JP2019184535A - 開閉器の寿命診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な測定系を用いて開閉器の両端の電圧および電流を測定して算出された接触抵抗の推定値を監視することにより、開閉器の寿命診断する開閉器の寿命診断装置を提供する。【解決手段】実施形態に係る開閉器の寿命診断装置は、ACアーク炉の電極に電流を供給する供給ラインに設けられた開閉器の寿命を診断する。この寿命診断装置は、前記開閉器の両端の電圧差のデータおよび前記開閉器に流れる電流のデータの組を、それぞれ異なる時間に複数回にわたって取得し、これらのデータの組を取得するごとに前記電流のデータと所定の電流しきい値とを比較し、前記電流のデータが前記電流しきい値以上の場合に、同時に取得された前記差動電圧のデータおよび前記電流のデータにもとづいて、前記開閉器の抵抗値を算出して記憶し、前記抵抗値が所定の第1抵抗しきい値以上のときに、警報信号を生成する演算部を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、ACアーク炉に電流を供給する電力線に設けられた開閉器の寿命診断のためのデータを提供する寿命診断装置に関する。
断路器・遮断器などの開閉器において、周囲の環境、使用状態、経年劣化などが原因で導電部の接触面に異常が起こり、接触抵抗が増大する。接触抵抗が増大した状態で通電を続けた場合、接触面が過熱され、最悪、焼損に至る恐れがある。そのため、従来、断路器・遮断器などの開閉器の保守点検にて、導体接触面における接触抵抗の測定や温度監視などを実施している。
特開平8−83544号公報
従来、開閉器の導体接触面における接触抵抗の測定方法として、四端子測定法があるが、測定のために開閉器が接続されている主回路を停止しなければならない。一方、主回路を生かしたまま、開閉器の劣化状況を監視する技術として、示温テープを用いる方法や赤外線放射温度測定器を用いた温度測定によるものがある。しかし、前者は異常が発生した時点おいてはじめて判断が可能であり、後者は周囲の環境による温度変化を考慮した判定値の補正を常に実施しなければならないという煩雑さがある。
ACアーク炉のようなプラント設備においては、その操業は頻繁に停止したり、長時間の停止状態を避けることが望まれる。そのため、このような設備に用いられる開閉器の寿命を予測して、予定されているメンテナンスの時期や操業停止期間中に、補修や交換等の作業を行いたいとの要求が強い。
ACアーク炉のような高圧大電流を扱う電力線に用いられる開閉器は、接触抵抗が非常に小さいため、測定時の工夫が必要となる。
この発明の実施形態は上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡易な測定系を用いて開閉器の両端の電圧および電流を測定して算出された接触抵抗の推定値を監視することにより、開閉器の寿命診断する開閉器の寿命診断装置を提供する。
実施形態に係る開閉器の寿命診断装置は、ACアーク炉の電極に電流を供給する供給ラインに設けられた開閉器の寿命を診断する。この寿命診断装置は、前記開閉器の両端の電圧差のデータおよび前記開閉器に流れる電流のデータの組を、それぞれ異なる時間に複数回にわたって取得し、これらのデータの組を取得するごとに前記電流のデータと所定の電流しきい値とを比較し、前記電流のデータが前記電流しきい値以上の場合に、同時に取得された前記差動電圧のデータおよび前記電流のデータにもとづいて、前記開閉器の抵抗値を算出して記憶し、前記抵抗値が所定の第1抵抗しきい値以上のときに、警報信号を生成する演算部を備える。
本実施形態では、しきい値を超える電流が流れた場合に、開閉器の両端の電圧差および電流のデータを取得して、抵抗値を計算し、所定のしきい値以上であるか否かで劣化度合を判定するので、少ない誤差で簡便に接触抵抗の推定値を取得することができる。
