JP3727579B2 - 水熱電気分解反応装置及び電極 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有害物質、廃棄物、悪臭ガス含有気体、有害ガス含有気体、濃厚廃液、難分解性産業廃液、塩類含有有機性廃液などの処理に利用することのできる、電気分解と水熱反応とを同時に行うための水熱電気分解装置における改良に関する。更に詳しくは、本発明は、上記に示すような環境負荷物質を高温高圧下で水熱電気分解する際の気体状流体流の流れ制御を行って、気体状流体流と電極との接触効率を効率化することにより、電極の電気化学反応形態を変えて、水熱電気分解反応の性能を飛躍的に向上させることのできる電極の構造に関する。なお、本明細書において、水熱反応と電気分解とを同時に行うことを水熱電気分解という。
【0002】
【従来の技術】
水熱電気分解(水熱電解)は、100℃以上で水媒体の臨界点以下の温度において、水媒体が液相を維持できる圧力の下、直流電圧を印可し、水熱雰囲気下で電気分解反応を行う技術である。強酸性イオン(例えば塩素イオン等)を含む水媒体を水熱雰囲気下で電気分解すると、本来、水の電気分解によって進行する酸素、塩素及び水素の発生が起こらず、水媒体がただの電気の通電体となる現象が見られる。この反応場に還元性物質が含まれると、水素発生が起こり、還元性物質は炭酸ガス、窒素ガス等にまで無機化される。更に、この反応場に還元性物質と外部から挿入した酸化剤(例えば酸素)が含まれると、水素の発生が起こらずに、電解酸化の観点からは100%以上の電流効率で還元性物質の酸化反応が進む。本発明者らは初めてこのような現象を明らかにし、国際出願PCT/JP98/03544号(国際公開WO 99/07641)として特許出願した。この水熱電解反応の応用例としては、例えば、廃液を含む水溶液を、直流電源が接続された反応器に供給して水熱条件下で電気分解を行い、廃液中に含まれる汚染物質を完全分解することができる。また、水熱電解反応は、水媒体中に処理対象のガスを溶解させたものに対して行うことにより、ガスの処理に用いることもできる。更に、水熱電解反応において外部から酸化剤を圧入することにより、陰極における水素の発生を抑制することができると共に、汚染物質の処理能力を大幅に向上することができる。これらの現象については、Journal of Applied Electrochemistry, vol.30, p.875-883, 2000、工業用水,vol.9, No.504, p.14-23, 2000、造水技術,vol.25, p.9-14, 1999などに紹介されている。
【0003】
水熱電解反応において、電気分解に必要な電気量は還元性物質の絶対量に比例する。水熱電解反応の酸化能力は非常に高く、殆どの還元性物質は印可された電気量に比例して同じように分解する。従って、易分解性物質、難分解性物質の別を問わずに水熱電解では同じように分解することができるが、その一方で同じように電気を消費する。
【0004】
水熱電解反応は効率の高い電解反応であり、外部から酸化剤を投入すると、陽極のみならず陰極においても酸化反応を促進することができ、みかけ上100%以上の電流効率で電解酸化反応を進行させることができる。なお、この場合においても、還元性物質を水熱電解する場合、前述したように単位還元性物質の量に相当した電気量が必要となる。この電気量は理論的酸素要求量から算出することができ、例えば、電流効率100%で電解酸化反応が進行した場合には、水媒体に含まれる1mgのCOD(化学的酸素要求量)を処理するのに3.3mAh(ミリアンペア時間)の電気量が必要である。即ち、COD濃度1,000mg/Lの廃液1m3を2時間で処理する場合には1,650A、1時間で処理しようとする場合には3,300A、30分(0.5hr)で処理しようとする場合には6,600Aの電気量が必要になる。このように短時間で処理しようとすると印可電流を増やす必要があるが、水熱電解反応器は圧力容器であるため、その容量は制限される。そこで、本発明者らは、密閉された水熱電解反応器内において効率よく大電流を通電することのできる水熱電解装置として、多重管反応器により構成される水熱電解装置を提案した(特開2000-233186)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の提案されたものを含めた従来の水熱電解装置において用いられている電極は一般に筒型電極である。これは、水熱電解反応器は圧力反応器であるために好ましい形態は金属製の円筒状となるので、反応器内に電極を挿入し更に電極面積を稼ぐためには電極も筒状とした方がよいからである。電極を筒状の形状にした場合に、反応器内単位容積当りの電極面積密度が最も高い構造となる。従って、水熱電解反応器内には、一般に、金属製の円筒状電極を、縦に、即ち反応器の軸方向に沿って配置することが広く行われている。
