JP2019190829A - ナノファイバーセンサ - Google Patents

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真一 吐田
佐藤 拓也
Takuya Sato
拓也 佐藤
柴田 晃秀
Akihide Shibata
晃秀 柴田
岩田 浩
Hiroshi Iwata
浩 岩田
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Abstract

【課題】1個1個の電気特性、抵抗値、検知特性のバラツキが大きくても、高い検知精度、広い検知範囲、再現性、高い信頼性が得られて、歩留りの高いナノファイバーセンサを提供すること。【解決手段】ナノファイバーセンサ(11)は、複数の電極対(1a,1b;2a,2b;3a,3b)と、上記複数の電極対(1a,1b;2a,2b;3a,3b)に架橋したナノファイバー(4,5,6)とを含む。上記複数の電極対(1a,1b;2a,2b;3a,3b)のうち、少なくとも2つの電極対(1a,1b;2a,2b;3a,3b)は構造が互いに異なる。【選択図】図1

Description

この発明は、ナノファイバーセンサに関する。
従来、広義のナノファイバーセンサとしては、特開2006−329802号公報(特許文献1)に記載のカーボンナノチューブセンサがある。
上記従来のカーボンナノチューブセンサは、特許文献1の図1に示されるように、同一構造の一対だけの電極間にカーボンナノチューブを架橋して、ガス分子のカーボンナノチューブへの吸着による電極間の抵抗変化を検出することによって、ガス濃度を検知するようにしている。
上記従来のカーボンナノチューブセンサは、同一構造の一対だけの電極を有する1つの素子であって、この同一構造の一対だけの電極にカーボンナノチューブを誘電泳動により架橋しているため、架橋工程が簡便であるという利点がある。
特開2006−329802号公報
しかしながら、上記従来のカーボンナノチューブセンサは、同一構造の一対だけの電極にカーボンナノチューブを誘電泳動により架橋しているため、センサの1個1個の電気特性、抵抗値、検知特性が大きくばらついてしまい、高い検知精度、広い検知範囲、再現性、信頼性が得られなく、また、歩留りも低いという問題があった。
具体的には、例えば、上記従来のカーボンナノチューブセンサのガス濃度に対する応答を見ても、図16の曲線(a)、(b)に示すように、素子毎に大きく異なる場合があった。図16においてΔGはコンダクタンスの変化量、G0は空気中での初期コンダクタンスである。
カーボンナノチューブ自体の長さやカイラリティやバンドル状態(凝集状態)は制御することが困難で、誘電泳動により、同一構造の一対だけの電極間に配列、集積したカーボンナノチューブは、各々本数や長さ、カイラリティ、バンドル状態が異なりやすい。そのため、センサの検知特性も各々ばらついてしまい、高い精度や信頼性や再現性を得ることが困難となる。また特性のバラツキが大きいため歩留りが低くなりうる。
例えば、具体的には、図17A,17Bに示すように、同一構造の一対だけの電極101,102間に誘電泳動によりカーボンナノチューブ103,103,…を架橋して、カーボンナノチューブセンサを作製すると、同時に同条件で作製しても、架橋されるカーボンナノチューブ103,103,…は長さやバンドル状態(凝集状態)や本数や密度が各々異なるのである。
また、カーボンナノチューブは、それ自体の長さやバンドル状態(凝集状態)やカイラリティを制御して製造することが困難で、様々な状態のカーボンナノチューブの混合物しか容易に入手できず、状態の異なるカーボンナノチューブを配列することも特性のバラツキの原因と考えられる。
また、カーボンナノチューブだけでなく、Siナノワイヤ等を含むナノスケールの繊維状物質である狭義のナノファイバーを用いた場合でも同様のことが言えると推察される。
そこで、この発明の課題は、1個1個の電気特性、抵抗値、検知特性のバラツキが大きくても、高い検知精度、広い検知範囲、再現性、高い信頼性が得られて、歩留りの高いナノファイバーセンサを提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のナノファイバーセンサは、
複数の電極対と、
上記複数の電極対に架橋したナノファイバーと
を備え、
上記複数の電極対のうち、少なくとも2つの電極対は構造が互いに異なる
ことを特徴としている。
この明細書では、ナノファイバーとは、広義のナノファイバーを意味し、狭義の中実のナノファイバーの他に、カーボンナノチューブ等のナノチューブも含む概念である。
この発明によれば、高い検知精度、広い検知範囲、再現性、高い信頼性が得られて、歩留りの高いナノファイバーセンサを提供することができる。
