JP2019195910A - 記録装置 - Google Patents

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宗孝 太田
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Abstract

【課題】維持経費を抑制しながら、紙粉の回収能力を維持することが可能な技術を提供する。【解決手段】収容した記録媒体を給送する給送手段と、給送された記録媒体を搬送する搬送手段と、搬送される記録媒体に対して記録する記録手段と、前記給送手段と互いに内部空間が連通するとともに、フィルタを介して外部に連通する開口部を有し、前記フィルタで異物を回収する回収手段と、前記給送手段から前記回収手段への第1気流と、外部から前記回収手段への第2気流とを生じさせる気流発生手段と、前記給送手段内部の前記異物を前記フィルタで回収するときに、前記第1気流を発生させるよう前記気流発生手段を制御するとともに、前記フィルタによる前記異物の捕捉能力を回復させるときに、前記第2気流を生じさせるよう前記気流発生手段を制御する制御手段とを有するようにした。【選択図】図3

Description

本発明は、搬送される記録媒体に対して記録する記録装置に関する。
特許文献1には、給紙装置内に収納されたシートのうち最上位のシートを他のシートから分離するために給紙装置内に吹き込む空気によって、シートに付着した紙粉を舞い上げて回収する技術が開示されている。即ち、特許文献1では、給送装置内に空気を吹き込むとともに、フィルタが設けられた吸引口から給送装置内の空気を吸引することで、フィルタにおいて紙粉を捕捉し、紙粉が含まれていない空気を給送装置外に排出するようにしている。
特開2006−21851号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、使用を継続していると、フィルタにおいて紙粉による目詰まりが生じてしまう。このため、給紙装置内の紙粉の回収能力の維持および回復を目的として、フィルタを交換することが考えられるが、この場合、維持経費が嵩むとともに、交換作業がユーザに負担となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、維持経費を抑制しながら、紙粉などの異物の回収能力を維持および回復することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による記録装置は、内部空間に記録媒体を収容するとともに、収容した記録媒体を給送する給送手段と、前記給送手段により給送された記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される記録媒体に対して記録する記録手段と、前記給送手段と互いに内部空間が連通するとともに、フィルタを介して外部に連通する開口部を有し、前記フィルタで異物を回収する回収手段と、前記給送手段から前記回収手段への気流と、外部から前記回収手段への気流とを生じさせる気流発生手段と、前記給送手段内部の前記異物を前記フィルタで回収するときに、前記給送手段から前記回収手段へ向かう気流を発生させるよう前記気流発生手段を制御するとともに、前記フィルタによる前記異物の捕捉能力を回復させるときに、外部から前記回収手段へ向かう気流を生じさせるよう前記気流発生手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、維持費用を抑制しながら、異物の回収能力を維持および回復することができるようになる。
本発明による記録装置の概略構成図。 回復部の回復位置と待機位置との間の移動を説明する説明図。 除去部の概略構成図。 制御系のブロック構成図。 除去処理の詳細な処理ルーチンを示すフローチャート。 廃棄処理の際の異物の動きを説明する説明図。 廃棄処理の詳細な処理ルーチンを示すフローチャート。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による記録装置の一例を詳細に説明するものとする。なお、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本明細書において、「記録」とは、文字、図形など有意の情報を形成する場合に限定されるものではない。即ち、有意無意を問わず、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターンなどを形成する、または、媒体の加工を行う場合を含む。また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、布、プラスチックフィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革など、インクを受容可能なものも含む。さらに、「インク」とは、「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることで、画像、模様、パターンなどの形成または記録媒体の加工、あるいは、インクの処理(インク中の色材の凝固または不溶化)に供され得る液体を含む。
