JP4500993B2 - 絶縁ガス分解検出装置及び分解ガス検出方法 - Google Patents

絶縁ガス分解検出装置及び分解ガス検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、安価で高速に応答し、検出精度が高く、製造が容易なカーボンナノ材料のガス絶縁機器用分解ガスセンサと、それを複数箇所に設置して分解ガスの発生位置を検出できる絶縁ガス分解検出装置、さらに絶縁用ガスの分解ガス検出方法に関する。
1960年代末から、変電設備として絶縁性に優れた六フッ化硫黄ガス(以下、SFガス)が封入されたガス絶縁開閉装置(Gas Insulated Switchgear、以下GIS)、ガス遮断器(Gas Circuit Breaker、以下GCB)等の導入が進んでいる。なお、SFガスは平等電界中同一圧力の空気と比較して約3倍の絶縁耐力をもつ無毒、無臭、不活性の気体である。この変電設備には設備診断、例えば部分放電や地絡等に対する設備診断がなされる必要があり、とくに導入後長く使用されている設備ではこの診断が欠かせない。こうした設備診断で部分放電等が生じているのを検出するため、従来、放電でSFが分解された分解ガスを検出できる検知管(ガスチェッカー)が使用されている。しかし、検知管は定量性や感度が悪く、これを使って部分放電をリアルタイムに検出するのは困難であった。オンラインの制御には利用できない。部分放電が広がった時点で始めて検出可能になるものである。管理も冷蔵庫によって保管しなければならず、使い捨てで費用がかかるものであった。そこで、固体電解質を利用したSF分解ガスセンサが提案された(特許文献1参照)。
このSF分解ガスセンサは、検出電極、フッ素イオン導電性の固体電解質、対向電極からなり、両電極は固体電解質を間に挟んで密着して設けられる。検出を行うときは、検出電極がSF分解ガスと接触するように被検出ガスの雰囲気中に設置し、検出電極と対向電極の間に直流電圧を印加する。この直流電圧の印加により検出電極で電極反応が生じて含フッ素ガスが電気分解され、このときの電気分解により生じる起電圧に基づく電流を、信号出力として電流計で検出し、この電流値から含フッ素ガス濃度を知るものである。しかし、このSF分解ガスセンサは反応感度に大きなバラツキがあって信頼性に欠け、感度は0.2ppm程度が限界であった。しかも応答が遅いという弱点もあった。従って、この固体電解質を利用したガス検出装置によって部分放電を初期の段階で検知するのは、難しいものであった。
このほか、GIS内で部分放電が発生したときに、外部に電磁波が漏れるのを利用して部分放電を検知する技術も提案されている(特許文献2参照)。これは、漏れた電磁波をアンテナで検出し、バンドパスフィルタを通し、増幅後にコンパレータで比較し、基準レベルを越えたときブザー等を鳴動させるものである。しかしながら、変電設備ではノイズが発生し易く、誤判定を起こす可能性が高かった。
このように、高電圧電気機器の絶縁ガスの分解を検知するセンサとして多くの種類が提案されているが、高感度で信頼性の高いセンサは未だ提案されていない。また、このような高感度のセンサが存在していないこともあり、GIS内で微量にしか発生しない分解ガスが、実際にどのような組成を有し、部分放電等でどのような反応が起こっているのか、あまり解明されていない状況にある。
ところで、近年のカーボンナノチューブの研究から、カーボンナノチューブ(以下、CNT)をガスセンサに応用することが注目されている。ガス分子が半導体CNTに吸着すると両者間で電荷移動を起こし、半導体CNTの電気的特性(コンダクタンス、キャパシタンス)が変化するため、CNTガスセンサはこの現象を利用してガスを検知するものである。しかし、ガスの中でも、半導体CNTとの間で電荷移動が大きいガスだけが、実際にセンサとして有効となる。現在、CNTで検出可能性ありと報告されているのは、NH、NO、水蒸気、エタノール、CO、CO、C等の数種類のガスにすぎない。
ただCNTセンサの構造については、こうした困難が比較的少ないためか、例えば多数の半導体CNTを直接センサ電極上で成長させたCNTセンサや、予め生成した多数の半導体CNTを溶媒に分散して電極間に塗布、乾燥させてランダムに集積したCNTセンサ等が提案されている(特許文献3参照)。しかし、両センサとも、ナノサイズの半導体CNTを自在に操れないために、直接電極で成長させ、また塗布を行っている。
なお、このような微小な物体の操作方法として、本発明者は、従来微生物等の微小物体を操作するDEPIM(Dielectrophoretic Impedance Measurement Method)法を提案している(特許文献4)。このDEPIM法は、不平等電界で分極した微小物体を誘電泳動力によりマイクロ電極に捕集するものである。
特開2003−66001号公報 特開2002−116235号公報 特開2003−227808号公報 特開2003−224号公報
以上説明したように、高電圧電気機器の絶縁ガスの分解を検知するセンサとしていくつかのセンサが提案されているが、高感度で信頼性が高く、製造の容易なガスセンサは未だ提案されていない。そして、このようなセンサが存在していない以上、微量にしか発生しない分解ガスが、実際にどのような組成を有し、それ故高電圧電気機器内で部分放電等によりどのような反応が起こっているのか、十分に解明されていない状況にある。
