JP2019195272A - プライマー及びc型肝炎ウイルスの検出方法 - Google Patents

プライマー及びc型肝炎ウイルスの検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 試料中に存在するHCVを特異的に増幅し、かつ遺伝子型による差異が発生しにくい検出方法を提供する。【解決手段】試料中に含まれるHCV RNAの特定塩基配列の3’末端部と相補的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定塩基配列の5’末端部と相同的な配列を有する第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットであって、第一のプライマーが、配列番号1とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが、配列番号13とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである、前記プライマーセットを用いて検出する。【選択図】 なし

Description

本発明は、試料中に含まれるC型肝炎ウイルス(HCV)を迅速、高感度かつ特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドプライマー、および当該プライマーを用いたHCVの検出方法に関する。
C型肝炎ウイルス(HCV)は1本鎖RNAウイルスで、フラビウイルス科に分類されている。現在までに10以上の遺伝子型、数十のサブタイプに分けられている。電子顕微鏡での観察で、HCVは直径50〜60nmの球状のウイルスで、外被(エンベロープ)とコアの二重構造を有している。人に感染すると比較的徐々に食欲不振、全身倦怠感、悪心・嘔吐、右季肋部痛、上腹部膨満感、濃色尿などがみられるようになり、それに引き続き黄疸が見られる例もある。一般的にC型肝炎では劇症化することは少なく、黄疸などの症状も軽い(非特許文献1)。
臨床的に用いられているHCVの検出法として、血清抗体の検出と核酸・抗原の検出の2種類がある。一般的に、初めにHCV抗体検査が用いられる。陽性と出た場合、血清抗体の検出では過去のHCV感染の既往などでも陽性となるため、核酸検出検査を追加で行う。また、急性C型肝炎においてもHCV抗体の陽性化には感染後通常1〜3ヶ月を要するため、この時期には核酸検出検査をおこなう。このように、急性C型肝炎に対応するためには迅速に核酸検出検査を行う必要がある。しかし、現行のC型肝炎核酸検出検査は装置が大きく一部の大型病院にしか設置できないこと、また検査時間が長く診察前検査に使用できないことが問題であった。このため、感度が高く迅速で簡便な検査が望まれている。
本発明で使用されたTRC法(特許文献1、特許文献2)では精製から検出まで一体となった装置が市販されており、1時間程度で結果を得ることができるため、十分な迅速性を備えている。また、感度、特異度ともに他の核酸増幅による検出法と遜色はない。
HCVには複数の遺伝子型が存在するが、どの遺伝子型も同じように定量する必要があり、当該プライマーセットやオリゴヌクレオチドプローブの設計はさらに困難であった。
特開2000−14400号公報 特開2001−37500号公報
「感染症の辞典」,朝倉書店,2004年,p.55−56
本発明の目的は、試料中に存在するHCVに由来する核酸を高感度、迅速に増幅し、かつ遺伝子型による定量値の違いが発生しにくい特異的なオリゴヌクレオチドプライマー、および当該プライマーを用いたHCVの検出方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下のとおりである。
(1) 試料中に含まれるHCVの特定塩基配列の3’末端部と相補的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定塩基配列の5’末端部と相同的な配列を有する第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットであって、
第一のプライマーが、配列番号1に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドであり、
第二のプライマーが、配列番号13に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである、
前記プライマーセット。
(2) 第一のプライマーが少なくとも17塩基からなり、第二のプライマーが少なくとも14塩基からなるオリゴヌクレオチドである、(1)に記載のプライマーセット。
(3) 第一のプライマーが、配列番号2に記載の塩基配列中、少なくとも連続する17塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが、配列番号14に記載の塩基配列中、少なくとも連続する14塩基からなるオリゴヌクレオチドである、(1)または(2)に記載のプライマーセット。
(4) 第一のプライマーが配列番号3から12のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第二のプライマーが、配列番号15から34のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、
(1)〜(3)いずれかに記載のプライマーセット。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載のプライマーセットで増幅した特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を、前記核酸の一部とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能な、インターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、HCVを検出する方法。
(6) (1)から(4)のいずれかに記載のプライマーセットと、配列番号35に記載の塩基配列またはその相補配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドにインターカレーター性蛍光色素を標識した核酸プローブとを含む、HCV検出試薬。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において特定塩基配列とは、HCV RNAのうち、第ニのプライマーとの相同領域の5’末端から第一のプライマーとの相補領域の3’末端までの塩基配列のことをいう。すなわち本発明では前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸が増幅されることになる。
