JP2019190182A - 支持脚 - Google Patents
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例えば、下記特許文献1には、主軸と、この主軸に対してコイルばねによって建築物の架材に常時当接するよう構成された架材支持部と、を備えた床束が開示されている。また、この床束は、主軸に対する架材支持部の下降を阻止する係止手段として、架材支持部の側壁に係止爪部を設け、主軸の係止爪部に対応する部位に係止段部を設けた構成としている。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、本実施形態に係る支持脚を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
本実施形態に係る支持脚20は、図6及び図8に示すように、スラブ2上に間隔を空けて配設される被支持部材8,10を支持する構成とされている。本実施形態では、この支持脚20によって被支持部材としての壁際下地8及び床パネル10を支持し、スラブ2上に床下空間3を介在させて複数の床パネル10を配設して二重床を構築する構成としている。
スラブ2は、上階と下階との間や地盤上に設けられた基礎スラブや床スラブ等のコンクリートスラブでもよい。
この床パネル10は、図7及び図9に示すように、隣り合う2辺11,12がそれぞれの載置対象8,13,14に載置されて保持される構成とされている。本実施形態では、図6及び図7に示すように、壁際に配される床パネル10の2辺11,12を保持する載置対象を、スラブ2から間隔を空けて建物の壁面4,5に沿って固定される壁際下地8としている。この壁際下地8は、略角柱状とされ、長手方向を水平方向に沿わせて配される。なお、この壁際下地8は、適宜の木質系材料から形成されたものでもよい。
また、床パネル10は、脚側隅部17の対角側の隅部となる脚対角側隅部15を含む他の隅部やその他の下面側には、支持脚20を設けていない構成とされている。つまり、床パネル10は、脚側隅部17の下面側のみに1本の支持脚20を設けた構成とされている。なお、以下では、脚対角側隅部15において交差する隣り合う2辺11,12の一方を、第1辺11とし、他方を第2辺12として説明する。また、脚側隅部17において交差する残余の2辺13,14のうちの第1辺11に平行な辺を第3辺13とし、第2辺12に平行な辺を第4辺14として説明する。
また、第3辺13及び第4辺14の上面側には、上方側を向き載置面を構成する段底面13a,14aと略水平方向を向く段壁面とによって区画された凹段部が設けられている。第3辺13の凹段部と第4辺14の凹段部とは、脚側隅部17において交差し、かつ連なるように設けられている。
また、第3辺13の凹段部の幅寸法(パネル長手方向に沿う寸法)及び第4辺14の凹段部の幅寸法(パネル幅方向に沿う寸法)は、第1辺11及び第2辺12の凹段部の幅寸法以下の寸法とされている。本実施形態では、第3辺13及び第4辺14の凹段部の幅寸法を、第1辺11及び第2辺12の凹段部の幅寸法と略同寸法としている。つまり、図9(b)に示すように、複数の床パネル10を施工した状態では、隣り合う床パネル10,10の対向辺11,13,12,14同士が当接され、表面同士が略面一状に連なる構成とされている。
また、図1(a)及び図2に示すように、床パネル10の脚側隅部17には、後記する支持脚20の上端部を構成する上端雄ねじ部24が取り付けられる取付孔18が設けられている。本実施形態では、この取付孔18を、床パネル10の脚側隅部17をパネル厚さ方向に貫通するように設けた構成としている。また、この取付孔18を、第3辺13及び第4辺14の凹段部が交差する交差部よりもパネル中心側に位置するように設けた構成としている。つまり、この取付孔18は、床パネル10の凹段部が設けられていない表面(上面)において開口するように設けられている。また、この取付孔18に、上端雄ねじ部24がねじ合わされる雌ねじ孔19aを設けたナット部材19を埋込状に設けた構成としている。また、ナット部材19の雌ねじ孔19aは、パネル厚さ方向に貫通するように設けられている。また、このナット部材19の下端側(パネル裏面側)には、鍔状部が設けられている。
