JP2019187586A - ゴルフクラブヘッドの特性算出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これにより、ゴルフボールの打撃点の相違によって生じる飛距離の差を、より小さくすることができる、とされている。
このため、ゴルフファーにとって、ゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の増大のために、CT値の高いゴルフクラブであるが、CT値の上限を超えないことが保証されたゴルフクラブヘッドを購入することが好ましい。
CT値は、ゴルフクラブのフェース面の各位置に、ペンドラム試験機を用いて所定のサイズの小鉄球を衝突させたときのフェース面と小鉄球との間の接触時間(μ秒)に相当する特性時間を示す値である。CT値は、フェース面の各位置で測定でき、測定により、CT値の分布を得ることができる。このため、測定したCT値の分布を表示媒体に表示して、ゴルフクラブのCT値が、予め設定された許容範囲内にあるか否かを正確に判断できることが好ましい。
一方、CT値が高いフェース面におけるフェース部材の厚さは、一般的に薄く、厚さが急激に薄く変化する部分は、ゴルフクラブヘッドの耐久性の点で懸念される。このため、フェース部材の厚さ分布を表示することは、耐久性に優れたゴルフクラブヘッドを購入する点から好ましい。
ゴルフクラブヘッドのフェース面の各位置で打撃されたゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の指標であるCT値を予め定めたデータ間隔で取得したCT値データを用いて作成されるCT値の粗分布から、前記粗分布内の特徴領域を抽出するステップと、
前記特徴領域について、前記CT値データに比べてデータ間隔が細かい詳細CT値データを取得するステップと、
前記詳細CT値データを用いてCT値の詳細分布を作成するステップと、
を含む。
前記回帰式は、前記詳細分布が前記粗分布と接続する外縁で、前記詳細分布が前記粗分布に滑らかに接続される拘束条件の下に算出される、ことが好ましい。
ゴルフクラブヘッドのフェース面の各位置におけるフェース部材の厚さであって、予め定めたデータ間隔で取得された厚さデータを用いて作成される前記フェース部材の厚さの粗分布から、前記粗分布内の特徴領域を抽出するステップと、
前記特徴領域について、前記厚さデータに比べてデータ間隔が細かい詳細厚さデータを取得するステップと、
前記詳細厚さデータを用いて前記厚さの詳細分布を作成するステップと、
前記粗分布と前記詳細分布を同じ表示媒体上に表示するステップと、
を含む。
前記回帰式は、前記詳細分布が前記粗分布と接続する外縁で、前記詳細分布が前記粗分布に滑らかに接続される拘束条件の下で算出される、ことが好ましい。
金属製質量体とゴルフクラブヘッドとが接触している間、金属製質量体の進行方向とは逆方向における加速度が金属製質量体に取り付けた加速度センサによって測定される。測定された加速度から、測定開始から加速度の時間積分された累積時系列データを求め、この累積時系列データの値が、累積時系列データの最終的な値の5%に到達するまでの時間t1と、累積時系列データの値が、最終的な値の95%に到達するまでの時間t2とを求める。この2つの時間t1,t2から、時間(t2−t1)を求める。こうして、CT値を得ることができる。
ヘッド本体12は、主に金属材料により構成され、例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金又はアルミニウム合金等の1種又は2種以上の材料が用いられる。
ヘッド本体12は、フェース部14と、クラウン部16と、ソール部18と、サイド部20とを備えている。
フェース部14は、上下の高さを有して左右に延在している。
クラウン部16は、フェース部14よりも小さい厚さでフェース部14の上部から後方に延在している。
ソール部18は、フェース部14の下部から後方に延在している。
サイド部20は、クラウン部16とソール部18の間でフェース部14のトウ22側縁とヒール24側縁との間を、フェースバックを通って延在している。
ヘッド本体12は、それらフェース部14とクラウン部16とソール部18とサイド部20とで囲まれた内部が中空とされた中空構造を呈している。
フェース部14の外側に露出する表面がボールを打撃するフェース面14Aである。
クラウン部16には、フェース面14A側でかつヒール24寄りの位置に図示されないシャフトに接続するホーゼル30が設けられ、ホーゼル30に図示されないシャフトが接続されることでゴルフクラブが構成される。
中心点Pcは、点a1と点a2との間のフェース面14Aに沿ったペリフェリ長さを持つ線分の中点であり、点b1と点b2との間のフェース面14Aに沿ったペリフェリ長さを持つ線分の中点である。点a1は、中心点Pcを通る垂線が、フェース面14Aのクラウン部16側の上縁と交差する点であり、点a2は、中心点Pcを通る垂線が、フェース面14Aのソール18側の下縁と交差する点である。点b1は、中心点Pcを通る水平線が、フェース面14Aのトウ側(サイド部20側)の縁と交差する点であり、点b2は、中心点Pcを通る水平線が、フェース面14Aのヒール側の縁と交差する点である。
フェース面14Aの縁は、例えば稜線によって特定され、また、稜線が存在しなくても、曲率半径(1mm間隔毎に測った3点の位置で定まる曲率半径)が、クラウン部16、サイド部20、あるいはソール部18等の面からフェース面14Aに向かって進むとき、面の曲率半径が急激に小さくなる場所を稜線位置とみなすことができる。
