JP2019189724A - 易剥離性ポリエチレン組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】化学的に同種のポリエチレン樹脂から構成されることにより、包装材料としての適性に優れた易剥離性の樹脂組成物を提供すること。【解決手段】低密度ポリエチレン21のマトリクス中に超高分子量ポリエチレン粒子22が分散されている海島構造を有する、易剥離性ポリエチレン組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、易剥離性ポリエチレン組成物に関する。
食品分野、医療分野等では、種々の包装材料が提案されている。特に、易剥離性を有する容器は、例えば、食品容器、医療器具の包装容器等として、広く用いられており、種々の材料が提案されている。
例えば特許文献1には、エチレン系重合体、ブテン系重合体、及び粘着付与剤から成るシーラント用樹脂組成物、並びにプロピレン系重合体、エチレン系重合体、及び粘着付与剤から成るシーラント用組成物が開示されている。
特開2004−195955号公報
包装容器のシーラント層は、容器に収納される内容物に直接触れる層である。そのため、特に、食品分野、医療分野等で用いられるときには、厚生労働省所管の食品衛生法、日本薬局方等に適合させる必要があり、包装材料を選定するメーカーにとっては、シーラント層を構成する樹脂の種類が何であるかは、重要な確認事項である。
この点、ポリエチレン樹脂は、食品用途、医薬品用途等の包装材料への採用実績が多数あり、安全衛生上の懸念が少ない樹脂であるため、シーラント層の材料として好適であると考えられる。
しかし、シーラント層に易剥離性を付与する目的で、ポリエチレン樹脂に他の樹脂等を混合すると、法規に適合しなくなる場合がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、化学的に同種のポリエチレン樹脂から構成されることにより、包装材料としての適性に優れた易剥離性の樹脂組成物を提供することである。
上記の課題を解決する本発明は以下のとおりである。
《態様1》低密度ポリエチレンのマトリクス中に超高分子量ポリエチレン粒子が分散されている海島構造を有する、易剥離性ポリエチレン組成物。
《態様2》ポリエチレンワックスを更に含有する、《態様1》に記載の組成物。
《態様3》厚み12μmのポリエチレンテレフタレート基材上に、ドライラミネート接着剤層を介して、前記易剥離性ポリエチレン組成物から構成される厚み100μmのシーラント層を有する試験片2枚を、前記シーラント層同士が対向するように積層して0.5秒間にわたってヒートシールし、JIS Z 0238に準拠して300mm/分の引張速度でT字剥離試験を行ったときに、
110℃以上180℃以下のヒ−トシール温度のうちの、連続する30℃以上の温度範囲において、8N/15mm以上21N/15mm以下の剥離強度を示す、
《態様1》又は《態様2》に記載の組成物。
《態様4》厚み12μmのポリエチレンテレフタレート基材上に、ドライラミネート接着剤層を介して、前記易剥離性ポリエチレン組成物から構成される厚み100μmのシーラント層を有する試験片2枚を、前記シーラント層同士が対向するように積層して、ヒートシール温度200℃にて0.5秒間にわたってヒートシールし、JIS Z 0238に準拠して300mm/分の引張速度でT字剥離試験を行ったときに、
25N/15mmを超える剥離強度を示す、
《態様1》〜《態様3》のいずれか一項に記載の組成物。
《態様5》コールターカウンター法により測定される前記超高分子量ポリエチレン粒子の平均粒子径が50μm以下であり、かつ
前記易剥離性ポリエチレン組成物の全量を100質量部としたときに、前記超高分子量ポリエチレン粒子の含有割合が、5質量部以上50質量部以下である、
《態様1》〜《態様4》のいずれか一項に記載の組成物。
《態様6》コールターカウンター法により測定される前記超高分子量ポリエチレン粒子の平均粒子径が25μm以上35μm以下であり、かつ
前記易剥離性ポリエチレン組成物の全量を100質量部としたときに、前記超高分子量ポリエチレン粒子の含有割合が、10質量部以上20質量部以下である、
《態様5》に記載の組成物。
《態様7》コールターカウンター法により測定された前記超高分子量ポリエチレン粒子の平均粒子径が5μm以上15μm以下であり、かつ
前記易剥離性ポリエチレン組成物の全量を100質量部としたときに、前記超高分子量ポリエチレン粒子の含有割合が、20質量部以上30質量部以下である、
《態様5》に記載の組成物。
《態様8》前記超高分子量ポリエチレン粒子について、ASTM−D4020に準拠して測定された粘度平均分子量Mvが50万以上1,800万以下である、《態様1》〜《態様7》のいずれか一項に記載の組成物。
《態様9》前記超高分子量ポリエチレン粒子について、ASTM−D4020に準拠して測定された粘度平均分子量Mvが150万以上250万以下である、《態様8》に記載の組成物。
《態様10》前記低密度ポリエチレンについて、JIS K 7210に準拠して190℃において測定されたメルトフローレートMFRが6.5g/10分以上である、《態様1》〜《態様9》のいずれか一項に記載の組成物。
《態様11》前記易剥離性ポリエチレン組成物の全量を100質量部としたときに、前記低密度ポリエチレンの含有割合が、60質量部以上90質量部以下である、《態様1》〜《態様10》のいずれか一項に記載の組成物。