また、床パネル10は、適宜の木質系材料から形成されたものでもよい。また、床パネル10は、平面視して略同寸同形状とされた2枚の板材を、上記のように各辺11,12,13,14に凹段部が形成されるようにずらして積層して形成されたものでもよい。また、この床パネル10は、表面が化粧面とされた床仕上材でもよいが、本実施形態では、支持脚20とによって床下地ユニット1を構成する下地パネルとされている。なお、上記した壁際下地8も含んで床下地ユニット1として把握するようにしてもよい。
この支持脚20は、筒状体22と、この筒状体22に差し入れられる棒状体25と、を有し、長手方向に伸縮可能とされた支持脚本体21を備えている。また、支持脚20には、支持脚本体21を短縮不能にロックするロック機構26,35が設けられている。このような構成とすれば、後記するように床パネル10を設置する際に、第1辺11及び第2辺12が載置対象8,13,14に支持されて略水平とされた床パネル10の脚側隅部17の高さを微調整することができ、スラブ2の不陸等を吸収することができる。
また、棒状体25は、図2及び図3に示すように、筒状体22に差し入れられる側の部位となる少なくとも上側部位に被係止部26を構成する雄ねじ部を設けた構成とされている。本実施形態では、棒状体25の上側略半部を雄ねじ部とし、下側略半部を雄ねじ部よりも大径状の円柱状部としている。なお、このような態様に代えて、棒状体25の長手方向の概ね全体に亘って被係止部26を構成する雄ねじ部を設けた構成としてもよい。
付勢部材29は、この保持部23aに上端部が規制され、棒状体25を筒状体22に対して進出させる方向、つまり、支持脚本体21を伸長させる方向に付勢する構成とされている。
また、本実施形態では、抜止部材30に、係止体35を軸方向両側から挟むように保持する保持部33を設けた構成としている。このような構成とすれば、例えば、ねじ等によって係止体35を抜止部材30に保持させたものと比べて、緩み等が生じ難く、係止体35の軸方向への移動を効果的に抑制することができる。
また、抜止部材30には、図2に示すように、棒状体25の被係止部26が挿通される挿通孔32が設けられている。この挿通孔32は、抜止部材30の底部を貫通するように設けられている。
保持部33は、係止体35を受け入れる受入凹所を区画するように、抜止部材30の下端側に設けられている。保持部33の受入凹所は、挿通孔32が設けられた底部の下方側に向く下面33aと、抜止部材30の下端部の外周縁部から下方側に向けて突出する突片部33bと、この突片部33bの下端から被係止部26に向けて突出する下片部33cと、によって区画されている。つまり、保持部33は、抜止部材30の底部の下面33aと下片部33cとによって係止体35を軸方向両側から挟むように保持する構成とされている。
また、半割体36,36の周方向の第2端部38,38に、当該係止体35を環状に維持するように互いに係合する係合部38a,38aを設けた構成としている。このような構成とすれば、半割体36,36の第2端部38,38の係合部38a,38a同士を係合させることで係止体35を環状に維持することができ、例えば、ピン等を挿入して環状に維持する必要があるものと比べて、作業性を向上させることができる。
各半割体36,36は、概ね同様の構成とされ、周方向の第1端部37,37に、互いに向き合うように凹段部を設けた構成とされている。一方の半割体を構成する第1半割体36Aの第1端部37には、周方向外側及び上方側に向けて開口するように凹段部が設けられている。他方の半割体を構成する第2半割体36Bの第1端部37には、周方向外側及び下方側に向けて開口するように凹段部が設けられている。
また、第1半割体36Aの内周側には、係止部39の半部を構成する半雌ねじ部39Aが設けられている。また、第2半割体36Bの内周側には、雌ねじ部39の半部を構成する半雌ねじ部39Bが設けられている。図4(b)に示すように、第1半割体36A及び第2半割体36Bの第2端部38,38同士を離間させれば、各半雌ねじ部39A,39Bと棒状体25の被係止部26との噛み合いが解除され、筒状体22に対する棒状体25の長手方向への移動が可能となる。
また、係止体35が環状とされた状態で、これら係合部38a,38aの外周(外径)側縁部同士が当接し、係止体35が拡開する方向への第2端部38,38同士の移動が抑制される(図4(e)参照)。また、係止体35が環状とされた状態で、一方の第2端部38が他の第2端部38の凹段部の段壁面に当接し、係止体35が縮小する方向への第2端部38,38同士の移動が抑制される。つまり、係止体35は、第2端部38,38の係合部38a,38aを互いに係合させれば、拡縮が抑制される。
