(1)概要
以下の実施形態において説明する図1〜図9は、模式的な図であり、図1〜図9中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
本実施形態に係るコンセント1は、例えば、電気機器のプラグ91(図4A参照)が接続されて電気機器への電力供給を行う配線器具、つまりアウトレット(Outlet)である。コンセント1は、例えば、戸建住宅若しくは集合住宅等の住宅施設、又は事務所、店舗、学校若しくは介護施設等の非住宅施設等に設置される。コンセント1は、例えば、施設(建物)の壁面、天井面及び床面等の造営面100(図2A参照)に設置される。
コンセント1は、図1に示すように、コンセント本体B1と通知部6とを備える。通知部6は、コンセント本体B1の状態に応じて、当該状態に関する状態情報及びコンセント本体B1の存在のうち少なくとも一方を、コンセント本体B1の外部に通知する。
ここで言う「コンセント本体B1」とは、概ね、通知部6以外の、コンセント1の構成要素に相当する。ただし、コンセント本体B1は、特に限定されず、コンセント1の筐体4のみに相当してもよいし、筐体4内の導体Z1のみに相当してもよいし、筐体4及び導体Z1に相当してもよい。導体Z1は、給電線92(図4B参照)が接続される端子部材2、及びプラグ91が接続される接続部材3を含む。
また「状態情報」とは、例えば、特定の事象を検出する検出部D1から取得する事象情報に基づいて、コンセント本体B1の状態が判定された判定結果を示す情報である。ここでは、検出部D1は、コンセント1の構成要素として、コンセント1(筐体4)内に配置されている。検出部D1の検出対象となる「特定の事象」は、特に限定されない。以下では、一例として、「特定の事象」が、異常な温度上昇であることを想定する。すなわち、コンセント1は、一例として、温度検出部5(検出部D1)を備えた、いわゆる過熱検知機能付きのコンセントである。ただし、「特定の事象」が、例えば、地震であれば、コンセント1は、揺れを検出する検出部を備えた、いわゆる感震機能付きのコンセントであってもよい。
コンセント1は、開閉部8を、更に備えることが好ましい。開閉部8は、端子部材2から接続部材3までの間に電気的に接続されて、状態情報が、判定結果として異常な温度上昇を示す場合、導通状態から遮断状態に切り替わる。遮断状態から導通状態への開閉部8の切替えは、ユーザが手動で行ってもよいし、例えば、コンセント1の外部からの復旧信号を受信する、又は所定時間が経過する等の復旧条件を満たした場合に、コンセント1が自動で行ってもよい。筐体4は、通知部6、開閉部8及び導体Z1等を、収容又は保持する。
ところで、コンセント1にて、特定の事象が発生した場合、ユーザにとっては、その特定の事象の内容、又は特定の事象が発生した場所(コンセント1の位置)を知りたいという要望がある。これに対して、コンセント1は、上述の通り、コンセント本体B1の状態に応じて、状態情報及びコンセント本体B1の存在のうち少なくとも一方を、コンセント本体B1の外部に通知する通知部6を備える。そのため、ユーザは、特定の事象の内容、又は特定の事象が発生した場所(コンセント1の位置)を、容易に知ることができるため、利便性の向上を図ることができる。
以下の「(2)詳細」の欄で、通知部6が状態情報をコンセント本体B1の外部に通知する場合を主に説明し、「(3)変形例」の欄で、通知部6がコンセント本体B1の存在をコンセント本体B1の外部に通知する場合を主に説明する。
(2)詳細
次に、本実施形態に係るコンセント1について、より詳細に説明する。
(2.1)全体構成
まず、コンセント1の全体構成について、図1〜図4Bを参照して説明する。コンセント1は、上述の通り、コンセント本体B1と通知部6とを備えている。コンセント本体B1は、図1に示すように、導体Z1(端子部材2及び接続部材3等)、筐体4(図2A及び図2B参照)、温度検出部5(検出部D1)及び開閉部8に加えて、制御部7を更に備えている。またコンセント本体B1は、操作部材81、表示部82、ブザー83及びスイッチ84を更に備えている。
図2A及び図2Bは、コンセント1が造営面100に取り付けられた状態の斜視図である。本実施形態では、コンセント1は、日本工業規格によって規格化された大角形連用配線器具の取付枠に取り付けられる埋込形配線器具である。具体的には、コンセント1は、取付枠を介して造営面100に取り付けられる。ここで、取付枠は、埋込ボックスを介して又は直接的に、造営面100に固定される。つまり、取付枠が造営面100に固定されることにより、コンセント1が取付枠を介して造営面100に取り付けられる。取付枠には化粧プレート101が取り付けられ、図2A及び図2Bに示すように、化粧プレート101の内側からコンセント1が露出する形になる。ここで、取付枠は、コンセント1の筐体4と別体であってもよいし、筐体4と一体であってもよい。本実施形態では、コンセント1が屋内用である場合、つまり造営面100が建物(施設)の内壁面である場合について説明するが、この例に限らず、コンセント1は屋外用であってもよい。
以下では、造営面100である建物の内壁面にコンセント1が取り付けられた状態での、水平面に対して垂直な(直交する)方向を「上下方向」とし、コンセント1を正面から見て下方(鉛直方向)を「下方」として説明する。また、上下方向と直交し、かつ造営面100に平行な方向を「左右方向」とし、コンセント1を正面から見て右方を「右方」、左方を「左方」として説明する。さらに、上下方向と左右方向との両方に直交する方向、つまり造営面100に直交する方向を「前後方向」とし、造営面100の裏側(壁裏側)を「後方」として説明する。ただし、これらの方向はコンセント1の使用方向を限定する趣旨ではない。例えば、コンセント1が壁面ではなく床面に取り付けられる場合には、「前後方向」は水平面に対して垂直な方向となり、「上下方向」及び「左右方向」は水平面に平行な方向となる。また、コンセント1が壁面に取り付けられる場合でも、「上下方向」が水平面に平行な方向となる向き(つまり横向き)で、コンセント1が壁面に取り付けられることにより、「左右方向」は水平面に垂直な方向となる。
また、本実施形態では、コンセント1として、2個のプラグ91を同時に接続可能な2個口タイプのコンセントを例示する。すなわち、コンセント1は、2個のプラグ91に対応するように、2個の接続口11を有している。2個の接続口11は、各々が1つのプラグ91を接続可能に構成されており、筐体4の前面において上下方向(鉛直方向)に沿って並んで配置されている。2個の接続口11のうち、一方(下方)の接続口11は、交流100V用の2極接地極付きコンセントであって、他方(上方)の接続口11は、交流100V用の接地極無しの2極コンセントである。
本実施形態では、2極のプラグ91に対応するように、コンセント1は、互いに異極性となる一対の端子部材2を備えている。つまり、一対の端子部材2のうち一方の端子部材2にはL極(HOT)側の給電線92が接続され、他方の端子部材2にはN極(COLD)側の給電線92が接続される。同様に、コンセント1は、各接続口11につき互いに異極性となる一対の接続部材3を備えており、計二対(4個)の接続部材3を備えている。ここで、互いに同極性である2個の接続部材3は、リード板30(図3A参照)にて連結されている。さらに、互いに同極性である接続部材3と端子部材2とは、開閉部8を介して電気的に接続されている。
コンセント1は、筐体4と、筐体4に収容又は保持される端子部材2及び接続部材3等の内部部品と、を備えている。筐体4は、図3A、図4A及び図4Bに示すように、外ボディ41と、外カバー42(図2参照)と、内カバー43と、内ブロック44と、端子ブロック45と、を有している。これら外ボディ41、外カバー42、内カバー43、内ブロック44及び端子ブロック45が組み合わされることにより、筐体4が構成されている。筐体4は、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。