【0006】
例えば、従来の水熱電解反応器の構造の具体例を図3に示す。図3aは水熱電解反応器の縦断面図であり、図3bは図3aのA−A線に沿った横断面図である。図3に示す水熱電解反応器は、金属製の容器101内に、円筒形の金属製反応器102が複数個配置されていて、各反応器102内にそれぞれ金属製の電極103が配置されている。電極103は、絶縁構造を介して容器101の外部に配置されている直流電源109の+極に接続されており、陽極として作用する。また、円筒形の反応器102は、容器101を介して外部電源109の−極に接続されており、陰極として作用する。運転にあたっては、処理対象液105及び酸化剤等の添加剤106が、それぞれ底部より容器101内に導入され、整流器107を経て各反応器102内に導入される。そして、各反応器102内を上に向かって流れながら水熱電解反応に付された後、排出口108より排出される。
【0007】
また、従来の水熱電解反応器の他の構造の具体例を図4に示す。図4aは水熱電解反応器の縦断面図であり、図4bは図4aのB−B線に沿った横断面図である。図4に示す水熱電解反応器は、金属製の容器201内に、上端が円盤状の部材で接続された同心円状の複数の金属製円筒形部材203と、下端が円盤状の部材で接続された同心円状の複数の金属製円筒形部材202とが、互い違いに配置するように設置されている。このようにして形成される円筒形部材202と203との間の空間が反応室として用いられる。円筒形部材203は、絶縁構造を介して容器201の外部に配置されている直流電源209の+極に接続されており、陽極として作用する。また、円筒形部材202は、容器201を介して外部電源209の−極に接続されており、陰極として作用する。運転にあたっては、所定の添加剤が加えられた処理対象液205が、中央の円筒形部材202内に導入される。導入された処理対象液は、中央の円筒形部材202内を上に向かって流れ、次に、その上部から、隣接する外側の円筒形部材203との間の空間で形成された反応室の中に導入されてこの室内を下に向かって流れる。このようにして、同心円状に互い違いに組み合わされた円筒形部材にそってジグザグに流れながら水熱電解反応に付された後、排出口208より排出される。このような構成の水熱電解反応器においては、例えば、円筒形部材202を下部で接続する部材に孔を形成して、ここから空気や酸素などの気体状の酸化剤210を反応室内に導入することができる。また、このような構成の装置においては、円筒形部材202及び203によって形成された反応室の上部にガス溜まりが形成されるので、円筒形部材203を上部で接続する部材に孔211を形成して、溜まったガスを排出することが通常行われている。
【0008】
なお、高温高圧でない電解槽では平面状電極を使用することができる。最もよく知られている構造はフィルタープレス形式の副極電極を用いた電解槽であり、これは、電解槽内に陽陰極を交互に設置して陽極と陰極の間にプラスチック等の絶縁部材を設けることによって構成されている。しかしながら、このような構造の電解槽は、高圧力を維持できる構造ではなく、また温度が100℃以上となるとプラスチック等の絶縁部材が容易に破損してしまう為に、水熱電解反応器としては使用することができない。耐熱性の観点からは、プラスチック絶縁部材の代わりにセラミックスを電極間の絶縁部材として使用することも考えられるが、セラミックス材料で高圧を維持するのは極めて困難である。また、セラミックスは温度ショックで簡単に割れる場合もある。このような理由により、高温が加わる圧力容器の構造部材としてセラミックス、プラスチック等は法規的にも認められにくかった。以上のような事情により、水熱電解反応器に最も適する電極形状は筒型であると考えられていた。
【0009】
このような筒状の形状の電極を反応室内に縦に装填して水熱電解反応を行なった場合、比較的低電流を印可して長時間かけて反応を行うバッチ処理又は長い滞留時間が取れる連続反応器では、比較的その目的を達成することができていた。高温高圧の水への気体の溶解度は90〜100℃が最も低く、この温度以上にすると酸素のような気体の溶解度は高くなる。この溶解した酸素が水熱電解の陰極反応によって活性化され、生成した活性酸素が還元性物質となって良好な反応を進行させる。また、溶存酸素の陰極反応は、水が水素に還元される反応と競合するものであり、溶存酸素の陰極活性化反応を進行させることによって水素の発生が妨げられている。
【0010】
