JP5692954B2 - Hiv−1を検出しそして定量するためのアッセイ - Google Patents

Hiv−1を検出しそして定量するためのアッセイ Download PDF

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Description

(関連出願)
本出願は、米国仮特許出願第60/615,533号(2004年9月30日出願)の優先権を主張する。この先行出願の全開示は、本明細書によって参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、バイオテクノロジーの分野に関する。より具体的には、本発明は、HIV−1の核酸を検出および定量化するための診断的アッセイに関する。
(発明の背景)
ヒト免疫不全ウィルス1型(HIV−1)に感染した個体の臨床管理の進歩により、ウィルス力価を、いくつかの早期世代のHIV−1アッセイの検出限界以下に低下させることができるようになっている。より具体的には、高活性抗レトロウィルス薬物療法(HAART)によって、ウィルス負荷を、50HIV−1 RNAコピー/ml近いレベル、実質的にはいくつかの先行検出アッセイの閾値である400〜500コピー/ml以下のレベルまで低下させることができる。この事実は、低ウィルス力価をモニターし維持する要求とあいまって、HIV−1RNA測定のための改良型定量的アッセイの開発を必要とした(非特許文献1)。しかし、有用な定量的アッセイは、遺伝子的に多様なHIV−1改変体の範囲を正確に測定することができなければならないという事実が事を複雑にしている。
世界中でHIV−1の3つのクラス:M(主系統)、O(分類外)およびN(新型)が発現している。報告されたHIV/AIDS症例の90%超を占めるM群では、ウィルスエンベロープがきわめて多様化しているため、この群は、A〜D、F〜H、JおよびK、ならびにいくつかの組換え型流行株を含む9つの主要な分枝群にサブクラス化されている。HIV−1 O群内のサブタイプは明確に確定されておらず、また、O群内の系列の多様性は、HIV−1 M群における系列の多様性とほぼ同じくらいに大きい。gagおよびenv遺伝子の系統発生的分析では、M群で検出された分枝群のように明確にO群ウィルスの分枝群を解明することができなかった。HIV−1 M群のサブタイプおよびサブ−サブタイプは、チンパンジーからヒトへの感染事象が一回起こった後にヒトに広がったと考えられている。対照的に、HIV−1のO群およびN群は、各々チンパンジーからヒトへ別々に感染した事象から生じたと考えられている。完全に配列決定されたHIV−1ゲノムのうち、ほぼ20%が少なくとも2つのサブタイプからなるモザイク構造を有しており、超高感度HIV−1検出アッセイでも新たに別の複雑さが生じる可能性がある(非特許文献2)。
現在、ウィルス負荷モニタリングのほとんどが、世界中のHIV感染のわずか約3%を占めるB分枝群(すなわち、以下「サブタイプB」)が優勢である先進西欧諸国で実施されている。重要であるのは、HIV−1ウィルスのサブタイプが、種々の地域に広がっていることであり、そのため検出における広範な検出能力およびウィルス負荷モニタリングアッセイに対する必要性がさらに求められている。したがって、HIV−1サブタイプの全範囲を正確に測定することのできる超高感度のHIV−1検出アッセイが求められている。本発明はこの要求に取り組むものである。
核酸増幅反応のリアルタイムモニタリングを用いて実施された定量的HIV−1アッセイの一例が、公開された特許文献1に記載されている。
国際公開第2003/106714号明細書 Elbeikら,J.Clin.Micro.,2000年,第38巻,p.1113−1120 Spiraら,J.Antimicrobial Chemotherapy,2003年,第51巻,p.229
(発明の概要)
本発明の第1の態様は、HIV−1 M群の核酸またはHIV−1 O群の核酸のいずれかの増幅に有用な反応混合物に関する。発明された反応混合物は通常、第1および第2の増幅プライマーを含む。第1の増幅プライマーは、HIV−1 M群の核酸の第1鎖、およびHIV−1 O群の核酸の第1鎖に、独立してハイブリダイズできる第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列(first primer target−hybridizing sequence)を含む。第2の増幅プライマーは、鋳型として、HIV−1 M群の核酸の第1鎖またはHIV−1 O群の核酸の第1鎖のいずれかを用いて、第1の増幅プライマーの酵素的伸長産物にハイブリダイズする第2プライマー標的ハイブリダイズ性配列を含む。第2プライマー標的ハイブリダイズ性配列は本質的に配列番号33からなる。好ましい実施形態において、第2プライマー標的ハイブリダイズ性配列は、本質的に配列番号2からなる。この場合、第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列は、本質的に配列番号13からなり得る。あるいは、第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列は、本質的に配列番号15からなり得る。異なる好ましい実施形態において、第2プライマー標的ハイブリダイズ性配列は、本質的に配列番号5からなる。この場合、第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列は、本質的に配列番号15からなり得る。さらに他の好ましい実施形態において、該反応混合物は、ハイブリダイゼーションプローブをさらに含む。いくつかの例において、このハイブリダイゼーションプローブは、分子ビーコンハイブリダイゼーションプローブまたは分子トーチハイブリダイゼーションプローブである。ハイブリダイゼーションプローブが分子ビーコンであるか分子トーチであるかに関わらず、一定の実施形態において、HIV−1 M群核酸またはHIV−1 O群核酸の増幅および検出には、2つ以下のプライマーおよび1つのプローブが用いられる。
本発明の第2の態様は、生物学的サンプルに存在し得るHIV−1 M群の核酸とHIV−1 O群の核酸の合わせた量を定量化する方法に関する。発明された方法は、以下のステップを含む:(a)1つの反応容器内に、生物学的サンプル、第1の増幅プライマー、第2の増幅プライマー、およびハイブリダイゼーションプローブを合わせること;(b)第1の鋳型としてHIV−1 M群の核酸またはHIV−1 O群の核酸の第1鎖を用いて第1のプライマー伸長産物を作出する第1の増幅プライマーの酵素的伸長、ならびに第2の鋳型として第1のプライマー伸長産物を用いる第2の増幅プライマーの酵素的伸長、に依るインビトロ増幅反応を用いて、生物学的サンプルに存在するHIV−1 M群の核酸およびHIV−1O群の核酸のいずれかを、実質的に等しい効率で増幅し、それによって、該生物学的サンプルがHIV−1 M群の核酸を含有する場合はHIV−1 M群のアンプリコン、該生物学的サンプルがHIV−1 O群の核酸を含有する場合はHIV−1 O群のアンプリコンを作製すること;(c)時間依存性定量的データを与えるハイブリダイゼーションプローブからのシグナル検出を含む処理によって時間関数としてのインビトロ増幅反応におけるアンプリコン生成をモニタリングすること;および(d)モニタリングステップで得られた時間依存性定量的データを用いて、生物学的サンプルに存在するHIV−1 M群の核酸とHIV−1 O群の核酸との合わせた量を定量化すること。本発明のこの態様によれば、第1の増幅プライマーも第2の増幅プライマーも、HIV−1 M群の核酸またはその相補体、またはHIV−1 O群の核酸またはその相補体に完全には相補的でない。さらに本発明のこの態様によれば、ハイブリダイゼーションプローブはHIV−1 M群のアンプリコンとHIV−1 O群のアンプリコンの双方にハイブリダイズする。特に本発明の方法は、HIV−1 N群核酸の検出および定量化における使用も考慮されている。好ましい一実施形態において、該インビトロ増幅反応は、ある程度の指数関数的増幅を達成するための温度サイクルを必要としない等温インビトロ増幅反応である。この等温インビトロ増幅反応は、TMA反応またはNASBA反応のいずれかである転写関連増幅反応であることがより好ましい。代替の好ましい一実施形態において、モニタリングステップで検出されるシグナルは、分子トーチハイブリダイゼーションプローブによって生じる蛍光シグナルなどの蛍光シグナルである。きわめて好ましい一実施形態において、第1の増幅プライマーは、本質的に配列番号15からなる第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列を含む。第2の増幅プライマーは、本質的に配列番号5からなる第2プライマー標的ハイブリダイズ性配列を含むことがより好ましい。他の好ましい実施形態によれば、HIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸の増幅および検出には、わずか2つのプライマーおよび1つのプローブが用いられる。きわめて好ましい一実施形態において、該インビトロ増幅反応は、等温インビトロ増幅反応である。代替のきわめて好ましい一実施形態において、定量化ステップは、定量結果をただ1つの標準曲線と比較することをを含む。
本発明の第3の態様は、単一の反応においてHIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸を定量化するために使用できる標準曲線上の点を設定する方法に関する。発明された方法は以下のステップを含む:(a)既知量のHIV−1標準を提供すること;(b)ハイブリダイゼーションプローブの存在下、第1のプライマーおよび第2のプライマーを用いて、実質的に等しい効率でHIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸が増幅されるインビトロ増幅反応においてHIV−1標準を増幅してHIV−1標準のアンプリコンを作製すること;(c)定量的データを与えるハイブリダイゼーションプローブからのシグナル検出を含む処理によって時間関数としてのインビトロ増幅反応において合成されたHIV−1標準アンプリコン生成をモニタリングすること;および(d)定量的データから標準曲線上の点を設定すること。好ましい一実施形態において、第1の増幅プライマーは、HIV−1 M群の核酸の第1鎖およびHIV−1 O群の核酸の第1鎖に独立してハイブリダイズする第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列を含み、第2の増幅プライマーは、HIV−1 M群の核酸の第1鎖またはHIV−1 O群の核酸の第1鎖のいずれかを鋳型として用いて第1の増幅プライマーの酵素的伸長産物にハイブリダイズする第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列を含む。この実施形態によると、(a)第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列も第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列も、HIV−1 M群の核酸またはHIV−1 O群の核酸またはそれらの相補体に完全には相補的でなく、(b)該ハイブリダイゼーションプローブは、HIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸、またはそれらの相補体のいずれかにハイブリダイズできる。好ましい一実施形態において、ハイブリダイゼーションプローブは分子トーチである。ハイブリダイゼーションプローブが分子トーチである場合、HIV−1標準はHIV−1 M群の核酸標準であることがより好ましい。ハイブリダイゼーションプローブが分子トーチであり、HIV−1標準がHIV−1 M群の核酸標準である場合、標準曲線を用いて生物学的サンプルに含有されたHIV−1 O群の核酸を定量化するためのさらなるステップが存在し得ることがさらに一層好ましい。別の好ましい一実施形態において、HIV−1標準はHIV−1 O群の核酸標準である。この場合、標準曲線を用いて生物学的サンプルに含有されるHIV−1 M群の核酸を定量化するためのさらなるステップが存在し得る。さらに他の別の実施形態において、増幅ステップにおけるインビトロ増幅反応は等温インビトロ増幅反応であり得る。この場合、等温インビトロ増幅反応は、TMA反応またはNASBA反応などの転写関連増幅反応であり得る。このような場合、モニタリングのためのステップは蛍光シグナルの測定を含み得る。
本発明の第4の態様は、HIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸のいずれかまたは双方を増幅するための反応混合物を調製する方法に関する。発明された方法は以下のステップを含む:(a)HIV−1 M群の標的核酸またはHIV−1 O群の標的核酸のいずれかの第1鎖に独立してハイブリダイズする配列を含む第1の増幅プライマーを選択すること;(b)鋳型として、HIV−1 M群の標的核酸またはHIV−1 O群の標的核酸のいずれかの第1鎖を用いて、第1の増幅プライマーの酵素的伸長産物にハイブリダイズする配列を含む第2の増幅プライマーを選択すること;(c)第1および第2の増幅プライマーの使用によって合成されたアンプリコンにハイブリダイズするハイブリダイゼーションプローブを選択することであって、第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列も第2プライマー標的ハイブリダイズ性配列も、HIV−1 M群の核酸またはHIV−1 O群の核酸またはそれらの相補体に対して完全には相補的でなく、インビトロ増幅反応において、HIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸を実質的に等しい効率で増幅するために、第1の増幅プライマー、第2の増幅プライマー、およびハイブリダイゼーションプローブがさらに選択されること;および(d)単一の反応容器内に、第1の増幅プライマー、第2の増幅プライマー、およびハイブリダイゼーションプローブを合わせること。好ましい一実施形態において、反応混合物はHIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸の増幅および検出のために、わずか2つのプライマーおよび1つのハイブリダイゼーションプローブを含む。インビトロ増幅反応は等温インビトロ増幅反応であることがより好ましい。等温インビトロ増幅反応は、TMA反応またはNASBA反応のいずれかである転写関連増幅反応であることがさらに一層好ましい。
本発明の第5の態様は、HIV−1 M群の標的核酸およびHIV−1 O群の標的核酸を増幅するための組成物に関する。発明された組成物は、以下を含む:(a)HIV−1 M群の標的核酸の第1鎖またはHIV−1 O群の標的核酸の第1鎖に独立してハイブリダイズする第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列を含む第1の増幅プライマー;および(b)鋳型として、HIV−1 M群の標的核酸またはHIV−1 O群の標的核酸のいずれかの第1鎖を用いて、第1の増幅プライマーの酵素的伸長産物にハイブリダイズする第2プライマー標的ハイブリダイズ性配列を含む第2の増幅プライマー。本発明のこの態様によると、第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列も第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列も、HIV−1 M群の核酸またはHIV−1 O群の核酸またはそれらの相補体に完全には相補的でない。好ましい一実施形態において、該組成物は、鋳型としてHIV−1 M群の標的核酸またはHIV−1 O群の標的核酸のいずれかを用いて、第1の増幅プライマーおよび第2の増幅プライマーの組み合わされた活性によるインビトロ増幅反応において生成した増幅産物にハイブリダイズするハイブリダイゼーションプローブもまた含む。該組成物は、インビトロ核酸増幅反応において、実質的に等しい効率で、HIV−1 M群の標的核酸およびHIV−1 O群の標的核酸を増幅することがより好ましい。第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列は、本質的に配列番号15からなり、第2プライマー標的ハイブリダイズ性配列は、本質的に配列番号5からなることがより一層好ましい。代替の好ましい一実施形態において、ハイブリダイゼーションプローブは、分子トーチまたは分子ビーコンである。一定の例では、ハイブリダイゼーションプローブは分子トーチであることが好ましい。他の好ましい実施形態において、第2プライマー標的ハイブリダイズ性配列は、本質的に配列番号5からなる。この場合、第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列は、本質的に配列番号15からなり得る。さらに他の好ましい実施形態において、該組成物が上記のハイブリダイゼーションプローブを含む場合、第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列は、本質的に配列番号15からなり得、第2プライマー標的ハイブリダイズ性配列は、本質的に配列番号5からなり得る。該ハイブリダイゼーションプローブは、分子トーチであることがより好ましい。