外ボディ41は、前面が開口された箱状に形成されている。外ボディ41の開口面(前面)は、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも長い長方形状である。内ブロック44は、接続部材3を保持した状態で、他の内部部品(端子部材2及び開閉部8等)と共に外ボディ41に収容される。外ボディ41の前面には内カバー43が取り付けられる。これにより、外ボディ41と内カバー43との間には、内ブロック44に保持された状態の接続部材3を含む内部部品が収容されることになる。外カバー42は、内カバー43の前面に取り付けられる。これにより、内ブロック44と外カバー42との間に接続部材3が収容される。ここで、内カバー43のうち、内ブロック44に対応する部位には、前後方向に貫通する開口窓が形成されている。そのため、接続部材3を保持した内ブロック44の前面は外カバー42で覆われることになり、外カバー42を外した状態では、内ブロック44の前面は開口窓を通して前方に露出する。端子ブロック45は、端子部材2を保持した状態で、他の内部部品と共に外ボディ41に収容される。
つまり、内ブロック44及び外カバー42は、接続部材3を保持する保持部材を構成する。端子ブロック45は、端子部材2を保持する保持部材を構成する。言い換えれば、コンセント1は、端子部材2及び接続部材3の少なくとも一方を保持する保持部材を更に備えている。
外カバー42は、更に、複数の部材(例えば3つの部材)に分割可能に構成されているが、一体(一部材)であってもよい。ここで、外カバー42のうち内ブロック44を覆う部位、及び内ブロック44は、例えば、ユリア樹脂製である。
外カバー42のうち内ブロック44を覆う部位には、上述した2個の接続口11が形成されている。2個の接続口11のうち一方(上方)の接続口11は、プラグ91の一対の栓刃911(図4A参照)が差し込まれる一対の挿入孔111を有している。2個の接続口11のうち他方(下方)の接続口11は、一対の挿入孔111に加えて、接地極付きプラグの接地ピンが差し込まれる接地挿入孔112、及びアース蓋113を有している。筐体4の内部において、各挿入孔111に対応する位置には接続部材3が配置され、接地挿入孔112に対応する位置には第1接地部材114が配置され、アース蓋113に対応する位置には第2接地部材115が配置される。第1接地部材114は、接地極付きプラグの接地ピンが接続されるばね部材である。第2接地部材115は、電気機器の接地線が接続されるねじ式端子である。接地線は、アース蓋113が開いた状態で第2接地部材115への着脱が可能になる。
また、外ボディ41と内カバー43との間の空間であって内ブロック44の左方には、開閉部8及び基板85が収容されている。基板85は、開閉部8の上方に配置されている。基板85には、表示部82を構成する第1表示灯821及び第2表示灯822、並びにスイッチ84が実装されている。一例として、第1表示灯821及び第2表示灯822は、互いに発光色の異なるLED(Light Emitting Diode)であって、スイッチ84は、押ボタンスイッチである。このように、開閉部8、表示部82及びスイッチ84は、筐体4(外ボディ41及び内カバー43)内に収容されている。ただし、表示部82の光が筐体4の前方から視認可能となり、かつ筐体4の前方からスイッチ84の押操作が可能となるように、内カバー43には透光部及びカンチレバーが形成されている。つまり、表示部82の光は透光部を通して筐体4の前方から視認可能であって、スイッチ84はカンチレバーを介して筐体4の前方から押操作可能である。図2A及び図2Bでは、便宜上、筐体4の前面における表示部82(第1表示灯821及び第2表示灯822)及びスイッチ84に対応する各位置に、表示部82及びスイッチ84の符号を付している。
外ボディ41と内カバー43との間の空間であって内ブロック44の左下方には、図3Aに示すように、基板86が収容されている。基板86には、各種回路を構成する回路部品が実装される。
制御部7は、筐体4に収容されており、例えば、内ブロック44の後方に配置された制御基板に実装されている。ブザー83についても同様に、筐体4に収容されており、例えば、制御基板に実装されている。制御部7は、開閉部8、表示部82、ブザー83、スイッチ84、温度検出部5及び通知部6に電気的に接続されている。なお、制御基板から外カバー42の背面の上部に向かってリード線が延びており、制御部7は、当該リード線を介して、通知部6と電気的に接続されている。制御部7は、少なくとも開閉部8、通知部6、表示部82、及びブザー83の制御を行う。
制御部7は、例えば、マイクロコントローラを主構成として備えている。マイクロコントローラは、マイクロコントローラのメモリに記録されているプログラムをCPU(Central Processing Unit)で実行することにより、制御部7としての機能を実現する。プログラムは、予め上記メモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような非一時的記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。言い換えれば、上記プログラムは、マイクロコントローラを、制御部7として機能させるためのプログラムである。
また制御部7は、図1に示すように、報知部71としての機能、状態提示部72としての機能、判定部73としての機能を有している。
判定部73は、異常な温度上昇(特定の事象)を検出する温度検出部5(検出部D1)から取得する検出温度T1(事象情報)に基づいて、コンセント本体B1の状態を判定する(判定処理)。
ここでは、コンセント本体B1の状態は、説明の簡略化のため、正常及び異常のいずれかに該当する状態であるとする。言い換えると、判定部73は、検出温度T1を、1つの温度閾値と比較判定を行い、温度閾値未満であれば正常、温度閾値以上であれば異常と、判定するものとする。しかし、状態の種類数は、特に限定されない。例えば、状態は、正常、注意、及び異常等の3段階以上に分けられてもよく、温度閾値も複数用いられてもよい。また異常自体の種類も判定(分析)結果に応じて細分化されてもよい。判定部73は、経過時間に対する検出温度T1の上昇特性から、ジュール熱による発熱異常、又は他の原因による発熱異常等について、推定可能に構成されてもよい。
制御部7は、判定部73にてコンセント本体B1が異常状態にあると判定すると、端子部材2から接続部材3までの間における電路の遮断を実行する。すなわち、制御部7は、駆動信号を開閉部8に出力して、開閉部8を導通状態から遮断状態に切り替えるように制御する。また報知部71は、判定結果(異常状態)に関する報知を行う。すなわち、報知部71は、ブザー83及び表示部82を通じて、異常な温度上昇を検出したことをユーザに報知する。
本実施形態では、一例として、報知部71での報知は、ブザー83からの異常警告音の出力、及び表示部82での「異常」表示により実現される。つまり、制御部7は、ブザー83及び表示部82を制御することにより報知部71での報知を実現する。状態提示部72は、開閉部8が導通状態にあるか遮断状態にあるかを提示する。本実施形態では一例として、状態提示部72での提示は、ブザー83からの異常警告音の出力、及び表示部82での「異常」表示により実現される。つまり、制御部7は、ブザー83及び表示部82を制御することにより状態提示部72での提示を実現する。
ここで判定部73は、コンセント本体B1の状態の判定結果を示す「状態情報」を、通知部6より外部に通知させる。一例として、判定部73は、異常と判定する場合だけ、状態情報を外部に通知させる。言い換えると、判定部73は、異常に関する判定結果を示す状態情報のみを通知させる。ただし、判定部73は、正常と判定する場合も(つまり概ね常時)、正常に関する判定結果を示す状態情報を、通知部6より通知させてもよい。