この発明の第1実施形態のカーボンナノチューブ(CNT)センサの平面図である。 この発明の第1実施形態のCNTセンサと検知装置の説明図である。 この発明の第1実施形態のCNTセンサの製造方法を説明する図である。 この発明の第1実施形態のCNTセンサの製造方法を説明する図である。 この発明の第1実施形態のCNTセンサの製造方法を説明する図である。 この発明の第1実施形態のCNTセンサの製造方法を説明する図である。 この発明の第1実施形態のCNTセンサの特徴を説明する図である。 この発明の第1実施形態のCNTセンサのガス中でのセンサ応答を示すグラフである。 この発明の第1実施形態のCNTセンサのCNT素子毎のNH濃度とセンサ応答との関係を示すグラフである。 この発明の第2実施形態のCNTセンサの平面図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 この発明の第2実施形態のCNTセンサと検知装置の説明図である。 この発明の第2実施形態のCNTセンサの製造方法を説明する図である。 この発明の第2実施形態のCNTセンサの製造方法を説明する図である。 この発明の第2実施形態のCNTセンサの製造方法を説明する図である。 この発明の第2実施形態のCNTセンサの製造方法を説明する図である。 この発明の第2実施形態のCNTセンサの製造方法を説明する図である。 この発明の第2実施形態のCNTセンサの特徴を説明する図である。 この発明の第2実施形態のCNTセンサのゲート電圧とセンサ応答との関係を示すグラフである。 この発明の第3実施形態のCNTセンサの平面図である。 この発明の第4実施形態のCNTセンサの平面図である。 従来のCNTセンサのガス濃度とセンサ応答との関係を示すグラフである。 従来のCNTセンサの課題を説明する図である。 従来のCNTセンサの課題を説明する図である。
以下、この発明を図示の実施形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1はこの発明に第1実施形態のナノファイバーセンサの一例としてのカーボンナノチューブセンサ11の平面図である。以下、カーボンナノチューブ(carbon nanotube)をCNTと略称する。
図1に示すように、この第1実施形態のCNTセンサ11は、絶縁性基板(例えばガラス基板)10上に形成された3個のCNT素子7,8,9を備える。上記CNT素子7は、一対の金属電極1a,1bと、この一対の金属電極1a,1bに架橋したCNT4とからなる。同様に、上記CNT素子8は、一対の金属電極2a,2bと、この一対の金属電極2a,2bに架橋したCNT5とからなる。同様に、上記CNT素子9は、一対の金属電極3a,3bと、この一対の金属電極3a,3bに架橋したCNT6とからなる。
上記金属電極1a,1b,2a,2b,3a,3bは例えばTi/Au、Au、Ti、Al等からなる。各金属電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bは、CNT4,5,6が架橋されている互いに対向している対向部1a−1,1b−1;2a−1,2b−1;3a−1,3b−1の幅は例えば1μmの矩形で、全て同じ形をしている。
一方、上記金属電極1aと1bの間隔、金属電極2aと2bの間隔、金属電極3aと3bの間隔は、例えば各々1μm、2μm、4μmで、互いに異なっている。このように、金属電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bの間隔、つまり、対向部1a−1,1b−1;2a−1,2b−1;3a−1,3b−1の間隔が1μm、2μm、4μmと異なることにより、架橋されるCNT4,5,6の長さはそれぞれの間隔1μm、2μm、4μmに応じた長さのものが架橋されやすくなる。
この第1実施形態では、3つの電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bは電極1a,1b;2a,2b;3a,3b間の間隔が全て互いに異なっているが、金属電極対の間隔が2種類以上あれば同じ間隔のものがあっても構わない。つまり、複数の電極対のうち、少なくとも2つの電極対の電極間の間隔が互いに異なっていればよい。この少なくとも2つの電極対の電極間の間隔が互いに異なっていることは、少なくとも2つの電極対の構造が互いに異なることの一例である。
一方、上記CNT4,5,6は表面にガス等の吸着により電子の享受が行われ、電極対1a,1b;2a,2b;3a,3b間の抵抗値やコンダクタンスの変化を生じ、これを測定することによりガスの濃度等の検知を行うことができる。
上記CNT4,5,6は多層CNTでも構わないが、単層CNTからなるものが好ましく、さらには半導体性のCNTであることが好ましい。単層、半導体性のCNTの方が、表面にガス分子が吸着したときに、コンダクタンス変化が大きくて高い感度が得られるからである。
また、上記CNT4,5,6は1本のみが架橋していてもいいが、複数本が架橋している方が好ましい。1本だけを架橋するのは技術的に難しく、また架橋されず測定できない素子もできるため、複数本架橋する方が容易で、かつ、歩留りの観点で低コストにつながる。
また、上記CNT4,5,6は、束状に凝集した(バンドル状態)ものでも構わないし、複数本が長さ方向につながったものであっても構わない。
図1ではCNTセンサ11は3個のCNT素子7,8,9を有するとしているが、CNT素子は2個でも、4個以上でもよく、少なくとも2つの電極対の電極間の間隔が互いに異なっていれば、CNT素子の数は何個あってもよい。
図2は、上記CNTセンサ11と検知装置50とを示す平面図である。