本発明の第6の態様は、HIV−1 M群の核酸またはHIV−1 O群の核酸のいずれかを増幅するための反応混合物に関する。発明された反応混合物は以下を含む:(a)HIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸の第1鎖に独立してハイブリダイズする第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列を含む第1の増幅プライマー;(b)HIV−1 M群の核酸の第1鎖またはHIV−1 O群の核酸の第1鎖のいずれかを鋳型として用いて、第1の増幅プライマーの酵素的伸長産物にハイブリダイズする第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列を含む第2の増幅プライマー;および(c)第1の増幅プライマーと第2の増幅プライマーとの合わせた活性によって合成されたアンプリコンにハイブリダイズする分子トーチハイブリダイゼーションプローブ。本発明のこの態様によると、第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列も第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列も、HIV−1 M群の核酸またはHIV−1 O群の核酸またはそれらの相補体に完全には相補的でない。意義深いことに、HIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸は反応混合物中、実質的に等しい効率で増幅する。
(定義)
以下の用語は、本明細書において、特に反対に記述されない限り、この開示の目的にとって以下の意味を有する。
本明細書に用いられる「生物学的サンプル」は、ヒト、動物または環境サンプルから得られた任意の組織またはポリヌクレオチド含有材料である。本発明による生物学的サンプルには、生物学的出所の末梢血、血漿、血清または他の体液、骨髄または他の臓器、生検組織または他の材料が含まれる。生物学的サンプルは、組織または細胞構造を破壊するために処理することによって細胞内成分を、酵素、緩衝剤、塩、界面活性剤などを含有し得る溶液に溶出させることができる。
本明細書に用いられる「ポリヌクレオチド」は、配列内に存在でき、該ヌクレオチドと相補的配列を有する第2のヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを妨げない任意の合成ヌクレオチド類縁体または他の分子と共に、RNAまたはDNAのいずれかを意味する。
本明細書に用いられる「検出可能な標識」は、検出できるか、または検出可能な応答に導くことのできる化学種である。本発明による検出可能な標識は、直接的または間接的にポリヌクレオチドプローブに結合することができ、放射性同位元素、酵素、ハプテン、検出可能な色を付与する色素などの発色基または粒子(例えば、ラテックスビーズまたは金属粒子)および蛍光化合物が含まれる。
「均一な検出可能標識」とは、その標識が標的配列にハイブリダイズしたプローブ上にあるかどうかを判定することによる均一な様式で検出できる標識を言う。すなわち、均一な検出可能標識は、その標識または標識プローブの非ハイブリダイズ体からハイブリダイズ体を物理的に取り出すことなく検出できる。HIV−1核酸の検出に標識プローブを用いる場合、均一な検出可能標識が好ましい。均一な標識の例は、Arnoldら、米国特許第5,283,174号;Woodheadら、米国特許第5,656,207号;およびNelsonら、米国特許第5,658,737号に詳細に記載されている。均一アッセイに使用される好ましい標識としては、化学発光化合物が挙げられる(例えば、Woodheadら、米国特許第5,656,207号;Nelsonら、米国特許第5,658,737号;およびArnold,Jr.ら、米国特許第5,639,604号を参照)。好ましい化学発光標識は標準的AEまたはその誘導体(例えば、ナフチル−AE、オルト−AE、1−または3−メチル−AE、2,7−ジメチル−AE、4,5−ジメチル−AE、オルト−ジブロモ−AE、オルト−ジメチル−AE、メタ−ジメチル−AE、オルト−メトキシ−AE、オルト−メトキシ(シンナミル)−AE、オルト−メチル−AE、オルト−フルオロ−AE、1−または3−メチル−オルト−フルオロ−AE、1−または3−メチル−メタ−ジフルオロ−AE、および2−メチル−AE)などのアクリジニウムエステル(「AE」)化合物である。
「均一アッセイ」とは、特異的プローブハイブリダイゼーションの程度を判定する前に非ハイブリダイズプローブからハイブリダイズプローブを物理的に分離することを必要としない検出操作を言う。本明細書に記載されているものなどの代表的な均一アッセイでは、適切な標的にハイブリダイズした際に蛍光シグナルを発する分子ビーコンまたは他の自己報告プローブ、ハイブリッド二重鎖に存在しない限り化学的手段によって選択的に破壊し得る化学発光アクリジニウムエステル標識、および通常レベルの当業者が精通している他の均一な検出可能標識を用いることができる。
本明細書に用いられる「増幅」または「増幅すること」とは、標的核酸配列、その相補体、またはそれらの断片の複数コピーを得るためのインビトロ操作を言う。
「標的核酸」または「標的」とは、標的核酸配列を含有する核酸分子を意味する。
「標的核酸配列」または「標的配列」または「標的領域」とは、一本鎖核酸分子のヌクレオチド配列の全部または一部を含む特定のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド、および場合によっては(明記されている場合は)それらに相補的なデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを意味する。一般に、増幅される標的核酸配列は、2つの逆に配置されたプライマーの間に置かれ、各プライマーに対して、部分的にまたは完全に相補的な標的核酸分子の一部を含む。本発明の文脈では、標的核酸分子は、例えばHIV−1核酸分子であり得る。インビトロ核酸増幅反応において増幅されるこの標的核酸分子の一部が、増幅される「標的核酸配列」と称されることになる。
「転写関連増幅」とは、核酸の鋳型から複数のRNA転写体を作製するためのRNAポリメラーゼを用いる任意のタイプの核酸増幅を意味する。「転写媒介増幅(TMA)と呼ばれる転写関連増幅法の一例では、一般にRNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸、およびプロモーター−鋳型相補性オリゴヌクレオチドが用いられ、任意に、一種または複数種の類縁オリゴヌクレオチドが含まれる。TMAの変法は当業界に十分知られており、Burgら、米国特許第5,437,990号;Kacianら、米国特許第5,399,491号および米国特許第5,554,516号;Kacianら、国際公開第WO 93/22461号;Gingerasら、国際公開第WO 88/01302号;Gingerasら、国際公開第WO 88/10315号;Malekら、米国特許第5,130,238号;Urdeaら、米国特許第4,868,105号および米国特許第5,124,246号;McDonoughら、国際公開第WO 94/03472号;およびRyderら、国際公開第WO 95/03430号に詳細に開示されている。本明細書に開示されたタイプの核酸増幅操作を行うには、Kacianらの方法が好ましい。転写関連増幅法の他の例は、米国特許第5,554,517号に開示された核酸配列ベース増幅(NASBA)法である。
本明細書に用いられる「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」は、少なくとも2本、一般に約5本から約100本の間のポリマー鎖の化学サブユニットであり、各サブユニットは、ヌクレオチドベース部分、糖部分、およびサブユニットを結合させている連結部分を含む。一般的なヌクレオチド塩基部分は、グアニン(G)、アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)およびウラシル(U)であるが、水素結合できるヌクレオチド類縁体などの他の稀少なまたは修飾されたヌクレオチド塩基も当業者に十分知られている。オリゴヌクレオチドは任意に、糖部分、塩基部分、および主鎖構成要素のいずれかの類縁体を含み得る。本発明の好ましいオリゴヌクレオチドは、約10残基から約100残基のサイズ範囲に入る。オリゴヌクレオチドは天然源から精製できるが、種々の周知の酵素的および化学的方法のいずれかを用いて合成されることが好ましい。
本明細書に用いられる「ハイブリダイゼーションプローブ」は、核酸、好ましくはハイブリダイゼーションを促進して検出可能なハイブリッドを形成する条件下で増幅された核酸、における標的配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドである。プローブは任意に該プローブの末端に結合できるか、または内在している検出可能部分を含有し得る。標的ポリヌクレオチドと組み合わされるプローブのヌクレオチドは、プローブの配列に内在している検出可能部分の場合のように厳密に近接している必要はない。検出は直接的(すなわち、標的配列または増幅された核酸に直接ハイブリダイズするプローブから生じる)かまたは間接的(すなわち、プローブを標的配列または増幅核酸に連結させる介在分子構造にハイブリダイズするプローブから生じる)のいずれかであり得る。プローブの「標的」とは、標準的水素結合(すなわち、塩基対形成)を用いてプローブオリゴヌクレオチドの少なくとも一部に特異的にハイブリダイズする、増幅された核酸配列内に含まれる配列を言う。プローブは標的特異的配列、および任意に、検出される標的配列に非相補的な他の配列を含み得る。これらの非相補的配列は、プロモーター配列、制限エンドヌクレアーゼ認識部位、またはそのプローブの三次元立体構造に寄与する配列(例えば、Lizardiら、米国特許第5,118,801号および第5,312,728号に記載されているもの)を含み得る。「十分に相補的な」配列は、プローブの標的特異的配列に完全には相補的でない標的配列に対するプローブオリゴヌクレオチドの安定なハイブリダイゼーションを可能にする。
本明細書に用いられる「増幅プライマー」は、標的核酸、またはその相補体にハイブリダイズし、核酸増幅反応に寄与するオリゴヌクレオチドである。例えば、増幅プライマー、または簡単に「プライマー」は、鋳型核酸にハイブリダイズでき、DNAポリメラーゼ活性によって伸長できる3’端を有する、任意に修飾されたオリゴヌクレオチドであり得る。一般に、プライマーは下流HIV−1相補的配列、および任意にHIV−1核酸に相補的でない上流配列を有する。任意の上流配列は、例えば、RNAポリメラーゼプロモーターとして働くか、制限エンドヌクレアーゼ開裂部位を含む。
「実質的に相同な」、「実質的に対応している」または「実質的に対応する」は、対象オリゴヌクレオチドが、対照塩基配列(RNAおよびDNA等価物を除く)に存在する少なくとも10個の連続塩基領域に対して、少なくとも70%相同的、好ましくは、少なくとも80%相同的、より好ましくは、少なくとも90%相同的、最も好ましくは、100%相同的な、少なくとも10個の連続塩基領域を含む塩基配列を有することを意味する。標的配列に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする一方で、許容できないレベルの非特異的ハイブリダイゼーションを防ぐ種々のパーセンテージの相同性におけるハイブリダイゼーションアッセイ条件になし得る改変を、当業者は容易に認識されるであろう。類似性の程度は、2つの配列を構成するヌクレオ塩基の順序を比較することによって判定され、構造の差異が相補的塩基との水素結合を妨げない限り、2つの配列間に存在し得る他の構造的差異は考慮に入れない。2つの配列間の相同性の程度はまた、比較される少なくとも10個の連続塩基の各セットに存在する塩基の誤対合の数に関して表すことができ、それらは0〜3個の塩基の違いの範囲であり得る。
「実質的に相補的な」は、対象オリゴヌクレオチドが、対照核酸配列(RNAおよびDNA等価物を除く)に存在する少なくとも10個の連続塩基領域に対して、少なくとも70%相補的、好ましくは、少なくとも80%相補的、より好ましくは、少なくとも90%相補的、最も好ましくは、100%相補的な、少なくとも10個の連続塩基領域を含む塩基配列を有することを意味する。(標的配列に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする一方で、許容できないレベルの非特異的ハイブリダイゼーションを防ぐ種々のパーセンテージの相補性におけるハイブリダイゼーションアッセイ条件になし得る改変を、当業者は容易に認識されるであろう)。相補性の程度は、2つの配列を構成するヌクレオ塩基の順序を比較することによって判定され、構造の差異が相補的塩基との水素結合を妨げない限り、2つの配列間に存在し得る他の構造的差異は考慮に入れない。2つの配列間の相補性の程度はまた、比較されている少なくとも10個の連続塩基の各セットに存在する塩基の誤対合の数に関して表すことができ、それらは0〜3個の塩基誤対合の範囲であり得る。
「十分に相補的な」は、一連の相補的塩基間の水素結合によって他の塩基配列にハイブリダイズできる連続的核酸塩基配列を意味する。相補的塩基配列は、標準的な塩基対形成(例えば、G:C、A:TまたはA:Uの対形成)を用いてオリゴヌクレオチドの塩基配列における各位置で相補的であり得るか、または標準的な水素結合(非塩基性「ヌクレオチド」を含む)を用いて相補的でない1つまたは複数の残基を含有し得るが、相補的塩基配列全体は適切なハイブリダイゼーション条件下で他の塩基配列と特異的にハイブリダイズできる。連続塩基は、オリゴヌクレオチドを特異的にハイブリダイズさせることが意図されている配列に対して、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、さらに一層好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは約100%相補的である。適切なハイブリダイゼーション条件は当業者に十分知られており、塩基配列組成に基づいて容易に予測できるか、またはルーチン試験を用いて経験的に決定できる(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manal,第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州、1989年)§§1.90−1.91、7.37−7.57、9.47−9.51および11.47−11.57、特に、§§9.50−9.51、11.12−11.13、11.45−11.47および11.55−11.57を参照)。