第1の実施形態に係る開閉器の寿命診断装置を例示するブロック図である。 第1の実施形態の開閉器の寿命診断装置の動作を説明するためのフローチャートの例である。 第1の実施形態の開閉器の寿命診断装置の動作を説明するためのフローチャートの例である。 開閉器の寿命診断するための接触抵抗の経時変化を表す模式的なグラフである。 第2の実施形態に係る開閉器の寿命診断装置を例示するブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る開閉器の寿命診断装置を例示するブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の寿命診断装置10では、開閉器1は、電力線20に流れる電流を開閉するように、電力線20に直列に設けられる。この電力線20は、ACアーク炉の電極に電流を供給する。ACアーク炉では、三相交流の各相に電極が設けられている。開閉器1の導体接触部1aは、三相交流に応じて3つあり、各相に1つずつ設けられている。3つの導体接触部1aは、開閉器1の開閉に応じて同時に開閉する。寿命診断装置10は、各相の導体接触部1aに関するデータを収集して、開閉器の相単位に寿命診断のためのデータ等を提供する。以下では、特に断らない限り、三相交流中の1つの相における開閉器の寿命診断に関して説明する。
開閉器1は、端子1b,1cを含む。開閉器1は、内部で導体接触部1aの両端が端子1b,1cに電気的に接続されている。開閉器1は、端子1b,1cを介して、電力線20に接続されている。導体接触部1aは、図示しない開閉機構によって、端子1b,1c間を電気的または手動により開閉する。端子1b,1cは、内部の導体接触部1aと最短の距離となるように電気的に接続されている。
開閉器1の両端には、電圧測定器2a,2bの高圧側(一次側)配線がそれぞれ接続されている。電圧測定器2a,2bの一次側配線は、導体接触部1aの両端から最短になるように接続されている。好ましくは、電圧測定器2a,2bの一次側配線は、開閉器1の端子1b,1cに接続されている。このように最短に接続されることによって、開閉器1と電力線20との配線によるインダクタンスを小さくすることができ、開閉器1の両端電圧差の取得時に位相ずれが生じるのを抑制することができる。
電圧測定器2a,2bの低圧側(二次側)配線は、差動増幅器3の入力に接続されている。なお、電圧測定器2a,2bは、開閉器1の両端電圧および差動増幅器3の入力電圧範囲に応じて、降圧率を適切に設定される。必要な降圧率に応じて、電圧測定器を縦続に接続して用いてもよい。
ここで、電圧測定器2a,2bの高圧側(一次側)が各々第1相電圧を測定している場合は、たとえば電圧測定器2aの低圧側(二次側)配線は、第1相側が差動増幅器3の第1の端子に入力され、電圧測定器2bの低圧側(二次側)配線は第1相側が差動増幅器の第2の端子に入力される。さらに電圧測定器2aおよび電圧測定器2bの中性点側配線は、ともに差動増幅器3の共通電位(たとえば接地電位)に接続される。
差動増幅器3は、電圧測定器2a,2bによって取得された開閉器1の両端の電圧差をあらかじめ設定された増幅率Gで電圧増幅して出力する。差動増幅器3の出力は、電圧変換器4を介して、寿命診断装置10に接続されている。電圧変換器4は、たとえば、アナログ−ディジタル変換器であり、電圧測定器2a,2bによって取得されたアナログ値の電圧差のデータをディジタル値に変換して、寿命診断装置10に供給する。
電力線20には、電流測定器5が設けられている。電流測定器5は、電流変換器6を介して、寿命診断装置10に接続されている。電流測定器5は、電力線20を流れる電流、つまり、開閉器1を流れる電流を計測して電流のデータを寿命診断装置10に供給する。電流変換器6は、たとえばアナログ−ディジタル変換器であり、電流測定器5によって取得されたアナログ値の電流データをディジタル値に変換して、寿命診断装置10に供給する。
寿命診断装置10は、電圧変換器4および電流変換器6を介して供給された開閉器1の両端の電圧差および電流のデータにもとづいて、開閉器1の接触抵抗を計算する。後に詳述するように、計算された接触抵抗のデータは、開閉器1の接触抵抗の推定値として、所定のしきい値と比較される。寿命診断装置10は、接触抵抗の推定値が、所定のしきい値以上の場合には、開閉器1の寿命が近い旨の警報を出力するための警報信号を生成する。
接触抵抗の計算は、所定の期間に取得されたデータにもとづいて計算される。そのため、接触抵抗の推定値が、所定のしきい値よりも小さい場合であっても、時間の経過とともに接触抵抗の推定値の変化の度合が所定のしきい値以上となる場合には、警報信号を生成する。
