JP3942909B2 - 外張り断熱壁構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の壁体裏面に板状断熱材を添着した外張り断熱壁構造に係り、特に壁体に対する板状断熱材の係止保持と、壁体の裏面から所定間隔位置に内装材を取り付ける胴縁部材の連結支持とを容易にする外張り断熱壁構造に関し、現場打ちRC構造などによる耐力壁及びALCパネルなどの非耐力壁パネルのいずれにも適用することが可能である。
【0002】
【従来の技術】
住宅などにおける断熱壁構造には、古くから多用されている壁体裏面の空間にグラスウールなどの綿状断熱材を充填する充填断熱壁構造があるが、断熱材を隙間なく充填することが困難であって、高断熱を期待することができないと共に、熱橋による内部結露で耐用年数を低下させる恐れもあるなどの課題があった。
【0003】
これに対して、壁体裏面に硬質ウレタンフォームや発泡ポリスチレンなどの板状断熱材を添着する外張り断熱壁構造があり、この外張り断熱壁構造ではグラスウールなどより高密度で高断熱の板状断熱材を壁体裏面に密着状態で添着するので、高断熱を期待することができると共に、熱橋による内部結露で耐用年数を低下させる恐れも少ないことから最近では特に注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外張り断熱壁構造の場合にも解決を必要とする課題を内在しており、例えば板状断熱材を接着などによって壁体裏面に添着する作業が容易ではなく、また壁体(外壁)の裏面側から内壁空洞を隔てた所定間隔位置に胴縁部材を介して内装材(内壁)を取り付ける簡便な連結手段がなかった。
【0005】
更に、外張り断熱壁構造でも現場打ちRC構造などによる耐力壁のように、躯体に対して壁体を一体に連結する場合と、ALCパネルなどの非耐力壁パネルのように、躯体に対して壁パネルを面内変形又は層間変位可能に支持する場合とがあり、いずれの場合にも適用可能な共通した構造を採ることが困難であった。
【0006】
本発明では、これらの課題を解決し得る新規な構想による外張り断熱壁構造を提供するものであり、特に壁体に対する板状断熱材の係止保持と、壁体の裏面から所定間隔位置に内装材を取り付ける胴縁部材の連結支持を、簡便な連結手段で容易に達成すると共に、現場打ちRC構造などによる耐力壁及びALCパネルなどの非耐力壁パネルのいずれにも適用可能にしたことを主たる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による外張り断熱壁構造は、壁体に埋設した壁体に埋設したアンカー部材を裏面から突出させ、板状断熱材の厚みに適合する連結ねじ筒と連結し、この連結ねじ筒と当該連結ねじ筒に螺合する連結ねじ軸で形成した連結ねじ部材を介して、壁体の裏面に宛った板状断熱材を当該壁体に係止保持させると共に、壁体の裏面から所定間隔位置に内装材を取り付ける胴縁部材を連結支持させる。
【0008】
この外張り断熱壁構造では、アンカー部材に連結した簡単で安価な構成による連結ねじ部材を用いて、壁体に対する板状断熱材の係止保持と内装材を取り付ける胴縁部材の連結支持を容易に行うことができ、特に接着などの煩雑な作業によらず板状断熱材を壁体に係止保持できるので、作業能率の向上を図ることが可能であり、連結ねじ筒の長さ変更で任意の厚みの板状断熱材に対応できる。
【0009】
また、現場打ちRC構造などによる耐力壁及びALCパネルなどの非耐力壁パネルのいずれの場合でも、壁体に埋設したアンカー部材を介して連結ねじ部材に連結する共通の構成を採り、構成部品の共用化を図ることができると共に、連結ねじ軸を連結ねじ筒が補強して連結支持力を高めることができる。
【0010】
前記外張り断熱壁構造における前記壁体は、躯体と一体に連結する耐力壁で構成され、前記連結ねじ部材に胴縁受け部材と押さえ部材を装着し、前記胴縁受け部材に前記胴縁部材を連結すると共に、前記押さえ部材で前記板状断熱材を係止保持する形態を採ることができる。
