JP2019193539A - 電力系統制御システム、及び、電力系統制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】再生可能エネルギーに基く電源であっても、制御案によって期待した通りの電力系統の安定化効果が得られるようにした電力系統制御システム及び電力系統制御方法を提供する。【解決手段】電力系統1の電源の出力を制御することによって電力系統の安定性を維持する電力系統制御システムにおいて、電力系統は、電源として、再生可能エネルギーに基づいて発電し、再生可能エネルギーの状態によって出力が変動する変動電源23a、23b、23cを複数備える。電力系統制御システムは、メモリ103と、メモリに記録されたプログラムを実行するコントローラ102と、を備える。コントローラは、複数の変動電源夫々の出力の変動の確率分布を統合し、電力系統に想定される故障から電力系統の安定性を維持できるように、統合した確率分布に基づいて、複数の変動電源の夫々の出力を制御する制御案を作成する。【選択図】図1
Description
本発明は、電力系統を制御するためのシステムとその方法に係り、特に、再生可能エネルギーを利用して発電をする電源を備える電力系統を障害から保護するための制御を可能にするシステムに関する。
電力系統に生じる落雷や事故等の障害を原因として、同期機が加速して脱調し、その結果、電力系統が不安定化することがある。そこで、電力系統に故障や事故があっても電力系統の安定性を維持するための電力系統の安定化技術が存在する。
この安定化技術は、電力系統をモデル化し、このモデルを用いて電力系統を解析する。そして、安定化技術は、解析結果に基づいて、脱調を防ぐため、例えば、発電機の出力を制御する制御案を、電力系統に障害が発生する前に作成しておき、電力系統に障害が発生したことを検知すると自動で制御案を実施して、電力系統が不安定化することを防止している。例えば、特許文献1には、電力系統の計測値に基づいて電力系統モデルを更新し、制御案を周期的に更新する電力系統安定化装置が開示されている。この電力系統安定化装置は制御対象に風力発電や太陽光発電等の電源を含めていることが、特許文献1に示されている。
太陽光発電、風力発電等を対象とする電源は天候や気象の影響を常時受けているため、安定化装置が電力系統の計測値に基づいて再生可能エネルギーによる電源の出力の制御案を作成しても、それを実行するまでの間に電源の出力が変化してしまう。そこで、本発明は、再生可能エネルギーに基く電源であっても、制御案によって期待した通りの、電力系統の安定化効果が得られるようにした電力系統制御システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、電力系統の電源の出力を制御することによって、前記電力系統の安定性を維持する電力系統制御システムであって、前記電力系統は、前記電源として、再生可能エネルギーに基づいて発電し、再生可能エネルギーの状態によって出力が変動する変動電源を複数備え、前記電力系統制御システムは、メモリと、当該メモリに記録されたプログラムを実行するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記複数の変動電源夫々の出力の変動の確率分布を統合し、前記電力系統に想定される故障から当該電力系統の安定性を維持できるように、前記統合した確率分布に基づいて、前記複数の変動電源の夫々の出力を制御する制御案を作成することを特徴とする。
本発明によれば、再生可能エネルギーに基く電源であっても、制御案によって期待した通りの、電力系統の安定化効果が得られる電力系統制御システムを実現することができる。
次に、本発明の実施形態について説明する。図1は、電力系統制御システムを電力系統1に適用したハードウェアのブロック構成例を示す。電力系統制御システムは、演算装置100と電源制御装置200とを備え、演算装置100と電源制御装置200とは通信網900を介して互いに接続されている。通信網900には電力系統1が接続されている。
演算装置100は電力系統1の制御情報を作成し、電源制御装置200は制御情報に基いて電力系統の電源、特に、変動電源を制御する。変動電源とは、風力発電、太陽光発電等、再生可能エネルギーに基いて発電を行うもので、気象や天候等の環境の状態に依って出力が変動してしまう電源である。
演算装置100は、所定間隔で電力系統1のモデルデータを作成し、電力系統1に発生し得ることが想定される故障、以後、これを想定故障というが、複数の想定故障毎にモデルを用いた解析を行い、安定化対策を作成する。作成された安定化対策に基づいて、電源制御装置200が発電機、及び/又は、変動電源の解列、停止、又は、出力制限等の電力系統の安定化対策を実行する。“故障”は、事故、不調、そして、障害等を含む用語として理解されてよい。
