JP2019185965A - 高周波加熱装置 - Google Patents

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和樹 前田
Kazuki Maeda
和樹 前田
大森 義治
Yoshiharu Omori
義治 大森
岡島 利幸
Toshiyuki Okajima
利幸 岡島
吉野 浩二
Koji Yoshino
浩二 吉野
昌之 久保
Masayuki Kubo
昌之 久保
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Abstract

【課題】小型かつ加熱効率の高い高周波加熱装置を提供すること。【解決手段】マイクロ波を発生させる高周波電力発生部1と、導電性材料からなる表面波線路4と、高周波電力発生部1から繋がり先端にループアンテナ3を備えた給電部2とを備え、ループアンテナ3の上方には、ループアンテナ3から放射した電力を表面波線路4へと導く金属製のアンテナカバー7を設けた構成としてある。これにより、ループアンテナ3から上方への電力放射をアンテナカバー7で反射して表面波電力として用いることができ、給電部2を小型化しつつ、効率の良い表面波加熱を行うことができる。【選択図】図1

Description

本発明は周期構造体を有する表面波伝送線路を備えた高周波加熱装置に関するものである。
従来、この種の高周波加熱装置は、表面波線路に対して、導波管を通じて高周波電力を給電し、表面波線路上に励振される表面波を用いて加熱を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
また、表面波線路上へ表面波を励振する別の方法として、給電部の先端にアンテナを用いるという方法があった(例えば、特許文献2参照)。
特開昭49−16944号公報 特開平6−338387号公報
しかしながら、前記導波管を使った従来の給電方式における構成では、装置が大型化し、使用場所や製品化の際の形態が限定されてしまうという課題を有していた。
また、前記アンテナを使った従来の給電方式における構成では、導波管方式に比べて装置は小型化するが、周辺物の影響でアンテナの放射効率が下がり、表面波線路とのインピーダンス整合が非常に困難で、効率よく高周波電力を供給できず、十分な表面波加熱ができないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、給電部分の構成を変えることにより、小型かつ加熱効率の高い高周波加熱装置を提供するものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波加熱装置は、マイクロ波を発生させる高周波電力発生部と、導電性材料からなる表面波線路と、前記高周波電力発生部から繋がり先端にループアンテナを備えた給電部とを備え、前記ループアンテナの上方には前記ループアンテナから放射した電力を前記表面波線路へと導く金属製のアンテナカバーを設けた構成とした。
上記構成により、給電部を小型化しつつ、効率の良い表面波加熱を行うことができる。
本発明の高周波加熱装置によれば、比較的小型な装置で効率の良い表面波加熱を行うことができる。
本発明の実施の形態1における高周波加熱装置の構成図 同実施の形態1における高周波加熱装置の斜視図 本発明の実施の形態2又は3における高周波加熱装置の構成図 同実施の形態2又は3における高周波加熱装置の上面図
第1の発明は、被加熱物を加熱処理する高周波加熱装置であって、マイクロ波を発生させる高周波電力発生部と、導電性材料からなる表面波線路と、前記高周波電力発生部から繋がり先端にループアンテナを備えた給電部とを備え、前記ループアンテナの上方には、ループアンテナから放射した電力を前記表面波線路へと導く金属製のアンテナカバーを設けた構成としてある。
これにより、給電部を小型化しつつ、効率の良い表面波加熱を行うことができる。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記アンテナカバーはループアンテナから前記表面波線路のスタブ複数枚目までを覆う構成としてある。
これにより、ループアンテナから放射する電磁波が空気中へ放射されにくくなり、前記表面波線路と結合しやすくなって、表面波への変換効率を高めることができる。
また、第3の発明は、第1または2の発明において、前記アンテナカバーは前記ループアンテナとの間に一定の距離を設けた構成としてある。
これにより、ループアンテナから直接放射する電磁界とアンテナカバーでの反射によって生じた電磁界とが結合しやすくなるので、効率の良い表面波加熱を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態1〜3はその構成をそれぞれ組み合わせてもよいものとする。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における高周波加熱装置の構成図、図2は同高周波加熱装置の斜視図である。
図1において、マイクロ波などの高周波は高周波電力発生部1にて励振され、同軸線などの接続手段(図1では図示せず)を通じて給電部2に伝送される。なお、高周波電力発生部1は、電子レンジ等で一般的に使用されるマグネトロンであっても、半導体であってもよいものである。