《態様12》《態様1》〜《態様11》のいずれか一項に記載の易剥離性ポリエチレン組成物から構成される、易剥離性ポリエチレンシーラント層。
《態様13》基材フィルムと、前記基材フィルム上のシーラント層と、を有し、
前記シーラント層が、《態様12》に記載のシーラント層である、
易剥離性積層体。
《態様14》《態様13》に記載の易剥離性積層体が、前記シーラント層同士が相対するように配置されており、かつ前記相対するシーラント層の少なくとも一部がヒートシールされることによって袋状に形成されている、包装袋。
《態様15》《態様14》に記載の包装袋と、前記包装袋内に収納された内容物とを含む、内容物入り包装袋。
《態様16》前記内容物が、医療器具又は食品である、《態様15》に記載の内容物入り包装袋。
本発明によると、化学的に同種のポリエチレン樹脂から構成されることにより、包装材料としての適性に優れた易剥離性の樹脂組成物が提供される。本発明の樹脂組成物は、例えば、食品用途、医薬品用途等の包装材料における易剥離性のシーラント層への適用に好適である。
図1は、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物から形成されたシーラント層を有する易剥離性積層体の構造を説明するための概略断面図である。 図2は、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物から形成されたシーラント層を有する易剥離性積層体を、2枚重ねてヒートシールした後に剥離するときの様子を説明するための概略断面図である。 図3は、実施例及び比較例において、積層体試料のT型剥離試験で得られた剥離強度を、ヒートシール温度に対してプロットしたグラフである。
《易剥離性ポリエチレン組成物》
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物は、低密度ポリエチレンのマトリクス中に超高分子量ポリエチレン粒子が分散されている海島構造を有する。本発明の易剥離性ポリエチレン組成物は、低密度ポリエチレン及び超高分子量ポリエチレン粒子の他に、ポリエチレンワックスを更に含有していてもよい。
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物は、易剥離性のシーラント層、及びこのシーラント層を有する易剥離性の積層体を製造するために好適に使用されてよい。図1に、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物から形成されたシーラント層を有する易剥離性積層体の構造を説明するための概略断面図を示した。
図1の易剥離性積層体(100)は、基材フィルム(10)上に、易剥離性シーラント層(20)を有する。易剥離性シーラント層(20)は、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物から構成され、したがって、低密度ポリエチレン(21)のマトリクス中に、超高分子量ポリエチレン粒子(22)が分散された海島構造を有する。
易剥離性シーラント層(20)では、その外表面(図1の紙面の最上方の面)は、マトリクスを構成する低密度ポリエチレン(21)から主として成るが、超高分子量ポリエチレン粒子(22)が一定の確率で露出している。ここで、低密度ポリエチレンは、融点が比較的低く、かつ、溶融時の流動性が高いのに対して、超高分子量ポリエチレンは、融点が比較的高く、かつ、溶融時の流動性が低い。
そうすると、図1の易剥離性積層体(100)では、ヒートシール条件が、比較的低温若しくは短時間、又はこれらの双方であるときには、低密度ポリエチレン(21)は溶融して高流動するが、超高分子量ポリエチレン粒子(22)は、溶融し難く、溶融したとしてもその流動性は低い。したがって、低密度ポリエチレン(21)による密着性の発現が、表面に露出する超高分子量ポリエチレン粒子(22)によって制限されるから、易剥離性シーラント層(20)の密着性が抑制されて、易剥離性が発現されることとなる。
図2に、易剥離性シーラント層(20)が相対するように2枚の易剥離性積層体(100)を重ねて、密着性の発現が制限される条件でヒートシールした後に、剥離するときの様子を、概略断面図として示した。
図2の2枚の易剥離性積層体(100)では、ヒートシールによる密着性の発現が抑制されたため、2つの易剥離性シーラント層(20)の界面の強度が制限されていると考えられる。したがって、ヒートシール後の2枚の易剥離性積層体(100)を剥離するときには、2つの易剥離性シーラント層(20)の界面で層間剥離すると考えられる。
これに対して、ヒートシール条件が、比較的高温若しくは長時間、又はこれらの双方であるときには、低密度ポリエチレン(21)が溶融して高流動するとともに、超高分子量ポリエチレン粒子(22)も溶融して、流動性が高くなると考えられる。したがって、この場合には、低密度ポリエチレン(21)及び超高分子量ポリエチレン粒子(22)の双方による密着性が十分に発現されて完全密着し、易剥離性を示さないこととなる。
この場合には、易剥離性シーラント層(20)が相対するように2枚の易剥離性積層体(100)を重ねて、密着性が十分に発現される条件下でヒートシールした後に、剥離すると、2つの易剥離性シーラント層(20)の界面以外で凝集剥離すると考えられる。
