JP2006220513A - 標的検出装置及びその製造方法、並びに、標的検出方法 - Google Patents

標的検出装置及びその製造方法、並びに、標的検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 室温での安定動作に優れ、カーボンナノチューブをチャネルに用いた単一電子デバイスを利用し、生体物質等の各種標的をノイズが少なく高感度に検出可能で、単一電子センシングデバイスに特に好適な標的検出装置及びその効率的な製造方法、並びに、該標的検出装置を用いた標的検出方法の提供。
【解決手段】 格子欠陥を少なくとも2個含む炭素系線状構造体と、該炭素系線状構造体に含まれる前記格子欠陥を少なくとも2個挟むように配置した第1の電極及び第2の電極と、前記炭素系線状構造体に対し電界効果を与える第3の電極と、前記炭素系線状構造体と相互作用可能、かつ検出標的を捕捉可能であり、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥の非存在部位に、前記炭素系線状構造体との相互作用により固定された標的捕捉体とを有してなることを特徴とする標的検出装置などである。
【選択図】 図9A

Description

本発明は、室温での安定動作に優れ、自己組織的ナノ構造体であるカーボンナノチューブをチャネルに用いた単一電子デバイスを利用し、病原物質、生体物質、有毒物質等の各種標的をノイズが少なく高感度に検出可能で、更にはこれらの定性や定量を行うこともでき、バイオセンサーやガスセンサー、定性装置、定量装置などに好適な標的検出装置及びその効率的な製造方法、並びに、該標的検出装置を用いた標的検出方法に関する。
単一電子デバイス(例えば、単一電子トランジスタなど)は、トンネル接合で接続された静電容量の小さいキャパシタでの電子1個の変化を、超高感度、しかも低消費電力で検出することができる。
カーボンナノチューブは、炭素原子からなるグラファイトシート(グラフィン)を、直径0.4〜10nm程度の円筒状に丸めた自己組織的構造である。前記カーボンナノチューブは、微細な炭素系線状構造体であり、カイラリティー(円筒の巻き方)の違いによって金属的にもなるし半導体的にもなる電気特性を有する。
前記カーボンナノチューブの側壁に、何らかの方法により欠陥が形成された場合、この欠陥はナノオーダーの微細な欠陥であるため、トンネル接合としての機能を有する。したがって、カーボンナノチューブの側壁に、少なくとも2個の欠陥が形成されると、トンネル接合でアイソレートされたアイランド(微細な島形状部分)が形成されるため、前記単一電子デバイスに好適に使用可能であることが知られている(特許文献1参照)。
前記特許文献1に記載のカーボンナノチューブを用いた単一電子デバイスは、室温での安定動作に優れ、光リソグラフィやCVDなどを用いて安価にかつ量産可能であるため、センシング機能を付加することができれば、室温での安定動作に優れ、超高感度に標的を検出可能なセンシングデバイスを安価にかつ量産することができる。
しかし、前記特許文献1には、カーボンナノチューブを用いた単一電子デバイスのセンシングデバイスへの応用については何ら開示されていない。
また、前記単一電子デバイスにセンシング機能を付加する場合、該デバイスにおけるセンシング部(検出標的を検知する箇所)の選択が困難であるという問題がある。
前記センシング部を設ける箇所としては、前記単一電子デバイスにおいて、例えば、カーボンナノチューブ(チャネル)上や、前記単一電子デバイスが単一電子トランジスタである場合のゲート電極上などが挙げられるが、単一電子デバイスの有する感度特性を最大限に生かすことができる点で、前者の方が有利である。
しかし、チャネルとしてのカーボンナノチューブ上であってトンネル接合として機能する欠陥部分にセンシング部が設けられると、電流パスが形成され、単一電子特性が消失低下するという問題がある。また、この問題を解決するために、前記欠陥部分には何ら影響を与えることなく、該欠陥でアイソレートされたアイランドにのみ、選択的にセンシング部を設けることは困難である。
そこで、室温での安定動作に優れ、自己組織的ナノ構造体であるカーボンナノチューブをチャネルに用いた単一電子デバイスを利用し、ノイズが少なく高感度に標的を検出可能なセンシングデバイス及びその効率的な製造方法の提供が望まれている。
特開2003−338621号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、室温での安定動作に優れ、自己組織的ナノ構造体であるカーボンナノチューブをチャネルに用いた単一電子デバイスを利用し、病原物質、生体物質、有毒物質等の各種標的をノイズが少なく高感度に検出可能で、更にはこれらの定性や定量を行うこともでき、バイオセンサーやガスセンサー、定性装置、定量装置などに好適な標的検出装置及びその効率的な製造方法、並びに、該標的検出装置を用い、高感度かつ簡便に標的を検出可能な標的検出方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題に鑑み、鋭意検討を行った結果、以下の知見を得た。即ち、自己組織的構造をとるカーボンナノチューブ等の炭素系線状構造体をチャネルに用いた微細な構造を有する単一電子トランジスタを利用することにより、ノイズが少なく高感度に各種標的を検出することができ、特に、前記炭素系線状構造体に格子欠陥が存在しても、前記炭素系線状構造体における炭素6員環との相互作用により、前記格子欠陥の非存在部位に標的捕捉体を容易に固定させることができ、単一電子特性が消失低下されない標的検出装置を効率的に得ることができるという知見である。
本発明は、本発明者の前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、後述の(付記1)から(付記34)に記載の通りである。即ち、
本発明の標的検出装置は、格子欠陥を少なくとも2個含む炭素系線状構造体と、該炭素系線状構造体に含まれる前記格子欠陥を少なくとも2個挟むように配置した第1の電極及び第2の電極と、前記炭素系線状構造体に対し電界効果を与える第3の電極と、前記炭素系線状構造体と相互作用可能、かつ検出標的を捕捉可能であり、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥の非存在部位に、前記炭素系線状構造体との相互作用により固定された標的捕捉体と、を有してなることを特徴とする。該標的検出装置においては、前記炭素系線状構造体中に格子欠陥が少なくとも2個含まれている。この格子欠陥により囲まれたアイランド状の炭素系線状構造体は他と電気的にアイソレイトされており、該炭素系線状構造体においては該格子欠陥により囲まれたアイランド状の炭素系線状構造体が存在し、トンネル接合が複数個直列に接続されている。また、前記炭素系線状構造体に対し電界効果を与える第3の電極が、前記第1の電極及び前記第2の電極から電気的に絶縁された状態で形成されている。更に、前記炭素系線状構造体と相互作用可能、かつ検出標的を捕捉可能であり、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥の非存在部位に、前記炭素系線状構造体との相互作用により前記標的捕捉体が固定されている。このため、前記第1の電極をソース電極として、前記第2の電極をドレイン電極として、前記第3の電極をゲート電極として、それぞれ機能させると、単一電子トランジスタが形成され、前記標的捕捉体に前記検出標的が捕捉されると、前記ゲート電極の電流・電圧特性に変化が生じ、該変化を検知することにより、前記標的検出装置は、単一電子の標的検出装置として機能する。
なお、本発明の前記標的検出装置においては、前記標的捕捉体が、炭素系線状構造体と相互作用可能な相互作用部と、検出標的を捕捉可能な捕捉部とを有し、前記相互作用部がπ−πスタッキングにより前記炭素系線状構造体と相互作用可能であると、チャネルとしての前記炭素系線状構造体に、前記標的捕捉体を自己組織的に固定させることができる。このとき、前記標的捕捉体における相互作用部が、π共役結合を有する芳香族化合物を構造の一部に少なくとも含むのが好ましく、該芳香族化合物が縮合多環芳香族炭化水素であり、該縮合多環芳香族炭化水素がピレン、トリフェニレン、クリセン、及びテトラセンから選択される少なくとも1種であるのがより好ましい。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、室温での安定動作に優れ、自己組織的ナノ構造体であるカーボンナノチューブをチャネルに用いた単一電子デバイスを利用し、病原物質、生体物質、有毒物質等の各種標的をノイズが少なく高感度に検出可能で、更にはこれらの定性や定量を行うこともでき、バイオセンサーやガスセンサー、定性装置、定量装置などに好適な標的検出装置及びその効率的な製造方法、並びに、該標的検出装置を用いた標的検出方法を提供することができる。
(標的検出装置)
