JP2019193542A - 異常検知システム及び異常検知方法 - Google Patents

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生島 剛
Takeshi Ikushima
剛 生島
明実 塩川
Akemi Shiokawa
明実 塩川
松田 啓史
Hiroshi Matsuda
啓史 松田
齋藤裕
Yutaka Saito
裕 齋藤
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Abstract

【課題】誤判定が発生する可能性の低減を図る。【解決手段】異常検知システムは、取得部501と、判定部502と、を備える。取得部501は、第1温度センサ51及び第2温度センサ52から、第1検出温度を示す情報及び第2検出温度を示す情報をそれぞれ取得する。第1温度センサ51及び第2温度センサ52は、電気器具における電気回路7の異なる場所の温度に関する測定値を第1検出温度及び第2検出温度としてそれぞれ検出する。判定部502は、第1検出温度と第2検出温度との間の関係が所定の条件を満たす場合に、電気器具が異常状態であると判定する。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に異常検知システム及び異常検知方法に関し、より詳細には、電気器具の異常状態を判定する異常検知システム及び異常検知方法に関する。
特許文献1には、従来の配線装置の一例が記載されている。
特許文献1の配線装置は、ケースを備えている。ケースに、外部電源からの電線が電気的に接続される端子装置を備えた第1接続部と、電気機器からの電線に設けられた差込プラグが着脱自在に接続される第2接続部と、第1接続部と第2接続部との間を電気的に接続する回路と、が保持されている。
この配線装置は、例えば、温度測定部と、信号処理部と、遮断部と、を備えている。
温度測定部は、ケースの内部において端子装置が収納される収納空間に配置され、ケースの内部で温度を測定する。信号処理部は、温度測定部から測定温度を定期的に取り込む。信号処理部は、温度測定部の測定温度が予め設定された許容範囲から外れると、すなわち温度測定部の測定温度が許容範囲よりも高くなると、温度が異常に上昇していると判断する。信号処理部は、異常と判定すると、遮断部に接点をオフさせる。
特開2016−58332号公報
ところで、測定温度の上昇を引き起こす発熱源(温度の異常上昇の原因)は、温度測定部のすぐ近くで発生するとは限らない。すなわち、発熱源が存在する場合であっても、温度測定部で測定される測定対象の部位の温度は、発熱源の実際の温度そのものとは限らず、発熱源と測定対象の部位との間に介在する部材又は空間の温度(環境温度)の影響を受ける可能性がある。このため、温度測定部で測定される温度は、環境温度が低いほど、発熱源の実際の温度よりも低くなる可能性がある。
そこで、異常状態を判定(温度の異常上昇を判定)するための閾値を、環境温度が低い状態を基準として比較的小さな値に設定することが考えられる。しかしながらこの場合、環境温度が高い状態では、環境温度の影響による測定温度の上昇を温度の異常上昇と判定してしまう可能性がある。つまり、発熱源が存在せず、環境温度の影響によって測定温度が閾値以上となるような場合であっても、発熱源が発生している(温度が異常に上昇している)と誤判定してしまう可能性がある。
本開示は上記事由に鑑みてなされており、誤判定が発生する可能性の低減を図ることができる異常検知システム及び異常検知方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る異常検知システムは、取得部と、判定部と、を備える。前記取得部は、第1温度センサ及び第2温度センサから、第1検出温度を示す情報及び第2検出温度を示す情報をそれぞれ取得する。前記第1温度センサ及び前記第2温度センサは、電気器具における電気回路の異なる場所の温度に関する測定値を、前記第1検出温度及び前記第2検出温度としてそれぞれ検出する。前記判定部は、前記第1検出温度と前記第2検出温度との間の関係が所定の条件を満たす場合に、前記電気器具が異常状態であると判定する。
本開示の一態様に係る異常検知方法は、取得ステップと、判定ステップと、を備える。前記取得ステップは、第1温度センサ及び第2温度センサから、第1検出温度を示す情報及び第2検出温度を示す情報をそれぞれ取得するステップである。前記第1温度センサ及び前記第2温度センサは、電気器具における電気回路の異なる場所の温度に関する測定値を、前記第1検出温度及び前記第2検出温度としてそれぞれ検出する。前記判定ステップは、前記第1検出温度と前記第2検出温度との間の関係が所定の条件を満たす場合に、前記電気器具が異常状態であると判定するステップである。
本開示によれば、誤判定が発生する可能性の低減を図ることができる、という利点がある。
図1は、本開示の一実施形態に係る異常検知システムを備えるコンセントシステムの構成を示すブロック図である。 図2Aは、同上のコンセントシステムに含まれるコンセントの使用例を示し開閉部が導通状態にあるときの外観斜視図である。図2Bは、同上のコンセントの使用例を示し開閉部が遮断状態にあるときの外観斜視図である。 図3は、同上のコンセントの分解斜視図である。 図4Aは、同上のコンセントの外カバー及び内カバーを外した状態の正面図である。図4Bは、同上のコンセントの外カバー及び内カバーを外した状態の背面図である。 図5Aは、同上のコンセントの要部の構成を示す図4AのX1−X1線断面に相当する概略図である。図5Bは、同上のコンセントの要部の構成を示す図4AのX2−X2線断面に相当する概略図である。 図6は、同上の異常検知システムの判定処理を示すフローチャートである。 図7は、同上のコンセントシステムに含まれる第1温度センサ及び第2温度センサの検出温度の測定例を示す説明図である。 図8は、比較例の異常検知システムの判定処理を説明するための図である。 図9は、同実施形態に係る異常検知システムの判定処理を説明するための図である。 図10は、同上のコンセントシステムの動作例を示すフローチャートである。 図11は、変形例1の異常検知システムの判定処理を説明するための図である。 図12Aは、変形例2の異常検知システムを備えるコンセントシステムに含まれるコンセントの、外カバー及び内カバーを外した状態の正面図である。図12Bは、同上のコンセントの外カバー及び内カバーを外した状態の背面図である。 図13Aは、同上のコンセントの要部の構成を示す図12BのY1−Y1線断面に相当する概略図である。図13Bは、同上のコンセントの要部の構成を示す図12BのY2−Y2線断面に相当する概略図である。
(1)概要
本実施形態に係る異常検知システム5は、図1に示すように、コンセント1(電気器具)を備えるコンセントシステム(電気器具システム)10に用いられ、コンセント1の異常状態の発生の有無を判定する。
コンセント1は、第1端子部材201と、第2端子部材202と、第1接続部材301と、第2接続部材302と、筐体4(図3参照)と、異常検知システム5と、を有している。
本実施形態では、コンセントシステム10における筐体4以外の構成要素(第1端子部材201、第2端子部材202、第1接続部材301、第2接続部材302及び異常検知システム5等)は全て、筐体4(器具本体)に収容又は保持されている。つまり、本実施形態では、コンセントシステム10の構成要素は全て1つのコンセント1に集約されており、コンセントシステム10とコンセント1とは同一である。
本実施形態に係るコンセント1(コンセントシステム10)は、例えば、電気機器のプラグ91(図5A、図5B参照)が接続されて電気機器への電力供給を行う配線器具、つまりアウトレット(Outlet)である。コンセント1は、例えば、戸建住宅若しくは集合住宅等の住宅施設、又は事務所、店舗、学校若しくは介護施設等の非住宅施設等に設置される。コンセント1は、例えば、施設(建物)の壁面、天井面及び床面等の造営面100(図2A参照)に取り付けられる。
第1端子部材201は、電源線92の第1電圧線921(図13A参照)が接続される部材である。第2端子部材202は、電源線92の第2電圧線922(図13B参照)が接続される部材である。本実施形態では、第1端子部材201及び第2端子部材202は、電源線92の電圧線921,922がそれぞれ接続される、いわゆる差込式の速結端子である。
第1接続部材301は、プラグ91の第1栓刃(第1導体)911(図5A参照)が接続される部材である。第2接続部材302は、プラグ91の第2栓刃(第2導体)912(図5B参照)が接続される部材である。本実施形態では、第1接続部材301及び第2接続部材302の各々は、プラグ91の栓刃911,912がそれぞれ接続される、いわゆる刃受部材である。
図1に示すように、本実施形態のコンセント1は、開閉部6を更に備えている。開閉部6は、第1接点装置61と第2接点装置62とを備えている。
第1接点装置61は、第1端子部材201と第1接続部材301との間に電気的に接続されている。第1端子部材201、第1接続部材301及び第1接点装置61は、これらを電気的に接続する導体パターンとともに、第1電路71を構成する。第2接点装置62は、第2端子部材202と第2接続部材302との間に電気的に接続されている。第2端子部材202、第2接続部材302及び第2接点装置62は、これらを電気的に接続する導体パターンとともに、第2電路72を構成する。
第1電路71と第2電路とは、互いに電気的に絶縁されており極性が異なる。第1電路71及び第2電路72は、コンセント1の筐体4(器具本体)に収容される電気回路7を構成する。
図1に示すように、異常検知システム5は、制御部50と、第1温度センサ51と、第2温度センサ52と、を備えている。なお、異常検知システム5は、第1温度センサ51及び第2温度センサ52を構成要件として含んでもよいし含まなくてもよい。
第1温度センサ51及び第2温度センサ52は、コンセント1における電気回路7の異なる場所の温度に関する測定値を、第1検出温度T1及び第2検出温度T2としてそれぞれ検出する。本実施形態では、第1温度センサ51は、第1検出温度T1として、第1電路71の温度を検出する。第2温度センサ52は、第2検出温度T2として、第2電路72の温度を検出する。
