JP2019184283A - 電波センサおよび制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物をより良好に検知可能な電波センサおよび制御方法を提供する。【解決手段】電波センサは、対象エリアへ電波を送信する送信部と、前記対象エリアからの電波を受信する受信部と、受信部によって受信された電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知する検知部と、受信部によって受信された電波に基づいて、前記送信部を制御することにより、前記対象エリアへ送信される電波の偏波の向きを調整する調整処理を行う制御部とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、電波センサおよび制御方法に関する。
たとえば、特開平5−136619号公報(特許文献1)には、以下のような偏波制御アンテナ装置が開示されている。すなわち、偏波制御アンテナ装置は、直交偏波を受信するアンテナと、このアンテナにより受信された直交偏波信号の2つの直線偏波信号を分離する直交偏波分離手段と、この直交偏波分離手段により分離された2つの直線偏波信号をそれぞれ独立して中間周波数に変換する周波数変換手段と、この周波数変換手段により得られた2つの中間周波信号をそれぞれ独立して増幅する中間周波増幅手段と、上記周波数変換手段における変換動作の基準信号となる局部発振信号を生成する局発信号出力手段と、上記周波数変換手段及び中間周波増幅手段及び局発信号出力手段により上記2つの直線偏波信号の内の少なくとも一方の信号の位相及び振幅を変化させる位相振幅調整手段と、この位相振幅調整手段により少なくとも一方の位相及び振幅が変化された2つの直線偏波信号をその位相差に応じて合成する信号合成手段とを具備し、直交偏波の2つの直線偏波成分を選択して受信することを特徴とする。
特開平5−136619号公報
Eugin Hyun、外2名、「A Pedestrian Detection Scheme Using a Coherent Phase Difference Method Based on 2D Range−Doppler FMCW Radar」、Sensros、2016年、第16巻、P.124 四分一 浩二、外2名、"拡大するミリ波技術の応用"、島田理化技報、2011年、第21号、P.37−48 稲葉 敬之、桐本 哲郎、"車載用ミリ波レーダ"、自動車技術、2010年2月、第64巻、第2号、P.74−79 電子情報通信学会編・発行 吉田孝監修、「改訂レーダ技術」、改訂版、コロナ社、1996年10月、P275−276
対象エリアへ電波を送信し、反射した電波に基づいて対象物を検知する構成において、対象物をより良好に検知することができる技術が望まれる。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、対象物をより良好に検知可能な電波センサおよび制御方法を提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電波センサは、対象エリアへ電波を送信する送信部と、前記対象エリアからの電波を受信する受信部と、受信部によって受信された電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知する検知部と、受信部によって受信された電波に基づいて、前記送信部を制御することにより、前記対象エリアへ送信される電波の偏波の向きを調整する調整処理を行う制御部とを備える。
(8)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる制御方法は、電波を送信する送信部を備える電波センサにおける制御方法であって、対象エリアへ電波を送信するステップと、前記対象エリアからの電波を受信するステップと、受信した電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知するステップと、受信した電波に基づいて、前記送信部を制御することにより、前記対象エリアへ送信される電波の偏波の向きを調整する調整処理を行うステップとを含む。
本発明は、このような特徴的な処理部を備える電波センサとして実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理のステップステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現することができる。また、電波センサの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現したり、電波センサを含むシステムとして実現したりすることができる。