「状態情報」は、文字情報IM1及びコード情報IM2のうち少なくとも一方を含む。ここでは「状態情報」は、文字情報IM1及びコード情報IM2(図2B参照)の両方を含む。文字情報IM1は、例えば「エラー01」や「エラー02」等という、コンセント本体B1の異常(エラー)の種類を示すエラー番号付きの文字情報である。コード情報IM2は、例えば、ウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)を記録した、バーコード、QRコード(登録商標)等の二次元コードである。そして、各エラー番号に対応するURLが割り振られている。通知部6から出力(表示)されるコード情報IM2をカメラ付きの情報端末(例えばユーザが携帯するスマートフォン等)で読み込むことで、各エラー番号に対応するウェブサイトへのアクセスを容易にするものである。この場合、情報端末には、二次元コード読み取り可能なアプリケーションソフトがインストールされている。コード情報IM2は、ウェブサイトのURLを含まなくてもよく、例えば、専用の読取装置で読み取ることで、読取装置に付属の表示部に、各エラー番号に対応するエラー内容等が表示されてもよい。制御部7のメモリは、予め、複数種類の文字情報IM1及びコード情報IM2に関するデータを記憶している。なお、通知部6については、後の「(2.2)通知部」の欄で詳しく説明する。
ところで、特定の事象は、異常な温度上昇のみではなく、コンセント本体B1内の電気回路に発生し得る断線等を、更に含んでもよい。この場合、検出部D1は、温度検出部5に加えて、断線等を検知する機能を更に有してもよい。要するに、断線等に関するエラー番号も割り振られていてもよい。
スイッチ84は、ブザー83の音出力を停止させる際に操作される。つまり、ブザー83が異常警告音を出力している状態でスイッチ84が押操作されると、ブザー83を停止させるように、制御部7がブザー83を制御する。また、スイッチ84は、テストスイッチとしても兼用されており、開閉部8を強制的に導通状態から遮断状態に切り替える場合にも使用される。
開閉部8は、端子部材2と接続部材3との間に電気的に接続されている。開閉部8は、導通状態及び遮断状態の2つの状態が切り替わる装置である。すなわち、開閉部8が導通状態にあれば、端子部材2と接続部材3との間は開閉部8を介して導通し、開閉部8が遮断状態にあれば、端子部材2と接続部材3との間は開閉部8にて電気的に遮断(絶縁)される。つまり、開閉部8が遮断状態に切り替わることで、端子部材2及び接続部材3間における電路が遮断される。本実施形態では、上述したように、コンセント1は互いに異極性となる一対の端子部材2を備えており、開閉部8は、一対の端子部材2の両方に対して電気的に接続されている。そのため、開閉部8が遮断状態にあれば、二対(4個)の接続部材3は、全て端子部材2から電気的に切り離されることになる。
具体的には、開閉部8は、互いに異極性となる一対の接点装置と、電磁釈放装置と、を有している。一対の接点装置の各々は、固定接点及び可動接点を有している。可動接点は、固定接点に接触する閉位置と、固定接点から離れた開位置との間で移動する。固定接点には端子部材2が電気的に接続され、可動接点には接続部材3が電気的に接続される。より詳細には、可動接点は可動接触子に設けられており、可動接触子が編組線にてリード板30に接続されることにより、可動接点と接続部材3とが電気的に接続される。
このような構成の開閉部8は、定常時には、可動接点が閉位置に位置することで、端子部材2と接続部材3との間を導通させる導通状態にある。一方、開閉部8は、制御部7からの駆動信号を受けると、電磁釈放装置を作動させて可動接触子を駆動し、可動接点を開位置に移動させることで、端子部材2と接続部材3との間を電気的に遮断する遮断状態に切り替わる。このように、開閉部8は、制御部7からの駆動信号により、導通状態から遮断状態に切り替わる。
開閉部8には、操作部材81が機械的に結合されている。操作部材81は、回転軸を中心に回転可能なレバー式ハンドルである。ここで、筐体4の前方から操作部材81の操作が可能となるように、内カバー43及び外カバー42にはそれぞれ操作孔が形成されている。つまり、操作部材81は、これらの操作孔を通して筐体4の前方に露出し、筐体4の前方から操作可能となる。
操作部材81は、開閉部8に連動して回転し、オン位置(図2A参照)、オフ位置(図2B参照)との間で移動する。オン位置は開閉部8の導通状態に対応する位置であって、オフ位置は開閉部8の遮断状態に対応する位置である。つまり、開閉部8が導通状態にあれば、図2Aに示すように、操作部材81がオン位置に位置する。操作部材81がオン位置にあるとき、操作部材81の前面は筐体4の前面と略面一になる。一方、開閉部8が導通状態から遮断状態に切り替わると、操作部材81が回転して操作部材81の先端部が前方(手前側)に移動し、図2Bに示すように、操作部材81がオフ位置に移動する。操作部材81がオフ位置にあるとき、操作部材81は筐体4の前面から前方に突出する。
このように、操作部材81と開閉部8とは連動しているので、開閉部8が制御部7からの駆動信号を受けて開閉部8が導通状態から遮断状態に切り替わると、操作部材81はオン位置からオフ位置に移動する。反対に、操作部材81がオフ位置からオン位置に移動すると、開閉部8が遮断状態から導通状態に切り替わる。そのため、オフ位置にある操作部材81をユーザが操作してオン位置に移動させることで、遮断状態にある開閉部8を導通状態に切り替えることができる。以下では、操作部材81をオフ位置からオン位置に移動させる操作を、「復旧操作」という。
また、本実施形態では、開閉部8は、制御部7からの駆動信号を受けた場合のみならず、操作部材81をオン位置からオフ位置に移動させた場合にも、導通状態から遮断状態に切り替わる。そのため、開閉部8の導通状態と遮断状態とは、操作部材81の操作によりユーザが手動で切り替えることが可能である。言い換えれば、開閉部8は、操作部材81の操作に応じてオンオフするスイッチ装置として機能する。
次に、接続部材3及び端子部材2の構成について、図3A〜図4Bを参照して説明する。
二対(4個)の接続部材3は、図3A及び図4Aに示すように、内ブロック44に保持されている。ここで、二対の接続部材3は、外カバー42に形成された二対の挿入孔111にそれぞれ対応する位置、具体的には、正面視において内ブロック44の四隅に配置されている。さらに、上述したように、互いに同極性である2個の接続部材3、つまり上下方向に並ぶ2個の接続部材3は、リード板30にて連結されている。互いに異極性となる一対のリード板30の各々は、左右方向よりも上下方向に長い帯板状に形成されている。ここでは、互いに同極性である2個の接続部材3及びリード板30は、1枚の金属板から一体に形成されている。図3A及び図4Aでは、接続部材3及びリード板30を構成する金属板に網掛(ドットハッチング)を付している。
各接続部材3は、プラグ91の接続時に、プラグ91の栓刃911が差し込まれる刃受部材である。各接続部材3は、導電性及び弾性を有する金属、例えば、銅又は銅合金等からなる。各接続部材3は、左右方向において互いに対向する一対の刃受片31を有している。各接続部材3は、一対の刃受片31の間に栓刃911を挟んだ状態で、栓刃911と電気的に接続され、かつ栓刃911を機械的に保持する。
一対の端子部材2は、図3B及び図4Bに示すように、端子ブロック45に保持されている。ここで、一対の端子部材2は、端子ブロック45の後面に形成された一対の端子孔121にそれぞれ対応する位置に配置されている。各端子部材2は、給電線92の心線921が差し込まれることで給電線92が接続される、差込式の速結端子である。具体的には、各端子部材2は、図4Bに示すように、端子板21及び鎖錠ばね22を有している。端子板21は、導電性を有する金属、例えば、銅又は銅合金等からなる。鎖錠ばね22は、弾性を有する金属、例えば、ステンレス等からなる。各端子部材2は、筐体4の後面に開口した端子孔121に給電線92が挿入されると、端子板21と鎖錠ばね22との間に給電線92の心線を挟んだ状態で、給電線92と電気的に接続され、かつ給電線92を機械的に保持する。
さらに、端子ブロック45には、アース線を接続するための接地端子116(図3B参照)が保持されている。接地端子116は、端子部材2と同様の差込式の速結端子であって、端子ブロック45の後面に形成された接地端子孔122に対応する位置に配置されている。接地端子116は、筐体4内において、第1接地部材114及び第2接地部材115に電気的に接続されている。