「捕捉オリゴヌクレオチド」とは、塩基対ハイブリダイゼーションによって標的配列と固定化オリゴヌクレオチドとを特異的に結合させるための手段を提供する少なくとも1つの核酸オリゴヌクレオチドを意味する。捕捉オリゴヌクレオチドは、通常同じヌクレオチド上に連続している2つの結合領域:標的配列結合領域および固定化プローブ結合領域を含むことが好ましいが、捕捉オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数のリンカーによって一緒に結合した2つの異なるオリゴヌクレオチド上に存在する標的配列結合領域および固定化プローブ結合領域を含み得る。例えば、固定化プローブ結合領域は第1のオリゴヌクレオチド上に存在でき、標的配列結合領域は第2のオリゴヌクレオチド上に存在でき、第1および第2のオリゴヌクレオチドの配列に特異的にハイブリダイズする配列を含む第3のオリゴヌクレオチドであるリンカーを用いて、前記2つの異なるオリゴヌクレオチドが水素結合によって結合される。
「固定化プローブ」または「固定化核酸」とは、捕捉オリゴヌクレオチドを固定化支持体に直接的または間接的に結合させる核酸を意味する。固定化プローブは、サンプル中の非結合材料からの結合標的配列の分離を促進する固体支持体に結合したオリゴヌクレオチドである。
「分離」または「精製」とは、生物学的サンプルの1つまたは複数の成分を、該サンプルの1つまたは複数の他の成分から除去することを言う。サンプル成分としては、一般に水溶液相中の核酸が挙げられ、また、タンパク質、炭水化物、脂質および標識プローブなどの材料を挙げることもできる。分離ステップまたは精製ステップでは、サンプル中に存在する他の成分の好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約90%、さらに一層好ましくは少なくとも約95%が除去される。
「RNAおよびDNA等価物」または「RNAおよびDNA等価塩基」とは、同じ相補的塩基対ハイブリダイゼーション特性を有するRNAおよびDNAなどの分子を意味する。RNAおよびDNA等価物は、異なる糖部分を有し(すなわち、リボース対デオキシリボース)、またRNAではウラシル、DNAではチミンの存在によって異なり得る。RNAおよびDNAの等価物の間の違いは相同性の違いには寄与しない。これらの等価物は特定の配列に対して同程度の相補性を有するからである。
本明細書に用いられる「インビトロ増幅反応」は、標的核酸配列、その相補体、またはそれらの断片の複数コピーの合成をもたらす酵素触媒反応である。インビトロ増幅反応を調製するために使用できるいくつかの有用な増幅法の例は、下記に提供されている。「等温インビトロ増幅反応」は、標的核酸配列、その相補体、またはそれらの断片の複数コピーを一定の温度で(すなわち、熱サイクルなしで)合成できるインビトロ増幅反応である。
本明細書に用いられる「アンプリコン」とは、インビトロ増幅反応の核酸増幅産物を言う。アンプリコンはアンプリコンを生成させるために用いられたインビトロ増幅反応の性質に依って、DNAまたはRNAを含み得る。
本明細書に用いられるハイブリダイゼーションプローブまたは増幅プライマーの「標的ハイブリダイズ性配列」とは、適切な標的核酸へのハイブリダイゼーションの際の二重鎖構造に寄与するプローブまたはプライマーの塩基配列を言う。標的核酸に相補的な下流配列、および標的核酸に相補的でない上流T7プロモーター配列を含むプロモーター−プライマーの場合、このプライマーの非相補的プロモーター配列は標的ハイブリダイズ性配列とは考えられない。逆に、標的核酸に十分相補的で、その標的核酸とのハイブリダイゼーションの際に二重鎖構造を形成できる下流プライマー配列は標的ハイブリダイズ性配列と考えられる。プライマーの標的ハイブリダイズ性配列が標的核酸配列に対して時折誤対合を含有する場合は、これは標的核酸内の標的核酸配列に対して十分に相補的ではないと考えられる。
「十分に相補的」とは、標的ハイブリダイズ性配列の全長にわたる2つのポリヌクレオチド分子間の100%の塩基相補性を意味する。
本明細書に用いられる「時間の関数として」のアンプリコン生成のモニタリングとは、インビトロ増幅反応に存在するアンプリコンの量を定期的に測定し、測定した量を、インビトロ増幅反応を開始してから経過した時間に関連づける処理を言う。例えば、定期的測定は、増幅反応の異なるサイクルの同時点で、または反応ステップの物理的サイクルを含まない反応間の定期的間隔(20秒おきなど)で行うことができる。
本明細書に用いられる「標準曲線」は、(1)ポリヌクレオチドの増幅前の量、および(2)増幅後の対応するアンプリコン量のいくつかの時間依存性の表示に関する表現である。例えば、標準曲線は、x軸にプロットした投入鋳型分子の既知数、およびy軸にプロットした検出可能なアンプリコン生成のいくらかのレベルを達成するための増幅反応に必要な時間値を有するグラフであり得る。標準曲線は、鋳型ポリヌクレオチドの既知数を含有する対照ポリヌクレオチド標準を用いて典型的に作成される。標準曲線は、電気的形態で保存することもできるし、グラフで表すこともできる。試験サンプル中の検体ポリヌクレオチドの増幅前の量は、当業界で通常レベルの技術を有する者が精通しているように、試験サンプルに関して得られた時間依存性の測定値を標準曲線と比較することによって判定できる。
「HIV−1標準」とは、HIV−1の遺伝子型を特定せずに、既知コピー数のHIV−1ポリヌクレオチドを意味する。
「HIV−1 M群標準」とは、既知コピー数のHIV−1 M群ポリヌクレオチドを意味する。
「HIV−1 O群標準」とは、既知コピー数のHIV−1 O群ポリヌクレオチドを意味する。
本明細書に用いられる増幅プライマーまたはハイブリダイゼーションプローブを「選択する」処理ステップとは、一定の特定化された特徴を有する増幅プライマーまたはハイブリダイゼーションプローブを選ぶことを意味する。
本明細書に用いられる際、鋳型としての2つの異なる核酸標的の同様な数を用いて行われるインビトロ増幅反応において、アンプリコン合成の割合が実質的に等しい場合、その2つの異なる核酸標的は「実質的に等しい効率」で増幅すると言われる。実際は、本発明の利益を得る上で、HIV−1核酸の全ての種を同一の効率で増幅する必要はなく、必要なのは、実質的に等しい増幅効率をもたらすプライマーおよびプローブを用いることだけである。これは、1,000コピー/反応の開始レベルでHIV−1 M群およびHIV−1 O群の鋳型を用いて行った独立のインビトロ増幅反応では、各標的で判定された平均開始コピー数/反応と実際の開始コピー数/反応との間の違いが1.0 log10コピー/反応以下、より好ましくは、0.7 log10コピー/反応以下、さらに一層好ましくは、0.5 log10コピー/反応以下であることを意味する。
本明細書に用いられる際、2種のプライマーおよび1種のプローブが「インビトロ増幅反応においてHIV−1 M群の核酸とHIV−1 O群の核酸とを実質的い等しい効率で増幅するように選択される」とは、プライマーとプローブの種々の組み合わせをスクリーニングした後、インビトロ増幅反応においてHIV−1 M群の核酸とHIV−1 O群の核酸とを実質的に等しい効率で増幅する特性に関して、特定の組み合わせが選択されることを意味する。
「HIV−1 M群の標的核酸またはHIV−1 O群の標的核酸のいずれかを鋳型として用いて、前記第1および第2の増幅プライマーの合わせた活性により生成させた増幅産物」とは、各々のプライマーがHIV−1 M群の標的核酸またはHIV−1 O群の標的核酸、またはそれらの相補体を鋳型として使用できる、2種のプライマーの組み合わせを用いて合成された任意のアンプリコンを意味する。
「から本質的になる」とは、本発明の基本的および新規な特性を実質的に変化させない追加の成分、組成物または方法ステップを本発明の組成物またはキットまたは方法に含み得ることを意味する。このような特性としては、全血または血漿などの生物学的サンプル中のHIV−1核酸を選択的に検出する能力が挙げられる。本発明の基本的および新規な特性に実質的な影響を及ぼす成分、組成物または方法ステップはこの用語から除外される。
(本発明の詳細な説明)
血液、血清、血漿もしくは他の体液または組織などの生物学的サンプル中のHIV−1の核酸を選択的に検出するための組成物、方法およびキットが本明細書に開示される。本発明のプローブ、プライマーおよび方法は、診断的適用、ウィルス負荷試験適用のいずれかにおいて、または感染性粒子を含有する可能性のある供与血液および血液製品もしくは他の組織のスクリーニングのために使用できる。
(序文および概要)
本発明は、生物学的サンプル中のHIV−1核酸を検出するために特に有用な組成物(核酸捕捉オリゴヌクレオチド、増幅オリゴヌクレオチドおよびプローブ)、方法およびキットを含む。このような使用に適切なオリゴヌクレオチド配列をデザインする目的で、診断的アッセイにおける試薬として役立ち得るウィルスゲノムの候補領域を確認するために、先ず既知のHIV−1核酸配列を比較した。これらの比較の結果、図1に概略的に示された捕捉オリゴヌクレオチド、プライマーおよびプローブを、増幅アッセイにおいて使用するために選択した。捕捉、増幅および増幅配列の検出に好適な合成オリゴヌクレオチドをデザインするための開始箇所として、比較された配列間に含有する改変体が比較的少ない配列部分を選択した。
これらの分析に基づき、下記に提示した捕捉オリゴヌクレオチド、増幅プライマーおよびプローブ配列をデザインした。T7プロモーター配列を有するまたは有さない、HIV−1標的に特異的な任意のプライマー配列を、下記の種々のプライマーベースのインビトロ増幅法におけるプライマーとして使用できることは、通常レベルの技術を有する当業者は認識されるであろう。また、本明細書に開示された配列を有するオリゴヌクレオチドが、HIV−1核酸を検出するアッセイにおける代替機能として働き得ることも考慮されている。例えば、本明細書に開示された捕捉オリゴヌクレオチドはハイブリダイゼーションプローブとして働くことができ、本明細書に開示されたハイブリダイゼーションプローブは増幅プライマーとして使用でき、本明細書に開示された増幅プライマーは代替の検出アッセイにおけるハイブリダイゼーションプローブとして使用できる。
(有用な増幅方法)
本発明に関連して有用な増幅方法は以下を含む:転写媒介増幅法(TMA)、核酸配列ベースの増幅法(NASBA)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、鎖置換増幅法(SDA)、および自己複製ポリヌクレオチド分子およびMDV−1 RNAやQ−ベータ酵素などの複製酵素を用いた増幅方法。これらの種々の増幅法を実施するための方法は、それぞれ、米国特許第5,399,491号、米国特許第5,554,517号、米国特許第4,965,188号、米国特許第5,455,166号、米国特許第5,472,840号およびLizardiら、BioTechnology 5:1197頁(1988)に見ることができる。核酸増幅反応の実施方法を記載したこれらの文書の開示は、参照として本明細書に組み込まれている。
本発明のきわめて好ましい実施形態において、HIV−1核酸配列はTMAプロトコルを用いて増幅される。このプロトコルによると、DNAポリメラーゼ活性を提供する逆転写酵素は、内因性RNアーゼH活性も有する。この操作に用いられるプライマーの1つは、増幅される標的核酸の一本の鎖に相補的な配列の上流に位置した。増幅の第1段階において、プロモーター−プライマーは、定められた部位でHIV−1標的RNAにハイブリダイズする。逆転写酵素は、プロモーター−プライマーの3’端からの伸長によって標的RNAの相補的DNAコピーを作出する。反対鎖プライマーと新たに合成されたDNA鎖との相互作用の後、逆転写酵素により、プライマーの末端から第2のDNA鎖が合成され、それによって、二本鎖DNA分子が作出される。RNAポリメラーゼは、この二本鎖鋳型DNAにおけるプロモーター配列を認識し、転写を開始する。新たに合成されたRNAアンプリコンの各々は、TMA過程に再び入り込み、新たな複製ラウンドのための鋳型として働き、それによって、RNAアンプリコンの指数関数的増加を導く。鋳型DNAの各々がRNAアンプリコンの100〜1000コピーを作製することができるため、この増加により、1時間未満のうちに、100億のアンプリコン作製をもたらすことができる。この過程全体は自己触媒的であり、一定の温度で実施される。
(プライマーの構造的特徴)
上記で示したように、「プライマー」とは、核酸増幅反応に寄与できる任意に改変されたオリゴヌクレオチドを言う。好ましいプライマーは、鋳型核酸にハイブリダイズすることができ、DNAポリメラーゼ活性によって伸長され得る3’端を有する。プライマーの5’領域は標的核酸に非相補的であってもよい。5’非相補的領域がプロモーター配列を含む場合、これは「プロモーター−プライマー」と称される。プライマーとして機能できるオリゴヌクレオチド(すなわち、標的配列に特異的にハイブリダイズし、DNAポリメラーゼ活性によって伸長できる3’端を有するオリゴヌクレオチド)はいずれも5’プロモーター配列を含むように改変することができ、したがって、プロモーター−プライマーとして機能できることを、当業者は認識されるであろう。同様に、いずれのプロモーター−プライマーもプロモーター配列の除去によって改変できるか、またはプロモーター配列なしに合成でき、依然としてプライマーとして機能する。
改変された塩基部分がG、A、C、TまたはUと非共有結合を形成する能力を保持する限り、および、スクリーニング1つの改変されたヌクレオチド塩基部分または類縁体が一本鎖核酸とハイブリダイズすることを立体的に妨げられない限り、ヌクレオチド塩基部分を改変することができる(例えば、プロピンの添加により)。有用なプローブの化学的組成に関連して下記に示すように、本発明によるプライマーの窒素性塩基は慣例的塩基(A、G、C、T、U)、それらの既知類縁体(例えば、その塩基部分としてヒポキサンチンを有するイノシンまたは「I」;The Biochemistry of the Nucleic Acids 5−36頁、Adamsら編、第1版、1992年を参照)、プリンまたはピリミジン塩基の既知誘導体(例えば、N−メチルデオキシガウノシン、デアザ−またはアザ−プリン類およびデアザ−またはアザ−ピリミジン類、5位または6位に置換基を有するピリミジン塩基、2,6位または8位に変更または代替置換基を有するプリン塩基、2−アミノ−6−メチルアミノプリン、O−メチルグアニン、4−チオ−ピリミジン類、4−アミノ−ピリミジン類、4−ジメチルヒドラジン−ピリミジン類、およびO−アルキル−ピリミジン類(Cook、PCT国際公開第WO 93/13121号を参照)および主鎖がポリマーの1つまたは複数の残基に関して窒素塩基を含まない「非塩基性」残基(Arnoldら、米国特許第5,585,481号を参照)であり得る。プライマー主鎖を含む一般的な糖部分としては、リボースおよびデオキシリボースが挙げられるが、2’−O−メチルリボース(OMe)、ハロゲン化糖および他の修飾糖部分もまた使用できる。通常、プライマー主鎖の結合基は、リン含有部分であり、最も一般的には、ホスホジエステル結合であるが、例えば、ホスホロチオエート、メチルホスホネートなどの他の結合、および「ペプチド核酸」(PNA)に見られるペプチド様結合などの非リン含有結合もまた本明細書に開示されたアッセイにおける使用が意図されている。
(有用なプローブ標識システムおよび検出可能部分)
本発明に関連して、本質的には、特異的核酸ハイブリダイゼーションのモニタリングに使用できる任意の標識化系および検出系を使用することができる。有用な標識全体の中でも、放射性標識、酵素、ハプテン、結合オリゴヌクレオチド、化学発光分子、蛍光部分(単独で、または「クエンチャー」部分と組み合わせて)、および電気的検出法に供することのできるレドックス活性部分が挙げられる。好ましい化学発光部分としては、均一保護アッセイに関連させて用いられる米国特許第5,283,174号にArnoldらによって開示されたタイプ、および単一反応における複数標的を定量化するアッセイに関連させて用いられる米国特許第5,656,207号にWoodheadらによって開示されたタイプのアクリジニウムエステルが挙げられる。これらの特許文献に含まれる開示は参照として本明細書に組み込まれている。好ましい電気的標識法および検出法は、米国特許第5,591,578号および第5,770,369号、ならびに国際公開特許出願第98/57158号に開示されており、これらは参照として本明細書に組み込まれている。本発明における標識として有用なレドックス活性部分としては、Cd、Mg、Cu、Co、Pd、Zn、FeおよびRuなどの遷移金属が挙げられる。