このように、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物を使用すると、ヒートシール条件の変更によって、易剥離性の密着と、完全密着とを選択して形成することが可能なシーラント層を得ることが可能となる。
上記の説明では、本発明の剥離性ポリエチレン組成物から形成された易剥離性シーラント層を有する易剥離性積層体を2枚重ねてヒートシールした場合を例として示したが、本発明の剥離性ポリエチレン組成物から形成された易剥離性シーラント層と、公知のシーラント層とをヒートシールした場合にも、同様の効果が発現すると考えられる。
以下、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物に含まれる各成分について、順次説明する。
〈低密度ポリエチレン〉
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物に含まれる低密度ポリエチレンは、組成物、及び得られるシーラント層のマトリクスを形成して形状を維持するとともに、ヒートシール時に溶融及び流動して、シーラント層として要求される密着性を発現する機能を有する。
本明細書における低密度ポリエチレンは、密度が930kg/m以下のポリエチレンであってよい。低密度ポリエチレンの密度は、925kg/m以下、又は920kg/m以下であってもよく、910kg/m以上又は915kg/m以上であってよい。低密度ポリエチレンの密度は、JIS K 7112に準拠して測定される。
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物に含まれる低密度ポリエチレンのメルトフローレートMFRは、形状維持性と、ヒートシール時の密着性とのバランスを考慮のうえ、適宜に設定されてよい。低密度ポリエチレンについて、JIS K 7210に準拠して190℃において測定されたメルトフローレートMFRは、5.0g/10分以上、5.5g/10分以上、6.0g/10分以上、又は6.5g/10分以上であってよく、50g/10分以下、40g/10分以下、30g/10分以下、20g/10分以下、15g/10分以下、又は10g/10分以下であってよい。
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物に含まれる低密度ポリエチレンの含有割合は、形状維持性と、ヒートシール時の密着性とのバランスを考慮して適宜に定められてよい。易剥離性ポリエチレン組成物の全量を100質量部としたときの低密度ポリエチレンの含有割合は、55質量部以上、60質量部以上、70質量部以上、75質量部以上、80質量部以上であってよく、95質量部以下、90質量部以下、85質量部以下、80質量部以下、又は75質量部以下であってよい。
〈超高分子量ポリエチレン粒子〉
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物に含まれる超高分子量ポリエチレン粒子は、少なくともその一部が、得られるシーラント層の最表面に露出し、又はシーラント層の最表面付近に存在することにより、ヒートシール時に低密度ポリエチレンが発現する密着性を制限してイージーピール性を付与する機能を有する。
本明細書における超高分子量ポリエチレン粒子は、ASTM−D4020に準拠して測定された粘度平均分子量Mvが50万以上のポリエチレンの粒子であってよい。超高分子量ポリエチレン粒子として、粘度平均分子量Mvが50万以上のポリエチレンの粒子を使用することにより、超高分子量ポリエチレン粒子の溶融及び流動が制限されて、易剥離性が発現されるヒートシール条件の範囲を広くすることができ、工程管理上有利となる。超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量Mvは、80万以上、100万以上、120万以上、150万以上、170万以上、又は190万以上であってもよい。
一方で、超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量Mvを過度に高くすると、完全密着を形成するヒートシール条件が苛酷となり、完全密着を要する場面の作業効率の点で不利となる他、超高分子量ポリエチレンの製造が困難となり、更に易剥離性ポリエチレン組成物を製造するための混練が困難となり、コスト面の不利を招くことが懸念されるしたがって、超高分子量ポリエチレン粒子は、粘度平均分子量Mvが、例えば、1,800万以下、1,500万以下、1,200万以下、1,000万以下、800万以下、500万以下、400万以下、300万以下、250万以下、200万以下、又は190万以下のポリエチレンの粒子であってよい。
超高分子量ポリエチレン粒子は、典型的には、粘度平均分子量Mvが、150万以上250万以下のポリエチレンの粒子であってよい。
超高分子量ポリエチレン粒子について、JIS K 7112に準拠して測定される密度は、920kg/m以上、925kg/m以上、又は930kg/m以上であってよく、950kg/m以下、945kg/m以下、又は940kg/m以下であってよい。
超高分子量ポリエチレン粒子について、コールターカウンター法により測定される平均粒子径は、50μm以下であってよい。この平均粒子径が50μm以下の超高分子量ポリエチレン粒子を使用することにより、所望のイージーピール性を示す均一な易剥離性組成物を容易に調製することが可能となり、好ましい。超高分子量ポリエチレン粒子の平均粒子径は、45μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、又は15μm以下であってよい。