提案の1つであるSF分解ガスセンサは、その生産過程において使用原材料や生産工程に十分な管理を施しても、性能とくに一定濃度のフッ素水素ガスに対する反応感度に大きなバラツキが生じる。このバラツキが製造上避けられないため、そのままではフッ素ガス量を正確に測定することができず、規格に合格する反応感度を得るため製造上の歩留まりがきわめて低いという問題があった。それ故、部分放電の発生箇所の検出など難しく、応答も遅く、システム制御することはできない。また、電磁波を検出するセンサもノイズで誤判定を起こし、高感度、高信頼性のセンサを得るにはどうしても限界がある。
また、半導体CNTが絶縁ガスの分解ガスを検出可能か否か、他のガスセンサと比較してさらに高感度の出力が可能か否か、等の点は解明されていない。半導体CNTセンサの製造に関しても、従来のCNTガスセンサは、製造が容易でなく高コストとなる。また、予め生成したCNTを溶媒に分散して塗布するCNTガスセンサは、CNTの向きがランダムで不揃いのためバラツキが多く、正確な検出ができない、という問題があった。
そこで本発明は、高圧電気機器内で部分放電よって絶縁ガスが分解したときに、水分が存在する場合でもその位置を直ちに特定できる高感度で安価な絶縁ガス分解検出装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、高電圧電気機器の絶縁ガスの分解ガスに対して、水分が存在する場合でも高感度で高速に応答し、高電圧電気機器内の部分放電の位置を判定できる分解ガス検出方法を提供することを目的とする。
本発明の絶縁ガス分解検出装置は、交流電圧印加時に不平等電界を発生する電界集中用縁部がそれぞれに設けられた一対の電極と、半導体カーボンナノ材料が正の誘電泳動力によって集積されかつこのときの電界に従った形態の架橋構造をなした検出部とを備え、高電圧電気機器内に所定間隔で複数配置されると共に、高電圧電気機器に封入された絶縁ガスが部分放電により反応を起こしたときに生成される分解ガスを検出部で検出し、絶縁ガスにSF ガスが含まれかつ水分が含まれる場合には、半導体カーボンナノ材料への吸着で電極からHF又はSO ガスによるインピーダンス変化の出力を行うガス絶縁機器用分解ガスセンサと、ガス絶縁機器用分解ガスセンサにそれぞれ電圧を印加するための電源と、該電圧が印加されたとき各ガス絶縁機器用分解ガスセンサのインピーダンス変化をそれぞれ検出する測定部と、制御部によって、基準値以上のインピーダンス変化を出力したガス絶縁機器用分解ガスセンサの位置を基に部分放電が発生した位置判定することを主要な特徴とする。
本発明の絶縁ガス分解検出装置によれば、高圧電気機器内で絶縁ガスが分解したときに、その位置を直ちに特定できる。本発明の分解ガス検出方法によれば、高電圧電気機器の絶縁ガスの分解ガスに対して、水分が含まれる場合も含めて高感度で高速に応答し、ppbオーダのガス濃度まで検知できるので高電圧電気機器内の部分放電の位置を判定することができる。
本発明の第1の形態は、交流電圧印加時に不平等電界を発生する電界集中用縁部がそれぞれに設けられた一対の電極と、半導体カーボンナノ材料が正の誘電泳動力によって集積されかつこのときの電界に従った形態の架橋構造をなした検出部とを備え、高電圧電気機器内に所定間隔で複数配置されると共に、高電圧電気機器に封入された絶縁ガスが部分放電により反応を起こしたときに生成される分解ガスを検出部で検出し、絶縁ガスにSF ガスが含まれかつ水分が含まれる場合には、半導体カーボンナノ材料への吸着で電極からHF又はSO ガスによるインピーダンス変化の出力を行うガス絶縁機器用分解ガスセンサと、ガス絶縁機器用分解ガスセンサにそれぞれ電圧を印加するための電源と、該電圧が印加されたとき各ガス絶縁機器用分解ガスセンサのインピーダンス変化をそれぞれ検出する測定部と、制御部によって、基準値以上のインピーダンス変化を出力したガス絶縁機器用分解ガスセンサの位置を基に部分放電が発生した位置判定することを特徴とする絶縁ガス分解検出装置であり、カーボンナノ材料は電界方向に向くのが基本で、ガス絶縁機器用分解ガスセンサはこの架橋構造によって高速に応答し、水分が含まれる場合も含めて高感度の検出が可能であり、常温で使用でき、ppbオーダのガス濃度まで検知できるので高い検出精度で高電圧電気機器内の部分放電の位置を判定でき、実際の高圧電気機器の異常を事前に発見することができる。電極に電界集中用縁部を設けて電気力学的に誘電泳動で操作するので安価に製造でき、小型で、簡単に電気的出力を得ることができ、繰り返し利用することができる。
本発明の第の形態は、第の形態に従属する形態であって、ガス絶縁機器用分解ガスセンサがインピーダンス変化としてコンダクタンス変化を出力することを特徴とする絶縁ガス分解検出装置であり、高感度で応答がきわめて速いセンサにすることができる。
本発明の第の形態は、第の形態に従属する形態であって、ガス絶縁機器用分解ガスセンサがインピーダンス変化としてキャパシタンス変化を出力することを特徴とする絶縁ガス分解検出装置であり、コンダクタンス変化の出力と同様に高感度で応答がきわめて速いセンサにすることができる。
本発明の第の形態は、第の形態に従属する形態であって、ガス絶縁機器用分解ガスセンサの電極が絶縁基板上に設けられた薄膜電極であって、電界集中用縁部が該電極のそれぞれに形成された突出部のエッジであることを特徴とする絶縁ガス分解検出装置であり、小型、薄型の電極とすることができ、製造が容易である。
