JP2013246999A - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マグネトロンで発生したマイクロ波電力を回転アンテナに効率よく結合させ、加熱室内に損失なく最大限放射させる。
【解決手段】被加熱物を収容する加熱室と、マイクロ波エネルギーを発生するマグネトロンと、該マグネトロンを取り付ける導波管と、該導波管に導かれたマイクロ波エネルギーを高周波供給室に放射するために高周波供給室底面中央部に設けられた結合穴と、該結合穴を貫通して前記高周波供給室内へ略垂直に臨んで設けられた内導体と、該内導体の一端の前記高周波供給室内に略水平に連結された金属製で立体構造の回転アンテナで、前記回転アンテナの矩形部の第1長辺および第2長辺は、1/2λ(λはマイクロ波の波長)より長く、かつ、λより短く、前記矩形部の垂直壁の高さは、1/2λより短くし、さらに前記回転アンテナの矩形部と台形部の下面に前記第2長辺と垂直な向きの凸部(リッジ)を設けた構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転アンテナを用いてマイクロ波エネルギーを加熱室内に放射し、食品などを加熱する高周波加熱装置に関するものである。
特許文献1に記載の高周波加熱装置は、加熱室の底面に固着された誘電体からなる載置棚を備え、加熱室底面中央部に設けた導波管の励振口部分にホーン形状の回転アンテナを備え、導波管により導かれるマイクロ波エネルギーをホーン形状の回転アンテナで受けホーン先端よりマイクロ波を加熱室内に放射し、載置棚に載置された食品などを高周波加熱するものである。
また、特許文献2では、ホーン形状の受信アンテナを備えホーン部の長辺面に幅が一定でホーン入り口での高さを低く、ホーンと連結された導波管部に設けた平面回路検出器部で高くした楔形のリッジを設け、ホーン形状の受信アンテナで自由空間を伝送されているマイクロ波信号を受信し、受信したマイクロ波の電界強度をリッジを介することにより強め、平面回路検出器部入り口に導き検出しようとするものである。なお、リッジとは、マイクロ波伝送路である導波管の長辺面中央の内面側に管軸に沿って設けた直方体状の突起をさす。
特開2010−199009号公報 特開平1−132108号公報
特許文献1では、高周波供給室底面中央部に設けられた結合孔を貫通して、前記高周波供給室内へ略垂直に臨んで設けられ回転アンテナと結合された内導体の一端を導波管内に突出させ、これによりマグネトロンで発生し導波管内を伝送されてきたマイクロ波をホーン形の回転アンテナに結合してホーン先端から加熱室内に放射するようになっている。
この場合、導波管を伝送されてきたマイクロ波を同じような導波管形状を持つ回転アンテナに結合させて伝送させれば、反射が少なく結合度も大きくとれ効率よく伝送できるが、上記の従来技術のように形状も特性インピーダンスも異なり、高次モードの発生するホーン形状の回転アンテナへ結合する場合は両者間で反射が大きくなり結合度も低くなるので、マグネトロンで発生し導波管内を伝送されてきたマイクロ波を効率よくホーン形状の回転アンテナに結合させて供給することができない。
また、回転アンテナをホーン形状にすれば空間に幅広くマイクロ波電力が拡散放射されるので、従来技術で述べているようなホーン形状としたことにより指向性を高めたとする効果は少ない。さらにホーン形状の伝送路をもつ特許文献1の回転アンテナではマイクロ波は高次のTEモードの波として伝送され、自由空間を伝送されるマイクロ波の姿態であるTEMモードと特性インピーダンスが異なるので、加熱室空間に放射される時に反射が生じるという問題がある。
そのために導波管やホーン形状部にリッジを設けてTEモードの波からTEMモードの波に変換して自由空間に放射する手段が考えられ、従来例で示す特許文献2にはこれに類似した内容が示されているが、受信アンテナの特許でありリッジの高さをホーン形状部で低くして反射波を抑制し、導波管入り口で高くして電界強度を高めて平面回路検出器でとらえるのが目的の構成となっている。