一方で、平均粒子径が過度に小さい超高分子量ポリエチレン粒子は、粒子の調製が困難になるとともに、所望のイージーピール性の発現に要する粒子量が多くなり、製品のコスト増を招くおそれがある。そのため、超高分子量ポリエチレン粒子についてコールターカウンター法により測定される平均粒子径は、5μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、又は25μm以上であってよい。
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物では、超高分子量ポリエチレン粒子の含有割合を増やすほど、シーラント層としたときのイージーピール性が高くなり、その反面、密着性が弱くなる。したがって、易剥離性ポリエチレン組成物中の超高分子量ポリエチレン粒子の含有割合は、所望のイージーピール性と、シーラント層として要求される密着性とのバランスを考慮して、適宜設定されてよい。このような観点から、易剥離性ポリエチレン組成物中の超高分子量ポリエチレン粒子の含有割合は、組成物の全量を100質量部としたときに、5質量部以上、10質量部以上、15質量部以上、又は20質量部以上であってよく、40質量部以下、30質量部以下、25質量部以下、又は20質量部以下であってよい。
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物では、超高分子量ポリエチレン粒子の平均粒径、粘度平均分子量Mv、及び含有割合を、それぞれ適宜に変更することにより、得られる易剥離性シーラント層の特性を好適な範囲に調整することができる。具体的には、例えば以下の方針を例示することができる。
平均粒子径が25μm以上35μm以下の超高分子量ポリエチレン粒子を使用するとき、易剥離性ポリエチレン組成物の全量を100質量部としたときの超高分子量ポリエチレン粒子の含有割合は、10質量部以上20質量部以下に設定されてよい。この場合、超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量Mvは、190万以上200万以下であってよい。
また、平均粒子径が5μm以上15μm以下の超高分子量ポリエチレン粒子を使用するとき、易剥離性ポリエチレン組成物の全量を100質量部としたときの超高分子量ポリエチレン粒子の含有割合は、20質量部以上30質量部以下に設定されてよい。この場合、超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量Mvは、170万以上190万以下であってよい。
〈ポリエチレンワックス〉
ポリエチレンワックスは、低密度ポリエチレンマトリクスの溶融粘度を適切な範囲に維持し、易剥離性ポリエチレン組成物の混練加工を容易化するために、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物に含まれてもよい。
本発明におけるポリエチレンワックスは、適当な分子量のものを選択して使用することにより、組成物及び得らえるシーラント層からのブリードアウトを避けつつ、上記の目的を好適に実現できる点で、好ましい。ポリエチレンワックスの分子量は、粘度平均分子量Mvとして、500以上、700以上、1,000以上、1,500以上、2,000以上、又は2,500以上であってよく、5,000以下、4,500以下、4,000以下、3,500以下、又は3,000以下であってよい。
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物がポリエチレンワックスを含む場合、その含有割合は、易剥離性ポリエチレン組成物の混練加工性の向上の程度と、ブリードアウト回避の要請とを考慮して適宜に設定されてよい。易剥離性ポリエチレン組成物の全量を100質量部としたときのポリエチレンワックスの含有割合は、1質量部以上、2質量部以上、3質量部以上、4質量部以上、又は5質量部以上であってよく、15質量部以下、10質量部以下、8質量部以下、7質量部以下、6質量部以下、又は5質量部以下であってよい。
〈海島構造〉
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物は、低密度ポリエチレンのマトリクス中に超高分子量ポリエチレン粒子が分散されている海島構造を有する。易剥離性ポリエチレン組成物がポリエチレンワックスを更に含有する場合、ポリエチレンワックスは、低密度ポリエチレンとともにマトリクスを構成していてよい。
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物において、超高分子量ポリエチレン粒子は、凝集していない一次粒子の状態でマトリクス中に分散して、海島構造の「島」を構成していてよい。
〈任意添加成分〉
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物は、低密度ポリエチレン及び超高分子量ポリエチレン粒子を含有し、これら以外に所望によりポリエチレンワックスを含有してもよく、更に任意添加成分として、包装材料に含有される一般的な添加剤を、本発明の趣旨を損なわない範囲で含有してもよい。