上記検知装置50は、上記CNT素子7,8,9に電圧を印加する電源部12と、CNT素子7,8,9の電気特性を測定する測定部13と、電圧印加および測定するCNT素子7,8,9を切り替えるスイッチ14a、14bと、上記電源部12,測定部13、スイッチ14a,14bを制御して演算を行うCPU等から構成される制御部15とを備える。
上記検知装置50によって、CNT素子7,8,9各々のコンダクタンス変化を測定して、複数のCNT素子7,8,9の各データを選択して演算をすることにより、CNT4,5,6の特性のバラツキの影響を軽減して、例えばガスの種類や濃度を高精度に検知することができる。
次に、図3A,3B,3C,3Dを参照しながら、上記CNTセンサ11の製造方法について説明する。
まず、図示しないが、直径1〜3nmの半導体性を示す単層CNT(カーボンナノチューブ)を、溶媒としてのIPA(2−プロパノール)に加え、超音波振動を与えて分散させたCNT分散溶液を作製する。CNTをIPAに分散させるために、界面活性剤を少量加えても構わないし、溶媒はアセトン等他の有機溶剤でも純水でも構わない。CNT濃度は0.1μg/mlとした。
次に、図3Aに示すように、絶縁性基板(例えばガラス基板)10上に、Ti/Auからなる金属電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bをスパッタ法、蒸着法により形成する。各金属電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bは互いに向かい合った方向に細長くなっており、互いに対向している先端部分、つまり、対向部1a−1,1b−1;2a−1,2b−1;3a−1,3b−1の幅は例えば1μmの矩形にしており、電極間隔を1μm、2μm、4μmとした。
次に、図3Bに示すように、1つの電極対1a,1b間に交流電源71を接続して交流電圧を印加する。上記交流電圧は2Vpp、周波数100kHzの正弦波とした。この交流電圧を印加した状態で基板10を上記CNT分散溶液に10秒間浸漬した。この交流電圧の印加により向い合った金属電極対1a,1bの先端部、つまり、対向部1a−1,1b−1に不平等電界が発生し、図示しないCNTの両端が分極することにより、CNTが金属電極対1a,1bの対向部1a−1,1b−1に引き寄せられて誘電泳動を行う。この誘電泳動により、金属電極対1a,1bの対向部1a−1,1b−1の表面に、この対向部1a−1,1b−1を結ぶ電界方向に沿ってCNTを配向、集積することができ、金属電極対1a,1bの対向部1a−1,1b−1にCNTが架橋する。
次に、図3Cに示すように、上記基板10をCNT分散溶液から取り出して、溶媒を蒸発させることにより、CNT4を金属電極対1a,1bおよび基板10に固着させる。
次に、図3Dに示すように、金属電極対2a,2b間に図3Bに示す交流電源71を接続して同様にしてCNT5を固着させ、さらに金属電極対3a,3b間に図3Bに示す交流電源71を接続して同様にしてCNT6を固着させた。
誘電泳動時に各金属電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bに印加する交流電圧、周波数やCNT分散溶液への基板10の浸漬時間は同じでも構わないし、それぞれ変化させても構わない。誘電泳動時に各金属電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bに印加する交流電圧やCNT溶液への基板10の浸漬時間を各電極対1a,1b;2a,2b;3a,3b毎に設定すれば、架橋されるCNTの密度や本数を調整することもできる。そのためCNT素子7,8,9の特性を大きく変えることが容易である。
上記CNTは金属電極1a,1b,2a,2b,3a,3bにCVD(化学的気相成長)法で直接成長してもよいし、金属電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bにCNT分散溶液を直接滴下して溶媒を蒸発させて集積しても構わないが、誘電泳動より集積する方が好ましい。金属電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bそれぞれに架橋されるCNTの長さや向きなどを調節することが容易であるためである。
上記構成のCNTセンサ11によれば、図4に示すように、CNT素子7,8,9の金属電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bの電極間隔を1μm、2μm、4μmと異なるものにしているので、架橋されるCNT4,5,6の長さは、電極間隔に応じた長さのものが多くなる。例えば、電極間隔が4μmのCNT素子9では1μmと短いCNTは一方の電極3aまたは3bに一端が集積するが、2つの電極3a,3b間に架橋されないため、動作しない。そのためCNT素子9では電極間隔4μmに対応した長さを有するCNT6に対応した素子特性が得られる。CNT素子7,8についても同様である。
