JP2019197715A - 電解液の発熱量抑制方法 - Google Patents

電解液の発熱量抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電解液の発熱量抑制方法を提供する。【解決手段】(FSO2)2NLi含有電解液又は(FSO2)2NLiに対して、プロピレンカーボネートを添加することを特徴とする(FSO2)2NLi含有電解液又は(FSO2)2NLiの発熱量抑制方法。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電装置に用いられる電解液の発熱量抑制方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの蓄電装置は、携帯情報端末などの携帯機器や車両の電源として使用されている。蓄電装置は、主な構成要素として、正極、負極及び電解液を備える。電解液は、電解質が有機溶媒に溶解されたものである。例えば、リチウムイオンを電荷担体とするリチウムイオン二次電池の電解液には、LiPFや(FSONLi等のリチウム塩が電解質として溶解されているのが一般的である。また、リチウムイオン二次電池の電解液に用いられる有機溶媒には、ジメチルカーボネートやエチレンカーボネート等の非プロトン性の有機溶媒を採用するのが一般的である。そして、リチウムイオン二次電池などの蓄電装置の電解液に関する研究が、熱心に行われている。
蓄電装置の熱安定性に関する研究も、熱心に行われている。
例えば、特許文献1には、電解液に特定のホスホノ蟻酸化合物を添加して、リチウムイオン二次電池の負極の発熱量を抑制させる技術が記載されている。同文献には、濃度1.2mol/LでLiPFを含有し、有機溶媒としてエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートを含有する電解液に対して、特定のホスホノ蟻酸化合物を添加することで、充電後の負極の発熱量が抑制されたことが具体的なデータと共に記載されている。
また、特許文献2には、リチウム塩としてLiPF及び(FSONLiを併用する電解液に対して、チタンアルコキシドを添加して、リチウムイオン二次電池の負極の発熱量を抑制させる技術が記載されている。同文献には、濃度0.6mol/LでLiPFを含有し、濃度0.6mol/Lで(FSONLiを含有し、有機溶媒としてエチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを含有する電解液に対して、チタンアルコキシドを添加することで、充電後の負極の発熱量が抑制されたことが具体的なデータと共に記載されている。
国際公開第2015/093091号 特開2017−4772号公報
上述したように、蓄電装置の電解液に関する研究や、蓄電装置の熱安定性に関する研究が、熱心に行われている。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、充電時の負極の熱安定性に限定された事項ではなく、電解液自体の熱安定性に関する新たな知見を報告すると共に、当該知見に基づいた電解液の発熱量抑制方法を提供することを目的とする。
本発明者は、電解液及びその熱安定性について、試行錯誤を繰り返して鋭意検討した。その結果、LiPFを含有する電解液と、(FSONLiを含有する電解液を比較すると、(FSONLiを含有する電解液の方が、150〜300℃の範囲での発熱量が大きいことを知見した。
さらに、(FSONLi及びプロピレンカーボネートを含有する電解液の発熱量が著しく低いこと、他方、(FSONLi及びプロピレンカーボネート以外の有機溶媒を含有する電解液の発熱量は高いことを知見した。すなわち、プロピレンカーボネートに、(FSONLiの発熱量抑制効果があることを知見した。
すなわち、本発明で規定する、(FSONLi含有電解液又は(FSONLiの発熱量抑制方法は、(FSONLi含有電解液又は(FSONLiに対して、プロピレンカーボネートを添加することを特徴とする。また、本発明の(FSONLi発熱量抑制剤は、プロピレンカーボネートが有効成分であることを特徴とする。
本発明により、電解液の新たな発熱量抑制方法を提供できる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
本発明で規定する、(FSONLi含有電解液又は(FSONLiの発熱量抑制方法は、(FSONLi含有電解液又は(FSONLiに対して、プロピレンカーボネートを添加することを特徴とする。また、本発明の(FSONLi発熱量抑制剤(以下、単に、本発明の発熱量抑制剤ということがある。)は、プロピレンカーボネートが有効成分であることを特徴とする。以下、(FSONLi及びプロピレンカーボネートを含有する電解液を、本発明の電解液ということがある。
また、本明細書の記載内容から、(FSONLi及びプロピレンカーボネートを混合すること、又は、(FSONLi、プロピレンカーボネート及びプロピレンカーボネート以外の有機溶媒を混合することを特徴とする本発明の電解液の製造方法を把握することができる。
本発明の電解液は、蓄電装置に用いられるものである。蓄電装置としては、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、キャパシタを例示できる。そして、キャパシタとしては、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタを例示できる。