制御部50は、取得部501としての機能、及び判定部502としての機能を備えている。
取得部501は、第1温度センサ51及び第2温度センサ52から、第1検出温度T1を示す情報及び第2検出温度T2を示す情報をそれぞれ取得する。具体的には、取得部501は、第1温度センサ51から、第1温度センサ51が検出した温度の測定値である第1検出温度T1を取得する。また、取得部501は、第2温度センサ52から、第2温度センサ52が検出した温度の測定値である第2検出温度T2を取得する。
判定部502は、第1検出温度T1と第2検出温度T2との間の関係が、所定の条件を満たすか否かを判断する。判定部502は、第1検出温度T1と第2検出温度T2との間の関係が所定の条件を満たすと判断した場合に、コンセント1が異常状態であると判定する。
具体的には、判定部502は、判定条件(第1判定条件)を満たすか否かを判断する。第1判定条件は、第1検出温度T1と第2検出温度T2との差分の絶対値|ΔT(=T1−T2)|が、第1閾値Tth1以上であることを含む。判定部502は、第1判定条件を満たすと判断した場合に、コンセント1が異常状態であると判定する。
異常検知システム5は、上記構成を有しているので、第1検出温度T1又は第2検出温度T2が所定の条件を満たす場合にコンセント1が異常状態であると判定する比較例の構成に比べて、誤判定が発生する可能性の低減を図ることができる。
すなわち、比較例の構成では、第1検出温度T1及び第2検出温度T2を、個別に閾値と比較し、第1検出温度T1と第2検出温度T2とのうちの少なくとも一方が閾値以上である場合に、コンセント1が異常状態であると判定する。ここで、温度センサで検出される検出温度は、環境温度の影響を受ける可能性がある。このため、検出温度に対して一律の閾値で異常状態の判定を行うと、「異常状態」にもかかわらず「通常状態(正常状態)」と誤判定したり、「通常状態」にもかかわらず「異常状態」と誤判定したりする可能性がある。
これに対して、本実施形態の異常検知システム5では、第1検出温度T1と第2検出温度T2との組み合わせ(例えば差分)に基づいて、コンセント1が異常状態であるか否かを判定する。このため、比較例の構成に比べて、別の判断基準で判定処理を行うことが可能となり、誤判定が発生する可能性の低減を図ることが可能となる。
(2)詳細
本実施形態に係る異常検知システム5及びそれを備えたコンセントシステム10(コンセント1)について、より詳細に説明する。
(2.1)全体構成
まず、コンセントシステム10の全体構成について、図1〜図4Bを参照して説明する。
本実施形態に係るコンセントシステム10は、上述のように、第1端子部材201、第2端子部材202、第1接続部材301、第2接続部材302、筐体4(図3参照)、異常検知システム5、及び開閉部6を備えている。また、本実施形態のコンセントシステム10は、電気回路7を備えている。電気回路7は、第1端子部材201、第2端子部材202、第1接続部材301、第2接続部材302、第1接点装置61及び第2接点装置62等により構成される。また、本実施形態のコンセントシステム10は、図1に示すように、操作部材81、表示部82、ブザー83及びスイッチ84を更に備えている。
なお、以下では、第1端子部材201と第2端子部材202とを区別しない場合には、第1端子部材201及び第2端子部材202の各々を「端子部材2」と呼ぶ場合もある。また、第1接続部材301と第2接続部材302とを区別しない場合には、第1接続部材301及び第2接続部材302の各々を「接続部材3」と呼ぶ場合もある。
図2A及び図2Bは、コンセントシステム10のコンセント1が造営面100に取り付けられた状態の斜視図である。本実施形態では、コンセント1は、日本工業規格によって規格化された大角形連用配線器具の取付枠に取り付けられる埋込形配線器具である。具体的には、コンセント1は、取付枠を介して造営面100に取り付けられる。ここで、取付枠は、埋込ボックスを介して又は直接的に、造営面100に固定される。つまり、取付枠が造営面100に固定されることにより、コンセント1が取付枠を介して造営面100に取り付けられる。取付枠には化粧プレート101が取り付けられ、図2A及び図2Bに示すように、化粧プレート101の内側からコンセント1が露出する形になる。ここで、取付枠は、コンセント1の筐体4と別体であってもよいし、筐体4と一体であってもよい。本実施形態では、コンセント1が屋内用である場合、つまり造営面100が建物(施設)の内壁面である場合について説明するが、この例に限らず、コンセント1は屋外用であってもよい。
以下では、造営面100である建物の内壁面にコンセント1が取り付けられた状態での、水平面に対して垂直な(直交する)方向を「上下方向」とし、コンセント1を正面から見て下方(鉛直方向)を「下方」として説明する。また、上下方向と直交し、かつ造営面100に平行な方向を「左右方向」とし、コンセント1を正面から見て右方を「右方」、左方を「左方」として説明する。さらに、上下方向と左右方向との両方に直交する方向、つまり造営面100に直交する方向を「前後方向」とし、造営面100の裏側(壁裏側)を「後方」として説明する。ただし、これらの方向はコンセントシステム10の使用方向を限定する趣旨ではない。例えば、コンセント1が壁面ではなく床面に取り付けられる場合には、「前後方向」は水平面に対して垂直な方向となり、「上下方向」及び「左右方向」は水平面に平行な方向となる。また、コンセント1が壁面に取り付けられる場合でも、「上下方向」が水平面に平行な方向となる向き(つまり横向き)で、コンセント1が壁面に取り付けられることにより、「左右方向」は水平面に垂直な方向となる。
また、本実施形態では、コンセントシステム10として、2個のプラグ91を同時に接続可能な2個口タイプのコンセント1を例示する。すなわち、コンセント1は、2個のプラグ91に対応するように、2個の接続口11を有している。2個の接続口11は、各々が1つのプラグ91を接続可能に構成されており、筐体4の前面において上下方向(鉛直方向)に沿って並んで配置されている。2個の接続口11のうち、一方(下方)の接続口11は、交流100V用の2極接地極付きコンセントであって、他方(上方)の接続口11は、交流100V用の接地極無しの2極コンセントである。
本実施形態では、2極のプラグ91に対応するように、コンセント1は、互いに異極性となる一対の端子部材2(第1端子部材201及び第2端子部材202)を備えている。つまり、一対の端子部材2のうちの一方(例えば第1端子部材201)には、電源線92のL極(HOT)側の電圧線(第1電圧線921)が接続される。また、一対の端子部材2のうちの他方(例えば第2端子部材202)には、電源線92のN極(COLD)側の電圧線(第2電圧線922)が接続される。
同様に、コンセント1は、各接続口11につき互いに異極性となる一対の接続部材3(第1接続部材301及び第2接続部材302)を備えており、計二対(4個)の接続部材3を備えている。ここで、互いに同極性である2個の接続部材3は、リード板30(図3参照)にて連結されている。詳細には、コンセント1は、互いに電気的に絶縁された2個のリード板30(第1リード板310及び第2リード板320)を備えている。そして、一方の接続口11の第1接続部材301と他方の接続口11の第1接続部材301とは、第1リード板310にて連結されている。また、一方の接続口11の第2接続部材302と他方の接続口11の第2接続部材302とは、第2リード板320にて連結されている。
さらに、互いに同極性である接続部材3と端子部材2とは、開閉部6を介して電気的に接続されている。つまり、各接続口11の第1接続部材301は、開閉部6の第1接点装置61を介して、第1端子部材201に電気的に接続されている。また、各接続口11の第2接続部材302は、開閉部6の第2接点装置62を介して、第2端子部材202に電気的に接続されている。
コンセント1は、筐体4と、筐体4に収容又は保持される端子部材2(第1端子部材201及び第2端子部材202)及び接続部材3(第1接続部材301及び第2接続部材302)等の内部部品と、を備えている。筐体4は、図3に示すように、外ボディ41と、外カバー42と、内カバー43と、内ブロック44と、端子ブロック45と、を有している。これら外ボディ41、外カバー42、内カバー43、内ブロック44及び端子ブロック45が組み合わされることにより、筐体4が構成されている。筐体4は、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。
外ボディ41は、前面が開口された箱状に形成されている。外ボディ41の開口面(前面)は、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも長い長方形状である。内ブロック44は、接続部材3を保持した状態で、他の内部部品(端子部材2及び開閉部6等)と共に外ボディ41に収容される。外ボディ41の前面には内カバー43が取り付けられる。これにより、外ボディ41と内カバー43との間には、内ブロック44に保持された状態の接続部材3を含む内部部品が収容されることになる。外カバー42は、内カバー43の前面に取り付けられる。これにより、内ブロック44と外カバー42との間に接続部材3が収容される。ここで、内カバー43のうち、内ブロック44に対応する部位には、前後方向に貫通する開口窓431が形成されている。そのため、接続部材3を保持した内ブロック44の前面は外カバー42で覆われることになり、外カバー42を外した状態では、内ブロック44の前面は開口窓431を通して前方に露出する。端子ブロック45は、端子部材2を保持した状態で、他の内部部品と共に外ボディ41に収容される。
つまり、内ブロック44及び外カバー42は、接続部材3を保持する保持部材を構成する。端子ブロック45は、端子部材2を保持する保持部材を構成する。言い換えれば、コンセントシステム10は、端子部材2及び接続部材3の少なくとも一方を保持する保持部材を更に備えている。
本実施形態では、外カバー42は更に複数の部材(例えば3つの部材)に分割可能に構成されているが、外カバー42は一体(一部材)であってもよい。ここで、外カバー42のうち内ブロック44を覆う部位、及び内ブロック44は、例えば、ユリア樹脂製である。