電力系統1は、発電機4と、変圧器9と、一つ又は複数の計測装置10と、複数の変動電源23(23a、23b、23c)と、を備え、これらはブランチ(線路)2によって接続されている。ブランチ2には複数のノード(母線)3が接続されている。符号7はリレーである。複数の変動電源の夫々、そして、複数の変動電源夫々のリレーは、通信網900に接続されているため、電源制御装置200によって、複数の変動電源の夫々は、電力系統から解列され、又は、停止され、又は、出力制限がされ得るようになっている。発電機4も同様である。ノードは、火力発電機や水力発電機や原子力発電機などの大型電源に接続されている。ブランチには、出力を制御できる、他の電源、例えば、二次電池、燃料電池等が接続されてもよい。
計測装置10は、通信網900を介して演算装置100の通信モジュール106と電源制御装置200の通信モジュール206に計測データを送信する。計測データは、データを識別するための固有番号と、タイムスタンプとを含んでもよい。計測装置10は、ノード電圧、ブランチ電流、力率、有効電力、及び、無効電力の少なくとも一つを計測するVT、PT、又は、CTでよい。計測装置10は、電力系統1内に存在する他、母線、又は、送電線に存在してもよい。
演算装置100は、バス線101に、コントローラ(CPU)102、メモリ103、キーボードやマウス等の入力モジュール104、出力モジュール105、通信モジュール106、複数のデータベースが接続した構成を備える。複数のデータベースは、プログラムデータベース130、系統モデルデータベース131、想定故障データベース132とを含んでいる。プログラムデータベース130は、解析モデル作成プログラム、安定性解析プログラム、そして、制御量算出プログラムを備える。コントローラ102は、これらプログラムをメモリ103に読み込んで実行する。これらのプログラムの内容は後述する。
表示モジュール105は、例えば、ディスプレイ、プリンタ、又は、音声出力デバイスでよい。入力モジュール104は、例えば、キーボードスイッチ、マウス等のポインティング装置、タッチパネル、又は、音声指示装置よい。通信モジュール106は、通信網900に接続するための回路、及び、通信プロトコルを備える。
コントローラ102は、プログラムデータベース130から所定のプログラムを読み込んで実行する。コントローラ102は、一つまたは複数の半導体チップとして構成されもよいし、または、計算サーバのようなコンピュータ装置として構成されてもよい。メモリ103は、プログラムデータベース130から読み出されたコンピュータプログラム、コントローラ102の演算に必要なデータ及び演算結果、又は、画像データ等を記憶する。
系統モデルデータベース131は、電力系統の構成、線路インピーダンス、対地静電容量、有効電力、無効電力、電圧、電圧位相角、電流、力率、状態推定に必要なデータ(バットデータの閾値など)、発電機データ、潮流計算に必要なデータ、及び、過渡計算に必要なデータを格納する。演算装置100の管理者は、これら情報を入力モジュール104によって系統モデルデータベースに入力してよい。
想定故障データベース132は、一つ又は複数の想定故障のデータを含む。想定故障とは、電力系統に生じるイベント群であり、例えば、送電線の一線地絡故障や、保護リレーや系統安定化リレーの起動による送電線の通電遮断(開放)、発電所の解列、又は、負荷の脱落である。図2に示すように、複数の想定故障の夫々は、イベント発生の時刻、イベント発生の箇所、及び、様相からなるテーブル2000を備える。
電源制御装置200は、バス線201に、コントローラ(CPU)202、メモリ203、通信モジュール206、及び、複数のデータベースが接続した構成を備える。複数のデータベースは、プログラムデータベース230と、出力変動データベース231と、を備える。
プログラムデータベース230には、可制御量算出プログラム、制御量配分プログラムが格納される。コントローラ202は、これらプログラムをメモリ203に読み込んで実行する。これらプログラムの内容は後述する。
出力変動データベース231は、電源制御装置200が制御する変動電源の出力変動に関する情報を持つ。出力変動データベース231は、例えば、図3に示すように、複数の変動電源毎に電源の出力変動に対する確率分布の情報を有する。電源制御装置200のコントローラ202は、変動電源23a、変動電源23b、及び、変動電源23cを常時監視して、気象や天候によって変動する変動電源の出力の履歴を計測データとして収集して変動量を算出し、これに統計的処理を加えて出力変動データベース231に記録する。なお、発電機4は気象や天候によって出力が変化しないために、電源制御装置200は、発電機の出力変動を出力変動データベース231に記録しないでもよい。