「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。一例を示せば、相同性(例、同一性または類似性)が高いポリヌクレオチド同士、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の相同性を有するポリヌクレオチド同士がハイブリダイズし、それより低い相同性を示すポリヌクレオチド同士がハイブリダイズしない条件である。具体的に本発明におけるストリンジェントな条件の例として、42℃において、50%(v/v)ホルムアミド、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%フィコール、0.1%のポリビニルピロリドン、50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH6.5)、150mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムが存在する条件や、本明細書の実施例に記載の核酸増幅条件があげられる。また、前述したストリンジェントな条件下で、前記特定塩基配列と、十分に特異的かつ高効率にハイブリダイゼーション可能であれば、第一及び第二のプライマーの塩基配列は、前記特定塩基配列と比較して置換、欠失、付加、修飾があってもよい。第一及び第二のプライマーの長さは任意に設定できるが、好ましくは10塩基から50塩基までの範囲である。なお、もっとも好ましい態様では、ストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドとは、対象塩基配列に対して相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドである。
本発明は、試料中に含まれるHCV RNAの特定塩基配列の3’末端部と相補的な配列を有する第一のプライマーとして、配列番号1に記載の塩基配列(GenBank No.NC_004102.1の278番目から308番目までの塩基配列)とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを、また試料中に含まれるHCV RNAの特定塩基配列の5’末端部と相同的な配列を有する第二のプライマーとして、配列番号13に記載の塩基配列(GenBank No.NC_004102.1の151番目から174番目までの塩基配列の相補配列)とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いることを特徴としている。
その中でも第一のプライマーが少なくとも17塩基からなり、第二のプライマーが少なくとも14塩基からなることが好ましい。
第一のプライマーの一例として、配列番号1に記載の塩基配列の相補配列である配列番号2に記載の塩基配列中、少なくとも連続する17塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号3(GenBank No.NC_004102.1の286番目から308番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号4(GenBank No.NC_004102.1の285番目から301番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号5(GenBank No.NC_004102.1の281番目から301番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号6(GenBank No.NC_004102.1の284番目から300番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号7(GenBank No.NC_004102.1の280番目から299番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号8(GenBank No.NC_004102.1の278番目から299番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号9(GenBank No.NC_004102.1の279番目から298番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号10(GenBank No.NC_004102.1の278番目から298番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号11(GenBank No.NC_004102.1の279番目から297番目までの塩基配列の相補配列)および配列番号12(GenBank No.NC_004102.1の278番目から297番目までの塩基配列の相補配列)から選択される何れかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
第二のプライマーの一例として、配列番号13に記載の塩基配列の相補配列である配列番号14に記載の塩基配列中、少なくとも連続する14塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号15(GenBank No.NC_004102.1の151番目から164番目までの塩基配列)、配列番号16(GenBank No.NC_004102.1の151番目から168番目までの塩基配列)、配列番号17(GenBank No.NC_004102.1の153番目から169番目までの塩基配列)、配列番号18(GenBank No.NC_004102.1の153番目から174番目までの塩基配列)、配列番号19(GenBank No.NC_004102.1の155番目から171番目までの塩基配列)、配列番号20(GenBank No.NC_004102.1の155番目から172番目までの塩基配列)、配列番号21(GenBank No.NC_004102.1の155番目から173番目までの塩基配列)、配列番号22(GenBank No.NC_004102.1の155番目から174番目までの塩基配列)、配列番号23(GenBank No.NC_004102.1の156番目から171番目までの塩基配列)、配列番号24(GenBank No.NC_004102.1の156番目から172番目までの塩基配列)、配列番号25(GenBank No.NC_004102.1の156番目から173番目までの塩基配列)、配列番号26(GenBank No.NC_004102.1の156番目から174番目までの塩基配列)、配列番号27(GenBank No.NC_004102.1の157番目から171番目までの塩基配列)、配列番号28(GenBank No.NC_004102.1の157番目から172番目までの塩基配列)、配列番号29(GenBank No.NC_004102.1の157番目から173番目までの塩基配列)、配列番号30(GenBank No.NC_004102.1の157番目から174番目までの塩基配列)、配列番号31(GenBank No.NC_004102.1の158番目から172番目までの塩基配列)、配列番号32(GenBank No.NC_004102.1の158番目から173番目までの塩基配列)、配列番号33(GenBank No.NC_004102.1の158番目から174番目までの塩基配列)および配列番号34(GenBank No.NC_004102.1の159番目から174番目までの塩基配列)から選択される何れかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