外カバー42のうち内ブロック44を覆う部位には、上述した2個の接続口11が形成されている。2個の接続口11のうち一方(上方)の接続口11は、プラグ91の一対の栓刃(第1栓刃911、第2栓刃912)(図5A、図5B参照)がそれぞれ差し込まれる一対の挿入孔111を有している。2個の接続口11のうち他方(下方)の接続口11は、一対の挿入孔111に加えて、接地極付きプラグの接地ピンが差し込まれる接地挿入孔112、及びアース蓋113を有している。筐体4の内部において、各挿入孔111に対応する位置には、接続部材3(第1接続部材301又は第2接続部材302)が配置される。また、筐体4の内部において、接地挿入孔112に対応する位置には第1接地部材114が配置され、アース蓋113に対応する位置には第2接地部材115が配置される。第1接地部材114は、接地極付きプラグの接地ピンが接続されるばね部材である。第2接地部材115は、電気機器の接地線が接続されるねじ式端子である。接地線は、アース蓋113が開いた状態で第2接地部材115への着脱が可能になる。
また、外ボディ41と内カバー43との間の空間であって内ブロック44の左方には、開閉部6及び基板85が収容されている。基板85は、開閉部6の上方に配置されている。基板85には、表示部82を構成する第1表示灯821及び第2表示灯822、並びにスイッチ84が実装されている。一例として、第1表示灯821及び第2表示灯822は、互いに発光色の異なるLED(Light Emitting Diode)であって、スイッチ84は、押ボタンスイッチである。このように、開閉部6、表示部82及びスイッチ84は、筐体4(外ボディ41及び内カバー43)内に収容されている。ただし、表示部82の光が筐体4の前方から視認可能となり、かつ筐体4の前方からスイッチ84の押操作が可能となるように、内カバー43には透光部432及びカンチレバー433が形成されている。つまり、表示部82の光は透光部432を通して筐体4の前方から視認可能であって、スイッチ84はカンチレバー433を介して筐体4の前方から押操作可能である。図2A及び図2Bでは、便宜上、筐体4の前面における表示部82(第1表示灯821及び第2表示灯822)及びスイッチ84に対応する各位置に、表示部82及びスイッチ84の符号を付している。
制御部50は、筐体4に収容されており、例えば、内ブロック44の後方に配置された制御基板に実装されている。ブザー83についても同様に、筐体4に収容されており、例えば、制御基板に実装されている。制御部50は、開閉部6、表示部82、ブザー83、スイッチ84、第1温度センサ51及び第2温度センサ52に電気的に接続されている。制御部50は、少なくとも開閉部6、表示部82及びブザー83の制御を行う。
制御部50は、例えば、マイクロコンピュータを主構成として備えている。マイクロコンピュータは、マイクロコンピュータのメモリに記録されているプログラムをCPU(Central Processing Unit)で実行することにより、制御部50としての機能を実現する。プログラムは、予めマイコンのメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような非一時的記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。言い換えれば、上記プログラムは、マイクロコンピュータを、制御部50として機能させるためのプログラムである。
制御部50は、上述のように、取得部501としての機能、及び判定部502としての機能を有している。取得部501は、第1温度センサ51から第1検出温度T1を取得し、第2温度センサ52から第2検出温度T2を取得する。判定部502は、第1検出温度T1と第2検出温度T2との間の関係が所定の条件を満たす場合に、コンセント1が異常状態であると判定する。
また、制御部50は、報知部503としての機能、状態提示部504としての機能、及び遮断制御部505としての機能を更に有している。なお、取得部501、判定部502、報知部503、状態提示部504及び遮断制御部505は実体のある構成を示しているわけではなく、制御部50によって実現される機能を示している。
報知部503は、判定部502によりコンセント1が異常状態であると判定された場合に、報知を行う。本実施形態では一例として、報知部503での報知は、ブザー83からの警告音の出力、及び表示部82での「異常」表示により実現される。つまり、制御部50は、ブザー83及び表示部82を制御することにより報知部503での報知を実現する。
状態提示部504は、開閉部6が導通状態にあるか遮断状態にあるかを提示する。本実施形態では一例として、状態提示部504での提示は、ブザー83からの警告音を出力すること、及び表示部82での「異常」表示を行うことにより、開閉部6が遮断状態にあることを提示する。つまり、制御部50は、ブザー83及び表示部82を制御することにより状態提示部504での提示を実現する。
遮断制御部505は、判定部502によりコンセント1が異常状態であると判定された場合に、開閉部6を強制的に導通状態から遮断状態に切り替えて、電気回路7を遮断させる。
制御部50については、「(2.2)判定処理」、及び「(2.3)保護動作」の欄で詳しく説明する。
スイッチ84は、ブザー83の音出力を停止させる際に操作される。つまり、ブザー83が警告音を出力している状態でスイッチ84が押操作されると、ブザー83を停止させるように、制御部50がブザー83を制御する。また、スイッチ84は、テストスイッチとしても兼用されており、開閉部6を強制的に導通状態から遮断状態に切り替える場合にも使用される。
開閉部6は、端子部材2と接続部材3との間に電気的に接続されている。開閉部6は、導通状態及び遮断状態の2つの状態が切り替わる装置である。すなわち、開閉部6が導通状態にあれば、端子部材2と接続部材3との間は開閉部6を介して導通し、開閉部6が遮断状態にあれば、端子部材2と接続部材3との間は開閉部6にて電気的に遮断(絶縁)される。本実施形態では、上述したように、コンセント1は互いに異極性となる一対の端子部材2(第1端子部材201と第2端子部材202と)を備えており、開閉部6は、一対の端子部材2の両方に対して電気的に接続されている。すなわち、第1端子部材201と2つの第1接続部材301との間に第1接点装置61が接続されており、第2端子部材202と2つの第2接続部材302との間に第2接点装置62が接続されている。そのため、開閉部6が遮断状態にあれば、二対(4個)の接続部材3は、全て端子部材2から電気的に切り離されることになる。
本実施形態では、開閉部6は、互いに異極性となる一対の接点装置(第1接点装置61及び第2接点装置62)と、電磁釈放装置60と、を有している。上述のように、第1接点装置61は、第1電路71の一部を構成し、第2接点装置62は、第2電路72の一部を構成する。一対の接点装置(第1接点装置61及び第2接点装置62)の各々は、固定接点及び可動接点を有している。可動接点は、固定接点に接触する閉位置と、固定接点から離れた開位置との間で移動する。固定接点には端子部材2(第1端子部材201又は第2端子部材202)が電気的に接続され、可動接点には接続部材3(第1接続部材301又は第2接続部材302)が電気的に接続される。より詳細には、可動接点は可動接触子に設けられており、可動接触子が編組線にてリード板30(第1リード板310又は第2リード板320)に接続されることにより、可動接点と接続部材3とが電気的に接続される。
このような構成の開閉部6は、定常時には、第1接点装置61及び第2接点装置62それぞれの可動接点が閉位置に位置することで、端子部材2と接続部材3との間を導通させる(言い換えれば、電気回路7を導通させる)導通状態にある。一方、開閉部6は、制御部50の遮断制御部505からの駆動信号を受けると、電磁釈放装置60を作動させて両接点装置の可動接触子を駆動し、可動接点をそれぞれ開位置に移動させる。これにより、開閉部6は、端子部材2と接続部材3との間を電気的に遮断する(言い換えれば、電気回路7を遮断する)遮断状態に切り替わる。このように、開閉部6は、制御部50(遮断制御部505)からの駆動信号により、導通状態から遮断状態に切り替わる。本実施形態では、遮断制御部505と開閉部6とで、判定部502によってコンセント1が異常状態であると判定された場合に電気回路7を遮断する、遮断部が構成される。
また、開閉部6には、操作部材81が機械的に結合されている。操作部材81は、回転軸を中心に回転可能なレバー式ハンドルである。ここで、筐体4の前方から操作部材81の操作が可能となるように、内カバー43及び外カバー42にはそれぞれ第1操作孔434及び第2操作孔421が形成されている。つまり、操作部材81は、第1操作孔434及び第2操作孔421を通して筐体4の前方に露出し、筐体4の前方から操作可能となる。
操作部材81は、開閉部6に連動して回転し、オン位置(図2A参照)、オフ位置(図2B参照)との間で移動する。オン位置は開閉部6の導通状態に対応する位置であって、オフ位置は開閉部6の遮断状態に対応する位置である。つまり、開閉部6が導通状態にあれば、図2Aに示すように、操作部材81がオン位置に位置する。操作部材81がオン位置にあるとき、操作部材81の前面は筐体4の前面と略面一になる。一方、開閉部6が導通状態から遮断状態に切り替わると、操作部材81が回転して操作部材81の先端部が前方(手前側)に移動し、図2Bに示すように、操作部材81がオフ位置に移動する。操作部材81がオフ位置にあるとき、操作部材81は筐体4の前面から前方に突出する。
このように、操作部材81と開閉部6とは連動しているので、開閉部6が制御部50からの駆動信号を受けて開閉部6が導通状態から遮断状態に切り替わると、操作部材81はオン位置からオフ位置に移動する。反対に、操作部材81がオフ位置からオン位置に移動すると、開閉部6が遮断状態から導通状態に切り替わる。そのため、オフ位置にある操作部材81をユーザが操作してオン位置に移動させることで、遮断状態にある開閉部6を導通状態に切り替えることができる。以下では、操作部材81をオフ位置からオン位置に移動させる操作を、「復旧操作」という。