これを回転アンテナに置き換えてリッジの効果を検証すると、ホーン形状の開放口でリッジの高さが低いためにTEMモードの波に変換されないので反射が大きくなりマイクロ波を効率よく放射できないばかりか、電界はリッジの高さが低いと集中しないのでホーン開放口での電界強度も弱くなり指向性を鋭くする効果もない。また、従来例ではリッジの高さが高い平面回路検出器部が回転アンテナではマイクロ波給電部となるので、給電部近傍に金属製の背の高い金属製リッジを設けることはその部分での反射が大きくなり整合がとれないという問題がある。
なお、TEモードとはマイクロ波の進行方向Zに電界成分を持たない(磁界成分はあってもよく、電界成分はマイクロ波の進行方向Zに対して直角な面でのX方向、Y方向にある)波の姿態をさす。TEMモードとはマイクロ波の進行方向Zに電界成分も磁界成分も持たない波(電界成分や磁界成分はマイクロ波の進行方向Zに対して直角な面でのX方向、Y方向にある)の姿態をさす。高次モードとは伝送路において、マイクロ波の進行方向Zに対して直角な面でのX方向、Y方向に電界成分や磁界成分が複数個発生する波の姿態をさす。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、請求項1の高周波加熱装置では、被加熱物を収容する加熱室と、該加熱室の底面に設けた誘電体からなる被加熱物載置板と、この被加熱物載置板の下方で前記加熱室の底面略中央部に設けた高周波供給室と、マイクロ波エネルギーを発生するマグネトロンと、該マグネトロンを取り付ける導波管と、前記高周波供給室底面中央部に設けた結合孔と、該結合孔を貫通して前記高周波供給室内へ略垂直に臨んで設けた内導体と、該内導体の一端の前記高周波供給室内に略水平に連結した金属製で立体構造の回転アンテナと、前記内導体の前記導波管内で連結した誘電体軸と、該誘電体軸を回転駆動する駆動部とを備え、前記回転アンテナは、第1長辺、第2長辺、第1短辺、第2短辺で囲まれた矩形部と、前記第2長辺と略平行により長い第3長辺と、該第3長辺と前記第1短辺を結ぶ第1辺と、前記第3長辺と前記第2短辺を結ぶ第2辺と、前記第2長辺で台形部とを有し、前記第1長辺、前記第1短辺、前記第2短辺、前記第1辺、および、前記第2辺には下向きの垂直壁部を備え、前記内導体は、前記回転アンテナの矩形部の下面に接している構成とした。
本発明の高周波加熱装置の回転アンテナでは、矩形部の第1長辺および第2長辺は、1/2λ(λはマイクロ波の波長)より長く、かつλより短く、前記矩形部の垂直壁の高さは、1/2λより短くすることにより高次モードのマイクロ波を発生させることなく、前記導波管と同じTEモードの波の姿態で回転アンテナの導波路部に結合させることができるので反射が少なく結合度も大きくとれる効果があり、マグネトロンで発生させたマイクロ波エネルギーを効率よく回転アンテナの導波路に伝送できる。
実施例1の高周波加熱装置の要部縦断面図。 実施例1の回転アンテナの斜視図。 実施例2の回転アンテナの斜視図。 各実施例の回転アンテナの反射係数を解析により求めた図。 各実施例の回転アンテナの放射路前方での電界強度を解析により求めた図。 実施例3の回転アンテナの斜視図。 実施例4の回転アンテナの斜視図。 実施例5の回転アンテナの斜視図。
以下、図1〜図7を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は実施例1の高周波加熱装置の要部縦断面図で、図2、図3は回転アンテナの斜視図、図4A、図4Bはそれぞれ回転アンテナの凸部(リッジ)の違いによる結合度を評価するための反射係数と、指向性を評価するための電界強度の解析値を示している。
図1の要部断面図に示すように、本実施例の高周波加熱装置は、被加熱物12を収容する加熱室1と、加熱室1の底面に設けられた誘電体からなる被加熱物載置板2と、この被加熱物載置板2の下方で加熱室1の底面略中央部に設けられた高周波供給室3と、マイクロ波エネルギーを発生するマグネトロン4と、マグネトロン4を取り付ける導波管5と、導波管5に導かれたマイクロ波エネルギーを高周波供給室3に放射するために高周波供給室底面中央部に設けられた結合穴6と、結合穴6を貫通して高周波供給室3内へ略垂直に臨んで設けられた内導体7と、内導体7の一端の高周波供給室3内に略水平に連結された金属製で立体構造の回転アンテナ8と、内導体7の導波管内で連結された誘電体軸9と、穴10を介して誘電体軸9を回転駆動する駆動部11とを備えており、回転アンテナ8は駆動部11により回転自在となっている。そして、マグネトロン4で発生したマイクロ波エネルギーは導波管5に導かれ、結合穴6を貫通する内導体7との同軸モード結合により上記回転アンテナ8に伝搬され、高周波供給室3、被加熱物載置板2を通して加熱室1内に放射される。