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物の任意添加成分としては、例えば、老化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
〈易剥離性ポリエチレン組成物の特性〉
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物は、シーラント層としたときに、110℃以上180℃以下のヒ−トシール温度のうちの広い範囲で、好適なイージ−ピール性を示してよい。具体的には以下のとおりである。
すなわち、
厚み12μmのポリエチレンテレフタレート基材上に、ドライラミネート接着剤層を介して、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物から構成される厚み100μmのシーラント層を有する試験片2枚を、シーラント層同士が対向するように積層して0.5秒間にわたってヒートシールし、JIS Z 0238に準拠して300mm/分の引張速度でT字剥離試験を行ったときに、
110℃以上180℃以下のヒ−トシール温度のうちの、連続する30℃以上の温度範囲において、8N/15mm以上21N/15mm以下の剥離強度を示してよい。
ヒートシールをする際に、例えばヒートシール温度を厳密に制御することは困難である。また、同一のシール機を用いて長時間ヒートシールを継続すると、シール機が蓄熱してシール温度が徐々に上昇する。しかしながら、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物を使用すると、ヒートシール温度の広い範囲で好適なイージ−ピール性を発現するシーラント層が得られるから、工程管理上有利である。
この場合の、好適なイージーピール性を示す剥離強度とは、8N/15mm以上21N/15mm以下であり、9N/15mm以上、10N/15mm以上、11N/15mm以上、又は12N/15mm以上であってもよく、20N/15mm以下、19N/15mm以下、18N/15mm以下、17N/15mm以下、16N/15mm以下、又は15N/15mm以下であってもよい。
この場合に、好適なイージーピール性を示すヒートシール温度範囲の幅は、連続する30℃以上の温度範囲であり、連続する35℃以上、40℃以上、45°以上、50℃以上、55℃以上、又は60℃以上の温度範囲とすることができる。
更に本発明の易剥離性ポリエチレン組成物は、シーラント層としたときに、200℃のヒ−トシール温度では、強い密着性を示してよい。具体的には以下のとおりである。
すなわち、
厚み12μmのポリエチレンテレフタレート基材上に、ドライラミネート接着剤層を介して、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物から構成される厚み100μmのシーラント層を有する試験片2枚を、シーラント層同士が対向するように積層して、ヒートシール温度200℃にて0.5秒間にわたってヒートシールし、JIS Z 0238に準拠して300mm/分の引張速度でT字剥離試験を行ったときに、
25N/15mmを超える剥離強度を示してよい。
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物を使用すると、上述したとおり、110℃以上180℃以下のヒートシール温度のうちの広い範囲で、好適なイージ−ピール性を発現するシーラント層が得られる。しかしながらこのシーラント層は、200℃のヒ−トシール温度では、強い密着性を示し、イージーピール性を示さなくてよい。本発明の易剥離性ポリエチレン組成物を使用すると、ヒートシール温度によって強弱2段階の密着性を示すシーラント層を形成することが可能となる。
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物のこのような特性を利用すると、例えば、ヒートシール部の一部がイージーピール性を示し、残部が強い密着性を示すシールを形成することができる。このような2段階の密着性を示すシールによると、例えば、内容物の取出しに必要な開封はイージーピール性によって容易であるが、必要以上の開封は強い密着性によって制限される、包装袋を製造することが可能になる。このような包装袋によると、シール部が開封者の意図に反して一気に大きく開封され、内容物が飛び出すような事態を回避できるから、内容物入り包装袋としたときの取り扱い上有利である。
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物から形成されるシーラント層では、ヒートシール温度200℃のときの剥離強度が、25N/15mmを超えてよく、更に、27N/15mm以上、30N/15mm以上、31N/15mm以上、又は32N/mm以上とすることも可能である。この場合の剥離強度の上限に特段の制限はないが、例えば、50N/15mm以下、45N/15mm以下、40N/15mm以下、又は35M/15mm以下であってよい。
《易剥離性ポリエチレン組成物の製造方法》
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物は、例えば、低密度ポリエチレン及び超高分子量ポリエチレン粒子、並びに所望によりポリエチレンワックス及びその他の任意添加成分を混合し、適当な混練装置によって混練することにより、製造されてよい。