温度検出部5は、例えば、導体Z1における接続部材3の温度を、検出温度T1として検出する。温度検出部5は、筐体4内に収容されている。温度検出部5は、温度センサ(センサ素子)50を有している(図4A参照)。温度センサ50は、接続部材3に熱的に結合されている。温度センサ50は、例えば、サーミスタ、熱電対、又はサーモパイル等で実現される。
温度センサ50は、図4Aに示すように、2個の接続部材3を互いに連結しているリード板30の裏側において、リード板30と熱的に結合された状態で配置されている。温度センサ50とリード板30との間の熱的な結合は、例えば、リード板30に対して温度センサ50をクリップ等で直接的に固定することで実現される。ここで、温度センサ50は、互いに異極性となる一対のリード板30に対応するように一対設けられている。つまり、温度検出部5は、一対の温度センサ50を有している。各温度センサ50は、対応するリード板30を介して、接続部材3の温度(検出温度T1)を検出する。
温度検出部5は、温度センサ50で検出された検出温度T1に応じた検出信号を制御部7に出力する。検出信号は、特定の符号によって温度に応じた情報を伝える信号(電気信号)であればよく、例えば、温度に応じて、抵抗値、電圧値又は電流値等の電気量が変化する信号である。温度検出部5は、温度センサ50の出力を処理して検出信号を出力する処理回路を、更に有してもよい。
なお、ここでは上述の通り、温度検出部5の各温度センサ50は、対応するリード板30と熱的に結合された状態で配置されて、温度検出部5は、リード板30(検出点)を介して、接続部材3の温度を、検出温度T1として検出する。しかし、検出温度T1の検出点は、リード板30に限定されない。例えば、温度検出部5は、接続部材3及びリード板30における保持部材(内ブロック44及び外カバー42)との接触部位に近い検出点の温度を、接続部材3の温度として検出してもよい。また検出点と温度センサ50との間に、隙間(空間)が介在してもよい。
また、温度検出部5は、温度センサ50の代わりに、又は温度センサ50に加えて、導体Z1における端子部材2と熱的に結合された状態で配置される温度センサ51(図4B参照)を有してもよい。温度センサ51は、図4Bに示すように、センサ基板511に実装されている。端子板21と温度センサ51との間に、伝熱性及び電気絶縁性を有する伝熱シート512を介在させることで実現される。
要するに、検出温度T1の検出点の数は、複数でもよいし、またその位置も、導体Z1に対応する温度であれば、限定されない。
(2.2)通知部
通知部6は、制御部7の判定部73による、コンセント本体B1の状態の判定結果を示す状態情報を通知する。通知部6は、制御部7から、状態情報を含む制御信号を受信すると、文字情報IM1及びコード情報IM2を、表示する(図2B参照)。ここでは、通知部6は、例えば、表示により状態情報を通知する電子ペーパー61を有している。通知部6は、更に、制御部7からの制御信号に基づいて、表示画像を生成して電子ペーパー61に出力するための処理回路を構成する回路部品が実装された制御基板等を有している。また通知部6は、電子ペーパー61等を駆動するための動作電源として電池を更に有してもよい。電子ペーパー61の左側面には、フレキシブルプリント配線板の一端が接続されており、当該フレキシブルプリント配線板の他端は制御基板に接続されている。なお、この処理回路の機能は、制御部7の側に設けられてもよい。電子ペーパー61は、制御基板と一体となった電子ペーパーモジュールでもよい。
電子ペーパー61は、図2A及び図2Bに示すように、左右方向に長尺で、矩形の薄板状に形成されている。電子ペーパー61は、筐体4の正面において、上側の接続口11よりも上部の領域に配置されている。電子ペーパー61は、筐体4の正面に形成された凹所内に嵌め込まれている。凹所の左側の内側面には、制御部7がある内部空間に繋がる窓孔が形成され、フレキシブルプリント配線板は、当該窓孔を通じて内部に引き込まれている。電子ペーパー61の制御基板は、外カバー42の背面側に固定されている。
電子ペーパー61は、その表示面における左側の領域に文字情報IM1(図示例では「エラー01」)を、表示面における右側の領域にコード情報IM2を、それぞれ表示するように構成されている。電子ペーパー61の表示方式は、例えば、電子粉流体方式、又は電気泳動方式等でもよく、特に限定されない。
通知部6は、電子ペーパー61の代わりに、文字情報IM1及びコード情報IM2を表示する液晶ディスプレイを有してもよい。ただし、電子ペーパー61の方が、以下の点で望ましい。電子ペーパー61は、バックライト構造を有しておらず、比較的設計スペースが限られているコンセント1の筐体4に対して、容易に付設可能である。また電子ペーパー61は、液晶ディスプレイ等に比べて表示中に消費される電力も極小に抑えられる(概ね、表示の書き換え時に電力が消費されるのみ)。
なお、電子ペーパー61は、図示例では上側の接続口11よりも上部の領域に配置されているが、電子ペーパー61の位置は、特に限定されない。接続口11に接続されるものが、例えば、ACアダプタ等のように上下方向の寸法が比較的に大きい場合、電子ペーパー61に表示される文字情報IM1及びコード情報IM2が、ACアダプタによって隠れてしまう可能性がある。同様に、電子ペーパー61が、例えば下側の接続口11よりも下部の領域に配置されると、文字情報IM1及びコード情報IM2が、ACアダプタによって隠れてしまう可能性がある。この点を考慮すると、電子ペーパー61は、接続口11に対して左右の両横のいずれかに配置されてもよい。
(2.3)動作
以下、コンセント1の動作の一例について、図5のフローチャートを参照して説明する。図5のフローチャートは一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
図5において、まず、制御部7が、温度検出部5から検出信号を受信することにより、検出温度T1を取得する(S1)。制御部7は、取得した検出温度T1のデータを、自身のメモリ内に履歴として記憶してもよい。
そして、制御部7は、取得した検出温度T1と温度閾値との比較判定を行う(S2)。制御部7は、検出温度T1が温度閾値未満であると判定すると(S2:Yes)、「正常」と判定して、表示部82での「正常」表示(S3)を実行し、処理S1に戻る。なお、このときブザー83が異常警告音を出力中であれば、制御部7は、その出力を停止する。また通知部6の電子ペーパー61がコンセント本体B1の異常に関する文字情報IM1及びコード情報IM2を出力中であれば、制御部7は、その出力を停止する。
制御部7は、検出温度T1が温度閾値以上であると判定すると(S2:No)、コンセント本体B1が「異常」状態にあると判定する(S4)。なお、制御部7は、例えば、1回のみの判定ではなく、検出温度T1が規定の期間において所定の回数だけ温度閾値以上と判定されたときに「異常」と判定してもよい。
そして、制御部7は、開閉部8に駆動信号を出力し、開閉部8を導通状態から遮断状態に切り替える(S5)。その後、制御部7は、ブザー83からの異常警告音の出力(S6)、及び表示部82での「異常」表示を行う(S7)。更に、制御部7は、図2Bに示すように、通知部6の電子ペーパー61から、「異常」に関する文字情報IM1及びコード情報IM2の表示を行う(S8)。ここでは、一例として温度の異常上昇を示す「エラー01」が文字情報IM1として、QRコード(登録商標)がコード情報IM2として表示される。
このとき、ユーザは、スマートフォン等でコード情報IM2を読み込むと、コード情報IM2が指定しているURLのウェブサイトにアクセスすることができる。ユーザは、ウェブサイト上で、この「エラー01」が示す異常の内容や対処方法等を知ることができる。
異常警告音の出力状態で、スイッチ84が押操作される、つまりブザー83の停止ボタンが押されると(S9:Yes)、制御部7は、ブザー83の停止処理(S10)を実行し、処理S11に移行する。スイッチ84が押操作されない、つまりブザー83の停止ボタンが押されなければ(S9:No)、制御部7は、ブザー83の停止処理(S10)をスキップして、処理S11に移行する。