また、本実施形態では、開閉部6は、制御部50からの駆動信号を受けた場合のみならず、操作部材81をオン位置からオフ位置に移動させた場合にも、導通状態から遮断状態に切り替わる。そのため、開閉部6の導通状態と遮断状態とは、操作部材81の操作によりユーザが手動で切り替えることが可能である。言い換えれば、開閉部6は、操作部材81の操作に応じてオンオフするスイッチ装置として機能する。
次に、接続部材3及び端子部材2の構成について、図4A〜図5Bを参照して説明する。
二対(4個)の接続部材3(2個の第1接続部材301及び2個の第2接続部材302)は、図4A、図5A、図5Bに示すように、内ブロック44に保持されている。ここで、二対の接続部材3は、外カバー42に形成された二対の挿入孔111にそれぞれ対応する位置、具体的には、正面視において内ブロック44の四隅に配置されている。さらに、上述したように、互いに同極性である2個の接続部材3、つまり上下方向に並ぶ2個の接続部材3は、リード板30にて連結されている。具体的には、上下方向に並ぶ2個の第1接続部材301は、第1リード板310にて連結されており、上下方向に並ぶ2個の第2接続部材302は、第2リード板320にて連結されている。互いに異極性となる一対のリード板30(第1リード板310及び第2リード板320)の各々は、左右方向よりも上下方向に長い帯板状に形成されている。ここでは、互いに同極性である2個の接続部材3及びリード板30は、1枚の金属板から一体に形成されている。つまり、2個の第1接続部材301及び第1リード板310は、1枚の金属板から一体に形成されており、2個の第2接続部材302及び第2リード板320は、1枚の金属板から一体に形成されている。図4A、図5A、図5Bでは、接続部材3及びリード板30を構成する金属板に網掛(ドットハッチング)を付している。
各接続部材3は、プラグ91の接続時に、プラグ91の栓刃911又は912が差し込まれる刃受部材である。具体的には、第1接続部材301には、プラグ91の第1栓刃(第1導体)911が差し込まれ、第2接続部材302には、プラグ91の第2栓刃(第2導体)912が差し込まれる。各接続部材3は、導電性及び弾性を有する金属、例えば、銅又は銅合金等からなる。各接続部材3は、左右方向において互いに対向する一対の刃受片31を有している。各接続部材3は、一対の刃受片31の間に栓刃911又は912を挟んだ状態で、栓刃911又は912と電気的に接続され、かつ栓刃911又は912を機械的に保持する。
一対の端子部材2は、図4A及び図4Bに示すように、端子ブロック45に保持されている。ここで、一対の端子部材2は、端子ブロック45の後面に形成された一対の端子孔121にそれぞれ対応する位置に配置されている。各端子部材2は、電源線92の電圧線921又は922(図13A、図13B参照)が差し込まれることで電源線92の電圧線921又は922が接続される、差込式の速結端子である。具体的には、第1端子部材201には、電源線92の第1電圧線921が接続され、第2端子部材202には、電源線92の第2電圧線922が接続される。
各端子部材2は、端子板及び鎖錠ばねを有している。端子板は、導電性を有する金属、例えば、銅又は銅合金等からなる。鎖錠ばねは、弾性を有する金属、例えば、ステンレス等からなる。各端子部材2は、筐体4の後面に開口した端子孔121に電源線92の電圧線921又は922が挿入されると、端子板と鎖錠ばねとの間に電圧線921又は922を挟んだ状態で、電圧線921又は922と電気的に接続され、かつ電源線92を機械的に保持する。
さらに、端子ブロック45には、アース線を接続するための接地端子116(図4B参照)が保持されている。接地端子116は、端子部材2と同様の差込式の速結端子であって、端子ブロック45の後面に形成された接地端子孔122に対応する位置に配置されている。接地端子116は、筐体4内において、第1接地部材114及び第2接地部材115に電気的に接続されている。
第1温度センサ51及び第2温度センサ52は、コンセント1における電気回路7の異なる場所の温度を、第1検出温度T1及び第2検出温度T2としてそれぞれ検出する。第1温度センサ51及び第2温度センサ52は、筐体4内に収容されている。
本実施形態では、第1温度センサ51は、第1接続部材301の温度を検出するためのセンサである。第2温度センサ52は、第2接続部材302の温度を検出するためのセンサである。そのため、第1温度センサ51は第1接続部材301に熱的に結合され、第2温度センサ52は第2接続部材302に熱的に結合されている。すなわち、本実施形態の第1温度センサ51は、第1検出温度T1として、第1接続部材301の温度を検出する。第2温度センサ52は、第2検出温度T2として、第2接続部材302の温度を検出する。第1温度センサ51及び第2温度センサ52の各々は、例えば、サーミスタ、熱電対、又はサーモパイル等で実現される。
図5Aに示すように、第1温度センサ51は、例えば、第1リード板310の上下方向の中央部の後方に、第1リード板310と熱的に結合された状態で配置されている。第1温度センサ51と第1リード板310との間の熱的な結合は、例えば、第1リード板310に対して第1温度センサ51をクリップ等で直接的に固定することで実現される。
図5Bに示すように、第2温度センサ52は、例えば、第2リード板320の上下方向の中央部の後方に、第2リード板320と熱的に結合された状態で配置されている。第2温度センサ52と第2リード板320との間の熱的な結合は、例えば、第2リード板320に対して第2温度センサ52をクリップ等で直接的に固定することで実現される。
第1温度センサ51は、検出された第1検出温度T1に応じた第1検出信号を制御部50に出力し、第2温度センサ52は、検出された第2検出温度T2に応じた第2検出信号を制御部50に出力する。本開示でいう「第1検出信号」及び「第2検出信号」の各々は、特定の符号によって温度に応じた情報を伝える信号(電気信号)であればよく、例えば、温度に応じて、抵抗値、電圧値又は電流値等の電気量が変化する信号である。なお、異常検知システム5は、第1温度センサ51及び第2温度センサ52の出力を処理して検出信号を出力する、処理回路を含んでいてもよい。
(2.2)判定処理
次に、コンセント1(電気器具)が異常状態であるか否かを判定するための判定処理について、説明する。判定処理は、制御部50の判定部502によって行われる。
本実施形態では、判定処理は、第1判定処理と第2判定処理とを含む。ただし、本実施形態の異常検知システム5では、判定部502が第1判定処理を行うことは必須であるが、第2判定処理を行うことは必須ではない。判定部502は、必ずしも第2判定処理を行わなくてもよく、第1判定処理の結果のみに基づいてコンセント1が異常状態であると判定してもよい。
第1判定処理において、判定部502は、第1検出温度T1と第2検出温度T2との間の関係が所定の条件を満たす場合に、コンセント1が異常状態であると判定する。具体的には、第1判定処理において、判定部502は、第1判定条件が満たされたと判断した場合に、コンセント1が異常状態であると判定する。第1判定条件は、第1検出温度T1と第2検出温度T2との差分の絶対値|ΔT|が第1閾値Tth1以上であることを含む。本実施形態では一例として、第1判定条件は、上記差分の絶対値|ΔT|が第1閾値Tth1以上であることのみとする。
第2判定処理において、判定部502は、第1判定条件とは別の第2判定条件が満たされたと判断した場合に、コンセント1が異常状態であると判定する。第2判定条件は、第1検出温度T1と第2検出温度T2とのうち少なくとも一方が、第2閾値Tth2以上であることを含む。第2閾値Tth2は、上記の第1閾値Tth1とは別の閾値である。本実施形態では一例として、第2判定条件は、第1検出温度T1と第2検出温度T2とのうちの少なくとも一方が、第2閾値Tth2以上であることのみとする。
つまり本実施形態の判定部502は、第1判定処理において差分の絶対値|ΔT|が第1閾値Tth1以上と判定するか、第2判定処理において第1検出温度T1及び/又は第2検出温度T2が第2閾値Tth2以上と判定する場合に、異常状態であると判定する。
以下、制御部50が行う判定処理に関する動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。なお、図6のフローチャートは一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
制御部50の取得部501は、まず、第1温度センサ51から第1検出信号を受け取り、第2温度センサ52から第2検出信号を受け取る。取得部501は、第1検出信号に基づいて第1検出温度T1を取得し、第2検出信号に基づいて第2検出温度T2を取得する(S1)。
次に、制御部50の判定部502は、第1検出温度T1と第2検出温度T2との差分ΔT(=T1−T2)を求め、差分の絶対値|ΔT|を求める(S2)。判定部502は、求めた差分の絶対値|ΔT|と第1閾値Tth1とを比較する(S3)。ここにおいて、第1閾値Tth1は、コンセント1が異常状態であるか否かの判定のために、上記差分の絶対値|ΔT|と比較される値である。判定部502は、上記差分の絶対値|ΔT|が第1閾値Tth1以上であれば(S3:Yes)、コンセント1で発熱が起こっている(発熱源が発生している)と判定して、コンセント1が異常状態であると判定する(S4)。なお、判定部502によってコンセント1が異常状態であると判定された後の制御部50の動作は、「(2.3)保護動作」の欄で説明する。
一方、処理S3にて、上記差分の絶対値|ΔT|が第1閾値Tth1未満であれば(S3:No)、判定部502は、第1検出温度T1と第2閾値Tth2とを比較し(S5)、第2検出温度T2と第2閾値Tth2とを比較する(S6)。第2閾値Tth2は、コンセント1が異常状態であるか否かの判定のために、第1検出温度T1及び第2検出温度T2と個別に比較される値である。第1検出温度T1が第2閾値Tth2以上であるか(S5:Yes)、第2検出温度T2が第2閾値Tth2以上であれば(S6:Yes)、判定部502は、コンセント1が異常状態であると判定する(S4)。
