JP2019185412A - 電力取引管理装置、方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 電力取引者がマイナーとして参加する許可型のBCNにおける、マイナーの参加意欲を高める。【解決手段】 一実施形態に係る電力取引管理装置は、電力取引者との電力取引を実行し、当該電力取引に関する情報を、前記電力取引者が所持するマイニング端末により構成される許可型のブロックチェーンネットワークに送信する電力取引部と、前記電力取引に関する情報を含むブロックチェーンを、前記ブロックチェーンネットワークから取得するブロックチェーン取得部と、前記ブロックチェーンに基づいて、前記電力取引者に付与する報酬を算出する報酬算出部と、前記報酬を前記電力取引者に付与する報酬付与部と、を備える。【選択図】 図3
Description
本発明は、電力取引管理装置、方法、及びプログラムに関する。
従来、分散型台帳技術を利用したデータの管理方法が研究されている。分散型台帳技術の1つとして、ブロックチェーン技術が知られている。ブロックチェーン技術では、ブロックチェーンネットワーク(以下「BCN」という。)を構成する各マイナー(ノード)が同一のブロックチェーンを記録することにより、データの改竄を防ぎつつ、安全にデータを保管することができる。ブロックチェーンは、複数のデータを含むブロックが、鎖状に連結されたデータである。マイナーが所定時間毎に新たなブロックを生成し、当該ブロックを既存のブロックチェーンに連結することにより、ブロックチェーンは更新される。近年、このブロックチェーン技術を利用して、電力取引に関する情報(以下「電力取引情報」という。)を管理することが提案されている。
BCNには、パブリック型のBCNと、許可型のBCNと、の2種類がある。パブリック型のBCNは、ビットコインのように、管理者が存在せず、誰でもマイナーとして参加可能なBCNである。これに対して、許可型のBCNは、管理者により許可されたマイナーのみが参加可能なBCNである。許可型のBCNには、単一の管理者が存在するプライベート型のBCNと、複数の共同管理者が存在するコンソーシアム型のBCNと、が含まれる。また、近年、電力を個人間で融通するシステム構築にBCNを利用する実証試験が多く実施されており、コモデティである電力を融通させるシステム構築には持続性のある技術を利用すべきという機運が高まっている。
https://bitcoin.org/bitcoin.pdf
許可型のBCNでは、一般に、管理者により許可された事業者がBCNの維持管理(パブリック型でいうマイニング)を行う。以下、BCNの維持管理を行う事業者をマイナー、BCNの維持管理をマイニングと表記する。許可型のBCNにおいては、マイニング報酬といった概念が存在せず、BCNを利用したユーザが支払う手数料の一部が、マイナーに報酬として支払われる場合が多い。したがって、許可型のBCNでは、BCNが多くのユーザに使用されない限り、マイナーへの報酬は減少し、マイナーがそのBCNを維持管理する意義が消滅する。また、許可型のBCNは、一般に、パブリック型のBCNに比べて、参加するマイナーがもともと少ないため、わずかなマイナーの減少でも、ブロックチェーンの安全性が低下するおそれがある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、電力取引者がマイナーとして参加する許可型のBCNにおける、マイナーの参加意欲を高めることを目的とする。
一実施形態に係る電力取引管理装置は、電力取引者との電力取引を実行し、当該電力取引に関する情報を、前記電力取引者が所持するマイニング端末により構成される許可型のブロックチェーンネットワークに送信する電力取引部と、前記電力取引に関する情報を含むブロックチェーンを、前記ブロックチェーンネットワークから取得するブロックチェーン取得部と、前記ブロックチェーンに基づいて、前記電力取引者に付与する報酬を算出する報酬算出部と、前記報酬を前記電力取引者に付与する報酬付与部と、を備える。
本発明の各実施形態によれば、電力取引者がマイナーとして参加する許可型のBCNにおける、マイナーの参加意欲を高めることができる。
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重畳した説明を省略する。
