JP2019188622A - 素子基板、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents

素子基板、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 Download PDF

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Hideo Tamura
秀男 田村
好一 小俣
Koichi Komata
好一 小俣
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Kosuke Kubo
康祐 久保
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亮治 大橋
洋平 小薄
Yohei Kousu
洋平 小薄
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Yosuke Miura
洋介 三浦
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翼 船橋
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Abstract

【課題】大型化を抑制しつつストリンガによる不具合を抑制することが可能な素子基板を提供する。【解決手段】素子基板1は、基体31と、基体31の上に形成された複数の発熱抵抗体21と、発熱抵抗体と接続されたヒータ共通配線22とを備える。また、素子基板1は、発熱抵抗体21およびヒータ共通配線22を覆うように形成された保護層34と、保護層34の上に形成された耐キャビテーション層24とを備える。ヒータ共通配線22は、発熱抵抗体21を囲むように配置され、耐キャビテーション層24は、ヒータ共通配線22の側面22cによって保護層34に形成される段差部34aよりも内側に配置される。【選択図】図4

Description

本発明は、液体を吐出する吐出口を有する素子基板、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関する。
インクジェットプリンタのような液体吐出装置で用いられる液体吐出ヘッドは、通常、液体を吐出する吐出口と、吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子とが設けられた素子基板を備えている。素子基板は、吐出口から吐出する液体を蓄える圧力室を有し、エネルギー発生素子にて発生したエネルギーにより圧力室内に気泡を生じさせ、その気泡により圧力室内の圧力を増加させることで、圧力室内の液体を吐出口から吐出する。
上記の素子基板には、絶縁層が形成された基体の上に、エネルギー発生素子として熱エネルギーを発生する発熱抵抗体や発熱抵抗体に電力を供給するための電源配線などを形成したものがある。この素子基板では、発熱抵抗体や電源配線などを液体から保護する保護層が形成される。保護層の上には、圧力室における気泡の発生および消滅の際のキャビテーションなどによる衝撃から発熱抵抗体や電源配線などを保護するための耐キャビテーション層が形成される。
耐キャビテーション層は、所定の位置のみに配置されるように、ドライエッチングなどによりパターニングされる。このとき、耐キャビテーション層は、完全にはエッチングされず、電源配線の側面によって保護層に生じる段差部に、ストリンガと呼ばれる線状の残存物として残ることがある。特に電源配線の膜厚が厚い場合や、段差部の側面の傾斜が急峻な場合にストリンガは顕著に残る。
ストリンガが存在している状態で、電気信号を入力するための端子や電源配線にキズなどが発生して保護層の絶縁性が損なわれると、電源配線とストリンガとが電気的に導通し、ストリンガを介して耐キャビテーション層に電圧が印加されてしまうことがある。この場合、記録時に発熱抵抗体にて生じる熱エネルギーや吐出される液体の影響で、耐キャビテーション層の陽極酸化が急激に進むことがある。この耐キャビテーション層の変質によって、発熱抵抗体の熱伝導率が悪化し、圧力室内の発泡が不安定になったり、耐キャビテーション層としての所望の性能が得られなくなり、発熱抵抗体の断線を招いたりする恐れがある。
特許文献1には、配線の側面付近に、保護層の段差部の側面の傾斜を緩和させるためのダミー層を形成する素子基板が開示されている。この半導体素子では、ダミー層により段差部の側面の傾斜を緩和させることが可能になるため、ストリンガの形成を抑制することが可能になり、その結果、ストリンガによる不具合を抑制することが可能になる。