同壁際下地の施工方法は、図5及び図7に示すように、床パネル10の第1辺11が載置される壁際下地8をスラブ2から間隔を空けて建物の壁面4に沿って固定する工程を備えている。このように壁際下地8を固定する際には、壁際下地8の上方側に向く載置面を構成する上面8aが水平となるように、かつ適宜の高さ位置(床下地基準レベル)となるように位置合わせしながら壁際下地8を壁面4に固定する。なお、この壁際下地8は、適宜の長さ寸法とされたものでもよい。
このように支持脚本体21を短縮させる際には、図2(b)及び図4(b)に示すように、係止体35を径方向に拡開させて棒状体25の被係止部26に対する係止を解除させた状態で、棒状体25の被係止部26を筒状体22内に退入させるように移動させる。これにより、付勢部材29の圧縮変形を伴って支持脚本体21が短縮される。なお、このように支持脚本体21が短縮された状態で係止体35を環状に縮径させて支持脚本体21の短縮状態を維持させることも可能である。また、1本の壁際下地8を、2以上の支持脚20によって支持させる構成としてもよい。図例では、1本の壁際下地8の長手方向に間隔を空けて3つの支持脚20,20,20を設けた例を示している。
このように支持脚本体21を伸長させる前または伸長させる際に、支持脚20の上端部を壁際下地8に取り付けるようにしてもよい。本実施形態では、支持脚20の上端部を取り付ける取付穴9を壁際下地8に設けた構成としている。この取付穴9は、上記した支持脚20の上端部を構成する上端雄ねじ部24の嵌め込み(圧入)が可能なように、少なくとも下方側に向けて開口する有底穴でもよいが、図例では、上下方向に貫通する貫通孔としている。なお、この取付穴9に、上記同様なナット部材を埋込状に設けた構成としてもよい。
また、図6に示すように、互いに交差し隣り合う2つの壁面(第1壁面4及び第2壁面5)4,5のそれぞれに沿わせて略L字状に載置対象を構成する壁際下地8,8を設置する。この際、これら壁際下地8,8(上面8a,8a)が同高さとなるように、これら壁際下地8,8を設置する。なお、これら壁際下地8,8は、それぞれの壁幅方向に間隔を空けて設置されるものでもよい。
また、この床パネル10を、脚対角側隅部15を入隅部側に向け、第1辺11を第1壁面4に固定された壁際下地8に載置し、第2辺12を第2壁面5に固定された壁際下地8に載置する。このように、第1辺11及び第2辺12が互いに交差する壁際下地8,8に載置された状態では、脚側隅部17の支持脚20が付勢部材29の付勢によって伸長され、床パネル10が略水平となる。このように略水平となった床パネル10を水平となるように必要に応じて微調整し、上記のように係止体35を環状に縮径させて支持脚本体21を短縮不能にロックする。また、床パネル10の各挿通孔16,16,16にねじ等の止具を挿通させて壁際下地8,8に止着する(ねじ込む)。これにより、入隅部の床パネル10が設置される。
そして、図7(b)に示すように、第2壁面5に固定された壁際下地8及びこの壁際下地8に第2辺12が載置された床パネル10の第2辺12の脚側隅部17側に隣り合う第3辺13を載置対象として床パネル10を第2壁面5に沿わせて設置する。これによれば、第2壁面5に沿って設置された床パネル10の第3辺13と壁際下地8とに床パネル10の第1辺11及び第2辺12を載置して第2壁面5に沿って床パネル10を設置することができる。つまり、上記と概ね同様、第1辺11を設置済みの床パネル10の第3辺13に載置し、第2辺12を第2壁面5に固定された壁際下地8に載置し、支持脚本体21を短縮不能にロックして床パネル10を設置する。
また、図9(b)に示すように、第1辺11,11及び第2辺12,12が載置対象8,8,13,14にそれぞれ載置された各床パネル10,10の残余の2辺のうちの互いに交差するように隣接する第3辺13及び第4辺14を載置対象として床パネル10を設置する。これによれば、上記のように壁際に設置された床パネル10やこの床パネル10に隣接して設置された床パネル10の互いに交差するように配される各1辺13,14に、床パネル10の第1辺11及び第2辺12を載置して設置することができる。つまり、上記と概ね同様、第1辺11を設置済みの床パネル10の第3辺13に載置し、第2辺12を設置済みの床パネル10の第4辺14に載置し、支持脚本体21を短縮不能にロックして床パネル10を設置する。