図2(b)に示すように、回転アンテナ8は、導波路13となる矩形部8fと放射路14となる台形部8lとを一体に形成されたものであり、内導体7は、回転アンテナ8の矩形部8fの下面に接している。これにより、矩形部8fは、内導体7を介して伝わるマイクロ波エネルギーを台形部8lに導く導波路13となり、台形部8lは、矩形部8fを介して伝わるマイクロ波エネルギーを加熱室1に放射する放射路14となる。
図2(a)に示すように、矩形部8fは、第1長辺8a、第2長辺8b、第1短辺8c、第2短辺8dで囲まれており、さらに、第1長辺8a、第1短辺8c、第2短辺8dには下向きの垂直壁8eを備え、第2長辺8bは垂直方向に開口している。
また、台形部8lは、第2長辺8bと略平行で第2長辺8bより長い第3長辺8h、第2長辺8bと第3長辺8hを結ぶ第1辺8i、第2辺8jで囲まれており、第1辺8iおよび第2辺8jには下向きの垂直壁部8kを備え、第3長辺8hは垂直方向に開口している。
本実施例の回転アンテナ8では、第1長辺8aと第2長辺8bの長さを、1/2λ(λはマイクロ波の波長)より長く、かつ、λより短くするとともに、矩形部8fの垂直壁8eの高さを、1/2λより短くした。
以上で説明した本実施例の回転アンテナ8では、第1長辺8aと第2長辺8bの長さを、1/2λより長く、かつ、λより短くするとともに、矩形部8fの垂直壁8eの高さを、1/2λより短くすることにより、垂直壁8eの高さ方向には電界成分をもたず、第1長辺8aおよび第2長辺8bに一個の電界成分のみが表れるTEモードの波の基本モードTE10となり、高次モードのマイクロ波の発生を抑制し、導波管5と同じTE10モードの波の姿態で回転アンテナ8の導波路13に結合させることができ、反射が少なく結合度も大きくとることができる。
実施例2の回転アンテナ8を図3に示す。なお、実施例1と共通する点は説明を省略する。実施例1との相違は、実施例2の回転アンテナ82では、その下面が平坦であるのに対し、図3の回転アンテナ8では、その下面に第2長辺8bと垂直な向きの凸部(リッジ)15を設けている。なお、図3から明らかなように、凸部(リッジ)15の高さと幅は一様としている。ここで、凸部(リッジ)15の幅、高さ寸法は、回転アンテナ8の導波路13の第1長辺8aおよび第2長辺8bの長さの約3/1以内、垂直壁8eの高さのおよそ1/2以内に選んでいる。
本実施例の回転アンテナ8では、矩形部8fと台形部8lの下面に第2長辺8dと垂直な向きの凸部(リッジ)15を設けたことで、マグネトロン4から導波管5内を伝送されてきたTEモードのマイクロ波を導波路13、放射路14で加熱室内(自由空間)を伝送されるマイクロ波のモードであるTEMモードの波の姿態に変換することができる。
具体的には、マグネトロンから導波管内を伝送されてきたTEモードのマイクロ波が矩形形状の導波路で同じTEモードの波の姿態で結合されたのち、凸部(リッジ)15の作用で導波路、放射路で平行線路や自由空間を伝送されるマイクロ波のモードであるTEMモードの波の姿態に変換され、放射路から加熱室空間に放射されるようになるので、回転アンテナから加熱室空間に放射される時の反射波の発生を抑制できる。
実施例3の回転アンテナ8を図5に示す。なお、実施例2と共通する点は説明を省略する。実施例2との相違は、凸部(リッジ)15の形状にあり、本実施例では、凸部(リッジ)15の幅は一様であるが、高さは、矩形部8f側で小さく、台形部8l側で大きい、楔状としている。
本実施例の回転アンテナ8では、導波路13の長辺面に垂直に設けられた内導体7近傍の凸部(リッジ)15の高さ寸法を短くして放射路14に向かって高さ寸法を長くした楔形で構成することで、内導体7近傍での反射が抑制される。一方、放射路14の下底部8−8の凸部(リッジ)15では高さ寸法が高くしているので、放射路14の第3長辺8h部近傍でTEモードの波の姿態が加熱室1内を伝送されるのと同じTEMモードの波の姿態に変換され易くなり、放射路と加熱室空間との整合がとれ、反射波の抑制に加えて電界強度を増すことができ、指向性も鋭くなる。