中でもHCV RNAを迅速かつ特異的に検出可能であるという点で、第一のプライマーと第二のプライマーの組み合わせが、配列番号4と31、4と32、4と33、4と34、5と28、5と31、5と32、6と31、6と32、7と31、7と32、8と28、8と31、8と32、10と28、10と31、10と33、12と31、12と32のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるプライマーセットが更に好ましい。また、第一のプライマーとしては1種のみでもよく、2種以上を混合して用いることもできる。第二のプライマーも同様である。
本発明のプライマーセットは、RT−PCR法、LAMP法、SDA法、RPA法等、の核酸増幅法を利用した、HCV RNAの特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットとして有用である。なお、第一または第二のプライマーのいずれか一方の5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターをさらに付加させると、前記プロモーターに対応したRNAポリメラーゼを用いて、RNAポリメラーゼのプロモーターを付加した特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸が合成されるため、これら核酸からNASBA(Nucleic Acid Sequence Based Amplification)法、TMA(Transcription−Mediated Amplification)法、TRC(Transcription−Reverse transcription Concerted reaction)法といった一定温度でRNAを増幅する方法を用いて、RNAを増幅させることができる点で好ましい。プライマーの5’末端側に付加するプロモーターは、RNA増幅に用いるRNAポリメラーゼ(例えば、分子生物学の分野で汎用される、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼやSP6 RNAポリメラーゼ)に対応したプロモーターを用いればよい。また前記プロモーターに、転写効率に影響を及ぼすことが知られている転写開始領域をさらに付加してもよい。RNA増幅に用いるRNAポリメラーゼとしてT7 RNAポリメラーゼを用いたときの、プライマーの5’末端側に付加するプロモーター(T7プロモーター)の具体例として、配列番号39に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
本発明のプライマーセットを用いて増幅したHCV RNAの特定塩基配列またはその相補配列を含む核酸の検出は、従来から知られた核酸検出方法を利用することができる。具体的には、
(A)電気泳動や液体クロマトグラフィーを用いた方法、
(B)検出可能な標識で標識されたオリゴヌクレオチドプローブによるハイブリダイゼーション法、
(C)当該増幅産物の塩基配列の一部とハイブリダイズすることで蛍光特性が変化するように設計された蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブを用いた方法、
などがあげられる。前記(C)の蛍光色素標識プローブの一例として、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)を利用した蛍光標識プローブや、インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブがあげられる。
前記インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブの一例として、HCV RNAの特定塩基配列または当該特定塩基配列の相補配列を含む核酸の一部とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドの3’末端側、5’末端側、リン酸ジエステル部または塩基部分に、適当なリンカーを介してインターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブがある。前記プローブはHCV RNAの特定塩基配列(または当該特定塩基配列の相補配列)と相補的2本鎖を形成すると、インターカレーター性蛍光色素部分が前記相補的2本鎖部分にインターカレートすることで蛍光特性が変化するプローブである。標識するインターカレーター性蛍光色素に特に限定はなく、オキサゾールイエロー、チアゾールオレンジ、エチジウムブロマイド、ヘミシアニン等の汎用されている蛍光色素、およびこれらの誘導体の中から、蛍光強度や蛍光特性を考慮して、適宜選定すればよい。なお3’末端側に蛍光色素を標識する場合を除き、オリゴヌクレオチドの3’末端側は当該末端側からの核酸伸長反応を防止する意味で、グリコール酸などの適当な修飾がされているとよい。
前記インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブを構成するオリゴヌクレオチドの好ましい例として、配列番号35に記載の塩基配列またはその相補配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを上げることができる。更に好ましくは、配列番号36に記載の塩基配列(GenBank No.NC_004102.1の250番目から266番目までの塩基配列の相補配列)またはその相補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチド、配列番号37に記載の塩基配列(GenBank No.NC_004102.1の250番目から269番目までの塩基配列)またはその相補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチド、配列番号38に記載の塩基配列(GenBank No.NC_004102.1の263番目から279番目までの塩基配列)またはその相補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドがあげられる。
本発明のプライマーセットを用いてHCV RNAを検出するには、例えば以下の(1)から(6)に示す工程により実施すればよい。
(1)配列番号1に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである第一のプライマーがHCV RNAにハイブリダイズし、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により、特定塩基配列に相補的なcDNAを合成し、前記RNAとのRNA−DNA2本鎖を生成する工程、