本発明によるプローブに特に好ましい検出可能標識は、均一アッセイ系において検出可能である(すなわち、混合物において、結合した標識プローブは非結合標識プローブに比較して、安定性または分解性の違いなどの検出可能な変化を示す)。均一検出可能な標識の例としては、蛍光標識、電気的検出可能標識、および化学発光化合物(例えば、米国特許第5,656,207号においてWoodheadらによって、米国特許第5,658,737号においてNelsonらによって、または米国特許第5,639,604号においてArnoldらによって記載されたもの)
いくつかの適用において、検出前に、ハイブリダイズしていないプローブの除去を最初に必要とせずに試験サンプル中のプローブ:標的二重鎖の検出を促進するために、少なくともある程度の自己相補性を示すプローブが望ましい。例えば、「分子ビーコン」と称される構造は、標的相補的配列、標的核酸配列が不在の場合にプローブを閉コンホメーションに保つ親和性対(または核酸アーム)、およびプローブが閉コンホメーションの場合に相互作用する標識対を含む。標的核酸と標的相補的配列のハイブリダイゼーションによって親和性対のメンバーが分離することにより、プローブが開コンホメーションへと移行する。例えば、蛍光基とクエンチャー(例えば、DABCYLおよびEDANS)であり得る標識対の相互作用の減少によって、開コンホメーションへの移行が検出可能である。分子ビーコンは米国特許第5,925,517号に十分に記載されており、この開示は参照として本明細書に組み込まれている。HIV−1特異的核酸配列の検出に有用な分子ビーコンは、本明細書に開示されたプローブ配列の1つのいずれかの一端に蛍光基を含む第1の核酸アームおよび消光剤部分を含む第2の核酸アームを付加することによって作出できる。この立体配置において、本明細書に開示されたHIV−1特異的プローブ配列は生じた分子ビーコンの標的相補的「ループ」部分として働き、一方、プローブの自己相補的「アーム」はプローブの「ステム」部分となる。
本発明に関連させて使用できる自己相補的ハイブリダイゼーションアッセイプローブの他の例は、一般に「分子トーチ」と称される構造である。結合領域によって連結され、予め決められたハイブリダイゼーションアッセイ条件下で互いにハイブリダイズする、明確に区分された自己相補的領域(作製された「標的結合ドメイン」および「標的閉ドメイン」)を含むように、これらの自己報告性のプローブがデザインされる。適切な領域または変性条件に曝露されると、分子トーチのこれら2つの相補的領域(相補性は完全である場合も部分的である場合もある)は融解し、予め決められたハイブリダイゼーションアッセイ条件が回復されれば、標的結合ドメインを標的配列とのハイブリダイゼーションに利用できるようにする。標的結合ドメインが標的閉ドメインにわたって標的配列へのハイブリダイゼーションを有利にするように、分子トーチがデザインされる。分子トーチの標的結合ドメインおよび標的閉ドメインとしては、分子トーチが標的核酸にハイブリダイズされる場合に対して、分子トーチが自己ハイブリダイズする場合に異なるシグナルが生じ、それによって、プローブに結合した存続可能な標識を有するハイブリダイズしていないプローブの存在下で試験サンプル中のプローブ:標的二重鎖の検出が可能になるように配置された相互作用標識(例えば、蛍光/クエンチャー)が挙げられる。分子トーチは、米国特許第6,361,945号に十分に記載されており、その開示は、参照として本明細書に組み込まれている。
分子トーチおよび分子ビーコンは、検出可能標識の相互作用対によって標識化されることが好ましい。標識の相互作用対のメンバーとして好ましい検出可能標識の例では、FRETまたは非FRETエネルギー転移機構によって互いに相互作用する。蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)は、熱エネルギーへの変換なしに、および速度論的衝突になる供与体と受容体なしに、原子間距離よりかなり大きな距離にわたる発色基間の共鳴相互作用による分子内または分子系内の吸収部位から利用部位へのエネルギー量子の無照射伝達を含む。「供与体」は、最初にエネルギーを吸収する部分であり、「受容体」は、引き続きそのエネルギーが転移する部分である。FRETに加えて、供与体から受容体分子に励起エネルギーを転移できる、少なくとも他に3つの「非FRET]エネルギー転移法がある。
FRET機構でも非FRET機構でも、2つの標識が十分近くに保持されており、1つの標識によって放射されたエネルギーが第2の標識によって受容または吸収され得る場合、これら2つの標識は互いに「エネルギー転移関係」にあると言われる。これは例えば、分子ビーコンがステム二重鎖の形成により閉状態に維持され、プローブの1つのアームに結合した蛍光基からの蛍光放射が反対のアーム上のクエンチャー部分によって消光される場合である。
発明された分子トーチおよび分子ビーコンに関してきわめて好ましい標識部分は、蛍光基および蛍光消光性を有する第2の部分(すなわち「クエンチャー」)を含む。この実施形態において、特徴的なシグナルは、特定波長の蛍光であることが多いが、代わりに可視光シグナルでもあり得る。蛍光が関与する場合、放射の変化は好ましくは、RRET、または放射性エネルギー転移もしくは非FRETに依る。相互作用標識の対を有する分子ビーコンが、閉状態において適切な周波数の光によって刺激されると、きわめて低いレベルであり得る第1のレベルで蛍光シグナルが生じる。この同じプローブが開状態にあり、適切な周波数の光によって刺激されると、蛍光基とクエンチャー部分が互いに十分に分離しているので、それらの間のエネルギー転移は実質的に妨げられる。その条件下でクエンチャーは、蛍光基部分からの蛍光を消光することができない。蛍光基が適切な波長の光エネルギーによって刺激される場合は、第1のレベルよりも高い第2のレベルの蛍光シグナルが生じる。これら2つのレベル間の差異は検出可能であり、測定可能である。この様式で蛍光基部分とクエンチャー部分を用いると、分子ビーコンは「開」のコンホメーションにおいてのみ「オン」であり、容易に検出可能なシグナルの放射によって、プローブが標的に結合していることが示される。プローブのコンホメーション状態は、標識部分間の相互作用を調節することによって、プローブから生じるシグナルを変化させる。
本発明に関連して使用できる供与体/受容体標識対の例としては、FRETと非FRETを区別する意図なく、フルオレセイン/テトラメチルローダミン、IAEDANS/フルオレセイン、EDANS/DABCYL、クマリン/DABCYL、フルオレセイン/フルオレセイン、BODIPY FL/BODIPY FL、フルオレセイン/DABCYL、BODIPY/DABCYL、エオシン/DABCYL、エリトロシン/DABCYL、テトラメチルローダミン/DABCYL、テキサスレッド/DABCYL、CY5/BH1、CY5/BH2、CY3/BH1、CY3/BH2およびフルオレセイン/QSY7染料が挙げられる。供与体と受容体色素が異なる場合、受容体の増感蛍光の発現により、または供与体蛍光の消光によりエネルギー転移が検出できることを、通常レベルの技術を有する当業者は認識されるであろう。供与体種と受容体種が同じ場合は、生じた蛍光の脱分極によってエネルギーを検出できる。DABCYLおよびQSY7色素などの非蛍光受容体は、直接的な(すなわち非増感)受容体励起から生じた背景蛍光問題の可能性を排除して有利である。供与体−受容体対の1つのメンバーとして使用できる好ましい蛍光基部分としては、フルオレセイン、ROX、およびCY色素(CY5など)が挙げられる。供与体−受容体対の他のメンバーとして使用できるきわめて好ましいクエンチャー部分としては、Biosearch Tehnologies社(ノベイト、カリフォルニア州)から入手できるDABCYLおよびBLACK HOLE QUENCHER部分が挙げられる。
合成技法および核酸へ標識を結合する方法および標識を検出する方法は、当業界に十分に知られている(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州、1989年)、10章;Nelsonら、米国特許第5,658,737号;Woodheadrら、米国特許第5,656,207号;Hoganら、米国特許第5,547,842号;Arnoldら、米国特許第5,283,174号;Kourilskyら、米国特許第4,581,333号)、およびBeckerら、欧州特許出願第0 747 706号を参照)。
(プローブの化学的組成)
本発明によるプローブは、ポリヌクレオチドおよびポリヌクレオチド類縁体を含み、任意にそれに共有結合した検出可能標識を担持し得る。プローブのヌクレオシドまたはヌクレオシド類縁体は、窒素性ヘテロ環式塩基または塩基類縁体を含み、該ヌクレオシドは、例えば、ホスホジエステル結合によって一緒に結合し、ポリヌクレオチドを形成する。したがって、プローブは、通例的なリボ核酸(RNA)および/またはデオキシリボ核酸(DNA)を含み得るが、これらの分子の化学的類縁体も含み得る。プローブの「主鎖」は、1つまたは複数の糖−ホスホジエステル結合、ペプチド−核酸結合(時には、Hyldig−Nielsenら、PCT国際公開第95/32305号に記載されているように、「ペプチド核酸」と称される)、ホスホロチオエート結合、メチルホスホネート結合またはそれらの組み合わせなどの当業界に知られている種々の結合から構成できる。プローブの糖部分は、リボースもしくはデオキシリボースのいずれか、または例えば、2’−O−メチルリボースおよび2’ハライド置換体(例えば2’−F)などの公知の置換体を有する類似化合物であり得る。窒素性塩基は、通例的塩基(A、G、C、T、U)、それらの公知の類縁体(例えば、イノシンまたは「I」、The Biochemistry of the Nucleic Acids、5−36頁、Adamsら編、第11版、1992年を参照)プリンまたはピリミジン塩基の公知の誘導体(例えば、N−メチルデオキシガウノシン、デアザ−またはアザ−プリン類およびデアザ−またはアザ−ピリミジン類、5位または6位に置換基を有するピリミジン塩基、2,6位または8位に変更または代替置換基を有するプリン塩基、2−アミノ−6−メチルアミノプリン、O−メチルグアニン、4−チオ−ピリミジン類、4−アミノ−ピリミジン類、4−ジメチルヒドラジン−ピリミジン類、およびO−アルキル−ピリミジン類(Cook、PCT国際公開第WO 93/13121号を参照)および主鎖がポリマーの1つまたは複数の残基に関して窒素塩基を含まない「非塩基性」残基(Arnoldら、米国特許第5,585,481号を参照)であり得る。プローブは、通例的な糖、塩基およびRNAとDNAに見られる結合のみを含む場合もあるし、通例的成分と置換体(例えば、メトキシ主鎖を介して結合した通例的塩基、または通例的塩基および一種または複数種の塩基類縁体を含む核酸)との双方を含む場合もある。
HIV−1核酸の検出のために、種々の長さならびに塩基組成のオリゴヌクレオチドプローブが使用できるが、本発明における好ましいプローブは、100ヌクレオチドまでの長さ、より好ましくは、60ヌクレオチドまでの長さを有する。本発明のオリゴヌクレオチドの好ましい長さの範囲は、10から100塩基長、より好ましくは、15から50塩基長の間、またはより一層好ましくは、15から30塩基長の間である。しかし、下記の特異的プローブ配列は、核酸クローニングベクターまたは転写体または他のより長い核酸においても提供でき、やはりHIV−1核酸の検出に使用できる。
(HIV−1に特異的な増幅プライマーならびに検出プローブの選択)
所望の特徴を有する増幅プライマーならびにプローブのデザインにとって有用な指針が本明細書に記載されている。HIV−1核酸の増幅ならびにプロービングにとって最適な部位は、約200塩基の連続配列内に、2つ、好ましくは3つの、約15塩基長を超える保存配列を含む。一組のプライマーまたはプロモーター−プライマーで見られる増幅の程度は、オリゴヌクレオチドがそれらの相補的配列にハイブリダイズする能力、および酵素的に伸長される能力などのいくつかの因子に依存する。ハイブリダイゼーション反応の程度および特異性は、多数の因子に影響されるため、これらの因子の操作によって、ある特定のオリゴヌクレオチドがその標的に完全に相補的であっても、そうでなくても、その正確な感受性および特異性が決定される。アッセイ条件を変化させる効果は、当業者に知られており、米国特許第5,840,488号において、Hoganらによって記載されており、これらの開示は参照として本明細書に組み込まれている。
標的核酸配列の長さ、したがって、プライマー配列またはプローブ配列の長さは重要であり得る。いくつかの場合、所望のハイブリダイゼーション特性を有するプライマーまたはプローブを生成させる、位置および長さの異なる特定の標的領域からのいくつかの配列が存在し得る。完全には相補的でない核酸がハイブリダイズすることは可能であるが、完全に相同的な塩基対の最長の伸長が通常、主にハイブリッドの安定性を決定する。
増幅プライマーおよびプローブは、オリゴヌクレオチド:非標的(すなわち、標的核酸に類似した配列を有する核酸)核酸ハイブリッドの安定性を最小化するように配置する必要がある。増幅プライマーおよび検出プローブは標的配列と非標的配列とを区別できることが好ましい。プライマーとプローブのデザインにおいては、これらのTm値の違いをできるだけ大きくすべきである(少なくとも2℃、好ましくは、5℃)。
非特異的伸長(プライマー−二量体または非標的コピー)の程度もまた増幅効率に影響を及ぼし得る。この理由から、プライマーは低い自己相補性または交差相補性を、特に配列の3’端に、有するように選択される。長いホモポリマー経路および高GC含量は、偽性プライマー伸長を減少させるために避けられる。市販のコンピュータソフトウェアが、デザインのこの態様を援助できる。入手できるコンピュータプログラムとしては、MacDNASIS(登録商標)2.0(Hitachi Software Engineering American社)およびOLIGO 6.6型(Molecular Biology Insights;Cascade社)が挙げられる。
ハイブリダイゼーションは、水素結合二重鎖を形成するために、相補的核酸の2本の1本鎖の結合を含むことを、通常レベルの技術を有する当業者は認識されるであろう。二本の鎖のうちの一本が全部または部分的にハイブリッドに関与していれば、新たなハイブリッド形成に寄与するその鎖の能力はより小さくなることが含意される。対象となっている配列の大部分が一本鎖であるようなプライマーおよびプローブをデザインすることによって、ハイブリダイゼーションの率および程度を大きく増加させることができる。標的が組み込まれたゲノム配列である場合、それは当然二本鎖形態で生じることになる(ポリメラーゼ連鎖反応の産物での場合のように)。これらの二本鎖標的は当然プローブとのハイブリダイゼーションを阻害するため、ハイブリダイゼーション工程前の変性を必要とする。
ポリヌクレオチドがその標的にハイブリダイズする比率は、標的結合領域における標的の二次構造の熱的安定性の目安である。ハイブリダイゼーション率の標準的な測定値は、1リットル当りのヌクレオチドモル数に秒をかけたものとして測定されるC1/2である。したがってこれは、プローブの濃度に、そのプローブの濃度において最大ハイブリダイゼーションの50%が生じる時間をかけたものである。この値は一定時間に、一定量の標的に対して、種々の量のポリヌクレオチドをハイブリダイズさせることによって測定できる。C1/2は通常レベルの技術を有する当業者が精通している標準的操作によりグラフによって見られる。
(好ましい増幅プライマー)
標的結合に関与せず、増幅または検出操作に実質的な影響を及ぼす可能性のない外来配列の存在を調整するために、増幅反応の実施に有用なプライマーは種々の長さを有し得る。例えば、本発明による増幅反応の実施に有用なプロモーター−プライマーは、HIV−1標的核酸配列にハイブリダイズする少なくとも最小の配列、およびその最小配列の上流に位置するプロモーター配列を有する。しかしながら、標的結合配列とプロモーター配列との間における配列挿入によって、増幅反応におけるその有用性を損なうことなく、そのプライマーの長さを変化させ得る。また、増幅プライマーおよび検出プローブの長さは、これらのオリゴヌクレオチドの配列が所望の相補的配列のハイブリダイゼーションのための最少必須要件を満たす限り、選択の対象となる。
