JP2019184534A - 移動体に収容した被搬送物の体積測定システム - Google Patents
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Description
特許文献1には、シールド掘進機によって掘削された土砂の体積を測定するための測定装置であり、土砂の重量測定を行う重量測定部と、掘削土砂の比重を測定する比重測定部と、測定された重量および比重に基づき、掘削体積を演算する排土量管理部と、を含んだ測定装置が開示されている。
特許文献2には、土運船の土倉に積載した土砂に対して、レーザービ−ムで三次元のスキャニングを行ない、レーザービ−ムのスキャニング角と土砂の表面までの距離とを測定するレーザー測定器と、前記レーザー測定器による測定値に対して土運船の動揺に起因する測定誤差の補正手段と、土砂の土量の演算手段とを設けた土運船の土量測定装置が開示されている。
(1)特許文献1に記載の測定装置では、土砂を積載する積載部全てに重量センサを設けなければならず、各センサの保守管理が大変である。
(2)特許文献1のように、積載部に重量センサを設けた場合、ベルトコンベアから落下する土の衝撃や、土を均一に積み込むための揺動作業などによって、積載部が絶えず振動するため、重量センサによる計測値が安定しない。よって、安定した計測値を得るためには、作業を中断し、積載部が静止した状態で重量測定を行わなければならない。
(3)特許文献2に記載の土量測定装置では、レーザー測定器による三次元スキャニングの処理時間を要するため、移動体の測定には不向きである。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、前記解析装置が、予め前記形状データに登録、または前記形状データから求めた前記移動体の容積に対し、前記被搬送物の輪郭線が前記移動体の満杯時の境界線よりも上方にある領域の体積値を加算する処理、および、前記被搬送物の輪郭線が前記境界線よりも下方にある領域の体積値を減算する処理でもって、前記被搬送物の体積を算出することを特徴とする。
また、本願の第3発明は、前記第1発明または第2発明において、前記輪郭線を、前記ラインレーザの照射方向と異なる角度で、かつ、それぞれ異なる場所から撮影するように、複数の前記デジタルカメラを設け、前記解析装置は、前記複数のデジタルカメラからそれぞれ取得する撮影データから主たる画像データを選択し、前記主たる画像データで不足する輪郭線を、その余の画像データから補完することを特徴とする。
また、本願の第4発明は、前記第1発明乃至第3発明のうち何れか1つの発明において、前記被搬送物が掘削土砂であることを特徴とする。
(1)簡単な構成でありながら、搬送中の掘削土砂の体積を高い精度で測定することができる。
デジタルカメラの撮影データから、被搬送物の収容空間(体積算出区間)を特定できるため、レーザー測定器による三次元スキャンによる測定よりも高速に体積を測定することができる。
(2)速度センサを必要としない。
被搬送物の体積測定のために、移動体の移動速度を検出するためのセンサを設ける必要が無い。よってセンサの設置や保守に要するコストを節約できる。
(3)体積値の計算を高速に実行できる。
予め登録しておく移動体の形状データから算出可能な移動体の体積値に加減処理を行うよう構成することで、より高速に体積を測定することができる。
(4)輪郭線の補完が可能となる。
複数のデジタルカメラでそれぞれ輪郭線を撮影することで、輪郭線を補完した見かけの断面図を生成することができる。
本発明に係る体積測定システムは、ラインレーザ10と、デジタルカメラ20と、解析装置30と、を少なくとも備える。
そして、本発明に係る体積測定システムは、移動体Bの移動路の途上に設置し、通過する移動体Bに収容した被搬送物Aの体積をほぼリアルタイムに測定する機能を有する。
以下、各要素の詳細について説明する。
被搬送物Aは、本発明において体積の測定対象となる要素である。
本実施例では、被搬送物Aとして、シールド工法、山岳工法、推進工法、土工事などの建設工事において発生する掘削土砂を想定している。
移動体Bは、本発明において被搬送物Aを収容して運搬するための要素である。
本発明の移動体Bには、ズリ鋼車、ダンプトラック、トロッコなど、被搬送物Aの収容や搬送に用いる公知の装置を想定し、移動体Bの形状、大きさ、構造などは特段限定しない。