しかしながら、上記のような筒状の電極を用いた水熱電解反応器によって水熱電解処理を短時間で行おうとすると、必ずしも水素発生の抑制効果や還元性物質との反応の促進が得られていなかった。即ち、前記したように所定量の還元性物質を短時間で水熱電解処理しようとすると印可電流を高くする必要性がある。この高められた印可電流に伴って陰極で水素が発生し始め、この水素発生反応を抑制するための酸素の還元反応が間に合わなくなる場合があった。即ち、陰極表面への溶存酸素の物質移動律速が起こり、水素発生が増加するという現象が見られた。水素の発生が多くなると爆鳴気の危険性があるので、できるだけ水素の発生を低くすることが好ましい。このためには、酸素等の気体状酸化剤を陰極表面へより多く供すればよいが、水熱電解反応器により多くの気体状酸素を吹き込んだだけでは期待された効果が得られなかった。
【0011】
この現象を解析するために、本発明者らは、高温高圧で運転される水熱電解反応器にサファイヤで構成される覗き窓を設置して、水熱電解反応場の可視化を可能にすることにより、水熱電解反応器内での詳細な流体の流れの観察及び解析を行った。その結果、反応器内の水溶液を、例えば250℃、7MPaの高温高圧状態として、酸素のような気体状酸化剤を反応器下部から圧入すると、酸素は気泡として存在し、浮力によりすばやく上昇して短時間で反応器外に出てしまうことが分かった。従って、通常の水熱電解反応器のように、円筒形の反応器内に筒状の電極が、縦方向に配置されている構造では、電極は反応器の軸方向と同じ方向に設置されるために、気泡の浮力による動きに対しては抵抗がなく、このため、電極と気泡が接触することが殆どなかったことが確認された。以上の観察結果から、水熱電解装置において、印可電流を高めると、より多くの気体状酸化剤を投入しても陰極における水素発生が抑制できなくなるという問題点は、気体状の酸化剤が浮力によって、その多くが電極と接触することなしに、液体よりも速く反応器から抜け出てしまうため、水媒体中に十分に溶解されず、気体状酸化剤を添加した効果が十分に発揮されない、即ち水素発生の抑制効果と還元性物質との反応が促進されていなかったためであることが判明した。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような問題点の原因を見出したことに基づき、陰極における水素発生の課題を解決する手段を見出すべく鋭意研究を重ねた結果、水熱電解装置に装填する電極の形状を工夫することにより、水熱電解反応器に大電流通電を行っても、水素発生を効率よく抑制すると共に還元性物質の反応を促進できることに着目し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、水及び還元性物質を含む被処理物を高温高圧下で電気分解するための水熱電解反応室を備え、該水熱電解反応室内に水熱電解反応用の電極が装填されている水熱電気分解装置であって、上記水熱電解反応室内に装填される水熱電解用の電極が、気体状流体流に対して流れ抵抗を形成する形状を有する電極構造体により構成されていることを特徴とする水熱電気分解装置に関する。更に本発明の他の態様は、水及び還元性物質を含む被処理物を高温高圧下で電気分解するための水熱電解反応室を備えた水熱電気分解装置の水熱電解反応室内において用いられる水熱電解用の電極であって、水熱電解反応室内に設置した際に、気体状流体流に対して流れ抵抗を形成する形状を有する電極構造体により構成されていることを特徴とする水熱電気分解装置用電極に関する。
【0013】
本発明は、水熱電解装置用の電極として、水熱電解反応室内に設置した際に気体状流体流に対して流れ抵抗を形成する形状を有する電極構造体を用いることを特徴とする。なお、本発明において「気体状流体流」とは、水熱電解反応室内の水媒体中に含まれる気泡がその浮力によって反応室内を上方に向かって移動する流れを意味する。このような形状の電極構造体を水熱電解反応室内に設置することにより、水媒体中の気泡が浮力により上昇する際に、気泡と電極との接触をより促進させることができる。このような電極構造体は、電極板が反応室の軸方向に対して概ね直角に、即ち概ね水平方向に配置されるように設置することがより好ましい。かかる形状の電極構造体を、電極板が反応室の軸方向に対して直角に配置されるように設置することにより、水媒体中の気泡等が浮力により上昇する際の気泡と電極板との接触がより一層促進される。また、電極構造体を構成する電極板は平面状の形状であることが好ましい。電極板を平面状とすることにより、反応室内を浮上する気泡流に対して、均等な抵抗と接触を達成することができる。平面形状の電極板の具体的形態としては、平板状、メッシュ状、ディスク状、穴あき板状、穴あきメッシュ状、穴あきディスク状又はこれらの組み合わせの平面状であることが好ましい。これらの形状の電極板を反応室の軸方向に対して概ね直角に配置することにより、気体状流体流がその浮力によって急速に反応室内を上方に流れて反応室上部から抜け出てしまうことを防ぐことができ、酸化剤等の反応室内における滞留時間を長くし、拡散混合により気体状酸化剤の溶解量を増し、気体状酸化剤と電極との接触効率を高め、その結果、気体状酸化剤の積極的利用を図ることによって還元性物質の酸化分解を促進すると同時に陰極での水素発生を抑制することができる。