そして、操作部材81の復旧操作が行われると(S11:Yes)、開閉部8が遮断状態から導通状態へ切り替わり(S12)、処理S1に戻る。そして、コンセント1は再使用可能な状態となる。処理S11においても、復旧操作が行われなければ(S11:No)、制御部7は、処理S9に移行する。
なお、電子ペーパー61の文字情報IM1及びコード情報IM2の表示は、スイッチ84が押操作されたタイミング、又は復旧操作が行われたタイミングで停止されてもよいし、これらのタイミング後、一定期間が経過してから停止されてもよい。
このように本実施形態のコンセント1では、ユーザは、通知部6を通じて、コンセント本体B1の状態に関する状態情報を知ることができる。したがって、利便性の向上を図ることができる。
また電子ペーパー61による状態情報の通知のため、例えば表示灯(表示部82)等の点灯による報知に比べて、多くの情報量をユーザに提供でき、ユーザは、コンセント本体B1の状態をより詳しく知ることができる。特に電子ペーパー61は、文字情報IM1やコード情報IM2の視認性にも優れており、また消費電力も液晶ディスプレイ等に比べて僅かであり、設計スペースにある程度の制限があるコンセント1に対しても容易に組み込むことができる。
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態に係る制御部7と同様の機能は、コンセント1の制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。なお、以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
本開示におけるコンセント1は、例えば、制御部7等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御部7としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、コンセント1における複数の機能が、1つの筐体4に集約されていることはコンセント1に必須の構成ではなく、コンセント1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、制御部7等、コンセント1の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。反対に、上記実施形態のように、コンセント1の全ての機能が、1つの筐体4に集約されていてもよい。
(3.1)変形例1
以下、本変形例(変形例1)について、図6A及び図6Bを参照しながら説明する。
基本例では、通知部6は、電子ペーパー61を有している。本変形例の通知部6は、図6A及び図6Bに示すように、電子ペーパー61の代わりに、温度の変化に応じて変色することで状態情報を通知する感熱部62を有している点で、基本例と異なる。
感熱部62は、例えば、熱(温度変化)により化学反応を起こして変色を呈する物質(ロイコ色素、及びそれと反応する顕色剤等)が、印刷体620の表面に印刷(又は塗布でもよい)されることで構成される。印刷体620は、筐体4とは別体のシート状の部材でもよいし、筐体4の前壁の一部に相当してもよい。印刷体620は、別体のシート状の部材である場合、筐体4の正面に形成された収容凹部に嵌め込まれてもよい。印刷体620の表面には、上記の物質(以下、変色物質と呼ぶ)により、予め異常に関する文字情報IM1及びコード情報IM2が印刷(又は塗布)されている。
感熱部62は、導体Z1と熱的に結合された状態で、筐体4の収容凹部内に保持されている。また当該収容凹部の底には、筐体4の内部に連通する窓孔が形成されており、熱伝導性の高い部材(例えば銅製の部材)を当該窓孔に挿通して、感熱部62と導体Z1とが熱的に結合されている。ただし、感熱部62と導体Z1とは、絶縁シート等を間に介して、電気的に絶縁される。
ここでは、変色物質により印刷されている情報は、「異常発生」という文字情報IM1と、コード情報IM2の一部とだけである。コード情報IM2は、例えば、QRコード(登録商標)である。コード情報IM2の一部とは、例えば、QRコード(登録商標)の3コーナーに配置される位置検出用のファインダパターン621と、データパターン内における一部分622(図6Bでは2箇所)とである。変色物質により印刷されている文字情報IM1及びコード情報IM2の一部は、例えば常温では無色を呈し(図6A参照)、常温を超える異常な温度に変化することで、無色から有色(例えば黒色)を呈する(図6B参照)。一方、コード情報IM2の残りの部分は、例えば、常温でも有色(例えば黒色)を呈する物質で印刷されていて、常温を超える異常な温度に変化しても、有色(例えば黒色)を呈する。要するに、コンセント本体B1において異常な温度上昇が発生したときのみ、感熱部62の表示面に、「異常発生」という文字情報IM1が浮かび上がり、コード情報IM2が読み取り可能な状態として完全に表示される。ただし、変色物質により印刷されている情報量は、特に限定されず、コード情報IM2の全てが、変色物質により印刷されてもよい。
このような感熱部62を有した通知部6は、基本例と異なり、制御部7とは電気的に非接続にある。すなわち、通知部6は、制御部7からの制御信号を必要とせず、異常な温度上昇の発生源である導体Z1の温度を直接又は間接的に受けることによる感熱部62の変色によって予め印刷された文字情報IM1及びコード情報IM2を表示させて状態情報を通知する。
本変形例によれば、ユーザは、コンセント本体B1の状態をより詳しく知ることができる。また、簡素な構成で実現できるため、製造コストの増加を抑制できる。特に、基本例とは異なり、制御部7における判定部73の機能、電子ペーパー61の画像表示に関する処理回路、及び電子ペーパー61の動作電源(電池等)が不要である。
ただし、本変形例でも、制御部7における判定部73の判定処理を用いて、感熱部62の変色を擬似的に行わせてもよい。具体的には、熱源となり得るヒータを別に設けて、当該ヒータを感熱部62と熱的に結合させてもよい。判定部73が、コンセント本体B1に異常な温度上昇があると判定すると、制御部7は、当該ヒータから(通電等で)擬似的に放熱させて、感熱部62を変色させてもよい。特に、コンセント1が、過熱検知機能付きのコンセントではなく感震機能付きのコンセントの場合、制御部7は、揺れを検知したときに、ヒータから擬似的に放熱させて感熱部62を変色させてもよい。
また、ヒータからの放熱により感熱部62を変色させる場合、変色物質は、例えば、常温より高い温度で無色となり、常温で有色となるものでもよい。つまり、制御部7は、正常時にヒータから放熱させて感熱部62を無色状態に保ち、異常時にヒータからの放熱を停止させることで有色状態に切り替えて、状態情報を通知させてもよい。
ところで、本変形例では、文字情報IM1及びコード情報IM2は予め印刷された情報である。つまり、1つの感熱部62に対して1種類の(固定的な)異常に関する情報しか外部に通知できない。一方で、通知部6が、感熱部62を複数有していれば、複数の種類の異常に関する情報も通知可能である。例えば、ある第1温度範囲の状態を第1異常とし、第1温度範囲よりも高い第2温度範囲の状態を第2異常と分類されていると、通知部6は、第1温度範囲で変色し得る第1感熱部62と、第2温度範囲で変色し得る第2感熱部62とを、有してもよい。この場合、外カバー42の背面側では、導体Z1に接続されている熱伝導性の高い部材(例えば銅製の部材)の先が二股に分かれていて、これらの感熱部62にそれぞれ熱的に結合される。したがって、通知部6は、第1異常が発生すると、第1感熱部62から状態情報を通知し、第2異常が発生すると、第2感熱部62から状態情報を通知することになる。
(3.2)変形例2
以下、本変形例(変形例2)について、図7A及び図7Bを参照しながら説明する。
基本例及び変形例1では、通知部6が状態情報をコンセント本体B1の外部に通知する。本変形例では、通知部6がコンセント本体B1の存在をコンセント本体B1の外部に通知する。
