設定値を超えた場合には、原料供給ポンプ3を停止し、原料の供給を停止する一方で、送気ポンプ6の動作を継続し、空気の供給を継続することができる。これによって、連続的に電気分解を行う場合であっても、電気分解の速度を一定に保つことができる。
図1中では、空気混和部10および内槽20内部の構造が省略されているが、これらについては、図2および図3を参照しながら後述する。なお、図1に示す内槽20および空気混和部10を含むユニットを、以下、本実施形態における電解槽ユニット60と参照する。
以下、図2を参照しながら、図1に示した製造装置50における電解槽ユニット60の実施形態について説明する。図2に示す電解槽ユニット60は、塩化水素溶液と空気を電解槽外で、電解槽に注入される直前に混合する一態様である。図2(A)は、電極面に対し平行な面での内槽20の断面図を示す。図2(B)は、電極面に対し垂直な面での内槽20の断面図を示す。図2(A)にある切断線X−X’は、図2(B)に示す断面に対応し、図2(B)にある切断線Y−Y’は、図2(A)に示す断面に対応する。
図2(A)および図2(B)に示すように、内槽20は、互いに面を対向させて平行に設けられる複数の電極24を含み構成されている。両最外側にある2枚の電極24には、給電結線され、図1に示した電源装置41から給電端子29を介して電解電流が供給されており、複数の板状電極が平行に設けられた複極式の無隔膜電解槽を形成する。
両最外側にある給電結線された2枚の電極の間に少なくとも1枚の非給電結線の電極板がそれぞれ平行に配置される。そのように構成し、両最外側の板状電極に直流電流を印加することにより、複数の板状電極24のうちの給電結線されていない中間の板状電極は、全て、片面が陽極、反対面が陰極として作用し、これらの間に単位電解槽31が構成される。なお、電極24は、説明する実施形態では、平板電極であるものとするが、電極24は、平行とされ、均一な電界を形成することができる限り平板に限定されるわけではなく、平行曲面を形成する形状とされていても良い。
電極24は、電極基材を含む。本実施形態は、電極基材が水素を吸蔵する性質を有する材料を含む基材である場合に有用である。そのような水素を吸蔵する性質を有する電極基材としては、チタン、またはチタンを含む合金を含む材料を挙げることができる。電極基材の陽極面は、酸化イリジウムを含む材料で形成することができる。電極基材の陰極面は、無処理で電極基材そのものであってもよいし、白金族の金属を含む物質の被覆を有していてもよい。
内槽20は、平行等間隔に配設された複数の電極24を固定するために、底部囲繞枠21と、天井囲繞枠25とともに、電極24の周囲端面全体を電極端面に密着して囲繞する絶縁性の枠構造を形成する。内槽20は、底部囲繞枠21および天井囲繞枠25を水密に保持し、電極24の側端を保持しており、電解液を希釈水から隔離している。底部囲繞枠21および天井囲繞枠25は、電極24の上端および下端を保持する。
説明する実施形態において、隣り合う電極2枚、内槽20の壁面、底部囲繞枠21および天井囲繞枠25により、枠構造で囲繞された各直方体空間(単位電解槽31)が構成される。単位電解槽当たりに印加する電圧は、塩素の発生効率を高め、かつ、副生成物が発生することによる品質低下を防止する観点から、好ましくは0.5V以上、6.0V以下、より好ましくは、1.5V以上、4.0V以下とすることができる。電流密度は、単位面積当たりの電解量の減少や装置の大型化を防止し、かつ、電極の消耗を抑制する観点から、好ましくは0.05mA/mm以上、1.0mA/mm以下、より好ましくは0.2mA/mm以上、0.6mA/mm以下とすることができる。電極間隔は、電気分解の際に発生した気泡を分離しやすくし、かつ、電力効率の悪化を防止する観点からは、好ましくは0.5mm以上、10mm以下とすることができ、より好ましくは、1mm以上、8mm以下である。単位電解槽の数は、特に限定されるものではなく、適宜、生産能力に合わせて必要な数を設けることができる。
内槽20の各直方体空間において、原料を供給するための個別原料供給開口22が底部囲繞枠21に設けられ、電解液を排出するための個別電解液排出口26が天井囲繞枠25に設けられる。個別原料供給開口22および個別電解液排出口26の径は、特に制限されるものではなく、その数も単位電解槽あたり1つでも複数でもかまわないが、好ましくは、それぞれ、総開口面積で電極の有効片面面積の所定割合となるように数およびサイズを設定することができる。
内槽20の底部囲繞枠21の下側には液溜り部23が形成され、液溜り部23には空気混和部10から、空気原料供給管7を介して、空気混和原料が供給される。液溜り部23に供給された空気混和原料は、個別原料供給開口22から各単位電解槽31内に供給される。液溜り部23を介して供給することで、各単位電解槽への原料および空気の供給量が均等になるようにされている。