ゴルフクラブヘッドの特性の表示を行う際、図示されないコンピュータのメモリに、ペンドラム試験機による試験を行って得られたCT値の測定データをCT値データとして予め記憶しておき、あるいは、ゴルフクラブヘッドを再現した数値計算モデルを用いてコンピュータシミュレーションで小鉄球のフェース面14Aへの衝突を再現して得られたCT値のシミュレーションデータをCT値データとして予め記憶しておく。この場合、コンピュータシミュレーションでは、小鉄球モデルがフェース面14Aを再現したフェース面モデルに衝突して反発する挙動を時々刻々計算し、フェース面モデル及び小鉄球モデルが変形して、小鉄球モデルがフェース面モデルに接触する時間を計算する。
CT値のデータの位置座標は、中心点Pcを基準とする座標系によって定められる。
コンピュータは、オペレータの指示に応じて、コンピュータに接続されたディスプレイに、ゴルフクラブヘッド10とCT値の分布を同時に画面表示する。
図2に、表示画面50に表示されるコンター図52では、フェース面14Aにおいて、CT値が2つの場所で高くなっている分布を示している。しかも、コンター図52は、フェース面14A全体にわたって表示されているので、表示画面50を見たゴルフクラブを購入しようとする者は、フェース面14全面に対して、CT値の高い領域がどの程度占有するか、直感的かつ容易に判断することができる。
しかし、図2に示す分布では、CT値の最大値付近の分布が正確にわからず、CT値が、許容範囲内にあるか十分に判断することは難しい。
このため、本実施形態では、例えば、コンピュータは、図3に示すように、CT値の分布の中から特徴領域を抽出し、この特徴領域におけるCT値の詳細分布を作成する。図3は、詳細分布54の表示の一例を示す図である。図3に示す詳細分布54は、CT値の等高線図の形態であるが、コンター図52のように、CT値を色でレベル分けする形態であってもよい。この場合、コンター図52に詳細分布54が重ね書きされてもよい。
(1)ゴルフクラブヘッド10のフェース面14Aの各位置で打撃されたゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の指標であるCT値を予め定めたデータ間隔で取得したCT値データを用いて作成されるCT値の粗分布(コンター図52)から、粗分布内の特徴領域A(図3参照)を抽出する。
(2)コンピュータは、特徴領域Aについて、CT値データに比べてデータ間隔が細かい詳細CT値データを取得する。
(3)コンピュータは、詳細CT値データからCT値の詳細分布54(図3参照)を作成する。
この後、コンピュータは、コンター図52(粗分布)と詳細分布54を同じ表示画面50上に表示する。
詳細CT値データは、予めコンピュータのメモリに記憶されていてもよいが、CT値の計測に比べてデータ間隔を細かくして特徴領域AにおけるCT値の再計測を行って取得してもよい。また、CT値データが、ゴルフクラブヘッドを再現した数値計算モデルを用いてコンピュータシミュレーションで小鉄球のフェース面14Aへの衝突を再現して得られたCT値のシミュレーションデータである場合、詳細CT値データは、CT値データの取得と同じように、ゴルフクラブヘッドを再現した数値計算モデルを用いてコンピュータシミュレーションで小鉄球のフェース面14Aへの衝突を再現して得られたCT値のシミュレーションデータを取得してもよい。
なお、当初のCT値データを取得する時点から、細かいデータ間隔でフェース面14A全体の各位置におけるCT値を取得することは不必要な位置のCT値データも取得することを含むので、処理時間のロスであり、無駄な作業が多い。
図4(a)に示すように、フェース面14Aの各位置における、コンター図52(粗分布)を作成するためのCT値のデータが示されている。コンピュータは、このCT値データに対して、図4(b)に示すように、補間処理を行って、滑らかな分布を形成する。これにより、図2に示すようなコンター図52を作成することができる。
図6は、図2に示すCT値のデータと異なるデータに対して回帰式の一例として2次曲面関数を用いた最小二乗回帰の結果の一例を示す図である。図6では、詳細CT値データのうち、任意のCT値が回帰式で表された2次曲面上に精度よくプロットされている。
このため、一実施形態では、下限値は、コンピュータに入力される入力値であり、面積占有比率は入力値に応じて変更して表示画面50に表示されることが好ましい。上述の上級者やプロゴルファは、優先的にCT値の最大値に注目しながら、下限値が可能な限り高く、そのときの面積占有比率もついでに考慮し、初級者は、下限値を上級者やプロゴルファに比べて比較的低く設定して、優先的に面積占有比率の大きさを注目しながら、CT値の最大値も考慮する。
(1)コンピュータは、予め定めたデータ間隔で取得された厚さデータを用いて作成されるフェース部材の厚さの粗分布から、粗分布内の特徴領域を抽出する。
(2)コンピュータは、抽出した特徴領域について、厚さデータに比べてデータ間隔が細かい詳細厚さデータを取得する。
(3)コンピュータは、詳細厚さデータを用いて厚さの詳細分布を作成する。
この後、コンピュータは、作成した粗分布と詳細分布を同じ表示画面50上に表示する。
このような厚さデータは、X線CTスキャンにより、フェース部材のCTスキャン画像を得ることができるので、フェース面14Aの各位置の厚さを測定することができる。詳細厚さデータは、例えばCTスキャン画像から細かなデータ間隔で厚さの測定を再度行うことで得られる。