図1は、本発明による記録装置の概略構成図である。この図1に示す記録装置10は、記録画像などの画像データを記録装置10に出力するホスト装置12が接続されている。なお、ホスト装置12としては、例えば、汎用のパーソナルコンピュータが用いられる。記録装置10は、ロール状に巻き回されたロール紙P(記録媒体)を巻き解いて給送する給送部16と、給送部16から給送されるロール紙Pを搬送する搬送部18とを備えている。また、記録装置10は、搬送部18で搬送されるロール紙Pに対して記録を行う記録部20と、記録部20で記録されたロール紙Pが排出される排出部22とを備えている。なお、こうした記録装置10の全体の動作は、例えば、記録装置10に搭載された制御部14(図4参照)により制御される。
より詳細には、記録部20(記録手段)は、搬送部18の上方側において、搬送部18により搬送されるロール紙Pに対してインクを吐出するための記録ヘッド24を備えている。また、記録部20は、記録ヘッド24からのインクの吐出状態を良好に維持および回復するための回復部26を備えている。
記録ヘッド24は、4つの記録ヘッド24K、24C、24M、24Yが搬送部18によるロール紙Pの搬送方向に沿って並設されている。本実施形態では、搬送方向の上流側から下流側に向かって、ブラックインクを吐出する記録ヘッド24K、シアンインクを吐出する記録ヘッド24C、マゼンタインクを吐出する記録ヘッド24M、イエローインクを吐出する記録ヘッド24Yの順で設けられている。
また、記録ヘッド24は、搬送方向と交差(本実施形態では直交)する方向に延在しており、搬送するロール紙Pと対向する面(吐出口面25)にインクを吐出するための複数の吐出口が形成されている。吐出口面25(25K、25C、25M、25Y)では、記録ヘッド24の延在方向と略平行に複数の吐出口が配列されて吐出口列を形成している。この吐出口列は、各記録ヘッド24において、搬送部18で搬送可能なロール紙Pの最大幅(搬送方向と直交する方向の長さであり、本実施形態では記録ヘッド24の延在方向の長さ)よりもやや長くなっている。
記録ヘッド24では、各吐出口に通じる流路(ノズル)において吐出エネルギー発生素子が設けられており、この吐出エネルギー発生素子を用いて吐出口からインクを吐出する。吐出エネルギー発生素子としては、例えば、ピエゾ素子あるいは電気熱変換素子などの公知の技術を用いることができる。記録ヘッド24は、搬送部18により搬送されるロール紙Pに対してインクを吐出する記録位置において、当該ロール紙Pと所定間隔を空けて位置している。
回復部26は、記録ヘッド24K、24C、24M、24Yのそれぞれに対応して、回復部26K、26C、26M、26Yが設けられている。各回復部26には、記録ヘッド24の吐出口面25に密着して保護(キャッピング)するためのキャップ50、吐出口面25を払拭(ワイピング)するためのワイパ(不図示)などが設けられている。そして、回復部26によって定期的に吐出口面25に対する種々の回復動作を行う。なお、回復部26については、記録装置10に着脱不能に配置される構成としてもよいし、必要に応じてユーザなどが記録装置10に着脱可能な構成としてもよい。
また、回復部26におけるキャップ50には、流路41を介して廃タンク27が接続されている。流路41には、ポンプ42が設けられており、ポンプ42の駆動によってキャップ50内が減圧吸引される。従って、キャップ50で吸引されたインクなどは、流路41で誘導されて廃タンク27に貯留されることとなる。
ここで、各記録ヘッド24は昇降可能に配置され、各回復部26は搬送方向にスライド可能に配置されている。図2(a)〜(c)は、記録ヘッド24と回復部26との位置関係を示す説明図である。図2(a)のように、記録動作を行わないとき、記録ヘッド24は待機位置に位置し、回復部26におけるキャップ50によりキャッピングされている。この状態から、記録動作の開始が指示されると、まず、記録ヘッド24を、制御部14によって矢印A方向に移動させて所定位置まで上昇させる(図2(b)参照)。次に、回復部26を矢印B方向に移動させ、回復部26を記録ヘッド24による記録動作を妨げることのない待機位置まで移動し、その後、記録ヘッド24を、矢印C方向で移動させてロール紙Pへ記録可能な記録位置まで下降させる(図2(c)参照)。