寿命診断装置10は、ACアーク炉の電極に電流を供給する電力線に流れる電流を開閉する開閉器1の接触抵抗の推定値を求める。開閉器1に流れる電流は非常に大きいため、開閉器1の接触抵抗も非常に小さくなるように設計されている。そこで、本実施形態の寿命診断装置10では、アーク放電を生じているときのような大電流が開閉器1に流れている場合の接触抵抗を推定する。そのため、小電流時の推定値を求める場合よりも、精度よく接触抵抗を推定することができる。
寿命診断装置10は、演算部12を備える。寿命診断装置10は、上述のデータを入力して演算部12によって接触抵抗の推定値を演算する。寿命診断装置10は、記憶部14を備えてもよい。記憶部14には、供給されるデータおよび計算した結果を記憶する。データの測定は、たとえば定周期で実行され、取得されたデータは、取得時刻に紐づけられて記憶部14に記憶される。
たとえば、取得されたデータおよび接触抵抗の推定値は、取得時刻に応じてグループ化される。グループは、たとえば、同日内の取得時刻に関するデータである。同日内に取得された接触抵抗の推定値は、その日の平均値を求めて、接触抵抗の過去データとして、最新に取得された推定値のデータと比較される。単純平均をとることに代えて、グループのデータを統計処理し、分散を求め、所定の分散を超えるデータを除去した後に、残ったデータの平均値をとるようにしてもよい。このように適切に任意のデータ操作を行うことによって、データの取得誤差を縮小することができる。
寿命診断装置10は、たとえばCPU(Central Processing Unit)等の記憶部や記憶装置に格納されたプログラムのステップを順次読み込んで、各ステップの指令、命令等に応じて処理を実行するデバイスを含んでもよい。演算部12は、CPUであり、以下説明するフローチャートの各ステップの一部または全部を実行し、処理する。
寿命診断装置10は、たとえばプログラマブルコントローラ(PLC)のCPUを含んでもよい。この場合、差動増幅器3や電圧変換器4、電流変換器6は、PLCのIOモジュールとして実現されてもよい。PLCは、さらに通信ネットワークを介して、コンピュータ端末に接続され、コンピュータ端末において、PLCによって収集されたデータにもとづいて、処理を実行するようにしてもよい。
本実施形態の寿命診断装置10の動作についてフローチャートを用いて説明する。
図2および図3は、本実施形態の寿命診断装置の動作を説明するためのフローチャートの例である。
図2に示すように、ステップS1において、演算部12は、データを入力し、入力したデータを取得時刻とともに記憶部14に格納する。この場合のデータは、電圧変換器4から出力された、開閉器1の両端の電圧差のディジタルデータΔV、および、電流変換器6から出力された、開閉器1に流れる電流のディジタルデータIである。また、このとき同時に電流データIのしきい値It、接触抵抗の推定値Zaのしきい値S、および接触抵抗の変化αのしきい値αtを入力し、設定してもよい。これらのデータは、あらかじめ記憶部14に格納されている。
ステップS2において、演算部12は、電流のデータIがあらかじめ設定したしきい値It以上であるか否かを判定する。しきい値Itは、開閉器1の両端の電圧差を十分な精度で検出できるだけの十分大きな値に設定される。しきい値Itは、たとえばアーク放電を生じたときに流れる電流値にもとづいて設定される。電流のデータIがしきい値It以上の場合には、演算部12は、次のステップS3に処理を遷移させる。電流のデータIがしきい値Itよりも小さい場合には、演算部12は、ステップS1にもどって、次のデータの入力まで待機する。
ステップS3において、演算部12は、接触抵抗の推定値Zaを計算する。接触抵抗の推定値Zaは、差電圧のデータおよび電流のデータにもとづいて計算される。電圧測定器2aの一次側電圧をVx、電圧測定器2bの一次側電圧をVyとすると、接触抵抗の推定値Zaは、次の式(1)のように表すことができる。
Za=(Vx−Vy)/I (1)