(2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素により、前記RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(1本鎖DNAの生成)、
(3)該1本鎖DNAに、配列番号13に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである第二のプライマーがハイブリダイズし(ここで前記第一または第二のプライマーのいずれか一方はその5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターが付加される)、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により、特定塩基配列または特定塩基配列に相補的な配列のRNAを転写可能なプロモーターを含む2本鎖DNAを生成する工程、
(4)RNAポリメラーゼ活性を有する酵素により前記2本鎖DNAを鋳型とするRNA転写産物を生産する工程、
(5)該RNA転写産物が、前記(1)の反応におけるcDNA合成の鋳型となることで、連鎖的にRNA転写産物を生成する工程、
(6)配列番号35またはその相補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドにインターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、前記RNA転写産物量を経時的に測定する工程。
前記(1)の工程で用いるRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素、前記(2)の工程で用いるRNase H活性を有する酵素、および前記(3)の工程で用いるDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素は、それぞれ別個あるいは種々の組合せで添加することもできるが、前記活性を併せ持つレトロウイルス由来の逆転写酵素を使用することもできる。該逆転写酵素は特に限定されないが、分子生物学の分野で汎用される、AMV(Avian Myeloblastosis Virus)逆転写酵素、MMLV(Molony Murine Leukemia Virus)逆転写酵素、RAV(Rous Associated Virus)逆転写酵素、HIV(Human Immunodeficiency Virus)逆転写酵素などが使用できる。
前述した態様によるHCV RNA検出方法における反応温度は、使用する各酵素の耐熱性や活性、ならびにプライマー/プローブのTm等に依存するが、使用する酵素がAMV逆転写酵素およびT7 RNAポリメラーゼであり、プライマー/プローブの長さが17から30塩基の範囲である場合は、35から65℃の範囲で反応温度を設定すればよく、40から50℃の範囲で設定するとより好ましい。
前述した態様によるHCV RNA検出方法は、蛍光強度を経時的に測定することから有意な蛍光増加が認められた任意の時間で測定を終了することが可能であり、核酸増幅および測定をあわせて通例20分以内で終了することが可能である。
前述した態様によるHCV RNA検出方法は、前述した第一のプライマー、第二のプライマー、およびインターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブを含むHCV RNA試薬に試料を添加し、経時的に蛍光検出可能な温調ブロックに載置することで、自動的にHCV RNAを増幅し検出することができる。本発明のHCV RNA検出試薬において、オリゴヌクレオチドプローブを構成するオリゴヌクレオチドは、配列番号36、37または38に記載の塩基配列からなるものが好ましい。
本発明のプライマーセットはHCV RNAに特異的な配列(特定塩基配列)およびその相補配列の一部にそれぞれハイブリダイズすることより、HCV RNAの特定塩基配列またはその相補配列を特異的に増幅させることができる。
本発明のプライマーセットを用いたHCV RNA検出法は、試料中に含まれるHCVを迅速、高感度に検出できる。そのため、検査結果を早急に医師に提示することが可能となる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
実施例1 標準RNA調製
後述の実施例で使用する、HCV標準RNAを以下に示す方法でそれぞれ調製した。なお調製した各標準RNAの定量は、260nmにおける吸光度を基に実施した。
HCV RNA配列(GenBank No.NC_004102.1)の1番目から450番目までの塩基配列に基づき人工的にHCV RNA遺伝子の一部を作製し、インビトロ転写した後、転写産物を精製することで、HCV標準RNA(遺伝子型:1a)を調製した。同様にして、GenBank No.AY587016.1に基づき遺伝子型:1b、GenBank No.AB047639に基づき遺伝子型:2a、GenBank No.AF238486に基づき遺伝子型:2b、GenBank No.NC_009824.1に基づき遺伝子型3a、GenBank No.DQ418788に基づき遺伝子型:4a、GenBank No.NC_009826.1に基づき遺伝子型5aのHCV標準RNAを調製した。
実施例2 インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドの調製
下記(A)に示す、インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブ(以下、INAFプローブと記載する)を特開2000−316587号公報で開示の方法に基づき作製した。
(A)配列番号36(GenBank No.NC_004102.1の250番目から266番目までの塩基配列)からなるオリゴヌクレオチドの5’末端から6番目のシトシンと7番目のグアニンとの間に、リンカーを介してチアゾールオレンジを標識し、13番目のチミンの代替として5−ニトロインドールに挿入した。配列番号37(GenBank No.NC_004102.1の250番目から269番目までの塩基配列)からなるオリゴヌクレオチドの5’末端から6番目のシトシンと7番目のグアニンとの間に、リンカーを介してチアゾールオレンジを標識し、13番目のチミンの代替として5−ニトロインドールを挿入した。配列番号38(GenBank No.NC_004102.1の263番目から279番目までの塩基配列)からなるオリゴヌクレオチドの5’末端から10番目のシトシンと11番目のグアニンとの間に、リンカーを介してチアゾールオレンジを標識し、8番目のシトシンの代替として5−ニトロインドールを挿入した。
実施例3 HCV RNA検出用オリゴヌクレオチドの検討
表1に示す、第一のプライマー、第二のプライマーおよびINAFプローブの組み合わせ(以下、オリゴヌクレオチドの組み合わせと記載する)を用いて、以下に示す方法で評価した。なお表1に記載のINAFプローブは実施例2で作製したプローブである。