表1および表2は、pol領域におけるHIV−1核酸の増幅にプライマーとして使用されたオリゴヌクレオチド配列の具体的な例を示している。表1は、核酸の一本鎖上のHIV−1配列に相補的だったプライマーの配列を示している。表2は、本発明の開発時に使用された、HIV−1標的に相補的なプライマーとプロモーター−プライマーに関する完全配列の双方の配列を示している。特に、表1および表2におけるオリゴヌクレオチド配列は、HIV−1核酸の反対鎖に相補的である。
(表1)
(増幅プライマーのポリヌクレオチド配列)
Figure 0005692954
表2は、HIV−1pol領域におけるHIV−1核酸配列の増幅に使用した、HIV−1標的に相補的なオリゴヌクレオチド配列および対応するプロモーター−プライマー配列を示している。上記で示したとおり、本発明の実施に使用されるプロモーター−プライマーは、それらの3’端にHIV−1標的配列に相補的配列、およびそれらの5’端にT7プロモーター配列(英小文字で示されている)を含む。
(表2)
(増強プライマーのポリヌクレオチド配列)
Figure 0005692954
pol領域におけるHIV−1配列の増幅にとって好ましいプライマーのセットは、HIV−1標的配列にハイブリダイズする第1のプライマー(表2に挙げたプライマーの1つなど)および第1のプライマーの伸長産物の配列に相補的な第2のプライマー(表1に挙げたプライマー配列の1つなど)を含む。きわめて好ましい一実施形態において、第1のプライマーは、その5’端にT7プロモーター配列を含むプロモーター−プライマーである。
(好ましい検出プローブ)
本発明の他の態様は、HIV−1核酸を検出するためのハイブリダイゼーションプローブに関する。HIV−1の核酸に存在する標的核酸配列を増幅する方法は、アンプリコンを検出する任意のさらなるステップを含み得る。この方法は、試験サンプルを、標的核酸配列またはその相補体に優先的にハイブリダイズするハイブリダイゼーションアッセイプローブに接触させ、それによって検出に安定なプローブ:標的二重鎖を形成するステップを含む。次に、試験サンプル中のHIV−1核酸の存在または不在の指標として、試験サンプル中にハイブリッドが存在しているかどうかを判定するステップがある。これは、プローブ:標的二重鎖の検出を含み、好ましくは、均一アッセイ系を含む。
HIV−1核酸配列の検出に有用なハイブリダイゼーションアッセイプローブは、HIV−1標的核酸配列に実質的に相補的な塩基の配列を含む。したがって、本発明のプローブは、HIV−1標的核酸配列の一本の鎖、またはその相補体にハイブリダイズすることが好ましい。これらのプローブは、標的核酸領域の外側に、HIV−1核酸に相補的であっても相補的でなくてもよい追加の塩基を有し得る。
一定のきわめて好ましいプローブは、本明細書に記載されたものなどの核酸増幅反応の実施に好適な条件下で、HIV−1標的核酸にハイブリダイズすることができる。本発明のこの態様に関連して有用な特に好ましいプローブの例としては、分子ビーコンおよび分子トーチが挙げられる。
他の好ましいプローブは、塩濃度が0.6M〜0.9Mの範囲の場合、約60℃に相当するストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする上で、標的核酸に対して十分に相同性である。好ましい塩としては、塩化リチウムが挙げられるが、塩化ナトリウムやクエン酸ナトリウムなどの他の塩もハイブリダイゼーション溶液に使用できる。高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は代替として、0.48Mのリン酸緩衝液、0.1%の硫酸ドデシルナトリウム、および各々1mMのEDTAおよびEGTAによって、または0.6MのLiCl、1%の硫酸ラウリルリチウム、60mMのコハク酸リチウムおよび各々10mMのEDTAおよびEGTAによって提供される。
本発明によるプローブは、HIV−1ゲノムの一部に相補的な、またはそれに相当する配列を有する。HIV−1核酸配列の検出に好ましい一定のプローブは、10〜100ヌクレオチド長の範囲で、標的に相補的な塩基配列と共に、検出される核酸に相補的でない任意の塩基配列を有する。HIV−1核酸配列の検出に好ましい一定の特異的プローブは、10〜50ヌクレオチド長の範囲、10〜20ヌクレオチド長の範囲、または10〜15ヌクレオチド長の範囲で標的に相補的な配列を有する。勿論、これら標的に相補的な配列は、線状配列でもよいし、分子ビーコン、分子トーチの構造、または検出されるHIV−1標的配列に非相補的な1つまたは複数の任意の核酸配列を有する構築体に含まれていてもよい。上記に示されたとおり、プローブは、DNA、RNA、DNAとRNAの組み合わせ、核酸類縁体から構成されるか、または一種または複数種の改変ヌクレオシド(例えば、リボフラノシル部分に2’−O−メチル置換を有するリボヌクレオシド)を含有し得る。
一定のきわめて好ましいプローブは、検出可能な標識を含む。一実施形態において、検出可能な標識は、任意にクエンチャー部分と組み合わせて使用できる蛍光標識である。他の実施形態において、該標識は、非ヌクレオチドリンカーによってプローブに結合させたアクリジニウムエステルである。例えば、検出プローブは、実際に、米国特許第5,585,481号;および米国特許第5,639,604号、特に実施例8における10列目、6行目から11列目、3行目に記載されているリンカーを介して結合している化学発光アクリジニウムエステル化合物によって標識できる。これらの特許文書に含まれる開示は、参照として本明細書に組み込まれている。勿論、時間依存性アンプリコン検出に使用されるきわめて好ましいプローブとして、分子ビーコンおよび分子トーチが挙げられる。
表3は、HIV−1アンプリコンの検出に用いられた、標的に相補的な塩基配列およびいくつかのハイブリダイゼーションプローブの完全配列を示している。HIV−1核酸配列を検出するための代替プローブは、HIV−1の反対のセンス鎖にハイブリダイズできるため、本発明は、表に示された配列に相補的なオリゴヌクレオチドも含む。配列番号21の標的ハイブリダイズ性配列が、配列番号22の配列を有する分子ビーコンに組み込まれた。配列番号23の標的ハイブリダイズ性配列が、配列番号24の配列を有する分子トーチに組み込まれた。表3に出ている分子ビーコンと分子トーチは双方ともその5’端をフルオレセイン部分で、その3’端をDABCYLクエンチャー部分で標識化した。
(表3)
(HIV−1検出プローブのポリヌクレオチド配列)
Figure 0005692954
上記に示したとおり、任意の数の種々の主鎖構造が本発明のハイブリダイゼーションプローブの核酸塩基配列の骨格として使用できる。一定のきわめて好ましい実施形態において、HIV−1アンプリコンの検出に用いられるプローブ配列は、メトキシ主鎖、または核酸主鎖内に少なくとも1つのメトキシ結合を含む。
(捕捉オリゴヌクレオチドの選択および使用)
好ましい捕捉オリゴヌクレオチドは、固体支持体上に固定するための標的として働く第2の配列(すなわち、「尾部」配列)に共有結合した、HIV−1配列に相補的な第1の配列(すなわち、「HIV−1標的配列」)を含む。捕捉オリゴヌクレオチドの塩基配列に結合する任意の主鎖が使用できる。一定の好ましい実施形態において、捕捉オリゴヌクレオチドは、主鎖内に少なくとも1つのメトキシ結合を含む。捕捉オリゴヌクレオチドの3’端にあることが好ましい尾部配列は、相補的塩基配列にハイブリダイズして、生物学的サンプル中の他の成分に優先してハイブリダイズした標的HIV−1核酸を捕捉するための手段を提供するために用いられる。
相補的塩基配列にハイブリダイズする任意の塩基配列が尾部配列に使用できるが、このハイブリダイズ性配列は約5〜50ヌクレオチド残基長の範囲にあることが好ましい。特に好ましい尾部配列は、実質的にホモポリマーで、約10から約40ヌクレオチド残基、またはより好ましくは、約14から約30残基を含有する。本発明による捕捉オリゴヌクレオチドは、HIV−1標的ポリヌクレオチドに特異的に結合する第1の配列、および固体支持体に固定されたオリゴ(dT)伸長部に特異的に結合する第2の配列を含み得る。
図1に示された成分を用いて、生物学的サンプル中のHIV−1配列を検出する1つのアッセイは、捕捉オリゴヌクレオチドを用いて標的核酸を捕捉するステップ、少なくとも2種のプライマーを用いて捕捉された増幅領域を増幅するステップ、先ず、増幅された核酸に含まれる配列に標識プローブをハイブリダイズさせ、次いで、結合した標識プローブから生じるシグナルを検出することにより増幅された核酸を検出するステップを含む。
捕捉ステップでは捕捉オリゴヌクレオチドを用いることが好ましく、ここでは、ハイブリダイゼーション条件下、捕捉オリゴヌクレオチドの一部が標的核酸内の配列に特異的にハイブリダイズし、尾部は、標的領域をサンプルの他の成分から分離することを可能にするリガンドなどの結合対(例えば、ビオチン−アビジン結合対)の一成分として役立つ。捕捉オリゴヌクレオチドの尾部は、固体支持粒子に固定された相補的配列にハイブリダイズする配列であることが好ましい。先ず、捕捉オリゴヌクレオチドと標的核酸は、溶液中にあって、溶液相ハイブリダイゼーション速度論を利用することが好ましい。ハイブリダイゼーションによって、捕捉オリゴヌクレオチド:標的核酸複合体が生成し、これは、捕捉オリゴヌクレオチドの尾部と、相補的な固定化配列とのハイブリダイゼーションにより、固定化プローブに結合できる。したがって、標的核酸、捕捉オリゴヌクレオチドおよび固定化プローブを含む複合体がハイブリダイゼーション条件下で形成される。固定化プローブは、尾部配列に相補的で、固体支持体に結合した反復配列であることが好ましく、ホモポリマー配列(例えば、ポリA、ポリT、ポリCまたはポリG)であることがより好ましい。例えば、本発明の素オリゴヌクレオチドの尾部がポリA配列を含むならば、固定化プローブはポリT配列を含むことになる。しかし、相補的配列の任意の組み合わせを使用できる。捕捉オリゴヌクレオチドはまた、標的にハイブリダイズする塩基配列と固定化プローブにハイブリダイズする塩基配列との間に位置した1つまたは複数の塩基である「スペーサー」残基も含み得る。標的核酸:捕捉オリゴヌクレオチド複合体を結合させるために任意の固体支持体が使用できる。有用な支持体は、溶液中に遊離した基質または粒子であり得る(例えば、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリスチレン、シランポリプロピレンおよび、好ましくは、磁気誘引粒子)。固定化プローブを固体支持体に結合させる方法は十分に知られている。支持体は、標準的方法(例えば、遠心分離、磁気粒子の磁気誘引など)を用いて溶液から回収できる粒子であることが好ましい。好ましい支持体は、常磁性単分散粒子(すなわち、サイズ±約5%の均一性)である。
標的核酸:捕捉オリゴヌクレオチド:固定化プローブ複合体を回収することにより、標的核酸が効果的に濃縮され(生物学的サンプル中の濃度に比較して)、生物学的サンプル中に存在し得る増幅阻害物質から標的核酸が精製される。捕捉された標的核酸は、一回または複数回洗浄して、例えば、標的核酸:捕捉オリゴヌクレオチド:固定化プローブ複合体の結合した該粒子を、洗浄液中に再懸濁することによって該標的をさらに精製し、次いで上記のとおり、洗浄液から複合体の結合した粒子を回収することができる。好ましい一実施形態において、捕捉オリゴヌクレオチドを標的核酸に連続的にハイブリダイズさせ、次いで捕捉オリゴヌクレオチドの尾部と固定化相補的配列とのハイブリダイゼーションを可能にする条件(例えば、PCT国際公開第98/50583号に記載されたような)に調整することによって捕捉ステップが行われる。捕捉ステップおよび任意の洗浄ステップの完了後、標的核酸を増幅できる。操作ステップ数を制限するために、標的核酸は任意に、捕捉オリゴヌクレオチドから離すことなく増幅できる。
誤対合配列が増幅される配列を含むHIV−1核酸にハイブリダイズする限り、有用な捕捉オリゴヌクレオチドは、上記に示された配列に対する誤対合を含み得る。本明細書に記載された各捕捉オリゴヌクレオチドは、その3’端でポリ−(dA)尾部に結合した、表4に示したHIV−1配列の1つを含んだ。また、全ての捕捉オリゴヌクレオチドは、HIV−1相補的配列とポリ−(dA)尾部との間に挿入された3つの任意のチミジンヌクレオチドを含んだ。3つのチミジンヌクレオチドの存在は、捕捉操作の成功にとって必須であるとは考えられない。3つのチミジンヌクレオチドおよびポリ−(dA)尾部は、DNA前駆体を用いて合成されたが、オリゴヌクレオチドのHIV−1相補的部分は、2’−OMeヌクレオチド類縁体を用いて合成された。
(表4)
(捕捉オリゴヌクレオチドのHIV−1相補的部分)
Figure 0005692954
(HIV−1ポリヌクレオチド配列の増幅および検出のための好ましい方法)
本発明の好ましい方法は、下記に提供された実施例によって記載され例示されている。図1は、HIV−1ゲノムの標的領域(太い横線で示されている)を検出するために使用できる1つの系を概略図で示している。この系は、以下の4種のオリゴヌクレオチドを含む:標的領域内のHIV−1配列に特異的にハイブリダイズする配列および生物学的サンプルに存在する標的領域を捕捉するために固体支持体に固定化された相補的配列にハイブリダイズする尾部(「T」)、を含む1種の捕捉オリゴヌクレオチド;標的領域内のHIV−1配列に特異的にハイブリダイズする配列および二重鎖になった時にT7RNAポリメラーゼのための機能的プロモーターとして働くT7プロモーター配列(「P」)、を含む1種のT7プロモーター−プライマー;T7プロモーター−プライマーを用いて標的領域配列から作製された第1鎖cDNAに特異的にハイブリダイズする配列を含む1種の非T7プライマー;および前記2つのプライマーを用いて増幅される標的領域の一部に特異的にハイブリダイズする配列を含む1種の標識プローブ。
上記に示したとおり、2種のプライマーを用いた捕捉標的領域の増幅は、通常レベルの技術を有する当業者が精通している種々の公知の核酸増幅反応のいずれかによって達成できる。好ましい一実施形態において、TMAなどの転写関連増幅反応が用いられる。このような実施形態においては、標的核酸の1つのコピーから多くの核酸鎖が生じ、したがって、増幅された配列に結合しているプローブを検出することによって標的の検出が可能になる。転写関連増幅では、鋳型核酸から複数のRNA転写体を精製させるために、溶液中の適切な塩および緩衝液と共に、2つのタイプのプライマー(1つは、RNAポリメラーゼのための、図1で「P」と標識されたプロモーター配列を含有するため、プロモーター−プライマーと称される)、2種の酵素(逆転写酵素およびRNAポリメラーゼ)、および基質(デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸)を用いることが好ましい。
図1について述べると、転写媒介増幅中に、捕捉された標的核酸はT7プロモーター−プライマーとして示された第1のプライマーにハイブリダイズされる。逆転写酵素を用い、鋳型として標的DNAを用いて、T7プロモーター−プライマーから相補的DNA鎖を合成する。非T7プライマーとして示された第2のプライマーは新たに合成されたDNA鎖にハイブリダイズし、逆転写酵素の作用により伸長してDNA二重鎖を形成することによって、二重鎖T7プロモーター領域が形成される。次いで、T7RNAポリメラーゼが、この機能的T7プロモーターを用いて複数のRNA転写体を作出する。TMAの自己触媒的機構で反復的ハイブリダイゼーションが用いられ、cDNA合成ステップの後の重合化ステップでは鋳型としてRNA転写体が用いられてさらに転写体が生じ、これによって標的領域特異的核酸配列が増幅される。
検出ステップでは、増幅されたRNA転写体または上記のアンプリコンに特異的に結合する少なくとも1種の検出プローブを用いる。検出プローブは、均一検出系を用いて検出できる標識によって標識化されることが好ましい。例えば、標識プローブは、化学発光シグナルが生じ得、上記のとおり検出できるアクリジニウムエステル化合物によって標識化できる。あるいは、標識プローブは、蛍光基または蛍光基とクエンチャー部分との組み合わせを含み得る。分子ビーコンおよび分子トーチは、均一検出系に使用できるこのような標識プローブの代替実施形態である。
(標準曲線の利用−増幅前のポリヌクレオチド検体量の定量化)
