JP7022930B2 - 壁下地装置及びこれを用いた壁下地施工方法 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、スラブ上に設置された下ランナー(下横桟)に複数本のスタッド(縦桟、間柱)の下端部を保持させる取付方法が開示されている。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、本実施形態に係る壁下地装置を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
本実施形態に係る壁下地装置1は、図6に示すように、壁厚方向一方側に面材7が固定される複数本の縦桟30と、縦桟30の下端部30aを保持する下端保持部材10と、を備えている。また、下端保持部材10は、下横桟25と、スラブ2上に間隔を空けて設置される支持部材11と、を備えている。
また、この壁下地装置1の天井側の固定対象としては、LGS(軽量形鋼)等の鋼製下地や木造下地でもよいが、天井スラブでもよい。
縦桟30に固定される面材7は、一般的な壁下地ボード、例えば、石膏ボード(プラスターボード)でもよく、インシュレーションボードやMDF(中密度繊維板)、ハードボード等の木質繊維板、木質積層板等の木質系ボードでもよい。また、面材7としては、このような石膏ボードや木質系ボードに限られず、例えば、0.5mm~1.5mm程度の比較的に薄い鉄板等の金属板でもよい。また、面材7は、表面(室内側面)に化粧シートの貼着や塗装等の表面処理が施されて表面が化粧面とされたものでもよい。
また、本実施形態では、縦桟30を、略角筒状の鋼製下地としている。図例では、縦桟30を、長手方向に見て略正方形状とされたものとしている。また、図例では、縦桟30の四周の側壁部31,31,31,31に、表面側において凹み、かつ中空側となる軸心側に向けて突出するリブを長手方向に沿って延びるように設けた例を示している。なお、縦桟30としては、図例のような形状とされたものに限られず、例えば、C字状とされたものでもよく、その他、種々の構成とされたものでもよい。
根太受部32は、縦桟30の高さ方向途中部位から室内側(反壁面側)に向けて突出するように設けられている。各縦桟30の各根太受部32は、各縦桟30が施工された状態でそれぞれの上面が同一平面状となるように、各縦桟30の下端から上面までの寸法が同寸法となるように設けられる。図例では、この根太受部32を、縦桟30の面材7が固定される側(室内側)の側壁部31に固定される固定片部を有したL字状金具とした例を示している。また、図例では、根太受部32に支持された根太4と縦桟30との間に緩衝材等からなるスペーサー33を設けた例を示している。なお、根太受部32の上面側にも同様なスペーサーを設けた構成としてもよい。
差込凹所13は、縦桟30の四周を囲むように設けられた側壁部14,14,14,14と底壁部15とによって区画されている。側壁部14,14,14,14の内側面は、縦桟30の側壁部31,31,31,31の外側面の形状に応じた形状とされている。つまり、側壁部14,14,14,14の内側面には、リブ状の突部が中心側に向けて突出するように設けられている。これら側壁部14,14,14,14は、互いに同厚さとされている。つまり、差込凹所13は、平面視して縦桟保持部12の中心部に位置するように設けられている。
台座部18は、比較的に扁平な略円板状とされている。この台座部18は、合成樹脂系材料や比較的に硬質なゴム等のエラストマー系材料から形成されたものでもよく、防振機能を有したものでもよい。この台座部18は、縦桟30及び隣り合う下横桟25,25を安定的に支持部材11によって保持可能なように、適宜の径とされたものでもよい。図例では、台座部18の径を、縦桟30の幅寸法(一辺の寸法)よりも大とした例を示している。
また、これら直交状に設けられた保持部20,20のコーナー部に位置するように縦桟保持部12を設けた構成としている。換言すれば、支持部材11は、縦桟保持部12から直交状に突出させるように保持部20,20を設けた構成とされ、平面視してL字状とされている。