図5は、電極対2a,2bの間隔が2μmのCNT素子8について、濃度100ppmのNHガス中でのコンダクタンスの変化であるセンサ応答を示す応答図である。センサ応答は、コンダクタンスの変化量ΔGを空気中での初期コンダクタンスG0で規格化したものである。図5から分かるように、CNT素子8をNHガスに暴露すると、急激にコンダクタンスが低下している。その後、空気を導入すると緩やかにコンダクタンスが増加した。NHは還元性ガスであるためCNT表面に吸着するとNH分子からCNTに電子が移動して、CNT表面の正孔密度が減少するためコンダクタンスが低下する。
図6は、図1のCNT素子7,8,9のNHガス濃度に対するセンサ応答特性を示す一例のグラフで、CNT素子7,8,9それぞれが図6の曲線(a),(b),(c)に対応している。CNT素子7,8,9によって濃度に対する応答特性が大きく異なっている。
図6に示すように、CNT素子7は30ppm以下のNH濃度の低い領域でセンサ応答が小さく、高い精度でNH濃度を算出できないが、30ppm以上のNH濃度ではセンサ応答が大きくて、NH濃度を高い精度で算出できる。また、CNT素子8は100ppmのNH濃度まで高いセンサ応答が得られている。また、CNT素子9は、20ppm以下の領域ではNH濃度に対して応答変化も大きくてNH濃度を精度よく算出できるが、20ppm以上のNH濃度ではセンサ応答の変化が飽和してしまい、精度よくNH濃度を算出できない。
このようにCNT素子7,8,9によってセンサ応答の特性が異なっていても、複数のCNT素子7,8,9を用いることによって、広い範囲でNH濃度を算出することができ、一つのCNT素子で測定する場合に比べて測定誤差を減らすことができる。
このCNTセンサ11は、同一基板10上に形成した電極間隔の異なる電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bに誘電泳動によりCNT4,5,6を架橋することができるため、小型化することができる。
また、このCNTセンサ11は、電極間隔の異なる電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bを有するCNT素子7,8,9を備えるので、複数の架橋されるCNT4,5.6の長さ、状態が異なっても高精度にガス等を検知することができる。
上述の説明では、NHガスについて述べたが、NHガス限定されるものではなく、NOやアセトンなどの有機物質のガスについても同様に検出できる。NOガスなどの酸化性ガスではCNT表面の正孔密度が増加してコンダクタンスが増加する応答を示す。
(第2実施形態)
図7は、この発明の第2実施形態のCNTセンサ20の平面図であり、図8は図7のVIII−VIII線断面図である。
まず、この第2実施形態のCNTセンサ20と第1実施形態のCNTセンサ11との主な相違点は次の通りである。
・第1実施形態では各電極対の電極間の間隔が互いに異なるのに対して、第2実施形態では各電極対の電極間の間隔を同じにして、各電極対の互いに向い合った対向部の幅を互いに異なるようにしている点。
・第2実施形態では、表面に絶縁膜(SiO膜)、裏面にバックゲート電極を形成した導電性Si基板を用いて、絶縁膜であるSiO膜上に電極対を形成してCNTを架橋している点。
・第2実施形態では、CNT素子はバックゲート構造のFET構造をしている点。
図8に示すように、導電性Si基板30の表面にSiOからなる絶縁膜31を形成する一方、上記導電性Si基板30の裏面に金属電極32を形成している。
図7および8に示すように、上記導電性Si基板30上の絶縁膜31上に3個のCNT素子27,28,29を形成している。上記CNT素子27は、一対の金属電極21a,21bと、この一対の金属電極21a,21bに架橋したCNT24とからなり、同様に、上記CNT素子28は、一対の金属電極22a,22bと、この一対の金属電極22a,22bに架橋したCNT25とからなり、同様に、上記CNT素子29は、一対の金属電極23a,23bと、この一対の金属電極23a,23bに架橋したCNT26とからなる。
上記金属電極21a,21b,22a,22b,23a,23bは例えばTi/Au等からなり、上記導電性Si基板30の裏面の金属電極32は例えばAl等からなる。
上記CNT素子27,28,29の金属電極対21a,21b;22a,22b;23a,23bは、CNT24,25,26が架橋されている互いに向かい合った対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の幅は、例えば各々1μm、2μm、4μmで互いに異なっている。上記CNT24,25,26が架橋されている対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の形状は矩形である。
また、上記電極対21a,21b;22a,22b;23a,23bの間隔、つまり、互いに向かい合った対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の間隔は例えば全て2μmで同じである。
このように、上記CNT素子27,28,29の金属電極対21a,21b;22a,22b;23a,23bの互いに対向する対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の幅が互いに異なることによって、架橋されるCNT24,25,26の密度や本数を変えることができる。そのため、CNT素子27,28,29の特性を大きく変えることが容易である。