また、所定のタイミングで記録ヘッド24の吐出口面25をキャップ50によりキャッピングする場合には、まず、記録ヘッド24を矢印A方向に移動させて所定位置まで上昇させ、その後、回復部26を矢印D方向に移動させる(図2(c)参照)。このとき、回復部26は、吐出口面25をキャップ50でキャッピング可能な回復位置まで移動させる(図2(b)参照)。次に、記録ヘッド24を、矢印C方向に移動させ、吐出口面25がキャップ50によりキャッピング可能な位置まで下降する(図2(a)参照)。なお、回復部26の待機位置および回復位置への到達については、制御部14によりセンサ29を用いて検知する。
各記録ヘッド24にはそれぞれ、対応するインクが貯留されたインクタンク38が接続されている。即ち、記録ヘッド24Kにはブラックインクを貯留するインクタンク38Kが接続され、記録ヘッド24Cには、シアンインクを貯留するインクタンク38Cが接続されている。また、記録ヘッド24Mにはマゼンタインクを貯留するインクタンク38Mが接続され、記録ヘッド24Yにはイエローインクを貯留するインクタンク38Yが接続される。インクタンク38と記録ヘッド24とはチューブなどの流路で接続され、この流路を介してインクタンク38から記録ヘッド24に対してインクが供給される。
搬送部18(搬送手段)は、搬送モータ124(図4参照)の駆動により回転する搬送ローラ28と、3つの従動ローラ30、31、32と、搬送ローラ28と従動ローラ30、31、32とに無端状に張設されたベルト34とを備えている。搬送部18においてロール紙Pを搬送する際には、搬送ローラ28の回転によりベルト34を所定方向に回転させ、これにより、従動ローラ30、32間において、ベルト34上に載置されたロール紙Pが搬送方向で搬送されることとなる。ベルト34には、搬送方向に沿って複数の孔(不図示)が設けられている。搬送部18は、ベルト34に設けられた孔を介して、ベルト34上に載置されたロール紙Pを吸引可能な吸引部36が設けられている。この吸引部36は、ベルト34上に載置されたロール紙Pを吐出口面25と対向する位置において吸引する。これにより、記録ヘッド24からインクを吐出する際に、ロール紙Pのベルト34からの浮き上がりが防止される。
記録装置10によるロール紙Pへの記録では、搬送されたロール紙Pの記録位置が記録ヘッド24Kと対向する位置に到達すると、イメージメモリ110(後述する。)に記憶された記録データに基づいて、記録ヘッド24Kからブラックインクが吐出される。同様に、記録ヘッド24C、記録ヘッド24Mおよび記録ヘッド24Yの順にシアンインク、マゼンタインクおよびイエローインクが吐出されることにより、ロール紙P上に各インクより記録がなされる。なお、こうした各記録ヘッド24からのインクの吐出制御は、ホスト装置12から入力された画像データなどの種々の情報に基づいて、制御部14によって制御される。
給送部16(給送手段)は、ロール紙保持部(不図示)に保持されたロール紙Pを巻き解いて搬送部18まで給送する給送ローラ17を備えている。なお、ロール紙Pを搬送部18まで給送するための詳細な構成については、公知の技術を用いることができるため、その詳細な説明は省略する。また、給送部16には、ロール紙Pなどに付着した紙粉や給送部16内(給送手段内)に侵入した塵埃などの異物を除去するための除去部40が接続されている。なお、本願明細書においては、除去部40による除去対象となる紙粉や塵埃などの異物について、単に「異物」と称することとする。
図3は、除去部40の概略構成図である。除去部40は、給送部16の構成部材を収容する筐体部内の空間Sと連通して設けられた回収室43と、空間Sと回収室43との連通部分に設けられたファン44とを備えている。即ち、除去部40では、給送部16と回収室43とは互いに内部空間が連通している。回収室43には、フィルタ46を介して装置外部と連通する開口部45が設けられている。従って、給送部16から回収室43に空気が流入すると、流入した空気に混入した異物をフィルタ46で捕捉しながら、開口部45から排気される。また、フィルタ46を介して装置外部からの空気を回収室43に流入させることも可能となっている。
また、回収室43(回収手段)は、鉛直下方において回収流路47が接続されている。回収流路47は、流路41に対してポンプ42と廃タンク27との間に接続されている。これにより、回収流路47は、流路41を介して廃タンク27と接続されている。即ち、回収流路47(第1流路)は、廃タンク近傍(つまり、廃タンク27と接続される側)において流路41(第2流路)とその一部を共有する構成となっている。
回収流路47には開閉可能なバルブ48が設けられており、このバルブ48を開くことで、回収室43内の空間が回収流路47および流路41を介して廃タンク27に連通する。そして、バルブ48を閉じることで、回収室43と廃タンク27とが連通した状態を解除(隔絶)する。回収室43は、その内部の鉛直下方に、落下した異物を集積可能な集積領域Pを形成している。即ち、回収流路47は、回収室43における集積領域Pに接続されている。