この例では、式(1)は、図1の構成によって求められる。すなわち、実際に取得される電圧差は、電圧測定器2a,2bの二次側に現れた電圧Vx1,Vy1である。電圧測定器2a,2bの降圧比kは同一である。したがって、Vx=k・Vx1,Vy=k・Vy1である。
実際に電圧変換器4に入力される電圧差の値は、ΔV=G・(Vx1−Vy1)である。寿命診断装置10では、このように求められた電圧差の値にもとづいて、次の式(2)に示されるように、開閉器1の接触抵抗の推定値Zaを求める。
Za=(k/I)・(ΔV/G) (2)
ステップS4において、演算部12は、接触抵抗の推定値Zaがあらかじめ設定された接触抵抗のしきい値S以上であるか否かを判定する。接触抵抗の推定値Zaがしきい値S以上の場合には、演算部12は、処理を次のステップに遷移させる。接触抵抗の推定値Zaがしきい値Sよりも小さい場合には、次のステップS5をスキップして、ステップS6に処理を遷移させる。
ステップS5において、演算部12は、警報信号を生成する。警報信号は図示しない表示器やスピーカ等に供給されて、開閉器1の寿命が近いことを表示等する。演算部12は、警報信号を生成した後、ステップS6で接触抵抗の推定値Zaを記憶部14に格納する。
ステップS6において、演算部12は、計算された接触抵抗の推定値Zaを記憶部14に格納する。
ステップS7において、演算部12は、設定期間が経過したか否かを判定する。設定期間は、推定値の誤差縮小のためのデータのグループを表す。たとえば設定期間は、1日に設定される。演算部12は、取得されたデータに紐づいている時刻データによって取得日ごとにデータをグループ分けする。演算部12は、日付が変わった場合には、設定期間を経過したものとして、次のステップS8に処理を遷移させる。同じ日付の場合には、演算部12は、処理をステップS1にて、上述の処理を日付が変わるまで繰り返す。
ステップS8において、演算部12は、設定期間内の推定値Zaの平均値を計算する。
ステップS9において、演算部12は、記憶部14に格納されている、接触抵抗の推定値Zaの過去のデータからの変化(差)αを計算する。
ステップS10において、演算部12は、たとえば、当日の平均値と前日の平均値との差αを計算して、計算結果をあらかじめ設定されたしきい値αtと比較する。
接触抵抗の推定値の1日当たりの接触抵抗の推定値Zaの差αがしきい値αt以上の場合には、演算部12は、処理を、次のステップS11に遷移させる。ステップS11において、演算部12は、警報信号を生成する。その後、演算部12は、処理をステップS1にもどして、上述の動作を繰り返す。
ステップS10で差αがしきい値αtよりも小さい場合には、演算部12は、処理をサブプログラムに遷移させる。
サブプログラムは、ACアーク炉の相ごとの開閉器の接触抵抗を推定して、特定の相に限らず、いずれかの相の開閉器の接触抵抗の劣化傾向が認められた場合に、警報信号を生成する。この場合には、演算部12は、すべての相に対応する開閉器1に関する上述したデータを取得し、第1相の接触抵抗の推定値Zar、第2相の接触抵抗の推定値Zar、および第3相の接触抵抗の推定値Zatを計算する。
図3に示すように、ステップSB1において、演算部12は、3相分の接触抵抗の推定値Zar,Zas,Zatを入力する。
ステップSB2において、演算部12は、3相分の接触抵抗の推定値Zar,Zas,Zatの平均値Aave2を計算する。
ステップSB3において、演算部12は、各相の接触抵抗の推定値Zar,Zas,Zatと平均値Zave2との差分であるΔZar,ΔZas,ΔZatを計算する。
ステップSB4において、演算部12は、各相の接触抵抗の推定値とその平均値との差分、すなわち、各相の接触抵抗の平均値との差分ΔZar,ΔZas,ΔZatが、あらかじめ設定されたしきい値ΔAt以上であるか否かを判定する。各相の接触抵抗の平均値との差分ΔZar,ΔZas,ΔZatのうちの少なくとも1つがしきい値ΔAt以上の場合には、演算部12は、処理を次のステップSB5に遷移させて、SB5において、警報信号を生成する。
ステップSB4で各相の接触抵抗の平均値との差分ΔZar,ΔZas,ΔZatのいずれもが、しきい値ΔAtよりも小さい場合には、演算部12は、処理をステップS1にもどす。