本発明によれば、対象物をより良好に検知することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムの構成を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムの交差点における設置例を斜め上方から見た状態を示す図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの構成を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける制御部が設定する検知期間および各シーケンスの一例を示す図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける制御部およびクロック生成回路がそれぞれ生成するトリガ信号およびクロック信号の各波形の一例を示す図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける送信部が生成する送信電波の波形の一例を示す図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける検知部の構成を示す図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおけるFMCW処理部が生成する処理スペクトルの一例を示す図である。 図9は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサが調整処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。 図10は、本発明の第2の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの構成を示す図である。 図11は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおける検知部の構成を示す図である。 図12は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおけるFMCW処理部が生成する処理スペクトルの一例を示す図である。 図13は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサが調整処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る電波センサは、対象エリアへ電波を送信する送信部と、前記対象エリアからの電波を受信する受信部と、受信部によって受信された電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知する検知部と、受信部によって受信された電波に基づいて、前記送信部を制御することにより、前記対象エリアへ送信される電波の偏波の向きを調整する調整処理を行う制御部とを備える。
このような構成により、たとえば自動車または歩行者等の検知対象物に適した偏波の向きに調整した電波を送信することができる。したがって、対象物をより良好に検知することができる。
(2)好ましくは、前記送信部は、異なる向きの2つの偏波を送信し、前記制御部は、前記2つの偏波の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整することにより、前記調整処理を行う。
このような構成により、電波の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整した2つの電波を、2つのアンテナ素子からそれぞれ送信することで、当該2つの電波の合成により任意の偏波の向きの電波を送信することができる。
(3)好ましくは、前記制御部は、前記受信部によって受信される電波の信号レベルが大きくなるように前記調整処理を行う。
このような構成により、送信電波の偏波の向きを、受信電波の信号雑音比が大きくなるような偏波の向きに調整することができるため、対象物をより良好に検知することができる。
(4)好ましくは、前記制御部は、前記受信部によって受信された電波であって、前記対象エリアのうちの受信電界に関する所定条件を満たす一部のエリアからの電波に基づいて前記調整処理を行う。
このように、たとえば電波サンサからの距離が遠く、電波の電界強度が弱いエリアからの電波を優先的に用いて送信電波の偏波の向きを調整する構成により、対象物をより良好に検知することができる。
(5)好ましくは、前記検知部は、前記受信部によって受信された電波に基づいてスペクトルを生成し、前記制御部は、前記検知部によって作成された前記スペクトルの複数のピークのうち、強度の小さいピークが優先的に大きくなるように前記調整処理を行う。
このように、たとえば歩行者と自動車とでは歩行者の方が反射波のピーク強度が小さいことから、送信電波の偏波の向きを歩行者に適した偏波の向きに調整する構成により、対象物をより良好に検知することができる。
(6)好ましくは、前記制御部は、前記受信部によって受信された電波に基づいて、前記受信部における前記電波の受信電力が小さくなるように前記調整処理を行う。
このような構成により、たとえば電波センサが干渉電波を受信している場合においても、送信電波の偏波の向きを、干渉電波の影響を受け難い偏波の向きに調整することができるため、対象物をより良好に検知することができる。
(7)より好ましくは、前記制御部は、前記送信部が電波を送信していない期間において前記受信部が受信した電波に基づいて前記調整処理を行う。
このような構成により、たとえば干渉電波の偏波の向きを検出することができるため、干渉電波の影響を受け難い偏波の向きを算出することができる。
(8)本発明の実施の形態に係る制御方法は、電波を送信する送信部を備える電波センサにおける制御方法であって、対象エリアへ電波を送信するステップと、前記対象エリアからの電波を受信するステップと、受信した電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知するステップと、受信した電波に基づいて、前記送信部を制御することにより、前記対象エリアへ送信される電波の偏波の向きを調整する調整処理を行うステップとを含む。