本発明の第の形態は、交流電圧印加時に不平等電界を発生する電界集中用縁部がそれぞれに設けられた一対の電極と、半導体カーボンナノ材料が正の誘電泳動力によって集積されかつこのときの電界に従った形態の架橋構造をなした検出部とを備え、高電圧電気機器内に所定間隔で複数配置されると共に、高電圧電気機器に封入された絶縁ガスが部分放電により反応を起こしたときに生成される分解ガスを検出部で検出し、絶縁ガスにSF ガスが含まれかつ水分が含まれる場合には、架橋構造を有する半導体カーボンナノ材料への吸着で電極からHF又はSO ガスによるインピーダンス変化の出力を行うガス絶縁機器用分解ガスセンサを高電圧電気機器の絶縁ガス中に所定間隔で複数配置し、ガス絶縁機器用分解ガスセンサに、絶縁ガスから発生した分解ガスを半導体カーボンナノ材料と反応させ、検出部のインピーダンス変化によって分解ガスを検出し、部分放電の位置を検出することを特徴とする分解ガス検出方法であり、水分が含まれる場合も含めて分解ガスに対して高感度で高速に応答することができ、ppbオーダのガス濃度まで検知できるので複数箇所に設置して部分放電が起きた位置を検出することができ、繰り返し利用することができる。
以下、本発明の実施例1のガス絶縁機器用分解ガスセンサと絶縁ガス分解検出装置、分解ガス検出方法について説明をする。このガス絶縁機器用分解ガスセンサと、絶縁ガス分解検出装置は、通常は存在しない分解ガスが発生すると、直ちにこれを検出することにより、GIS等に局所的に発生した異常が全体へ広がっていく前に発見することができる。ガス絶縁機器用分解ガスセンサはGIS内に分散して複数配置されるため、部分放電等の近傍に設けられたガス絶縁機器用分解ガスセンサがこれを検出し、部分放電等を予兆段階で検知できるものである。
図1は本発明の実施例1におけるガス絶縁機器用分解ガスセンサの説明図、図2は本発明における誘電泳動によって電極間に集積されたカーボンナノ材料のSEM写真、図3は本発明における集積されたカーボンナノ材料のコンダクタンスの温度依存性を示すグラフ、図4(a)は本発明の実施例1におけるガス絶縁機器用分解ガスセンサを装着してガス検出するガス測定装置の構成図、図4(b)は(a)のガス測定装置に複数のガス絶縁機器用分解ガスセンサを設置した説明図、図5は本発明の実施例1における分解ガス発生模擬装置の説明図である。図6は本発明におけるSF中で発生した放電に対するコンダクタンスの経時変化を示すグラフ、図7(a)は本発明におけるカーボンナノ材料のNHに対するコンダクタンス変化を示すグラフ、図7(b)は本発明における集積されたカーボンナノ材料のNHに対するキャパシタンス変化を示すグラフ、図8(a)は本発明におけるカーボンナノ材料のNOに対するコンダクタンス変化を示すグラフ、図8(b)は本発明におけるカーボンナノ材料のNOに対するキャパシタンス変化を示すグラフ、図9(a)は本発明におけるカーボンナノ材料のNHのコンダクタンス変化と濃度との関係を示すグラフ、図9(b)は本発明におけるカーボンナノ材料のNOのコンダクタンス変化と濃度との関係を示すグラフである。また、図10は本発明におけるガス絶縁機器用分解ガスセンサとHF検知管の応答比較グラフ、図11は本発明におけるガス絶縁機器用分解ガスセンサとSOガスセンサの応答比較グラフ、図12は本発明におけるカーボンナノ材料のSFガス、Nガス、空気中で発生した放電に対するコンダクタンス変化を示すグラフ、図13は本発明の電極からの地点ごとに測定した放電時の経時変化のグラフ、図14は本発明の実施例1におけるガスセンサ製造装置の構成図である。
図1において、1はGIS等の高電圧電気機器に封入されたSFガス、Nガス、空気等の分解ガスを検出するためのチップ状のガス絶縁機器用分解ガスセンサ、1a,1bはキャッスルウォール型電極、櫛歯型電極等の形状を備えたガス絶縁機器用分解ガスセンサ1を構成する一対の電極、2はCNTやカーボンナノホーン、カーボンナノオニオン、カーボンナノファイバ、フラーレン等の半導体カーボンナノ材料(以下、カーボンナノ材料)、3a,3bは誘電泳動を実施可能にする不平等電界を発生する屈曲した縁部(以下、エッジ)等の電界集中用縁部、4は絶縁基板、5a,5bは電極1a,1bの接続端子である。カーボンナノ材料2が本発明の実施例1における検出部に相当する。
絶縁ガスは、実施例1においてはSFガスであるが、このほか、GIS等で使用される上述のNガス、空気、さらにSFガスとNガス及び/またはCOガス等の混合ガス等のガスである。従って、SFガス、Nガス、空気の中の1種、またはこの1種を主成分として2種以上を混合した、若しくは、SFガスとNガス及び/またはCOガスの混合ガスのように、Nガス,COガスを混合したようなガスが絶縁ガスとして対象となる。
しかし、このような絶縁ガスの分解ガスが、部分放電等によってどのような反応で、どのような組成に生成されるのかについては、現在、実験的及び理論的に十分解明されていない。従って、分解ガスに対して裏付けある正確な説明は難しく、概要だけのための説明になってしまうが、SFガスの分解ガスは、おおむね次のようなものと推測される。1つめは、SFガスと金属との反応で生成されるガス、2つめは水分との反応で生成されるガスである。1つめの反応は、相手の金属次第で多様であるが、例えばSF+Cu→SF+CuF、3SF+W→WF+3SF等が考えられる。2つめの反応は、例えばSF+HO→SOF+2HF、SOF+HO→SO+2HF等が考えられる。従って、SFガスの分解ガスには、SOF、HF、SF、SO等のようなガスが含まれていると推測される。絶縁ガスがNガス、空気の場合には、O3、NO、NOなどの分解ガスを形成すると考えられる。