本発明の標的検出装置は、炭素系線状構造体と、該炭素系線状構造体に含まれる格子欠陥を少なくとも2個挟むように配置した第1の電極及び第2の電極と、前記炭素系線状構造体に対し電界効果を与える第3の電極と、検出標的を捕捉可能な標的捕捉体とを有してなり、更に必要に応じて、その他の部材を有してなる。
−炭素系線状構造体−
前記炭素系線状構造体としては、内部にトンネル接合が複数個直列に接続されている構造のものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、格子欠陥を少なくとも2個含む炭素系線状構造体、などが好適に挙げられる。
前記格子欠陥としては、格子欠陥で囲まれた前記炭素系線状構造体の領域がアイランドとして機能する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、炭素原子の欠落、変形、他の不純物原子との置換などが挙げられ、低電圧でトンネリングが可能な微細な障壁になる点でこれらの中から選択されるものが好ましい。
本発明において、前記炭素系線状構造体の中に、前記格子欠陥で囲まれ、アイランドとして機能する前記炭素系線状構造体の領域の数としては、1以上であり、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
前記炭素系線状構造体の前記格子欠陥で囲まれた領域は、導電性材料(アイランド)として機能する。
前記炭素系線状構造体における前記アイランドの間隔については、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、室温下で単電子特性を安定に動作させることができる点で、1nm〜10nmが好ましく、1nm〜3nmがより好ましい。
前記炭素系線状構造体としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、炭素6員環や炭素5員環が互いに連結した構造のものが好適に挙げられ、カーボンナノチューブが特に好ましい。該カーボンナノチューブとしては、シングルウォール構造であってもよいし、マルチウォール構造のものであってもよい。
前記炭素系線状構造体の数としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、1つであってもよいし、2以上であってもよい。該炭素系線状構造体を2以上有し、各炭素系線状構造体に異なる標的捕捉体が固定された標的検出装置を用いると、各標的捕捉体が捕捉可能な複数種の標的を同時に検出することができ、例えば、混合ガス中に含まれる複数種のガスを検出することが可能である。
前記炭素系線状構造体の長さ、径等については、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、長さとしては、従来のフォトリソグラフィー法などの半導体プロセスをそのまま利用することができ、容易に安価に形成可能な点で、1μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましく、また、径としては、室温下で単電子特性を安定に動作させるため、アイランドの容量を小さくするのが好ましく、例えば、0.7nm〜10nmが好ましく、0.7nm〜3nmがより好ましい。
−標的捕捉体−
前記標的捕捉体は、前記炭素系線状構造体と相互作用可能、かつ検出標的を捕捉可能である。
前記標的捕捉体は、前記炭素系線状構造体と相互作用可能な相互作用部と、検出標的を捕捉可能な標的捕捉部とを有するのが、一分子内で効果的に機能を分離させることができる点で好ましい。
前記標的捕捉体における前記相互作用部の相互作用の態様としては、特に制限はないが、化学吸着により前記炭素系線状構造体と前記標的捕捉体とが相互作用可能であるのが、分子の選択的な自己配列等を効果的に生じさせることができる等の点で好ましく、吸着安定性に優れる(吸着安定化エネルギーが大きい)点でπ−πスタッキングが特に好ましい。この場合、前記炭素系線状構造体の側壁に規則正しく並んだ炭素6員環とπ−πスタッキング可能な点で、前記標的捕捉体における前記相互作用部は、π共役結合を有する芳香族化合物を構造の一部に少なくとも含むのが好ましい。
前記π共役結合を有する芳香族化合物としては、π電子骨格を有する限り特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、環を構成する元素がC及びHのみである芳香族炭化水素であってもよいし、N、O、S等のC以外の元素を含む複素芳香族化合物であってもよいが、前記炭素系線状構造体の側壁に規則正しく並んだ炭素6員環と強いπ−πスタッキングを形成可能な点で、芳香族環同士が縮合結合した構造を有する化合物、前記芳香族環がC−C単結合で結合した構造を有する化合物などが好ましい。
前記芳香族環同士が縮合結合した構造を有する化合物としては、縮合多環芳香族炭化水素及びその誘導体が挙げられ、例えば、以下に示す、インデン、ナフタレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオラントレン、アセフェナントレン、アセアントレン、ピレン、トリフェニレン、クリセン、テトラセン、プレイアデン、ペンタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、テトラフェニレン、ヘキサフェン、アンスアンスレン、オバレン、サーカムアントラセン、ピランスレン、ヴィオランスレンA、ルブレン、ヘキサメトキシトリフェニレン(HMTP)、などが挙げられる。
上記縮合多環芳香族炭化水素及びその誘導体の中でも、ベンゼン環同士が縮合結合した構造を有する縮合ベンゼノイド化合物が好ましく、前記ナフタレン、前記アントラセン、前記フェナントレン、前記クリセン、前記ピレン、前記テトラセン、前記ペリレン、などが好適に挙げられる。
前記C−C単結合で結合した構造を有する化合物としては、例えばビアリール類及びその誘導体が好適に挙げられる。
前記ビアリール類としては、芳香族環がC−C単結合で結合した構造を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下に示す、ビフェニル、オルト型テレフェニル、メタ型テレフェニル、パラ型テレフェニルなどが好適に挙げられる。
前記相互作用の強さは、前記炭素系線状構造体が円筒状であるのに対し、前記相互作用部は平面構造を有するため、前記炭素系線状構造体に対する、前記標的捕捉体における相互作用部の吸着方向により異なる。
図1A及び図1Bに、前記相互作用部の前記炭素系線状構造体への吸着方向と相互作用力との関係の一例を示す。図1A及び図1Bにおいて、前記標的捕捉体における前記相互作用部はアントラセン(芳香族環数=3)で形成されている。
図1Aに示すように、導電性材料(アイランド)として機能する、前記炭素系線状構造体の前記格子欠陥で囲まれた領域に対し、アントラセンの長手方向が前記炭素系線状構造体の長手方向に対して平行となるように吸着させた場合には、相互作用力が強く、図1Bに示すように、アントラセンの長手方向が前記炭素系線状構造体の長手方向に対して垂直となるように吸着させた場合には、相互作用力が弱い。
したがって、前記炭素系線状構造体の長手方向に対し、前記相互作用部を形成する芳香族化合物の長手方向が平行になるように吸着させるのが好ましい。
前記縮合多環芳香族炭化水素における、芳香族環の数としては、前記炭素系線状構造体におけるアイランドサイズ(前記格子欠陥の間隔)と前記縮合多環芳香族炭化水素の分子長(結合鎖長)との関係により異なり一概に規定することはできないが、一般に前記炭素系線状構造体の側壁に規則正しく並んだ炭素6員環と強いπ−πスタッキングを形成する観点からは、合計で2〜6が好ましく、3〜5がより好ましく、3〜4が特に好ましい。
縮合3環芳香族炭化水素としては、一般に前記炭素系線状構造体の側壁に規則正しく並んだ炭素6員環と強いπ−πスタッキングを形成可能な点で、具体的には、アントラセン、フェナントレンから選択される少なくとも1種であるのが好ましく、縮合4環芳香族炭化水素としては、一般に前記炭素系線状構造体の側壁に規則正しく並んだ炭素6員環と強いπ−πスタッキングを形成可能な点で、具体的には、ピレン、トリフェニレン、クリセン、及びテトラセンから選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
また、図2A、図2B及び図2Cに、前記炭素系線状構造体におけるアイランドサイズと前記縮合環多炭化水素の分子長(結合鎖長)との関係の一例を示す。図2B及び図2Cにおいては、アイランドサイズ(格子欠陥の間隔)を1nmと仮定した。
図2Aに示すように、芳香族環は平面分子であり、そのC=C共役結合長aは1.397Å(0.1397nmであることから、芳香族環1つ当たりの長さ√3aは0.24nmである。すると、縮合4環芳香族炭化水素である場合には分子長(結合鎖長)が0.96nmとなり、アイランドサイズよりも小さいため、図2Bに示すようにアイランド上に前記縮合4環芳香族炭化水素が固定される。一方、縮合5環芳香族炭化水素である場合には分子長(結合鎖長)が1.2nmとなり、アイランドサイズよりも大きいため、図2Cに示すように前記縮合5環芳香族炭化水素の一部が前記格子欠陥上に配置され、ショート等を発生することがある。したがって、この場合には、前記縮合4環芳香族炭化水素を使用するのが好ましい。