処理S5にて、第1検出温度T1が第2閾値Tth2未満であり、処理S6にて、第2検出温度T2が第2閾値Tth2未満であれば、判定部502は、コンセント1は異常が発生していない通常状態であると判定する(S7)。なお、このときブザー83が警報音を出力中であれば、制御部50は、その出力を停止する。また、表示部82が「異常」表示を行っていれば、「正常(通常)」表示に切り替える。そして、判定部502は処理S1へ戻る。
以下、上述のような判定処理を行う本実施形態の異常検知システム5の利点について、比較例の異常検知システムとの比較を交えて説明する。比較例の異常検知システムは、判定部が、第1検出温度T1と所定の判定閾値Tth0との比較、及び第2検出温度T2と判定閾値Tth0との比較のみに基づいて、コンセントの異常状態を判定する点で、本実施形態の異常検知システム5と相違する。つまり、比較例の異常検知システムは、第1検出温度T1と第2検出温度T2とのうち少なくとも一方が判定閾値Tth0以上の場合にのみ、コンセント1が異常状態であると判定する。
ここにおいて、コンセント1に接続される電気機器の種類は様々であり、接続される電気機器の種類によって、通常状態においてコンセント1の電気回路7(第1電路71及び第2電路72)に流れる電流の大きさは大きく異なる。電気回路7に流れる電流の大きさが異なれば、電気回路7で発生するジュール熱(電気回路7の温度上昇の度合い)も異なる。したがって、コンセント1が通常状態であっても、コンセント1に接続される電気機器の種類(電気回路7を流れる電流の大きさ)によって、第1検出温度T1及び第2検出温度T2は異なる。ここでは、電気回路7に流れる電流の大きさの範囲は、1A〜18A程度と仮定する。
また、コンセント1が使用される環境(地域の別、室内/室外の別等)も様々であり、その周囲の温度(環境温度)も、環境によって大きく異なる。第1温度センサ51によって測定される第1検出温度T1及び第2温度センサ52によって測定される第2検出温度T2は、環境温度にも依存する。つまり、コンセント1が通常状態であっても、コンセント1が使用される環境の環境温度によって、第1検出温度T1及び第2検出温度T2は異なる。ここでは、コンセント1の使用が想定される環境の環境温度の範囲は、−15℃〜45℃程度と仮定する。
図7に、コンセント1の通常状態において、第1温度センサ51及び第2温度センサ52が検出し得る第1検出温度T1及び第2検出温度T2の値を、記号「○」で示す(分布点A1〜A9)。図7(及び後の図8、図11)において、分布点A1〜A9の周りのドットハッチングの領域は、コンセント1が通常状態の領域を概念的に示している。分布点A1〜A9に関し、図7の横軸は、第1検出温度T1の値及び第2検出温度T2の値(=第1検出温度T1の値)である。分布点A1〜A3は、環境温度が例えば−15℃の場合に対応し、分布点A4〜A6は、環境温度が例えば25℃の場合に対応し、分布点A7〜A9は、環境温度が例えば45℃の場合に対応する(図7の縦軸参照)。分布点A1,A4,A7は、一方の接続口11にプラグ91が接続され、プラグ91に流れる電流の大きさが15Aの場合に対応する。分布点A2,A5,A8は、一方の接続口11にプラグ91が接続され、プラグ91に流れる電流の大きさが18Aの場合に対応する。分布点A3,A6,A9は、両方の接続口11にそれぞれプラグ91が接続され、各プラグ91に流れる電流の大きさが18Aの場合に対応する。例えば分布点A9の横軸の値は、環境温度が45℃であって、両方の接続口11にそれぞれプラグ91が接続され、各プラグ91に流れる電流の大きさが18Aであり、コンセント1が通常状態の場合の、第1検出温度T1及び第2検出温度T2を示す。この場合、図7に示すように、第1検出温度T1及び第2検出温度T2は、例えば100℃程度である。
一方、例えばコンセント1の使用時には、コンセント1の内部等で発熱源が発生して、温度が異常に上昇する状態(異常状態)が起こり得る。発熱源の例としては、第1接続部材301とプラグ91の第1栓刃911との間に挟まった、金属製の異物等が上げられる。発熱源があると、例えば、筐体4(内ブロック44、外カバー42等)が熱による影響を受け、特性が変化(変質、変色及び変形を含む)することがある。そこで、電気器具では、温度センサを用いて温度を測定し、発熱源の発生を検出することが行われている。
ここで、上述のように、第1温度センサ51が測定する第1検出温度T1及び第2温度センサ52が測定する第2検出温度T2は、電気回路7に流れる電流の大きさに依存し、かつ環境温度にも依存する。
図7に、発熱源の影響によって第1接続部材301(のみ)の温度が異常に上昇した場合の、第1温度センサ51が検出し得る第1検出温度T1の値を記号「△」で示す(分布点B1〜B6)。図7(及び後の図8、図11)において、分布点B1〜B6の周りのドットハッチングの領域は、第1接続部材301の温度が異常に上昇した異常状態の領域を、概念的に示している。分布点B1〜B6に関し、図7の横軸は、第1検出温度T1の値である。分布点B1,B2は、環境温度が例えば−15℃の場合に対応し、分布点B3,B4は、環境温度が例えば25℃の場合に対応し、分布点B5,B6は、環境温度が例えば45℃の場合に対応する。また、分布点B1,B3,B5は、一方の接続口11にプラグ91が接続され、プラグ91に流れる電流の大きさが1Aの場合に対応する。分布点B2,B4,B6は、一方の接続口11にプラグ91が接続され、プラグ91に流れる電流の大きさが15Aの場合に対応する。例えば分布点B1の横軸の値は、環境温度が−15℃であって、一方の接続口11にプラグ91が接続され、プラグ91に流れる電流の大きさが1Aであり、発熱源の影響により第1接続部材301の温度が異常上昇している場合の、第1検出温度T1を示す。この場合、図7に示すように、第1検出温度T1は、例えば100℃程度である。
また、図7に、発熱源の影響によって第2接続部材302(のみ)の温度が異常に上昇した場合の、第2温度センサ52が検出し得る第2検出温度T2の値を、記号「▽」示す(分布点B7〜B12)。図7(及び後の図8、図11)において、分布点B7〜B12の周りのドットハッチングの領域は、第2接続部材302の温度が異常に上昇した異常状態の領域を、概念的に示している。分布点B7〜B12に関し、図7の横軸は、第2検出温度T2の値である。分布点B7,B8は、環境温度が例えば−15℃の場合に対応し、分布点B9,B10は、環境温度が例えば25℃の場合に対応し、分布点B11,B12は、環境温度が例えば45℃の場合に対応する。また、分布点B7,B9,B11は、一方の接続口11にプラグ91が接続され、プラグ91に流れる電流の大きさが1Aの場合に対応する。分布点B8,B10,B12は、一方の接続口11にプラグ91が接続され、プラグ91に流れる電流の大きさが15Aの場合に対応する。例えば分布点B7の横軸の値は、環境温度が−15℃であって、一方の接続口11にプラグ91が接続され、プラグ91に流れる電流の大きさが1Aであり、発熱源の影響により第2接続部材302の温度が異常上昇している場合の、第2検出温度T2を示す。この場合、図7に示すように、第2検出温度T2は、例えば100℃程度である。
また、図7に、発熱源の影響によって第1接続部材301及び第2接続部材302両方の温度が異常に上昇した場合の、第1温度センサ51及び第2温度センサ52が検出し得る第1検出温度T1及び第2検出温度T2の値を、記号「□」で示す(分布点C1〜C6)。ここでは、第1接続部材301及び第2接続部材302に対する発熱源からの温度上昇の影響は、同じであると仮定する。図7(及び後の図8、図11)において、分布点C1〜C6の周りのドットハッチングの領域は、第1接続部材301及び第2接続部材302両方の温度が異常に上昇した異常状態の領域を、概念的に示している。分布点C1〜C6に関し、図7の横軸は、第1検出温度T1の値及び第2検出温度T2の値(=第1検出温度の値)である。分布点C1,C2は、環境温度が例えば−15℃の場合に対応し、分布点C3,C4は、環境温度が例えば25℃の場合に対応し、分布点C5,C6は、環境温度が例えば45℃の場合に対応する。また、分布点C1,C3,C5は、一方の接続口11にプラグ91が接続され、プラグ91に流れる電流の大きさが1Aの場合に対応する。分布点C2,C4,C6は、一方の接続口11にプラグ91が接続され、プラグ91に流れる電流の大きさが15Aの場合に対応する。例えば分布点C2の横軸の値は、環境温度が−15℃であって、一方の接続口11にプラグ91が接続され、プラグ91に流れる電流の大きさが15Aであり、発熱源の影響により第1接続部材301及び第2接続部材302の温度が異常上昇している場合に対応する。この場合、図7に示すように、第1検出温度T1及び第2検出温度T2は、例えば110℃程度である。
なお、第1接続部材301及び第2接続部材302の両方が発熱源の影響を受ける場合、第1温度センサ51が検出する第1検出温度T1は、第1接続部材301の温度上昇だけでなく、第2接続部材302の温度上昇の影響も受ける。同様に、第1接続部材301及び第2接続部材302の両方が発熱源の影響を受ける場合、第2温度センサ52が検出する第2検出温度T2は、第2接続部材302の温度上昇だけでなく、第1接続部材301の温度上昇の影響も受ける。
したがって、第1検出温度T1は、第1接続部材301のみが発熱源の影響を受ける場合(分布点B1〜B6:片刃過熱)よりも、第1接続部材301及び第2接続部材302の両方が発熱源の影響を受ける場合(分布点C1〜C6:両刃過熱)の方が、高くなる。同様に、第2検出温度T2は、第2接続部材302のみが発熱源の影響を受ける場合(分布点B7〜B12:片刃過熱)よりも、第1接続部材301及び第2接続部材302の両方が発熱源の影響を受ける場合(分布点C1〜C6:両刃過熱)の方が、高くなる。
図7の分布点A9に示すように、発熱源が発生していない通常状態において、環境温度が比較的高く電気回路7に流れる電流の大きさが比較的大きな場合、第1検出温度T1及び第2検出温度T2の値は比較的大きくなる。一方、図7の分布点B1は、環境温度が比較的低く、電気回路7に流れる電流の大きさが比較的小さい条件下で、発熱源の影響によって一方の接続部材3(例えば第1接続部材301)の温度が上昇している場合の第1検出温度T1である。この場合の第1検出温度T1は、図7に示すように、上記の分布点A9における第1検出温度T1と同程度或いは小さくなる可能性がある。つまり、発熱源は必ずしも第1温度センサ51に近接して発生する訳ではなく、第1温度センサ51から離れて発生する可能性がある。このため、第1検出温度T1は、環境温度の影響によって実際の発熱源の温度よりも低くなり、発熱源が発生していない通常状態(正常状態)の温度領域に含まれる値となる可能性がある。