なお、単位時間に単位電解槽の単位容積当たりに供給される純塩化水素ミリモル数(塩化水素供給量)は、電力の損失による電力効率の低下を防止し、かつ、塩素の変換率の低下を防止する観点からは、好ましくは0.0006mMol/hmm以上、0.013mMol/hmm以下、より好ましくは0.0013mMol/hmm以上、0.0063mMol/hmm以下とすることができる。
単位電解槽31に供給された空気混和原料は、単位電解槽31を鉛直上方向に移動する間に電解され、単位電解槽31それぞれを通過してきた電解液が個別電解液排出口26から排出される。原料に含まれる塩素イオンは、各単位電解槽を通過する間に電解され、最終的に次亜塩素酸HOClと少量の塩化水素HClに変化する。
複数の個別電解液排出口26は、その上部に形成された共通排出路27へと、間隙を通過してきた電解液を排出する。この共通排出路27は、各単位電解槽の出口圧を均等化させることを可能とし、単位電解槽ごとの液流量を均一化させるバッファ通路を提供する。電解液は、この共通排出路27を通して個別電解液排出口26よりも大面積で内槽20に形成された開口28から外槽32内の希釈水を流通させる部分に排出される。
上記排出される電解液には、電極24の陰極として作用する面で電解生成された水素ガスが混合されている。この発生した水素ガスは、原料と共に送り込まれた空気と混合され、燃焼濃度以下になり、個別電解液排出口26および開口28を経て排出され、そこを流下する希釈水に混合される。電解液は、外槽32内で希釈水により希釈された後、取出口35から微酸性次亜塩素酸水36として排出される。
上述した複極式電極は、電極の構造を単純化しながら、陽極および陰極で適切な電気分解特性を提供することを可能とし、電解効率を改善し、微酸性次亜塩素酸水の生成効率を向上させることができるという利点がある。
以下、図3を参照しながら、製造装置50における空気混和部10の実施形態について説明する。図3に示すように製造装置50における空気混和部10は、原料空気混合室11と、原料空気混合室11内に設置された分散注入ユニット12とを含んで構成される。
図3に示すように、原料16は、原料供給ポンプ3によって、原料供給管2から原料供給口を介して原料空気混合室11に送られる。一方、原料空気混合室11に設置されている分散注入ユニット12には送気ポンプ6によって空気吸入管5から空気供給口を介して空気17が送り込まれる。
分散注入ユニット12には、多孔質PTFE(PolyTetraFluoroEthylene)フィルム14が組み込まれている。多孔質PTFEフィルム14は、フィルム固定枠13に張られており、フィルム固定枠13は、分散注入ユニット12に取り付けられる。多孔質PTFEフィルム14は、その両面が樹脂多孔板15によって挟まれて、固定される。空気吸入管5から送り込まれた空気17は、多孔質PTFEフィルム14を通過するときに原料内に分散注入されて、微細気泡17’となる。そして、微細気泡が混和された原料18は、空気原料供給管7を介して、図2に示した液溜り部23に送液され、そこから各単位電解槽へ個別原料供給開口22を経て供給される。
なお、微細気泡を混和する観点からは、好適には、多孔質PTFEフィルム14などの多孔質フィルムを採用することができるが、これに限定されるものではない。他の実施形態では、多孔質PTFEフィルム14に代えて、または多孔質PTFEフィルム14と共に、焼結多孔質体や多孔質樹脂などを用いた多孔質散気ボールなどを用いてもよい。
図4は、製造装置50における電解槽ユニットの他の実施形態を示す。図4に示す電解槽ユニット60は、原料と空気とを電解槽内部の液溜り部23で間隙に供給する直前に混合する一態様であり、分散注入ユニット12が二重殻構造電解槽40内に組み込まれている。図4は、電極面に対し平行な面での二重殻構造電解槽40の断面図を示す。なお、図4に示す実施形態は、図1〜図3を参照して説明した実施形態と共通する部分があるので、以下、相違点を中心に説明し、特段の説明がない限り、図1〜図3を参照して説明した実施形態と同様であるものとする。
図1〜図3を参照して説明した実施形態では、原料と空気とを混和するための原料空気混合室11および分散注入ユニット12は、二重殻構造電解槽40外部の空気混和部10に設けられていた。一方、図4に示す実施形態では、内槽20の底部囲繞枠21の下側に形成された液溜り部23が、原料空気混合室11としてはたらき、分散注入ユニット12は、この液溜り部23内に設けられている。この変更に起因して、二重殻構造電解槽40に設けられた原料供給口30には、原料である空気混和前の塩化水素溶液が供給される。