次に、電力系統制御システムの動作(電力系統安定化処理)の例について説明する。図4は、そのフローチャートである。演算装置100は、解析モデル作成処理S1、安定性判定処理S2、及び、制御案作成処理S3を実行する。電源制御装置200は、可制御量算出処理S4、そして、制御量分配S5を実行する。
演算装置100のコントローラ102、そして、電源制御装置200のコントローラ202は、所定時間毎に図4のフローチャートを開始する。演算装置100の通信モジュール106は、通信網を介して、計測装置10から電力系統の計測データD1を受信する。コントローラ102は、解析モデル作成プログラムを実行して(解析モデル作成処理S1)、系統モデルデータベース131から既述の系統データを取り込み、計測データD1に基づいて、状態推定等によって解析モデルデータD2を作成する。
電力系統の安定性の判断のためには、特定時間において、全ての母線及び送電線について、電圧の大きさ、電圧の位相、有効電力、そして、無効電力等の電気諸量が必要である。計測データに含まれる、計測時刻の不一致、計測誤差、に対して、特定時間の電気諸量を推定する技術が状態推定であり、例えば「Lars Holten,Anders Gjelsvlk,Sverre Adam,F. F. Wu,and Wen−Hs Iung E. Liu,“Comparison of Different Methods for State Estimation”,IEEE Transaction on Power Systems,Vol.3,pp.1798−1806,1988」に記載されている。
コントローラ102は、解析モデル作成プログラムに基づいて、既述の状態推定によって得られた電気諸量と、系統モデルデータベース131に含まれる設備の電気的特性データと、系統モデルデータベース131に含まれる発電機や制御系の動特性データを合わせて、解析モデルデータD2を作成する。解析モデルデータとは、電力系統の安定性を解析するためのデータ群である。コントローラ102は、解析モデルデータをメモリ103に記録する。
次に、コントローラ102は、安定性解析プログラを実行して電力系統の安定性を判定する(安定性判定処理S2)。コントローラ102は、メモリ103から解析モデルデータを読み込み、想定故障データベース132から複数の想定故障データを読み込み、各想定故障後に電力系統の現在の状態を維持しながら運転できるか可否を解析して、想定故障時に電力系統が安定か不安定かを判定する。
コントローラ102は、例えば、過渡計算によって想定故障後の電力系統の挙動を計算することによって、電力系統の運転が維持できるか否かを判定する。過渡計算として、例えば、関根泰次「電力系統過渡解析論」pp.377−392が知られている。コントローラ102は、過渡計算によって得られた、故障後の電力系統の挙動が、例えば、電圧が下がり続ける、又は、発電機の加速によって発電機の操作角が予め定めた閾値を超えることを判定すると、電力系統が不安定化して電力系統の運転を維持できないと判断する。
コントローラ102は、想定故障データベース132から想定故障データを順番に読み出して電力系統の安定性の可否を判定する。コントローラ102は、読み出した想定故障データに基づいて、電力系統が不安定であると判断すると、制御量算出プログラムを実行して、電力系統を安定化するための制御量、例えば、発電機4、及び/又は、変動電源23a,23b,23cの出力の制限量を設定する制御案を作成する(制御案作成処理S3)。
コントローラ102は、制御案作成処理S3において、可制御量D3を参照する。可制御量とは、電源がその出力を制限できる範囲、幅、又は、上限である。制御案の制限量は可制御量の範囲で設定される。制御案は、特開2015−130777号公報に記載の方法によって決められてよい。発電機4の出力は、天候や気象の影響を受けないため、発電機4の可制御量は発電機の現在の出力でよい。即ち、コントローラ102は、発電機の現在の出力を上限として、発電機の出力を制限することができる。
一方、変動電源23a,23b,23cの出力は天候や気象の影響を受けて変動するため、変動電源の可制御量D3は、天候や気象の影響を受けて変動した後の出力になる。電源制御装置200のコントローラ202は、変動電源の現在の出力と、出力変動データベース23とに基づいて変動電源の可制御量を計算する(可制御量算出処理S4)。ところで、複数の変動電源夫々に対して可制御量を計算し、その可制御量を合計した値よりも、複数の変動電源の出力を統合して計算した可制御量の方が大きい。即ち、後者の方が、想定故障に対する電力系統の安定化に対する貢献度が大きいことになる。この詳細は後述する。電源制御装置200のコントローラ202は、発電機4の可制御量、そして、変動電源23a,23b,23cの可制御量を計算してメモリ203に記録する。