本実施例では、移動体Bとして上部から被搬送物Aを投入可能な収容空間B1を設けているトロッコを用いている。
ラインレーザ10は、該ラインレーザ10との間で相対移動する移動体Bに対し、レーザー光11を照射することで、移動体Bおよび該移動体Bに積載した被搬送物Aの表面に輪郭線A1を描くための装置である。
本実施例では、ラインレーザ10を、移動体Bの移動路の上方に設けており、ラインレーザ10から照射するレーザー光11が下方の移動体Bに向くように配置している。
レーザー光11は、常に照射する態様としても良いし、後述するデジタルカメラ20の撮影時にのみ照射する態様としてもよい。
レーザー光11の照射方向θ1は、移動体Bの移動方向を0°(180°)としたとき、0°<θ1<180°の範囲で適宜決定することができる。
なお、本実施例では、レーザー光11の照射方向θ1を90°に設定している。これは、移動体Bと、各移動体B間の隙間との間で輪郭線A1の落差を顕著に現すことで、後述する照合作業の精度を高められるからである。
デジタルカメラ20は、前記ラインレーザ10によって被搬送物Aの表面に描かれた輪郭線A1を撮影するための装置である。
本発明におけるデジタルカメラ20は、静止画を取得可能な装置であればよく、ビデオカメラを除外するものではない。
また、本発明ではデジタルカメラ20の画素数が多ければ大きいほど、画像解析の精度が向上する点で好ましいが、解析時間も長くなるため、適切な範囲で決めれば良い。
デジタルカメラ20は、移動する移動体Bに対し同じ位置で撮影を繰り返して、移動体Bおよび被搬送物Aに描かれる輪郭線A1を撮影した撮影データ21を連続生成する。
デジタルカメラ20の撮影方向(θ2)は、先のレーザー光の照射方向θ1と同様、移動体Bの移動方向を0°(180°)としたとき、0°<θ2<180°の範囲であって、且つ前記θ1とは異なる角度とする。
両者の角度を異なるようにすることで、後述する解析装置30でもって、デジタルカメラ20の撮影データ21から前記レーザー光11の照射位置で90°方向に切断した状態の見かけの断面図22を計算によって求めることができる。
解析装置30は、被搬送物Aの体積を計測するための装置である。
解析装置30は、前記デジタルカメラ20で撮影した撮影データ21と、予め登録してある移動体Bの形状データに基づいて、被搬送物Aの体積を算出する。
本発明において、解析装置30はPCなどの情報処理装置を用いることができる。
本実施例では、解析装置30を、少なくとも、登録手段31、光切断手段32、および演算手段33の3つの手段を有するよう構成している。各手段はソフトウェアおよびハードウェアを適宜組み合わせることで実現することができる。
以下、各手段の詳細について説明する。
登録手段31は、少なくとも、移動体Bの形状データを予め登録しておくための手段である。
移動体Bの形状データには、移動体Bの外形および収容空間B1のそれぞれについて長さ、幅、高さや、移動体Bに対する収容空間B1の位置、容積などが含まれる。
その他、登録手段31には、必要に応じて被搬送物Aの比重などのデータを登録しておいてもよい。
光切断手段32は、少なくとも、デジタルカメラ20から取得した撮影データ21から、見かけの断面図22を生成するための手段である。
光切断手段32は、デジタルカメラ20による輪郭線A1の撮影データ21に対し、ラインレーザ10の照射方向θ1と、デジタルカメラ20の撮影方向θ2とを用いて計算を行うことにより記レーザー光11の照射位置で90°方向に切断した状態の見かけの断面図22を生成することができる。
演算手段33は、光切断手段32から取得した見かけの断面図22、および前記登録手段31から取得した移動体Bの形状データを用いて被搬送物Aの体積を算出するための手段である。
演算手段33による、被搬送物Aの体積の算出方法には種々の方法を採用することができ、そのうちの一部については、後述する測定例の欄で説明する。
以下、図2〜4を参照しながら、測定方法の一例について説明する。
まず、登録手段31では、計測対象の移動体Bの形状データを事前登録しておく。
例えば、図2に示すように、移動体Bの外形および収容空間B1が何れも長方体状であるとした場合、登録手段31は、移動体Bの形状データとして、移動体Bの外形および収容空間B1の長さ(L1,L2)、奥行き(D1,D2)、高さ(H1,H2)や、移動体Bのあおりの厚さ(T1,T2)、収容空間B1の容積(V=L2×D2×H2)などを登録しておけばよい。