以上の例は、前記アイランドの隣接するものどうしの間に存在する1つのスペースに対して、前記縮合多環炭化水素化合物が1つ相互作用して配されている場合であり、この場合が高感度、高精度かつ効率的に前記標的を検出することできる点で有利であるが、該スペース1つに対して2以上の前記縮合多環炭化水素化合物が相互作用して配されていてもよい。
前記標的捕捉体は、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥の非存在部位に、前記相互作用部と前記炭素系線状構造体との相互作用により固定される。該格子欠陥の非存在部位に前記標的捕捉体が固定されることにより、電流パスの形成による単一電子特性の消失低下を防ぐことができる。
前記標的捕捉体の前記炭素系線状構造体の表面への固定方法としては、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥の非存在部位に、前記相互作用部と前記炭素系線状構造体との相互作用により固定させることができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記炭素系線状構造体を有する基板を、前記標的捕捉体を含む溶液に浸漬して該標的捕捉体における標的捕捉部を固定させ、次いで、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥に物理吸着した前記標的捕捉体を洗浄する方法などが挙げられる。
前記標的捕捉体としては、前記標的捕捉部にて前記検出標的を捕捉することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記捕捉の態様としては、特に制限はないが、物理吸着、化学吸着などが挙げられる。これらは、例えば、水素結合、分子間力(ファンデル・ワールス力)、配位結合、イオン結合、共有結合などにより形成され得る。
前記標的捕捉体部は、前記検出標的を捕捉可能な官能基を有することが好ましく、例えば前記検出標的が後述するタンパク質であるとき、該官能基としてはスクシンイミジル基が好適に挙げられる。
前記標的捕捉部の具体例としては、酵素、補酵素、酵素基質、酵素阻害剤、包接化合物(以下「ホスト化合物」又は「ホスト」と称することがある)、金属、抗体、抗原、タンパク質、微生物、ウイルス、細胞破砕物、代謝産物、核酸、ホルモン、ホルモンレセプター、レクチン、糖、生理活性物質、生理活性物質受容体、アレルゲン、血液タンパク質、組織タンパク質、核物質、ウイルス粒子、神経伝達物質、ハプテン、寄生虫、環境物質、化学種又はこれらの誘導体、などから形成されるものが好適に挙げられる。
−検出標的−
前記検出標的としては、前記標的捕捉部がそれぞれ、前記酵素である場合には例えば該酵素の補酵素であり、前記補酵素である場合には例えば該補酵素を補酵素とする酵素であり、前記包接化合物である場合には例えば該包接化合物のゲスト化合物(包接される成分)であり、前記抗体である場合には例えば該抗体の抗原としてのタンパク質であり、前記タンパク質である場合には例えば該タンパク質を抗原とする抗体であり、前記核酸である場合には例えば該核酸と相補的な核酸、チューブリン、キチン等であり、前記ホルモンレセプターである場合には例えば該ホルモンレセプターに受容されるホルモンであり、前記レクチンである場合には例えば該レクチンに受容させる糖であり、前記生理活性物質受容体である場合には例えば該生理活性物質受容体に受容される生理活性物質である。
なお、前記検出標的を含む試料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、細菌、ウイルス等の病原体、生体から分離された血液、唾液、組織病片等、糞尿等の排泄物、などが挙げられる。更に、出生前診断を行う場合は、羊水中に存在する胎児の細胞や、試験管内での分裂卵細胞の一部を試料とすることもできる。また、これらの試料は、直接、又は必要に応じて遠心分離操作等により沈渣として濃縮した後、例えば、酵素処理、熱処理、界面活性剤処理、超音波処理、これらの組合せ等による細胞破壊処理を予め施したものを使用してもよい。
前記包接化合物としては、分子認識能(ホスト−ゲスト結合能)を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、筒状(一次元)の空洞を有するもの、層状(二次元)の空洞を有するもの、かご状(三次元)の空洞を有するもの、などが好適に挙げられる。
前記筒状(一次元)の空洞を有する包接化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、デオキシコール酸、ジニトロジフェニル、ジオキシトリフェニルメタン、トリフェニルメタン、メチルナフタリン、スピロクロマン、PHTP(ペルヒドロトリフェニレン)、セルロース、アミロース、シクロデキストリン(ただし、溶液中では前記空洞がかご状)などが挙げられる。
前記尿素が捕捉可能な検出標的としては、例えば、n−パラフィン誘導体などが挙げられる。
前記チオ尿素が捕捉可能な検出標的としては、例えば、分岐状又は環状の炭化水素などが挙げられる。
前記デオキシコール酸が捕捉可能な検出標的としては、例えば、パラフィン類、脂肪酸、芳香族化合物などが挙げられる。
前記ジニトロジフェニルが捕捉可能な検出標的としては、例えば、ジフェニル誘導体などが挙げられる。
前記ジオキシトリフェニルメタンが捕捉可能な検出標的としては、例えば、パラフィン類、n−アルケン類、スクアレンなどが挙げられる。
前記トリフェニルメタンが捕捉可能な検出標的としては、例えば、パラフィン類などが挙げられる。
前記メチルナフタリンが捕捉可能な検出標的としては、例えば、C16までのn−パラフィン類、分岐状パラフィン類などが挙げられる。
前記スピロクロマンが捕捉可能な検出標的としては、例えば、パラフィン類などが挙げられる。
前記PHTP(ペルヒドロトリフェニレン)が捕捉可能な検出標的としては、例えば、クロロホルム、ベンゼン、各種高分子物質などが挙げられる。
前記セルロースが捕捉可能な検出標的としては、例えば、HO、パラフィン類、CCl、色素、ヨウ素などが挙げられる。
前記アミロースが捕捉可能な検出標的としては、例えば、脂肪酸、ヨウ素などが挙げられる。
前記シクロデキストリンは、デンプンのアミラーゼによる分解で生成する環状のデキストリンであり、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンの3種が知られている。本発明においては、前記シクロデキストリンとして、これらの水酸基の一部を他の官能基、例えば、アルキル基、アリル基、アルコキシ基、アミド基、スルホン酸基などに変えたシクロデキストリン誘導体も含まれる。
前記シクロデキストリンが捕捉可能な検出標的としては、例えば、チモール、オイゲノール、レゾルシン、エチレングリコールモノフェニルエーテル、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン等のフェノール誘導体、サリチル酸、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル等の安息香酸誘導体及びそのエステル、コレステロール等のステロイド、アスコルビン酸、レチノール、トコフェロール等のビタミン、リモネン等の炭化水素類、イソチオシアン酸アリル、ソルビン酸、ヨウ素分子、メチルオレンジ、コンゴーレッド、2−p−トルイジニルナフタレン−6−スルホン酸カリウム塩(TNS)などが挙げられる。
前記層状(二次元)の包接化合物としては、例えば、粘土鉱物、グラファイト、スメクタイト、モンモリロナイト、ゼオライトなどが挙げられる。
前記粘土鉱物が捕捉可能な検出標的としては、例えば、親水性物質、極性化合物などが挙げられる。
前記グラファイトが捕捉可能な検出標的としては、例えば、O、HSO 、ハロゲン、ハロゲン化物、アルカリ金属などが挙げられる。
前記モンモリロナイトが捕捉可能な検出標的としては、例えば、ブルシン、コデイン、o−フェニレンジアミン、ベンジジン、ピペリジン、アデニン、グイアニン及びこれらのリポシドなどが挙げられる。
前記ゼオライトが捕捉可能な検出標的としては、例えば、HOなどが挙げられる。
前記かご状(三次元)の包接化合物としては、例えば、ヒドロキノン、気体水化物、トリ−o−チモチド、オキシフラバン、ジシアノアンミンニッケル、クリプタンド、カリックスアレン、クラウン化合物などが挙げられる。
前記ヒドロキノンが捕捉可能な検出標的としては、例えば、HCl、SO、アセチレン、希ガス元素などが挙げられる。
前記気体水化物が捕捉可能な検出標的としては、例えば、ハロゲン、希ガス元素、低級炭化水素などが挙げられる。