【0014】
本発明において好ましく用いることのできる電極構造体の具体的な形態としては、例えば、少なくとも1枚の陽電極と少なくとも1枚の陰電極とを、それぞれ反応室の内径にほぼ等しい平板状に形成し、各平板に穴若しくは切り欠きを設けたものを、水熱電解反応室内に、反応室の軸方向に対して概ね直角に、即ち概ね水平方向に設置し、その際、上下で隣り合う平板において穴若しくは切り欠きの位置が上下で重ならないように配置したものを挙げることができる。電極構造体をこのような形態とすると、反応室内を下から上に向かって浮力によって上昇する気泡は、最初の平板状電極板にぶつかり、電極板の表面に沿って横方向に移動して、当該平板状電極板に形成された穴若しくは切り欠きから上方へ上昇する。上昇した気泡は、次に配置された平板状電極板にぶつかり、同様に電極板表面に沿って横方向に移動して、当該平板状電極板に形成された穴若しくは切り欠きから上方へ上昇する。従って、このような形態の電極構造体により、気体状流体流に対する流れ抵抗が形成される。また、別の形態としては、反応室の内径にほぼ等しい平板の例えば中央部付近に穴を形成したものと、反応室の内径よりも小さな径の平板とを、それぞれ陰電極、陽電極(勿論、逆の組み合わせも可能である)として交互に配置したものを挙げることができる。この場合、反応室内を下から上に向かって浮力によって上昇する気泡は、中央部に穴を形成した平板状電極板にぶつかり、平板状電極板の表面に沿って横方向に移動して、中央部の穴から上方へ上昇する。上昇した気泡は、次に配置されている、反応室の内径よりも小さな径の平板状電極板にぶつかり、同様に電極板表面に沿って横方向に移動して、平板状電極板と反応室内壁との間の隙間から上方へ上昇する。従って、このような形態の電極構造体によっても、気体状流体流に対する流れ抵抗が形成される。なおこの場合、径の小さい方の電極板の周縁部に切り欠きを形成してもよい。更には、電極板として、気泡が通り抜ける際に抵抗を与えるような適当な目開きのメッシュ状板材を用いても、気泡が当該メッシュ材を通過する際に流れ抵抗が生じるので、同様に本発明に係る「流体流に対して流れ抵抗を形成する形状の電極」として用いることができる。水熱電解反応室内で発生する気泡に対して流れ抵抗を生じさせるようなメッシュ材の好ましい目開きの範囲としては、0.1mm〜10mm程度、好ましくは1mm〜8mm程度、より好ましくは3mm〜5mm程度が考えられる。
【0015】
なお、上記のような形状の陽電極板と陰電極板とを交互に複数枚設置することによって本発明に係る電極構造体を形成することがより好ましい。複数枚の陽電極板及び陰電極板を交互に設置することにより、気体状酸化剤及び還元性物質が陰極板及び陽極板に随時接触することができ、陰極での水素抑制と陽極での還元性物質の酸化をより効率よく行うことができるようになる。このように複数枚の陽電極板と陰電極板が交互に配置された電極集合体は、脱着式通電部材によって陽極板同士、陰極板同士が連結されていることが好ましく、更には、電極板の枚数を必要に応じて可変できるような構成になっていることが好ましい。これによって、反応器のサイズに応じて電極板枚数を容易に変更することが可能になる。即ち、電極がモジュール化されるので、反応器がスケールアップされる際には、陰極板及び陽極板を必要枚数つなぎ足していけばよい。また、電極を構成する平板自体は小さくてもよいので、電極を焼成法などで成膜する際の電気炉、薬品浴槽が小さくて済む。また、上記のような電極集合体を形成すれば、反応室内への電極の設置は、反応室の一方向から電極集合体を挿入することによって簡単に行うことができるので、水熱電解装置の組立て時或いは電極の交換時の作業性が大幅に改善される。なお、電極構造体を形成する際には、陽電極と陰電極とを電気的に接触させないようにする、即ち絶縁状態に保つことが必要なことは言うまでもない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的態様の一例を図1を参照しながら説明する。以下の説明は、本発明の一具体例を示すもので、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の一実施態様に係る電極を水熱電解反応室内に設置した状態を示す図である。図1に示す形態の電極構造体は、円筒形の水熱電解反応室51の内径よりも小さい径を有していて、その周縁に切り欠き56が形成されている複数の電極板52、52’、52”と、水熱電解反応室の内径とほぼ同等か若しくは僅かに小さい径を有し、その中央部に穴57が形成されている複数の電極板53、53’とを有する。