特開平5−136132号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ダミー層を新たに設ける必要があるため、素子基板の大型化を招くという問題がある。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、大型化を抑制しつつストリンガによる耐キャビテーションの変質を抑制することが可能な素子基板、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供することを目的とする。
本発明による素子基板は、基体と、基体の上に形成された複数の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体と接続された配線と、前記発熱抵抗体および前記配線を覆うように形成された絶縁性の保護層と、前記保護層の上に形成された耐キャビテーション層とを備える素子基板において、前記配線は、前記発熱抵抗体を囲むように配置され、前記保護層は、前記配線の外側側面によって形成される段差部を有し、前記耐キャビテーション層は、前記段差部の壁面よりも内側に配置されることを特徴とする。
本発明による液体吐出ヘッドは、前記素子基板を備えることを特徴とする。
本発明による液体吐出装置は、前記液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする。
本発明によれば、配線が発熱抵抗体を囲むように配置され、耐キャビテーション層は、配線の端部によって形成される保護層の段差部よりも内側に配置される。このため、保護層の段差部に残るストリンガと耐キャビテーション層とを分離することが可能になり、ストリンガを介して耐キャビテーション層に電圧が印加されることを抑制することが可能になる。したがって、保護層の段差部の側面の傾斜を緩和させるためのダミー層を設けなくても、ストリンガによる耐キャビテーションの変質を抑制することが可能になるため、大型化を抑制しつつストリンガによる耐キャビテーションの変質を抑制することが可能になる。
本発明の第1の実施形態における素子基板を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の素子基板における電気的な構成を示す図である。 図2における領域Aの拡大図である。 図3におけるB−B線に沿った断面を示す拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態における素子ユニットを示す平面図である。 本発明の第1の実施形態における液体吐出ヘッドを示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態における液体吐出装置を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態の素子基板における電気的な構成を示す図である。 図8における領域Cの拡大図である。 本発明の第3の実施形態の素子基板における電気的な構成の部分拡大図である。 図10におけるD−D線に沿った断面の一例を示す拡大断面図である。 図10におけるD−D線に沿った断面の他の例を示す拡大断面図である。 本発明の第4の実施形態の素子基板における電気的な構成の部分拡大図である。 比較例の素子基板における電気的な構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同じ機能を有するものには同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の素子基板を示す平面図である。図1に示すように素子基板1は、基板11と、基板11上に設けられた吐出口形成部材12とを有する。
基板11には、外部から電気信号を素子基板1に入力するための端子13が設けられている。端子13は、素子基板1の長手方向Yの両端部のそれぞれに、素子基板1の短手方向Xに沿って複数設けられている。端子13は基板11の縁部に沿ってその近傍に設けられている。
吐出口形成部材12には、インクなどの液体を吐出する吐出口14が配置されている。図の例では、複数の吐出口14が長手方向Yに沿って2列に配置されているが、吐出口14の数や配置は、この例に限らない。
図2は、素子基板1における電気的な構成を示す図である。図2に示すように素子基板1は、基板11上に、吐出口14から液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子である発熱抵抗体21を有する。発熱抵抗体21は、液体を吐出するためのエネルギーとして熱エネルギーを発生するヒータである。発熱抵抗体21は、複数あり、図1に示した吐出口14と対向する位置にそれぞれ設けられる。
各発熱抵抗体21には、その発熱抵抗体21に電力を供給するための配線であるヒータ共通配線22が接続されている。ヒータ共通配線22は、電源配線23と接続される。電源配線23は、基板11に設けられた端子13と接続され、端子13に入力された電気信号を、ヒータ共通配線22を介して発熱抵抗体21に供給する。