上述の判定基準は、ACアーク炉の操業条件等に応じて適切かつ任意に設定することができる。たとえば、三相のうち少なくとも1つの相に限らず、複数の相でしきい値を超えたか否かを判定するようにする等してもよい。
実施形態の寿命診断装置10の効果について説明する。
本実施形態では、開閉器1の両端の電圧を差動増幅器3によって検出、増幅するので、小さな電圧差をより正確に取得することができる。
また、動作説明の項で説明したように、本実施形態では、所定のしきい値電流よりも大きい電流が流れた場合に、その電流値および差電圧を取得する。ACアーク炉では、間欠的に大電流が電力線20に流れ、開閉器1の両端に生ずる電圧降下が大きくなる傾向にある。そのため、通常時には、非常に小さい値を有する、開閉器1の接触抵抗をより少ない誤差で推定することが可能になる。
また、実施形態では、微小電圧の取得に伴う誤差を吸収するため、異なる時刻で取得された接触抵抗の推定値を、複数個単位で平均値を計算して記憶し、より長時間単位の経時変化を取得する。この例では、1日のうち複数回取得された推定値をそれぞれ記憶するとともに、1日単位の平均値を計算して計算結果を記憶する。現在取得された推定値と、記憶された過去のデータである平均値との差分を計算し、しきい値と比較することによって、接触抵抗の増分の変化の度合にもとづいて警報信号を生成することができる。
上述のような工夫をすることによって、PLCのIOモジュールを追加することによって、測定系を簡便に構成でき、ACアーク炉の操業を停止することなく、開閉器1の寿命を把握することができる。
図4は、開閉器の寿命診断するための接触抵抗の経時変化を表す模式的なグラフである。
図4の実線に示すように、接触抵抗は、時間の経過とともに次第に増大し、設定されたしきい値Sに達することによって、寿命を推定し、交換等を要する劣化時期を診断することができる。接触抵抗がS0に達した場合に、寿命によって交換等が必要となる例が示されている。実線の劣化特性を有する開閉器の場合には、接触抵抗がS0に達する時期T0の前の適切な時期Tに応じた接触抵抗をしきい値Sとすることによって、開閉器の寿命を推定しつつ、不具合が生じる前に開閉器の交換や整備等を行うことができる。
図4の破線に示すように、開閉器の接触抵抗の劣化の傾向は、ある時期に急激に増大し、故障に至る傾向を示す場合もある。このような場合においては、設定されたしきい値Sに達した後に、T0よりも早い段階の時期T1で寿命に達する。本実施形態では、過去の推定データと、現在の推定データとを比較して、その増分が所定のしきい値以上の場合には、寿命診断装置10は、警報信号を生成することができるので、より確実に寿命予測することができる。なお、寿命予測を行う場合の、時間の値は単純な時間でなく、開閉器が閉状態である間のみの積算時間あるいは、所定値以上の通電電流がある場合のみの積算時間を寿命推定に使用する有効時間としてもよい。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る開閉器の寿命診断装置を例示するブロック図である。
本実施形態は、第1の実施形態の変形であり、電圧測定器2a,2bの低圧側(二次側)配線から差動増幅器3までの回路が異なっており、その他は第1の実施形態と同様である。
図5に示すように、電圧測定器2aの低圧側(二次側)配線と電圧測定器2aの低圧側(二次側)配線は逆極性で直列接続されている。すなわち、ここで、電圧測定器2a、2bの高圧側(一次側)配線が各々第1相の相電圧を測定している場合は、電圧測定器2aの低圧側(二次側)配線の中性点側が、電圧測定器2bの低圧側(二次側)配線の中性点側の配線と接続されている。さらに電圧測定器2aの低圧側(二次側)配線は第1相側が抵抗器7の第1端子に接続されている。抵抗器7の第2端子は差動増幅器3Aの第1の入力端子に接続されている。
電圧測定器2bの低圧側(二次側)の第1相側は差動増幅器3Aの第2の入力端子とともに差動増幅器3Aの共通電位(たとえば接地電位)に接続される。さらに差動増幅器3Aの第1入力端子と第2入力端子の間には過電圧保護素子8が接続されている。差動増幅器3Aはたとえばオペレーショナルアンプで構成してもよい。過電圧保護素子8は、たとえばバリスタや双方向性のツェナーダイオードで構成してもよい。ここで差動増幅器3Aの入力インピーダンスは抵抗器7のインピーダンスより十分大きいものとする。