ファン44(気流発生手段)は、空間S内の空気の吸引と、回収室43内(回収手段内)の空気の吸引とを選択的に実行可能な構成となっている。ファン44により空間S内の空気を吸引することで、給送部16から回収室43への気流が生じる。また、ファン44により回収室43内の空気を吸引することで、開口部45を介して外部から回収室43への気流が生じる。
空間Sに対して回収室43が連通する位置および空間Sと回収室43とが連通する経路は、空間Sにおける塵埃およびロール紙Pから発生する紙粉などの異物を、ファン44の駆動によって効率的に回収室43へ送出することが可能であれば特に限定されない。また、ファン44は、例えば、安価な軸流ファンであり、遠心ファン、斜流ファン、横流ファンなど空間S内において空気の流れを発生可能な装置であれば特に限定されるものではない。また、開口部45は、集積領域Pよりも上方側に形成される。また、開口部45は、ファン44の吸引動作により給送部16内を吸引する際に生じる気流が衝突する位置に形成されることが好ましい。
フィルタ46は、例えば、不織布のような繊維で作成されたもので、記録ヘッド24の吐出不良につながる、例えば、数μmサイズの異物を付着させて集めることが可能なものを選定する。また、フィルタ46は、例えば、開口部45において着脱可能に配置されており、除去部40は、フィルタ46を交換することが可能な構成となっている。廃タンク27(貯留手段)には、回収したインクおよび異物を一時的に貯留するために、内部に吸着体などの保湿部材を備えるようにしてもよい。また、種々の回復処理により発生した廃インクを貯留可能な容量を最低限確保していれば、後述する除去処理により回収した異物などを特に考慮する必要はない。つまり、廃タンク27としては、公知の技術を用いることができ、除去部40を設けたことによる新たな構成やサイズの変更などを行う必要はない。
次に、図4を参照しながら、記録装置10の制御系について説明する。図4は、記録装置10の制御系のブロック構成図である。記録装置10は、制御部14により全体の動作が制御されている。制御部14は、中央処理装置(CPU)102と、ROM104と、RAM106とを備えている。CPU102では、記録動作および回復動作などの各種の制御処理が実行される。CPU102には、全体の動作や種々の処理を実行するための所定のプログラムを格納したROM104と、CPU102によるプログラム実行時に必要な各種のレジスタなどが設定されたワーキングエリアとしてのRAM106とが接続されている。
CPU102には、インターフェースコントローラ108が接続されている。CPU102には、インターフェースコントローラ108を介してホスト装置12からの画像データや指示(コマンド)が入力される。そして、CPU102では、入力された指示などの情報を解析した後に、画像データに含まれる画像情報の各色成分のイメージデータをイメージメモリ110にピットマップ展開して描写し、記録データとして保存する。
CPU102には、記録ヘッド制御回路128を介して記録ヘッド24が接続され、CPU102によって吐出エネルギー発生素子の駆動を制御して、記録ヘッド24におけるインクの吐出制御が行われる。具体的には、CPU102は、イメージメモリ110に格納された記録データを順次読み出し、読み出したデータに基づいて記録ヘッド制御回路128を介して記録ヘッド24K、24C、24M、24Yからインクの吐出制御を行う。
CPU102は、入出力ドライバ112を介して、モータ駆動部114、センサ駆動部116、バルブ駆動部118およびファン駆動部120と接続されている。モータ駆動部114は、給送ローラ17を駆動する給送モータ122に接続され、CPU102は、モータ駆動部114を介して給送モータ122を制御し、給送ローラ17によるロール紙Pの給送を制御する。また、モータ駆動部114は、搬送ローラ28を駆動する搬送モータ124に接続され、CPU102は、モータ駆動部114を介して搬送モータ124を制御し、搬送ローラ28(を介するベルト34)によるロール紙Pの搬送量を制御する。さらに、モータ駆動部114は、回復部26を駆動する駆動モータ126に接続され、CPU102は、モータ駆動部114を介して、矢印B、D方向への回復部26の移動やキャップ50、ワイパの駆動などを制御する。
センサ駆動部116は、センサ29に接続され、センサ29の駆動を制御するとともに、センサ29の検知結果を入出力ドライバ112を介してCPU102に入力する。バルブ駆動部118は、回収流路47の開閉を行うバルブ48に接続され、CPU102は、バルブ駆動部118を介してバルブ48を制御し、回収流路47の開閉を制御する。ファン駆動部120はファン44に接続され、CPU102は、ファン駆動部120を介してファン44を制御して、空間S内の空気の吸引と、回収室43内の空気の吸引とを選択的に実行する。なお、CPU102には、図示はしないが、各種駆動部を介してポンプ42を駆動するためのモータや記録ヘッド24を昇降するモータなど各構成部材が接続されており、CPU102によって各構成部材の駆動が制御される構成となっている。