このような構成により、たとえば自動車または歩行者等の検知対象物に適した偏波の向きに調整した電波を送信することができる。したがって、対象物をより良好に検知することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムの構成を示す図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムの交差点における設置例を斜め上方から見た状態を示す図である。
図1および図2を参照して、安全運転支援システム301は、電波センサ101と、中継装置141と、信号制御装置151と、無線送信装置152と、アンテナ153と、歩行者用信号灯器161とを備える。安全運転支援システム301における信号制御装置151および歩行者用信号灯器161は、交通信号機を構成し、たとえば交差点CS1の近傍に設置される。
[交差点付近について]
たとえば、図2に示すように、交差点CS1付近において横断歩道PC1が設けられている。ここで、横断歩道PC1が設けられている道路を対象道路Rd1と定義する。対象道路Rd1は、交差点CS1を形成する。また、交差点CS1において対象道路Rd1と交差する道路を交差道路Rd2と定義する。
すなわち、対象道路Rd1および交差道路Rd2が交差する部分が交差点CS1である。言い換えると、交差点CS1は、対象道路Rd1と重複し、かつ交差道路Rd2と重複している。なお、交差点CS1において、さらに多数の道路が交差してもよい。
対象道路Rd1は、交差点CS1から流出する図示しない自動車Tgt1が走行する流出道路Rdeと、交差点CS1へ流入する自動車Tgt1が走行する流入道路Rdiとを含む。流出道路Rdeおよび流入道路Rdiの間に、車線TrLが設けられている。
流出道路Rdeに対する流入道路Rdiの反対側の端には、対象道路Rd1に沿って延伸するように歩道Pv1が設けられている。歩道Pv1は、交差点CS1の近傍において円弧形状の隅切りCCeに沿って延伸することにより対象道路Rd1に沿う方向から交差道路Rd2に沿う方向へ延伸方向を変える。
また、流入道路Rdiに対する流出道路Rdeの反対側の端には、対象道路Rd1に沿って延伸するように歩道Pv2が設けられている。歩道Pv2は、交差点CS1の近傍において円弧形状の隅切りCCiに沿って延伸することにより対象道路Rd1に沿う方向から交差道路Rd2に沿う方向へ延伸方向を変える。
対象エリアA1は、電波センサ101から送信された電波の照射範囲の少なくとも一部であり、横断歩道PC1のたとえば全部を含むエリアである。
電波センサ101は、対象エリアA1における物体を検知することが可能である。より詳細には、電波センサ101は、対象エリアA1において、横断歩道PC1を用いて道路を横断する歩行者Tgt2を対象物Tgtとして検知する。ここで、歩行者Tgt2は、歩いている人間に限定されず、自転車等を含む。なお、対象物Tgtには、歩行者Tgt2の他に、対象道路Rd1に沿って走行して横断歩道PC1を通過する自動車Tgt1が含まれてもよい。
[電波センサの設置位置]
電波センサ101は、たとえば対象道路Rd1付近に設置されている。具体的には、電波センサ101は、歩道Pv1に対して対象道路Rd1の反対側に設置された支柱PWに固定されている。より詳細には、電波センサ101は、横断歩道PC1の歩道Pv1側への延長線上に設けられている。
中継装置141は、支柱PWに固定されている。電波センサ101および中継装置141は、図2では図示していないがたとえば信号線で接続されている。中継装置141は、電波センサ101から受信した情報を信号制御装置151へ送信する中継処理を行う。
信号制御装置151および無線送信装置152は、歩道Pv2に設置された支柱PVに固定されている。また、アンテナ153は、支柱PVの頂部に固定されている。
2つの歩行者用信号灯器161は、支柱PWおよびPVにそれぞれ固定されている。信号制御装置151と、無線送信装置152、中継装置141および2つの歩行者用信号灯器161とは、図2では図示していないが信号線でそれぞれ接続されている。無線送信装置152およびアンテナ153は、図2では図示していないが信号線で接続されている。
電波センサ101は、対象エリアA1へ電波を送信する。対象エリアA1内に位置する物体、たとえば、自動車Tgt1、歩行者Tgt2および支柱PV等は、電波センサ101から送信された電波を反射する。電波センサ101は、物体により反射された電波を受信する。
電波センサ101は、受信した電波に基づいて、横断歩道PC1における歩行者Tgt2を検知し、検知結果を中継装置141経由で信号制御装置151へ送信する。
歩行者用信号灯器161は、信号制御装置151の制御に従って、横断歩道PC1を横断する歩行者Tgt2に対して「すすめ」または「とまれ」を点灯して表示する。
たとえば、信号制御装置151は、歩行者用信号灯器161において「すすめ」を点灯する残り時間が少ない場合において、横断歩道PC1において歩行者Tgt2を検知したことを検知結果が示すとき、残り時間の延長を行う。なお、信号制御装置151は、「すすめ」を点灯する残り時間が少ない旨を歩行者Tgt2に音声で通知してもよい。
また、信号制御装置151は、歩行者用信号灯器161において「とまれ」を点灯している場合において、横断歩道PC1において歩行者Tgt2を検知したことを検知結果が示すとき、危険である旨を歩行者Tgt2に音声で警告する。