一実施形態に係る電力取引管理システム100について、図1〜図5を参照して説明する。まず、本実施形態に係る電力取引管理システム100の構成について説明する。図1は、電力取引管理システム100の構成の一例を示す図である。図1の電力取引管理システム100は、ネットワークを介して接続された電力取引管理装置1(以下「管理装置1」という。)と、BCN2と、を備える。
管理装置1は、電力取引を管理するコンピュータである。管理装置1が管理する電力取引は、管理装置1のユーザである電力取引者Uと、電力取引者Uと電力取引を行う複数の電力取引者Dと、の間の電力取引であってもよいし、電力取引者D同士の電力取引(いわゆるピアツーピア取引)であってもよい。以下では、電力取引が電力取引者Uと電力取引者Dとの間で行われる場合を例に説明する。図1では省略されているが、電力取引者U及び電力取引者Dは、それぞれ蓄電装置や発電装置などの電力設備を備え、互いの電力設備を介して電力取引を行う。電力取引者Uは、電力会社又はアグリゲータであるが、これに限られない。また、電力取引者Dは、需要者、プロシューマ、発電事業者、又はアグリゲータである。電力取引者Dは、個人、法人、又はその他の団体である。管理装置1は、サーバコンピュータ、PC(Personal Computer)、又はスマートフォンであるが、これに限られない。管理装置1は、ネットワークを介して接続された複数のコンピュータにより構成されてもよい。
また、管理装置1は、BCN2の管理者として機能し、BCN2へのマイナーの参加を許可する。BCN2がコンソーシアム型のBCNである場合には、管理装置1の機能は、複数の共同管理者のいずれか1つ又は複数により実現されてもよい。
BCN2は、ネットワークを介して接続された複数のマイニング端末3により構成される分散型ネットワークである。BCN2は、ネットワークを介して、管理装置1を含む外部装置から入力されたデータをブロックチェーンとして記録する、いわゆる分散型台帳である。具体的には、BCN2は、電力取引者Uと複数の電力取引者Dとの間で行われた電力取引に関する情報(以下「電力取引情報」という。)を管理する。なお、図1の例では、BCN2は、プライベート型のBCNであるが、コンソーシアム型のBCNであってもよい。
マイニング端末3は、BCN2にマイナーとして参加した電力取引者Dが所持するコンピュータである。マイニング端末3は、BCN2のノードに相当し、所定時間毎にブロックを生成し、ブロックチェーンを更新及び記録する。マイニング端末3は、例えば、サーバコンピュータ、PC、スマートフォンであるが、これに限られない。図1の例では、BCN2は、3者の電力取引者D1〜D3により所持された3つのマイニング端末3a〜3cにより構成されているが、BCN2にマイナーとして参加する電力取引者D及びBCN2を構成するマイニング端末3の数は、これに限られない。以下では、コンセンサスアルゴリズムが、PoW(Proof of Work)である場合を例に説明するが、コンセンサスアルゴリズムは、PoS(Proof of Stake)やPoI(Proof of Importance)などの他のアルゴリズムであってもよい。
マイニング端末3が生成するブロックは、直前のブロックのハッシュ値(ダイジェスト)と、タイムスタンプと、記録対象となる複数の電力取引情報(トランザクション)と、ナンスと、を含む。マイニング端末3は、所定時間毎に、所定の条件を満たすナンスを探索(マイニング)することにより、ブロックを生成する。あるマイニング端末3により生成されたブロックは、他のマイニング端末3により承認されると、既存のブロックチェーンに連結される。こうして更新されたブロックチェーンは、BCN2の各ノードにより共有される。
最初にブロックを生成したマイニング端末3には、マイニング報酬が付与される。マイニング報酬は、例えば、仮想通貨や管理者が発行したトークン(既存ブロックチェーン技術により生成された仮想通貨)であるが、これに限られない。マイニング報酬は、マイニング端末3がブロックを生成する際に当該ブロックに書き込んだものが承認されることにより付与されてもよいし、後述する報酬付与部17により付与されてもよい。
次に、管理装置1のハードウェア構成について説明する。図2は、管理装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。図2の管理装置1は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、入力装置105と、表示装置106と、通信インタフェース107と、バス108と、を備える。