【0011】
この外張り断熱壁構造は、現場打ちコンクリートによって躯体と一体に連結した壁体を形成するRC構造や、構造用面材となる壁パネルを躯体と一体に連結した耐力壁に適用するものであり、連結ねじ部材に装着した胴縁受け部材と押さえ部材によって、壁体に対する板状断熱材の係止保持と内装材を取り付ける胴縁部材の連結支持を容易に行うことができる。
【0012】
前記外張り断熱壁構造における前記胴縁受け部材は、前記胴縁部材と着脱可能に嵌合係止すると共に、前記連結ねじ軸に対して前後の位置調整が可能に連結されている形態を採ることができる。
【0013】
この外張り断熱壁構造では、簡単なねじ手段の締め付けで胴縁受け部材の前後の位置決め調整を行うことが可能であり、この位置決め調整によって胴縁部材に取り付ける内装材に不陸が生じない状態に予め設定した後に、胴縁受け部材に対して胴縁部材を連結して内装材を取り付けると、内装材を不陸のない状態で取り付けられるので組み付け作業の能率向上に寄与する。
【0014】
前記外張り断熱壁構造における前記壁体は、躯体と面内変形又は層間変位可能に連結する非耐力壁で構成され、前記連結ねじ部材に免震取付け具を装着し、前記免震取付け具に前記胴縁部材を連結すると共に、前記免震取付け具を押さえ部材として前記板状断熱材を係止保持する形態を採ることができる。
【0015】
この外張り断熱壁構造は、ALCパネルなどによるプレキャストの非耐力壁パネルを、躯体と面内変形又は層間変位可能に連結するパネル工法に適用するものであり、連結ねじ部材に装着した免震取付け具によって免震状態で胴縁部材の連結支持を容易に行うことができると共に、免震取付け具を押さえ部材に利用して壁体に対する板状断熱材の係止保持を容易に行うことができる。
【0016】
前記外張り断熱壁構造における前記免震取付け具は、スライド用の案内溝を備えた前記可動免震部材と、前記胴縁部材の長手方向に沿って所定間隔毎に装着される胴縁受け部材と、前記案内溝に係合して前記胴縁受け部材と連結させ、前記可動免震部材を回転及びスライド可能に支持する連結支持部材とで構成し、前記胴縁受け部材に前記胴縁部材を連結すると共に、前記可動免震部材を前記押さえ部材として前記板状断熱材を係止保持する形態を採ることができる。
【0017】
この外張り断熱壁構造は、簡単な構成による可動免震部材と胴縁受け部材及び連結支持部材の3部材で構成した免震取付け具によって、安価に提供することができると共に、壁パネルに対する組み付け作業も容易であり、特に連結支持部材によって可動免震部材を回転及びスライド可能に支持する簡便な構造は、長期間に渡って安定した免震作動を期待することができる。
【0018】
前記外張り断熱壁構造における前記胴縁受け部材は、前記胴縁部材と着脱可能に嵌合係止すると共に、前記連結支持部材に対して前後の位置調整が可能に連結されている形態を採ることができるが、耐力壁に適用した場合と同様に胴縁受け部材に対して胴縁部材を連結して内装材を取り付けると、内装材を不陸のない状態で取り付けられるので組み付け作業の能率向上に寄与する。
【0019】
前記外張り断熱壁構造における前記連結ねじ部材の連結ねじ軸は、前記アンカー部材とは別のねじ軸を使用する形態を採ることも可能であり、例えば壁体の裏面から突出させたアンカー部材のねじ軸を連結ねじ筒の一端側に螺合させると共に、連結ねじ筒の他端側から螺合する別のねじ軸を使用する形態であるが、連結ねじ軸が前記アンカー部材のねじ部である(アンカー部材自体で一体形成する)形態を採ることが望ましい。
【0020】
この外張り断熱壁構造は、前記連結ねじ部材を連結ねじ筒と当該連結ねじ筒の全体に螺合して突出するアンカー部材のねじ部で構成することによって、胴縁受け部材に対する連結ねじ軸と連結ねじ筒による連結支持力を高めることができると共に、構成部品を少なくし且つ組み付け作業を容易に行うことができる。