易剥離性ポリエチレン組成物を製造するための混練装置は、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサ、ブラベンダ、ニーダ、プラストミル等であってよい。
混練温度は、任意であってよく、例えば、100℃以上、110℃以上、又は120℃以上であってよく、例えば、200℃以下、180℃以下、160℃以下、又は150℃以下であってよい。本発明の易剥離性ポリエチレン組成物に含まれる超高分子量ポリエチレンは、溶融状態においても、溶融粘度が高くて流動し難く、かつ、低密度ポリエチレンとの相溶性が低いから、粒子状態が維持される傾向にある。したがって、易剥離性ポリエチレン組成物の製造の際に、超高分子量ポリエチレンの融点(典型的には135℃程度)を超える温度で混錬してもかまわない。
本発明の易剥離性ポリエチレン組成物は、塊状、ベール状、粉末状、ペレット状等の任意の形態に製造されてよい。
《易剥離性ポリエチレンシーラント層》
本発明の別の観点は、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物から構成される、易剥離性ポリエチレンシーラント層に関する。
本発明の易剥離性ポリエチレンシーラント層は、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物から成膜されたフィルム又はシートである。
本発明の易剥離性ポリエチレンシーラント層は、その目的及び用途に応じて任意の厚みを有していてよい。易剥離性ポリエチレンシーラント層の厚みは、40μm以上、50μm以下、60μm以上、70μm以下、80μm以上、又は100μm以上であってよく、200μm以下、180μm以下、160μm以下、140μm以下、120μm以下、又は100μm以下であってよい。
易剥離性ポリエチレンシーラント層は、本発明の易剥離性ポリエチレン組成物を用いて、任意の方法によって成膜されてよい。易剥離性ポリエチレン組成物を成膜する方法としては、例えば、Tダイ押出法、インフレーション押出法、カレンダー圧延法、流延法等を挙げることができる。製膜温度は、150℃以上、160℃以上、170℃以上、180℃以上、190℃以上、又は200℃以上であってよく、300℃以下、280℃以下、260℃以下、240℃以下、220℃以下、又は200℃以下であってよい。
《易剥離性積層体》
本発明の更に別の観点は、
基材フィルムと、基材フィルム上のシーラント層と、を有し、
シーラント層が本発明のシーラント層である、
易剥離性積層体に関する。
本発明の易剥離性積層体における基材フィルムは、目的及び用途によって適宜選択されてよく、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル等から選択される単層又は多層のフィルムであってよい。
基材フィルムと本発明のシーラント層との積層は、公知の方法によってよく、例えば、ドライラミネート、押出ラミネート、キャスト法等によってよい。
《包装袋》
本発明の更に別の観点は、
本発明の易剥離性積層体が、シーラント層同士が相対するように配置されており、かつ相対するシーラント層の少なくとも一部がヒートシールされることによって袋状に形成されている、包装袋に関する。
包装袋の形状は任意であり、例えば、2方袋、3方袋、合掌貼り袋、ガセット袋、スタンディング袋等であってよい。
《内容物入り包装袋》
本発明の更に別の観点は、
本発明の包装袋と、この包装袋内に収納された内容物とを含む、内容物入り包装袋に関する。
本発明の内容物入り包装袋の内容物は、医療器具又は食品であってよい。
医療器具は、例えば、シリンジ、注射針、採血管、輸液管、気管チューブ、カテーテル、縫合糸、ドレープ、酸素マスク等であってよい。食品は、例えば、菓子、豆腐、納豆、ゼリー、醤油、ソース、味噌、ケチャップ、マヨネーズ、漬物、米飯等であってよい。
《実施例1−1》
(1)易剥離性ポリエチレン組成物の調製
二軸混練機((株)池貝製「PCM−30」)を用いて、
低密度ポリエチレンとして、旭化成(株)製「サンテックL1850K」(密度918kg/m、MFR6.8g/10分(190℃))85質量部、
超高分子量ポリエチレン粒子として、三井化学(株)製「ミペロンXM−220」(粘度平均分子量Mv200万、平均粒径30μm(コールターカウンター法)、密度940kg/m)10質量部、及び
ポリエチレンワックスとして、三井化学(株)製「エクセレックス30050B」(粘度平均分子量Mv2,700、密度907kg/m)5質量部
を、混錬温度110〜160℃及び回転数100rpmの条件下で混錬してペレタイズし、ペレット状の易剥離性ポリエチレン組成物を調製した。
(2)易剥離性ポリエチレンシーラント層の形成
混練・押出成形評価試験装置(Tダイ製膜機)((株)東洋精機製作所製「ラボプラストミル」)を用いて、上記で得られたペレット状易剥離性ポリエチレン組成物を、ダイ温度180〜220℃、回転数100rpmの条件下で製膜し、シーラント層(易剥離性ポリエチレンシーラント層、厚み100μm)を形成した。
(3)T型剥離試験