最初に厚さデータの取得のときから、細かいデータ間隔でフェース面14A全体の厚さを測定することは不必要な位置の厚さデータも取得するので、処理時間のロスであり、無駄な作業が多い。
以降、厚さの粗分布を作成するために用いる厚さデータを、その後に取得する詳細厚さデータと区別するために、当初の厚さデータという。
12 ヘッド本体
14 フェース部
14A フェース面
16 クラウン部
18 ソール部
20 サイド部
22 トウ
24 ヒール
30 ホーゼル
52 コンター図
54 詳細分布
56A,56B ピーク
Claims (12)
- ゴルフクラブヘッドの特性算出方法であって、
ゴルフクラブヘッドのフェース面の各位置で打撃されたゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の指標であるCT値を予め定めたデータ間隔で取得したCT値データを用いて作成されるCT値の粗分布から、前記粗分布内の特徴領域を抽出するステップと、
前記特徴領域について、前記CT値データに比べてデータ間隔が細かい詳細CT値データを取得するステップと、
前記詳細CT値データを用いてCT値の詳細分布を作成するステップと、
を含むことを特徴とするゴルフクラブヘッドの特性算出方法。 - 前記詳細CT値データの一部のデータの前記フェース面上の位置及び当該位置におけるCT値は、前記CT値データの一つのデータにおける前記フェース面上の位置及び当該位置におけるCT値と同じである、請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
- 前記特徴領域は、前記CT値が最大値となる位置と前記最大値の位置の周辺領域を含む、請求項1または2に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
- 前記詳細分布を作成するステップでは、最小二乗回帰により前記詳細CT値データの回帰式を算出し、前記回帰式を算出するとき、前記回帰式の前記特徴領域における値が、前記特徴領域における前記詳細CT値データ内の最大値を超えないように算出され、前記回帰式を用いて前記詳細分布を作成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
- 前記粗分布と前記詳細分布を表示する際、前記詳細分布は、前記粗分布の対応する領域上に重なるように表示し、
前記回帰式は、前記詳細分布が前記粗分布と接続する外縁で、前記詳細分布が前記粗分布に滑らかに接続される拘束条件の下に算出される、請求項4に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。 - 前記詳細CT値データのデータ間隔は、前記CT値データのデータ間隔の50%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
- ゴルフクラブヘッドの特性算出方法であって、
ゴルフクラブヘッドのフェース面の各位置におけるフェース部材の厚さであって、予め定めたデータ間隔で取得された厚さデータを用いて作成される前記フェース部材の厚さの粗分布から、前記粗分布内の特徴領域を抽出するステップと、
前記特徴領域について、前記厚さデータに比べてデータ間隔が細かい詳細厚さデータを取得するステップと、
前記詳細厚さデータを用いて前記厚さの詳細分布を作成するステップと、
を含むことを特徴とするゴルフクラブヘッドの特性算出方法。 - 前記詳細厚さデータの一部のデータの前記フェース面上の位置及び当該位置における厚さは、前記厚さデータの一つのデータにおける前記フェース面上の位置及び当該位置における厚さと同じである、請求項7に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
- 前記特徴領域は、前記厚さの変化勾配が所定以上の変化位置と前記変化位置の周辺領域を含む、請求項7または8に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
- 前記詳細分布を作成するステップでは、最小二乗回帰により前記詳細厚さデータの回帰式を算出し、前記回帰式を算出するとき、前記回帰式の前記特徴領域における値が、前記特徴領域における前記詳細厚さデータ内の最大値を超えないように、あるいは、前記特徴領域における前記詳細厚さデータ内の最小値未満にならないように前記回帰式は算出され、前記回帰式を用いて前記詳細分布を作成する、請求項7〜9のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
- 前記粗分布と前記詳細分布を表示する際、前記詳細分布は、前記粗分布の対応する領域上に重なるように表示し、
前記回帰式は、前記詳細分布が前記粗分布と接続する外縁で、前記詳細分布が前記粗分布に滑らかに接続される拘束条件の下で算出される、請求項10に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。 - 前記詳細厚さデータのデータ間隔は、前記厚さデータのデータ間隔の50%以下である、請求項7〜11のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
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