実施例4の回転アンテナ8を図6に示す。なお、実施例2と共通する点は説明を省略する。実施例2との相違は、凸部(リッジ)15の形状にあり、本実施例では、凸部(リッジ)15の高さと幅の両方が、矩形部8f側で小さく、台形部8l側で大きい、四角錐状としている。
本実施例の回転アンテナ8では、内導体7近傍の凸部(リッジ)15の高さ寸法、幅寸法を共に短くして内導体7近傍から放射路14に向かって凸部(リッジ)15の高さ寸法、幅寸法を共に長くした四角錐形にしているので、実施例3よりもさらに内導体7近傍での反射を抑制することができ、放射路下底部での電界強度が強くでき指向性も鋭くなるという効果がある。
実施例5の回転アンテナ8を図7に示す。なお、実施例2と共通する点は説明を省略する。実施例2との相違は、凸部(リッジ)15の形状、および、切り込み16、フランジ17を設けた点にある。
本実施例の回転アンテナ8では、放射路14の台形部8lに切り込み16を設けることで、反射を抑制し整合性や指向性などを向上させることに加え、回転アンテナ8の真上に置かれた被加熱物12もむらなく効率よく加熱することができる。
また、導波路13や放射路14の垂直壁8e、垂直壁部8kには、これらと直角にフランジ17を設けることにより、垂直壁8e、垂直壁部8kとこれと対向する高周波供給口3の底面間でのスパーク発生の防止と、マイクロ波電力の伝送方向と垂直な側面からの漏洩電力を抑制し指向性を高めることができる。
さらに、凸部15は丸みを帯びた円錐形状で絞り加工により一体加工した円錐形で構成し、直方体状や、楔形、四角錐形の凸部(リッジ)15の角部で発生しがちな電界集中による異常加熱やスパークを抑制することができる。
〔参考例〕
図4を用いて、各実施例の回転アンテナ8の特性を従来の台形型回転アンテナと比較しながら説明する。なお、図4Aは、各実施例の回転アンテナの反射係数を解析により求めた図であり、縦軸は反射係数を横軸は周波数f(MHz)をとっている。また、図4Bは、各実施例の回転アンテナの放射路前方での電界強度をマグネトロン出力800ワットとして解析により求めた図であり、縦軸は電界強度E(V/m)をとっている。
図4Aに示すように、従来例と実施例1〜4の回転アンテナ8の反射係数を比べると、(実施例4)<(実施例3)<(実施例2)<(実施例1)<(従来例)となる。なお、実施例5は実施例4と実施例3の中間程度の特性となる。
一般に、結合度は反射係数の値から評価し、反射係数が小さいほど結合度が大きくなる。従って、矩形型の導波路13と台形型の放射路14を組み合わせた実施例1の回転アンテナ8の結合度が、従来の台形型の放射路からなる回転アンテナよりも大きくなるという効果や、それぞれの実施例の凸部(リッジ)15の形状違いによる結合度の違いがわかる。
また、図4Bに示すように、従来例と実施例1〜4の回転アンテナ8の放射路前方での電界強度を比べると、(従来例)<(実施例1)<(実施例2)<(実施例3)<(実施例4)となる。なお、実施例5は実施例4と実施例3の中間程度の特性となる。
一般に、指向性はアンテナ放射方向の電界強度の値から評価し、電界強度が大きいほど指向性が鋭くなる。従って、矩形型の導波路13と台形型の放射路を組み合わせた実施例1の回転アンテナの指向性が、従来の台形型の放射路からなる回転アンテナよりも鋭くなるという効果や、それぞれの凸部(リッジ)15の違いによる指向性の違いが分かる。
なお、凸部(リッジ)15を設けることにより、放射方向の電界強度が強くなり、反射波の発生を抑制できるのは次の理由によるものである。すなわち、TEMモードの波の姿態で伝搬される自由空間や、TEモードの波の姿態で伝搬される導波管内では特性インピーダンスが異なる。自由空間での波の特性インピーダンスは伝搬される波の周波数に関係なく自由空間(真空中と見なせる)の誘電率εと透磁率μで決まり377Ωで、導波管の場合の特性インピーダンスは伝送する波の周波数と導波管の長辺寸法できまる。