前記トリ−o−チモチドが捕捉可能な検出標的としては、例えば、シクロヘキサン、ベンゼン、クロロホルムなどが挙げられる。
前記オキシフラバンが捕捉可能な検出標的としては、例えば、有機塩基などが挙げられる。
前記ジシアノアンミンニッケルが捕捉可能な検出標的としては、例えば、ベンゼン、フェノールなどが挙げられる。
前記クリプタンドが捕捉可能な検出標的としては、例えば、NH4+、各種金属イオンなどが挙げられる。
前記カリックスアレンは、フェノールとホルムアルデヒドとから適当な条件で合成されるフェノール単位をメチレン基で結合した環状オリゴマーであり、4〜8核体が知られている。これらの内、p−t−ブチルカリックスアレン(n=4)が捕捉可能な検出標的としては、例えば、クロロホルム、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。p−t−ブチルカリックスアレン(n=5)が捕捉可能な検出標的としては、例えば、イソプロピルアルコール、アセトンなどが挙げられる。p−t−ブチルカリックスアレン(n=6)が捕捉可能な検出標的としては、例えば、クロロホルム、メタノールなどが挙げられる。p−t−ブチルカリックスアレン(n=7)が捕捉可能な検出標的としては、例えば、クロロホルムなどが挙げられる。
前記クラウン化合物としては、電子供与性のドナー原子として酸素を持つクラウンエーテルのみではなく、そのアナログとして窒素、硫黄などのドナー原子を環構造構成原子として持つ大環状化合物を含み、また、クリプタンドを代表する2個以上の環よりなる複環式クラウン化合物も含まれ、例えば、シクロヘキシル−12−クラウン−4、ジベンゾ−14−クラウン−4、t−ブチルベンゾ−15−クラウン−5、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、18−クラウン−6、トリベンゾ−18−クラウン−6、テトラベンゾ−24−クラウン−8、ジベンゾ−26−クラウン−6などが挙げられる。
前記クラウン化合物が捕捉可能な検出標的としては、例えば、Li,Na、K等のアルカリ金属、Mg、Ca等のアルカリ土類金属などの各種金属イオン、NH4+、アルキルアンモニウムイオン、グアニジウムイオン、芳香族ジアゾニウムイオンなどが挙げられ、該クラウン化合物はこれらと錯体を形成する。また、該クラウン化合物が捕捉可能な検出標的としては、これら以外にも、酸性度が比較的大きいC−H(アセトニトリル、マロンニトリル、アジポニトリルなど)、N−H(アニリン、アミノ安息香酸、アミド、スルファミド誘導体など)、O−H(フェノール、酢酸誘導体など)ユニットを有する極性有機化合物などが挙げられ、該クラウン化合物はこれらと錯体を形成する。
前記包接化合物の空洞の大きさ(径)としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選定することができるが、安定した分子認識能(ホスト−ゲスト結合能)を発揮し得る観点からは0.1nm〜2.0nmであるのが好ましい。
なお、前記包接化合物は、例えば、単分子系ホスト化合物、多分子系ホスト化合物、高分子系ホスト化合物、無機系ホスト化合物などに分類することもできる。
前記単分子系ホスト化合物としては、例えば、シクロデキストリン、クラウン化合物、シクロファン、アザシクロファン、カリックスアレーン、シクロトリペラトリレン、スフェランド、キャビタンド、環状オリゴペプチド、などが挙げられる。
前記多分子系ホスト化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、デオキシコール酸、ペルヒドロトリフェニレン、トリ−o−チモチド、などが挙げられる。
前記高分子系ホスト化合物としては、例えば、セルロース、デンプン、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、などが挙げられる。
前記無機系ホスト化合物としては、例えば、層間化合物、ゼオライト及びHofmann型錯体、などが挙げられる。
前記抗体としては、抗原と特異的に抗原抗体反応を生じるものであれば特に制限されず、多クローン性抗体であっても、単クローン性抗体であってもよく、更にはIgG、IgM、IgE、IgGのFab’、Fab、F(ab’)、アビジンなども含まれる。
前記抗原としては、特に制限はなく、前記抗体の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、血漿蛋白、腫瘍マーカー、アポ蛋白、ウイルス抗原、自己抗体、凝固・線溶因子、ホルモン、血中薬物、HLA抗原、ビオチンなどが挙げられる。
前記血漿蛋白としては、例えば、免疫グロブリン(IgG,IgA,IgM,IgD,IgE)、補体成分(C3,C4,C5,C1q)、CRP、α−アンチトリプシン、α−マイクログロブリン、β−マイクログロブリン、ハプトグロビン、トランスフェリン、セルロプラスミン、フェリチンなどが挙げられる。
前記腫瘍マーカーとしては、例えば、α−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、CA19−9、CA125、CA15−3、SCC抗原、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、PIVKA−II、γ−セミノプロテイン、TPA、エラスターゼI、神経特異エノラーゼ(NSE)、免疫抑制酸性蛋白(IAP)などが挙げられる。
前記アポ蛋白としては、例えば、アポA−I、アポA−II、アポB、アポC−II、アポC−III、アポEなどが挙げられる。
前記ウイルス抗原としては、例えば、B型肝炎ウイルス(HBV)関連抗原、C型肝炎ウイルス(HVC)関連抗原、HTLV−I、HIV、狂犬病ウイルス、インフルエンザウイルス、風疹ウイルスなどが挙げられる。
前記HCV関連抗原としては、例えば、HCVc100−3リコビナント抗原、pHCV−31リコビナント抗原、pHCV−34リコビナント抗原などが挙げられ、それらの混合物が好ましく使用できる。前記HIV関連抗原としては、ウイルス表面抗原などが挙げられ、例えば、HIV−I env.gp41リコビナント抗原、HIV−I env.gp120リコビナント抗原、HIV−I gag.p24リコビナント抗原、HIV−II env.p36リコビナント抗原などが挙げられる。
また、ウイルス以外の感染症としては、MRSA、ASO、トキソプラズマ、マイコプラズマ、STDなどが挙げられる。
前記自己抗体としては、例えば、抗マイクロゾーム抗体、抗サイログロブリン抗体、抗核抗体、リュウマチ因子、抗ミトコンドリア抗体、ミエリン抗体などが挙げられる。
前記凝固・線溶因子としては、例えば、フィブリノゲン、フィブリン分解産物(FDP)、プラスミノゲン、α−プラスミンインヒビター、アンチトロンビンIII、β−トロンボグロブリン、第VIII因子、プロテインC、プロテインSなどが挙げられる。
前記ホルモンとしては、例えば、下垂体ホルモン(LH、FSH、GH、ACTH、TSH、プロラクチン)、甲状腺ホルモン(T、T、サイログロブリン)、カルシトニン、副甲状腺ホルモン(PTH)、副腎皮質ホルモン(アルドステロン、コルチゾール)、性腺ホルモン(hCG、エストロゲン、テストステロン、hPL)、膵・消化管ホルモン(インスリン、C−ペプチド、グルカゴン、ガストリン)、その他(レニン、アンジオテンシンI,II、エンケファリン、エリスロポエチン)などが挙げられる。
前記血中薬物としては、例えば、カルバマゼピン、プリミドン、バルプロ酸等の抗てんかん薬、ジゴキシン、キニジン、ジギトキシン、テオフィリン等の循環器疾患薬、ゲンタマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシン等の抗生物質などが挙げられる。
前記タンパク質としては、多くの重金属、特に亜鉛、カドミウム、銅、水銀などに高い親和性を示す低分子量(約6000〜13000)のもの、などが好適に挙げられる。これらのタンパク質は、動物の肝臓、腎臓、その他の組織中に存在し、最近では微生物体内にも存在することが見出されている。また、これらのタンパク質は、システイン含有量が多く、芳香族の残基を殆ど含まないアミノ酸分布を呈しており、生体内においてカドミウム、水銀などの解毒化機能を有する物質であるとともに、亜鉛,銅など生体に必須の微量金属の貯蔵と、生体内における分布にも関与している重要な物質である。
前記重金属としては、例えば、アルキル水銀化合物(R−Hg)、水銀又はその化合物(Hg)、カドミウム又はその化合物(Cd)、鉛又はその化合物(Pb)、六価クロム(Cr6+)、銅又はその化合物(Cu)、亜鉛又はその化合物(Zn)、シアン、六価クロム、砒素、セレン、マンガン、ニッケル、鉄、亜鉛、セレン、スズなどが挙げられる。
−電極−
前記第1の電極はソース電極として、前記第2の電極はドレイン電極として、前記第3の電極はゲート電極として、それぞれ機能し、単一電子トランジスタが形成される。前記第3の電極をゲート電極として機能させる場合、該第3の電極のゲート電圧を適宜調整することにより、前記単一電子トランジスタの挙動を調整することができる。