また、発熱抵抗体21の上には、圧力室(図示せず)における気泡の発生および消滅の際のキャビテーションなどによる衝撃から発熱抵抗体21などを保護するための耐キャビテーション層24が形成される。
図3は、図2の領域Aの拡大図である。なお、図3では、図2に示した領域Aを90°右向きに回転させて示している。
図3に示されたようにヒータ共通配線22は、複数の発熱抵抗体21を囲むように配置される。具体的には、ヒータ共通配線22は、複数の発熱抵抗体21を囲む第1の配線22aと、各発熱抵抗体21の間に配置された第2の配線22bとを有する。第1の配線22aの幅は、第2の配線22bの幅よりも太いことが望ましい。
電源配線23は、複数の発熱抵抗体21を同時に駆動した際に発生する電圧降下による液体の吐出への影響を軽減するために、端子13とヒータ共通配線22との間で2つに分岐されている。これにより、複数の発熱抵抗体21は、分岐された電源配線23のそれぞれと接続される2つのグループ21aに分割される。発熱抵抗体21は、グループ21aごとにヒータ共通配線22に囲まれている。各グループ21aに含まれる発熱抵抗体21は、同時に駆動されないように制御される。また、耐キャビテーション層24は、グループ21aごとに分割して設けられている。すなわち、耐キャビテーション層24がグループ21aに含まれる複数の発熱抵抗体21を覆っており、この耐キャビテーション層24が複数のグループ21aに対応してそれぞれ設けられている。
なお、各グループ21aにおいてヒータ共通配線22に囲まれる発熱抵抗体21の数は、特に限定されず、1つでもよいし、複数でもよい。また、本実施形態では、電源配線23は2つに分岐されていたが、3以上に分岐されてもよい。この場合、複数の発熱抵抗体21が3つ以上のグループ21aに分割される。また、図の例では、各グループ21aにおける2つの発熱抵抗体21の間の全てにヒータ共通配線22の第2の配線22bが配置されているが、所望の配線抵抗を得ることができれば、2つの発熱抵抗体21の間の全てに第2の配線22bを配置する必要はない。
図4は、図3のB―B線に沿った拡大断面図である。図4に示すように基板11は、半導体基板である基体31と、基体31に積層された絶縁層32と、絶縁層32に積層された発熱抵抗層33と、発熱抵抗層33に積層されたヒータ共通配線22とを有する。ヒータ共通配線22の一部が除去されており、ヒータ共通配線22が除去された箇所の発熱抵抗層33が発熱抵抗体21となる。
また、絶縁層32の上には、保護層34が発熱抵抗体21およびヒータ共通配線22の少なくとも一部を覆うように形成されている。保護層34は、発熱抵抗層33およびヒータ共通配線22をインクなどの液体から保護するための膜である。保護層34の上には、耐キャビテーション層24が積層されている。保護層34は、発熱抵抗層33と耐キャビテーション層24との間の絶縁を確保するための絶縁性を有する絶縁層でもある。耐キャビテーション層24は、保護層34を覆うように設けられ、その後、ドライエッチングなどにより発熱抵抗体21の上方に残るようにパターニングされることで形成される。
また、ヒータ共通配線22の側面(端部)22cによって保護層34には、側面22cに沿った段差部34aが形成される。段差部34aは、ヒータ共通配線22の側面22cよりも外側に形成される。なお、本実施形態では、ヒータ共通配線22の側面22cとは、グループ21aを囲うヒータ共通配線22の外側側面のことをいう。段差部34aには、耐キャビテーション層24が完全にはエッチングされずにストリンガ35として、図示したように残ることがある。
耐キャビテーション層24は、パターニングによって、保護層34の段差部34aの壁面34bよりも内側に形成される。本実施形態では、耐キャビテーション層24は、ヒータ共通配線22の側面22cよりも内側に形成される。これにより、耐キャビテーション層24は、ヒータ共通配線22の側面22cで囲まれた領域内に形成されている。さらに、耐キャビテーション層24は、第1の配線22aとは重ならない位置に形成される。
上記構成により、耐キャビテーション層24と段差部34aに生じるストリンガ35とが物理的に分離され、耐キャビテーション層24とストリンガ35とを電気的に絶縁することができる。
より具体的には、ストリンガ35は、図3の一点鎖線で示す位置に残るストリンガ35aと、破線で示す位置に残るストリンガ35bとに分かれている。図3の一点鎖線がヒータ共通配線22の外側側面に対応する。ストリンガ35aは、端子13、ヒータ共通配線22および電源配線23の外周部に形成され、ストリンガ35bは、耐キャビテーション層24の周辺に形成される。ストリンガ35aとストリンガ35bとは互いに交差していない。このため、ストリンガ35aおよび35bを互いに電気的に絶縁することが可能になる。ここで、端子13は基板11の縁部近傍に設けられているため、ウエハから基板11を切り出す際に生じるゴミなどが端子13の近傍に付着する可能性がある。このため、端子13周辺などの電源配線23にキズなどが発生し、保護層34の絶縁性が損なわれ、電源配線23とストリンガ35aとが電気的に導通する恐れがある。しかし、このような場合でも、上記構成によってストリンガ35bに電圧が印加されることを抑制することが可能になる。したがって、耐キャビテーション層24に電圧が印加されることを抑制することが可能になるため、ストリンガ35による耐キャビテーションの変質を抑制することが可能になる。