【0021】
前記外張り断熱壁構造における前記アンカー部材は、前記壁体に埋設した筒状のアンカー保持部材によって他端側を係止保持する形態を採ることができ、これによってアンカー部材の支持力を向上させることができると共に、アンカー保持部材を予め正確に位置決めした状態で埋設しておけば、アンカー部材の埋設を含むその後の組み付け作業を、現場作業で容易に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の外張り断熱壁構造について、実施形態を示す添付図面に基づいて詳細に説明するが、図1〜5は、非耐力壁パネルとしてALCパネルを用いた壁体(外壁)を、躯体に対して面内変形又は層間変位可能に連結すると共に、内装材(内壁)を取り付ける胴縁部材との間に免震取付け具を介在させた第1の実施形態であり、図1は、免震取付け具に胴縁部材を連結した斜視図を示し、図2は、断熱壁構造の要部横断面図を示し、図3は開口部を含む断熱壁構造の要部縦断面図を示す。
【0023】
免震取付け具1は、長孔で形成したスライド用の案内溝2を備えて壁パネル3側に連結される可動免震部材4と、胴縁部材5の長手方向に沿って所定間隔位置毎に装着される胴縁受け部材6と、案内溝2を挿通する態様で可動免震部材4と係合して胴縁受け部材6と連結させ、可動免震部材4を回転及びスライド可能に支持する連結支持部材7とで構成した。
【0024】
可動免震部材4は、一方のフランジ4aと他方のフランジ4bをウエブ4cで連結した断面形状がZ形に形成され、一方のフランジ4aに設けた取付け孔8をを介して壁パネル3側に連結すると共に、他方のフランジ4bに設けたスライド用の案内溝2を挿通する連結支持部材7を介して胴縁受け部材6と連結する。
【0025】
壁パネル3は、この実施形態ではALC(軽量気泡コンクリート)パネルを用い、ALCパネル内には内外周に抜け止め防止手段が施された筒状のアンカー保持部材9が埋設され、アンカー保持部材9に一端側を係止保持させたねじ軸状のアンカー部材10の他端側を裏面から突出させている。
【0026】
壁パネル3の裏面には、板状断熱材11を装着して外張り断熱壁が構成されており、裏面から突出させたアンカー部材10の他端側には、板状断熱材11の厚みに適合する高さにした連結ねじ筒12を螺着させ、連結ねじ筒12を挿通する態様で裏面に添着した板状断熱材11を、フランジ4aを押さえ部材にして座金及びナットなどによるねじ締結手段13でアンカー部材10に固着している。
【0027】
なお、板状断熱材11にはウレタンフォームその他の公知の板状断熱材の使用が可能であるが、特に断熱性能が高く且つ難燃性を備えていると共に、連結ねじ筒12に押し付けると容易に挿通させることが可能で施工性も良いなどの点から、フェノール樹脂の発泡体で形成した心材の表裏面にポリエステル不織布を面材として添着させた断熱材「例えば、旭化成工業(株)のネオマフォームなど」の使用がより望ましい。
【0028】
また、アンカー保持部材9には同様に機能する公知の各種アンカー保持部材の使用が可能であるが、特にALCパネルに後加工した埋設穴に対して容易に挿着することができると共に、ALCパネル及びアンカー部材10に対する付着力が強く、引き抜き強度に優れたナイロン製のアンカープラグ「例えば、峰岸(株)のフィッシャープラグなど」の使用がより望ましい
【0029】
胴縁受け部材6は、胴縁部材5の所定位置に予め一体に装着する形態を採ることも可能であるが、胴縁部材5の裏面に石膏ボードなどの内装材14を取り付ける際に、壁パネル3と内装材14が並行配置されるように、連結支持部材7で前後の位置調整を行って胴縁部材5の不陸を無くす必要があり、その位置調整作業を容易にするために胴縁部材5と着脱可能に嵌合係止する構成が望ましい。
【0030】