一般に、発明された方法は、増幅前のポリヌクレオチド検体量および増幅後のアンプリコン検体量に関する標準曲線を利用するステップを含み得る。
有利なことに、リアルタイム増幅反応は、反応に投入されたポリヌクレオチド検体の数と時間の関数として合成されたアンプリコン検体の数との間の定量的関係を特徴づけるため、標準曲線を用いて、試験サンプル中に存在するポリヌクレオチド検体の数を決定することができる。例えば、既知量のポリヌクレオチド標準を含有する複数の増幅反応を、未知数のポリヌクレオチド検体を含有する試験サンプルを用いて用意した増幅反応と並行して行うことができる。あるいは、検体操作を実施する度に曲線を作成する必要がないように、標準曲線を予め作成することができる。予め作成されたこのような曲線は、試験用機器の記憶装置に電気的に保存することもできる。次いで、第1の軸上に、増幅前のポリヌクレオチド標準量ならびに第2の軸上に、ある一定レベルの核酸増幅に要する時間の何らかの証拠(背景レベルを上回る発現の時間など)を有する標準曲線を作成する。次に、試験反応で測定した増幅後のアンプリコン検体量を、標準曲線の増幅後の軸上に置く。該曲線の他の軸上の対応する値は、試験反応に存在した増幅前のポリヌクレオチド検体の量を表している。したがって、試験サンプル中に存在するポリヌクレオチド検体の分子数の決定は、通常レベルの技術を有する当業者が精通している標準曲線の利用によって、より具体的には、試験サンプルに関して得られた定量的結果を、標準曲線と比較することによって達成される。
試験サンプル中に存在するポリヌクレオチド検体を定量化するために、本明細書に記載された方法を容易に使用することができる。実際、既知数のポリヌクレオチド標準検体を用いて複数の標準対照増幅反応を開始し、ポリヌクレオチド検体分子の未知数を含む試験反応を実施するならば、各反応において一定レベルの増幅を達成させるのに要する時間を測定した後に、試験サンプル中に存在していたはずのポリヌクレオチド検体分子の数を決定することが可能となる。標準増幅反応に投入されたポリヌクレオチド検体分子数と一定レベルの増幅を達成させるのに要する時間との関係は、グラフを用いて簡便に確立される。試験サンプル中に存在するポリヌクレオチド検体分子数の決定は、単に、測定された検体アンプリコンシグナルの強度に対応するポリヌクレオチド検体分子数を、標準グラフから決定することになる。試験サンプル中に含有されるポリヌクレオチド検体の増幅前の量を定量化するために、ポリヌクレオチド増幅反応に関連させて、ポリヌクレオチド標準検体をどのように利用するかが、これによって示されている。

(HIV−1核酸検出用のキット)
また、本発明は、鋳型ウィルス核酸を用いてポリヌクレオチド増幅反応を実施するためのキットを包含する。一定の好ましいキットは、検出される標的の増幅のために、標的に相補的な塩基配列、および任意にプライマーまたは他の補助的オリゴヌクレオチドを含むハイブリダイゼーションアッセイプローブを含有する。他の好ましいキットは、インビトロ増幅反応において標的核酸を増幅するために使用できる1対のオリゴヌクレオチドプライマーを含有する。代表的なキットは、増幅されるHIV−1核酸配列の反対鎖に相補的な第1および第2の増幅用オリゴヌクレオチドを含む。該キットはさらに、1つまたは複数のオリゴヌクレオチド検出プローブを含有できる。本発明によるさらに他のキットは、増幅前に他の種からHIV−1鋳型核酸を精製するための捕捉オリゴヌクレオチドをさらに含み得る。
本発明の一般的原理は、以下の非限定的実施例を参照することによってさらに十分に理解できると考えられる。これらの実施例は、陽性増幅シグナルをもたらすのに要する時間と、反応に含まれるHIV−1鋳型核酸の最初の量との実質的な直線関係を特徴とする定量的核酸増幅アッセイの開発を説明している。発明されたアッセイはさらに、低コピー数でのHIV−1標的の定量化における高レベルの精度、およびM群およびO群の改変体を含む種々のHIV−1サブタイプの正確な検出を特徴とする。
分子ビーコンと共に、国際公開出願第2003106714号に開示されたオリゴヌクレオチドプライマーが、本発明のアッセイの開発にとって出発点として役立った。実施例1に提供された証拠により示されるとおり、プライマーの1つを置換することによる最初のプライマーセットの変更で、低レベルの鋳型HIV−1の検出可能性の増加により、アッセイの定量化能力が劇的に改善された。全ての場合で、均一アッセイにおける蛍光シグナルの時間依存的な発現によって増幅陽性がしめされた。
増幅反応に含まれるHIV−1鋳型コピーの数と、蛍光シグナルが背景値を上回った時間(すなわち、背景を上回った「発現の時間」)との間の直線的関係を確立するために、コンピュータ実行演算を用いて実験データの解析を行った。本明細書に開示された時間依存性アッセイの全てに関して本質的には同一の解析を行った。
下記に提供された結果により確認されるように、試験サンプル中に存在する標的検体量の定量化には同様な方法が使用できる。より具体的には、検量標準として既知量のポリヌクレオチド検体が使用される場合、試験サンプルに関して測定された蛍光シグナルの時間依存性発現を標準曲線と比較することによって、試験サンプル中に存在する検体量を決定することが可能である。
実施例1では、核酸増幅反応における時間依存性アンプリコン生成のモニタリングに、相互作用性の蛍光基/クエンチャー対で標識化した分子ビーコンプローブが使用された方法が記載されている。この実施例に記載された分子ビーコンは増幅核酸産物の一本の鎖のみとハイブリダイズしたが、反対鎖上のHIV−1核酸に相補的なプローブ配列もまた本発明の範囲に入る。これらの操作の結果により、オリゴヌクレオチドプライマーの選択がアッセイの定量化能力に大きく影響することが示された。
(実施例1)
(HIV−1M群、サブタイプBアンプリコン生成の時間依存性モニタリング)
既知濃度のインビトロ合成転写体は、配列
Figure 0005692954
を含み、プライマーの対になったセットを用いた増幅反応におけるHIV−1サブタイプB鋳型配列の供給源として役立てた。このインビトロ転写体は、操作に用いられたプライマーの各々に実質的に相当するかまたは実質的に相補的な配列を含んだHIV−1ゲノムの一部を含有するものとした。核酸増幅反応は、TMAプロトコルを用いて行われ、実質的に、米国特許第5,399,491号においてKacianらによって記載されたとおりに実施された。この米国特許の開示は、参照として、本明細書上記に組み込まれている。TMA反応に用いられたプロモーター−プライマーは、HIV−1相補的配列の上流に付加されたT7プロモーター配列AATTTAATACGACTCACTATAGGGAG(配列番号30)を含むものとした。T7プロモーターの配列はHIV−1ポリヌクレオチド検体には存在せず、したがって、鋳型HIV−1に相補的でなかった。増幅反応は、30μl反応容量中、種々の量のHIV−1インビトロ転写体、および約0.07〜0.12pモル/μlの各プライマーを用いて行われた。
HIV−1アンプリコンにハイブリダイズできる分子ビーコンは、Perkin−Elmer(フォスターシティー、カリフォルニア州)EXPEDITEモデル8909自動合成機で、3’クエンチャー結合制御ポアグラス(CPG)および5’蛍光基標識ホスホラミダイトを用いて、標準的固相ホスファイトトリエステル化学によって合成した。蛍光基としてフルオレセインを用い、クエンチャーとしてDABCYLを用い、分子ビーコンの構築に2’−メトキシヌクレオチド類縁体を用いた。CPGおよびホスホラミダイト試薬は、Glen Research Corporation(スターリン、バージニア州)から購入した。合成、脱保護および固体支持基質からの開裂後、ポリアクリルアミドゲルの電気泳動を用いてプローブを精製し、続いて通常レベルの技術を有する当業者が精通している標準的操作を用いてHPLCを行った。4位における1個のイノシンヌクレオチド類縁体の置換、およびチミン塩基の代わりにウラシルの置換を可能にする分子ビーコンに含まれた標的相補的配列は、TGGGGGGTACAGTGC(配列番号31)であった。特に、本明細書に記載された分子ビーコンハイブリダイゼーションプローブおよび分子トーチハイブリダイゼーションプローブの標的ハイブリダイズ性配列は、本明細書に開示されたプライマーを用いて合成されたHIV−1 O群核酸、またはHIV−1 O群アンプリコンに完全には相補的でなかった。また、これらのプローブの標的ハイブリダイズ性配列は、サブタイプA、EおよびFで表されたHIV−1 M群メンバーの核酸またはアンプリコンに完全には相補的でなかった。反対に、これらの標的ハイブリダイズ性配列は、HIV−1サブタイプBのアンプリコンに完全に相補的であった。この操作に用いられた分子ビーコンプローブの全体の配列は、配列番号22とした。
マルチウェルプレートの個々のウェルそれぞれに、カリウム塩およびマグネシウム塩、N−アセチル−L−システイン、リボスクレオシド三リン酸、ヌクレオチド三リン酸および他の試薬、標的ポリヌクレオチド、および分子ビーコンを含んだ30μlのトリス緩衝液を入れた。標的ポリヌクレオチドは、5から5×10コピー/反応の範囲の量で含まれるものとした。鋳型HIV−1を増幅するための第1鎖プロモーター−プライマーは、配列番号13(これは配列番号17内に含まれる)の標的ハイブリダイズ性配列を有するものとした。第2鎖プライマーは、配列番号1または配列番号2のいずれかの配列を有するものとした。プライマーのアニーリングを促進するため、サンプルを60℃で10分間インキュベートし、次いで、42℃で少なくとも5分間インキュベートした。MMLV逆転写酵素とT7RNAポリメラーゼ酵素の双方を含んだ酵素試薬のアリコートを反復ピペッターを用いて各管に加えた。増幅反応を42℃で実施し、CHROMO4 REAL−TIME DETECTOR(MJ Research;レノ、ネバダ州)を用いて19.4秒ごとに、またはOPTICON 2(MJ Research;レノ、ネバダ州)を用いて30秒ごとに、本質的に製造元の使用説明書にしたがって、蛍光の読取りを行った。反応は4〜8回反復して行った。
図2に提供した結果は、1つの増幅プライマーを他のプライマーと置換することによって、アッセイの定量化能力および精度が劇的に増大することを示した。配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列を含んだ第1鎖プロモーター−プライマーおよび配列番号1の標的相補的配列を有する第2鎖プライマーを用いて得られた時間依存性増幅シグナルは、個々のデータポイントの間の開きの増加、および反応に使用された鋳型の濃度が500コピー以下に落ちると直線性からかなり逸脱することから判断されるように、精度の低下を示した。プライマーのこの組合わせは、500コピー/反応超の濃度におけるHIV−1核酸の定量化が目的のアッセイについては好ましいものであった。これとは反対に、配列番号13の標的相補的配列を含んだ第1鎖プライマーおよび配列番号2の標的相補的配列を有する第2鎖プライマーを用いて得られた時間依存性増幅シグナルは、25から5×10コピー/反応の鋳型核酸の範囲で精度の改善および優れた直線性を示した。有利なことに、この後者のプライマーの組合わせにより、このアッセイの低い方の定量化能力が20倍増強した。これは、このような成果が得られる前には予測できなかったほど劇的な結果である。
図2には示されていないが、50,000コピー/反応以下の濃度でHIV−1 O群の鋳型を用いた場合、配列番号13の標的相補的配列を有する第1鎖プライマーおよび配列番号1の標的相補的配列を有する第2鎖プライマーを用いた時の増幅ができなかった。このことによって、投入される鋳型の低濃度のときの精度の損失は、プライマーの組み合わせに特徴的なものであって、増幅される鋳型とは独立であることが証明された。反対に、以下の実施例において示された結果では、配列番号13の標的相補的配列を有する第1鎖プロモーター−プライマーおよび配列番号2の配列を有する第2鎖プライマーの組み合わせによって、有利なことに、複数のHIV−1サブタイプを代表する鋳型に関して、広範囲にわたる良好な精度で、投入された鋳型の量と時間依存性増幅シグナルとの間に直線関係が得られたことが確認された。
実施例2では、25から5×10コピー/反応の範囲にわたって鋳型が投入され、良好な精度でHIV−1 M群、サブタイプBおよびHIV−1 O群の鋳型の増幅ができたことが証明されている。特に、これら2種の鋳型はいくらか異なる動態で増幅した。
(実施例2)
(異なる動態学的プロフィルがHIV−1改変体の増幅を特徴づける)
以下の改変を行い、本質的には実施例1に記載されたとおり増幅反応を実施した。配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列を有する第1鎖プロモーター−プライマー、配列番号2の標的相補的配列を有する第2鎖プライマー、および実施例1に記載された種々の量のサブタイプB鋳型、または配列
Figure 0005692954
を含むO群鋳型のいずれかを用いて並行反応を行った。サブタイプB鋳型と同様にO群鋳型もまた、通常レベルの技術を有する当業者が精通している材料と方法を用いて調製されたインビトロ転写体であった。鋳型は、50から5×10コピー/反応の範囲にわたる量で反応に含まれた。
図3に提供された結果では、HIV−1 O群鋳型の増幅に伸長された、配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列を含む第1鎖プライマーと配列番号2の標的相補的配列を有する第2鎖プライマーとの組み合わせに関連した利点が確認された。より具体的には、プライマーのこの組み合わせを用いて行われた反応では、有利なことに、鋳型HIV−1の低濃度におけるデータポイント中、良好な精度、および時間依存性増幅シグナルの直線性が示された。さらに、プライマーのこの組み合わせの有益な特徴は、HIV−1サブタイプBとHIV−1 O群鋳型の双方に見られた。上記に示したとおり、HIV−1 O群鋳型、配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列を有する第1鎖プロモーター−プライマーおよび配列番号1の標的相補的配列を有する第2鎖プライマーを用いて行われた試験で、投入された鋳型のコピー数が50,000コピー以下では、有用な増幅シグナルは生じなかった。
興味深いことに、該操作に使用された種々のHIV−1鋳型種が、図3に示されたグラフ上に実質的に平行線を生じさせ、HIV−1 O群鋳型は、いくらか緩徐な増幅動態をもたらした。例えば、HIV−1サブタイプB鋳型の5,000コピーを用いて行われた反応は、陽性結果の達成に15分を要したが、HIV−1 O群鋳型を用いて行われた同様な反応は、同じ結果を達成するのにさらに4分必要であった。陽性結果を達成する時間を測定する定量的アッセイでは、このような差異が、おそらく結果の解釈を損ない、誤った結論を導く可能性があると考えられる。
この実施例で用いられたプライマー組み合わせの利益に関わらず、結果は、異なるHIV−1改変体は異なる動態プロフィルで増幅されることを示した。図3に示された例では、15分目の陽性増幅シグナルの検出によって、サブタイプB鋳型の5,000コピー、またはO群鋳型の500,000コピーの存在が不確定的に示されていると考えられる。単一のキャリブレーターまたはキャリブレーターのセットを用いてアッセイを行う要求から、HIV−1改変体の増幅プロフィル間の密接な関係の検出が好ましいこととなった。したがって、アッセイの定量化能力をさらに改善するために、種々のHIV−1サブタイプに関して増幅動態を正規化する反応条件が探索された。
以下の実施例は、HIV−1サブタイプBとHIV−1 O群鋳型の双方に対して誤対合を含有する増幅プライマー、ならびにHIV−1改変体の増幅動態を正規化するためにこれらのプライマーの使用法を開示している。この操作に用いられたアプローチは、O群鋳型に含有される位置に相補的であるが、サブタイプB鋳型に含有される配列には相補的でないような置換であるように、第1鎖プライマーの配列内のヌクレオチドを置換することであった。このアプローチの目的は、サブタイプB鋳型に比較して、O群鋳型の増幅動態を増強させることであった。
図3は、HIV−1 O群鋳型の増幅動態を増強させる第1鎖プライマーを同定する方法を記載している。予想し得たことに反して、HIV−1サブタイプB鋳型に関する増幅動態に対して実質的な影響はなかった。