前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記第3の電極としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、金属電極などが好適に挙げられる。
なお、前記ソース電極として使用する前記第1の電極、前記ドレイン電極として使用する前記第2の電極、前記ゲート電極として使用する前記第3の電極のそれぞれの印加電圧等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の標的検出装置においては、前記単一電子トランジスタにおいて、前記炭素系線状構造体がチャネルとして機能する。また、該チャネル上に固定された前記標的捕捉体に、前記検出標的が捕捉されると、前記第3の電極としてのゲート電極の電流・電圧特性に変化が生じる。該変化を検知することにより、前記標的を検出可能であり、前記標的検出装置は、単一電子の標的検出装置として機能する。該標的検出装置によれば、前記ゲート電極に現れる変化が、電子1個に起因しているため、ノイズが少なく高感度に検知することができる。したがって、定性分析や定量分析にも好適に使用可能である。
本発明の標的検出装置は、単一電子のセンシングデバイス、例えば、抗原抗体反応を利用し、多種類の抗原と抗体との組合せに適用可能なバイオセンサーや、感応物質として例えばオレイン酸誘導体を用い、メタノール、エタノール等を検知対象としたガスセンサー、定性装置、定量装置などとして各種分野で好適に使用することができ、以下の本発明の標的検出装置の製造方法により好適に製造することができ、以下の本発明の標的検出方法に好適に使用可能である。
(標的検出装置の製造方法)
本発明の標的検出装置の製造方法においては、半導体基板上に2以上形成した触媒によるアイランドのうちの第1のアイランドと第2のアイランドとを接続するように、炭素系線上構造体を形成し(これを「炭素系線状構造体形成工程」と称することがある)、前記第1のアイランド及び前記炭素系線状構造体に接するように第1の電極と、前記第2のアイランドに接するように第2の電極とを形成した後、前記炭素系線状構造体に対し電界効果を与える第3の電極を前記第1の電極及び前記第2の電極から電気的に絶縁された状態で形成し(これを「電極形成工程」と称することがある)、前記炭素系線状構造体と相互作用可能、かつ検出標的を捕捉可能な標的捕捉体を、前記炭素系線状構造体の表面における格子欠陥の非存在部位に、前記炭素系線状構造体との相互作用により固定させること(これを「標的捕捉体固定工程」と称することがある)を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
<炭素系線状構造体形成工程>
前記炭素系線状構造体形成工程においては、半導体基板上に2以上形成した触媒によるアイランドのうちの第1のアイランドと第2のアイランドとを接続するように、炭素系線状構造体を形成する。
前記半導体基板としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリコン基板などが好適に挙げられる。
前記触媒によるアイランドは、前記半導体基板上に絶縁膜を堆積(形成)した後、該絶縁膜上に形成することができる。
前記触媒としては、例えば、金属粒子、フラーレン、金属内包フラーレン等の導電性粒子などが挙げられる。
前記金属粒子としては、例えば、遷移金属、その合金などが好適に挙げられ、これらの中から選択される少なくとも1種が好ましい。
前記遷移金属としては、鉄、ニッケル、コバルトなどが好適に挙げられ、これらの中から選択される。
前記絶縁膜としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば酸化ケイ素などが挙げられ、公知の酸化法などにより形成することができる。
前記触媒によるアイランドは、リソグラフィーの技術を利用して形成することができ、例えば、前記絶縁膜上に公知のレジスト材料によるレジストパターンを形成した後、該レジストパターンをマスクパターンとして前記絶縁膜上に前記触媒によるアイランドを形成し、次に前記レジストパターンをリフトオフ、エッチング等の処理により除去することにより形成することができる。
以上により、前記半導体基板上には、触媒によるアイランドが2以上形成される。
なお、該触媒によるアイランドの大きさとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
前記炭素系線状構造体は、前記半導体基板上に2以上形成した触媒によるアイランドのうちの第1のアイランドと第2のアイランドとを接続するように形成される。
前記炭素系線状構造体は、上述の通りであり、前記第1のアイランドと前記第2のアイランドとの間に、例えば、電界を印加してCVD法により形成することができる。
前記CVD法としては、特に制限はなく、プラズマCVD法、熱CVD法等のいずれであってもよい。
前記炭素系線状構造体をCVD法により形成する場合、前記第1のアイランドが第2のアイランド側に尖端部を有し、前記第2のアイランドが第1のアイランド側に尖端部を有しているのが好ましい。この場合、触媒としての前記第1のアイランドと前記第2のアイランドとの間に印加する電界が効率よく集中させることができ、該炭素系線状構造体の形成効率に優れる点で有利である。
<電極形成工程>
前記電極形成工程においては、前記第1のアイランド及び前記炭素系線状構造体に接するように前記第1の電極と、前記第2のアイランド及び前記炭素系線状構造体に接するように前記第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極から電気的に絶縁された状態で前記第3の電極とが形成される。
前記第1の電極及び前記第2の電極は、上述の通りであり、リソグラフィーの技術を利用して形成することができ、例えば、前記炭素系線状構造体、前記第1のアイランド及び前記第2のアイランド上にレジスト材料によるレジストパターンを形成した後、該レジストパターンをマスクパターンとして前記電極材料を蒸着し、次に前記レジストパターンをリフトオフ、エッチング等の処理により除去することにより形成することができる。
前記第3の電極は、前記第1の電極と同様の材料、例えば公知の金属材料を用いて蒸着等により、前記半導体基板の裏面に形成することができる。該第3の電極は、前記第1の電極及び前記第2の電極から電気的に絶縁されており、ゲート電極として機能させることができる。
以上により、前記第1のアイランド及び前記炭素系線状構造体に接するように第1の電極が形成され、前記第2のアイランド及び前記炭素系線状構造体の少なくとも一方に接するように前記第2のアイランド上に第2の電極が形成され、前記第1の電極及び前記第2の電極から電気的に絶縁された状態で前記第3の電極が形成される。
<標的捕捉体固定工程>
前記標的捕捉体固定工程においては、前記検出標的を捕捉可能な標的捕捉体が、前記導電性粒子の表面、あるいは、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥の非存在部位に固定される。
前記標的捕捉体及び前記検出標的は上述の通りであり、該標的捕捉体は該検出標的を捕捉可能である。また、該標的捕捉体は前記炭素系線状構造体と相互作用可能である。
前記炭素系線状構造体と前記標的捕捉体との相互作用の態様が、例えばπ−πスタッキングである場合には、前記炭素系線状構造体を形成した半導体基板を、上述のπ共役複素環を少なくとも含む官能基を有する標的捕捉体を含む溶液に侵漬し、前記π共役複素環と前記炭素系線状構造体の側壁に規則正しく並んだ炭素6員環とをπ−πスタッキングにより結合させる。次いで、前記格子欠陥に物理吸着した前記標的捕捉体を洗浄することにより、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥の非存在部位にのみ、前記標的捕捉体を固定させることができる。
ここで、前記π−πスタッキングによる化学吸着の安定化エネルギーは、一般的に4〜5kcal/mol程度であり、他の化学吸着や物理吸着の安定化エネルギーに比べて大きい。このため、前記炭素系線状構造体における炭素6員環にのみ前記標的捕捉体が固定され、その後洗浄すると、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥の存在部位に物理吸着した標的捕捉体は、吸着安定化エネルギーの差により、除去される。
以上により、前記検出標的を捕捉可能な標的捕捉体が、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥の非存在部位に固定される。本発明の標的検出装置の製造方法によれば、上述した本発明の標的検出装置が極めて効率良く製造される。
(標的検出方法)