CPU101は、プログラムを実行することにより、管理装置1の各構成を制御し、管理装置1の機能を実現する。CPU101が実行するプログラムは、CD(Compact Disk)、DVD、フラッシュメモリなどの、コンピュータ読み取り可能な任意の記録媒体に記録され得る。
ROM102は、CPU101が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。
RAM103は、CPU101に作業領域を提供する。
HDD104は、CPU101が実行するプログラムや、ブロックチェーンを含む各種のデータを記憶する。管理装置1は、HDD104の代わりに、又はHDD104と共に、SSD(Solid State Drive)を備えてもよい。
入力装置105は、ユーザの操作に応じた情報を管理装置1に入力する。入力装置105には、タッチパネル、キーボード、マウス、ハードウェアボタンなどが含まれる。
表示装置106は、ユーザの操作に応じた画面を表示する。表示装置106は、液晶ディスプレイ及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイを含む。管理装置1は、タッチパネルと表示装置106が一体化された操作パネルを備えてもよい。
通信インタフェース107は、管理装置1をインターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続し、ネットワーク上のマイニング端末3を含む外部装置との通信を制御する。管理装置1は、通信インタフェース107を介して、マイニング端末3と通信する。
バス108は、CPU101、ROM102、RAM103、HDD104、入力装置105、表示装置106、及び通信インタフェース107を相互に接続する。
なお、管理装置1のハードウェア構成は図2の例に限られない。また、マイニング端末3のハードウェア構成は、CPUの代わりにGPU(Graphical Processing Unit)を備える点を除き、管理装置1と同様であるため説明を省略する。
次に、管理装置1の機能構成について説明する。図3は、管理装置1の機能構成の一例を示す図である。図3の管理装置1は、電力取引部11と、マイナー情報取得部12と、マイナー情報記憶部13と、ブロックチェーン取得部14と、ブロックチェーン記憶部15と、報酬算出部16と、報酬付与部17と、を備える。これらの各機能構成は、CPU101がプログラムを実行することにより実現される。また、マイナー情報記憶部13は、ROM102、RAM103、及びHDD104などの記録媒体上に設けられる。
電力取引部11は、電力取引者Uと電力取引者Dとの間の電力取引を実行し、実行した電力取引に関する電力取引情報をBCN2に送信する。電力取引部11が送信した電力取引情報は、マイニング端末3によりブロックチェーンとして記録される。また、電力取引がピアツーピア取引である場合には、電力取引部11は、電力取引者D同士が実行した電力取引に関する電力取引情報を電力取引者Dから取得し、BCN2に送信すればよい。電力取引部11がBCN2に送信した電力取引情報は、マイニング端末3によりブロックチェーンとして記録される。
具体的には、電力取引部11は、電力取引者Uが電力取引者Dから購入した電力量(買電量)に応じた代金の支払いや、電力取引者Uが電力取引者に販売した電力量(売電量)に応じた代金の受け取りなどを行う。売買代金の支払い及び受け取りは、電子決済により行われてもよいし、マイニング端末3との間で、BCN2で発行された仮想通貨、トークン、又は電力使用権(無料で使用できる電力量)をやり取りすることにより行われてもよい。電力の売買に関する電力取引情報には、電力取引者Dの売買電力量(売電量及び買電量)が含まれる。以下、単に買電量といった場合、電力取引者Uが電力取引者Dから購入した電力量、すなわち、電力取引者Dが電力取引者Uに販売した電力量のことをいう。また、単に売電量といった場合、電力取引者Uが電力取引者Dに販売した電力量、すなわち、電力取引者Dが電力取引者Uから購入した電力量のことをいう。
また、電力取引部11は、電力取引者Dに対するデマンドレスポンス(以下「DR」という。)を実行する。DRは、電力取引者Dに対して電力の需給調整を要求し、電力取引者Dが当該要求に応じて需給調整を行うことにより、ピーク電力の低減などを実現する仕組みである。電力取引部11は、電力取引者Dに需給調整を要求し、当該要求に対する電力取引者の応答、すなわち、需給調整量を取得する。