(実施例3)
(HIV−1 O群鋳型の増幅動態の増強)
HIV−1サブタイプBおよびHIV−1 O群鋳型の増幅動態に対する2つの異なるプライマー組み合わせの効果を比較するために増幅反応の並行セットを用意した。各々の場合に、配列番号13または配列番号15の標的ハイブリダイズ性配列を有する第1鎖プロモーター−プライマーを、配列番号2の標的相補的配列を有する第2鎖プライマーと組み合わせて用いた。特に、配列番号15の配列は、該プライマーの標的ハイブリダイズ性部分の15位におけるチミジンの替わりにアデニンが置換されていることで、配列番号13と異なっていた。この置換は、配列番号19および配列番号17によって同定されたプロモーター−プライマーの41位に対応する。該反応に用いられたHIV−1鋳型の量は、5から5×10コピー/反応の範囲であった。増幅反応は、本質的に、上記の材料および操作を用いて調製された。
図4A〜4Bに提供した結果は、配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列を有するプライマーの替わりに、配列番号15の標的ハイブリダイズ性配列を有するプライマーへの置換は、異なる鋳型の増幅動態に異なる影響を及ぼしたことを示した。より具体的には、図4Aは、異なるプライマーセットは、実質的に同一の動態でHIV−1サブタイプBを増幅した。しかし、図4Bは、配列番号13の替わりに、配列番号15の標的ハイブリダイズ性配列を有するプライマーを用いると、HIV−1 O群鋳型は、試験された投入鋳型の値の全範囲にわたっていくらか速い動態で増幅したことを示している。したがって、配列番号15の標的ハイブリダイズ性配列と配列番号2を含むプライマーの組み合わせは、配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列と配列番号2を含むプライマーの組み合わせと比較して、異なるHIV−1鋳型種を、互いにより近似した動態で有利に増幅した。
関連した操作で、HIV−1サブタイプのA〜C、E〜F、G/A,HおよびHIV−1 O群を代表する独立した鋳型を増幅するために、異なるプライマーの組み合わせを用いた。1,000コピー/反応に等しい投入鋳型濃度に関して、陽性増幅シグナルをもたらすのに要する時間を測定した。反応は6回反復して行った。
図5A〜5Bの棒グラフにより、新たなプライマーの組み合わせが、多数のHIV−1サブタイプに関して陽性増幅結果の達成に必要な時間の差異を有利に減少させたことが証明された。図5Aは、配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列および配列番号2を含むプライマーを用いた場合、サブタイプBおよびO群鋳型に関して陽性増幅結果を達成する時間が3.4分の違いで識別されたことを示している。対照的に図5Bは、該プライマーが配列番号15の標的ハイブリダイズ性配列および配列番号2を含むプライマーを含んだ場合、この差異は、わずか1.3分に減少したことを示している。さらに、いくつかのサブタイプに関しても、これらのプライマーを用いて行われた反応で、陽性結果を得るために必要な時間の差異が最小化された。これらの改善に関わらず、HIV−1サブタイプEおよびサブタイプFの鋳型に関する増幅動態は、他のサンプルで見られる増幅動態に比較して、いくらか遅速化した。
また、配列番号2のプライマーと対にした時、配列番号16の標的ハイブリダイズ性配列は、配列番号2の標的ハイブリダイズ性配列および配列番号13を有するプライマーの組み合わせに比較して、HIV−1 O群鋳型に関する定量化の精度を有利に改善した。したがって、特に配列番号2のプライマーと対にした時に、プライマーは本発明の好ましい実施形態を示す。
最後に、配列番号15のプライマーと対にした時、および配列番号15のプライマーと組み合わせて配列番号2のプライマーを用いて得られた結果と比較した時、表1における配列番号3〜6および8〜12によって同定されたプライマーの各々の挙動は、実質的に等価であった。このパターンは、配列番号3〜9によって同定された表1のプライマーと共に本明細書に開示された分子ビーコンを用いて、ならびに配列番号5(下記参照)、配列番号8および配列番号10〜12によって同定された表1のプライマーと共に本明細書に開示された分子トーチを用いて証明された。理由は不明だが、配列番号7の標的ハイブリダイズ性配列および配列番号15を有するプライマーの組み合わせを用いた際は、等しく良好な結果は得られなかった。したがって、配列番号15のプライマーと配列番号3〜6および8〜12によって同定されたプライマーのいずれかとの任意の組み合わせが、HIV−1核酸の増幅に関するプライマーの好ましい組み合わせを示す。これらの組み合わせは、分子ビーコンハイブリダイゼーションプローブ、または分子トーチハイブリダイゼーションプローブとさらに組み合わせた場合に特に好ましい。
先の操作によって、実質的に等価な動態プロフィルでいくつかのHIV−1サブタイプを有利に増幅することのできるプライマーの組み合わせが同定された。特に、試験操作に用いられた他の標的に比較して、HIV−1サブタイプEおよびFは、いくらか遅速化した増幅動態を示した。第1鎖および第2鎖プライマーはすでに改変したが、異なるアプローチによって、蛍光モニタリングプロトコルに用いられる検出プローブ改変の効果を調べた。
実施例4は、種々のHIV−1改変体全てに関して実質的に等価な増幅動態をもたらすオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブを記載している。
(実施例4)
(分子トーチを用いたアンプリコン合成の時間依存性モニタリング)
以下の改変を行い、本質的には先の実施例に記載されたとおり増幅反応を調製した。T7プロモーター配列(すなわち、配列番号19のプロモーター−プライマー)の下流に位置する配列番号15の標的ハイブリダイズ性配列を有する第1鎖プライマーを、配列番号5を有する第2鎖プライマーと組み合わせて用いた。また、配列番号22の配列を有する分子ビーコンの替わりに、配列番号24(すなわち、配列番号23によって与えられる標的ハイブリダイズ性配列を有する)を有する分子トーチへと置換した。分子トーチは、その5’端をフルオレセイン蛍光基で、その3’端をDABCYLクエンチャー部分で標識化した。最後に、HIV−1サブタイプのA〜C、E〜F、G/A、HおよびO群を代表するインビトロ転写体を鋳型として、50および100コピー/反応で用いた。
HIV−1 M群標準の例として、HIV−1サブタイプB鋳型を、50および100コピー/反応で用いて行われた試験で得られたデータから標準曲線を作成した。反応は、6回反復で実施した。背景を上回る検出レベルの増幅をもたらすのに要する時間を標準曲線のy軸上にプロットし、標準のコピー数/反応をx軸上にプロットした。種々のHIV−1サブタイプを用いて実施された各反応における検出レベルの増幅をもたらすのに要する平均時間を測定し、これらの時間値を用い、標準曲線との比較によって平均log10コピー値を設定した。
図6A〜6Bに提供した結果は、増幅プライマーの特定の組み合わせを用いた時、および分子ビーコンハイブリダイゼーションプローブの替わりに分子トーチに置換した時に、全てのHIV−1改変体が実質的に等しい効率で有利に増幅されたことを示した。1,000コピー/反応のレベルで陽性増幅シグナルを得るのに要する時間における最大差異は、わずか1.3分(0.7log10コピー/反応)に減少した。実際、1,000鋳型コピー/反応を用いて反応を開始した場合、HIV−1サブタイプF鋳型(すなわち、HIV−1 M群の中で最も遅い増幅動態を示している種)の測定数間の差異は、0.7log10コピー/反応を超過しなかった。同様に、1,000鋳型コピー/反応を用いて反応を開始した場合、HIV−1 O群鋳型の測定値と実際の鋳型コピー数/反応との差異は、0.5log10コピー/反応にすぎなかった。本明細書に開示されたものなどのリアルタイム増幅系の性質によって、コピーレベルが増加した時は精度の改善が提供される。したがって、HIV−1の実際の鋳型コピー数/反応と測定された鋳型コピー数/反応との差異は、1,000コピー/反応超のHIV−1サブタイプF種を用いて実施された反応では、0.7log10コピー/反応未満となり、1,000コピー/反応超のHIV−1 O群鋳型を用いて実施された反応では、0.5log10コピー/反応未満となる。
配列番号2の第2鎖プライマーと配列番号5の第2鎖プライマーは、増幅反応において本質的に等価に機能したことが独立に確認されているため、種々のHIV−1サブタイプがこの操作においてより正規化された時間値を与えた事実は、分子ビーコンの替わりに分子トーチへと置換したことに起因したものと考えられた。特に、配列番号2と配列番号5の標的ハイブリダイズ性配列は双方ともコンセンサスCCACAATTTTRAAAGAAAAGGG(配列番号33)に一致する。さらに、我々の発見により、分子トーチは、等温増幅反応のリアルタイムモニタリング用のプローブとして用いられる場合、特に、該プローブの標的結合部分が完全には相補的でないアンプリコンにハイブリダイズする必要がある場合、分子ビーコンよりも利点を有することが証明された。上記に示したように、分子トーチの標的ハイブリダイズ性配列は、HIV−1 O群の核酸もしくはアンプリコン、またはHIV−1 M群のサブタイプA、EおよびFの核酸もしくはアンプリコンに対して、完全には相補的でない。図には示していないが、種々のサブタイプは全て、50コピー/反応のレベルで存在した場合、容易に検出されたことから、この増幅系の強健性が証明された。
リアルタイム増幅プロトコルにおいて、実質的に等しい効率でHIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸を増幅するプライマーおよびプローブの組み合わせを用いる際、多数の異なるHIV−1サブタイプを定量化できるアッセイのためのキャリブレーション標準として、単一のHIV−1サブタイプのポリヌクレオチドを用いることが好ましい。例えば、キャリブレーション標準として、既知量のHIV−1サブタイプBの核酸などのHIV−1 M群の標準を用いることが好ましい。このHIV−1 M群の核酸標準を、ある標準曲線上の一点を確認するために使用でき、生じた標準曲線を、HIV−1 M群の核酸とHIV−1 O群の核酸双方の定量化に使用できる。勿論、各々が異なる既知量のHIV−1 M群の核酸を有するHIV−1 M群の標準の集合を用いてある標準曲線上の数点を確認し、生じた標準曲線を、種々のHIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸の定量化に用いることも可能である。あるいは、HIV−1 M群の核酸標準を使用する替わりに、HIV−1 O群の標準を使用することができる。この場合、既知量のHIV−1 O群の核酸を標準として用い、実質的に等しい効率で、HIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸を増幅する増幅プライマーとハイブリダイゼーションプローブの組み合わせを用いて、該核酸を増幅することによって、1つの標準曲線を作成する。生じた標準曲線を用いて、HIV−1 O群の核酸とHIV−1 M群の核酸の双方を定量化することができる。さらに、厳密にはHIV−1 M群の核酸もしくはHIV−1 O群の核酸ではないキメラ標準の核酸を、HIV−1 M群の核酸とHIV−1 O群の核酸双方の定量化の標準として使用し得ることも考慮されている。
本発明を、その多数の具体的実施例および実施形態に関して記載した。勿論、通常レベルの技術を有する当業者には、先の詳細な説明を検討した際に、本発明の多くの種々の実施形態自体で示唆が与えられるであろう。したがって、本発明の真の範囲は、添付の請求項を参照した際に決定されることになる。
図1は、HIV−1核酸内の標的領域(太い横線で表示)の検出に使用できる種々のポリヌクレオチドを示す概略図である。標的領域に対して以下の核酸の位置が示されている:「捕捉オリゴヌクレオチド」とは、増幅前に標的核酸にハイブリダイズし、それを捕捉するために用いられる核酸を言い、ここで「T」は、相補的配列を有する固定化オリゴヌクレオチド(示していない)にハイブリダイズするために用いられる尾部配列を言い;「非T7プライマー」および「T7プロモーター−プライマー」は、TMAの実施に用いられる2種の増幅プライマーであり、ここで「P」はT7プロモーター−プライマーのプロモーター配列を示し;「プローブ」とは、増幅された核酸の検出に用いられるプローブを言う。 図2は、リアルタイム核酸増幅反応に投入されたHIV−1標準の量(x軸)および背景閾値を上回って測定された蛍光シグナル発現時間(y軸)に関する線グラフである。配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列を有するプロモーター−プライマーと組み合わせた配列番号1のプライマーを用いて(白四角/実線)、また、配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列を有するプロモーター−プライマーと組み合わせた配列番号2のプライマーを用いて(白三角/点線)行われた試験の結果が示されている。 図3は、リアルタイム核酸増幅反応に投入されたHIV−1標準の量(x軸)および背景閾値を上回って測定された蛍光シグナル発現時間(y軸)に関する線グラフである。結果は、配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列を含む第1鎖プロモーター−プライマーおよび配列番号2の配列を有する第2鎖プライマーを用いたHIV−1サブタイプB(白三角/点線)およびHIV−1 O群(白菱形/点線)鋳型の時間依存性増幅を示している。 図4A〜4Bは、リアルタイム核酸増幅反応に投入されたHIV−1標準の量(x軸)および背景閾値を上回って測定された蛍光シグナル発現時間(y軸)に関する線グラフである。結果は、配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列を含む第1鎖プロモーター−プライマーおよび配列番号2を有する第2鎖プライマーを用いた(白三角/点線)、または配列番号15の標的ハイブリダイズ性配列を含む第1鎖プロモーター−プライマーおよび配列番号2の配列を有する第2鎖プライマーを用いた(白菱形/実線)HIV−1サブタイプB(図4A)およびHIV−1 O群(図4B)鋳型の時間依存性増幅を示している。 図5A〜5Bは、1,000コピー/反応で種々のHIV−1改変体に関する背景閾値を上回って測定された蛍光シグナル発現時間(y軸)を表す棒グラフである。図5Aは、配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列を含む第1鎖プロモーター−プライマーおよび配列番号2の配列を有する第2鎖プライマーを用いて行われた反応の結果を示している。図5Bは、配列番号15の標的ハイブリダイズ性配列を含む第1鎖プロモーター−プライマーおよび配列番号2の配列を有する第2鎖プライマーを用いて行われた反応の結果を示している。 図5A〜5Bは、1,000コピー/反応で種々のHIV−1改変体に関する背景閾値を上回って測定された蛍光シグナル発現時間(y軸)を表す棒グラフである。図5Aは、配列番号13の標的ハイブリダイズ性配列を含む第1鎖プロモーター−プライマーおよび配列番号2の配列を有する第2鎖プライマーを用いて行われた反応の結果を示している。図5Bは、配列番号15の標的ハイブリダイズ性配列を含む第1鎖プロモーター−プライマーおよび配列番号2の配列を有する第2鎖プライマーを用いて行われた反応の結果を示している。 図6A〜6Bは、多数のHIV−1改変体の時間依存性増幅に関する結果を表す一連の棒グラフを示している。増幅プライマーは配列番号5および配列番号15の標的ハイブリダイズ性配列を有した。操作に用いられた分子トーチハイブリダイゼーションプローブは配列番号23の標的ハイブリダイズ性配列を有した。種々のHIV−1サブタイプの1,000コピー/反応を用いて行われた増幅反応に関する結果が示されている。図6Aは、リアルタイム核酸増幅反応に投入されたHIV−1核酸(x軸)および背景閾値を上回って測定された蛍光シグナル発現時間(y軸)を確認している。上記の各棒に示された数値は、発現時間を示している。図6Bは、図6Aに示された同じデータを提示しているが、y軸上に平均log10コピー数をプロットしている。上記の各棒に示された数値は、判定された平均log10コピー数を示している。 図6A〜6Bは、多数のHIV−1改変体の時間依存性増幅に関する結果を表す一連の棒グラフを示している。増幅プライマーは配列番号5および配列番号15の標的ハイブリダイズ性配列を有した。操作に用いられた分子トーチハイブリダイゼーションプローブは配列番号23の標的ハイブリダイズ性配列を有した。種々のHIV−1サブタイプの1,000コピー/反応を用いて行われた増幅反応に関する結果が示されている。図6Aは、リアルタイム核酸増幅反応に投入されたHIV−1核酸(x軸)および背景閾値を上回って測定された蛍光シグナル発現時間(y軸)を確認している。上記の各棒に示された数値は、発現時間を示している。図6Bは、図6Aに示された同じデータを提示しているが、y軸上に平均log10コピー数をプロットしている。上記の各棒に示された数値は、判定された平均log10コピー数を示している。