このような構成においては電圧測定器2aの低圧側配線と電圧測定器2bの低圧側配線が逆極性に接続されているので、電圧測定器2aの低圧側配線の第1相側と共通電位との間には開閉器1の両端の電圧差に相当する(電圧測定器2a、2bの降圧比に対応する)電圧が直接出力される。よって差動増幅器3Aの第1入力端子にも開閉器1の両端の電圧差に相当する電圧が印加されることになる。差動増幅器3Aの第2端子は共通電位に接続されているため、第2の実施形態と同様に、差動増幅器3Aは、開閉器1の両端の電圧差をあらかじめ設定された増幅率Gで電圧増幅して出力することができる。第1の実施形態においては差動増幅器の各入力端子に電圧測定器2a、2bは電圧測定器2a,2bの出力振幅がそのまま印加されるのに対し、第2の実施形態では電圧測定器2a,2bの電圧差が入力されることになり、入力のダイナミックレンジの小さな増幅器で構成することが可能になる。
なお、抵抗器7と過電圧保護素子8は、保護回路を構成している。開閉器1が開路状態の場合に、保護回路がないときには、差動増幅器3Aの第1入力端子および第2入力端子間に電圧測定器2aの低圧側の電圧がそのまま印加されることになるので、保護回路により入力電圧を制限することができる。
また、上述した第1の実施形態において接触抵抗を求める式(1)および式(2)の説明では、開閉器1の端子1bと1c間のインダクタンスを無視しうるものとして計算しているが、電流測定器5で測定された電流データIと開閉器1の端子間の電圧差Vx−Vyの位相差を求め、これらの値を使用して、インダクタンス成分と接触抵抗成分を別々に演算し、接触抵抗成分について判別するようにしてもよい。
また、開閉器1の接点の劣化は通電時間以外にも開閉回数が重要な要素であるので、ステップS7やステップS8は開閉器1の時間要素以外にも開閉回数を条件にいれてもよい。
以上説明した実施形態によれば、より簡易的な測定系を用いて開閉器の接触部における電圧および電流を測定して接触抵抗を算出し、その算出データの傾向を監視することにより、開閉器の寿命診断できる開閉器の寿命診断装置を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 開閉器、2a,2b 電圧測定器、3,3A 差動増幅器、4 電圧測定器、5 電流測定器、6 電流変換器、7 抵抗器、8 過電圧保護素子、10 寿命診断装置、12 演算部、14 記憶部

Claims (5)

  1. ACアーク炉の電極に電流を供給する供給ラインに設けられた開閉器の寿命を診断する寿命診断装置であって、
    前記開閉器の両端の電圧差のデータおよび前記開閉器に流れる電流のデータの組を、それぞれ異なる時間に複数回にわたって取得し、
    これらのデータの組を取得するごとに前記電流のデータと所定の電流しきい値とを比較し、
    前記電流のデータが前記電流しきい値以上の場合に、同時に取得された前記差動電圧のデータおよび前記電流のデータにもとづいて、前記開閉器の抵抗値を算出して記憶し、
    前記抵抗値が所定の第1抵抗しきい値以上のときに、警報信号を生成する演算部
    を備えた開閉器の寿命診断装置。
  2. 前記演算部は、前記抵抗値が所定の抵抗しきい値以上のとき、または、記憶された前記抵抗値の時系列のデータによって算出される抵抗変化の大きさが所定の抵抗変化しきい値以上のときに、警報信号を生成する請求項1記載の開閉器の寿命診断装置。
  3. 前記演算部は、前記ACアーク炉の各相に応じた前記開閉器の抵抗値を算出して記憶し、
    前記各相の前記開閉器の抵抗値のうちのいずれかが、所定の前記第2抵抗しきい値以上のときに警報信号を生成する請求項1または2に記載の開閉器の寿命診断装置。
  4. 前記演算部は、前記開閉器の接続端子の直近で計測された前記電圧差のデータを用いる請求項1〜3のいずれか1つに記載の開閉器の寿命診断装置。
  5. 前記開閉器の両端の電圧差のデータは、差動増幅器によって所定のゲインを乗じられる請求項1〜4のいずれか1つに記載の開閉器の寿命診断装置。
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