より詳細には、電力取引部11は、電力取引者Dにネガワット(消費電力の減少)を要求し、当該要求に応じた消費電力の減少量(需給調整量)を電力取引者Dから取得する。消費電力の減少量は、電力取引者Dの電力設備の消費電力の減少量と、電力取引者Dのマイニング端末3の消費電力の減少量と、を含む。電力取引部11は、マイナー情報に基づいて、マイニング端末3の消費電力の減少量を算出してもよい。
また、電力取引部11は、電力取引者Dにポジワット(発電量の増加)を要求し、当該要求に応じた発電量の増加量(需給調整量)を電力取引者Dから取得する。
マイナー情報取得部12は、BCN2を構成する各マイニング端末3に関する情報(以下「マイナー情報」という。)を取得する。マイナー情報は、マイニング端末3の識別情報(以下「マイナーID」という。)と、マイニング端末3のアドレスと、マイニング端末3の計算機能力Calcと、マイニング端末3の稼働時間Timeと、を含む。アドレスは、マイニング端末3に報酬を付与するための番号である。アドレスは、IPアドレスやウォレット番号であるが、これに限られない。
マイナー情報取得部12は、所定時間毎にマイナー情報を取得してもよいし、所定のタイミングでマイナー情報を取得してもよい。所定のタイミングとして、ブロックチェーンが更新されたタイミング、新たなマイニング端末3の参加を許可したタイミング、新たな電力取引が実行されたタイミングなどが挙げられる。また、マイナー情報取得部12は、各マイニング端末3からマイナー情報を取得してもよいし、ブロックチェーンを参照してマイナー情報を取得してもよいし、マイナー情報を記録する外部サイトから取得してもよい。マイナー情報の取得方法及び取得タイミングは任意である。
例えば、マイナー情報取得部12は、新たなマイニング端末3がBCN2への参加したタイミングで、当該マイニング端末3から、マイナーID、アドレス、及び計算機能力Calcを取得する。また、マイナー情報取得部12は、所定時間毎にマイニング端末3に要求することにより、当該マイニング端末3の計算機能力Calc及び稼働時間Timeを取得してもよい。なお、稼働時間Timeを取得するのは、マイニング端末3が、複数のBCNのマイナーとして稼働することが有り得るためである。
マイナー情報記憶部13は、マイナー情報取得部12が取得した各マイニング端末3のマイナー情報を記憶する。ここで、図4は、マイナー情報記憶部13に記憶されたマイナー情報の一例を示す図である。図4の各レコードが、各マイニング端末3のマイナー情報に相当する。図4のマイナー情報には、マイナーID、アドレス、計算機能力Calc、及び稼働時間Timeが含まれる。例えば、マイナーIDがM001であるマイニング端末3のアドレスはAであり、計算機能力Calcは2000であり、稼働時間Timeは60である。計算機能力Calc及び稼働時間Timeの単位は任意に設定可能である。なお、マイナー情報は、図4の例に限られない。
ブロックチェーン取得部14は、BCN2が管理している最新のブロックチェーンを取得(受信)する。ブロックチェーン取得部14は、ネットワーク上で隣接しているマイニング端末3からブロックチェーンを取得すればよい。
ブロックチェーン記憶部15は、ブロックチェーン取得部14が取得したブロックチェーンを記憶する。
報酬算出部16は、ブロックチェーンに記憶された電力取引者Dの電力取引情報に基づいて、当該電力取引者Dに付与する報酬Iを算出する。報酬Iは、例えば、仮想通貨、トークン、又は電力使用権であるが、これに限られない。
報酬算出部16は、電力取引者Dの売買電力量に基づいて、当該電力取引者Dに付与する報酬Iを算出することができる。この場合、報酬算出部16は、売買電力量が多いほど大きくなるように報酬Iを算出するのが好ましい。これにより、電力取引者Uとの電力取引が多い電力取引者Dほど、大きな報酬Iを付与されることになるため、電力取引者Uと電力取引者Dとの間の電力取引の売買を促進できる。報酬Iは、例えば、以下の式で算出される。
I=k1×E1+k2×E2・・・(1)
式(1)におけるk1,k2は予め設定された係数(重み)であり、E1は買電量、E2は売電量である。式(1)において、係数k1は、係数k2より大きく設定されるのが好ましい(k1>k2)。これは、電力取引者Uにとって、需要者よりプロシューマや発電事業者の方が貴重なためである。係数k1を係数k2より大きく設定することにより、プロシューマや発電事業者が優遇される(大きな報酬Iを得やすくなる)ため、プロシューマや発電事業者からの買電(プロシューマや発電事業者による売電)を促進することができる。