この第2実施形態では、3つの電極対21a,21b;22a,22b;23a,23bは、電極21a,21b;22a,22b;23a,23bの互いに向かい合った対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の幅が互いに異なっているが、幅が2種類以上あれば同じ幅のものがあっても構わない。つまり、複数の電極対のうち、少なくとも2つの電極対の電極の互いに対向する対向部の幅が互いに異なっていればよい。この少なくとも2つの電極対の電極の互いに対向する対向部の幅が互いに異なっていることは、少なくとも2つの電極対の構造が互いに異なることの一例である。
一方、上記CNT素子27,28,29は電極対21a,21b;22a,22b;23a,23bの一方がソース電極、他方がドレイン電極、導電性Si基板30および金属電極32がゲート電極、絶縁膜31がゲート絶縁膜、CNT24,25,26がチャネルとなるFET(電界効果トランジスタ)として動作する。ゲート電極の電位を変化させると、CNT24,25,26からなるチャネルのキャリア濃度が変わって、電流・コンダクタンスを変化させることができ、ガス等がCNT24,25,26の表面に吸着することによっても電子の授受が行われて、電流・コンダクタンスが変化する。上記ゲート電極としての導電性Si基板30および金属電極32の電圧、つまり、ゲート電圧によって検知感度を変えることができるので、第1実施形態で示した2端子のCNT素子7,8,9よりも高感度、高精度にガス濃度等を検知することができる。
図9は、上記CNTセンサ20と検知装置55とを示す平面図である。
上記検知装置55は、図2に示す第1実施形態の検知装置50とは、電源部112および測定部113を図8に示すゲート電極となる金属電極32に接続している点のみが異なる。したがって、この第2実施形態の検知装置55の構成要素のうち、図2に示す第1実施形態の検出装置50の構成要素と同じ構成要素については同一参照番号を付して詳しい説明は省略する。
制御部15は、上記電源部112,測定部113およびスイッチ14a,14bを制御して、CNT素子27,28,29各々のコンダクタンス変化を測定して、複数のCNT素子27,28,29の各データを選択して演算をすることにより、例えばガスの種類や濃度を高精度に検知することができる。
さらに、上記CNT素子27,28,29はFET構造をしていてゲート電圧を調整することにより検知感度を変えることができるので、適切なゲート電圧を設定することにより、さらに精度よくガスの種類や濃度を検知することが可能となる。
次に、図10、図11A,11B,11C,11Dを参照しながら、上記CNTセンサ20の製造方法について説明する。
この第2実施形態のCNTセンサ20の製造方法は、第1実施形態のCNTセンサ11の製造方法に対して、次の相違点を有する。
・表面に絶縁膜(SiO膜)、裏面にバックゲート電極を形成した導電性Si基板を用いて、絶縁膜であるSiO膜上に電極対を形成してCNTを架橋した点。
・一度の誘電泳動でCNTを集積し、その後電極を分離した点。
まず、第1実施形態と全く同様のCNT分散溶液を作製する。
次に、図10に示すように、p型導電性Si基板30の一方の面にSiOからなる絶縁膜31を100nmの厚さに熱酸化により形成する。次いで、上記p型導電性Si基板30の他方の面にAlからなる金属電極32を全面に堆積する。
なお、上記絶縁膜31はSiO膜に限定されるわけなく、SiN膜等でも構わない。また、上記絶縁膜31はプラズマCVD法、スパッタ法で成膜しても構わない。上記Si基板30の導電性はn型でも構わない。
次に、図10および11Aに示すように、上記絶縁膜31上に、Ti/Auからなる櫛歯形電極34a,34bをスパッタ法、蒸着法により形成する。この櫛歯形電極34a,34bは、互いに対向する側に矩形の突出部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1が形成されており、櫛歯形の歯に当たる突出部、つまり、互いに対向する対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の幅を1μm、2μm、4μmとそれぞれ異なるようにしている。また、向い合った櫛歯形電極34a,34bの間隔、つまり、対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の間隔は全て同じ2μmとした。
次に、図11Bに示すように、櫛歯形電極34a,34b間に交流電源71を接続して交流電圧を印加する。交流電圧は4Vpp、周波数1MHzの正弦波とした。この交流電圧を印加した状態で基板30をCNT分散溶液に10秒間浸漬した。交流電圧の印加により向い合った櫛歯形電極34a,34bの歯の部分、つまり、対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の先端に不平等電界が発生し、図示しないCNTの両端が分極することにより、CNTが櫛歯形電極34a,34bの歯の部分、つまり、対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の先端に引き寄せられる。この誘電泳動により、図11Cに示すように、互いに向い合った対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1を結ぶ電界方向に沿ってCNT24,25,26を配向、集積することができ、CNT24,25,26を同時に架橋する。