次に、実施例1におけるカーボンナノ材料2について説明する。本発明で用いるカーボンナノ材料2は、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノホーン、カーボンナノオニオン、カーボンナノファイバ、フラーレンなどの総称であり、炭素原子が球状、円筒状、円錐状などを含む様々な形状で結合してナノメートル(10−9m)スケールの大きさの構造を成した物質全般を意味する。なお、「ナノ」とはあくまで材料の構成単位に着目した際の呼称であり、これらが複数凝集するなどしてミクロンスケール(10−6m)の状態であっても、カーボンナノ材料2に含めて考えることができる。また、主たる構成元素は炭素であるが、その構造や物性を制御する目的で、炭素以外の元素を含む物質もカーボンナノ材料に含まれる。カーボンナノ材料2は、一旦エタノール等の溶媒に混合し、この懸濁液中の電極1a,1bへ交流電圧を印加し、これによって発生する不平等電界の中で電界強度が最も大きくなる電界集中用縁部3a,3b間に誘電泳動によって集積したものである。なお、誘電泳動によるこの製造方法については後で詳述する。集積後に溶媒が蒸散され、架橋された状態で絶縁基板4上に物理吸着される(図2の写真参照)。実験によれば、カーボンナノ材料2は図3に示すように温度依存性を示し、図示はしないが電圧―電流特性も非線形性を有しており、半導体としての性質を有している。半導体性を示すカーボンナノ材料2には、シリコン系の半導体と同様に、主電流キャリアがホールであるp型と電子であるn型が存在することが知られている。どちらの型にするかは、カーボンナノ材料の構造や他元素のドープにより制御することが可能である。例えばKやRb等をドーピングすることによりn型半導体にすることができる。カーボンナノ材料2はCVD法、熱分解法など、どのような作製方法で作製したものでもよい。また、これらの方法によって電極1a,1b上に直接カーボンナノ材料を成長させることができる場合は、誘電泳動による集積化は必ずしも必要ではない。このようなカーボンナノ材料2の集積体の表面にSFガス等の分解ガスが吸着して電子の授受を行い、電極1a,1b間のインピーダンス変化として現れる。なお、カーボンナノ材料2が集まった集積体が本発明の検出部に相当する。
電極1a,1bについて説明すると、図1に示すキャッスルウォール型電極は、電極1a,1bの互いに対向する側に1ピッチ(例えば50μm〜100μm)おきに矩形の突出部が多数形成されたものであり、互いに1ピッチずらして例えば5μm〜10μm離して配設されたものである。電極1a,1bの突出部のエッジ部分が電界集中用縁部3a,3bであり、この電界集中用縁部3a,3b間にとくに電界が集中する。矩形に限らず、櫛歯状、鋸歯状のものなど多くの形状が利用できる。なお、櫛歯状の櫛歯型電極は、櫛のように歯(例えば30μm〜100μm幅)を形成された一対の電極が溝に入れ子状に挿入、組み合わされ、狭いギャップ(例えば5μm〜10μm幅)で対向した電極であり、主として厚さ方向のエッジ間に不平等電界が形成され、これによってカーボンナノ材料2が多数集積されるものである。
電極1a,1bはクロムや白金等の薄膜電極として構成し、ガラス、プラスチック、酸化シリコンなどの絶縁基板4にスパッタリングや蒸着、メッキ等で成膜し、フォトリソグラフィー等でエッチングして形成する。薄膜の厚さは50nm〜200nm程度のものが望ましい。なお、電極1a,1bの材質はクロムや白金に限らず、交流電圧を印加したとき電気分解が生じないイオン化傾向の小さい金属であればよい。なお、本発明の絶縁ガス分解検出装置のように多数同一のガスセンサを設置する場合には、接続端子5a,5bと接続できる専用の接続端子を設けるのが好適である。
続いて、高圧電気機器内で部分放電等で絶縁ガスが分解したときに、上述のガス絶縁機器用分解ガスセンサ1を複数使って、その分解した位置を直ちに特定できる実施例1の絶縁ガス分解検出装置について、図4(a)(b)に基づいて説明する。図4(a)において、6はガス絶縁機器用分解ガスセンサ1を装着して分解ガスを検出する絶縁ガス分解検出装置のガス測定装置、7はガス測定装置6で分解ガスを検出するGISやGCB等の交流または直流の高電圧電気機器である。ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1は図4(b)のように多数のガス絶縁機器用分解ガスセンサ1を備えている。また、実施例1のガス測定装置6は、測定時使用するだけでなく、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1の作製時に、カーボンナノ材料2を誘電泳動させるカーボンナノ材料泳動装置にそのまま利用できるものである。
11は電極1a,1b間に測定用の交流電圧を印加する電源部、12は電極1a,1b間のインピーダンスを測定することができる測定部、13はマイクロプロセッサ等から構成され、プログラムやデータを読み込んで機能し、少なくとも電源部11及び測定部12を制御するとともに演算を行う演算制御部(本発明の制御部)、14は表示部、15はプログラムやデータを記憶したメモリ部、15aは分解ガスのコンダクタンス変化の校正データを格納した校正データ部、16は計時部である。電源部11は直流または交流電源であり、電圧と周波数が演算制御部13によって制御される。本実施例1においては、電圧の振幅1V〜10V、交流の場合は更に周波数を1kHz〜10MHzの間で調整することができる。なお、実施例1では、交流電圧として正弦波を印加するが、ほぼ一定の周期で流れの向きを変える三角波、方形波等の電圧を意味し、正負両サイドの電流の平均値が等しいものである。
測定部12には1kΩ程度の電流検出用の抵抗が設けられ、図4(a)に示す電圧印加回路に直列に挿入されており、交流の場合は電流の大きさと電圧との位相差を測定して電極1a,1b間のインピーダンスをリアルタイムに算出している。これによりカーボンナノ材料2が分解ガスと反応して生じたインピーダンス変化のコンダクタンス成分(抵抗の逆数)とキャパシタンス成分を算出している。後で述べるように、分解ガスの検出にはコンダクタンス、キャパシタンスのどちらを用いてもよいが、実施例1においては、キャパシタンスは採用せず、コンダクタンスによる検出を行った場合について説明する。一方、直流電圧を用いる場合は、電流検出用の抵抗によって電流の大きさのみを測定して、電極1a,1b間のコンダクタンスをリアルタイムに算出する。このようにして測定したコンダクタンスを用い、校正データ部15aの校正データからガス濃度を求める。