次に図1〜図4に示した素子基板1を備えた液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置について説明する。
図5は、素子基板1を有する素子ユニット40を示す図である。図5に示す素子ユニット40は、素子基板1と、素子基板1が取り付けられた電気配線基板41とを有する。
電気配線基板41は、可撓性を有するフレキシブル基板であり、複数のコンタクトパッド42と、複数の電極リード43とを備える。
コンタクトパッド42は、外部(具体的には、後述する液体吐出装置)から電気信号が供給される端子である。図の例では、コンタクトパッド42は、4×3のマトリックス状に配置されているが、コンタクトパッド42の数および配置は、この例に限らず、適宜変更可能である。
電極リード43は、素子基板1の端子13と電気配線基板41とを電気的に接続する。例えば、電極リード43は、TAB(Tape Automated Bonding)技術により、素子基板1の端子13と電気配線基板41とを電気的に接続する。
図6は、素子ユニット40を備えた液体吐出ヘッドを示す斜視図である。図6に示す液体吐出ヘッド50は、筐体51と、筐体51に取り付けられた素子ユニット40とを有する。
素子ユニット40は、素子基板1とコンタクトパッド42とが筐体51の互いに異なる面上に配置されるように、筐体51に対して折り曲げられて取り付けられる。図5に示した端子13および電極リード43は、液体による腐食や外部からの力による断線などから端子13および電極リード43を保護するために封止樹脂52によって被覆されている。
図7は、液体吐出ヘッド50を備えた液体吐出装置の構成を示す斜視図である。図7に示す液体吐出装置60は、液体吐出ヘッド50を備えたキャリッジ61と、キャリッジ61を往復可能に支持するスライド軸62と、紙などの記録媒体70を搬送する搬送機構63と備える。液体吐出ヘッド50は、素子基板1に設けられた吐出口14が記録媒体70と対向するようにキャリッジ61に設けられる。また、キャリッジ61が往復移動する方向と、記録媒体70が搬送される方向とは、互いに交差(望ましくは直交)する。
なお、図の例では、液体吐出ヘッド50とキャリッジ61とが一体化されているが、液体吐出ヘッド50とキャリッジ61とが着脱可能であってもよい。
液体を吐出して画像を記録する記録動作では、液体吐出装置60は、キャリッジ61を往復移動させながら、液体吐出ヘッド50に取り付けられた素子基板1の吐出口14から液体を吐出させる。そして、液体吐出装置60は、液体の吐出に合わせて、搬送機構を用いて記録媒体70を間欠的に移動させることで、記録媒体70に画像を記録する。
以上説明したように本実施形態によれば、素子基板1は、基体31と、基体31の上に形成された複数の発熱抵抗体21と、発熱抵抗体と接続されたヒータ共通配線22とを備える。また、素子基板1は、発熱抵抗体21およびヒータ共通配線22を覆うように形成された保護層34と、保護層34の上に形成された耐キャビテーション層24とを備える。ヒータ共通配線22は、発熱抵抗体21を囲むように配置され、耐キャビテーション層24は、ヒータ共通配線22の側面22cによって保護層34に形成される段差部34aの壁面34bよりも内側に配置される。
このため、保護層34の段差部34aに残るストリンガ35と耐キャビテーション層24とを分離することが可能になり、ストリンガ35を介して耐キャビテーション層24に電圧が印加されることを抑制することが可能になる。したがって、保護層34の段差部34aの側面34bの傾斜を緩和させるためのダミー層を設けなくても、ストリンガ35による耐キャビテーションの変質を抑制することが可能になる。これにより、素子基板1の大型化を抑制しつつストリンガ35による耐キャビテーションの変質を抑制することが可能になる。
また、本実施形態によれば、ヒータ共通配線22は、複数の発熱抵抗体21を囲む第1の配線22aと、各発熱抵抗体21の間に配置された第2の配線22bとを有する。第1の配線22aの幅は、第2の配線22bの幅よりも太い。このため、各発熱抵抗体21が並設された方向の大型化を抑制しながら、ストリンガ35と耐キャビテーション層24とを容易に分離することが可能になる。