次に、光切断手段32は、デジタルカメラ20から送られる撮影データ21から、被搬送物Aを切断した見かけの断面図22を生成する。
図3(a)に示す撮影データ21は、ラインレーザ10からのレーザー光によって描かれた被搬送物Aの輪郭線A1をデジタルカメラ20で撮影した画像である。
この撮影データ21を、鉛直方向に対するラインレーザ10の角度やデジタルカメラ20の角度に基づいて適宜画像処理を施して、図3(b)に示す見かけの断面図22を生成する。
次に、演算手段33は、各見かけの断面図22を移動体Bの形状データと照合していき、被搬送物Aの体積算出に用いる区間(体積算出区間)を特定する。
本実施例では、まず移動体Bの前端位置と後端位置を検出することで、体積算出区間を特定している。
移動体Bを検出する方法としては、見かけの断面図22中の輪郭線A1の表示の有無や、輪郭線A1の高さが極端に変化した段階を検出する方法が考えられる。
以下、図4A〜図4Dを参照しながら、移動体の検出方法の一例について説明する。
図4A(a)では、ラインレーザ10のレーザー光11が移動体B同士を繋いでいる連結部分に照射されており、デジタルカメラ20では移動体Bが影となって、輪郭線A1を撮影できない。そのため、図4A(b)に示す見かけの断面図22では、レーザー光11による輪郭線A1が表示されない状態となっている。
このように、見かけの断面図22に輪郭線A1が表示されない状態は、移動体Bが通過中ではないものとして移動体Bの前端位置B2の開始の検出処理を継続する。
図4B(a)では、レーザー光11が移動体Bの前端位置B2に照射されている。このとき、図4B(b)に示す見かけの断面図22は、輪郭線A1が、移動体Bの前端位置B2の高さで一直線状に表示されている。
この見かけの断面図22に描かれる輪郭線A1の位置が、前記登録手段31に予め登録してある移動体Bの形状データの高さと一致した場合には、レーザー光11が移動体Bの前端位置B2に照射したと判断することができる。
図4C(a)では、レーザー光11が移動体Bに積載している被搬送物Bに照射されている。このとき、図4C(b)に示す見かけの断面図22は、被搬送物Bの表面に描かれた輪郭線A1が表示されている。(なお、図4C(b)では、被搬送物Bの幅方向の高さは一定としている。)
この被搬送物Bにレーザー光11を照射している状態の撮影枚数が多ければ多いほど、後述する被搬送物Aの体積測定の精度は高くなる。
また、この区間内において移動体Bの移動速度が等速であれば、被搬送物Aの体積測定の精度はより高くなる。
図4D(a)では、レーザー光11が移動体Bの後端位置B3に照射されている。このとき、図4D(b)に示す見かけの断面図22は、輪郭線A1が、移動体Bの後端位置B3の高さで一直線状に表示されている。
この見かけの断面図22に描かれる輪郭線A1の位置が、前記登録手段31に予め登録してある移動体Bの形状データの高さと一致した場合には、レーザー光11が移動体Bの後端位置B3に照射したと推定することができる。
移動体Bの移動が進み、再度図4Aに示す、レーザー光11による輪郭線A1が表示されない状態となった際には、移動体Bが通過したことを検出して、前記[4]による後端位置B3の推定を確定すればよい。
このように、演算手段33は、上記[1]〜[5]の検出作業を繰り返して各移動体Bの前端位置B2および後端位置B3を検出することで、該移動体Bの収容空間B1における体積算出区間の始端および終端の位置を割り出すことができる。
なお、図4Bや図4Dではデジタルカメラ20による撮影タイミングが、レーザー光11が前端位置B2や後端位置B3を照射している時と重なっているが、本発明は、上記タイミングに限定されるものではなく、見かけの断面図22において輪郭線A1の表示の有無が切り替わった状態を単純に体積算出区間の始端または終端として特定してもよい。
また、演算手段33は、前端位置B2や後端位置B3をリアルタイムに検出しても良いし、デジタルカメラ20による撮影データが一定枚数蓄積した段階で、体積算出区間を特定してもよい。
最後に、演算手段33は、被搬送物Aの体積算出区間の範囲内にある見かけの断面図22を用いて、被搬送物Aの体積を算出する。
図5(a)は、見かけの断面図22から生成した三次元データ23のイメージ図である。