なお、実際には、測定部12が検出したコンダクタンスの測定値には変動があり、限度を越えた変動が分解ガスの発生を意味する。そこで、予め部分放電が確認できるときのインピーダンス変化(ここではコンダクタンス変化)の限度となる基準値を取得しておき、これをメモリ部15に記憶し、演算制御部13は測定部12が検出したインピーダンス変化と基準値を比較し、基準値を越えたときに分解ガスが発生したと判定する。
ところで、実施例1の絶縁ガス分解検出装置は、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1が高圧電気機器の容器内に図4(b)に示すように所定間隔で複数配置されている。図4(b)ではA点、B点、C点、・・等の数箇所にガス絶縁機器用分解ガスセンサ1が配置されている。このA点、B点、C点、・・等で分解ガスの検知を継続して行い、ある時点にいずれか1箇所、例えばA点で測定したインピーダンス変化が基準値を越えたとき、演算制御部13はA点近傍で部分放電等が発生したと判定し、表示部14や図示しないブザー等の報知手段によって異常を報知する。これによって、高電圧電気機器で発生する部分放電等の異常を直ちに回避できる。
さて、以上、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1と絶縁ガス分解検出装置の構成に関して説明したが、以下、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1が分解ガスを検出するときの作用について説明する。分解ガスの測定は実機では難しいので、図5に示す分解ガス発生模擬装置を使って実施している。なお、図5に示す7aはガスを封入するタンク、41は部分放電、地絡や短絡による放電を模擬するコロナ放電用の電極、42は電極41から放電させるための60Hzの高電圧電源部である。ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1はコロナ放電用の電極からの距離が異なるA点、B点、C点に設けられている。高電圧電源部42は10kV〜50kVの間で電圧を調整することができる。図6は電極41で放電したときのA点におけるコンダクタンスの経時変化であるが、期間(period)Aは高圧電圧電源部42から電極41へ供給する電圧をONした期間、期間(period)Bは電極41へ供給する電圧をOFFした期間、期間(period)Cは電極41へ供給する電圧をONした期間を示す。放電電圧が高圧になればなるほど、各ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1のコンダクタンスが増加することが分る。
ところで絶縁ガスが分解すると、酸化性あるいは還元性の様々のガスを含んだ分解ガスが生成される。その組成は絶縁ガスごとに異なる。従って、少なくとも酸化性または還元性を示すガスが検出できれば、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1は分解ガスの発生を検出できることになる。そこで、組成が明確でない分解ガスを測定するために、予め性状が明白な酸化性ガスと還元性ガスを測定し、酸化性ガスか還元性ガスかを判定するための、基準となる応答と出力を把握しておかなければならない。
この測定は、室温で10ppmのNH(還元性ガス)とNO(酸化性ガス)に対して行った。ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1には周波数100kHz、振幅4Vの正弦波高周波電圧を印加した。初期状態としてArをチャンバに収容しておき、測定のためNHまたはNOと置換する。
このとき図7(a)(b)、図8(a)(b)に示すように、NHのコンダクタンスは急激に低下し、キャパシタンスは逆に急激に上昇する。これに対しNOでは逆にコンダクタンスが増加し、キャパシタンスは減少する。これは、カーボンナノ材料2がp型半導体であるためと考えられる。すなわち還元性のNH分子がカーボンナノ材料2に吸着すると、NH分子からカーボンナノ材料2に電子が移動し、カーボンナノ材料2のホール密度が低下し、これによってコンダクタンスが下がり、キャパシタンスは上がる。これに対し酸化性のNO分子が吸着すると、カーボンナノ材料2からNOに電子が移動し、ホール密度が上がり、コンダクタンスが上がり、キャパシタンスは下がるからである。n型半導体であれば逆の傾向を示すと考えられる。
このようにp型半導体のカーボンナノ材料2を使えば、分解ガスが酸化性ガスの場合はコンダクタンスが増加し、還元性ガスの場合にはコンダクタンスが減少する。なお、キャパシタンス変化を利用することもできるが、浮遊容量等が存在するのでコンダクタンス変化を測定するのが好適である。従って両者を含めインピーダンス変化として説明するが、以下コンダクタンス変化を中心に説明する。
さらに、ガス濃度を変えて同様の測定を繰り返し、コンダクタンスが安定状態で飽和するまでのコンダクタンス変化とガス濃度との関係を求め、これを図9のような校正曲線とすれば、コンダクタンス変化を測定することでガス濃度に換算できる。なお、NOではコンダクタンスが飽和しないために、代替値としてガス導入後安定化したとみなせる9分経過時のデータを用いている(図8(a)(b)参照)。検出下限はNOが10ppb、NHが100ppbである。