本変形例の通知部6は、図7Aに示すように、発光素子63を有して発光によりコンセント本体B1の存在を通知する発光部630を備える。発光素子63は、例えば、砲弾型のレンズ部631を有するLED(Light Emitting Diode)である。また発光部630は、発光素子63のリード部(アノード及びカソード)が実装される実装基板を有している。実装基板は、筐体4内に収容されており、実装基板には、発光素子63を点灯させる点灯回路等を構成する回路部品が実装されている。点灯回路は、制御部7と電気的に接続されている。発光素子63は、レンズ部631が筐体4から外部に露出するように配置される。言い換えると、筐体4は、レンズ部631を露出するための貫通孔を有している。
なお、発光素子63の種類は、特に限定されず、表面実装型のチップLEDでもよいし、半導体レーザー(レーザーダイオード)でもよい。発光色について、例えば赤色が好ましいが、特に限定されない。
制御部7は、判定部73がコンセント本体B1に異常な温度上昇があると判定すると、通知部6の点灯回路に、発光素子63を点灯するように制御信号を出力する。点灯回路は、制御信号を受信することで、発光素子63を連続点灯(点滅点灯でもよい)させる。
ところで、本変形例の発光部630は、その光軸方向L1が、コンセント本体B1における筐体4の正面400以外の面と交差するように光を出射する。正面400以外の面とは、例えば筐体4の上面401、下面、左面、右面等である。ここでは、図7Aに示すように、筐体4の上面401における右端寄りの位置に、レンズ部631を露出させる貫通孔が配置されている。したがって、発光素子63は、光軸方向L1が上面401(及び下面)と交差するように配置され、光軸方向L1は、上下方向に沿っている。発光素子63から放射される光は、上へ、つまり図7Bに示すように、コンセント1が屋内の壁に設置されていればに向か天井103って放出される。
本変形例によれば、コンセント本体B1に異常がある場合に、ユーザは、発光素子63から放射される光を通じてコンセント1の位置を知ることができる。したがって、利便性の向上を図ることができる。なお、発光部630は、例えばユーザが指先でレンズ部631の向きを調整する等して、光軸方向L1を変更できるように構成されてもよい。また発光部630は、レンズ部631の周囲に配置される反射部(不図示)を更に備え、当該反射部で反射された光の光軸が、正面400以外の面と交差してもよい。
特に発光部630は、その光軸方向L1が正面400以外の面と交差するように光を出射することで、ユーザが発光素子63の光に気づく可能性がより高くなる。例えば、コンセント1は、冷蔵庫の裏又はタンスの裏等に隠れた位置にある場合がある。その場合、例えば、コンセント1から異常警告音が発報されているとき、ユーザは、音だけでは、コンセント1の位置を瞬時に把握できない場合がある。これに対して本変形例では、屋内であれば天井103が照らされることになり、ユーザは、照らされた天井103の様子から、その真下にコンセント1が存在することを知ることができる。
なお、レンズ部631を露出させる貫通孔は、筐体4の下面に配置されてもよく、この場合、発光素子63から放射される光は、下へ放出されて床が照らされることになる。ユーザは、照らされた床の様子から異常が起きているコンセント1の位置を知ることができる。またレンズ部631を露出させる貫通孔は、筐体4の左面(又は右面)に配置されてもよく、この場合、発光素子63から放射される光は、左方(又は右方)へ放出されて壁が照らされることになる。ユーザは、照らされた壁の様子から異常が起きているコンセント1の位置を知ることができる。
通知部6は、発光色が互いに異なる複数の発光素子63を備えてもよい。この場合、制御部7は、判定された異常の種類に応じて、対応する発光色を有した発光素子63を光らせてもよい。ユーザは、発光素子63の光によって位置だけでなく状態情報も得ることができる。
本変形例は、基本例及び変形例1のいずれかと併合して適用されてもよい。すなわち、ユーザは、コンセント1からの光を頼りに位置を特定し、更にコンセント1の電子ペーパー61又は感熱部62を通じて、実際の状態情報を確認できてもよい。この場合、更に利便性が向上される。
(3.3)変形例3
以下、本変形例(変形例3)について、図8A及び図8Bを参照しながら説明する。
変形例2では、通知部6の発光素子63からの光により、直接的に、通知部6が、異常のあるコンセント本体B1の存在(位置)をコンセント本体B1の外部に通知する。本変形例では、電磁波を媒体とした信号により、通知部6が、異常のあるコンセント本体B1の存在をコンセント本体B1の外部に通知する。
本変形例の通知部6は、電磁波を媒体とした信号により状態情報及び存在(位置)のうち少なくとも一方を通知する発信部64(図8B参照)を有している。ここでは、発信部64が、コンセント本体B1の位置を示す存在のみを通知する例を説明する。また「電磁波を媒体とした信号」は、一例として、無線信号である。
ここでコンセントシステム10について説明する。コンセントシステム10は、図8Aに示すように、コンセント1を1又は複数(ここでは複数)と、異常のあるコンセント本体B1の位置を示す存在の通知を受ける通信端末TM1と、を備える。なお、コンセント本体B1が正常であっても、コンセント本体B1の位置が定期的に通知されてもよい。
通信端末TM1は、例えば、ユーザが携帯するスマートフォン等の情報端末であることを想定するが、特に限定されない。通信端末TM1には、発信部64からの無線信号を受信可能(通信可能)とする専用のアプリケーションソフト(以下、「コンセント探索アプリ」と呼ぶ)がインストールされる。通信端末TM1は、コンセント本体B1の位置をユーザに知らせるマップ画像を表示するための表示部120を有している。
本変形例の各コンセント1の発信部64は、例えば、アンテナ640と、通信回路641とを備えている(図8B参照)。発信部64は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)の規格に準拠した近距離無線通信を行うように構成されている。「BLE」とは、無線PAN(Personal Area Network)技術であるBluetooth(登録商標)の仕様における、低消費電力仕様の呼称である。発信部64は、制御部7と電気的に接続されている。発信部64は、制御部7からの指令に従って、ビーコン信号を送出するように構成される。すなわち、発信部64は、制御部7にてコンセント本体B1が異常状態にあると判定されると、ビーコン信号を送出する。ビーコン信号は、コンセント1自身の識別情報及びコンセント本体B1の状態情報に関するデータを含まなくてもよい。無線通信方式は、BLEに限定されず、Wi−Fi(登録商標)等の無線通信方式であってもよい。
本変形例では、コンセント本体B1の位置は、発信部64が発信する無線信号(ビーコン信号)の電波強度により特定可能である。すなわち、通信端末TM1は、コンセント探索アプリの起動中において、受信する無線信号の電波強度の強弱を、例えば、表示色の濃淡により、表示部120上に画像表示する(図8A参照)。ここでは、複数のコンセント1のうちある1台のコンセント1Aにて、異常な温度上昇が検知されて、コンセント1Aの発信部64が、無線信号を送出中にあるとする。
表示部120では、色の濃い領域(電波強度の強い領域)が、コンセント1Aを中心に放射状に広がっている。コンセント1Aから離れるほど、表示部120上の表示色は、薄くなる(例えば、表示色は、赤色、黄色、黄緑色等の順に淡くなる)。なお、マップ画像上の濃淡表示は、通信端末TM1を携帯するユーザが、コンセント1Aを探索する過程の中で、ある程度施設内の領域を歩き回ることで少しずつ作成されていくものである。言い換えると、図8Aでは表示部120全体の領域にわたって濃淡表示されているが、実際には、ユーザが通った周辺領域について、徐々に濃淡表示されていく。
要するに、ユーザは、通信端末TM1の表示部120を通じて、電波強度が最も強い位置(表示色が最も濃い位置)が、異常状態にあるコンセント1Aであると認識でき、コンセント本体B1の存在(位置)を特定できる。