図1に示す態様においては、電極板52、52’、52”を陽極、電極板53、53’を陰極として用いる。複数の陽極板52、52’、52”は、中心部分において、反応室の軸方向に伸長して配置されている導電性の接続部材54によって接続されており、一方、複数の陰極板53、53’は、各陰極板の周縁部の複数箇所に配置されている導電性の接続部材55によって接続されている。陽極板52、52’、52”に形成されている切り欠き56は、陰極板53、53’を周縁で接続している接続部材55と同じ断面位置に位置づけられており、接続部材55の断面積よりも大きな空間を形成するようにされている。一方、陰極板53、53’の中央部に形成されている穴57は、陽極板52、52’、52”を中央部で接続している接続部材54の断面積よりも大きな空間を形成するようにされている。このような構成とすることにより、陽極板52、52’、52”と接続部材55、及び陰極板53、53’と接続部材54とが互いに接触しないようになっていると共に、その間に空隙が形成されている。なお、陰極板53、53’は反応室51の内壁と接触していてもよいが、陽極板は反応室51の内壁と接触しないようにすることが必要である。陰極を反応室51の内壁と接触させると、反応室内壁全体が陰極として作用して、反応器母材の電気防食が図れるのでより好ましい。しかしながら、電極板と反応室内壁とのクリアランスが全く取れないと、電極構造体を反応室内へ挿入したり、反応室から取り出すのが困難であるので、陰極板と反応室内壁との間に0.05〜20mm程度のクリアランスを取ることがより好ましい。なお、この場合、陽極として用いる電極板が反応室内壁に接触すると電気短絡が起こってしまうので、陽極板は、陰極板よりも小さい径で形成し、反応室壁から1mm〜100mmの距離を保つようにすることが望ましい。
【0018】
電極板52及び53の材料としては、特に限定されるものではないが、特に陽極として用いる電極板については、反応室内で進行させる水熱電解反応に耐えうる材料を用いることが好ましい。具体的には、チタン、ニオブ、タンタル、ステンレスなどの母材に、金属状態又は酸化物状態の白金、イリジウム、ルテニウムなどを焼成、スパッタリング、CVDなどでコーティングしたものや貴金属を用いることが好ましい。また、最近開発が進んでいる導電性のダイアモンドコーティングを施した材料を陽極として用いることもできる。更には、酸素発生荷電圧が高い酸化鉛や酸化スズなどで陽極を構成しても良い。一方、陰極として用いる電極板については、陽極に比べて腐食は起こりにくいので、耐久性は陽極ほどは要求されない。従って、陰極用の電極板としては、コーティングなしのチタン、ステンレス、タンタル、ニオブや、カーボン或いはガラス状カーボン(グラッシーカーボン)を用いることができる。
【0019】
電極板52及び53は、反応室の軸方向に対してほぼ直角、即ちほぼ水平に設置されることが好ましい。電極板52及び53が傾斜していると、気体状の流体流が反応室内の一カ所に偏り、均一な電極全面への接触が進行できなくなるためである。また、電極板同士の距離は、厳密に限定されるものではないが、電気分解を起こすのに支障なく、閉塞を起こす恐れのない距離であることが好ましく、一般に1mm〜100mmとすることが望ましい。
【0020】
電極板52及び53をそれぞれ接続する導電性接続部材54及び55の上端は、反応室の上蓋(図示せず)に固定され、更に上蓋の外側から電源に電気的に接続される。この際、陰極を接続する接続部材は反応室の上蓋と絶縁構造なしに連結させることができ、その場合には反応室内壁の全体が陰極として機能する。一方、陽極を接続する接続部材は反応室の上蓋と、絶縁構造を介して連結し、更にこの接続部材に対して、反応室と絶縁した状態で電気を通電する必要がある。このように高圧高温反応器と絶縁しながらその容器内の電極に通電するのは、所謂コナックスシール構造の電極取り付け具を用いればよく、これは当該技術において公知の事項である。
【0021】
次に、図1に示すような構造の電極構造体を装填した水熱電解装置の運転について説明する。高温高圧に保持された水熱電解反応室51内に、底部より処理対象の水媒体を投入し、導電性接続部材54及び55を介して、電極板52、53のそれぞれに通電することにより水熱電解反応を行う。水媒体中の気泡は、まず、一番下側の電極板52に衝突し、電極板52の表面に沿って周縁に向かって流れ、電極板52の周縁と反応室内壁との間隙及び電極板52の周縁に形成された切り欠き56を通って上方に浮上する。気泡は、次に下から二番目の電極板53に衝突し、電極板53の表面に沿って中心に向かって流れ、電極板53の中央の穴57を通って上方に浮上する。水媒体中の気泡は、以下同様に電極板に衝突しながら上に向かって浮上する。
【0022】