このような条件の下では、比較例の異常検知システムは、コンセント1の異常状態を正しく判定できない可能性が高くなる。この点について、図8を参照して説明する。図8は、横軸を第1検出温度T1、縦軸を第2検出温度T2として、上記の分布点A1〜A9,B1〜B12,C1〜C6をプロットした図である。
比較例の異常検知システムは、第1検出温度T1及び第2検出温度T2と判定閾値Tth0とを比較し、第1検出温度T1と第2検出温度T2とのうち少なくとも一方が判定閾値Tth0以上の場合に、コンセント1が異常状態であると判定する。したがって、比較例の異常検知システムにおいて、上記の分布点B1を正しく「異常状態」と判定するためには、図8に示す判定閾値Tth01のように、判定閾値Tth0を分布点B1の第1検出温度T1の値よりも小さく設定する必要がある。しかし、この場合、判定閾値Tth01は分布点A9の第1検出温度T1よりも小さくなってしまい、分布点A9を「異常状態」と誤判定(誤報)してしまう。一方、上記の分布点A9を正しく「通常状態」と判定するためには、図8に示す判定閾値Tth02のように、判定閾値Tth0を分布点A9の第1検出温度T1の値よりも大きく設定することが考えられる。しかし、この場合、判定閾値Tth02は分布点B1の第1検出温度T1よりも大きくなってしまい、分布点B1を「通常状態」と誤判定(失報)してしまう。
これを解決するために、本実施形態の異常検知システム5の判定部502は、第1判定処理と第2判定処理とを行っている。
判定部502は、第1判定処理において、第1検出温度T1と第2検出温度T2との差分の絶対値|ΔT|と第1閾値Tth1とを比較し、上記差分の絶対値|ΔT|が第1閾値Tth1以上の場合に、コンセント1が異常状態であると判定する。一方の接続部材3のみの温度が異常上昇している場合には、第1検出温度T1と第2検出温度T2との差が大きくなる。したがって、判定部502が第1判定処理を行うことで、一方の接続部材3のみの温度が異常上昇している(片刃過熱)場合に、コンセント1の異常状態を正しく判定することができる。
判定部502は、第2判定処理において、第1検出温度T1及び第2検出温度T2と第2閾値Tth2とを比較し、第1検出温度T1と第2検出温度T2とのうち少なくとも一方が第2閾値Tth2以上の場合に、コンセント1が異常状態であると判定する。上述のように、両方の接続部材3の温度が異常上昇している(両刃過熱)場合、第1温度センサ51及び第2温度センサ52は、両方の接続部材3の温度上昇の影響を受ける。したがって、両刃過熱の場合には、片刃過熱の場合よりも、環境温度の影響による検出温度T1,T2の低下が緩和される。したがって、第2閾値Tth2の値を適切な値に設定し、判定部502が第2判定処理を行うことで、両刃過熱の場合にコンセント1の異常状態を正しく判定することができる。第2閾値Tth2は、例えば、コンセント1の通常状態において第1温度センサ51及び第2温度センサ52が検出し得る第1検出温度T1及び第2検出温度T2の上限よりも、大きな値に設定される。例えば、第2閾値Tth2は、上記比較例の「判定閾値Tth02」に設定される。
要するに、本実施形態の異常検知システム5は、分布点が、図9に示す実線L1で囲まれた領域内にある場合に、通常状態と判定し、分布点が図9の上記領域外にある場合に、異常状態と判定する。なお、実線L1は、第1検出温度T1が0(℃)以下の領域及び第2検出温度T2が0(℃)以下の領域においても、図9と同様の傾きで延びている。
本実施形態の異常検知システム5では、上記のように第1判定処理と第2判定処理とに基づいて、コンセント1が異常状態であるか否かを判定する。これにより、図9に示すように、分布点A1〜A9を「通常状態」と正しく判定し、分布点B1〜B12,C1〜C6を「異常状態」と正しく判定することが可能となる。
(2.3)保護動作
上述のように、コンセント1が異常状態であると判定部502が判定すると、制御部50は、コンセント1を保護するための保護動作を行う。以下、この保護動作の一例について、図10のフローチャートを参照して説明する。なお、図10のフローチャートは一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
判定部502が、コンセント1が異常状態であると判定する(図6のS4)と、制御部50の遮断制御部505は、開閉部6に駆動信号を出力し、開閉部6を導通状態から遮断状態に切り替える(S11)。その後、制御部50は、ブザー83からの警告音の出力(S12)、及び表示部82での「異常」表示を行う(S13)。この状態で、スイッチ84が押操作される、つまりブザー83の停止ボタンが押されると(S14:Yes)、制御部50は、ブザー83の停止処理(S15)を実行し、処理S16に移行する。スイッチ84が押操作されない、つまりブザー83の停止ボタンが押されなければ(S14:No)、制御部50は、ブザー83の停止処理(S15)をスキップして、処理S16に移行する。
そして、操作部材81の復旧操作が行われると(S16:Yes)、開閉部6が遮断状態から導通状態へ切り替わり(S17)、図6の処理S1に移行するs。そして、コンセント1は再使用可能な状態となる。なお、処理S16において、復旧操作が行われなければ(S16:No)、制御部50は、処理S14に移行する。
以上説明したように、本実施形態では、判定部502が、第1検出温度T1と第2検出温度T2との差分の絶対値|ΔT(=T1−T2)|が第1閾値Tth1以上であることを含む第1判定条件を満たしたか否かを判断する。そして、判定部502は、第1判定条件を満たしたと判断した場合に、コンセント1が異常状態であると判定する。このため、比較例の場合のように、分布点A9を「異常状態」と誤判定したり分布点B1を「通常状態」と誤判定したりしてしまう可能性が低くなる。すなわち、本実施形態の異常検知システム5は、誤判定が発生する可能性の低減を図ることが可能となる。
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。なお、以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
(3.1)変形例1
変形例1の異常検知システム5について、図11を参照して説明する。
本変形例の異常検知システム5では、判定部502が、判定処理において、第1検出温度T1と第2検出温度T2との差分の絶対値|ΔT|が第1閾値Tth1以上であっても、第1検出温度T1と第2検出温度T2の各々(両方)が、第2閾値Tth2よりも小さな第3閾値Tth3以下である場合には、コンセント1が異常状態でないと判定する点で、基本例の異常検知システム5と相違する。
つまり、本変形例の異常検知システム5の判定部502は、分布点が図11の実線L2で囲まれた領域内にある場合に通常状態と判定し、上記領域外にある場合に異常状態と判定する。なお、実線L2は、第1検出温度T1が0(℃)以下の領域及び第2検出温度T2が0(℃)以下の領域においても、図11と同様の傾きで(縦軸又は横軸と平行に)延びている。
異常状態の判定を上記のように行うことで、第1検出温度T1及び第2検出温度T2の両方が第3閾値Tth3よりも小さい場合には、上記差分の絶対値|ΔT|が第1閾値Tth1より大きくても異常状態とは判定されない。したがって、第1検出温度T1及び第2検出温度T2の値が小さい(つまり、発熱源の温度がそれほど高くない)場合に、電気回路7の遮断等が起こりにくくなり、使用者の利便性が向上する。
本変形例のその他の構成は、基本例と同様なので、詳細な説明は省略する。
(3.2)変形例2
変形例2の異常検知システム5を備えたコンセントシステム10について、図12A〜図13Bを参照して説明する。
本変形例は、第1温度センサ51が第1端子部材201の温度を第1検出温度T1として検出し、かつ、第2温度センサ52が第2端子部材202の温度を第2検出温度T2として検出する点で、基本例のコンセントシステム10と相違する。
本変形例では、第1温度センサ51は、第1端子部材201の温度を検出するためのセンサである。第2温度センサ52は、第2端子部材202の温度を検出するためのセンサである。そのため、第1温度センサ51は第1端子部材201に熱的に結合され、第2温度センサ52は第2端子部材202に熱的に結合されている。
具体的には、図12A、図12Bに示すように、一対の端子部材2(第1端子部材201及び第2端子部材202)の各々は、端子板21及び鎖錠ばね22を有している。端子板21は、導電性を有する金属、例えば、銅又は銅合金等からなる。鎖錠ばね22は、弾性を有する金属、例えば、ステンレス等からなる。
そして、図13Aに示すように、第1温度センサ51は、例えば、第1端子部材201における端子板21の前方に、端子板21と熱的に結合された状態で配置されている。第1温度センサ51は、センサ基板511に実装されている。第1温度センサ51と端子板21との間の熱的な結合は、例えば、端子板21と第1温度センサ51との間に、伝熱性及び電気絶縁性を有する伝熱シート512を介在させることで実現される。これにより、端子板21の熱は伝熱シート512を介して熱伝導により第1温度センサ51に伝わる。
また、図13Bに示すように、第2温度センサ52は、例えば、第2端子部材202における端子板21の前方に、端子板21と熱的に結合された状態で配置されている。第2温度センサ52は、センサ基板511に実装されている。第2温度センサ52と端子板21との間の熱的な結合は、例えば、端子板21と第2温度センサ52との間に、伝熱性及び電気絶縁性を有する伝熱シート522を介在させることで実現される。これにより、端子板21の熱は伝熱シート522を介して熱伝導により第2温度センサ52に伝わる。
本変形例のその他の構成(判定処理等)は、基本例と同様なので、詳細な説明は省略する。