従って、p型半導体のカーボンナノ材料2で分解ガスの検出を行ったとき、コンダクタンスが減少した場合は還元性の強い分解ガスが発生したことを示し、コンダクタンスが増加した場合は酸化力の強い分解ガス発生したことを示している。また、飽和したなどの所定の時点のコンダクタンス変化を測定すれば、図9の校正曲線によってガス濃度を算出できることが分る。
次に、図5の分解ガス発生模擬装置とガス絶縁機器用分解ガスセンサ1を使って、絶縁ガス(1)SFガス、(2)Nガス、(3)空気のいずれかの絶縁ガス内で放電を起こしたとき発生する分解ガスのコンダクタンス変化について説明する。実験は、分解ガス発生模擬装置のタンク7aと電極41を使い、(1)SFガス、(2)Nガス、(3)空気の各絶縁ガスを室温下でそれぞれ封入して、電極41で放電して分解ガスを検知した。このうち(1)SFガスを検出する場合には、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1と同時に、HF検知管(ガスチェッカー)、SO検知管を使って、分解ガス中のHFとSOの検知を行い、比較した。
図10はガス絶縁機器用分解ガスセンサ1とHF検知管の双方の結果を示したものである。図10に示すように、コロナ開始電圧付近(実効値で9kV)の微弱な放電に対して、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1は直ちに反応している。その後1.2時間程度放電を続けたが、HF検知管は反応していない。その後、一旦電圧を下げ、SFガスの分解を促すために印加電圧を30kVに増加させると、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1は直ちに反応を開始して、当初のコンダクタンス変化の10倍程度に変化している。この放電に対して、HF検知管は長時間無応答が続き、分解ガスがかなり増加した2時間後に始めて反応した。
このときのガス絶縁機器用分解ガスセンサ1の応答は、コンダクタンス変化ΔG=30μSであり、HF検知管が検知したHF濃度は約1.8ppmであった。この測定装置のコンダクタンスの測定精度は1μSであるため、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1は1.8ppm/30=0.06ppm=60ppbのガス濃度のHFと同時に発生する酸化性分解ガスを検知できることが分る。このように、HFに換算した場合は、ppbオーダ(数ppb以上、少なくとも10ppb以上)の分解ガスを検出することが可能と考えられる。
同様に、図11によっても、コロナ開始電圧付近(実効値で9kV)で、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1は直ちに反応している。1.5時間程度放電を続けてもSO検知管は反応しない。その後、印加電圧を下げ、再度30kVに増加させると、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1は直ちに反応し、当初のコンダクタンス変化の10倍程度に変化している。SO検知管は長時間無応答が続き、分解ガスが増加した2時間後に反応している。
このときのガス絶縁機器用分解ガスセンサ1の応答はΔG=45μSであり、SO検知管が検知したSO濃度は約1.2ppmであった。この測定精度は1μSであるから、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1は1.2ppm/45=0.02ppm=20ppbのガス濃度のSOと同時に発生する酸化性分解ガスを検知できたことが分る。このように、SOに換算した場合は、1ppb程度のガス濃度を検出することが可能と考えられる。
さらに、図12は(1)SFガス、(2)Nガス、(3)空気に対するコンダクタンス変化を比較して示すものである。SFガスに対しては印加電圧11kV、Nガスに対しては8kV、空気に対しては11kVを印加している。図12の結果からみると、SFガスのコンダクタンス変化が最も低いが、Nガス、空気の分解ガスのコンダクタンス変化も正の変化であって相似に近い形状をしている。従って、Nガス及び空気中の放電で発生する分解ガスは、SFガス中の放電で発生する分解ガスとまったく同様に、酸化性であることが分り、校正曲線を作成すれば、コンダクタンス変化を測定することによってガス濃度を算出できることが分る。同様に、(1)SFガス、(2)Nガス、(3)空気の絶縁ガスのいずれか1種を主成分とし、他のガスを副成分として混合した絶縁ガスであっても、あるいは、Nガス、COガス等の絶縁ガスを副成分として、この中に含めて混合しても、同様に検出も濃度の算出も可能である。
ところで、絶縁ガス分解検出装置は、図4(b)のA点、B点、C点、・・のように、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1が高圧電気機器の絶縁ガス内に複数配置される。そこで、部分放電等の位置から離れるに従って、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1の応答がどのように変化するか説明する。測定は図5の分解ガス発生模擬装置で行った。