本発明の標的検出方法においては、本発明の前記標的検出装置を用い、前記検出標的を含む試料を前記標的検出装置に作用させることを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
前記標的検出装置は、上述の本発明の標的検出装置であり、前記検出標的も上述の通りである。
前記検出標的を含む試料を前記標的検出装置に作用させると、該検出標的が前記標的検出装置における前記標的捕捉体の標的捕捉部にて捕捉される。
前記検出標的を含む試料の前記標的検出装置への作用の方法としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記標的捕捉体を有する前記標的検出装置を、前記検出標的を含む試料に侵漬する方法などが挙げられる。
前記捕捉により、前記第3の電極(ゲート電極)の電流・電圧特性に変化が生じる。この変化を検知することにより、前記標的捕捉体に捕捉された標的を検出することができる。
以上により、前記検出標的を含む試料が前記標的検出装置に作用される。
なお、前記電流・電圧特性の変化は、電子1個に起因しているため、ノイズが少なく高感度に検知することができ、高感度かつ簡便に前記標的を検出することができる。
以上の本発明の標的検出方法によれば、上述した各種の標的を含む試料中の該標的を効率よく、かつ高精度に検出することができ、定性分析、定量分析等を行うことができ、例えば、酵素、補酵素、酵素基質、酵素阻害剤、包接化合物、金属、抗体、抗原、タンパク質、微生物、ウイルス、細胞破砕物、代謝産物、核酸、ホルモン、ホルモンレセプター、レクチン、糖、生理活性物質、生理活性物質受容体、アレルゲン、血液タンパク質、組織タンパク質、核物質、ウイルス粒子、神経伝達物質、ハプテン、寄生虫、環境物質、化学種又はこれらの誘導体、ガス成分、などの分析乃至スクリーニング等を行うことができ、医薬品の開発、病気の診断、標的物質のセンシング、生体分子のセンシング、ガスのセンシングなどに好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
以下に示す方法により、製造例1の単一電子トランジスタを製造した。
CVD法により成長させたカーボンナノチューブ10においては、図3Aに示すように、内部に格子欠陥20が点在している。ここでは、この格子欠陥20で囲まれたカーボンナノチューブの領域をアイランドとして機能させる。前記カーボンナノチューブ10の長さが長い場合、前記アイランドはカーボンナノチューブ10内に複数個存在し、その結果、トンネル接合が複数個直列に接続された、いわゆるマルチ・ジャンクション型の単一電子トランジスタが形成される。
図3Bは、図3Aに示すカーボンナノチューブ10を用いた単一電子トランジスタの一例である。該単一電子トランジスタ100においては、半導体基板(シリコン基板)上に堆積した絶縁膜(酸化ケイ素)上であって触媒(鉄)パターン間にカーボンナノチューブ10が形成されており、該触媒(鉄)パターン上にはコンタクト抵抗低減のための金属電極が付加されている。該金属電極は、該単一電子トランジスタ100におけるソース電極及びドレイン電極として機能する。また、前記前記半導体基板の裏面には、電流制御用のゲート電極が設けられている。なお、前記触媒(鉄)パターンの形状は、後述するカーボンナノチューブ形成プロセス中のCVD成長時に、触媒(鉄)パターン間に印加する電界が効率よく集中するように、対向する金属電極側に対し尖端部を有している(対向する金属電極側に向かって先端が細くなっている)。なお、該尖端部は、図13Aに示すように、一つであってもよいし、図13Bに示すように、複数並列されていてもよい。
上述のように触媒パターニング法を利用して図4Aから図4Dに示すようにカーボンナノチューブの位置制御を行った。
まず、図4Aに示すように、単一導電型(ここではp型を示す)シリコン基板にシリコン絶縁膜100nmを形成し、光露光によってレジスト材料をパターニングしてレジストパターニング500を形成した。次に、図4Bに示すように、触媒である鉄510を蒸着し、図4Cに示すように、リフトオフによって触媒パターンを形成した(この工程は、触媒金属蒸着、レジストパターニング、触媒金属のエッチングという一連の工程と置き換えてもよい)。その後、図4Dに示すように、熱CVD法によってカーボンナノチューブ10を成長させた。ここで、熱CVD法の条件としては、原料ガスとしてメタンガスを用い、該メタンガスの流量が1,000sccm、前記半導体基板の温度が900℃、カーボンナノチューブ10の成長時間が30分で行った。
なお、カーボンナノチューブ10の成長の際、対向パターン間に電界を印加することによって、パターン間を最短距離でカーボンナノチューブ10によってつなぐことができる。
図5は、鉄触媒の円形パターンを用いて上記カーボンナノチューブ形成プロセスによって作製したカーボンナノチューブの成長位置制御の結果を示す。ここでは、該鉄触媒の円形パターン間にカーボンナノチューブが1本成長していることが判る。該カーボンナノチューブは、鉄を触媒として用いているのでシングルウォール構造(単層構造)である。なお、他の金属を触媒として用いるとマルチウォール構造(多層構造)のカーボンナノチューブを作製することができる。
以上の炭素系線状構造体形成工程により、半導体基板(シリコン基板)上に2以上形成した触媒(鉄)によるアイランドのうちの第1のアイランドと第2のアイランドとを接続するように、炭素系線状構造体(カーボンナノチューブ)を形成した(図4A〜図4D参照)。
次に、レジストパターニング500の形成(図4E参照)、電極金属520の蒸着(図4F参照)、リフトオフ(図4G参照)を行うことにより、触媒パターン上にソース電極及びドレイン電極を形成した。また、ソース電極及びドレイン電極のコンタクト抵抗低減のためのアルゴン雰囲気中で600〜800℃程度の熱処理を行った。更に、前記半導体基板の裏面に、パターニング、ゲート電極蒸着リフトオフ、高温アニールを行い、ゲート電極を形成して、図4Hに示す単一電子トランジスタ100を製造した。
以上の電極形成工程において、前記第1のアイランド(鉄触媒の円形パターン)及び前記炭素系線状構造体(カーボンナノチューブ)に接するように前記第1の電極(ソース電極)と、前記第2のアイランド(鉄触媒の円形パターン)及び前記炭素系線状構造体(カーボンナノチューブ)と接するように前記第2の電極(ドレイン電極)とを形成し、前記半導体基板(シリコン基板)の裏面に前記第3の電極(ゲート電極)を形成することにより、単一電子トランジスタを製造した(図4E〜図4H参照)。
なお、図13Aに示すように、第1のアイランドが第2のアイランド側に尖端部を有し、第2のアイランドが第1のアイランド側に尖端部を有する。
得られた単一電子トランジスタの特性として、ドレイン電流のゲート電圧及びドレイン電圧依存性を図6に示した。図6中の色の濃い(暗い)部分は、電流が流れにくいクーロンブロッケード領域であり、この領域がゲート電圧によって大きく変調を受けていることが明らかである。したがって、前記単一電子トランジスタは、室温で良好なクーロンダイアモンド(単一電子)特性を示すことが判る。
(実施例1)
製造例1で製造した単一電子トランジスタを用い、以下のようにして単一電子センシングデバイスを製造した。この単一電子センシングデバイスが本発明の標的検出装置に該当し、その製造が本発明の標的検出装置の製造方法に該当する。
前記検出標的として、タンパク質の1種であるフェリチンを選択し、該フェリチンを捕捉可能な標的捕捉体30として、1−ピレンスクシンイミジルエステルを用意した。該1−ピレンスクシンイミジルエステルは、図7に示すように、相互作用部31と標的捕捉部32とからなり、前記相互作用部31には前記炭素系線状構造体(カーボンナノチューブ)における炭素6員環とπ−πスタッキング(相互作用)により結合可能な、π共役結合を有する芳香族環を含む縮合4環芳香族炭化水素としてのピレン基を有し、標的捕捉部32には、タンパク質における一級アミンに選択的に相互作用し、フェリチンを捕捉可能なスクシンイミジル基を有する。
まず、図8Aに示すような前記単一電子トランジスタ100を備えた半導体基板を、1−ピレンスクシンイミジルエステルの6mMジメチルホルムアミド(DMF)溶液中に、室温(25℃)で1時間侵漬した。すると、図8Bに示すように、半導体基板の表面の全面に標的捕捉体(1−ピレンスクシンイミジルエステル)30が吸着した。次いで、該半導体基板を取り出し、ジメチルホルムアミド溶液中に3分間侵漬し、更に、新たなジメチルホルムアミド溶液を用意し、該ジメチルホルムアミド溶液中に前記半導体基板を3分間侵漬し、洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返した。すると、図8Cに示すように、炭素系線状構造体(カーボンナノチューブ)10の表面における格子欠陥20の非存在部位にのみ、前記π−πスタッキングにより標的捕捉体30が結合し、物理吸着により存在していた標的捕捉体30が除去された。そして、乾燥窒素でブローし、前記半導体基板を乾燥させ、標的捕捉体(1−ピレンスクシンイミジルエステル)30を炭素系線状構造体(カーボンナノチューブ)10に固定させた。