本変形例でも、基本例の場合と同様に、誤判定が発生する可能性の低減を図ることができる。
(3.3)変形例3
変形例3の異常検知システム5を備えたコンセントシステム10について説明する。本変形例のコンセントシステム10は、第1温度センサ51及び第2温度センサ52が、同じ極性の電路上(第1電路71上又は第2電路72上)の異なる部位の温度をそれぞれ検出する点で、基本例のコンセントシステム10と相違する。
例えば、第1温度センサ51は、基本例の異常検知システム5の第1温度センサ51(図5A参照)と同様に、第1接続部材301の温度を第1検出温度T1として検出する。また、第2温度センサ52は、変形例2の異常検知システム5の第1温度センサ51(図13A参照)と同様に、第1端子部材201(第1接続部材301とともに第1電路71を構成する)の温度を第2検出温度T2として検出する。
本変形例のその他の構成は、基本例と同様なので、詳細な説明は省略する。
発熱源が発生しても、発熱源による第1電路71の異なる部位への温度上昇の影響は異なる。すなわち、発熱源に起因する第1検出温度T1の温度上昇の度合いと、発熱源に起因する第2検出温度T2の温度上昇の度合いとは、異なる。このため、第1検出温度T1と第2検出温度T2との差分の絶対値|ΔT|を第1閾値Tth1と比較することで、コンセント1の異常状態の判定の精度を向上させることが可能となる。
したがって、本変形例でも、基本例と同様に、誤判定が発生する可能性の低減を図ることができる。
なお、本変形例において、コンセントシステム10は、第2接続部材302の温度を検出する第3温度センサと、第2端子部材202の温度を検出する第4温度センサとを更に備えていてもよい。判定部502は、第3温度センサで検出される第3検出温度と第4温度センサで検出される第4検出温度との組み合わせ(例えば、差分)に基づいて、コンセント1の異常状態の判定を行ってもよい。
また、本変形例では、第1温度センサ51と第2温度センサ52とは、第1電路71上において直列に接続されている部位(第1接続部材301と第1端子部材201)の温度をそれぞれ検出しているが、これに限られない。第1温度センサ51と第2温度センサ52とは、第1電路71上において並列の関係にある部位(例えば、一方の接続口11の第1接続部材301と他方の接続口11の第1接続部材301)の温度をそれぞれ検出してもよい。
(3.4)その他の変形例
基本例/各変形例に係る制御部50と同様の機能は、コンセント1の制御方法(異常検知方法)、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
本開示の一態様に係る異常検知方法は、取得ステップと、判定ステップと、を備える。取得ステップは、第1温度センサ51及び第2温度センサ52から、第1検出温度T1を示す情報及び第2検出温度T2を示す情報をそれぞれ取得するステップである。第1温度センサ51及び第2温度センサ52は、電気回路7と電気回路7を収容する器具本体(筐体4)とを有する電気器具(コンセント1)における電気回路7の異なる場所の温度に関する測定値を第1検出温度T1及び第2検出温度T2としてそれぞれ検出する。判定ステップは、第1検出温度T1と第2検出温度T2との間の関係が所定の条件を満たす場合に、電気器具(コンセント)1が異常状態であると判定するステップである。
本開示における異常検知システム5は、例えば、制御部50等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御部50としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、コンセントシステム10における複数の機能が、1つの筐体4に集約されていることはコンセントシステム10に必須の構成ではなく、コンセントシステム10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、制御部50等、コンセントシステム10の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。反対に、上記基本例のように、コンセントシステム10の全ての機能が、1つの筐体4に集約されていてもよい。
また、第1判定条件は、上記差分の絶対値|ΔT|が第1閾値Tth1以上であることを含んでいればよく、上記差分の絶対値|ΔT|が第1閾値Tth1以上であることに加えて、他の条件を含んでいてもよい。例えば、第1判定条件は、上記差分の絶対値|ΔT|が第1閾値Tth1以上であるという事象が、所定時間継続すること、所定回数発生すること、又は所定値以上の頻度で発生すること等を含んでいてもよい。第2判定条件についても同様に、第1検出温度T1と第2検出温度T2とのうちの少なくとも一方が第2閾値Tth2以上であることを含んでいればよく、他の条件をさらに含んでいてもよい。
また、コンセント1は、接地極付きに限らず、接地極無しであってもよいし、例えば、交流200V用又は直流用のコンセント(Outlet)であってもよい。さらに、コンセント1は、Aタイプのコンセントに限らず、例えば、Bタイプ又はCタイプのように、ピン形状の栓刃を有するプラグを接続可能なコンセントであってもよい。コンセント1は、2個口タイプに限らず、例えば、1個口タイプ又は3個口タイプであってもよい。さらに、コンセントシステム10は、コンセント1だけでなく、例えば、人感センサ、タイマ又はスイッチ等を更に備えていてもよい。また、端子部材2は、速結端子でなくてもよく、例えば、ねじ式端子であってもよい。また、コンセント1は、取付枠を用いて後部が造営面100内に埋め込まれた状態で設置される構成(埋込設置型)に限らず、全体が露出した状態で造営面100に設置される構成(露出設置型)であってもよい。
また、コンセント1は、プラグ91の抜け止めとなるロック機構を有していてもよい。ロック機構は、例えば、プラグ91を回転させることによってプラグ91の栓刃911,912の抜け止めを行う。コンセント1は、扉付きであってもよい。
また、上記基本例では、電磁釈放装置が作動して開閉部6が導通状態から遮断状態に切り替わると、開閉部6に連動して操作部材81もオフ位置に移動するが、この構成に限らない。例えば、開閉部6が導通状態から遮断状態に切り替わる際、操作部材81については、オン位置のままであってもよい。この場合、復旧操作は、操作部材81をオン位置からオフ位置に一旦移動させた後、操作部材81をオフ位置からオン位置に移動させることで実現される。
また、開閉部6は、例えば、メカニカルリレー又は半導体スイッチ等で実現されてもよい。
制御部50は、筐体4の外部に配置されていてもよい。
電気器具は、コンセント1に限られず、例えばテーブルタップ、スイッチ等の他の配線器具でもよい。さらには、電気器具は配線器具に限られず、異なる環境での使用が想定され、電気回路を流れる電流の大きさが変化する適宜の電気器具(例えばブレーカ、パワーコンディショナ等)であってもよい。
本開示にて、2値の比較において、「以上」としているところは、2値が等しい場合、及び2値の一方が他方を超えている場合との両方を含む。ただし、これに限らず、ここでいう「以上」は、2値の一方が他方を超えている場合のみを含む「より大きい」と同義であってもよい。つまり、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「以上」か「より大きい」かに技術上の差異はない。同様に、「未満」においても「以下」と同義であってもよい。
(4)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る異常検知システム(5)は、取得部(501)と、判定部(502)と、を備える。取得部(501)は、第1温度センサ(51)及び第2温度センサ(52)から、第1検出温度(T1)を示す情報及び第2検出温度(T2)を示す情報をそれぞれ取得する。第1温度センサ(51)及び第2温度センサ(52)は、電気器具(コンセント1)における電気回路(7)の異なる場所の温度に関する測定値を第1検出温度(T1)及び第2検出温度(T2)としてそれぞれ検出する。判定部(502)は、第1検出温度(T1)と第2検出温度(T2)との間の関係が所定の条件を満たす場合に、電気器具が異常状態であると判定する。
第1の態様によれば、第1検出温度(T1)及び/又は第2検出温度(T2)が所定の条件を満たす場合に電気器具(コンセント1)が異常状態であると判定する比較例の構成に比べて、誤判定が発生する可能性の低減を図ることができる。すなわち、比較例の構成では、検出温度(T1又はT2)に対して一律の閾値で異常状態の判定を行うため、「異常状態」にもかかわらず「通常状態」と誤判定したり、「通常状態」にもかかわらず「異常状態」と誤判定したりする可能性がある。これに対して、本開示の異常検知システム(5)では、第1検出温度(T1)と第2検出温度(T2)との組み合わせに基づいて、電気器具(コンセント1)が異常状態であるか否かを判定する。このため、比較例とは別の判断基準で判定処理を行うことが可能となり、誤判定が発生する可能性の低減を図ることが可能となる。
第2の態様に係る異常検知システム(5)では、第1の態様において、電気回路(7)は、互いに電気的に絶縁されており極性が異なる第1電路(71)と第2電路(72)とを含む。第1温度センサ(51)は、第1検出温度(T1)として、第1電路(71)の温度を検出する。第2温度センサ(52)は、第2検出温度(T2)として、第2電路(72)の温度を検出する。
第2の態様によれば、第1電路(71)又は第2電路(72)の一方だけで異常過熱した場合に、異常状態を精度よく判定することが可能となる。
第3の態様に係る異常検知システム(5)では、第2の態様において、電気器具(コンセント1)は、第1接続部材(301)と、第2接続部材(302)と、を備える電力供給器具(コンセント1)である。第1接続部材(301)は、第1電路(71)の一部を構成しており、プラグ(91)の第1導体(第1栓刃911)が接続されるよう構成される。第2接続部材(302)は、第2電路(72)の一部を構成しており、プラグ(91)の第2導体(第2栓刃912)が接続されるよう構成される。第1温度センサ(51)は、第1検出温度(T1)として、第1接続部材(301)の温度を検出する。第2温度センサ(52)は、第2検出温度(T2)として、第2接続部材(302)の温度を検出する。