また、本実施形態では、これら保持部20,20に、隣り合う下横桟25,25の各端部25a,25aを受け入れるように各下横桟25,25の長手方向に沿って開口する受入凹所21,21を設けた構成としている。これら受入凹所21,21は、上方側に向けて開口するように設けられている。つまり、これら受入凹所21,21は、各下横桟25,25の長手方向に延びる凹溝状に設けられている。
また、当該支持部材11の出隅側(外側)面を構成する出隅側の側壁部22,22の外側面は、縦桟保持部12の出隅側において互いに交差する側壁部14,14の外側面と同一平面状となるように設けられている。当該支持部材11の入隅側(内側)面を構成する入隅側の側壁部22,22の外側面は、縦桟保持部12の残余の互いに交差する側壁部14,14の外側面と同一平面状となるように設けられている。これら出隅側の側壁部22,22と入隅側の側壁部22,22とは、互いに同厚さとされている。また、これら保持部20,20の側壁部22,22,22,22の上面は、縦桟保持部12の側壁部14,14,14,14の上面と同一平面状とされている。
また、各保持部20,20の底壁部23,23は、それぞれの下面が縦桟保持部12の底壁部15の下面と同一平面状となるように設けられている。
なお、支持部材11は、合成樹脂系材料や金属系材料から形成されたものでもよい。
また、図例では、支持部材11の互いに交差する出隅側面または入隅側面のそれぞれに貼着されるシート状のスペーサー24,24を設けた例を示している。これらスペーサー24,24は、緩衝機能や防振機能を有したものでもよい。
本実施形態では、図2に示すように、この下横桟25に、上方側に向けて開口し、長手方向に延びる凹溝26を設けた構成としている。この凹溝26は、両側の側壁部27,27と底壁部28とによって区画され、縦桟30の下端部30aが差し込まれる構成とされている。
両側の側壁部27,27間の寸法は、縦桟30の幅寸法(一辺の寸法)に応じた寸法とされている。この凹溝26は、この凹溝26が設けられた下横桟25の端部25aを保持する支持部材11の差込凹所13及びこの凹溝26のそれぞれに下端部30a,30aが差し込まれた縦桟30,30の壁厚方向(下横桟25の幅方向)両面同士が同一平面状となるように設けられている。
また、本実施形態では、図5に示すように、凹溝26に差し込まれた縦桟30の下端部30aの溝長手方向への移動を抑制する縦桟ストッパー29を設けた構成としている。図例では、縦桟ストッパー29を、縦桟30の溝長手方向両側に位置するように、かつ両側の側壁部27,27間に架け渡すように設けた例を示している。なお、縦桟ストッパー29としては、このような態様とされたものに限られず、その他、種々の構成とされたものでもよい。
同壁下地施工方法は、図5に示すように、複数の支持部材11,11のそれぞれの保持部20,20が同高さ(上下方向で同位置)となるように、それぞれの高さ調整部17,17を調整して各支持部材11,11をスラブ2上に間隔を空けて設置する工程を備えている。これら複数の支持部材11,11は、当該壁下地装置1によって構成される壁面の壁幅方向に間隔を空けて設置される。また、同壁下地施工方法は、これら支持部材11,11に端部25a,25aを保持させて複数本の下横桟25,25を設置する工程を備えている。
本実施形態では、上記のようにL字状とされた支持部材11,11を、壁面3,3同士が交差する隅部に設置するようにしている。図例では、壁面3,3同士が交差する入隅部と壁面3,3同士が交差する出隅部とのそれぞれに支持部材11,11を設置した例を示している。また、図例では、入隅部に設置される支持部材11の壁面3,3側に向く面(出隅側面)と壁面3,3との間にスペーサー24,24を設けた例を示している。また、出隅部に設置される支持部材11の壁面3,3側に向く面(入隅側面)と壁面3,3との間にスペーサー24,24を設けた例を示している。
また、同壁下地施工方法は、これら支持部材11及び下横桟25を含む下端保持部材10に下端部30aを保持させて複数本の縦桟30を設置する工程を備えている。図例では、各支持部材11,11の差込凹所13,13及び下横桟25の凹溝26に、各縦桟30,30,30の下端部30a,30a,30aを差し込んで保持させた例を示している。また、下横桟25の凹溝26に下端部30aが差し込まれた縦桟30の両側に縦桟ストッパー29,29を取り付けた例を示している。