また、胴縁部材5は上下の梁部材間に延在させた縦胴縁(間柱)又は左右の柱間に延在させた複数の横胴縁で形成され、壁パネル3の何枚分かに相当するサイズの石膏ボードなどを、内装材14として胴縁部材5の裏面に宛ってねじ釘類を用いて固着するので、その取付け作業時に上下又は左右の位置ずれを微調整したり、過大な地震力に対して上下又は左右に追随させるために、胴縁受け部材6を胴縁部材5の長手方向に沿ってスライド可能に連結することが望ましい。
【0031】
これらのことを勘案して、図示の実施形態のように胴縁部材5は軽量形鋼でリップ溝形にし、開口側縁部に係止片15aが形成された側面板15が拡縮変形できるようにすると共に、胴縁受け部材6には係止溝16aが形成された折り曲げ片16を設け、係止片15aと係止溝16aが嵌合係止する態様で側面板15の間に折り曲げ片16を圧入状態で受容させ、胴縁受け部材6を胴縁部材5の長手方向に沿ってスライド可能に連結させている。
【0032】
すなわち、この実施形態では胴縁部材5として梁部材間に延在する縦胴縁を用いているので、胴縁受け部材6は垂直方向へスライド可能に連結させており、胴縁部材5に横胴縁を用いた場合には水平方向へスライド可能に連結することが可能であり、スライドによる位置調整を操作するために胴縁受け部材6には、側面板15の両側にスライド操作片17を突出させている。
【0033】
連結支持部材7は、可動免震部材4の案内溝2を挿通する連結ねじ18に対し、座金19,20をフランジ4bの表裏に押さえ部材として挿着すると共に、座金19,20の間には緩み止め及びスライドを容易にする間隔保持部材としてばね座金21を挿着させ、座金20側から螺合したナット22でフランジ4bに基端側を連結させ、連結ねじ18の先端側は胴縁受け部材6に予め溶着などで一体化したナット23に連結する。
【0034】
これにより、免震取付け具1は可動免震部材4と胴縁受け部材6との間が連結支持部材7で連結され、可動免震部材4は案内溝2内を挿通して胴縁受け部材6に連結する連結支持部材7の支持によって、胴縁受け部材6と回転及びスライド可能に連結されると共に、胴縁受け部材6に対する連結支持部材7のねじの固着位置を前後に調整すると、胴縁部材5の取付け位置を可変することができる。
【0035】
従って、胴縁受け部材6を介して連結された胴縁部材5及び内装材14と、可動免震部材4を介して連結された壁パネル3とが、相互に干渉を受けることのない免震状態で連結されるが、免震取付け具1は簡単な可動免震部材4と胴縁受け部材6及び連結支持部材7の3部材による構成で安価に提供できる。
【0036】
また、案内溝2に挿通した連結支持部材7の支持で可動免震部材4を回転及びスライド可能にする簡単な構造は、長期使用に対しても安定した免震効果を期待できると共に、胴縁受け部材6を介して連結される胴縁部材5は、市販されている安価な軽量リップ溝形鋼を利用することができる。
【0037】
図3は、窓などの開口部24に隣接した位置における免震壁構造を示すが、特に壁パネル3がALCパネルのように高強度でない場合には、壁パネル3のコーナー部にLアングル材などによる補強材25を設け、補強材25に溶着などで接合したサッシアンカー部材26を介してサッシ枠27を取付け、壁パネル3とサッシ枠27の間には、シール部材28や断熱材29を介在させると共に、サッシ枠27にはパッキン30を介してガラス窓31を装着し、サッシ枠27の後方には額縁状の枠材32を設け、壁と区分した開口部24を確保している。
【0038】
この開口部24における免震構造では、特に壁パネル3の裏面に板状断熱材11を装着すると共に、コーナー部にLアングル材などによる補強材25を設けた場合に、免震取付け具1の可動免震部材4をZ形に形成することによって、補強材25で板状断熱材11が隆起した状態になることを許容することができ、断熱構造や免震構造に何ら支承を及ぼすことがない。
【0039】