例えば、導波管の長辺長が85mmで周波数2450MHzのマイクロ波が伝送される場合は537Ωとなる。従って、導波管から加熱室の自由空間にマイクロ波が放射される時、マイクロ波のモードの違いで上記特性インピーダンスも異なるので、導波管出口から自由空間にマイクロ波が放射される時に両者境界面である導波管出口で不整合状態となり反射が生じる。そこで導波管内に凸部(リッジ)15を設けてTEMモードに変換して特性インピーダンスを自由空間の特性インピーダンスに近づけておけば導波管と自由空間の整合がとれて、導波管出口での反射が抑制され、電界強度も大きくとれる。このように導波管と類似した矩形型の導波路13や台形型の放射路14に凸部(リッジ)15を設けることで、TEモードの波がTEMモードの波の姿態に変換され、特性インピーダンスが低下し自由空間の特性インピーダンスに近づくからである。
なお、上記凸部(リッジ)15の幅、高さ寸法は回転アンテナ8の導波路13の長辺(第1長辺と第2長辺)の長さの約3/1以内、矩形部8fの垂直壁8eの高さのおよそ1/2以内に選んでいるのは、凸部(リッジ)15の幅寸法が長くなると電界集中が弱まりTEモードの波からTEMモードの波への変換効果が弱くなり、凸部(リッジ)15を設けたことによるモード変換と特性インピーダンスの変換効果が得られなくなるからである。また、凸部(リッジ)15高さ寸法が垂直壁8eの高さのおよそ1/2より長くなると、導波路13と放射路14内で反射が増大し回転アンテナ内をマイクロ波が伝搬されにくくなるのと、凸部(リッジ)15面と対向する高周波供給室3の底面間でのスパークが発生するからである。
1 加熱室
2 被加熱物載置板
3 高周波供給室
4 マグネトロン
5 導波管
6 結合穴
7 内導体
8 回転アンテナ
8a 第1長辺
8b 第2長辺
8c 第1短辺
8d 第2短辺
8e 垂直壁
8f 矩形部
8h 第3長辺
8i 第1辺
8j 第2辺
8k 垂直壁部
8l 台形部
9 誘電体軸
10 穴
11 駆動部
12 被加熱物
13 導波路

Claims (4)

  1. 被加熱物を収容する加熱室と、該加熱室の底面に設けた誘電体からなる被加熱物載置板と、この被加熱物載置板の下方で前記加熱室の底面略中央部に設けた高周波供給室と、マイクロ波エネルギーを発生するマグネトロンと、該マグネトロンを取り付ける導波管と、前記高周波供給室底面中央部に設けた結合孔と、該結合孔を貫通して前記高周波供給室内へ略垂直に臨んで設けた内導体と、該内導体の一端の前記高周波供給室内に略水平に連結した金属製で立体構造の回転アンテナと、前記内導体の前記導波管内で連結した誘電体軸と、該誘電体軸を回転駆動する駆動部とを備え、
    前記回転アンテナは、
    第1長辺、第2長辺、第1短辺、第2短辺で囲まれた矩形部と、
    前記第2長辺と略平行により長い第3長辺と、該第3長辺と前記第1短辺を結ぶ第1辺と、前記第3長辺と前記第2短辺を結ぶ第2辺と、前記第2長辺で台形部とを有し、
    前記第1長辺、前記第1短辺、前記第2短辺、前記第1辺、および、前記第2辺には下向きの垂直壁部を備え、
    前記内導体は、前記回転アンテナの矩形部の下面に接していることを特徴とする高周波加熱装置。
  2. 請求項1に記載の高周波加熱装置において、
    前記第1長辺および第2長辺は、1/2λ(λはマイクロ波の波長)より長く、かつ、λより短く、
    前記矩形部の垂直壁の高さは、1/2λより短いことを特徴とする高周波加熱装置。
  3. 請求項1に記載の高周波加熱装置において、
    前記矩形部は、前記内導体を介して伝わるマイクロ波エネルギーを前記第2長辺と前記第3長辺と前記第1辺および前記第2辺とからなる台形部に導く導波路であり、
    前記台形部は、前記矩形部を介して伝わるマイクロ波エネルギーを前記加熱室に放射する放射路であることを特徴とする高周波加熱装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の高周波加熱装置において、
    前記矩形部と台形部の下面に前記第2長辺と垂直な向きの凸部(リッジ)を設けたことを特徴とする高周波加熱装置。
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