この誘電泳動は電界集中が大きいほど大きな誘電泳動力が働くので、その部分にCNT24,25,26が集積されやすくなる。したがって、電極幅が小さい方が電界がより集中するので、高密度に集積される。歯の部分、つまり、対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の幅を変えることにより密度、本数を異なるようにすることができる。
次に、基板10をCNT分散溶液から取り出して溶媒を蒸発させることによりCNT24,25,26を櫛歯形電極34a,34bおよび絶縁膜31上に固着させる。
次に、図11Dに示すように、櫛歯形電極34a,34bの斜線部34a−1,34b−1をイオンミリングやドライエッチングやウエットエッチング法を用いて除去することにより、電極21a,22a,23a;21b,22b,23bを分離して、図7に示すCNTセンサ20を作製する。
なお、図7に示すこの第2実施形態のCNTセンサ20のCNT素子27,28,29の金属電極対21a,21b;22a,22b;23a,23bの互いに向かい合った対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の間隔は、全て2μmで同じであったが、この間隔を図示しないが互いに異ならせることもできる。
上記構成のCNTセンサ20によれば、図12に示すように、CNT素子27,28,29の金属電極対21a,21b;22a,22b;23a,23bの互いに対向する対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の幅が例えば1μm、2μm、4μmと異なっているので、それらに架橋されるCNT24,25,26の密度や本数を変えることができる。CNT素子27,28,29を誘電泳動により作製すると、電界集中が大きいほど、CNT24,25,26に大きな誘電泳動力が働くので、その部分にCNT24,25,26が集積されやすくなる。したがって、電極の対向部の幅が小さい方に電界がより集中するので、CNT素子27の金属電極対21a,21bの互いに対向する対向部21a−1,21b−1にCNT24が、他の金属電極対22a,22b;23a,23bの互いに対向する対向部22a−1,22b−1;23a−1,23b−1へのCNT25,26よりも高密度に集積される。上記歯の部分、つまり、互いに対向する対向部21a−1,21b−1;22a−1,22b−1;23a−1,23b−1の幅を変えることにより、CNT24,25,26の密度、本数を異なるようにすることができる。これによりCNT素子27,28,29間の特性を大きく変えることができる。
図13は、図7のCNT素子29、つまり、金属電極対23a,23bの互いに対向する対向部23a−1,23b−1の幅が4μmのCNT素子29の特性を示すグラフである。空気中および100ppmの濃度のNHガス中での特性を示している。センサ応答は、コンダクタンスの変化量ΔGを空気中での初期コンダクタンスG0で規格化したものである。センサ応答ΔG/G0はゲート電圧Vg依存性を示しているのが分かる。
図13から分かるように、CNT素子29はゲート電圧Vgを負側にするとコンダクタンスが増加するp型半導体特性を示している。また、NH雰囲気のコンダクタンスでは大気中での初期コンダクタンスより低下している。NHは還元性ガスであるため、CNT26の表面に吸着すると、NH分子からCNT26に電子が移動して、CNT26表面の正孔密度が減少するからである。この条件ではゲート電圧Vgが4〜6Vでセンサ応答が大きくなるため、ガスの濃度や種類を高感度、高精度に算出することができる。このようにCNT素子27,28,29をFET構造にすることによりCNT素子27,28,29各々のセンサ感度や検出精度を高め、検知範囲を広げることが可能となる。
また、特性の異なるCNT素子27,28,29を複数備えているので、これらのデータを元に演算算出することによってセンサ感度や精度を向上させることができる。
(第3実施形態)
図14は、この発明の第3実施形態のCNTセンサ40の平面図である。
まず、この第3実施形態のCNTセンサ40と第2実施形態のCNTセンサ20との主な相違点は次の通りである。
・第2実施形態では、複数の電極対の互いに対向する対向部の幅を互いに異ならせていたのに対して、この第3実施形態では複数の電極対の互いに対向する対向部の幅を同じにして、互いに対向する対向部の先端形状を互いに異ならせている点。
・複数のCNT素子の複数の電極対の一方の電極を一つにつなげている点。
図14に示すように、第2実施形態の図8に示す導電性Si基板30と同様の図示しない導電性Si基板の表面に形成した絶縁膜31上に3個のCNT素子45,46,47を形成している。上記導電性Si基板の裏面には第2実施形態の図8に示す金属電極32と同様の図示しない金属電極を形成している。