また、報酬算出部16は、係数k1,k2を、電力取引者Dの全体に対するプロシューマ、需要者、及び発電事業者の比率に基づいて変化させてもよい。報酬算出部16は、需要者の比率が大きい(需要者やプロシューマの比率が小さい)ほど、係数k2に対して係数k1を大きくするのが好ましい。これにより、プロシューマや発電事業者が優遇される(大きな報酬Iを得やすくなる)ため、プロシューマや発電事業者からの買電(プロシューマや発電事業者による売電)を促進することができる。
また、報酬算出部16は、係数k1,k2を、電力取引者Dの売買電力量における買電量E1及び売電量E2の比率に基づいて変化させてもよい。報酬算出部16は、売買電力量における買電量E1の比率が大きい(売電量E2の比率が小さい)ほど、係数k2に対して係数k1を大きくするのが好ましい。これにより、売買電力量における買電量E1の比率が大きい電力取引者Dほど優遇される(大きな報酬Iを得やすくなる)ため、電力取引者Dからの買電(電力取引者Dによる売電)を促進することができる。
また、報酬算出部16は、電力取引者Dの需給調整量に基づいて、当該電力取引者Dに付与する報酬Iを算出してもよい。この場合、報酬算出部16は、需給調整量が多いほど大きくなるように報酬Iを算出するのが好ましい。これにより、DRに対する需給調整量が多い電力取引者Dほど、大きな報酬Iを付与されることになるため、管理装置1からのDRに対する電力取引者Dの需給調整を促進できる。報酬Iは、例えば、以下の式で算出される。
I=k3×DRn+k4×DRp・・・(2)
式(2)におけるk3,k4は予め設定された係数(重み)であり、DRnはネガワットの要求に対する消費電力の減少量であり、DRpはポジワットの要求に対する発電量の増加量である。
また、報酬算出部16は、電力取引者Dのマイニング端末3のマイナー情報に基づいて、報酬Iを算出してもよい。この場合、報酬算出部16は、計算機能力Calcが大きいほど大きくなるように報酬Iを算出するのが好ましい。また、報酬算出部16は、稼働時間Timeが長いほど大きくなるように報酬Iを算出するのが好ましい。これにより、BCN2に対する貢献度が高いマイニング端末3を所持する電力取引者Dほど、大きな報酬Iが付与されることになるため、BCN2に対する電力取引者Dの参加意欲を高めることができる。
また、報酬算出部16は、マイニング端末3の消費電力が小さいほど大きくなるように報酬Iを算出するのが好ましい。これにより、消費電力が小さいマイニング端末3を所持する電力取引者Dほど、大きな報酬Iが付与されることになるため、マイニング端末3の低消費電力化を促進することができる。報酬Iは、例えば、以下の式で算出される。
I=k5×Calc×Time/EH・・・(3)
式(3)におけるk5は予め設定された係数(重み)であり、EHはマイニング端末3の消費電力である。
なお、報酬Iの算出方法は、上記の算出方法(1)〜(3)に限られない。報酬Iは、電力取引情報に基づく任意の方法で算出できる。報酬算出部16は、所定時間毎に報酬Iを算出してもよいし、所定のタイミングで報酬Iを算出してもよい。所定のタイミングとして、ブロックチェーンが更新されたタイミング、新たなマイニング端末3のBCN2への参加を許可したタイミング、新たな電力取引が実行されたタイミングなどが挙げられる。
報酬付与部17は、報酬算出部16が算出した報酬Iを電力取引者Dに付与する。報酬付与部17は、電力取引者Dのマイニング端末3のウォレットに仮想通貨又はトークン(報酬I)を付与してもよいし、電力取引者Dに電力使用権(報酬I)を付与してもよい。また、報酬付与部17は、所定時間毎に電力取引者Dに報酬Iを付与してもよいし、所定のタイミングで電力取引者Dに報酬Iを付与してもよい。所定のタイミングとして、ブロックチェーンが更新されたタイミング、新たなマイニング端末3のBCN2への参加を許可したタイミング、新たな電力取引が実行されたタイミングなどが挙げられる。
次に、本実施形態に係る管理装置1の動作について説明する。図5は、管理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