以上の標的捕捉体固定工程において、前記炭素系線状構造体(カーボンナノチューブ)と相互作用(π−πスタッキング)可能、かつ検出標的(フェリチン)を捕捉可能な標的捕捉体(1−ピレンスクシンイミジルエステル)を、前記単一電子トランジスタにおける前記炭素系線状構造体(カーボンナノチューブ)の表面における前記導電性粒子の非存在部位に、前記炭素系線状構造体(カーボンナノチューブ)との相互作用により固定させて、単一電子センシングデバイス200を製造した。
(実施例2)
実施例1で得られた単一電子センシングデバイスを用い、以下のようにして前記標的としてのフェリチンを検出した。この検出が本発明の標的検出方法に該当する。
まず、実施例1で得られた、図9Aに示すような単一電子センシングデバイス200を、フェリチン濃度5mg/mlの7.5M塩化ナトリウム水溶液中に、室温(25℃)で20時間侵漬した。次いで、該単一電子センシングデバイス200を取り出し、純粋で6時間かけて洗浄した後、乾燥窒素でブローし、単一電子センシングデバイス200を乾燥させた。すると、図9Bに示すように、検出標的(フェリチン)40が、標的捕捉体(1−ピレンスクシンイミジルエステル)30に捕捉された。このときの、炭素系線状構造体(カーボンナノチューブ)10の透過型電子顕微鏡(TEM)(「JEM−2010F型」;日本電子製)による写真を図10に示す。フェリチンは鉄を含有するタンパク質であり、図10より、フェリチンに含まれる鉄が黒く見えるのが判った。なお、図11に標的捕捉体(1−ピレンスクシンイミジルエステル)30が固定されていない炭素系線状構造体(カーボンナノチューブ)10に、検出標的(フェリチン)40を直接作用させたときのTEM写真を示す。該TEM写真より、フェチリンはカーボンナノチューブに吸着固定されないことが判った。これらの結果から、炭素系線状構造体(カーボンナノチューブ)30の側壁に選択的に吸着するのは、標的捕捉体(1−ピレンスクシンイミジルエステル)30における相互作用部(ピレン環)31であり、相互作用の態様としてはπ−πスタッキングであると認められる。
単一電子センシングデバイス200におけるIds−Vgs特性の測定結果を図12に示す。
図12より、検出標的40(フェリチン)が標的捕捉体30(1−ピレンスクシンイミジルエステル)に捕捉される前後で、単一電子特性に起因したクーロン振動において変化が生じているのが判った。この変化はフェリチンが吸着したことにより、アイランドのキャパシタが変化したことによると考えられる。したがって、例えば、図12において、ゲート電圧をX(図12中、一点鎖線部)に固定すると、電流変化により標的捕捉体への検出標的の捕捉の有無を検出することができることが判った。
本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1) 格子欠陥を少なくとも2個含む炭素系線状構造体と、該炭素系線状構造体に含まれる前記格子欠陥を少なくとも2個挟むように配置した第1の電極及び第2の電極と、前記炭素系線状構造体に対し電界効果を与える第3の電極と、前記炭素系線状構造体と相互作用可能、かつ検出標的を捕捉可能であり、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥の非存在部位に、前記炭素系線状構造体との相互作用により固定された標的捕捉体と、を有してなることを特徴とする標的検出装置。
(付記2) 格子欠陥が、炭素原子の欠落、変形及び他の不純物原子との置換のいずれかにより形成された付記1に記載の標的検出装置。
(付記3) 標的捕捉体が、炭素系線状構造体と相互作用可能な相互作用部と、検出標的を捕捉可能な標的捕捉部とを有する付記1から2のいずれかに記載の標的検出装置。
(付記4) 標的捕捉体における相互作用部が、化学吸着により炭素系線状構造体と相互作用可能である付記3に記載の標的検出装置。
(付記5) 化学吸着が、π−πスタッキングである付記4に記載の標的検出装置。
(付記6) 標的捕捉体における相互作用部が、π共役結合を有する芳香族化合物を構造の一部に少なくとも含む付記3から5のいずれかに記載の標的検出装置。
(付記7) 芳香族化合物が縮合多環芳香族炭化水素である付記6に記載の標的検出装置。
(付記8) 縮合多環芳香族炭化水素における芳香族環の数の合計が2〜6である付記7に記載の標的検出装置。
(付記9) 縮合多環芳香族炭化水素が、ピレン、トリフェニレン、クリセン、及びテトラセンから選択される少なくとも1種である付記7から8のいずれかに記載の標的検出装置。
(付記10) 標的捕捉部が、酵素、補酵素、酵素基質、酵素阻害剤、包接化合物、金属、抗体、抗原、タンパク質、微生物、ウイルス、細胞破砕物、代謝産物、核酸、ホルモン、ホルモンレセプター、レクチン、糖、生理活性物質、生理活性物質受容体、アレルゲン、血液タンパク質、組織タンパク質、核物質、ウイルス粒子、神経伝達物質、ハプテン、寄生虫、環境物質、化学種及びこれらの誘導体から選択される少なくとも1種から形成される付記3から9のいずれかに記載の標的検出装置。
(付記11) 標的捕捉部が、検出標的を捕捉可能な官能基を有する付記3から10のいずれかに記載の標的検出装置。
(付記12) 検出標的がタンパク質であり、該検出標的を捕捉可能な官能基がスクシンイミジル基である付記11に記載の標的検出装置。
(付記13) 第1の電極がソース電極であり、第2の電極がドレイン電極であり、第3の電極がゲート電極である付記1から12のいずれかに記載の標的検出装置。
(付記14) 炭素系線状構造体が、炭素6員環や炭素5員環が互いに連結した構造を有する付記1から13のいずれかに記載の標的検出装置。
(付記15) 炭素系線状構造体が、カーボンナノチューブである付記14に記載の標的検出装置。
(付記16) 半導体基板上に2以上形成した触媒によるアイランドのうちの第1のアイランドと第2のアイランドとを接続するように、格子欠陥を少なくとも2個含む炭素系線状構造体を形成し、前記第1のアイランド及び前記炭素系線状構造体に接するように第1の電極と、前記第2のアイランド及び前記炭素系線状構造体に接するように第2の電極とを形成した後、前記炭素系線状構造体に電界効果を与える第3の電極を前記第1の電極及び前記第2の電極から電気的に絶縁された状態で形成し、前記炭素系線状構造体と相互作用可能、かつ検出標的を捕捉可能な標的捕捉体を、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥の非存在部位に、前記炭素系線状構造体との相互作用により固定させることを特徴とする標的検出装置の製造方法。
(付記17) 触媒によるアイランドが、半導体基板上に絶縁膜を堆積した後、該絶縁膜上に形成された付記16に記載の標的検出装置の製造方法。
(付記18) 格子欠陥が、炭素原子の欠落、変形、及び他の不純物原子との置換のいずれかにより形成された付記16から17のいずれかに記載の標的検出装置の製造方法。
(付記19) 第1の電極がソース電極であり、第2の電極がドレイン電極であり、第3の電極がゲート電極である付記16から18のいずれかに記載の標的検出装置の製造方法。
(付記20) 第1のアイランドが第2のアイランド側に尖端部を有し、第2のアイランドが第1のアイランド側に尖端部を有する付記16から19のいずれかに記載の標的検出装置の製造方法。
(付記21) 炭素系線状構造体が、第1のアイランドと第2のアイランドとの間に電界を印加してCVDにより形成された付記16から20のいずれかに記載の標的検出装置の製造方法。
(付記22) 標的捕捉体が、炭素系線状構造体と相互作用可能な相互作用部と、検出標的を捕捉可能な標的捕捉部とを有する付記16から21のいずれかに記載の標的検出装置の製造方法。
(付記23) 標的捕捉体における相互作用部が、化学吸着により炭素系線状構造体と相互作用可能である付記22に記載の標的検出装置の製造方法。
(付記24) 化学吸着が、π−πスタッキングである付記23に記載の標的検出装置の製造方法。
(付記25) 標的捕捉体における相互作用部が、π共役結合を有する芳香族化合物を構造の一部に少なくとも含む付記22から24のいずれかに記載の標的検出装置の製造方法。
(付記26) 芳香族化合物が縮合多環芳香族炭化水素である付記25に記載の標的検出装置の製造方法。
(付記27) 縮合多環芳香族炭化水素における芳香族環の数の合計が2〜6である付記26に記載の標的検出装置の製造方法。
(付記28) 縮合多環芳香族炭化水素が、ピレン、トリフェニレン、クリセン、及びテトラセンから選択される少なくとも1種である付記26から27のいずれかに記載の標的検出装置の製造方法。