この三次元データ23は、輪郭線A1によって移動体Bのあおり部分と、被搬送物Aの外表面が描かれた状態である。
この状態で、予め解析装置30に登録してある形状データ、または前記形状データから求めた移動体Bの容積Vに対し、前記体積算出区間B11内における、被搬送物Aの輪郭線A1が移動体Bの満杯時の境界線よりも上方にある領域(加算領域V1)の体積値の加算処理(図5(b))と、被搬送物Aの輪郭線A1が境界線よりも下方にある領域(減算領域V2)の体積値の減算処理(図5(c))と、の両方を行えば、被搬送物Aの体積値V’(V+V1−V2)を割り出すことができる。
上記したとおり、本発明では、移動体Bの移動速度を検出するセンサを必須とすることなく、被搬送物Aの体積を算出することができる。
これは、見かけの断面図22と移動体Bの形状データとの照合によって、移動体Bや被搬送物Aの位置を特定できるためである。
よって、被搬送物Aの開始位置と終了位置までの間の区間の見かけの断面図22の枚数は、移動体Bの移動速度によって変わることとなるが、これは体積算出処理の精度を変動させるに過ぎない。
また、移動体Bの移動速度が等速を必須とするものではないが、等速に近ければ近いほど、体積算出精度は向上する。
本発明に係る体積測定システムは、デジタルカメラ20を少なくとも二台以上設けておいてもよい。
図6に示すように、本実施例では、デジタルカメラ20を二台設けておき、各デジタルカメラ20の撮影方向を、前記ラインレーザ10の照射方向と異なる位置かつその他のデジタルカメラ20とも異なる角度から撮影するよう構成している。
これは、一方のデジタルカメラ20による撮影データ21において、被搬送物Aに含まれる大きな礫aなどによって生じる死角領域Cの存在によって輪郭線A1が撮影でき無かった場合に、その他のデジタルカメラ20による撮影データ21でもって、補完を行うためである。
11:レーザー光
20:デジタルカメラ
21:撮影データ
22:見かけの断面図
23:三次元データ
30:解析装置
31:登録手段
32:光切断手段
33:演算手段
A :被搬送物
a :礫
A1:輪郭線
B :移動体
B1:収容空間
B2:前端位置
B3:後端位置
C :死角領域
V1:加算領域
V2:減算領域
Claims (4)
- 測定地点を通過する移動体に収容した被搬送物の体積を測定する、体積測定システムであって、
前記移動体および被搬送物に対して上方からレーザー光を照射する、ラインレーザと、
前記レーザー光を照射した前記移動体および被搬送物に対して、前記ラインレーザの照射方向と異なる角度から撮影を行う、デジタルカメラと、
前記デジタルカメラの撮影データと、予め登録してある前記移動体の形状データと、を用いて前記被搬送物の体積を算出する、解析装置と、を備え、
前記デジタルカメラは、前記レーザー光によって描かれた前記移動体および被搬送物の輪郭線が映った撮影データを連続生成し、
前記解析装置は、
前記撮影データから生成する見かけの断面図と前記移動体の形状データとの照合によって前記移動体の前端と後端を検出することで、前記被搬送物の体積算出区間の始端と終端を特定し、
前記体積算出区間の範囲内の見かけの断面図を用いて、前記被搬送物の体積を算出することを特徴とする、
体積測定システム。 - 前記解析装置が、
予め前記形状データに登録、または前記形状データから求めた前記移動体の容積に対し、
前記被搬送物の輪郭線が前記移動体の満杯時の境界線よりも上方にある領域の体積値を加算する処理、および、前記被搬送物の輪郭線が前記境界線よりも下方にある領域の体積値を減算する処理でもって、前記被搬送物の体積を算出することを特徴とする、
請求項1に記載の体積測定システム。 - 前記輪郭線を、前記ラインレーザの照射方向と異なる角度で、かつ、それぞれ異なる場所から撮影するように、複数の前記デジタルカメラを設け、
前記解析装置は、前記複数のデジタルカメラからそれぞれ取得する撮影データから主たる画像データを選択し、前記主たる画像データで不足する輪郭線を、その余の画像データから補完することを特徴とする、
請求項1または2に記載の体積測定システム。 - 前記被搬送物が掘削土砂である、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の体積測定システム。
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