また、信号制御装置151は、電波センサ101から受信した検知結果に基づいて自動車Tgt1に対してサービスを提供する。
具体的には、信号制御装置151は、歩行者Tgt2が横断歩道PC1に存在することを検知結果が示すとき、横断歩道PC1における歩行者Tgt2に注意すべき旨を示す歩行者警戒情報を作成し、作成した歩行者警戒情報を無線送信装置152へ送信する。
無線送信装置152は、信号制御装置151から歩行者警戒情報を受信すると、受信した歩行者警戒情報を含む電波を生成し、生成した電波をアンテナ153経由で送信することにより、交差点CS1周辺に位置する自動車Tgt1へ歩行者警戒情報を報知する。
たとえば、交差道路Rd2から右折または左折して横断歩道PC1を通過しようとする図示しない自動車Tgt1は、無線送信装置152から送信された電波を受信すると、受信した電波に含まれる歩行者警戒情報を取得し、取得した歩行者警戒情報に基づいて、横断歩道PC1における横断対象物に注意すべき旨を当該自動車Tgt1の運転者に通知する。
[電波センサの構成]
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの構成を示す図である。
図3を参照して、電波センサ101は、送信部1と、受信部2と、合成部3と、制御部4と、検知部5と、クロック生成回路6と、記憶部7とを備える。
送信部1は、送信アンテナ部21と、パワーアンプ22A,22Bと、移相器23と、生成部25と、可変減衰器26A,26Bと、ハイブリッドカプラ27とを含む。
送信アンテナ部21は、たとえば交差する2つのアンテナである送信アンテナ21Aおよび送信アンテナ21Bを有する。一例として、送信アンテナ21Aおよび送信アンテナ21Bは、直交している。送信アンテナ21Aは、電界が水平方向の電波(以下、水平偏波とも称する。)を放射する。送信アンテナ21Bは、電界が垂直方向の電波(以下、垂直偏波とも称する。)を放射する。
受信部2は、受信アンテナ部31と、ローノイズアンプ32A,32Bと、IQ復調器35A,35Bと、A/Dコンバータ(ADC)36A,36B,37A,37Bとを含む。受信部2は、対象エリアA1等からの電波を受信する。
受信アンテナ部31は、たとえば交差する2つのアンテナである受信アンテナ31Aおよび受信アンテナ31Bを有する。一例として、受信アンテナ31Aおよび受信アンテナ31Bは、直交している。受信アンテナ31Aは、水平偏波を受信する。受信アンテナ31Bは、垂直偏波を受信する。
電波センサ101は、たとえば、非特許文献1(Eugin Hyun、外2名、「A Pedestrian Detection Scheme Using a Coherent Phase Difference Method Based on 2D Range−Doppler FMCW Radar」、Sensros、2016年、第16巻、P.124)に記載された2D Range−Doppler FM−CW方式に従って動作する。
なお、電波センサ101は、上記方式に限らず、非特許文献2(四分一 浩二、外2名、”拡大するミリ波技術の応用”、島田理化技報、2011年、第21号、P.37−48)および非特許文献3(稲葉 敬之、桐本 哲郎、”車載用ミリ波レーダ”、自動車技術、2010年2月、第64巻、第2号、P.74−79)に記載のFM−CW方式および2周波CW方式、ならびに非特許文献4(電子情報通信学会編・発行 吉田孝監修、「改訂レーダ技術」、改訂版、コロナ社、1996年10月、P275−276)に記載のパルス圧縮方式に従って動作してもよい。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける制御部が設定する検知期間および各シーケンスの一例を示す図である。なお、図4において、横軸は時間を示す。
図4を参照して、電波センサ101における制御部4は、たとえば、自己の電波センサ101が対象物Tgtの検知結果を1回出力する検知期間を設定する。
より詳細には、制御部4は、たとえば、対象物Tgtの移動速度に基づいて、長さPmを有する検知期間を設定する。長さPmは、たとえば可変である。検知期間の長さPmの設定方法の詳細については、後述する。
検知期間には、たとえばSeq1〜SeqMのM個のシーケンスが含まれる。ここで、Mは、2以上の整数である。1つのシーケンスにおいて、1つのパターンの電波または1つのサブパターンの電波が送信部1から送信される。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける制御部およびクロック生成回路がそれぞれ生成するトリガ信号およびクロック信号の各波形の一例を示す図である。なお、図5において、横軸は時間を示し、縦軸は各信号のレベルを示す。
図5を参照して、クロック生成回路6は、たとえばクロック信号を生成する。具体的には、クロック生成回路6は、たとえば、図5に示すように、周期Tcを有する矩形波のクロック信号CSを生成する。クロック生成回路6は、生成したクロック信号CSを制御部4およびA/Dコンバータ36A,36B,37A,37Bへ出力する。
制御部4は、各シーケンスを設定する。より詳細には、制御部4は、各シーケンスの開始タイミングごとにトリガ信号TSを生成し、生成したトリガ信号TSを送信部1および検知部5へ出力する。