Claims (40)

  1. 等温インビトロ増幅反応によってHIV−1 M群の核酸またはHIV−1 O群の核酸のいずれかを増幅するための反応混合物であって、
    (a) HIV−1 M群の核酸の第1鎖およびHIV−1 O群の核酸の第1鎖に、独立してハイブリダイズする第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列を3’端に含む第1の増幅プライマーと;
    (b) 前記HIV−1 M群の核酸の第1鎖または前記HIV−1 O群の核酸の第1鎖のいずれかを鋳型として用いた、前記第1の増幅プライマーの酵素的伸長産物にハイブリダイズする、第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列であって、配列番号2または5からなる前記第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列、を3’端に含む第2の増幅プライマーと、
    を含む反応混合物であって、
    ここで、前記第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列が、配列番号15からなる、反応混合物。
  2. 前記第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列が、配列番号2からなる請求項1に記載の反応混合物。
  3. 前記第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列が、配列番号5からなる請求項1に記載の反応混合物。
  4. ハイブリダイゼーションプローブをさらに含む請求項1に記載の反応混合物。
  5. 前記ハイブリダイゼーションプローブが、分子ビーコンハイブリダイゼーションプローブおよび分子トーチハイブリダイゼーションプローブよりなる群から選択される請求項4に記載の反応混合物。
  6. 前記ハイブリダイゼーションプローブが、配列番号24の塩基配列を有する分子トーチハイブリダイゼーションプローブである、請求項5に記載の反応混合物。
  7. 前記HIV−1 M群の核酸または前記HIV−1 O群の核酸を増幅し、検出するために2つ以下のプライマーおよび単一のプローブが使用される請求項5に記載の反応混合物。
  8. 生物学的サンプル中に存在し得るHIV−1 M群核酸とHIV−1 O群核酸とを合わせた量を定量化する方法であって:
    1つの反応容器内に、前記生物学的サンプル、第1の増幅プライマー、第2の増幅プライマー、およびハイブリダイゼーションプローブを合わせるステップと;
    第1の鋳型として前記HIV−1 M群核酸または前記HIV−1 O群核酸の第1鎖を用いて前記第1のプライマー伸長産物を作出する前記第1の増幅プライマーの酵素的伸長、ならびに第2の鋳型として前記第1のプライマー伸長産物を用いる前記第2の増幅プライマーの酵素的伸長、を含む等温インビトロ増幅反応を用いて、前記生物学的サンプル中に存在する前記HIV−1 M群核酸および前記HIV−1 O群核酸のいずれをも、実質的に等しい効率で増幅するステップであって、
    それによって、前記生物学的サンプルが前記HIV−1 M群核酸を含有する場合はHIV−1 M群のアンプリコンが、前記生物学的サンプルが前記HIV−1 O群核酸を含有する場合はHIV−1 O群のアンプリコンが作製されるステップと;
    前記ハイブリダイゼーションプローブからのシグナルの検出を含む処理によって時間関数として前記インビトロ増幅反応におけるアンプリコン生成をモニタリングし、これによって時間依存性定量的データが得られるステップと;
    前記モニタリングステップで得られた前記時間依存性定量的データを用いて、前記生物学的サンプル中に存在する前記HIV−1 M群の核酸と前記HIV−1 O群の核酸とを合わせた量を定量化するステップであって、
    前記第1の増幅プライマーも前記第2の増幅プライマーも、前記HIV−1 M群の核酸またはその相補体、あるいは前記HIV−1 O群の核酸またはその相補体に完全には相補的でなく、
    前記ハイブリダイゼーションプローブはHIV−1 M群のアンプリコンとHIV−1 O群のアンプリコンの双方にハイブリダイズするステップと、
    を含む方法であって、
    ここで、前記第1の増幅プライマーが、配列番号15からなる第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列を3’端に含み、
    ここで、前記第2の増幅プライマーが、配列番号2または5からなる第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列を3’端に含む、方法。
  9. 前記等温インビトロ増幅反応が、TMA反応およびNASBA反応よりなる群から選択される転写関連増幅反応である請求項に記載の方法。
  10. 前記モニタリングステップで検出される前記シグナルが、蛍光シグナルである請求項8に記載の方法。
  11. 前記ハイブリダイゼーションプローブが、分子トーチハイブリダイゼーションプローブである請求項1に記載の方法。
  12. 前記分子トーチハイブリダイゼーションプローブが、配列番号24の塩基配列を有する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記第2の増幅プライマーが、配列番号5からなる第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列を3’端に含む請求項8に記載の方法。
  14. 前記HIV−1 M群の核酸および前記HIV−1 O群の核酸の双方を増幅し検出するために2つ以下のプライマーおよび単一のプローブが使用される請求項8に記載の方法。
  15. 前記定量化ステップが、定量結果をたった一つの標準曲線と比較することを含む請求項1に記載の方法。
  16. 単一の反応においてHIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸を定量化するために使用できる標準曲線上の点を確立する方法であって、
    既知量のHIV−1標準を提供するステップと;
    ハイブリダイゼーションプローブの存在下、第1のプライマーおよび第2のプライマーを用い等温インビトロ増幅反応において前記HIV−1標準を増幅して、HIV−1標準アンプリコンを作製するステップであって、
    前記増幅反応が、実質的に等しい効率でHIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸を増幅するステップと;
    前記ハイブリダイゼーションプローブからのシグナルの検出を含む処理によって時間関数として前記インビトロ増幅反応において合成されたHIV−1標準アンプリコンの生成をモニタリングし、これによって定量的データが得られるステップと;
    前記定量的データから前記標準曲線上の前記点を確立するステップと、
    を含む方法であって、
    ここで、前記第1のプライマーが、配列番号15からなる、第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列を3’端に含み、
    ここで、前記第2の増幅プライマーが、配列番号2または5からなる第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列を3’端に含む、方法。
  17. 前記第1の増幅プライマーが、HIV−1 M群の核酸の第1鎖およびHIV−1 O群の核酸の第1鎖に独立してハイブリダイズする第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列を3’端に含み、
    前記第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列が、鋳型として前記HIV−1 M群の核酸の第1鎖または前記HIV−1 O群の核酸の第1鎖のいずれかを用いた前記第1の増幅プライマーの酵素的伸長産物にハイブリダイズし
    前記第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列も前記第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列も、HIV−1 M群の核酸またはHIV−1 O群の核酸あるいはそれらの相補体に完全には相補的でなく、
    前記ハイブリダイゼーションプローブは、HIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸、またはそれらの相補体のいずれかにハイブリダイズする、請求項1に記載の方法。
  18. 前記ハイブリダイゼーションプローブが、分子トーチである前記請求項1に記載の方法。
  19. 前記分子トーチが、配列番号24の塩基配列を有する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記HIV−1標準が、HIV−1 M群の核酸標準である請求項1に記載の方法。
  21. 生物学的サンプルに含まれるHIV−1 O群の核酸を定量化するために前記標準曲線を用いるステップをさらに含む請求項2に記載の方法。
  22. 前記HIV−1標準が、HIV−1 O群の核酸標準である請求項1に記載の方法。
  23. 生物学的サンプルに含まれるHIV−1 M群の核酸を定量化するために前記標準曲線を用いるステップをさらに含む請求項2に記載の方法。
  24. 前記等温インビトロ増幅反応が、TMA反応およびNASBA反応よりなる群から選択される転写関連増幅反応である請求項17に記載の方法。
  25. 前記モニタリングステップが、蛍光シグナルを測定することを含む請求項2に記載の方法。
  26. 等温インビトロ増幅反応によってHIV−1 M群の標的核酸およびHIV−1 O群の標的核酸を増幅するための組成物であって:
    HIV−1 M群の標的核酸の第1鎖およびHIV−1 O群の標的核酸の第1鎖に独立してハイブリダイズする第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列を3’端に含む第1の増幅プライマーと;
    鋳型として、HIV−1 M群の標的核酸またはHIV−1 O群の標的核酸のいずれかの前記第1鎖を用いた、前記第1の増幅プライマーの酵素的伸長産物にハイブリダイズする、第2プライマー標的ハイブリダイズ性配列を3’端に含む第2の増幅プライマーであって、
    前記第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列も前記第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列も、前記HIV−1 M群またはHIV−1 O群の標的核酸あるいはそれらの相補体に完全には相補的でない、第2の増幅プライマーと、
    を含む組成物であって、
    ここで、前記第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列が、配列番号15からなり、そして、前記第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列が、配列番号2または5からなる、組成物。
  27. HIV−1 M群の標的核酸またはHIV−1 O群の標的核酸のいずれかを鋳型として用いて、前記第1および第2の増幅プライマーを合わせた活性によるインビトロ増幅反応において生成された増幅産物にハイブリダイズする、ハイブリダイゼーションプローブをさらに含む請求項2に記載の組成物。
  28. 前記組成物が、前記インビトロ核酸増幅反応において実質的に等しい効率でHIV−1 M群の標的核酸およびHIV−1 O群の標的核酸を増幅する請求項27に記載の組成物。
  29. 前記第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列が、配列番号5からなる請求項28に記載の組成物。
  30. 前記ハイブリダイゼーションプローブが、分子トーチである請求項29に記載の組成物。
  31. 前記分子トーチが、配列番号24の塩基配列を有する、請求項3に記載の組成物。
  32. 前記ハイブリダイゼーションプローブが、分子ビーコンおよび分子トーチよりなる群から選択される請求項27に記載の組成物。
  33. 前記ハイブリダイゼーションプローブが、分子トーチである請求項3に記載の組成物。
  34. 前記分子トーチが、配列番号24の塩基配列を有する、請求項3に記載の組成物。
  35. 前記第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列が、配列番号5からなる請求項2に記載の組成物。
  36. 前記第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列が、配列番号5からなる請求項27に記載の組成物。
  37. 前記ハイブリダイゼーションプローブが、分子トーチである請求項3に記載の組成物。
  38. 前記分子トーチが、配列番号24の塩基配列を有する、請求項37に記載の組成物。
  39. 等温インビトロ増幅反応によってHIV−1 M群の核酸またはHIV−1 O群の核酸のいずれかを増幅するための反応混合物であって:
    (a)HIV−1 M群の核酸の第1鎖およびHIV−1 O群の核酸の第1鎖に独立してハイブリダイズする第1プライマー標的ハイブリダイズ性配列を3’端に含む第1の増幅プライマーと;
    (b)前記HIV−1 M群の核酸の第1鎖または前記HIV−1 O群の核酸の第1鎖のいずれかを鋳型として用いた、前記第1の増幅プライマーの酵素的伸長産物にハイブリダイズする、第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列を3’端に含む第2の増幅プライマーと;
    (c)前記第1の増幅プライマーと前記第2の増幅プライマーとを合わせた活性によって合成されたアンプリコンにハイブリダイズする分子トーチハイブリダイゼーションプローブであって、
    前記第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列も前記第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列も、前記HIV−1 M群またはHIV−1 O群の核酸あるいはそれらの相補体に完全には相補的でなく、
    前記HIV−1 M群の核酸およびHIV−1 O群の核酸が、前記反応混合物中、実質的に等しい効率で増幅する分子トーチハイブリダイゼーションプローブと、
    を含む反応混合物であって、
    ここで、前記第1のプライマー標的ハイブリダイズ性配列が、配列番号15からなり、そして、前記第2のプライマー標的ハイブリダイズ性配列が、配列番号2または5からなる、反応混合物。
  40. 前記分子トーチハイブリダイゼーションプローブが、配列番号24の塩基配列を有する、請求項39に記載の反応混合物。
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