また、二重殻構造電解槽40には、内槽20に設けられた分散注入ユニット12に連通する空気供給口61が設けられている。この空気供給口61には、空気が、空気吸入管5および送気ポンプ6を使用して供給される。液溜り部23内では、空気が分散注入ユニット12に送られ、供給された原料に対する空気の分散注入が行われ、空気混和原料は、個別原料供給開口22から各単位電解槽31内に供給される。液溜り部23で空気を混入するとともに、液溜り部23を介して供給することで、反応が行われる間隙により近い位置で混和することで、各単位電解槽への原料および空気の供給量をより一層均等になるようにすることができる。生成された電解液は、個別電解液排出口26および開口28を通って内槽20外に排出され、そこを流下する水と混合される。
以下、図5を参照しながら、上述した実施形態による二重殻構造電解槽40を用いて微酸性次亜塩素酸水を製造する製造方法について説明する。
図5に示す製造方法は、工程S100から開始され、工程S101では、制御装置43は、電極間に対する電解電流の印加を開始する。
工程S102では、制御装置43は、ポンプ始動条件を満たすか否かを判定し、満たすまで待ち受ける。例えば、制御装置43は、電流計42によって測定された電流値を読み取り、電流値があらかじめ設定された設定値未満であるか否かを判定することにより、ポンプ始動条件を満たすか否かを判定することができる。工程S102で、例えば設定値未満であることで、ポンプ始動条件を満たすと判定された場合(YES)は、工程S103へ処理が進められる。
工程S103では、制御装置43は、原料供給ポンプ3および送気ポンプ6を動作させて原料および空気の供給を開始する。工程S103のポンプ始動に応答して、工程S200から工程S205の各工程が行われる。なお、S200〜S205は、処理対象である原料に注目して説明するものである。
工程S200では、ポンプ始動に応じて、分散注入ユニット12内で、原料である塩素イオン含有溶液に空気が混和される。好ましくは、工程S200では、多孔質フィルムを介して塩素イオン含有溶液に空気が注入分散される。工程S201では、ポンプ動作により、空気が混和された原料が内槽20に供給される。工程S202では、ポンプ動作により、空気混和原料が、液溜り部23から、個別原料供給開口22を経て内槽20の下部から、内槽20内に面を対向して設けられた複数の電極24間の単位電解槽31に供給される。
工程S203では、空気混和原料が単位電解槽31を通過した際に、複数の電極24間に電流が印加されていることに応じて、電極24の陽極面で原料中の塩素イオンが電解酸化されるとともに、陰極面で水素ガスが発生する。工程S204では、混和された気体とともに電解生成された水素ガスが混合された電解液が電極24間の単位電解槽31から排出されて、外槽32内で希釈水により希釈される。
工程S205では、余分な気体を分離しながら、生成された微酸性次亜塩素酸水36が取出口35を介して二重殻構造電解槽40から排出される。
ここで、上述した工程S103の続きを説明すると、工程S104では、制御装置43は、ポンプ停止条件を満たすか否かを判定し、満たすまで待ち受ける。例えば、制御装置43は、電流計42によって測定された電流値を読み取り、電流値があらかじめ設定された設定値を超えるか否かを判定することにより、ポンプ停止条件を満たすか否かを判定することができる。工程S104で、例えば設定された設定値を超えることで、ポンプ停止条件を満たすと判定された場合(YES)は、工程S105へ処理が進められる。
工程S105では、制御装置43は、原料供給ポンプ3および送気ポンプ6を停止し、原料および空気の供給を停止し、工程S102へ戻す。なお、他の実施形態では、工程S105で、原料供給ポンプ3を停止し、原料の供給を停止する一方で、送気ポンプ6の動作を継続し、空気の供給を継続してもよい。これによって、連続的に電気分解を行う場合であっても、電気分解の速度を一定に保つことができる。
以上説明した実施形態によれば、電極の間隙において電解生成された水素や電解によって発生する熱に起因した電極の劣化を防止するとともに、発生した水素を安全に排出することが可能な製造方法、電解槽ユニットおよび製造装置を提供することができる。
空気混和を行わず電解を行って、寿命が終了した電極板を電解槽から取り外して観察すると、原料供給口から上部の排出口を結んだ上下方向の中央線を峯とし、陰極面を凸側とするU字樋型の湾曲変形が目視により確認された。また、電極板の陽極作用面を観察すると、上記変形に符合するように、中央線の両側近傍領域が、その左右両外側領域に比べ劣化消耗が激しかった。