本発明の電解液においては、(FSONLi及びプロピレンカーボネートの含有量は特に限定されない。本発明の発熱量抑制剤の奏する効果の程度からみて、本発明の電解液においては、(FSONLiに対するプロピレンカーボネートのモル比は、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、6以上がさらにより好ましく、7以上が特に好ましい。(FSONLiに対するプロピレンカーボネートの好ましいモル比の範囲としては、1〜20、2〜15、5〜12、7〜11を例示できる。
本発明の電解液における(FSONLiの濃度としては、0.1〜4mol/Lが好ましく、0.5〜3.5mol/Lがより好ましく、1〜3mol/Lがさらに好ましく、1.5〜2.5mol/Lが特に好ましい。
本発明の電解液は、(FSONLi以外の電解質を含んでいてもよい。電解質全体に対する(FSONLiの量としては、30〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましく、70〜100モル%がさらに好ましく、90〜100モル%が特に好ましい。
本発明の電解液は、プロピレンカーボネート以外の有機溶媒を含んでいてもよい。プロピレンカーボネートは粘性が高い有機溶媒であるため、プロピレンカーボネート以外の有機溶媒としては、プロピレンカーボネートよりも低粘度のものが好ましい。
プロピレンカーボネートよりも低粘度の有機溶媒としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロピラン、2−メチルテトラヒドロフラン、クラウンエーテル等のエーテル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1−メチルナフタレン等の芳香族類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンシクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸ビニル等のエステル類、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリn−プロピル等のリン酸エステル類、ジメチルサルファイト、ジプロピルサルファイト等の亜硫酸エステル類、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド等のスルフィド類を挙げることができる。これらの有機溶媒としては1種類を採用してもよいし、2種類以上を採用してもよい。
本発明の電解液において、有機溶媒全体に対するプロピレンカーボネートの量としては、30〜100モル%、30〜100体積%若しくは30〜100質量%、50〜95モル%、50〜95体積%若しくは50〜95質量%、60〜90モル%、60〜90体積%若しくは60〜90質量%、又は、70〜85モル%、70〜85体積%若しくは70〜85質量%を例示できる。
本発明の電解液を具備する蓄電装置を、本発明の蓄電装置という。蓄電装置の代表例であるリチウムイオン二次電池を例に、本発明の蓄電装置を説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、負極、セパレータ及び本発明の電解液を備える。
正極は、集電体と、集電体の表面に結着させた、正極活物質を含有する正極活物質層を有する。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
正極活物質層は正極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
正極活物質としては、層状岩塩構造のLiNiCoMn(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)、LiNiCoAl(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)、LiMnOを挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn等のスピネル構造の化合物、及びスピネル構造の化合物と層状岩塩構造の化合物との混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVO又はLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の各組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも正極活物質として使用可能である。また、正極活物質として、充放電に寄与するリチウムイオンを含まない正極活物質材料、たとえば、硫黄単体、硫黄と炭素を複合化した化合物、TiSなどの金属硫化物、V、MnOなどの酸化物、ポリアニリン及びアントラキノン並びにこれら芳香族を化学構造に含む化合物、共役二酢酸系有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシド、ニトロニルニトロキシド、ガルビノキシル、フェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。
正極活物質層における正極活物質の配合量は、70〜97質量%の範囲内が好ましく、75〜96質量%の範囲内がより好ましく、80〜95質量%の範囲内がさらに好ましく、85〜95質量%の範囲内が特に好ましい。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)、および各種金属粒子などが例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。