また、本実施形態によれば、発熱抵抗体21は、複数のグループ21aに分割され、ヒータ共通配線22は、グループ21aごとに発熱抵抗体21を囲むように複数配置される。耐キャビテーション層24は、グループ21aごとに分割して設けられる。複数のヒータ共通配線22は、分岐された複数の電源配線23のそれぞれと接続される。したがって、電源配線23が複数に分岐されている構成でも、ストリンガ35による耐キャビテーションの変質を抑制することが可能になる。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態の素子基板における電気的な構成を示す図であり、図9は、図8における領域Cの部分拡大図である。なお、図9では、図8に示した領域Cを90°右向きに回転させて示している。
図8および図9に示す本実施形態の素子基板1は、第1の実施形態と比べて、電源配線23が端子13と発熱抵抗体21との間で分岐されていない点で異なる。この構成の場合、複数の発熱抵抗体21を同時に駆動した際に発生する電圧降下による液体の吐出への影響が無視できるように素子基板1を構成することが望ましい。例えば、電圧降下による液体の吐出への影響が小さくなるように、電源配線23の配線幅を広くしたり、電源配線23の膜厚を厚くしたりすることで、配線抵抗を小さくすることが望ましい。
本実施形態では、図9に示すように、ヒータ共通配線22は、複数の発熱抵抗体21全体を囲むように配置される。耐キャビテーション層24は、第1の実施形態と同様に、複数の発熱抵抗体21全体を囲むヒータ共通配線22の外側の側面22cで囲まれた領域内において、第1の配線22aとは重ならないように形成されている。
以上説明したように本実施形態でも、保護層34の段差部34aに残るストリンガ35と耐キャビテーション層24とを分離することが可能になるため、大型化を抑制しつつストリンガ35による耐キャビテーションの変質を抑制することが可能になる。
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態の素子基板における電気的な構成を示す一部拡大図である。図10では、図8の領域Cに対応する箇所が示されている。図10に示す本実施形態の素子基板1は、第2の実施形態と比べて、耐キャビテーション層24の一部がヒータ共通配線22の第1の配線22aと重なるように配置されている点で異なる。この構成でも、端子13周辺のストリンガ35aと耐キャビテーション層24周辺のストリンガ35bとが互いに交差することを抑制することができる。このため、耐キャビテーション層24に電圧が印加されることを抑制することが可能になり、その結果、ストリンガによる耐キャビテーションの変質を抑制することが可能になる。
以下、耐キャビテーション層24の配置についてより詳細に説明する。
図11は、図10におけるD−D線に沿った断面の一例を示す拡大断面図であり、図12は、図10におけるD−D線に沿った断面の他の例を示す拡大断面図である。
図11および図12に示すように基板11は、半導体基板である基体31と、基体31に積層された絶縁層32と、絶縁層32に積層された発熱抵抗層33と、発熱抵抗層33に積層されたヒータ共通配線22とを有する。また、絶縁層32の上には、発熱抵抗体21およびヒータ共通配線22を覆うように保護層34が形成され、保護層34の上には、耐キャビテーション層24が積層されている。また、ヒータ共通配線22の側面に沿った保護層34の段差部34aにはストリンガ35が存在している。
図11の例では、耐キャビテーション層24の端部24aは、ヒータ共通配線22の側面22cよりも外側、かつ、保護層34の段差部34aの壁面34bよりも内側にある。この構成でも、耐キャビテーション層24とストリンガ35とが接触しないため、ストリンガによる耐キャビテーションの変質を抑制することが可能になる。
図12の例では、耐キャビテーション層24の端部24aは、ヒータ共通配線22の側面22cよりも内側に配置されている。この場合、図11の例と比べて、耐キャビテーション層24のパターニングに必要な精度が低いため、耐キャビテーション層24を容易に配置することが可能になる。したがった、耐キャビテーション層24がヒータ共通配線22の側面22cよりも内側に配置されることがより望ましい。
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施形態の素子基板における電気的な構成を示す一部拡大図である。図13では、図8の領域Cに対応する箇所が示されている。図13に示す本実施形態の素子基板1は、第2の実施形態と比べて、ヒータ共通配線22に囲まれた領域内に、発熱抵抗体21ごとに耐キャビテーション層24を分割して配置している点で異なる。図の例では、1つの発熱抵抗体21に対して1つの耐キャビテーション層24が設けられていたが、複数の発熱抵抗体21に対して1つ耐キャビテーション層24が設けられてもよい。
本実施形態でも、耐キャビテーション層24とストリンガ35とが接触しないため、ストリンガによる耐キャビテーションの変質を抑制することが可能になる。また、偶発的などの理由により発熱抵抗体21が断線した場合、断線した箇所でヒータ共通配線22と耐キャビテーション層24とが電気的に導通する場合がある。このような場合でも、断線した箇所の耐キャビテーション層24と他の耐キャビテーション層24とが電気的に絶縁されているため、他の耐キャビテーション層24に電圧が印加されることを抑制することができる。