次に、免震取付け具1を用いた外張り断熱壁の構築方法について、図4の縦断面図及び図5の模式的な概略正面図によって説明すると、予め工場生産したALCパネルなどの壁パネル3を、現場施工した上部の梁部材(桁)33と下部の梁部材(土台)34及び、左右の柱部材(図示を省略)で形成した躯体に対し、上部側及び下部側が面内変形又は層間変位可能に支持された状態で装着する。
【0040】
なお、壁パネル3を面内変形又は層間変位可能にする支持構造及び、各壁パネル3間の目地部におけるシール構造については、従来公知の各種構成を適宜採用することが可能であって図示及び説明は省略するが、図示の実施形態では梁部材33,34をH形鋼による鉄骨で構成し、梁部材33上には床コンクリート35を梁部材34上には天井材(図示を省略)を装着する。
【0041】
壁パネル3には、墨出しで位置決めした所定位置にドリルその他の穴あけ工具で取付け穴の穿孔を行い、取付け穴にアンカー保持部材9を圧入して埋設した後に、アンカー保持部材9内にインパクトレンチなどの衝撃形工具でアンカー部材10を挿入し、裏面から突出するアンカー部材10に連結ねじ筒12を螺着させ、連結ねじ筒12からアンカー部材10の先端が突出する形態にする。
【0042】
次に、壁パネル3の裏面側に板状断熱材11を載置させ、アンカー部材10に適合する貫通孔を穿設した板状の貫通治具を位置決めして板状断熱材11の上面に宛い、貫通治具を押圧して板状断熱材11に連結ねじ筒12を挿通させると共に、板状断熱材11の上面からアンカー部材10の先端を突出させ、座金及びナットなどによるねじ締結手段13でフランジ4aをアンカー部材10に固着させ、可動免震部材4の取付けと板状断熱材11の係止保持を同時に行う。
【0043】
その後に、可動免震部材4に連結支持部材7と胴縁受け部材6を取り付けて免震取付け具1を装着し、連結支持部材7で胴縁受け部材6の前後方向に対する位置決め調整を行って、胴縁受け部材6の裏面側から胴縁部材5を嵌着させると共に、必要に応じて胴縁受け部材6と胴縁部材5間のスライドで垂直方向の位置決め調整を行い、胴縁部材5に対してねじ釘類で内装材14を取り付ける。
【0044】
これら一連の作業は、少なくとも免震取付け具1を装着するまでの工程は、躯体に装着する以前の壁パネル3に対して行うことが可能であり、これによって組み付け作業を容易にすることができるが、これらの全てを予め工場で行った場合には、壁パネル3に免震取付け具1などが付設されているので、現場への輸送や工場での保管に不便であるから、例えばアンカー保持部材9の埋設作業を工場で行い、その後の工程は躯体に装着する以前の壁パネル3に対して現場に設けた作業所で行うか又は、躯体に装着した壁パネル3に対して行うことが望ましい。
【0045】
図5の実施形態では、例えば幅1820mmを定尺とした内装材14(石膏ボード)を並設し、その前面側には幅606mmを定尺とした壁パネル3(ALCパネル)を並設すると共に、両者は目地部が重なり合わないようにずらせて配置させており、両者の寸法差によって1枚の内装材14に対して3枚の壁パネル3が、胴縁部材5と免震取付け具1を介して免震可能に連結されている。
【0046】
図5では、(a)が定常状態を示し、(b)が地震力などを受けた際の免震状態を示しており、(a)の定常状態における各免震取付け具1では、連結支持部材18がスライド用の案内溝2のほぼ中央に位置して可動免震部材4を支持し、これによって内装材14及び各壁パネル3は共に正立している。
【0047】
また(b)の免震状態では、胴縁部材5に装着した内装材14は、躯体側の拘束を受けて一時的に変形するが、地震力などの解消によって正立状態に復元し、各免震取付け具1を介して胴縁部材5に装着した各壁パネル3は、各免震取付け具1が地震力などに応じて回転及びスライドによる免震作動を行うので、目地部の許容範囲内で傾斜角度θのように変形する。
【0048】