本変形例によれば、ユーザは、例えばコンセント1から比較的離れた位置に居るときでもコンセント本体B1の存在を知ることができる。したがって、利便性の向上を更に図ることができる。
また無線信号が具体的な情報(識別情報や状態情報)を含まなくても、電波強度だけでユーザは、コンセント本体B1の位置を知ることができる。言い換えると、無線信号に関する種々の登録及び設定が不要である。
なお、表示部120は、図8Aに示すように、コンセントシステム10が適用されている施設内(例えば戸建住宅内)の1フロア分の見取り図を概略的に画像表示することで、利便性が更に向上される。表示部120は、見取り図の上に、電波強度の強弱に応じた濃淡領域を重畳させるように画像表示している。表示部120上における6つの丸いマーク123は、それぞれコンセント1を示す。各コンセント1の位置情報は、コンセント探索アプリを通じて、予め登録可能であってもよい。また、扇状のマーク124は、無線信号を受信する通信端末TM1の位置、言い換えると、通信端末TM1を携帯するユーザの現在位置を示す。ユーザの現在位置は、例えば、GPS(Global Positioning System)から取得されてもよい。
以下に、本変形例(変形例3)に関する幾つかの更なる変形例を列記する。
変形例3では、「電磁波を媒体とした信号」は、一例として、無線信号であるが、赤外線の信号でもよい。
変形例3では、発信部64は、コンセント本体B1の存在(位置)のみを通知する構成であるが、状態情報も追加的に通知してもよい。例えば、ユーザが、表示部120上で電波強度が最も強い領域内にあるマーク123を指先でタッチ操作すると、状態情報が表示されるか、又は状態情報の具体的な内容及び対処方法等を載せたウェブサイトに自動的にアクセスしてもよい。
変形例3では、電波強度の強弱により、コンセント本体B1の存在(位置)を特定するものである。しかし、電波強度の強弱ではなくてもよい。発信部64は、例えば、コンセント1自身の識別情報を含めた無線信号を送信してもよい。通信端末TM1は、予め登録されている複数のコンセント1の識別情報をサーチし、受信した識別情報に該当するコンセント1が存在すれば、そのコンセント1のマーク123を表示させてもよい。
変形例3では、通信端末TM1は、表示部120にてマップ画像を表示することでコンセント本体B1の位置をユーザに知らせている。しかし、コンセント本体B1の位置をユーザに知らせる手段としては、マップ画像ではなく、例えば音でもよい。通信端末TM1は、例えば、電波強度の強い位置に近づくほど、通信端末TM1に内蔵されているスピーカからの出力音(「ピッ、ピッ・・」等)の音量を増加させることで、コンセント本体B1の位置をユーザに知らせてもよい。
ところで、変形例3では、ユーザが、能動的に、コンセント探索アプリを起動した状態であることが前提となっている。しかし、コンセント1は、コンセント探索アプリが起動中でなくても、通信端末TM1に対して、ユーザの能動的な操作を必要とすることなく情報を通知させるプッシュ型情報配信、いわゆる「プッシュ通知」により状態情報や存在を通知してもよい。またコンセント1は、HEMS(Home Energy Management System)コントローラ又はBEMS(Building Energy Management System)コントローラ等に状態情報や存在を通知してもよい。この場合、送信される無線信号は、コンセント1を特定するための識別情報を含んでいることが望ましい。通信端末TM1は、HEMSコントローラ等を経由して、状態情報や存在の通知を受けてもよい。
変形例3は、基本例及び変形例1のいずれかと併合して適用されてもよい。すなわち、ユーザは、コンセント1からの「電磁波を媒体とした信号」を頼りに位置を特定し、更にコンセント1の電子ペーパー61又は感熱部62を通じて、実際の状態情報を確認できてもよい。この場合、更に利便性が向上される。また、変形例3は、変形例2とも併合して適用されてもよい。すなわち、ユーザは、コンセント1からの「電磁波を媒体とした信号」と「光」の両方を頼りに位置を特定できてもよい。
(3.4)変形例4
以下、本変形例(変形例4)について、図9を参照しながら説明する。
変形例3では、通知部6は、無線により、異常のあるコンセント本体B1の存在を外部に通知する。本変形例では、通知部6は、有線により、異常のあるコンセント本体B1の存在を外部に通知する。
ここで先ず、本変形例のコンセントシステム10について説明する。コンセントシステム10は、図9に示すように、コンセント1を1又は複数(ここでは複数)と、監視装置M1と、を備える。本変形例では、監視装置M1が、通信端末TM1に相当する。複数のコンセント1と監視装置M1とは、分電盤130から分岐される電力線PL1を介して、電気的に接続されていて、分電盤130から電力供給を受ける。
ここで各コンセント1の通知部6は、電力線通信(PLC:Power Line Telecommunication)を実現するためのPLC機能を有している。すなわち、通知部6は、電力線PL1を通信回路として、電力線通信によりコンセント本体B1の状態情報及び存在(位置)のうち少なくとも一方を含む電気信号を、監視装置M1に送信する。送信される電気信号は、コンセント1を特定するための識別情報等も含んでいる。なお、通知部6は、正常状態であってもコンセント本体B1の状態情報や位置を、監視装置M1へ、定期的に通知してもよい。
監視装置M1は、例えばHEMSコントローラ(又はBEMSコントローラ)等を想定するが、特に限定されない。監視装置M1は、例えば液晶ディスプレイ等の表示部を有している。監視装置M1は、各コンセント1の通知部6と電力線通信を行うためのPLC機能を有している。監視装置M1は、それ自体がPLC機能を有していなくてもよく、コンセント1の接続口11に接続されたPLCアダプタに接続されてもよい。
監視装置M1は、電力線PL1を介して、コンセント1から上記電気信号を受信すると、表示部を介して異常状態にあるコンセント1を、ユーザに通知する。例えば、表示部上に表示される情報は、ユーザがコンセント1の位置を容易に特定できる情報を含んでいることが望ましい。
例えば、監視装置M1は、変形例3のようにマップ画像を表示させて、コンセント1の存在(位置)を示してもよい。この場合、監視装置M1は、マップ画像上の(リビング等を示す)領域と、該当する領域に設置されているコンセント1の識別情報と、を対応付けしたデータを予め記憶している。
あるいは、例えば、監視装置M1は、「リビングのコンセントで異常発生」等の文字情報を表示させてもよい。この場合、監視装置M1は、部屋の名称と、当該部屋に設置されているコンセント1の識別情報と、を対応付けしたデータを予め記憶している。
監視装置M1は、状態(異常)の具体的な内容や対処方法等を表示してもよい。また監視装置M1は、ユーザが携帯するスマートフォン等の情報端末に、「リビングのコンセントで異常発生」等の文字情報を転送してもよい。
本変形例によれば、ユーザは、例えばコンセント1から比較的離れた位置に居るときでも、コンセント本体B1の状態に関する状態情報及びコンセント本体B1の存在のうち少なくとも一方を知ることができる。したがって、利便性の向上を更に図ることができる。またコンセント1に無線による通信機能が無くても、ユーザは、コンセント本体B1の状態情報や位置を知ることができる。
変形例4は、基本例及び変形例1のいずれかと併合して適用されてもよい。すなわち、ユーザは、有線通信によりコンセント1の位置を特定し、更にコンセント1の電子ペーパー61又は感熱部62を通じて、実際の状態情報を確認できてもよい。この場合、更に利便性が向上される。また、変形例4は、変形例2及び変形例3とも併合して適用されてもよい。
(3.5)その他の変形例
基本例及び変形例1〜4では、コンセント1から通知するべき特定の事象が、異常な温度上昇(過熱)である。しかし、上の「(1)概要」の欄で説明した通り、コンセント1が感震機能付きのコンセントであれば、特定の事象は、揺れでもよい。また、コンセント1が電流を検知する機能を有していれば、特定の事象は、過電流でもよい。