また、支持脚20の台座28を除く部位は、適宜の金属系材料から形成されたものでもよい。
また、上記した例では、筒状体22を上側とし、棒状体25を下側とした支持脚本体21を例示しているが、このような態様に代えて、筒状体22を下側とし、棒状体25を上側とした支持脚本体21としてもよい。また、伸長方向に付勢する付勢部材29としては、筒状体22内に設けられる圧縮コイルばねに限られず、その他、種々の構成とされたものでもよい。
また、上記した例では、係止体35を構成する半割体36,36の第1端部37,37同士を、保持軸34によって回転自在に連結した例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、第1端部37,37に、当該係止体35を環状に維持するように互いに係合する係合部を設けた態様や、第1端部37,37同士の離間を抑制するねじ等の締結機構や係止ピン等を設けた構成等としてもよい。
また、上記した例では、棒状体25の被係止部26を雄ねじ部とし、係止体35の係止部39を雌ねじ部とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、棒状体25の被係止部26及び係止体35の係止部39のうちの一方を、周方向に延びる環状溝とし、他方を、これに係止する係止突条としてもよい。また、被係止部26及び係止部39を全周に亘って設けた態様に代えて、周方向に沿って間隔を空けて設けた構成等としてもよい。本実施形態に係る支持脚20としては、上記したような構成とされたものに限られず、その他、種々の構成とされたものの採用が可能である。
21 支持脚本体
22 筒状体
25 棒状体
26 被係止部(ロック機構)
29 付勢部材
30 抜止部材
33 保持部
34 保持軸(軸)
35 係止体(ロック機構)
36 半割体
37 第1端部
38 第2端部
38a 係合部
39 係止部
Claims (6)
- 筒状体と該筒状体に差し入れられる棒状体とを有し長手方向に伸縮可能とされた支持脚本体と、該支持脚本体を伸長方向に付勢する付勢部材と、該支持脚本体を短縮不能にロックするロック機構と、を備えており、
前記ロック機構は、前記棒状体の外周側に長手方向に複数段状に設けられた被係止部と、該被係止部に係止する係止部が内周側に設けられ周方向に分割された係止体と、を備え、該係止体は、径方向に拡開されて前記被係止部に対する係止が解除された解除状態と前記棒状体を囲むように環状とされて前記被係止部に係止するロック状態とに変位自在とされていることを特徴とする支持脚。 - 請求項1において、
前記被係止部は、前記棒状体の外周側に周方向に延びるように全周に亘って設けられ、前記係止部は、前記係止体の内周側に周方向に延びるように全周に亘って設けられ、かつ軸方向に複数段状に設けられていることを特徴とする支持脚。 - 請求項2において、
前記被係止部は、前記棒状体に設けられた雄ねじ部であり、前記係止部は、前記係止体が環状とされた状態で前記雄ねじ部に噛み合う雌ねじ部であることを特徴とする支持脚。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記筒状体の棒状体受入側の端部には、該筒状体に対する前記棒状体の脱離を防止する抜止部材が設けられ、この抜止部材に、前記係止体が保持されていることを特徴とする支持脚。 - 請求項4において、
前記抜止部材には、前記係止体を軸方向両側から挟むように保持する保持部が設けられていることを特徴とする支持脚。 - 請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記係止体は、周方向の第1端部同士の重ね合わせられた部位に設けられた軸回りに回転自在とされ、かつ半割状に2分割された半割体を備えており、
これら半割体の周方向の第2端部には、当該係止体を環状に維持するように互いに係合する係合部が設けられていることを特徴とする支持脚。
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