すなわち、各免震取付け具1は連結支持部材18に支持された可動免震部材4がスライド用の案内溝2を介して回転及びスライドし、胴縁部材5及び内装材14の干渉を受けることなく地震力などに応じて各壁パネル3を変形させ、この免震作動によって壁パネル3及び内装材14の破損を防止することができる。
【0049】
また、胴縁部材5に対する胴縁受け部材6の着脱構造によって、地震力などが解消した後には胴縁部材5及び内装材14を一旦取り外し、連結支持部材18がスライド用の案内溝2のほぼ中央に位置して可動免震部材4を支持するように各免震取付け具1の再調整を行い、各壁パネル3を正立するように復元させることが容易であると共に、この着脱構造は修復や解体作業にも役立つ。
【0050】
次に、図6〜8に基づいて第2の実施形態による外張り断熱壁構造を説明するが、この実施形態は耐力壁体として現場打ちによるRC構造壁(外壁)を、躯体に対し一体に連結すると共に、内装材(内壁)を取り付ける胴縁部材との間に胴縁受け部材を介在させたものであり、図6は、断熱壁構造の要部横断面図を示し、図7、内装材を省略した背面図を示し、図8は、縦断面図を示す。
【0051】
この断熱壁構造は、第1の実施形態における免震取付け具1の換わりに免震取付け具1に使用した胴縁受け部材6を用い、図6(b)のようにRC構造壁36に埋設したアンカー保持部材9に基端側を支持してRC構造壁36の裏面から突出するアンカー部材10の先端側にナット23で連結し、胴縁受け部材6は内装材14を取り付ける胴縁部材5と着脱可能に嵌合係止させる。
【0052】
アンカー部材10は、第1の実施形態の場合より長尺のものを使用し、RC構造壁36の裏面から突出させたアンカー部材10のねじ部(連結ねじ軸)には、板状断熱材11の厚みに適合する長さの連結ねじ筒12を螺合すると共に、連結ねじ筒12の上面には連結ねじ軸が挿通する座金及びナットによるねじ締結手段13を押さえ部材に、RC構造壁36に板状断熱材11が係止保持される。
【0053】
また、RC構造壁36はセパレーターで間隔を保持した型枠内にコンクリート打設を行い、図7及び図8のように床及び梁コンクリート37,38と一体に接合されるが、このセパレーター40は、基部側をRC構造壁36に埋設して先端側のねじ部42が裏面から突出する態様で、コーンを取り外したコーン穴41の軸心に沿って延在しているので、これを活用して図6(a)のような図6(b)と同様の連結支持構造を採ることも可能である。
【0054】
この連結支持構造では、セパレーター40のねじ部42を連結ねじ筒12の一端側のねじ孔43に螺合させて連結し、連結ねじ筒12の他端側のねじ孔44に螺合する連結ねじ軸として胴縁受け部材6側から連結ねじ45を装着させ、ねじ締結手段13を押さえ部材にしてRC構造壁36に板状断熱材11を係止保持されると共に、ナット46で胴縁受け部材6を連結支持する。
【0055】
この外張り断熱壁構造は、例えば図7で示すように図6(a)と図6(b)の連結支持構造を、縦列に配置した胴縁部材5に対して交互に配置すると共に、横列に対しても胴縁受け部材6の取り付ける高さ位置を変えて交互に配置させ、各胴縁部材5の取付けは300mmピッチで、胴縁受け部材の取付けは300mmピッチにしている。
【0056】
このセパレーター40を活用した図6(a)の連結支持構造は、必ずしも図6(b)の連結支持構造と併用するものではなく、全てを図6(b)の連結支持構造で構成する形態もあるが、両者を併用すると新たに埋設するアンカー部材10及びアンカー保持部材9を節約することができる。
【0057】
以上のように、第2の実施形態による外張り断熱壁構造は、非耐力壁パネルを免震状態にした第1の実施形態対し、免震取付け具1の換わりに胴縁受け部材6を使用する程度の簡単な変更によって耐力壁体にも適用することができ、両者は多くの共用部品を使用できるので部品コストの低減や部品管理の簡素化に寄与し、これらによって総合的なコストダウンを図ることができると共に、作業の習熟度も得られて施工品質の向上も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を非耐力壁に適用した第1の実施形態による外張り断熱構造に用いる免震取付け具に胴縁部材を連結した斜視図を示す。