コントローラ102は、安定性判定処理S2において、電力系統が安定でないことを判定すると、電源制御装置200から、発電機4の可制御量、そして、変動電源23a,23b,23cの可制御量の提供を受けて、想定故障データベース131から取り込んだ想定故障に対して、どの出力をどの程度増減するかの制御案を作成し(制御案作成処理S4)、これをメモリ103の所定領域に記録する。メモリ103の当該所定領域には、複数の想定故障と、各想定故障の制御案が、例えばテーブルの形式で記録されていてよい。コントローラ102は、図4のフローチャートを実行する毎にテーブルを更新する。したがって、テーブルは最新の制御案を備える。
コントローラ102はS3の処理を終了すると、電力系統安定性判定処理S2に戻り、次の想定故障について電力系統安定性処理S2を適用する。コントローラ102はこの処理において、電力系統が安定であることを判定すると、S6の処理に移行して、想定故障データベースに登録された全ての想定故障について、電力系統の安定性の検証を実行したか否かを判定する。
コントローラ102はS6を肯定するとメモリ103を参照して、少なくとも一つの想定故障について制御案が記憶されているか否かを判定する。コントローラ102は、これを肯定すると、全ての想定故障について、想定故障毎の制御案を制御案データD4として、電源制御装置200に送信してフローチャートを終了する。コントローラ102は、全ての想定故障について制御案が無いことを判定すると、電源制御装置200に送信することなくフローチャートを終了する。
一方、電源制御装置200のコントローラ202は、メモリ203、演算装置100から受信した制御案データD4を記憶する。さらに、コントローラ202は、計測値や保護リレーの起動信号を計測データD1として受信し、計測データD1が正常値の範囲内か否かを判定することによって、電力系統に故障が発生したか否かを判定する(S7)。コントローラ202は、計測値が規定内であることを判定すると、電力系統に故障はないとしてフローチャートを終了する。
一方、コントローラ202が電力系統に故障が発生したことを判定すると、計測データD1と複数の想定故障とを比較する。コントローラ202は、通信モジュール206によって、想定故障データベース132の情報を通信網900を介して取得すればよい。コントローラ202は計測データD1がどの想定故障にも対応しないことを判定するとこのフローチャートを終了する。この際、コントローラ202は、電力系統を安定化するために、所定の対策を実行してもよい。
次いで、コントローラ202は計測データD1が複数の想定故障のうち、少なくとも一つの想定故障に対応することを判定すると、メモリ203を参照して当該想定故障について制御案が設定されているか否かを判定する。コントローラ202は、この判定を否定するとフローチャートを終了する。この際、コントローラ202は、電力系統を安定化するために、所定の対策を実行してもよい。
一方、コントローラ202は、この判定を肯定判定して、電力系統に発生した故障に制御案が設定されていることを確認すると、制御量分配プログラムを実行して、先ず、制御案データD4に基づいて、電力系統を安定化するための出力の制限量を発電機4、及び/又は、変動電源23a,23b,23cに分配する(制御量分配処理S5)。
コントローラ202が電力系統に発生した故障を想定故障に該当すると判定しても、この想定故障に制御案が設定されていない場合は、フローチャートを終了し、電力系統を安定化するために、所定の対策を実行してもよい。前記割り振りは、発電機4、及び/又は、変動電源23a,23b,23cに対して、偏りなく行なわれることが好ましい。例えば、制限量が発電出力に応じて按分されればよい。
例えば、変動電源全体に対して、60MWの出力低下が要求された場合で、変動電源23a、変動電源23b、変動電源23cの出力が夫々、50MW、130MW、120MWの場合、コントローラ202は、変動電源23aに10MWの出力低下、変動電源23bに26MWの出力低下、変動電源23cに24MWの出力低下を割り振ればよい。