正極活物質層における導電助剤の配合量は、0.5〜10質量%の範囲内が好ましく、1〜5質量%の範囲内がより好ましく、1〜3質量%の範囲内がさらに好ましい。導電助剤が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助剤が多すぎると正極活物質層の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
結着剤は、活物質や導電助剤を集電体の表面に繋ぎ止め、電極中の導電ネットワークを維持する役割を果たすものである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸やその誘導体を包含するポリ(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体を例示することができる。これらの結着剤を単独で又は複数で採用すれば良い。
また、国際公開第2016/063882号に開示される、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸などのカルボキシル基含有ポリマーをジアミンなどのポリアミンで架橋した架橋ポリマーを、結着剤として用いてもよい。当該架橋ポリマーはポリ(メタ)アクリル系樹脂の一態様である。
架橋ポリマーに用いられるジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン等の含飽和炭素環ジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ベンジジン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ナフタレンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられる。
正極活物質層における結着剤の配合量は、0.5〜10質量%の範囲内が好ましく、1〜7質量%の範囲内がより好ましく、2〜5質量%の範囲内がさらに好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
負極は、集電体と、集電体の表面に結着させた負極活物質層を有する。集電体については、正極で説明したものを適宜適切に採用すれば良い。負極活物質層は負極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
負極活物質としては、電荷担体を吸蔵及び放出し得る材料が使用可能である。したがって、リチウムイオンなどの電荷担体を吸蔵及び放出可能である単体、合金又は化合物であれば特に限定はない。たとえば、負極活物質としてLiや、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫などの14族元素、アルミニウム、インジウムなどの13族元素、亜鉛、カドミウムなどの12族元素、アンチモン、ビスマスなどの15族元素、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、銀、金などの11族元素をそれぞれ単体で採用すればよい。合金又は化合物の具体例としては、Ag−Sn合金、Cu−Sn合金、Co−Sn合金などの錫系材料、各種黒鉛などの炭素系材料、Si、SiO(0.2≦x≦1.6)などのSi含有材料、Si含有材料と炭素系材料を組み合わせた複合体が挙げられる。また、負極活物質して、Nb、TiO、LiTi12、WO、MoO、Feなどの酸化物、又は、Li3−xN(M=Co、Ni、Cu)で表される窒化物を採用しても良い。負極活物質として、これらのものの一種以上を使用することができる。
高容量化の可能性の点から、好ましい負極活物質として、黒鉛、Si含有材料を挙げることができる。
負極活物質層における負極活物質の配合量は、70〜97質量%の範囲内が好ましく、75〜93質量%の範囲内がより好ましく、80〜90質量%の範囲内がさらに好ましい。
負極に用いる導電助剤については、正極で説明したものを適宜適切に採用すれば良い。負極活物質層における導電助剤の配合量は、1〜20質量%の範囲内が好ましく、3〜15質量%の範囲内がより好ましく、5〜11質量%の範囲内がさらに好ましい。
負極に用いる結着剤については、正極で説明したものを適宜適切に採用すれば良い。負極活物質層における結着剤の配合量は、3〜20質量%の範囲内が好ましく、5〜15質量%の範囲内がより好ましく、7〜13質量%の範囲内がさらに好ましい。
集電体の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を塗布すればよい。具体的には、活物質、溶剤、並びに必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を混合し、スラリーを調製する。上記溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。該スラリーを集電体の表面に塗布後、乾燥する。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
次に、リチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