上記CNT素子45は、一対の金属電極41,44と、この一対の金属電極41,44の互いに対向した対向部41a,44aに架橋したCNT(他の部材が見にくくなるので図示せず。)とからなる。同様に、上記CNT素子46は、一対の金属電極42,44と、この一対の金属電極42,44の互いに対向した対向部42b,44bに架橋したCNT(他の部材が見にくくなるので図示せず。)とからなる。同様に、上記CNT素子47は、一対の金属電極43,44と、この一対の金属電極43,44の互いに対向した対向部43c,44cに架橋したCNT(他の部材が見にくくなるので図示せず。)とからなる。
上記金属電極41,44の互いに対向した対向部41a,44aの先端部の形状は矩形であり、上記金属電極42,44の互いに対向した対向部42b,44bの先端部の形状は三角形であり、上記金属電極43,44の互いに対向した対向部43c,44cの先端部の形状は楕円形である。上記互いに対向した対向部41a,44aの先端部の間隔、上記互いに対向した対向部42b,44bの先端部の間隔、および、上記互いに対向した対向部43c,44cの先端部の間隔は全て例えば2μmで同じである。
上記構成のCNTセンサ40によれば、図14に示すように、上記CNT素子45,46,47の金属電極対41,44;42,44;43,44の互いに対向する対向部41a,44a;42b,44b;43c,44cの先端部の形状は、各々矩形、三角形、楕円形であるから、それらに架橋されるCNTの密度や本数を変えることができる。
上記CNT素子45,46,47を誘電泳動により作製すると、電界集中が大きいほど、CNTに大きな誘電泳動力が働くので、その部分にCNTが集積されやすくなる。したがって、先端部が三角形に尖った形状の互いに対向する対向部42b,44bの方が、他の先端部が矩形や楕円形の互いに対向する対向部41a,44a;43c,44cに比べて電界がより集中するので、CNTが高密度に集積される。また、先端部が矩形と楕円形の互いに対向する対向部41a,44a;43c,44cで電界集中の大きさが異なるので、CNTの密度、本数を異なるようにすることができる。
これによりCNT素子45,46,47間の特性を大きく変えることができる。
この第3実施形態のCNT素子45,46,47は、金属電極対41,44;42,44;43,44の互いに対向する対向部41a,44a;42b,44b;43c,44cの先端部の形状が異なる素子であるので、互いに対向する対向部41a,44a;42b,44b;43c,44cの先端部に架橋されるCNTの密度や本数を変えることができる。
上記第3実施形態では、金属電極対41,44;42,44;43,44の互いに対向する対向部41a,44a;42b,44b;43c,44cの先端部の形状は、各々矩形、三角形、楕円形にしていた。これに限らず、金属電極対の互いに対向する対向部の先端部の形状は、円形、台形、多角形等のどのような形状であってもよい。また、1つの金属電極対の互いに対向する対向部の先端部の形状は同じでなくてもよく、例えば、三角形と楕円形となっていてもよい。
この第3実施形態では、CNT素子45,46,47の金属電極対41,44;42,44;43,44の互いに対向する対向部41a,44a;42b,44b;43c,44cの一方44a,44b,44cを一つにつなげて共通化しているので、図2に示す第2実施形態のスイッチ14bが不要となる。一方、上記互いに対向する対向部41a,44a;42b,44b;43c,44cの他方41a,42b,43cを分離しているので、CNT素子45,46,47それぞれの電気特性を測定することが可能である。
この第3実施形態のCNTセンサ40の製造方法は、第2実施形態のCNTセンサ20の製造方法と同様であるが、電極の分離工程のとき、一方の電極の分離をしなければよい。
(第4実施形態)
図15は、この発明の第4実施形態のCNTセンサ60の平面図である。
まず、この第4実施形態のCNTセンサ60と第1実施形態のCNTセンサ11との主な相違点は次の通りである。
・第1実施形態では、金属電極対1a,1b;2a,2b;3a,3bの電極材料を同じにしているのに対して、この第4実施形態では、金属電極対61a,61b;62a,62b;63a,63bの電極材料が互いに異なっていて、Ti/Au、Pd、Alである点。
・第1実施形態と第4実施形態とは、上述以外の他の点では同じである。
図15に示すように、この第4実施形態のCNTセンサ60は、一対の金属電極61a,61bとこの一対の金属電極61a,61bに架橋したCNT4とからなるCNT素子67と、同様に一対の金属電極62a,62bとこの一対の金属電極62a,62bに架橋したCNT5とからなるCNT素子68と、一対の金属電極63a,63bとこの一対の金属電極63a,63bに架橋したCNT6とからなるCNT素子69とを絶縁性基板(例えばガラス基板)10上に形成してなる。
各金属電極対61a,61b;62a,62b;63a,63bのCNT4,5,6が架橋されている互いに対向している対向部61a−1,61b−1;62a−1,62b−1;63a−1,63b−1は矩形で、幅が全て同じ1μmで、全て同じ形をしている。金属電極61aと61b、金属電極62aと62b、金属電極63aと63bの間隔は例えば各々1μm、2μm、4μmである。金属電極61aと61bはTi/Au、金属電極62aと62bはPd、金属電極63aと63bはAlからなる。