なお、コントローラ202は、既述の割り振りについて、変動電源の出力に応じて、割り振り決めることを説明したが、電源制御装置200が、過去の分配の履歴を保持し、複数の変動電源の間で、累積した割り振り量が等しくなるようにしてもよい。コントローラ202は、分配した制御量を発電機4、及び、変動電源23a,23b,23cに送信してフローチャートを終了する。発電機4、及び、変動電源23a,23b,23cは、送信された制御量にしたがって、出力を制限、又は、増加させる。
次に、変動電源23a,23b,23cに対する可制御量を算出する処理(図4のS4)を詳細に説明する。図5は、そのフローチャートであって、コントローラ202は、可制御量算出プログラムに基づいて、出力変動データベース231を参照して、変動電源23a,23b,23c夫々の出力変動の統計情報を取得する(S500)。
図6に、変動電源23a,23b,23c夫々について、現出力からの変動の確率分布が正規分布であることを示す。コントローラ202は、各変動電源について、正規分布の平均値と分散を取得し、そして、これらに基づいて、変動電源23a,23b,23c夫々の出力を統合した統合出力の出力変動の確率分布が正規分布(図6:600)に従うとして、平均値と分散を算出する(S502)。変動電源23a、変動電源23b、変動電源23c夫々の出力変動の確率分布に於ける平均と分散を、μa、μb、μc、σa2、σb2、σc2とすると、三つの変動電源の出力の変動の確率分布が統合された統合モデルの正規分布(図6:600)は、下記の式1によって表現される。
コントローラ202は、統合モデルの可制御量を算出するために、統合モデルの出力が、次の計算のタイミングまでに変動してしまう量を見積る必要がある。そこで、コントローラ202は閾値(α)を設定し(S504)、この閾値の範囲内で出力の変動があることを想定し、統合モデルの現在の出力(複数の変動電源夫々の出力の和)から出力の変動分を引いたものが統合モデルの可制御量になる。
閾値は、例えば、統合電源モデルの確率分布下端の確率分布の合計値(図6の602)でよい。この閾値を、例えば、2.5%に設定すると、式3のαを次の計算タイミングまでに変化する統合モデルの変動量として、これを現在の出力から引いた値が統合モデルの可制御量になる(S506)。電源制御装置200のコントローラ202は、この可制御量を、演算装置100が制御案を作成できるように、通信網900を介して演算装置100に送信すればよい。
電力系統制御システムが制御案を作成してから、電力系統に実際に故障が発生してこの制御案を実施するまでの間に天候が変化すると変動電源の出力が変動してしまう。この場合、電力系統に制御案を適用しても期待通りに電力系統の安定を維持することができない。しかしながら、既述の実施形態によれば、電力系統制御システムは変動電源の出力の変動を見込んで制御案を作成するため、制御案を作成してから制御案を実施する間に天候が変化しても期待通りに電力系統の安定を維持することができる。そして、既述の電力系統制御システムは複数の変動電源の出力を統合したモデルの確率分布に基いて出力の変動を予測して可制御量を計算するため、この可制御量を、複数の変動電源夫々の確率分布に基いて複数変動電源夫々の出力の変動を予測して計算された可制御量よりも、大きくとることができる。
既述の実施形態において、複数の電源の夫々に対して、電源制御装置が存在していてもよい。また、可制御量算出処理S4および制御量配分処理S5を電源制御装置200が行うように説明したが、いずれかを演算装置100が実行するようにしてもよいし、両方を演算装置100が実行してもよい。またさらに、演算装置100と電源制御装置200とを単一のデバイスとしてもよい。また、電力系統制御システムは、想定故障に対する制御案を複数作成してもよい。またさらに、電力系統制御システムは、蓄電池に変動電源の出力を蓄電することを、変動電源に対する制限量、或いは、その一部の代用として用いてもよい。
既述した実施形態では、複数の変動電源に対する可制御量を設定することを、複数の変動電源を一つのステップ(一段)にて統合したモデルを生成することにより実行した。複数の変動電源から統一モデルを設定することを複数のステップによって可能にしてもよい。例えば、複数の変動電源(変動電源23a,23b)の統一モデルを設定し、次いで、この統一モデルの変動電源に他の変動電源(23c)を加えたモデルを生成するようにしてもよい。
またさらに、電源制御装置200に、制御量を各変動電源に配分する前に、想定故障に対して電源システムを安定化できるか否かを判定する判定モジュールと、これを安定化できない場合、制御量を変更する制御量補正モジュールを持たせてもよい。システムが所定タイミング毎にモデルデータを作り直して変動電源に対する制御量を生成した場合の当該制御量と,電源制御装置200が複数の変動電源の夫々に配分する制御量が異なり、これによって、システムの安定化の程度が悪化するおそれがあるためである。以上説明した実施形態は本発明を限定するためのものではなく、実施形態を適宜変更してもよい。