また、根太4を、上記のように各縦桟30に設けられた根太受部32に支持させた構成としている。図例では、出隅部に位置する縦桟30に、出隅部において直交状に配される根太4,4の端部をそれぞれに支持する根太受部32,32を設けた例を示している。なお、図例では、入隅部に位置する縦桟30に、入隅部において直交状に配される根太4,4の一方の端部を支持する根太受部32を設けた例を示しているが、両方の根太4,4の端部を支持し得る根太受部32を設けた構成としてもよい。
また、上記施工手順は、一例に過ぎず、各部材の機能を阻害しない限りにおいて別手順で行うようにしてもよく、種々の変形が可能である。
つまり、縦桟30の下端部30aを保持する下端保持部材10の支持部材11に、スラブ2に対する保持部20の高さを調整可能とする高さ調整部17を設けた構成としている。従って、それぞれの高さ調整部17,17を調整してスラブ2上に間隔を空けて設置された各支持部材11,11の各保持部20,20に端部25a,25aを保持させることで各下横桟25を水平かつ同高さに配置することができる。これにより、スラブ2に不陸があった場合にも容易に対応可能となる。また、このように配置された下端保持部材10に縦桟30の下端部30aを保持させることができる。これにより、各下横桟25が水平かつ同高さとなるように微調整したり、縦桟30の長さを調整したりする必要性を低減することができ、施工性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、支持部材11に、差込凹所13及び受入凹所21を設けた例を示しているが、これらのうちの両方または一方を設けていない構成としてもよい。支持部材11に設けられる下横桟25の保持部20としては、ねじ等の締結具によって端部25aを保持する構成とされたものでもよく、その他、種々の構成とされたものでもよい。また、支持部材11に縦桟30の下端部30aを保持する縦桟保持部12を設けていない構成としてもよい。本実施形態に係る壁下地装置1を構成する各部材及び各部の構成は、上記したような構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
10 下端保持部材
11 支持部材
13 差込凹所
17 高さ調整部
20 保持部
21 受入凹所
25 下横桟
25a 端部
30 縦桟
30a 下端部
32 根太受部
2 スラブ
4 根太
5 床材
7 面材
Claims (5)
- 壁厚方向一方側に面材が固定される複数本の縦桟と、前記縦桟の下端部を保持する下端保持部材と、を備えており、
前記下端保持部材は、下横桟と、スラブ上に間隔を空けて設置され、隣り合う下横桟の端部を保持する保持部が設けられた支持部材と、を備え、該支持部材には、前記スラブに対する前記保持部の高さを調整可能とする高さ調整部が設けられていることを特徴とする壁下地装置。 - 請求項1において、
前記縦桟は、床材が載置される根太を支持する根太受部を備えていることを特徴とする壁下地装置。 - 請求項1または2において、
前記支持部材には、上方側に向けて開口し、前記縦桟の下端部が差し込まれる差込凹所と、前記保持部を構成し、前記隣り合う下横桟の各端部を受け入れるように各下横桟の長手方向に沿って開口する受入凹所と、が設けられていることを特徴とする壁下地装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記支持部材の保持部は、互いに直交状に隣り合う下横桟の端部を保持するように設けられていることを特徴とする壁下地装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の壁下地装置を用いた壁下地施工方法であって、
複数の前記支持部材のそれぞれの保持部が同高さとなるように、それぞれの高さ調整部を調整して各支持部材をスラブ上に間隔を空けて設置する工程と、これら支持部材に端部を保持させて複数本の前記下横桟を設置する工程と、これら支持部材及び下横桟を含む下端保持部材に下端部を保持させて複数本の前記縦桟を設置する工程と、を備えていることを特徴とする壁下地施工方法。
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