厚み12μmのポリエチレンテレフタレート基材上に、上記で得られたシーラント層をドライラミネートして、積層体を得た。この積層体2枚を、シーラント層同士が対向するように積層してヒートシールした後、幅15mmにカットすることにより、T型剥離試験用の試料を調製した。ヒートシールは、テスター産業(株)製「ヒートシールテスターTP−701−B」を用い、ヒートシート温度を変更して、ヒートシール圧力0.23MPa(1.5kgf)及びヒ−トシール時間0.5秒の条件下で行い、ヒートシール温度の異なる複数の試料を得た。
得られた試料につき、(株)東洋精機製作所製「ストログラフVE10D」を用いて、JIS Z 0238に準拠して、チャック間距離50mm、引張り速度300mm/分の条件でT字剥離試験を行った。測定は、繰り返し数n=5にて行い、その平均値を測定値として採用した。得られた結果を、表1及び図3に示す。表1には、T型剥離試験において、10N/15mm以上25N/15mm以下の剥離強度を示したヒートシール温度の範囲、及びヒートシール温度200℃のときの剥離強度を示す。図3には、横軸にヒートシール温度、縦軸に剥離強度をとったグラフを示す。
《実施例1−2及び1−3》
低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン粒子、及びポリエチレンワックスの使用量を、それぞれ表1に記載のとおりとした他は、実施例1と同様にして、易剥離性ポリエチレン組成物を調製し、これを用いてヒートシール温度の異なる複数の試料を作製し、T型剥離試験を行った。得られた結果を、表1及び図1に示す。
《実施例2−1及び2−2》
低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン粒子、及びポリエチレンワックスの種類及び使用量を、それぞれ表1に記載のとおりとした他は、実施例1と同様にして、易剥離性ポリエチレン組成物を調製し、これを用いてヒートシール温度の異なる複数の試料を作製し、T型剥離試験を行った。得られた結果を、表1及び図1に示す。
《比較例1》
シーラント層として、三井化学東セロ(株)製「T.U.X HC−E」(鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、厚み70μm)を用い、このシーラント層を、厚み12μmのポリエチレンテレフタレート基材上にドライラミネートして、積層体を得た。得られた積層体2枚を用いて、実施例1と同様にして、ヒートシール温度の異なる複数の試料を作製し、T型剥離試験を行った。
《比較例2》
シーラント層としてオカモト(株)製の「TPF−1」(ポリエチレンとポリブテンとのブレンド、厚み40μm)を用いた他は、比較例1と同様にして、ヒートシール温度の異なる複数の試料を得て、T型剥離試験を行った。結果を表1及び図1に示す。
Figure 2019189724
表1中の成分名の略称は、それぞれ以下の意味である。
〈低密度ポリエチレン〉
L1850K:旭化成(株)製、品名「サンテックL1850K」、密度918kg/m、MFR6.8g/10分(190℃)
L6810:旭化成(株)製、品名「サンテックL6810」、密度918kg/m、MFR10.5g/10分(190℃)
〈超高分子量ポリエチレン粒子〉
XM−220:三井化学(株)製、品名「ミぺロンXM−220」、粘度平均分子量Mv200万、平均粒径30μm(コールターカウンター法)、密度940kg/m
PM−200:三井化学(株)製、品名「ミぺロンPM−200」、粘度平均分子量Mv180万、平均粒径10μm(コールターカウンター法)、密度940kg/m
〈ポリエチレンワックス〉
30050B:、三井化学(株)製、品名「エクセレックス30050B」、粘度平均分子量Mv2,700、密度907kg/m
〈比較例のシーラント層〉
T.U.X HC−E:三井化学東セロ(株)製、品名「T.U.X HC−E」、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、厚み70μm
TPF1:オカモト(株)製、品名「アロマーTPF1」、ポリエチレンとポリブテンとのブレンド、厚み60μm
《剥離の態様》
比較例1では、ヒートシール温度が110℃ではヒートシールを行うことができず、120℃以上でヒートシールが可能であった。この比較例1のT型剥離試験では、ヒートシール温度120℃以上において、ヒートシールにより積層されたシーラント層の凝集破壊による剥離が発生していた。
比較例2のT型剥離試験では、すべてのヒートシール温度において、ヒートシールにより積層されたシーラント層の凝集破壊による剥離が発生していた。
これに対して、実施例1−1〜1−3、並びに実施例2−1及び2−2では、ヒートシール温度200℃の場合は、ヒートシールにより積層されたシーラント層の凝集破壊による剥離が発生したが、ヒートシール温度180℃以下の場合は、ヒートシールにより積層された2つのシーラント層の界面で層間剥離が発生していた。
《考察》
以上の結果から、シーラント層として、LLDPEを用いた比較例1、及びポリエチレンとポリブテンとのブレンド物を用いた比較例2では、いずれも、上記のヒートシール条件でイージーピールシーラント層としての適正な剥離強度(8N/15mm以上25N/15mm以下)が得られなかった。
これに対して、本発明所定の易剥離性ポリエチレンシーラント層を用いた実施例1−1〜1−3並びに実施例2−1及び2−2では、ヒートシール温度が110℃以上180以下のうちの広い温度範囲(例えば実施例1−1では少なくとも120℃以上180以下の範囲)において、イージーピールシーラント層としての適正な剥離強度(8N/15mm以上25N/15mm以下)を示すとともに、ヒートシール温度200℃においては、剥離強度25N/15mmを超える強い密着が得られることが示された。