(実施例)
実施例として、図1〜図4で説明した第1の実施形態の素子基板1を搭載した液体吐出装置60を作製した。この液体吐出装置60に対して液体を吐出させる印字検査を実施し、印字検査の実施後の素子基板1の耐キャビテーション層24の陽極酸化状態を観察した。観察の結果、1000個の素子基板1に対して、耐キャビテーション層24の陽極酸化したものは1個もなかった。
(比較例)
図14は、比較例の素子基板における電気的な構成を示す図である。図14に示す比較例の素子基板では、複数の発熱抵抗体21のそれぞれに、その発熱抵抗体21に電力を供給するためのヒータ共通配線22が接続されている。各発熱抵抗体21は、ヒータ共通配線22に囲まれておらず、ヒータ共通配線22は、それぞれ電源配線23と接続される。電源配線23は、端子13と接続され、端子13に入力された電気信号を、ヒータ共通配線22を介して発熱抵抗体21に供給する。耐キャビテーション層24は、複数の発熱抵抗体21の全てを覆うように設けられている。耐キャビテーション層24は、ヒータ共通配線22と交差している。このため、図14の一点鎖線で示されるストリンガ35a、つまり、端子13、ヒータ共通配線22および電源配線23の外周部に形成されるストリンガ35aは、耐キャビテーション層24と交差する。したがって、電源配線23とストリンガ35aとが電気的に導通すると、耐キャビテーション層24に電圧が印加されることがある。
図14に示した比較例の素子基板を搭載した液体吐出装置を作成し、実施例と同様に、液体を吐出させる印字検査を実施した後の素子基板の耐キャビテーション層の陽極酸化状態を観察した。この場合、1000個の素子基板1に対して、耐キャビテーション層24の陽極酸化したものが3個発見された。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
1 素子基板
21 発熱抵抗体
22 ヒータ共通配線(配線)
23 電源配線
24 耐キャビテーション層
31 基体
34 保護層

Claims (9)

  1. 基体と、基体の上に形成された複数の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体と接続された配線と、前記発熱抵抗体および前記配線を覆うように形成された絶縁性の保護層と、前記保護層の上に形成された耐キャビテーション層とを備える素子基板において、
    前記配線は、前記発熱抵抗体を囲むように配置され、前記保護層は、前記配線の外側側面によって形成される段差部を有し、前記耐キャビテーション層は、前記段差部の壁面よりも内側に配置されることを特徴とする素子基板。
  2. 前記配線は、前記発熱抵抗体を囲む第1の配線と、前記第1の配線と前記発熱抵抗体とを接続する第2の配線とを有し、前記第1の配線の幅は、前記第2の配線の幅よりも太いことを特徴とする請求項1に記載の素子基板。
  3. 前記段差部の壁面は、前記配線の外側側面よりも外側にあり、
    前記耐キャビテーション層は、前記配線の外側側面よりも内側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の素子基板。
  4. 前記耐キャビテーション層は、前記発熱抵抗体ごとに分割して設けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の素子基板。
  5. 前記発熱抵抗体は、複数のグループに分割され、
    前記配線は、前記グループごとに前記発熱抵抗体を囲むように複数配置され、
    前記耐キャビテーション層は、前記グループごとに分割して設けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の素子基板。
  6. 複数に分岐された電源配線をさらに備え、
    前記複数の配線は、前記分岐された複数の電源配線のそれぞれと接続される、請求項5に記載の素子基板。
  7. 縁部の近傍に設けられ、前記配線に接続される端子を備える、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の素子基板。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の素子基板を備えることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 請求項8に記載の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする液体吐出装置。
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