このように、本発明に係る電極を用いれば、電極が水媒体中の気泡(気体状流体流)に対して流れ抵抗を形成しているので、例えば、水媒体中に外部から酸素を酸化剤として加えた場合には、気泡状の酸素が水媒体中によく溶解するのに加えて電極と接触する機会が大きくなるので、酸素の陰極反応が促進せしめられる。
【0023】
更に、外部から酸化剤を投入しない場合においても、本発明に係る電極を用いる効果は大きい。外部から酸化剤を投入しない場合、多段に設置されている反応室内の陽極では、下記の陽極反応が起こる。
【0024】
【式1】
Figure 0003727579
【0025】
これらの陽極で発生したO2、X2は酸化剤として水媒体中に溶解又は不均化反応し、滞留時間が長い場合には水媒体に含まれている還元性物質の酸化で完全に消費される。また、これらの酸化剤が発生する反応以外にも、還元性物質が直接陽極表面上で酸化される反応も起こる。しかしながら、反応器内での滞留時間が短い場合には、これらの酸化剤が水媒体に十分溶解する時間がなく、一部は気泡として存在することになる。本発明に係る電極を装填した水熱電解装置を用いると、これらの気泡は、還元性物質とは反応せずに、上方に浮上し、陽極の上に設置されている陰極の表面上で次のような反応で消費される。
【0026】
【式2】
Figure 0003727579
【0027】
これらの酸化剤が陰極で還元される反応と競合するのが、下記の水の還元反応である。
【0028】
【式3】
Figure 0003727579
【0029】
従って、本発明に係る電極を装填した水熱電解装置を用いると、反応式(1)、(2)で生成され、主として気泡となった酸化剤が、気体状流体流に対して流れ抵抗を形成する電極によって、反応(3)、(4)を積極的に促進させ、その結果として水素の生成反応(5)を抑制する効果が発揮される。これに対して従来の筒型電極を縦に配置した形態では、反応(1)、(2)で発生する酸化剤が十分に水媒体中に溶存できる場合には同じような効果が得られていたが、大電流を流して反応器内の滞留時間が短い場合には、反応(1)、(2)で生成した酸化剤は気泡となり、陰極に殆ど接触せずに外部に放出されており、その結果、陰極では反応(5)が起こり易くなって、水素が反応生成物中に多く見られていた。本発明では、このように、一旦生成した気泡状の酸化剤を、電極反応系外へ直ぐに出さずに、気泡と電極とを繰り返し接触させることにより、本来あるべき水熱電解反応を促進させることができる。なお、上記の反応式では発生する酸化剤として酸素とハロゲンの系を示したが、強酸性イオンでも同じような効果が得られる。例えば、硫酸イオンであれば、陽極で過硫酸が発生し、この過硫酸が陰極反応で硫酸イオンに戻される反応(水素発生反応と競合)が起こる。同じように、酸素の代わりに陽極反応によって水からオゾンが発生する場合でも、このオゾンは陰極において再び水に還元される。これらの陽極で発生した酸化剤は、水熱条件の高温で高い分圧を持つため一部は気泡となり、この気泡となった酸化剤は、本発明においては、水素が発生する水の陰極還元反応の抑制に用いられる。
【0030】
なお、水熱電解反応系の外部から酸化剤を投入した場合には、前記の反応に加えて陰極において下記の還元反応が起こり得る。
【0031】
【式4】
Figure 0003727579
【0032】
ここでは、分子状酸素が、酸化能力の高い過酸化水素(活性酸素)に還元される。この反応によっても、同じく水素が発生する水の還元反応(5)が抑制される。この水熱電解反応場に直接生成される活性酸素は、その酸化能力が高いため、特に還元性物質を酸化するのに有効である。なお、外部から水熱電解反応場に酸化剤を入れて陰極反応で活性酸素を作るためには、空気、酸素、PSA酸素、酸素富化空気を水媒体中に直接入れることもできる。また、これらの分子状酸素ではない他の形態、例えば過酸化水素、次亜塩素酸、オゾンの形態の酸化剤を用いてもよい。過酸化水素、次亜塩素酸、オゾンを用いても、水熱電解反応場の高温による熱分解によって分子状酸素が発生するからである。何れにしても、本発明においては、一旦気泡状となった酸化剤と電極との接触が促進されるので、水素発生反応を抑制し、還元性物質の酸化反応を促進させることができる。
【0033】
なお、本発明に係る水熱電解装置においては、水媒体も、水熱電解反応を受けながら、気体状流体流と同じく、電極板に形成された穴若しくは切り欠き、或いは電極板と反応室内壁との間の間隙を通って上部に向かって流れる。
【0034】
なお、図1においては、平板状の電極板に切り欠き若しくは穴を形成したものを複数枚配置する構成を示したが、気体状流体流に対して流れ抵抗を形成する構造であれば、メッシュ状、ディスク状、穴あきメッシュ状、穴あきディスク状など、任意の形態の電極板を用いることができる。なお、メッシュ或いは穴あき板状の電極板を用いる場合には、気体状流体流の浮力による流れに対して抵抗を形成し、気泡を分散させる開口及びピッチのものを用いることが好ましく、これらの開口及びピッチは均等であることが望ましい。