1:電力系統
2:送電線
3:母線
4:電源
7:遮断機(リレー)
9:変圧器
10:計測器
100:演算装置
101:通信バス線
102:コントローラ
103:メモリ
104:入力モジュール
105:表示モジュール
106:通信モジュール
130:プログラムデータベース
131:系統モデルデータベース
132:想定故障データベース
200:電源制御装置
201:通信バス線
202:コントローラ
203:メモリ
206:通信部
230:プログラムデータベース
231:出力変動データベース
900:通信網
2:送電線
3:母線
4:電源
7:遮断機(リレー)
9:変圧器
10:計測器
100:演算装置
101:通信バス線
102:コントローラ
103:メモリ
104:入力モジュール
105:表示モジュール
106:通信モジュール
130:プログラムデータベース
131:系統モデルデータベース
132:想定故障データベース
200:電源制御装置
201:通信バス線
202:コントローラ
203:メモリ
206:通信部
230:プログラムデータベース
231:出力変動データベース
900:通信網
Claims (10)
- 電力系統の電源の出力を制御することによって、前記電力系統の安定性を維持する電力系統制御システムであって、
前記電力系統は、前記電源として、再生可能エネルギーに基づいて発電し、再生可能エネルギーの状態によって出力が変動する変動電源を複数備え、
前記電力系統制御システムは、メモリと、当該メモリに記録されたプログラムを実行するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記複数の変動電源夫々の出力の変動の確率分布を統合し、
前記電力系統に想定される故障から当該電力系統の安定性を維持できるように、前記統合した確率分布に基づいて、前記複数の変動電源の夫々の出力を制御する制御案を作成する、
電力系統制御システム。 - 前記メモリは前記電力系統の構成情報を記憶し、
前記コントローラは、
前記メモリから前記構成情報を読み込み、
前記電力系統の計測データを取り込み、
前記計測データと前記構成情報とに基づいて、前記電力系統の安定性を解析するためのモデルを作り、
当該モデルに基づいて前記制御案を算出する、
請求項1記載の電力系統制御システム。 - 前記メモリは前記電力系統に対して想定される故障のシナリオを記憶し、
前記コントローラは、
前記メモリから前記故障のシナリオを読み込み、
前記統合した確率分布に基づいて、前記複数の変動電源に対して出力を制限できる可制御量を算出し、
前記モデルと、前記故障のシナリオと、前記可制御量と、に基づいて、前記制御案を作成する、
請求項2記載の電力系統制御システム。 - 前記制御案は、前記複数の変動電源に対する出力の制限量を含み、
前記コントローラは、
前記想定した故障が前記電力系統に発生した際に、前記制限量を前記複数の変動電源に配分し、当該配分された制限量を前記複数の変動電源夫々に割り当てる、
請求項3記載の電力系統制御システム。 - 前記コントローラは、
前記可制御量の範囲で前記制限量を設定する、
請求項4記載の電力系統制御システム。 - 前記コントローラは、
前記複数の変動電源夫々の現在の出力に基づいて、前記制限量を前記複数の変動電源に配分する、
請求項4記載の電力系統制御システム。 - 前記メモリは、前記複数の変動電源毎に出力の変動の履歴情報を記憶する、
請求項1記載の電力系統制御システム。 - 前記確率分布は前記複数の変動電源夫々の出力の変動量の正規分布である、
請求項1記載の電力系統制御システム。 - 前記統合した確率分布に基づいて前記複数の変動電源に対して算出された可制御量は、前記複数の変動電源夫々の確率分布に基づいて算出された可制御量より大きい値である、
請求項3記載の電力系統制御システム。 - 電力系統制御システムが電力系統の電源の出力を制御することによって、前記電力系統の安定性を維持する電力系統制御方法であって、
前記電力系統は、前記電源として、再生可能エネルギーに基づいて発電し、再生可能エネルギーの状態によって出力が変動する変動電源を複数備え、
前記電力系統制御システムは、
前記複数の変動電源夫々の出力の変動の確率分布を統合し、
前記電力系統に想定される故障から当該電力系統の安定性を維持できるように、前記統合した確率分布に基づいて、前記複数の変動電源の夫々の出力を制御する制御案を作成する、
電力系統制御方法。
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