この測定においては、図5の電極41から、A点は5cm、B点は20cm、C点は40cmのところに配置した。放電のまわりでの測定点を増やすため不等ピッチにしている。図13によれば、電極41の付近で発生した分解ガスは電極41からの距離が大きくなるほどガスの拡散が起こり、分解ガスに対するコンダクタンスは低くなることが分る。従って、電極41で放電すると、A点のガス絶縁機器用分解ガスセンサ1がいち早く反応し、次にB点、最後にC点のガス絶縁機器用分解ガスセンサ1が反応する。そしていずれの箇所でも、放電の継続時間に比例してコンダクタンスは上昇する。
このように、絶縁ガス分解検出装置のガス絶縁機器用分解ガスセンサ1を多数配置したとき、部分放電に対して最短距離のものが反応し、このとき直ちに、この位置を部分放電の位置と判定すれば、GIS等の高電圧電気機器の異常診断が迅速に行える。また、拡散を利用して、2箇所のガス絶縁機器用分解ガスセンサ1のコンダクタンスが順に基準の値を越えたときに、この2箇所の間のどこかで部分放電が起こったと判断することができ、この場合、時間差を利用してガス絶縁機器用分解ガスセンサ1の数を減らすことも可能である。
ところで、以上説明した実施例1のガス絶縁機器用分解ガスセンサは、誘電泳動によって作成するものである。そこで、実施例1のガス絶縁機器用分解ガスセンサ1を作製するカーボンナノ材料泳動装置について説明する。
図14において、21は電極1a,1b間に誘電泳動を発生させるために交流電圧を印加する誘電泳動用の電源部、22は電極1a,1b間のインピーダンスを測定することができる測定部、23はマイクロプロセッサ等から構成され、プログラムやデータを読み込んで機能し、少なくとも電源部21及び測定部22を制御するとともに演算を行う演算制御部、24は表示部、25はプログラムやデータを記憶したメモリ部、25aは集積量と時間を収めたデータ部、26は計時部である。電源部21は誘電泳動をさせるため交流電源でなければならない。カーボンナノ材料泳動装置の以上説明した制御構成は、基本的にガス測定装置6と同一構成であり、本実施例1においては、ガス測定装置6をガス測定/誘電泳動制御装置6aとして共用している。
次に、27はエタノール等の溶媒にカーボンナノ材料2を懸濁させた懸濁溶媒を誘電泳動させるために導入するための泳動用チャンバである。28は懸濁させた懸濁溶媒を貯めた容器、29は懸濁溶媒を泳動用チャンバ27に送るポンプ、30は溶媒にカーボンナノ材料2を懸濁させために設けられた超音波振動を容器28に与える等の攪拌装置、31,32は電磁弁である。
このカーボンナノ材料泳動装置を使ってガス絶縁機器用分解ガスセンサ1を作製するときのプロセスを説明する。薄膜電極の電極1a,1bを絶縁基板4に形成し、容器28内の例えば濃度1μg/ml程度のエタノール中に予め作成しておいたカーボンナノ材料2、例えば直径20nm,長さ5nm〜20nmの多層CNT(純度95%)を注ぐ。演算制御部23が攪拌装置30を60分程度動作させ、カーボンナノ材料2を分散させる。この状態で、データ部は電磁弁31,32を開きポンプ29を運転し、懸濁液を15μl程度の容積の泳動用チャンバ27内に送る。次いで電極1a,1b間に高周波数の電圧を印加し、発生する不平等電界によって誘電泳動を開始する。このタイミングから計時部26がカウントを開始する。計時部26による時間の測定とともに、測定部22で電流を測定する。演算制御部23は、ガス絶縁機器用分解ガスセンサ1の予定の集積量に対応した所定の時間をデータ部25aから読み出して、カウントアウトしたら電源部21を停止し、ポンプ29を止め、落水後に電磁弁31,32を閉止する。泳動用チャンバ27内を室温のまま空気を循環させ、比較的短時間にエタノールを蒸散させる。乾燥後、カーボンナノ材料2が集積されて架橋されたガス絶縁機器用分解ガスセンサ1を取り出す。このように誘電泳動する時間を管理することでカーボンナノ材料2の集積量をコントロールでき、高感度のガス絶縁機器用分解ガスセンサ1の作製を容易に行える。
ところで、誘電泳動力FDEPは複素数表現でFDEP=2πε・a・Re[K]▽Eで表現できる。ここに、ε:懸濁液の誘電率、a:球形近似したときのカーボンナノ材料の半径、Re[K]:微小物体と懸濁液の複素誘電率に依存するパラメータ、E:電界強度である。このRe[K]は、誘電泳動に用いる電界の周波数fをパラメータとして、正負に変化する。特定の周波数域、例えば10kHz〜1MHzで正の誘電泳動力が働き、それ以外では負の誘電泳動力が働く、といった性格を有す。従って周波数を選んで、正の最大の誘電泳動力FDEPを作用させてカーボンナノ材料2を集積する必要がある。
カーボンナノ材料2にはフラーレンのような球体近似できるものもあるが、概ねナノサイズで長尺の繊維状のものが多い。しかし、実験によればいずれも同様に操作可能であり、カーボンナノ材料泳動装置では、正の誘電泳動力を用い、分極した物体を電界が最大となる領域に移動させることができる。周波数は実験的に定めればよい。実施例1においては、周波数100kHz、電圧の振幅5Vで誘電泳動させている。なお、カーボンナノ材料2ごとに、このような周波数、電圧の振幅を設定し、誘電泳動時間と集積量の関係をデータ部25aに格納しておく。
このように実施例1のガス絶縁機器用分解ガスセンサ1は、電気力学現象である誘電泳動を利用してカーボンナノ材料2をマイクロ電極上に容易に集積し、電極1a,1b間に容易に架橋を形成することができ、低コストでガス絶縁機器用分解ガスセンサ1を容易に製造することができる。実施例1のガス絶縁機器用分解ガスセンサ1は、10ppb以下のガスを常温で高速度、高精度に検出することができる。
そして、このガス絶縁機器用分解ガスセンサ1は、GIS等内に通常は存在しない分解ガスが発生すると直ちにこれを検出し、GIS等の異常を事前に発見することができるものである。従来の固体電解質を使ったガスセンサは常温では検出感度が悪く、ヒータで400℃程度に加熱して使用しなければならず、しかも応答が非常に遅いものであるが、このガス絶縁機器用分解ガスセンサ1は常温で使用でき、高感度で応答がきわめて速く、製造が容易で安価であり、小型で、簡単に電気的出力を得ることができ、繰り返し利用することができる。