【0035】
また、図1においては、電極板52、52’52”が1本の導電性接続部材54によって接続されている態様を示したが、電極板52、52’52”が、電極板53,53’と同様に複数の接続部材によって接続されていてもよい。複数の電極板を配置する場合、接続部材が複数個設けられている方が、電極軸のぶれが少なくなり、陽極と陰極との電極間距離を均等に維持しやすくなるというメリットがある。この場合、複数個の接続部材54を設ける場合には、電極板53、53’に対して同じ断面位置で同じ数の穴57を形成する必要があることは勿論である。なお、接続部材を過度に多数設け過ぎると、反応室内の気体状流体流の流れ予測が難しく、また電極と気体状流体流との均一な接触を図ることが困難となるので好ましくない。この観点からは、電極板を接続する接続部材の数は、1〜50が好ましく、1〜30がより好ましい。
【0036】
上記に説明したような構成の電極構造体を用いると、水熱電解反応室内に電極を設置する際、或いは電極を水熱電解反応室内から取り出す場合には、例えば、上部蓋を取り外してそこから電極構造体を出し入れすればよく、水熱電解装置の組立て及び分解並びに電極の交換を簡単に行うことができる。また、電極板と接続部材とは、脱着可能な状態で接続されていることが好ましい。このようにすると、配置される電極板の枚数を適宜変更することができ、反応器のスケールアップなどに対応して、有効電極面積を変動させることが可能になる。
【0037】
なお、電極構造体は、反応器の下部からも挿入・取り出しを行うことが可能である。この場合には、導電性接続部材54及び55を、反応器の下蓋に固定し、下蓋を介して、導電性接続部材と外部の電源との接続を行う。反応器の下部に電極構造体を固定すると、陽極と蓋との間の絶縁シールが高温に曝される負荷を少なくすることができるというメリットがある。水熱電解反応器では、反応器上部の方が反応器下部よりも温度が高いため、電極への接続箇所を反応器の底部に形成することにより、電極の絶縁シールを冷却する必要性が減じられる。なお、反応器の液漏れ時には、反応器下部は濡れやすく、絶縁破壊を起こしやすいので、電極への接続箇所を反応器底部に形成する場合には、適切な防水構造をとることが必要になる。また、電極構造体の挿入・取り出しを反応器の下部から行う場合には、作業用スペースを反応器の下部に設ける必要がある。このように、電極構造体の挿入・取り出しを反応器の上部から行うか又は下部から行うかは、一長一短があり、施設内で反応器をどこに設置するかによって決定すればよい。
【0038】
【実施例】
以下の実施例/比較例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
【0039】
図2に、本実施例/比較例に用いた水熱電解連続装置のフロー図を示す。TOC濃度10,000mg/L、塩素イオン濃度800mg/Lに調整した試料液を、試料液タンク11から高圧ポンプ12を用いて、7MPaに保持された系内に流量50mL/minの流量で導入し、流量9.4NL/minに制御した圧縮空気13と混合した後、熱交換器14、加熱器15を経て、水熱電解反応器16に供給した。水熱電解反応器16は、反応器内部の電極に直流電源17が接続されており、250℃、7MPa、電解電流200Aの条件でで水熱電解反応を行った。水熱電解反応器からの排出水は熱交換器14を経て、気液分離器18でガスと液に分離した後、ガスは圧力調整弁19を経て処理ガスとして系外に排出し、液は、液面センサー21と連動した液面調整弁20、フィルタ22、調整弁23を経て処理水タンク24に送った。
【0040】
本発明の実施例では、周縁部の3カ所に半径8mmの切り欠き部を有するチタン製の円形陽極板(直径90mm、厚さ1.5mm)、及び中央部に直径30mmの穴が形成されているチタン製の円形陰極板(直径100mm、厚さ1.5mm)のそれぞれ18枚を図1のように配置して電極構造体(電極間距離4mm)を形成した。陽極板は、直径10mm、長さ180mmのチタン製棒状部材によって中央部で接続し、一方、陰極板は、直径6mm、長さ170mmのチタン製棒状部材によって周縁部の3カ所で接続し、陰極板を接続する棒状部材が陽極板の周縁の切り欠き内に配置されるようにした。陽極板を接続する棒状部材は、絶縁構造を介して反応器外の電源に接続し、陰極板を接続する棒状部材は、反応器を介して(絶縁なし)反応器外の電源に接続した。このような電極構造体を、内径101mm、高さ230mmの水熱電解反応器内に設置した。