第3の態様によれば、第1接続部材(301)又は第2接続部材(302)での異常な温度上昇の発生を、精度よく判定することが可能となる。
第4の態様に係る異常検知システム(5)では、第2の態様において、電気器具(コンセント1)は、第1端子部材(201)と、第2端子部材(202)と、を備える電力供給器具(コンセント1)である。第1端子部材(201)は、第1電路(71)の一部を構成しており、電源線(92)の第1電圧線(921)が接続されるよう構成される。第2端子部材(202)は、第2電路(72)の一部を構成しており、電源線(92)の第2電圧線(922)が接続されるよう構成される。第1温度センサ(51)は、第1検出温度(T1)として、第1端子部材(201)の温度を検出する。第2温度センサ(52)は、第2検出温度(T2)として、第2端子部材(202)の温度を検出する。
第4の態様によれば、第1端子部材(201)又は第2端子部材(202)での異常な温度上昇の発生を、精度よく判定することが可能となる。
第5の態様に係る異常検知システム(5)では、第1の態様において、電気回路(7)は、互いに電気的に絶縁されており極性が異なる第1電路(71)と第2電路(72)とを含む。第1温度センサ(51)及び第2温度センサ(52)は、第1電路(71)及び第2電路(72)のうちのいずれか一方の電路上の異なる部位の温度をそれぞれ検出する。
第5の態様によれば、第1温度センサ(51)が配置されている場所の近く(例えば第1接続部材301)、又は第2温度センサ(52)が配置されている場所の近く(例えば第1端子部材201)での異常な温度上昇の発生を、精度よく判定することが可能となる。
第6の態様に係る異常検知システム(5)では、第1〜第5のいずれかの態様において、判定部(502)は、第1検出温度(T1)と第2検出温度(T2)との差分の絶対値(|ΔT|)が所定の閾値(Tth1)以上であることを含む判定条件を満たした場合に、電気器具(コンセント1)が異常状態であると判定する。
第6の態様によれば、異常状態の発生を、より精度よく判定することが可能となる。
第7の態様に係る異常検知システム(5)では、第6の態様において、判定部(502)は、さらに、上記判定条件としての第1判定条件とは別の第2判定条件を満たす場合に、電気器具(コンセント1)が異常状態であると判定する。第2判定条件は、第1検出温度(T1)及び第2検出温度(T2)のうち少なくとも一方が、第2閾値(Tth2)以上であることを含む。第2閾値(Tth2)は、上記閾値としての第1閾値(Tth1)とは別の閾値である。
第7の態様によれば、第1検出温度(T1)及び第2検出温度(T2)の両方が異常に上昇した場合に、異常状態の判定を行うことが可能となる。
第8の態様に係る異常検知システム(5)では、第7の態様において、判定部(502)は、第1検出温度(T1)と第2検出温度(T2)との差分の絶対値(|ΔT|)が第1閾値(T1)以上であっても、第1検出温度(T1)と第2検出温度(T2)との各々が、第2閾値(Tth2)よりも小さな第3閾値(Tth3)以下である場合には、電気器具が異常状態でないと判定する。
第8の態様によれば、第1検出温度(T1)及び第2検出温度(T2)の値が比較的小さい場合には、電気回路(コンセント1)が異常状態と判定されにくくなり、使用者の利便性が向上する。
第9の態様に係る異常検知システム(5)は、第1〜第8のいずれかの態様において、遮断部(開閉部6及び遮断制御部505)と、報知部(503)と、のうち少なくとも一方を、更に備える。遮断部は、判定部(502)によって電気器具(コンセント1)が異常状態であると判定された場合に、電気回路(7)を遮断する。報知部(503)は、判定部(502)によって電気器具(コンセント1)が異常状態であると判定された場合に、異常状態の発生を報知する。
第9の態様によれば、電気器具(コンセント1)が異常状態の場合には、遮断と報知との少なくとも一方が行われるので、使用者の利便性が向上する。
第10の態様に係る異常検知方法は、取得ステップと、判定ステップと、を備える。取得ステップは、第1温度センサ(51)及び第2温度センサ(52)から、第1検出温度(T1)を示す情報及び第2検出温度(T2)を示す情報をそれぞれ取得するステップである。第1温度センサ(51)及び第2温度センサ(52)は、電気器具(コンセント1)における電気回路(7)の異なる場所の温度に関する測定値を第1検出温度(T1)及び第2検出温度(T2)としてそれぞれ検出する。判定ステップは、第1検出温度(T1)と第2検出温度(T2)との間の関係が所定の条件を満たす場合に、電気器具(コンセント1)が異常状態であると判定するステップである。
第10の態様によれば、誤判定が発生する可能性の低減を図ることが可能となる。
第2〜9の態様に係る構成については、異常検知システム(5)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1 コンセント(電気器具、電力供給器具)
201 第1端子部材
202 第2端子部材
301 第1接続部材
302 第2接続部材
5 異常検知システム
501 取得部
502 判定部
503 報知部
505 遮断制御部(遮断部)
51 第1温度センサ
52 第2温度センサ
6 開閉部(遮断部)
7 電気回路
71 第1電路
72 第2電路
91 プラグ
911 第1栓刃(第1導体)
912 第2栓刃(第2導体)
92 電源線
921 第1電圧線
922 第2電圧線
T1 第1検出温度
T2 第2検出温度
|ΔT| 差分の絶対値
Tth1 第1閾値(閾値)
Tth2 第2閾値
Tth3 第3閾値

Claims (10)

  1. 電気器具における電気回路の異なる場所の温度に関する測定値を第1検出温度及び第2検出温度としてそれぞれ検出する第1温度センサ及び第2温度センサから、前記第1検出温度を示す情報及び前記第2検出温度を示す情報をそれぞれ取得する取得部と、
    前記第1検出温度と前記第2検出温度との間の関係が所定の条件を満たす場合に、前記電気器具が異常状態であると判定する判定部と、
    を備える、
    異常検知システム。
  2. 前記電気回路は、互いに電気的に絶縁されており極性が異なる第1電路と第2電路とを含み、
    前記第1温度センサは、前記第1検出温度として、前記第1電路の温度を検出し、
    前記第2温度センサは、前記第2検出温度として、前記第2電路の温度を検出する、
    請求項1に記載の異常検知システム。
  3. 前記電気器具は、
    前記第1電路の一部を構成しており、プラグの第1導体が接続されるよう構成される、第1接続部材と、
    前記第2電路の一部を構成しており、前記プラグの第2導体が接続されるよう構成される、第2接続部材と、
    を備える電力供給器具であって、
    前記第1温度センサは、前記第1検出温度として、前記第1接続部材の温度を検出し、
    前記第2温度センサは、前記第2検出温度として、前記第2接続部材の温度を検出する、
    請求項2に記載の異常検知システム。
  4. 前記電気器具は、
    前記第1電路の一部を構成しており、電源線の第1電圧線が接続されるよう構成される、第1端子部材と、
    前記第2電路の一部を構成しており、前記電源線の第2電圧線が接続されるよう構成される、第2端子部材と、
    を備える電力供給器具であって、
    前記第1温度センサは、前記第1検出温度として、前記第1端子部材の温度を検出し、
    前記第2温度センサは、前記第2検出温度として、前記第2端子部材の温度を検出する、
    請求項2に記載の異常検知システム。
  5. 前記電気回路は、互いに電気的に絶縁されており極性が異なる第1電路と第2電路とを含み、
    前記第1温度センサ及び前記第2温度センサは、前記第1電路及び前記第2電路のうちのいずれか一方の電路上の異なる部位の温度をそれぞれ検出する、
    請求項1に記載の異常検知システム。
  6. 前記判定部は、前記第1検出温度と前記第2検出温度との差分の絶対値が所定の閾値以上であることを含む判定条件を満たした場合に、前記電気器具が前記異常状態であると判定する、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の異常検知システム。
  7. 前記判定部は、さらに、前記判定条件としての第1判定条件とは別の第2判定条件を満たす場合に、前記電気器具が前記異常状態であると判定し、
    前記第2判定条件は、前記第1検出温度及び前記第2検出温度のうち少なくとも一方が、前記閾値としての第1閾値とは別の第2閾値以上であることを含む、
    請求項6に記載の異常検知システム。
  8. 前記判定部は、前記第1検出温度と前記第2検出温度との前記差分の絶対値が前記第1閾値以上であっても、前記第1検出温度と前記第2検出温度との各々が、前記第2閾値よりも小さな第3閾値以下である場合には、前記電気器具が前記異常状態でないと判定する、
    請求項7に記載の異常検知システム。
  9. 前記判定部によって前記電気器具が前記異常状態であると判定された場合に、前記電気回路を遮断する遮断部と、
    前記判定部によって前記電気器具が前記異常状態であると判定された場合に、前記異常状態の発生を報知する報知部と、
    のうち少なくとも一方を、更に備える、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の異常検知システム。
  10. 電気器具における電気回路の異なる場所の温度に関する測定値を第1検出温度及び第2検出温度としてそれぞれ検出する第1温度センサ及び第2温度センサから、前記第1検出温度を示す情報及び前記第2検出温度を示す情報をそれぞれ取得する取得ステップと、
    前記第1検出温度と前記第2検出温度との間の関係が所定の条件を満たす場合に、前記電気器具が異常状態であると判定する判定ステップと、
    を備える、
    異常検知方法。
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