したがって、本発明の易剥離性ポリエチレンシーラント層は、ヒートシール温度が多少ぶれたとしても、所望のイージーピール性を示す密着を形成できるとともに、ヒートシール温度を180℃以下と200℃程度とに変更してヒートシールを行うことにより、剥離強度が2段階の密着を得られることが検証された。
10 基材フィルム
20 易剥離性シーラント層
21 低密度ポリエチレン
22 超高分子量ポリエチレン粒子
100 易剥離性積層体

Claims (16)

  1. 低密度ポリエチレンのマトリクス中に超高分子量ポリエチレン粒子が分散されている海島構造を有する、易剥離性ポリエチレン組成物。
  2. ポリエチレンワックスを更に含有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 厚み12μmのポリエチレンテレフタレート基材上に、ドライラミネート接着剤層を介して、前記易剥離性ポリエチレン組成物から構成される厚み100μmのシーラント層を有する試験片2枚を、前記シーラント層同士が対向するように積層して0.5秒間にわたってヒートシールし、JIS Z 0238に準拠して300mm/分の引張速度でT字剥離試験を行ったときに、
    110℃以上180℃以下のヒ−トシール温度のうちの、連続する30℃以上の温度範囲において、8N/15mm以上21N/15mm以下の剥離強度を示す、
    請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 厚み12μmのポリエチレンテレフタレート基材上に、ドライラミネート接着剤層を介して、前記易剥離性ポリエチレン組成物から構成される厚み100μmのシーラント層を有する試験片2枚を、前記シーラント層同士が対向するように積層して、ヒートシール温度200℃にて0.5秒間にわたってヒートシールし、JIS Z 0238に準拠して300mm/分の引張速度でT字剥離試験を行ったときに、
    25N/15mmを超える剥離強度を示す、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. コールターカウンター法により測定される前記超高分子量ポリエチレン粒子の平均粒子径が50μm以下であり、かつ
    前記易剥離性ポリエチレン組成物の全量を100質量部としたときに、前記超高分子量ポリエチレン粒子の含有割合が、5質量部以上50質量部以下である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. コールターカウンター法により測定される前記超高分子量ポリエチレン粒子の平均粒子径が25μm以上35μm以下であり、かつ
    前記易剥離性ポリエチレン組成物の全量を100質量部としたときに、前記超高分子量ポリエチレン粒子の含有割合が、10質量部以上20質量部以下である、
    請求項5に記載の組成物。
  7. コールターカウンター法により測定された前記超高分子量ポリエチレン粒子の平均粒子径が5μm以上15μm以下であり、かつ
    前記易剥離性ポリエチレン組成物の全量を100質量部としたときに、前記超高分子量ポリエチレン粒子の含有割合が、20質量部以上30質量部以下である、
    請求項5に記載の組成物。
  8. 前記超高分子量ポリエチレン粒子について、ASTM−D4020に準拠して測定された粘度平均分子量Mvが50万以上1,800万以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記超高分子量ポリエチレン粒子について、ASTM−D4020に準拠して測定された粘度平均分子量Mvが150万以上250万以下である、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記低密度ポリエチレンについて、JIS K 7210に準拠して190℃において測定されたメルトフローレートMFRが6.5g/10分以上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記易剥離性ポリエチレン組成物の全量を100質量部としたときに、前記低密度ポリエチレンの含有割合が、60質量部以上90質量部以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の易剥離性ポリエチレン組成物から構成される、易剥離性ポリエチレンシーラント層。
  13. 基材フィルムと、前記基材フィルム上のシーラント層と、を有し、
    前記シーラント層が、請求項12に記載のシーラント層である、
    易剥離性積層体。
  14. 請求項13に記載の易剥離性積層体が、前記シーラント層同士が相対するように配置されており、かつ前記相対するシーラント層の少なくとも一部がヒートシールされることによって袋状に形成されている、包装袋。
  15. 請求項14に記載の包装袋と、前記包装袋内に収納された内容物とを含む、内容物入り包装袋。
  16. 前記内容物が、医療器具又は食品である、請求項15に記載の内容物入り包装袋。
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