JP2019188440A - ウェーブ巻きばねの形状調整装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、こうしたウェーブ巻きばねの成形に用いる成形機が提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1の成形機は、ウェーブ巻きばねを成形するための成形部に対して、ばね鋼を順送りして供給する供給部を有している。そして、この成形部は、供給部から供給されるばね鋼を螺旋状に曲げ加工するとともに、同ばね鋼を延伸方向に進むに連れて螺旋状の軸方向において波打つように曲げ加工する。
ウェーブ巻きばねに圧縮荷重が作用していない状態では、軸方向において隣合う巻線部分の間に不要な隙間が生じたり、それら巻線部分の接触面圧にばらつきが生じたりするおそれがある。これは、ウェーブ巻きばねの軸方向長さの測定の精度を低下させる一因になる。上記構成では、軸方向長さの測定に際してウェーブ巻きばねに所定の圧縮荷重が作用するようになるため、軸方向において隣合う巻線部分の間に不要な隙間が生じることを抑えることができ、それら巻線部分の接触面圧にばらつきが生じることを抑えることができる。上記構成によれば、そのようにした上で、ウェーブ巻きばねの軸方向長さの測定を精度良く行うことができる。
上記構成によれば、台座に載置した状態のウェーブ巻きばねの上に所定重量の錘部を乗せるといった簡素な構造によって、ウェーブ巻きばねに所定の圧縮荷重を作用させた状態にすることができる。
図1に示すように、本実施形態のウェーブ巻きばね(以下、巻きばね10)は、軸方向の両端が略円環形状で延びる座部11になっている。また巻きばね10の軸方向の中間部分は螺旋状に延びる螺旋部12を有しており、螺旋部12は、巻きばね10の軸方向において変位する形状であって、且つ螺旋部12の延伸方向において波打つ波形状である。この巻きばね10では、軸方向において隣合う螺旋部12が、上記波形状における凹凸が逆になる態様で延びるとともに、一方の螺旋部12の凸における頂点と他方の螺旋部12の凹における底とが当接する態様で延びている。巻きばね10は、金属材料からなる板状のばね鋼(板ばね材)を曲げ加工することによって形成されている。
図2に示すように、本実施形態の製造装置は、加工用の板ばね材13を順送りして供給する供給部20と、同板ばね材13を曲げ加工して巻きばね10を成形する成形部30とを備える成形機や、成形された巻きばね10を搬送する搬送部60、搬送された巻きばね10の形状を測定する測定部70を有している。
図4および図5に示すように、第2移動アーム45の下部には、一方の側壁から水平方向に円柱状で突出する係合凸部48が設けられている。
図5に示すように、巻きばね10を成形する際には、モータ47の作動制御を通じて駆動部材49が水平方向(図5中に矢印Bで示す方向)に往復移動する。そして巻きばね10の座部11にあたる部分を成形するときには、アクチュエータ54の作動制御を通じて駆動部材49に設けられた案内溝51の延設方向が水平方向にされる。このときには、案内溝51に第1移動アーム37の係合凸部48が嵌っているとはいえ、駆動部材49が水平方向に往復移動しても第1移動アーム37および可動部43は上下方向には移動しない。一方、巻きばね10の螺旋部12にあたる部分を成形するときには、アクチュエータ54の作動制御を通じて上記案内溝51の延設方向が水平方向に対して傾いた状態にされる。そのため、この状態で駆動部材49が水平方向に往復移動すると、第1移動アーム37の係合凸部48が駆動部材49の案内溝51によって案内されて上下方向に往復移動するようになり、同第1移動アーム37および可動部43も上下方向(図5中に矢印Aで示す方向)に往復移動するようになる。
図10に示すように、巻きばね10がクランプ72によって移動されて、台座71の測定位置M2に置かれる。このとき、錘部73は上方位置UP1で保持された保持状態になっている。
図12は測定部70による軸方向長さの測定が実行されたことを判定するための処理(判定処理)の実行手順を示しており、同図のフローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の処理として、電子制御装置77により実行される。図13は波状加工部の曲げ加工量をフィードバック制御するための処理(フィードバック処理)の実行手順を示しており、同図のフローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の処理として、電子制御装置39により実行される。なお本実施形態では、電子制御装置39,77が制御部に相当する。
本実施形態によれば、電子制御装置77による判定処理(図12)と電子制御装置39によるフィードバック処理(図13)とが実行されるため、成形部30による巻きばね10の成形と同巻きばね10の軸方向長さの測定とが実行される度に、上記更新処理が実行されるようになる。
(1)波状加工部による曲げ加工量を、成形部30によって実際に成形された巻きばね10の軸方向長さについての測定値と目標値との偏差Dに応じて、その測定値と目標値とを一致させるように、自動的に調整することができる。したがって、成形された巻きばね10を取り出して検品するとともに検品結果をもとに製造装置を再調整するといった作業を定期的に行う場合と比較して、高精度の巻きばね10を効率良く製造することができるようになる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・フィードバック制御の実行態様は任意に変更可能である。例えばフィードバック制御に、偏差Dの絶対値が小さいときにおいて制御目標値Tを変更しない不感帯を設定するようにしてもよい。また、フィードバック制御を、偏差Dに基づく比例制御(P制御)によって構成することの他、比例制御と積分制御とを組み合わせた比例積分制御(PI制御)によって構成したり、比例制御、積分制御、および微分制御を組み合わせた比例積分制御(PID制御)によって構築したりすることなども可能である。
・巻きばね10の軸方向長さを精度良く測定することが可能であれば、錘部73を省略してもよい。この場合には、接触式の変位センサ75により、巻きばね10の座部11上面の上下方向位置を同巻きばね10の軸方向長さとして検出するようにすればよい。
・上記実施形態にかかる形状調整装置は、断面円形状のばね鋼からなるウェーブ巻きばねの製造に用いられる形状調整装置にも適用することができる。
Claims (5)
- ばね鋼を曲げ加工してウェーブ巻きばねを成形する成形部と、前記成形部に前記ばね鋼を順送りして供給する供給部とを備える成形機に適用されて、
前記成形部によって成形された前記ウェーブ巻きばねの形状を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された前記ウェーブ巻きばねの形状に基づいて、前記成形部によって成形されるウェーブ巻きばねが目標とする形状になるように、前記成形部の作動態様をフィードバック制御する制御部と
を有するウェーブ巻きばねの形状調整装置。 - 前記ばね鋼は板状のものであり、
前記成形部は、前記ばね鋼を延伸方向に進むに連れて前記ウェーブ巻きばねの軸方向において波打つように曲げ加工する波状加工部を備え、
前記測定部は、前記ウェーブ巻きばねの軸方向における長さを測定するものであり、
前記制御部の制御対象である前記成形機の作動態様は、前記波状加工部による曲げ加工量である
請求項1に記載のウェーブ巻きばねの形状調整装置。 - 前記形状調整装置は、前記測定部による測定時において前記ウェーブ巻きばねを予め定めた圧縮状態にする圧縮部を有する
請求項2に記載のウェーブ巻きばねの形状調整装置。 - 前記圧縮部は、前記ウェーブ巻きばねを載置する台座と、前記ウェーブ巻きばねの上に乗せる錘部とを備える
請求項3に記載のウェーブ巻きばねの形状調整装置。 - 前記測定部は、前記ウェーブ巻きばねの上に乗せられた状態の前記錘部の位置を、前記ウェーブ巻きばねの軸方向における長さの指標値として測定するものである
請求項4に記載のウェーブ巻きばねの形状調整装置。
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