一方、比較例では、実施例と同じ水熱電解反応器内において、図4に示すような同心円状の電極部材を互い違いに配置した電極構造体を設置した。陽極構造体(図4の203)としては、チタン製の外径95mm、73mm、49mm、21mm(厚さはそれぞれ2mm)の円筒状部材(長さ約200mm)を同心円状に配置して上端を直径95mmのチタン製円盤状部材(厚さ2mm)に接続したものを用い、また、陰極構造体(図4の202)としては、同じくチタン製の外径85mm、61mm、35mm、8mm(厚さはそれぞれ2mm)の円筒状部材(長さ約205mm)を同心円状に配置して下端を直径95mmのチタン製円盤状部材(厚さ2mm)に接続したものを用い、これらを図4のように配置した(各電極間の距離は4〜6mmであった)。陰極構造体の底部の9カ所に径1.5mmの孔を形成して、ここから圧縮空気を反応室内に供給した。また、陽極構造体の頂部の9カ所に径3mmの孔を形成して、ここから、各反応室の上部に溜まったガスを反応室外(容器内)に排出した。 処理ガス中の水素ガス及び酸素ガスの濃度を測定し、また、処理水のTOC濃度を測定した。ガスの濃度測定値並びに処理水のTOC濃度測定値に基づくTOC分解率を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003727579
【0042】
表1に示す結果から、本発明に係る構造の電極構造体を用いて水熱電解反応を行うことにより、TOC分解率は約10%の増加が見られ、発生した水素ガスは約7分の1に抑制され、酸素ガスは2倍近く有効利用されたことが分かる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、水熱電解処理において、水媒体中で気泡として存在する酸素を有効に利用し、水素の発生を抑制しながら水熱電解反応を効率的に進行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様に係る水熱電解装置用の電極構造体を示す図である。
【図2】本発明の実施例において用いた連続水熱電解装置の概要を示す図である。
【図3】複数の円筒状反応容器を用いる従来の水熱電解反応器の構成例を示す図である。
【図4】同心円状の円筒形電極部材を用いる従来の水熱電解反応器の構成例を示す図である。

Claims (9)

  1. 水及び還元性物質を含む被処理物を高温高圧下で電気分解するための水熱電解反応室を備え、該水熱電解反応室内に水熱電解反応用の電極が装填されている水熱電気分解装置であって、
    上記水熱電解反応室内に装填される水熱電解用の電極が、気体状流体流に対して流れ抵抗を形成する形状を有する電極構造体により構成されていることを特徴とする水熱電気分解装置。
  2. 平板に穴若しくは切り欠きを設けた形状の電極板を、水熱電解反応室内に、反応室の軸方向に対して概ね直角に複数枚設置し、その際、当該電極板が、上下で隣り合う平板において穴若しくは切り欠きの位置が上下で重ならないように配置することによって、電極構造体が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水熱電気分解装置。
  3. 電極構造体が、メッシュ平板状の電極板によって構成されている請求項1に記載の水熱電気分解装置。
  4. 陽極又は陰極として作用する複数の電極板が、陰陽極が交互に配置されるように設置されている請求項2又は3に記載の水熱電気分解装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の水熱電気分解装置を備えた連続水熱電解装置。
  6. 水及び還元性物質を含む被処理物を高温高圧下で電気分解するための水熱電解反応室を備えた水熱電気分解装置の水熱電解反応室内において用いられる水熱電解用の電極であって、水熱電解反応室内に設置した際に、気体状流体流に対して流れ抵抗を形成する形状を有する電極構造体により構成されていることを特徴とする水熱電気分解装置用電極。
  7. 平板に穴若しくは切り欠きを設けた形状の電極板を、水熱電解反応室内において、反応室の軸方向に対して概ね直角に複数枚設置し、その際、当該電極板が、上下で隣り合う平板において穴若しくは切り欠きの位置が上下で重ならないように配置することによって、電極構造体が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の水熱電気分解装置用電極。
  8. 電極構造体が、メッシュ平板状の電極板によって構成されている請求項6に記載の水熱電気分解装置用電極。
  9. 陽極又は陰極として作用する複数の電極板が、陰陽極が交互に配置されるように設置されている請求項7又は8に記載の水熱電気分解装置用電極。
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