以上の構成において、ユーザが操作パネル(不図示)などを介して給送部16における異物の除去を指示した、あるいは、ホスト装置12から記録装置10に画像データが入力されると、除去処理が開始される。ここで、図5は、除去処理の詳細な処理内容を示すフローチャートである。図5のフローチャートで示される一連の処理は、CPU102がROM104に記憶されているプログラムコードをRAM106に展開し実行される。あるいは、図5におけるステップの一部または全部の機能をASICや電子回路などのハードウェアで実現してもよい。なお、各処理の説明のける記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップを意味する。
除去処理が開始されると、まず、画像データが存在するか否かを判断する(S502)。即ち、S502では、ホスト装置12から画像データが記録装置10に入力されたか否かを判断する。入力された画像データは、例えば、記憶部(不図示)に記憶されており、S502では、制御部14において記憶部に画像データが記憶されているか否かを判断することとなる。なお、画像データは、当該画像データにより生成した記録データに基づく記録処理が終了すると記憶部から削除される。
S502において、画像データが入力されたと判断されると、給送部16内(空間S内)を吸引するようにファン44を駆動する(S504)。S504でのファン44の吸引力については、給送する記録媒体の種類、給送部16における空間Sの大きさ、回収する異物の種類および大きさなどに基づいて設定され、例えば、空間S内にある異物を舞い上げながら空気とともに異物を吸引可能な吸引力とする。ファン44を駆動して給送部16内を吸引すると、給送部16から回収室43に向かって気流が生じ、空間S内にある異物が空気とともに回収室43内に流入する。異物が混入した空気が回収室43に流入すると、開口部45に位置するフィルタ46で異物を捕捉しながら、空気のみが装置外部に排出される(図6(a)参照)。なお、S504においてファン44を駆動するときには、バルブ48は閉じられており、吸引した空気が回収流路47に流入することはない。
次に、記録データに基づく記録処理が終了したか否かを判断する(S506)。S506において、記録処理が終了していないと判断されると、再度S506の処理に戻る。また、S506において、記録処理が終了していると判断されると、ファン44の駆動を停止して吸引を停止し(S508)、この除去処理を終了する。
一方、S502において、画像データが入力されていないと判断されると、ユーザからの異物除去の指示があったか否かを判断する(S510)。なお、操作パネルは制御部14に接続されている。従って、制御部14において、操作パネルを介して異物除去の指示が入力されたか否かを判断することとなる。S510において、ユーザからの異物除去の指示がなかったと判断されると、S502の処理に戻る。また、S510において、ユーザからの異物除去の指示があったと判断されると、給送部16内を吸引するようにファン44を駆動する(S512)。S512の具体的な処理内容については、S504と同じである。即ち、S512ではバルブ48は閉じられている。
次に、予め設定された所定時間が経過したか否かを判断する(S514)。即ち、ファン44を駆動すると時間の計測を開始し、S514では、この計測した時間が所定時間に達したか否かを判断する。所定時間については、給送部16における空間Sの大きさ、ファン44の吸引力などに基づいて設定され、例えば、空間S内に存在する異物が一定量以下となる時間とする。S514において、所定時間が経過していないと判断されると、S514の処理に戻る。また、S514において、所定時間が経過したと判断されると、S508に進む。
このように、除去処理では、給送部16内の異物を空気とともに回収室43に流入させ、回収室43において、異物をフィルタ46で回収し、異物が除去された空気のみを開口部45から排出することとなる。このため、給送部16から記録部20に侵入する異物が低減する。これにより、侵入した異物が記録ヘッド24の吐出口などに付着して生じる吐出不良や、侵入した異物が搬送ローラ28、従動ローラ30、31、32などに付着して生じる搬送不良などが生じ難くなる。従って、記録ヘッド24に対する回復部26を用いた回復処理の実施頻度を低減することができ、これにより、効率的に記録することができるとともに、回復処理において使用するインクの消費量を低減することができる。
図6(a)は、バルブ48を閉めた状態で給送部16内を吸引した状態を示す説明図である。図6(b)は、図6(a)の状態からバルブ48を閉めた状態で回収室43内の空気を吸引した状態を示す説明図である。図6(c)は、図6(b)の状態からバルブ48を開けた状態で給送部16内を吸引した状態を示す説明図である。