正極及び負極でセパレータを挟んで電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から、外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、電極に含まれる活物質の種類に適した電圧範囲で充放電を実行されればよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、たとえば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例および比較例などを示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
プロピレンカーボネートに(FSONLiを溶解して、(FSONLiに対するプロピレンカーボネートのモル比が10である実施例1の電解液を製造した。
(実施例2)
プロピレンカーボネートとジメチルカーボネートを等モルで混合した有機溶媒に(FSONLiを溶解して、(FSONLiに対する有機溶媒のモル比が10である実施例2の電解液を製造した。
実施例2の電解液において、(FSONLiに対するプロピレンカーボネートのモル比は5である。
(比較例1)
ジメチルカーボネートに(FSONLiを溶解して、(FSONLiに対するジメチルカーボネートのモル比が10である比較例1の電解液を製造した。
(比較例2)
リン酸トリメチルに(FSONLiを溶解して、(FSONLiに対するリン酸トリメチルのモル比が10である比較例2の電解液を製造した。
(比較例3)
リン酸トリメチルに(FSONLiを溶解して、(FSONLiに対するリン酸トリメチルのモル比が4である比較例3の電解液を製造した。
(比較例4)
フルオロエチレンカーボネートに(FSONLiを溶解して、(FSONLiに対するフルオロエチレンカーボネートのモル比が10である比較例4の電解液を製造した。
(比較例5)
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートを等モルで混合した有機溶媒に(FSONLiを溶解して、(FSONLiに対する有機溶媒のモル比が10である比較例5の電解液を製造した。
(比較例6)
プロピレンカーボネートにLiPFを溶解して、LiPFに対するプロピレンカーボネートのモル比が10である比較例6の電解液を製造した。
(比較例7)
ジメチルカーボネートにLiPFを溶解して、LiPFに対するジメチルカーボネートのモル比が10である比較例7の電解液を製造した。
(評価例1)
対照試験として、(FSONLi自体の発熱挙動を測定した。
アルゴンガス雰囲気下、54mgの(FSONLiを分取して、ステンレス製の容器に密閉した。(FSONLiを含有するステンレス製の容器を、カルベ式熱量計C600(株式会社リガク)に配置し、1℃/分の昇温速度で400℃まで加熱して、(FSONLiの発熱量を測定した。
対照試験の結果、290℃付近から立ち上がり、310℃付近で終息する、300℃付近をピークトップとする単一の発熱ピークが観測された。この結果から、(FSONLiは300℃付近で分解して発熱するといえる。
アルゴンガス雰囲気下、100μLの実施例1の電解液を分取して、ステンレス製の容器に密閉した。実施例1の電解液を含有するステンレス製の容器を、カルベ式熱量計C600(株式会社リガク)に配置し、1℃/分の昇温速度で加熱して、150℃から300℃までの発熱量を測定した。実施例2、比較例1〜比較例7の電解液についても同様の試験を行った。
各電解液の発熱ピークは200℃から250℃の間で観察された。なお、各電解液の試験において、300℃付近の発熱ピークは観測されなかった。
以上の結果を、各電解液に含まれる(FSONLi又はLiPFの単位重量あたりの熱量に換算して、表1に示す。表1においては、(FSONLiをLiFSA、プロピレンカーボネートをPC、ジメチルカーボネートをDMC、リン酸トリメチルをTMP、フルオロエチレンカーボネートをFEC、エチレンカーボネートをECと、それぞれ略称で示す。
Figure 2019197715
実施例1、実施例2及び比較例1の結果から、プロピレンカーボネートの割合が増加するに従い、発熱量が減少することがわかる。プロピレンカーボネートの添加が(FSONLiの発熱量を抑制したといえる。
また、実施例1、実施例2、比較例1〜比較例5の結果から、プロピレンカーボネートで確認された顕著な(FSONLi発熱量抑制効果は、他の有機溶媒では観察されなかったことがわかる。
さらに、比較例6及び比較例7の結果から、LiPFに対しては、プロピレンカーボネートの添加による発熱量抑制効果は観察されず、むしろ、プロピレンカーボネートにはLiPFに対する発熱促進効果があるといえる。
以上の結果から、プロピレンカーボネートに(FSONLiの発熱量抑制効果があること、及び、プロピレンカーボネートの発熱量抑制効果は(FSONLiに対して特異的に発揮されることが理解できる。

Claims (3)

  1. (FSONLi含有電解液又は(FSONLiに対して、プロピレンカーボネートを添加することを特徴とする(FSONLi含有電解液又は(FSONLiの発熱量抑制方法。
  2. プロピレンカーボネートが有効成分であることを特徴とする、(FSONLi発熱量抑制剤。
  3. (FSONLi及びプロピレンカーボネートを含有する電解液であって、(FSONLiに対するプロピレンカーボネートのモル比が6以上であることを特徴とする電解液。
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