(1)実施例1で調製した標準RNAは、RNA希釈液(10mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、1mM EDTA、0.02% コール酸ナトリウム)を用いて10000コピー/15μLになるように希釈し、試料として用いた。
(2)以下の組成からなる反応液を蒸発乾燥用チューブに分注し、蒸発乾燥した。
反応液の組成:濃度はRNA試料、開始液、添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl緩衝液(pH8.35)
300mM トレハロース
各0.33mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各1 .3mM ATP、CTP、UTP
0.9mM GTP
3.3mM ITP
0.5μM 第一のプライマー(各配列番号の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドの5’末端側にT7プロモータ(配列番号39)を付加したもの)
0.5μM 第二のプライマー
35nM INAFプローブ(実施例2で調製したもの)
0.025mg/mL 牛血清アルブミン
142U T7 RNAポリメラーゼ
6.4U AMV逆転写酵素
(3)上記の蒸発乾燥後にRNA試料を15μL添加後、46℃で5分間保温し、その後、以下の組成からなる開始液15μLを添加し撹拌した。
酵素液の組成:反応時(30μL中)の最終濃度
9.9% ジメチルスルホキシド
17.5mM 塩化マグネシウム
110mM トリエチルアンモニウムクロリド
(4)引き続き蒸発乾燥用チューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、46℃で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度を経時的に20分間測定した。
開始液を加え撹拌を終えた時点を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.2を超えた場合を陽性判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表1および2に示す。実験は表1,2に記載された回数実施した。表2の「N.D.」は反応開始後20分後の蛍光強度比が1.2以下(陰性判定)であったことを意味する。
HCV RNAの検出性能(表1)については、本実施例で検討したオリゴヌクレオチドの組み合わせ(A01からA59)のうち、A01、A02、A05、A18,A19,A21―29、A31―39、A42、A44、A47−53、A55、A56、A58、A59が10000コピー/testのHCV RNAを10分以内に検出しており、HCV RNAを迅速に検出可能なオリゴヌクレオチドの組み合わせといえる。
Figure 2019195272
遺伝子型間での差(表2)については、本実施例で検討したオリゴヌクレオチドの組み合わせのうち、A34、A37、A50、A51およびA53が10000コピー/testの遺伝子型1a、1b、2a、2b、3a、4a、5aのHCV RNAを測定した時、遺伝子型による検出時間差異が1分以内となった。その内、特にA53では遺伝子型による検出時間差異が0.5分以内となり、遺伝子型に関わらず同等の時間で検出可能なオリゴヌクレオチドの組み合わせといえる。
Figure 2019195272

Claims (6)

  1. 試料中に含まれるHCV RNAの特定塩基配列の3’末端部と相補的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定塩基配列の5’末端部と相同的な配列を有する第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットであって、第一のプライマーが、配列番号1に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドであり、
    第二のプライマーが、配列番号13に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである、前記プライマーセット。
  2. 第一のプライマーが少なくとも17塩基からなり、第二のプライマーが少なくとも14塩基からなるオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載のプライマーセット。
  3. 第一のプライマーが、配列番号2に記載の塩基配列中、少なくとも連続する17塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが、配列番号14に記載の塩基配列中、少なくとも連続する14塩基からなるオリゴヌクレオチドである、請求項1または2に記載のプライマーセット。
  4. 第一のプライマーが配列番号3から12のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドから選択される1以上であり、第二のプライマーが、配列番号15から34のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドから選択される1以上である、請求項1から3いずれかに記載のプライマーセット。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のプライマーセットで増幅した特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を、前記核酸の一部とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能な、蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、HCV RNAを検出する方法。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載のプライマーセットと、配列番号35に記載の塩基配列またはその相補配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドにインターカレーター性蛍光色素を標識した核酸プローブとを含む、HCV RNA検出試薬。
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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
KOEN VERCAUTEREN ET AL.: "Targeting a host-cell entry factor barricades antiviral-resistant HCV variants from on-therapy break", GUT, vol. 0, JPN7022001771, 2015, pages 1 - 6, ISSN: 0004752874 *

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