給電部2の先端にはループアンテナ3が備え付けられており、表面波線路4に向けて高周波電力を放射する構成としている。高周波電力は、表面波線路4の近傍空間に集中する。被加熱物5は、表面波線路4の上方でかつ近傍に設けられた載置台6の上に載置され、表面波線路4の近傍に集中させた高周波により、被加熱物5は加熱される。載置台6には低誘電率のマイカやガラス等の部材を用いると電力ロスが少なくなる。また、上記被加熱物5、表面波線路4、及び載置台6は加熱室20の中に設置されるが、電波漏洩や感電などの危険性がない構成があれば、必ずしも加熱室20の中に設置する必要はない。
上記ループアンテナ3は、図2に示すように、表面波線路4の端部に向かい合っており、ループアンテナ3に高周波電流が流れることによって環状の磁界が発生し、電磁誘導により導電性の表面波線路4に、誘導電流が流れる。そして、これによって表面波が発生し、載置台6の上に載置された被加熱物5が加熱される。
ループアンテナ3の電力放射方向は主に三方向で、図2においては紙面手前と奥、そして上方向である。ループアンテナ3から放射した電力のうち紙面奥方向(表面波線路4の
ある方向)以外も多く存在し、紙面手前方向の位置にも表面波線路4を置くことで同様に表面波を発生させることができる(図2には図示せず)。
ここで、上記ループアンテナ3の上方には金属部材からなるアンテナカバー7が設けてある。これによって、上方向への電力放射を適切な距離で反射して表面波電力として用いることができる。したがって、被加熱物5を効率よく加熱することができる。
なお、アンテナカバー7は被加熱物5を載置する載置台6とは区別している。
また、本実施の形態においては、ループアンテナ3の形状は長方形としているが、これに限られるものではなく、ループアンテナ3の形状は、円形、正方形のいずれであってもよい。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における高周波加熱装置の表面波線路の構成図である。
図3において、アンテナカバー7はループアンテナ3だけでなく、表面波線路4のスタブ4aを複数枚覆うように設けてある。アンテナカバー7でスタブ4aを覆う最適距離Aは使用するループアンテナ3や表面波線路4を構成する周期構造体の寸法によって変化し、電磁界分布に合わせて調整する必要がある。
上記構成で高周波電力を供給すると、ループアンテナ3の上面からアンテナカバー7に向けて垂直に電界が発生する。電界の発生に伴って磁界が発生し、これがループアンテナ3上方からアンテナカバー7で反射されて表面波線路4上へと進み、磁界がスタブ4aを巻き込むことによって表面波が発生する。よつて、強力な表面波が形成され、被加熱物5を効率よく加熱することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は、前記図3において、ループアンテナ3とアンテナカバー7の垂直方向距離をある一定距離Bとしたものである。すなわち、アンテナカバー7は前記表面波線路4の上面から垂直方向に一定距離B離れた構成としてある。
上記構成において、距離Bを変化させるとループアンテナ3の周りのインピーダンスが変化し、共振周波数が変化する。例えば距離Bを小さくしループアンテナ3とアンテナカバー7を近づけていくと共振周波数は低周波側に遷移する。そして、ループアンテナ3から直接放射する電磁界とアンテナカバー7での反射によって生じた電磁界とが結合しやすくなる。よって、効率の良い表面波加熱を行うことができる。
例えば、図4は上記実施の形態2または3における高周波加熱装置の上面図である。
図4において破線、一点鎖線は高周波電力発生中のある時刻での磁界で、一点鎖線はアンテナカバー7が存在しない場合でも生じる磁界、破線はアンテナカバー7が存在する場合に生じる磁界である。また同図において、白丸及び黒丸はこのときに生じる電界の向きを表しており、白丸は手前向き、黒丸は奥向きである。
ループアンテナ3からアンテナカバー7に向かって電界が生じることによってその電界の周りに磁界が発生し、この磁界によりさらに電磁界が生じていく。このとき発生した磁界(破線)とアンテナカバー7の有無に関係なく生じる磁界(一点鎖線)の向きが一致するように構成することで、表面波線路4のスタブ4aを取り巻く磁界が強くなり誘導電流も大きくなるため、表面波として伝わる電力が増大する。よつて、被加熱物5を効率よく
加熱することができる。
以上、本発明に係る高周波加熱装置について、上記実施の形態を用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。つまり、今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上のように本発明は、小型かつ効率的に加熱を行うことが可能な高周波加熱装置を提供できる。よって、家庭用及び産業用の高周波加熱装置として広く使用することができる。
1 高周波電力発生部
2 給電部
3 ループアンテナ
4 表面波線路
4a スタブ
5 被加熱物
6 載置台
7 アンテナカバー
20 加熱室

Claims (3)

  1. 被加熱物を加熱処理する高周波加熱装置であって、
    マイクロ波を発生させる高周波電力発生部と、
    導電性材料からなる表面波線路と、
    前記高周波電力発生部から繋がり先端にループアンテナを備えた給電部とを備え、
    前記ループアンテナの上方には前記ループアンテナから放射した電力を前記表面波線路へと導く金属製のアンテナカバーを設けた高周波加熱装置。
  2. 前記アンテナカバーは前記ループアンテナから前記表面波線路のスタブ複数枚目までを覆う構成とした請求項1記載の高周波加熱装置。
  3. 前記アンテナカバーと前記ループアンテナとの間に一定の距離を設けた請求項1または2に記載の高周波加熱装置。
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