【図2】第1の実施形態による外張り断熱構造の要部横断面図を示す。
【図3】第1の実施形態による外張り断熱構造の開口部を含む要部縦断面図を示す。
【図4】第1の実施形態による外張り断熱構造の縦断面図を示す。
【図5】第1の実施形態による外張り断熱構造における免震作動の模式的な概略正面図を示す。
【図6】本発明を耐力壁に適用した第2の実施形態による外張り断熱構造の要部横断面図を示す。
【図7】第2の実施形態による外張り断熱構造の要部正面図を示す。
【図8】第2の実施形態による外張り断熱構造の要部縦断面図を示す。
【符号の説明】
1 免震取付け具
2 (スライド用の)案内溝
3 壁パネル(非耐力壁体)
4 可動免震部材
5 胴縁部材(縦胴縁)
6 胴縁受け部材
7 連結支持部材
8 取付け孔
9 アンカー保持部材
10 アンカー部材
11 板状断熱材
12 連結ねじ筒
13 ねじ締結手段
14 内装材(石膏ボード)
15 (胴縁部材の)側面板
16 (胴縁部材の)折り曲げ片
17 スライド操作片
18 連結ねじ
19,20 座金
21 ばね座金
22,23 ナット
24 開口部
25 補強材
26 サッシアンカー部材
27 サッシ枠
28 シール部材
29 断熱材
30 パッキン
31 ガラス窓
32 枠材
33 梁部材(桁)
34 梁部材(土台)
35,37 床コンクリート
36 RC構造壁(耐力壁体)
38 梁コンクリート
40 セパレーター
41 コーン穴
42 ねじ部
43,44 ねじ孔
45 連結ねじ

Claims (3)

  1. 裏面に板状断熱材を装着する壁体と、壁体の裏面から所定間隔位置に内装材を取り付ける胴縁部材との間を、免震取付け具を介して連結する外張り断熱壁構造であって、
    前記免震取付け具は、壁体に埋設したアンカー部材に連結して板状断熱材を押さえる可動免震部材と、胴縁部材の長手方向に沿って所定間隔毎に装着する胴縁受け部材と、可動免震部材と胴縁受け部材の間を連結する連結支持部材で構成され、前記可動免震部材には胴縁部材の長手方向と直交する方向に案内溝を設け、当該案内溝に前記連結支持部材を係合して可動免震部材との間を回転可能で案内溝に沿ってスライド可能に支持すると共に、前記胴縁受け部材には胴縁部材と着脱可能で長手方向に沿ってスライド可能に嵌合係止する折り曲げ片を設け、当該折り曲げ片を介して胴縁受け部材を胴縁部材に沿ってスライド可能に連結し、前記連結支持部材で可動免震部材と胴縁受け部材の間を前後の位置調整が可能に連結したことを特徴する外張り断熱壁構造。
  2. 前記免震取付け具は、前記可動免震部材には前記アンカー部材に連結して板状断熱材を押さえる一方のフランジと、前記スライド用の案内溝を形成して連結支持部材と連結する他方のフランジを設け、各フランジをウエブで連結して断面形状をZ形とし、前記胴縁受け部材にはリップ溝形で形成した胴縁部材に圧入してスライド可能に係止する係止溝を前記折り曲げ片に設けると共に、胴縁部材の両側に突出させてスライドによる位置調整を可能にするスライド操作片を設け、前記連結支持部材には可動免震部材と胴縁受け部材の間を前後の位置調整が可能に連結する間隔保持部材を設けた請求項1に記載した外張り断熱壁構造。
  3. 前記免震取付け具は、前記アンカー部材に板状断熱材の厚みに適合する連結ねじ筒と連結すると共に、当該アンカー部材を板状断熱材の裏面から突出させ、可動免震部材にねじ固着させた請求項1又は2に記載した外張り断熱壁構造。
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