(付記29) 標的捕捉部が、酵素、補酵素、酵素基質、酵素阻害剤、包接化合物、金属、抗体、抗原、タンパク質、微生物、ウイルス、細胞破砕物、代謝産物、核酸、ホルモン、ホルモンレセプター、レクチン、糖、生理活性物質、生理活性物質受容体、アレルゲン、血液タンパク質、組織タンパク質、核物質、ウイルス粒子、神経伝達物質、ハプテン、寄生虫、環境物質、化学種及びこれらの誘導体から選択される少なくとも1種から形成される付記3から10のいずれかに記載の標的検出装置の製造方法。
(付記30) 標的捕捉部が、検出標的を捕捉可能な官能基を有する付記22から29のいずれかに記載の標的検出装置の製造方法。
(付記31) 検出標的がタンパク質であり、該検出標的を捕捉可能な官能基がスクシンイミジル基である付記30に記載の標的検出装置の製造方法。
(付記32) 炭素系線状構造体が、炭素6員環や炭素5員環が互いに連結した構造を有する付記16から31のいずれかに記載の標的検出装置の製造方法。
(付記33) 炭素系線状構造体が、カーボンナノチューブである付記32に記載の標的検出装置の製造方法。
(付記34) 付記1から付記15のいずれかに記載の標的検出装置を用い、検出標的を含む試料を前記標的検出装置に作用させることを特徴とする標的検出方法。
本発明の標的検出装置は、室温での安定動作に優れ、自己組織的ナノ構造体であるカーボンナノチューブをチャネルに用いた単一電子デバイスを利用しているので、病原物質、生体物質、有毒物質等の各種標的をノイズが少なく高感度に検出可能で、更にはこれらの定性や定量を行うこともでき、単一電子のセンシングデバイス、例えば、抗原抗体反応を利用し、多種類の抗原と抗体との組合せに適用可能なバイオセンサーや、感応物質として例えばオレイン酸誘導体を用い、メタノール、エタノール等を検知対象としたガスセンサー、定性装置、定量装置などとして、各種分野で好適に使用することができる。
本発明の標的検出装置の製造方法は、本発明の前記標的検出装置の製造方法に特に好適に使用することができる。
本発明の標的検出方法は、本発明の前記標的検出装置を用いるので、高感度、高精度かつ容易に各種の標的を含む試料中の該標的を検出することができ、定性分析、定量分析等を行うことができ、例えば、酵素、補酵素、酵素基質、酵素阻害剤、包接化合物、金属、抗体、抗原、タンパク質、微生物、ウイルス、細胞破砕物、代謝産物、核酸、ホルモン、ホルモンレセプター、レクチン、糖、生理活性物質、生理活性物質受容体、アレルゲン、血液タンパク質、組織タンパク質、核物質、ウイルス粒子、神経伝達物質、ハプテン、寄生虫、環境物質、化学種又はこれらの誘導体、ガス成分、などの分析乃至スクリーニング等を行うことができ、医薬品の開発、病気の診断、標的物質のセンシング、生体分子のセンシング、ガスのセンシングなどに好適に使用することができる。
図1Aは、標的捕捉体における相互作用部の炭素系線状構造体への吸着方向と相互作用力との関係の一例を示す概略説明図である。 図1Bは、標的捕捉体における相互作用部の炭素系線状構造体への吸着方向と相互作用力との関係の一例を示す概略説明図である。 図2Aは、芳香族環の結合長を示す概略説明図である。 図2Bは、炭素系線上構造体におけるアイランドサイズ(欠陥間隔)と縮合環炭化水素の分子長(結合鎖長)との関係の一例を示す概略説明図である。 図2Cは、炭素系線上構造体におけるアイランドサイズ(欠陥間隔)と縮合環炭化水素の分子長(結合鎖長)との関係の一例を示す概略説明図である。 図3Aは、格子欠陥を少なくとも2個含む炭素系線状構造体を示す概略説明図である。 図3Bは、該炭素系線状構造体を用いた単一電子トランジスタの一例を示す概略説明図である。 図4Aは、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)における単一電子トランジスタの一製造例を示す工程図(その1)である。 図4Bは、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)における単一電子トランジスタの一製造例を示す工程図(その2)である。 図4Cは、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)における単一電子トランジスタの一製造例を示す工程図(その3)である。 図4Dは、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)における単一電子トランジスタの一製造例を示す工程図(その4)である。 図4Eは、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)における単一電子トランジスタの一製造例を示す工程図(その5)である。 図4Fは、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)における単一電子トランジスタの一製造例を示す工程図(その6)である。 図4Gは、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)における単一電子トランジスタの一製造例を示す工程図(その7)である。 図4Hは、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)における単一電子トランジスタの一製造例を示す工程図(その8)である。 図5は、図4Dの炭素系線状構造体の平面図に相当する電子顕微鏡写真の一例を模式化した模式図である。 図6は、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)における単一電子トランジスタが、室温でクーロンダイヤモンド特性を示すことを説明するためのゲート電圧とドレイン電圧との関係図の一例である。 図7は、標的捕捉体の一例を示す概略説明図である。 図8Aは、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)の一製造例を示す工程図(その1)である。 図8Bは、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)の一製造例を示す工程図(その2)である。 図8Cは、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)の一製造例を示す工程図(その3)である。 図9Aは、本発明の標的検出方法に用いられる本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)の一例を示す概略説明図である。 図9Bは、本発明の標的検出装置(単一電子センシングデバイス)を用いて行う標的検出方法の一例を示す概略説明図である。 図10は、カーボンナノチューブに1−ピレンスクシンイミジルエステルを捕捉させてからフェリチンを作用させたときのカーボンナノチューブの表面を示すTEM写真である。 図11は、カーボンナノチューブに直接フェリチンを作用させたときのカーボンナノチューブの表面を示すTEM写真である。 図12は、実施例2における単一電子センシングデバイスのIds−Vgs特性の測定結果を示すグラフ図である。 図13Aは、第1のアイランドが第2のアイランド側に尖端部を有し、第2のアイランドが第1のアイランド側に尖端部を有する態様でカーボンナノチューブを形成した状態を説明するための概略説明図である。 図13Bは、尖端部を複数有する態様でカーボンナノチューブを形成した状態を説明するための概略説明図である。
符号の説明
10 カーボンナノチューブ(炭素系線状構造体)
20 格子欠陥
30 標的捕捉体
31 相互作用部
32 標的捕捉部
40 検出標的
100 単一電子トランジスタ
200 単一電子センシングデバイス
300 レジストパターニング
310 触媒
320 電極金属

Claims (5)

  1. 格子欠陥を少なくとも2個含む炭素系線状構造体と、該炭素系線状構造体に含まれる前記格子欠陥を少なくとも2個挟むように配置した第1の電極及び第2の電極と、前記炭素系線状構造体に対し電界効果を与える第3の電極と、前記炭素系線状構造体と相互作用可能、かつ検出標的を捕捉可能であり、前記炭素系線状構造体の表面における前記格子欠陥の非存在部位に、前記炭素系線状構造体との相互作用により固定された標的捕捉体と、を有してなることを特徴とする標的検出装置。
  2. 格子欠陥が、炭素原子の欠落、変形、及び他の不純物原子との置換のいずれかにより形成された請求項1に記載の標的検出装置。
  3. 標的捕捉体が、炭素系線状構造体と相互作用可能な相互作用部と、検出標的を捕捉可能な捕捉部とを有し、前記相互作用部がπ−πスタッキングにより前記炭素系線状構造体と相互作用可能である請求項1から2のいずれかに記載の標的検出装置。
  4. 標的捕捉体における相互作用部が、π共役結合を有する芳香族化合物を構造の一部に少なくとも含む請求項3に記載の標的検出装置。
  5. 芳香族化合物が縮合多環芳香族炭化水素であり、該縮合多環芳香族炭化水素がピレン、トリフェニレン、クリセン、及びテトラセンから選択される少なくとも1種である請求項4に記載の標的検出装置。
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