そのことから、単位電解槽に供給された新しい原料液の流れが中央部に偏っていることによって、中心線近傍領域は両外側領域より電流密度が高く、それが原因で、中央部分の触媒層の消耗劣化が進み電解性能の劣化が早まったものと推察された。同時に、陰極作用面上の液体の流動パターンが、陽極側とほぼ同じであるため、電流密度は中心線近傍領域が最も高く、両外側方向に徐々に低下しており、それに従って水素の発生量も同じ様相で分布し、それによってもたらされる水素吸蔵も同様に中央部が最も激しいものと推測された。そして、上記電極の湾曲変形は、このような機序に従って起こるものと推測された。
ところで、生成装置を産業で利用する場合、生成水の生成コストは重要な評価要素である。生成水の生成コストを構成している主な要素は、原料、水、電気の消費量および製造装置の維持管理費用である。このうち原料と水のコストは生成量に付随して必然的に発生するもので避けようの無い従量費用である。一方、製造装置の維持管理費用と電気の消費量は技術に依存して変化する。維持管理費用は、電極寿命と関連し、電解槽内の複数の電極の構造や配置は、物質の電解発生効率を配慮して設計されるところ、電極の変形が発生すると、立体構造は当初の設計値から外れ、電解効率が極端に悪化し、寿命短縮の原因となる。
これに対し、上述した実施形態では、混和した気体により電解で発生した水素を希釈し、水素の実質的な濃度を低くすることで、電極の陰極面での水素吸蔵が抑止される。それに加え、注入された空気中の酸素によって、チタン電極の陰極面の還元による純チタン化を抑え酸化膜を形成することによって、さらに水素吸蔵やチタン溶出劣化を抑えることができる。ひいては、電極の変形を防止することが可能となり、電極寿命が延長される。特に、気体の混和が混合室で行われるので、電解槽内部で気泡を発生させる場合と比較して、原料に効率的に溶け込ませることが可能であり、微細発泡も均一に原料中に混合される。また、気体の混和を混合室で行うことで、混合の仕方の自由度を高くすることもできる。
さらに、複極式の電解槽においては、電極の両面が陰極および陽極の作用面となるので、陰極での水素の発生に起因した変形は、電極間の平行に並んだ状態を崩すので、隣の単位電解槽の陽極に悪影響を与え、その対向する陰極面の変形にも悪影響を与え得る。このような複極式の電解槽において、水素吸蔵を防止し、水素発生に起因した湾曲変形を防止することにより、複数の電極全体の長寿命化を図ることができる。
さらに上述した実施形態では、混入した気体により、電解槽内の溶液の撹拌効果が得られ、また、一部の液体が気泡内に気化することによる気化熱で、電解槽内部が冷却されるという効果も期待できる。これにより、電極で発生した熱は効果的に吸収され、電極の温度上昇は抑えられ、電極の寿命短縮を避けることが可能となる。
また、上述した実施形態では、混入した気体により、電解により発生した水素が希釈され、好適には燃焼点以下の濃度に希釈されるので、別途の水素の希釈処理を行わなくとも、燃焼の危険性なく排気することができる。
さらに、電解効率と電極寿命の面から、電極近辺の原料液の成分濃度分布を考察すると、できるだけ濃度の偏りが無いようにすることが有利である。しかし、実際は電極や電解槽の構造に依存し、液体は流れの抵抗がより小さくかつ流路の短い経路を選んで流れるため、電極面で濃度のムラが発生している。濃度ムラが生じると、電流は濃度の高い部分に偏り、電極の面積効果が生かされず、全体の電解効率が低下するのみならず、電極の偏った消耗が進行する。その結果、電極の寿命を著しく縮めることになる。
これに対し、上述した実施形態では、気体を混和した原料を電解槽に供給し電解することとしたので、それによって、含まれる気泡により、電解槽内の原料液体が効果的に撹拌され、電極部位での原料成分濃度の偏りが解消されることも期待される。これにより、電極面の電流密度むらが解消され、それによって電極消耗の偏在集中が解消され、さらに電極寿命を延長することが可能になる。
これまで説明してきたように、本発明によれば、微酸性次亜塩素酸水を安定かつ効率的に生成することができる。また、その技術は家庭用の小規模な生成装置から、事業者用の大規模な生成装置まで、幅広く応用することができる。
なお、上述した実施形態では、原料である塩素イオン含有溶液として、塩化水素水溶液を例示したが、塩酸に限定されるものではなく、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの溶液であってもよいし、それらの混合物でも良い。また、原料に安価な空気を混和するものとして説明したが、空気に限定されるものではなく、酸素を含む気体などを混和する態様としてもよい。また、次亜塩素酸水の製造について説明したが、少なくとも遊離次亜塩素酸が含まれる水溶液一般に拡張することができる。