マイナー情報取得部12は、マイナー情報の取得タイミングが到来すると、BCN2を構成している各マイニング端末3のマイナー情報を取得する(ステップS101)。マイナー情報取得部12は、一度に全てのマイニング端末3のマイナー情報を取得してもよいし、一部のマイニング端末3のマイナー情報を取得してもよい。マイナー情報取得部12は、マイナー情報を取得すると、取得したマイナー情報をマイナー情報記憶部13に保存する。マイナー情報記憶部13は、保存されたマイナー情報を記憶する。これにより、マイナー情報記憶部13に記憶されたマイナー情報が更新される。
一方、電力取引部11は、電力取引者U又は電力取引者Dから電力取引の実行を要求されると、電力取引者Uと電力取引者Dとの間の電力取引を実行する(ステップS102)。電力取引部11は、電力取引を実行すると、当該電力取引に関する電力取引情報をBCN2に送信する(ステップS103)。BCN2(マイニング端末3)は、電力取引部11から電力取引情報を受信すると、当該電力取引情報を含むブロックを生成し、当該ブロックを既存のブロックチェーンに連結し、ブロックチェーンを更新する。
ブロックチェーン取得部14は、BCN2(マイニング端末3)から更新されたブロックチェーンを取得する(ステップS104)。このブロックチェーンには、ステップS102で実行された電力取引に関する電力取引情報が記録されている。ブロックチェーン取得部14は、取得したブロックチェーンをブロックチェーン記憶部15に保存する。ブロックチェーン記憶部15は、保存されたブロックチェーンを記憶する。
報酬算出部16は、報酬Iの算出タイミングが到来すると、マイナー情報記憶部13からマイナー情報を読み出し、ブロックチェーン記憶部15から最新のブロックチェーンを読み出す。そして、報酬算出部16は、マイナー情報と、ブロックチェーンに含まれる電力取引情報と、に基づいて、BCN2にマイナーとして参加する各電力取引者Dに付与する報酬Iを算出する(ステップS105)。報酬Iの算出方法は上述の通りである。
その後、報酬付与部17は、報酬Iの付与タイミングが到来すると、報酬算出部16が算出した報酬Iを各電力取引者Dに付与する(ステップS106)。報酬Iの付与方法は上述の通りである。
管理装置1は、以上の動作により、各電力取引者Dに、電力取引に応じた報酬Iを付与する。図5の動作は、所定時間毎に行われてもよいし、所定のタイミングで行われてもよい。また、電力取引部11、マイナー情報取得部12、報酬算出部16、及び報酬付与部17による動作は、図5の例のように、同時に実行されてもよいし、それぞれ異なるタイミングに独立して実行されてもよい。
以上説明した通り、本実施形態によれば、管理装置1は、電力取引者Dに、その電力取引に応じた報酬Iを付与することができる。これにより、マイニング端末3の計算機能力Calcが低く、マイニング報酬を得るのが難しい電力取引者Dであっても、報酬Iを得ることができる。このように、計算機能力Calcが低いマイニング端末3を所持する電力取引者Dに対しても報酬Iを付与可能とすることにより、BCN2に対する電力取引者Dのマイナーとしての参加意欲を高め、BCN2からのマイナーの離脱を抑制することができる。結果として、許可型のBCN2の安全性を高めることができる。
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
1:電力取引管理装置
2:BCN
3,3a〜3c:マイニング端末
11:電力取引部
12:マイナー情報取得部
13:マイナー情報記憶部
14:ブロックチェーン取得部
15:ブロックチェーン記憶部
16:報酬算出部
17:報酬付与部
100:電力取引管理システム
2:BCN
3,3a〜3c:マイニング端末
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16:報酬算出部
17:報酬付与部
100:電力取引管理システム
Claims (12)
- 電力取引者との電力取引を実行し、当該電力取引に関する情報を、前記電力取引者が所持するマイニング端末により構成される許可型のブロックチェーンネットワークに送信する電力取引部と、
前記電力取引に関する情報を含むブロックチェーンを、前記ブロックチェーンネットワークから取得するブロックチェーン取得部と、
前記ブロックチェーンに基づいて、前記電力取引者に付与する報酬を算出する報酬算出部と、
前記報酬を前記電力取引者に付与する報酬付与部と、