ここで、除去処理を行うと、回収室43には、図6(a)のように、給送部16内から回収した異物は、フィルタ46に捕捉されるとともに、その一部は回収室43の集積領域Pに堆積した状態となる。この状態からさらに除去処理を連続して行うと、フィルタ46が目詰まりして開口部45から排気することができなくなり、フィルタ46における異物の捕捉能力が喪失する。このため、回収室43における異物の回収効率が大きく低下あるいは喪失してしまう。
そこで、本願発明では、記録装置10の電源をOFFとするとき、あるいは、廃タンク27を交換するときなどの所定のタイミングで、回収室43に回収した異物(フィルタ46に捕捉した異物を含む)を廃タンク27に廃棄する廃棄処理を実行するようにした。例えば、記録装置10の電源をOFFとするときに廃棄処理を実行する場合には、電源がOFFとされると廃棄処理が開始され、廃棄処理が終了すると電源がOFF状態となる。また、廃タンク27を交換するときに廃棄処理を実行する場合には、廃タンク27を交換するための前処理として廃棄処理が開始され、廃棄処理が終了すると廃タンク27が交換可能な状態となる。このように、廃棄処理は、記録処理を行われていないタイミングで実行されることとなる。
図7は、廃棄処理の詳細な処理内容を示すフローチャートである。なお、図7のフローチャートで示される一連の処理についても、除去処理と同様に実行される。廃棄処理が開始されると、まず、回収室43内を吸引するようにファン44を駆動する(S702)。このとき、バルブ48は閉じられている。バルブ48を閉じた状態でファン44を駆動して回収室43内を吸引すると、装置外部から回収室43に向かって気流が生じ、フィルタ46を介して装置外部の空気が回収室43内に流入する。このとき、フィルタ46で捕捉した異物がフィルタ46から落下し、図6(b)のように、回収室43の集積領域Pに集積される。これにより、フィルタ46における異物の捕捉能力が回復することとなる。
なお、回収室43内を吸引する際のファン44の吸引力については、強すぎると生じる空気流によりフィルタ46に付着した異物が給送部16内に再度戻ってしまう。このため、このときのファン44の吸引力は、フィルタ46に付着した異物を回収室43の集積領域Pに落下させることができる最低限の吸引力とすることが好ましい。なお、この吸引力は、異物のフィルタ46に対する捕捉状態、塵埃などの異物の種類、作業環境などによって、フィルタ46で捕捉した異物を効率的に落下させることができる吸引力に適宜設定することが好ましい。
次に、予め設定された第1設定時間が経過したか否かを判断する(S704)。即ち、ファン44の駆動が開始すると時間の計測を開始し、S704では、計測した時間が第1設定時間に達したか否かを判断する。第1設定時間については、フィルタの種類や作業環境などに基づいて設定され、例えば、フィルタ46の流路抵抗が所定範囲内で回復する時間とする。S704において、第1設定時間が経過していないと判断されると、S704の処理に戻る。また、S704において、第1設定時間が経過したと判断されると、ファン44の駆動を停止して吸引を停止する(S706)。
その後、バルブ48を開き(S708)、給送部16内を吸引するようにファン44を駆動する(S710)。これにより、給送部16内を吸引すると、給送部16から回収室43へ向かって気流が生じる。ここで、フィルタ46の流路抵抗は、回収流路47、流路41を介して廃タンク27に至る流路における流路抵抗よりも大きくなっている。このため、回収室43に流入した気流は、図6(c)のように、バルブ48が開けられた回収流路47へ流れる易くなる。この回収流路47へ流れる気流によって、集積領域Pに集積された異物は、回収流路47を介し、流路41を通って廃タンク27へ排出される。
なお、流路41は、キャップ50からのインクを廃タンク27に送るための流路であるため、その内部は常にインクが付着した状態となっている。このため、回収流路47を介して流路41に達した異物は、流路41内部に付着したインクを吸収し、効率よく廃タンク27まで流れることとなる。
ファン44を駆動すると、予め設定した第2設定時間が経過したか否かを判断する(S712)。即ち、ファン44の駆動が開始すると時間の経過を開始し、S712では、計測した時間が第2設定時間に達したか否かを判断する。第2設定時間については、フィルタ46および回収流路47から廃タンク27までの流路における流路抵抗や当該流路の長さなどに基づいて設定され、例えば、回収室43で集積された所定量の異物を確実に廃タンク27まで送出することが可能な時間とする。
S712において、第2設定時間が経過していないと判断されると、S712の処理に戻る。また、S712において、第2設定時間が経過したと判断されると、ファン44の駆動を停止して吸引を停止し(S714)、バルブ48を閉めて(S716)、この廃棄処理を終了する。