また特定の事象は、正常、異常の「異常」でなくてもよい。例えば、特定の事象は、コンセント1の寿命でもよい。制御部7が、コンセント1の稼働累積時間を計測していて、規定の時間に達すると、通知部6は、コンセント1の寿命を、外部に通知してもよい。
また例えば、通知部6が変形例2のように発光部630を有している場合、コンセント1の施工時等に、HEMSコントローラ等への回路設定を行う際に、該当するコンセント1の発光部630が光るように構成されてもよい。具体的には、コンセント1の識別情報をHEMSコントローラ等へ登録するとき、HEMSコントローラから該当するコンセント1へ発光要求が送信されてもよい。発光要求を受信したコンセント1の制御部7は、発光部630を光らせて、コンセント1の存在を外部へ通知してもよい。この場合、ユーザ(例えば現場の施工者)は、発光部630の光を見ながら、HEMSコントローラ等への回路設定を行うことができる。したがって、回路設定の誤設定を抑制できる。この場合、特定の事象は、HEMSコントローラ等からの要求の受信である。
基本例では、コンセント1は、施設(建物)の壁面、天井面及び床面等の造営面100に設置されるコンセントである。しかし、コンセント1は、テーブルタップであってもよい。
また、コンセント1は、接地極付きに限らず、接地極無しであってもよいし、例えば、交流200V用又は直流用のコンセント(Outlet)であってもよい。さらに、コンセント1は、Aタイプのコンセントに限らず、例えば、Bタイプ又はCタイプのように、ピン形状の栓刃を有するプラグを接続可能なコンセントであってもよい。コンセント1は、2個口タイプに限らず、例えば、1個口タイプ又は3個口タイプであってもよい。さらに、コンセント1は、例えば、人感センサ、タイマ又はスイッチ等を更に備えていてもよい。また、端子部材2は、速結端子でなくてもよく、例えば、ねじ式端子であってもよい。また、コンセント1は、取付枠を用いて後部が造営面100内に埋め込まれた状態で設置される構成(埋込設置型)に限らず、全体が露出した状態で造営面100に設置される構成(露出設置型)であってもよい。
また、コンセント1は、プラグ91の抜け止めとなるロック機構を有していてもよい。ロック機構は、例えば、プラグ91を回転させることによってプラグ91の栓刃911の抜け止めを行う。コンセント1は、扉付きであってもよい。
また、上記実施形態では、電磁釈放装置が作動して開閉部8が導通状態から遮断状態に切り替わると、開閉部8に連動して操作部材81もオフ位置に移動するが、この構成に限らない。例えば、開閉部8が導通状態から遮断状態に切り替わる際、操作部材81については、オン位置のままであってもよい。この場合、復旧操作は、操作部材81をオン位置からオフ位置に一旦移動させた後、操作部材81をオフ位置からオン位置に移動させることで実現される。
また、開閉部8は、例えば、メカニカルリレー又は半導体スイッチ等で実現されてもよい。
本開示にて、検出温度T1と、温度閾値との2値の比較において、「未満」としているところは、2値が等しい場合、及び2値の一方が他方より小さい場合の両方を含む「以下」と同義であってもよい。つまり、2値が等しい場合を含むか否かは、閾値等の設定次第で任意に変更できるので、「未満」か「以下」かに技術上の差異はない。同様に、「大きい」においても「以上」と同義であってもよい。
(4)利点
以上説明したように、第1の態様に係るコンセント(1)は、コンセント本体(B1)と、通知部(6)と、を備える。通知部(6)は、コンセント本体(B1)の状態に応じて、当該状態に関する状態情報及びコンセント本体(B1)の存在のうち少なくとも一方を、コンセント本体(B1)の外部に通知する。第1の態様によれば、ユーザは、コンセント本体(B1)の状態に関する状態情報及びコンセント本体(B1)の存在のうち少なくとも一方を知ることができる。したがって、利便性の向上を図ることができる。
第2の態様に係るコンセント(1)は、第1の態様において、判定部(73)を、更に備えることが好ましい。判定部(73)は、特定の事象を検出する検出部(D1)から取得する事象情報に基づいて、コンセント本体(B1)の状態を判定することが好ましい。通知部(6)は、判定部(73)による上記状態の判定結果を示す状態情報を通知することが好ましい。第2の態様によれば、ユーザは、特定の事象の発生に関して、より精度の高い情報を得ることができる。
第3の態様に係るコンセント(1)に関して、第1の態様又は第2の態様において、通知部(6)は、表示により状態情報を通知する電子ペーパー(61)を有することが好ましい。状態情報は、文字情報(IM1)及びコード情報(IM2)のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。第3の態様によれば、ユーザは、コンセント本体(B1)の状態をより詳しく知ることができる。
第4の態様に係るコンセント(1)に関して、第1の態様〜第3の態様のいずれか1つにおいて、通知部(6)は、温度の変化に応じて変色することで状態情報を通知する感熱部(62)を有することが好ましい。第4の態様によれば、ユーザは、コンセント本体(B1)の状態をより詳しく知ることができる。また、簡素な構成で実現できるため、製造コストの増加を抑制できる。
第5の態様に係るコンセント(1)に関して、第1の態様〜第4の態様のいずれか1つにおいて、通知部(6)は、発光により上記存在を通知する発光部(630)を有することが好ましい。発光部(630)は、その光軸方向(L1)が、コンセント本体(B1)における筐体(4)の正面(400)以外の面と交差するように光を出射することが好ましい。第5の態様によれば、ユーザは、発光部(630)から出射される光を通じてコンセント(1)の位置を知ることができる。特に発光部(630)は、その光軸方向(L1)が正面(400)以外の面と交差するように光を出射することで、ユーザが発光部(630)の光に気づく可能性がより高くなる。
第6の態様に係るコンセント(1)に関して、第1の態様〜第5の態様のいずれか1つにおいて、通知部(6)は、電磁波を媒体とした信号により上記状態情報及び上記存在のうち少なくとも一方を通知する発信部(64)を有することが好ましい。第6の態様によれば、ユーザは、例えばコンセント(1)から比較的離れた位置に居るときでも、コンセント本体(B1)の状態に関する状態情報及びコンセント本体(B1)の存在のうち少なくとも一方を知ることができる。したがって、利便性の向上を更に図ることができる。
第7の態様に係るコンセント(1)に関して、第6の態様において、発信部(64)は、コンセント本体(B1)の位置を示す上記存在を通知することが好ましい。上記信号は、無線信号であることが好ましい。位置は、発信部(64)が発信する無線信号の電波強度により特定可能であることが好ましい。第7の態様によれば、無線信号が具体的な情報を含まなくても、ユーザは、コンセント本体(B1)の位置を知ることができる。言い換えると、無線信号に関する種々の設定が不要である。
第8の態様に係るコンセント(1)に関して、第1の態様〜第7の態様のいずれか1つにおいて、通知部(6)は、電力線通信により状態情報及び存在のうち少なくとも一方を通知することが好ましい。第8の態様によれば、ユーザは、例えばコンセント(1)から比較的離れた位置に居るときでも、コンセント本体(B1)の状態に関する状態情報及びコンセント本体(B1)の存在のうち少なくとも一方を知ることができる。したがって、利便性の向上を更に図ることができる。
第9の態様に係るコンセントシステム(10)は、第6の態様〜第8の態様のいずれか1つにおけるコンセント(1)を1又は複数と、上記状態情報及び上記存在のうち少なくとも一方の通知を受ける通信端末(TM1)と、を備える。第9の態様によれば、利便性の向上を図ることができるコンセント(1)を備えたコンセントシステム(10)を提供できる。
第2〜8の態様に係る構成については、コンセント(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。