また、本発明の絶縁ガス分解検出装置は、高圧電気機器内で絶縁ガスが分解したときに、分解した位置を直ちに特定できる。
本発明は、安価で高速に応答し、検出精度が高く、製造が容易なガスセンサ、とくに変電設備の異常を予兆段階で事前に発見するガス絶縁機器用分解ガスセンサに適用できる。とそれを使ってGIS等の高電圧電気機器の異常診断を行える絶縁ガス分解検出装置に適用できる。
本発明の実施例1におけるガス絶縁機器用分解ガスセンサの説明図 本発明における誘電泳動によって電極間に集積されたカーボンナノ材料のSEM写真 本発明における集積されたカーボンナノ材料のコンダクタンスの温度依存性を示すグラフ (a)本発明の実施例1におけるガス絶縁機器用分解ガスセンサを装着してガス検出するガス測定装置の構成図、(b)(a)のガス測定装置に複数のガス絶縁機器用分解ガスセンサを設置した説明図 本発明の実施例1における分解ガス発生模擬装置の説明図 本発明におけるSF中で発生した放電に対するコンダクタンスの経時変化を示すグラフ (a)本発明におけるカーボンナノ材料のNHに対するコンダクタンス変化を示すグラフ、(b)本発明における集積されたカーボンナノ材料のNHに対するキャパシタンス変化を示すグラフ (a)本発明におけるカーボンナノ材料のNOに対するコンダクタンス変化を示すグラフ、(b)本発明におけるカーボンナノ材料のNOに対するキャパシタンス変化を示すグラフ (a)本発明におけるカーボンナノ材料のNHのコンダクタンス変化と濃度との関係を示すグラフ、(b)本発明におけるカーボンナノ材料のNOのコンダクタンス変化と濃度との関係を示すグラフ 本発明におけるガス絶縁機器用分解ガスセンサとHF検知管の応答比較グラフ 本発明におけるガス絶縁機器用分解ガスセンサとSO検知管の応答比較グラフ 本発明におけるカーボンナノ材料のSFガス、Nガス、空気中で発生した放電に対するコンダクタンス変化を示すグラフ 本発明の電極からの地点ごとに測定した放電時の経時変化のグラフ 本発明の実施例1におけるガスセンサ製造装置の構成図
符号の説明
1 ガス絶縁機器用分解ガスセンサ
1a,1b 電極
2 カーボンナノ材料
3a,3b 電界集中用縁部
4 絶縁基板
5a,5b 接続端子
6 ガス測定装置
6a ガス測定/誘電泳動制御装置
7 検出対象装置
11,21 電源部
12,22 測定部
13,23 演算制御部
14,24 表示部
15,25 メモリ部
15a 校正データ部
16,26 計時部
25a データ部
27 泳動用チャンバ
28 容器
29 ポンプ
30 攪拌装置
31,32 電磁弁
41 電極
42 高電圧電源部

Claims (5)

  1. 交流電圧印加時に不平等電界を発生する電界集中用縁部がそれぞれに設けられた一対の電極と、半導体カーボンナノ材料が正の誘電泳動力によって集積されかつこのときの電界に従った形態の架橋構造をなした検出部とを備え、高電圧電気機器内に所定間隔で複数配置されると共に、前記高電圧電気機器に封入された絶縁ガスが部分放電により反応を起こしたときに生成される分解ガスを前記検出部で検出し、前記絶縁ガスにSF ガスが含まれかつ水分が含まれる場合には、前記半導体カーボンナノ材料への吸着で前記電極からHF又はSO ガスによるインピーダンス変化の出力を行うガス絶縁機器用分解ガスセンサと、
    前記ガス絶縁機器用分解ガスセンサにそれぞれ電圧を印加するための電源と、
    該電圧が印加されたとき各ガス絶縁機器用分解ガスセンサのインピーダンス変化をそれぞれ検出する測定部と、
    前記制御部によって、基準値以上のインピーダンス変化を出力したガス絶縁機器用分解ガスセンサの位置を基に部分放電が発生した位置判定することを特徴とする絶縁ガス分解検出装置。
  2. 前記ガス絶縁機器用分解ガスセンサが前記インピーダンス変化としてコンダクタンス変化を出力することを特徴とする請求項記載の絶縁ガス分解検出装置
  3. 前記ガス絶縁機器用分解ガスセンサが前記インピーダンス変化としてキャパシタンス変化を出力することを特徴とする請求項記載の絶縁ガス分解検出装置
  4. 前記ガス絶縁機器用分解ガスセンサの前記電極が絶縁基板上に設けられた薄膜電極であって、前記電界集中用縁部が該電極のそれぞれに形成された突出部のエッジであることを特徴とする請求項記載の絶縁ガス分解検出装置
  5. 交流電圧印加時に不平等電界を発生する電界集中用縁部がそれぞれに設けられた一対の電極と、半導体カーボンナノ材料が正の誘電泳動力によって集積されかつこのときの電界に従った形態の架橋構造をなした検出部とを備え、高電圧電気機器内に所定間隔で複数配置されると共に、前記高電圧電気機器に封入された絶縁ガスが部分放電により反応を起こしたときに生成される分解ガスを前記検出部で検出し、前記絶縁ガスにSF ガスが含まれかつ水分が含まれる場合には、前記半導体カーボンナノ材料への吸着で前記電極からHF又はSO ガスによるインピーダンス変化の出力を行うガス絶縁機器用分解ガスセンサを高電圧電気機器の絶縁ガス中に所定間隔で複数配置し、前記ガス絶縁機器用分解ガスセンサに、前記絶縁ガスから発生した分解ガスを前記半導体カーボンナノ材料と反応させ、前記検出部のインピーダンス変化によって分解ガスを検出し、部分放電の位置を検出することを特徴とする分解ガス検出方法。
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