このように、廃棄処理では、フィルタ46に異物が捕捉されている所定タイミングで、フィルタ46が設けられた回収室43内をファン44により吸引するようにした。これにより、外部から回収室43に向かう気流が生じ、当該気流によってフィルタ46に付着した異物を回収室43の下部に落下させ、集積させることができる。その後、バルブ48を開け、ファン44により給送部16内を吸引するようにした。これにより、給送部16から回収室43に向かう気流が生じ、当該気流によって集積した異物を、回収流路47などを介して廃タンク27へ廃棄することができる。このため、廃棄処理後の回収室43では、フィルタ46の目詰まりなどが生じることがなくなり、回収室43における異物の回収能力の低下が抑制されるようになる。
なお、ファン44の駆動制御およびバルブ48の開閉制御は、制御部14により実行される。従って、本実施形態では、制御部14は、除去処理により異物を回収する制御を行うとともに、廃棄処理により異物を廃棄するにファン44およびバルブ48を制御する制御手段として機能している。
以上において説明したように、記録装置10では、給送部16と回収室43とを連通し、連通部分に給送部16または回収室43のどちらか一方を選択的に吸引することが可能なファン44を有するようにした。また、回収室43には、フィルタ46を介して外部と連通する開口部45を備えるとともに、集積領域Pには廃タンク27と連通する回収流路47が接続されるようにした。そして、ファン44により給送部16内を吸引することで、給送部16内の空間Sにある異物を回収室43に回収して、当該空間Sから異物を除去する除去処理を行うようにした。これにより、記録装置10では、給送部16から記録部20に侵入する異物が低減し、記録ヘッド24における吐出不良や搬送部18における搬送不良などが生じ難くなる。このため、回復処理などの実施頻度を低減することができ、効率的に記録することができるとともに、廃棄するインクの量を低減することができるようになる。
また、記録装置10は、フィルタ46に異物が付着した状態から、ファン44により回収室43内を吸引することで、回収室43内にフィルタ46を介して装置外部から空気を流入させ、フィルタ46で補足した異物を回収室43の集積領域Pに集めるようにした。その後、バルブ48を開けて、ファン44により給送部16内を吸引することで、集積領域Pに集めた異物を、回収流路47を介して廃タンク27まで送出するようにした。これにより、記録装置10では、回収室43による異物の回収能力の低下を抑制することができるようになる。
また、記録装置10においては、フィルタ46などの消耗品の交換頻度を抑制することができる。このため、維持費用を抑制しながら、フィルタ46の異物の捕捉能力(回収室43の異物の回収能力)を維持および回復することができるようになるとともに、交換作業によるユーザへの負担が軽減される。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下の(1)乃至(6)に示すように変形してもよい。
(1)上記実施形態では、記録装置10は、フルラインタイプの記録装置としたが、これに限定されるものではない。即ち、記録装置10は、搬送方向で搬送されるロール紙Pに対して、記録ヘッドが搬送方向と交差する方向に移動しながらインクを吐出する、所謂、シリアルタイプの記録装置としてもよい。また、上記実施形態による搬送部18では、ベルト34によりロール紙Pを搬送するようにしたが、これに限定されるものではなく、搬送部18は、例えば、従動ローラと搬送ローラとによりロール紙Pを挟持して搬送するようにしてもよい。
(2)本発明は、記録装置のみに限定されず、各種の液体を吐出するための液体吐出装置に対しても適用することができる。また、本発明は、搬送される記録媒体に記録された画像などを読み取る読取装置など、記録媒体に対して所定の処理を実行する処理装置に対しても適用することができる。また、本発明を適用可能な記録装置は、吐出エネルギー発生素子によりインクを吐出して記録する、所謂、インクジェット記録装置に限定されるものではなく、種々の方式によりロール紙Pに対して記録する記録装置に適用可能である。