以上、本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が推考しうる実施態様の範囲内において、本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1…原料タンク、2…原料供給管、3…原料供給ポンプ、5…空気吸入管、6…送気ポンプ、7…空気原料供給管、10…空気混和部、11…原料空気混合室、12…分散注入ユニット、13…フィルム固定枠、14…多孔質PTFEフィルム、15…樹脂多孔板、16…原料、17…空気、17’…微細気泡、18…微細気泡が混和された原料、20…内槽、21…底部囲繞枠、22…個別原料供給開口、23…液溜り部、24…電極、25…天井囲繞枠、26…個別電解液排出口、27…共通排出路、28…開口、29…給電端子、30…原料供給口、31…単位電解槽、32…外槽、33…希釈水供給口、34…希釈水、35…取出口、36…微酸性次亜塩素酸水、40…重殻構造電解槽、41…電源装置、42…電流計、43…制御装置、50…製造装置、60…電解槽ユニット、61…空気供給口
特開2003−62576号公報

Claims (9)

  1. 混合室内で塩素イオン含有溶液に気体を混和する工程と、
    気体が混和された塩素イオン含有溶液を、電解槽内に設けられた各単位電解槽に下部から供給する工程と、
    複数の電極間に電流を印加し、各単位電解槽に供給される塩素イオン含有溶液中の塩素イオンを電解酸化し、単体塩素を発生させ、次亜塩素酸を含んだ電解液を生成する工程と、
    各単位電解槽の上部から、混和された気体とともに電解生成された水素が混合された電解液を排出する工程と、
    排出された電解液を水と混合し希釈する工程と
    を含む、少なくとも遊離次亜塩素酸が含まれる水溶液の製造方法。
  2. 前記電解槽は、複数の板状電極が平行に配置され、両最外側の2枚の板状電極には給電結線され、前記両最外側の給電結線された2枚の板状電極の間に少なくとも1枚の非給電結線の板状電極が、それぞれ平行に配置された複極式電解槽であり、前記複数の板状電極の間隙に構成される単位電解槽それぞれに、空気又は酸素を含む気体が混和された塩素イオン含有溶液が供給され、各単位電解槽それぞれから、電解物と前記混和された気体との混合物が排出される、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記板状電極は、チタン、またはチタンを含む合金を含む基材で形成されたものである、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記混和する工程では、前記混合室内に設けられた多孔質フィルム、多孔質焼成体または多孔質樹脂を介して気体が塩素イオン含有溶液に分散注入されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記混合室は、前記電解槽の外部に設けられており、気体が分散注入された塩素イオン含有溶液は、前記混合室から前記電解槽の下部に設けられた液溜り部に送液され、前記液溜り部から各単位電解槽に供給される、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記混合室は、前記電解槽の下部に設けられた液溜り部であり、気体が分散注入された塩素イオン含有溶液が、前記液溜り部から各単位電解槽に供給される、請求項4に記載の製造方法。
  7. 前記塩素イオン含有溶液が、塩化水素、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムからなる群から選択された1または複数の物質が溶解した水溶液であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 電解槽と、
    前記電解槽の内部または外部に設けられ、供給された塩素イオン含有溶液と気体とを混和するための混合室と、
    前記電解槽内に設けられた複数の電極と、
    前記電解槽内の下部に設けられ、前記混合室で気体が混和された塩素イオン含有溶液を、各単位電解槽に供給するための供給口と、
    前記電解槽内の上部に設けられ、各単位電解槽に供給される塩素イオン含有溶液中の塩素イオンが電解酸化されて生成した、次亜塩素酸を含む電解液であって、混和された気体および電解生成された水素が混合された電解液を各単位電解槽から排出するための排出口と
    を含む、電解槽ユニット。
  9. 請求項8に記載の電解槽ユニットと、
    複数の電極間に直流電流を印加するための電源装置と、
    前記電解槽ユニット内の前記電解槽の内部または外部に設けられ、前記電解槽と開口を介して連通し、前記開口から排出された電解液を水と混合し希釈するための希釈槽と、
    前記希釈槽から少なくとも遊離次亜塩素酸が含まれる水溶液を取り出すための取出口と
    を含む、水溶液の製造装置。
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