このように、金属電極対61a,61b;62a,62b;63a,63bの材料を互いに異なるものにすることによって、金属電極61a,61b;62a,62b;63a,63bとCNT4,5,6との接触抵抗を大きく変えることができ、各CNT素子67,68,69の特性を大きく変えることができる。
また、CNT4,5,6と金属電極61a,61b;62a,62b;63a,63bとの接触抵抗はガス等が金属電極表面に吸着することにより、大きく変化するが、ガスの種類と電極材料の組み合わせによってその変化量が異なる。例えばPdを電極に用いるとTi/AuやAl電極の場合に比べて、水素ガスに対してセンサ応答が高くなり、電極材料による応答の差異を測定することによりガスの種類を区別することができる。
このように、上記電極対61a,61b;62a,62b;63a,63bおよびナノファイバー4,5,6からなる複数のナノファイバー素子67,68,69は、互いに異なる電極材料によって各々の特性が大きく変わって、この特性が大きく異なるナノファイバー素子67,68,69の各データを選択して演算をすることにより、例えばガスの種類や濃度を高精度に検知することができ、広い検知範囲、再現性、高い信頼性を得ることができる。また、このナノファイバーセンサ40は歩留りが高くなる。
この第4実施形態では、各CNT素子67,68,69の金属電極対61a,61b;62a,62b;63a,63bの金属材料と電極間隔をともに異なるものにしたが、電極間隔は同じにしてもよいし、幅や形状を異なるようにしても構わない。
上記第4実施形態では、各CNT素子67,68,69の金属電極対61a,61b;62a,62b;63a,63bにおいては、対毎に材料を同じものにしたが、一対の電極において電極の材料が異なっていても構わない。例えば各CNT素子の電極対の材料をTi/AuとPd、PdとAl、AlとTi/Auのようにしても構わない。
上述の第1から第4実施形態では、広義のナノファイバーの一例としてCNT(カーボンナノチューブ)を用いたが、他のナノサイズの繊維状の材料、例えばSiナノワイヤ、ZnOナノワイヤ、GaNナノワイヤ、狭義のナノファイバー、カーボンナノファイバー、ポリ乳酸ナノファイバー、セルロースナノファイバー等を用いても同じようにナノファイバーセンサを作製することができる。
第1〜第4実施形態および変形例で述べた構成要素は、適宜、組み合わせてもよく、また、適宜、選択、置換、あるいは、削除してもよいのは、勿論である。
1a,1b,2a,2b,3a,3b,21a,21b,22a,22b,23a,23b,41,44,42,44,43,44,61a,61b,62a,62b,63a,63b 電極
4,5,6,24,25,26 ナノファイバー
7,8,9,27,28,29,45,46,47,67,68,69 ナノファイバー素子
1a−1,1b−1,2a−1,2b−1,3a−1,3b−1,21a−1,21b−1,22a−1,22b−1,23a−1,23b−1,41a,44a,42b,44b,43c,44c,61a−1,61b−1,62a−1,62b−1,63a−1,63b−1 対向部
30 導電性基板
31 絶縁膜
50,55 検知装置

Claims (6)

  1. 複数の電極対と、
    上記複数の電極対に架橋したナノファイバーと
    を備え、
    上記複数の電極対のうち、少なくとも2つの電極対は構造が互いに異なる
    ことを特徴とするナノファイバーセンサ。
  2. 請求項1に記載のナノファイバーセンサにおいて、
    上記少なくとも2つの電極対は、電極間の間隔が互いに異なる
    ことを特徴とするナノファイバーセンサ。
  3. 請求項1または2に記載のナノファイバーセンサにおいて、
    上記複数の電極対のうち、少なくとも2つの電極対の互いに対向する対向部の幅が互いに異なる
    ことを特徴とするナノファイバーセンサ。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のナノファイバーセンサにおいて、
    上記複数の電極対のうち、少なくとも2つの電極対の互いに対向する対向部の先端部の形状が互いに異なる
    ことを特徴とするナノファイバーセンサ。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載のナノファイバーセンサにおいて、
    上記複数の電極対のうち、少なくとも2つの電極対は、電極材料が互いに異なる
    ことを特徴とするナノファイバーセンサ。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載のナノファイバーセンサにおいて、
    上記複数の電極対は、導電性基板の表面に形成された絶縁膜上に形成されており、
    上記電極対はソース電極およびドレイン電極であり、
    上記ナノファイバーはチャネルであり、
    上記導電性基板はゲート電極であり、
    上記絶縁膜はゲート絶縁膜である
    ことを特徴とするナノファイバーセンサ。
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