(3)上記実施形態では、ユーザが異物の除去を指示したタイミングまたはホスト装置12から画像データが入力されたタイミングで除去処理を開始するようにしたが、これに限定されるものではない。ユーザが異物の除去を指示したタイミングでのみ除去処理を実行するようにしてもよいし、ホスト装置12から画像データが入力されたタイミングでのみ除去処理を実行するようにしてもよい。また、除去処理を開始するタイミングは、記録装置10の起動時、記録開始時、記録中など種々のタイミングを含むようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、給送部16においてロール紙Pを巻き解いて搬送部18へ給送するようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、給送部16において、所定サイズのシート状の記録媒体を収容するカセット(収容部)などを設けるようにし、当該カセットに収容された記録媒体を搬送部18へ給送する構成としてもよい。また、上記実施形態では、回収流路47は、流路41を介して廃タンク27に接続されるようにしたが、これに限定されるものではなく、廃タンク27に直接接続されるようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、ファン44によって吸引することにより給送部16から回収室43への気流および装置外部から回収室43への気流を生じさせるようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、給送部16に空気を圧送することで、給送部16から回収室43への気流を生じさせ、開口部45を介して外部から空気を圧送することで外部から回収室43への気流を生じさせるようにしてもよい。なお、この場合には、空気の圧送時に給送部16から搬送部18への異物の侵入を防止する構成を備える必要がある。
(6)上記実施形態では、回収流路47により回収室43に集積した異物を廃棄するようにしたが、これに限定されるものではなく、回収室43に集積した異物をユーザが輩出するようにしてもよい。
10 記録装置
16 給送部
43 回収室
44 ファン
45 開口部
46 フィルタ
47 回収流路
48 バルブ

Claims (8)

  1. 内部空間に記録媒体を収容するとともに、収容した記録媒体を給送する給送手段と、
    前記給送手段により給送された記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される記録媒体に対して記録する記録手段と、
    前記給送手段と互いに内部空間が連通するとともに、フィルタを介して外部に連通する開口部を有し、前記フィルタで異物を回収する回収手段と、
    前記給送手段から前記回収手段への気流と、外部から前記回収手段への気流とを生じさせる気流発生手段と、
    前記給送手段内部の前記異物を前記フィルタで回収するときに、前記給送手段から前記回収手段へ向かう気流を発生させるよう前記気流発生手段を制御するとともに、前記フィルタによる前記異物の捕捉能力を回復させるときに、外部から前記回収手段へ向かう気流を生じさせるよう前記気流発生手段を制御する制御手段と
    を有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記気流発生手段は、
    前記給送手段と前記回収手段との連通部分に配置され、
    前記給送手段内を吸引することで前記給送手段から前記回収手段への気流を生じさせ、前記回収手段内を吸引することで外部から前記回収手段への気流を生じさせる
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 開閉可能なバルブを備え、前記バルブが開いたときに前記回収手段で回収した前記異物を排出できる第1流路をさらに備え、
    前記制御手段は、前記バルブを閉めて前記異物を回収した後に、前記バルブを開けて回収した前記異物を前記第1流路を介して排出する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記第1流路から排出される前記異物を貯留する貯留手段をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記第1流路は、前記貯留手段の近傍において、前記記録手段の回復処理の際に生じる廃インクを前記貯留手段まで誘導する第2流路の一部を共有していることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記フィルタの流路抵抗は、前記バルブを開けたときの前記第1流路の流路抵抗よりも大きいことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記回収手段は、鉛直下方において、前記第1流路が接続されるとともに、回収した前記異物が集積されることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記気流発生手段によって外部から前記回収手段への気流を生じさせる際には、前記記録手段による記録が行われていないことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。
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