を備える電力取引管理装置。 - 電力取引者同士が実行した電力取引に関する情報を、前記電力取引者が所持するマイニング端末により構成される許可型のブロックチェーンネットワークに送信する電力取引部と、
前記電力取引に関する情報を含むブロックチェーンを、前記ブロックチェーンネットワークから取得するブロックチェーン取得部と、
前記ブロックチェーンに基づいて、前記電力取引者に付与する報酬を算出する報酬算出部と、
前記報酬を前記電力取引者に付与する報酬付与部と、
を備える電力取引管理装置。 - 前記電力取引部は、前記電力取引者と前記電力取引を実行し、
前記報酬算出部は、前記電力取引者の売買電力量に基づいて、前記報酬を算出する
請求項1又は請求項2に記載の電力取引管理装置。 - 前記報酬算出部は、前記売買電力量が多いほど大きくなるように、前記報酬を算出する
請求項3に記載の電力取引管理装置。 - 前記報酬算出部は、売電量より買電量に大きな重みを付けて、前記報酬を算出する
請求項4に記載の電力取引管理装置。 - 前記報酬算出部は、前記電力取引者の全体に対する需要者の比率と、前記電力取引者の前記売買電力量における前記売電量の比率と、の少なくとも一方に基づいて、前記報酬を算出する
請求項4又は請求項5に記載の電力取引管理装置。 - 前記電力取引部は、前記電力取引者に需給調整を要求し、
前記報酬算出部は、前記要求に応じた前記電力取引者の需給調整量に基づいて、前記報酬を算出する
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の電力取引管理装置。 - 前記報酬算出部は、前記電力取引者の前記需給調整量が多いほど大きくなるように、前記報酬を算出する
請求項7に記載の電力取引管理装置。 - 前記報酬算出部は、前記マイニング端末のマイナー情報に基づいて、前記報酬を算出する
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の電力取引管理装置。 - 前記マイナー情報は、前記マイニング端末の計算機能力及び稼働時間の少なくとも一方を含む
請求項9に記載の電力取引管理装置。 - 電力取引者との電力取引を実行する電力取引ステップと、
前記電力取引に関する情報を含むブロックチェーンを、前記電力取引者が所持するマイニング端末3により構成される許可型のブロックチェーンネットワークから取得するブロックチェーン取得ステップと、
前記ブロックチェーンに基づいて、前記電力取引者に付与する報酬を算出する報酬算出ステップと、
前記報酬を前記電力取引者に付与する報酬付与ステップと、
を備える電力取引管理方法。 - 電力取引者との電力取引を実行する電力取引ステップと、
前記電力取引に関する情報を含むブロックチェーンを、前記電力取引者が所持するマイニング端末により構成される許可型のブロックチェーンネットワークから取得するブロックチェーン取得ステップと、
前記ブロックチェーンに基づいて、前記電力取引者に付与する報酬を算出する報酬算出ステップと、
前記報酬を前記電力取引者に付与する報酬付与ステップと、
を備える電力取引管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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---|---|---|---|
JP2018075859A JP2019185412A (ja) | 2018-04-11 | 2018-04-11 | 電力取引管理装置、方法、及びプログラム |
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JP2018075859A Pending JP2019185412A (ja) | 2018-04-11 | 2018-04-11 | 電力取引管理装置、方法、及びプログラム |
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JP6797450B1 (ja) * | 2020-06-04 | 2020-12-09 | みんな電力株式会社 | 電力取引支援システム、電力取引支援方法及びプログラム |
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-
2018
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