具体的には、制御部4は、たとえば、クロック生成回路6から受けるクロック信号CSの立ち上がりエッジの個数をカウントし、当該エッジをNs個カウントするごとにトリガ信号TSを生成して出力する。ここで、Nsは、2以上の整数であり、所定値であってもよいし、可変であってもよい。また、周期TcにNsを乗じた値が、1シーケンスの周期Ttである。この例では、周期Ttが、たとえば0.1ミリ秒〜数ミリ秒になるようにNsの値が設定される。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける送信部が生成する送信電波の波形の一例を示す図である。なお、図6において、横軸は時間を示し、縦軸は、紙面の上側から順に、送信電波および受信電波の周波数FtおよびFrを示す。また、送信電波の周波数Ftは実線で表され、受信電波の周波数Frは破線で表されている。図6では、送信電波に対する受信電波の遅延が示されている。
図3および図6を参照して、送信部1は、所定のパターンの電波を繰り返し送信する。具体的には、送信部1は、たとえば、FM−CW方式の変調方式を用いて生成した電波を対象エリアA1へ繰り返し送信する。より詳細には、送信部1は、たとえば、図6に示すように、周波数Ftが単位時間あたりで所定量増加するパターンPt1の電波を対象エリアA1へ繰り返し送信する。
なお、送信部1は、周波数Ftが単位時間あたりで所定量減少するパターンの電波を送信してもよい。また、送信部1が送信する電波のパターンは、図6に示すように周波数の時間変化により定められる構成に限らず、振幅の時間変化により定められる構成であってもよい。
制御部4は、FM−CW方式において用いる送信パラメータを送信部1、合成部3および検知部5へ、たとえば検知期間ごとに出力する。ここで、送信パラメータには、掃引開始周波数F2、周波数掃引方向、周波数掃引幅Δf、1シーケンスの長さである周期Tt、掃引時間Tsおよび検知期間の長さPmが含まれる。
制御部4は、受信部2によって受信された電波に基づいて、送信部1を制御することにより、対象エリアA1へ送信される電波の偏波、すなわち送信アンテナ21Aから送信される送信電波と送信アンテナ21Bから送信される送信電波との合成波の偏波の向きを調整する調整処理を行う。
送信部1は、異なる向きの2つの偏波を送信アンテナ21Aおよび送信アンテナ21Bからそれぞれ送信する。制御部4は、当該2つの偏波の振幅および位相を調整することにより、調整処理を行う。
また、送信パラメータには、合成波の偏波の向きすなわち伝搬空間における合成波の電界の向きを示す偏波角θが含まれる。制御部4は、調整処理として、偏波角θを各種情報に応じて制御する。
より詳細には、制御部4は、送信アンテナ21Aへ出力される送信信号RFt1および送信アンテナ21Bへ出力される送信信号RFt2の振幅すなわち送信電力を調整することにより、合成波の偏波角θを任意に設定することができる。
具体的には、制御部4は、以下の式(1)に従い、送信信号RFt1の電力P1、送信信号RFt2の電力P2および送信信号RFt2の位相φを調整する。
Figure 2019184283
すなわち、制御部4は、送信アンテナ21Aが受ける送信信号RFt1の電力P1を設定し、設定した電力P1を得るための減衰量を示す調整情報CP1を可変減衰器26Aへ出力する。
また、制御部4は、送信アンテナ21Bが受ける送信信号RFt2の電力P2を設定し、設定した電力P2を得るための減衰量を示す調整情報CP2を可変減衰器26Bへ出力する。
また、制御部4は、送信信号RFt2の位相φを0度または180度に設定し、設定した位相φを示す調整情報CP3を移相器23へ出力する。
また、制御部4は、送信部1による偏波の上記調整内容に基づいて、受信アンテナ部31において受信された電波に基づく信号の振幅および位相を調整する。
より詳細には、制御部4は、設定した電力P1、電力P2および位相φを示す受信調整情報を合成部3へ出力する。
また、制御部4は、トリガ信号TSを生成してから掃引時間Ts経過したタイミングにおいて、送信部1から電波が送信されないガード期間の開始タイミングを示すガード信号GSを生成して送信部1へ出力する。
ガード信号GSは、クロック信号CSと同期している。ガード期間は、たとえば各シーケンスの後部に設けられ、ガード信号GSが出力されてから次のシーケンスの開始タイミングを示すトリガ信号TSが出力されるまで継続する。なお、ガード期間は、各シーケンスの前部に設けられてもよい。
生成部25は、制御部4からトリガ信号TSを受けると、送信パラメータとして制御部4から受けた掃引開始周波数F2、周波数掃引方向、周波数掃引幅Δfおよび掃引時間Tsを用いて、送信信号RFtを生成し、生成した送信信号RFtをハイブリッドカプラ27へ出力する。
ハイブリッドカプラ27は、生成部25から受けた送信信号RFtを送信信号RFt1および送信信号RFt2に分離し、送信信号RFt1を可変減衰器26Aへ出力し、送信信号RFt2を移相器23へ出力する。
可変減衰器26Aは、ハイブリッドカプラ27から受けた送信信号RFt1の送信電力を、制御部4から受けた調整情報CP1の示す減衰量だけ減衰させてパワーアンプ22Aへ出力する。
移相器23は、ハイブリッドカプラ27から受けた送信信号RFt2の位相φのシフト量を、制御部4から受けた調整情報CP3の示す0度または180度に設定し、シフト後の送信信号RFt2を可変減衰器26Bへ出力する。
可変減衰器26Bは、移相器23から受けた送信信号RFt2の送信電力を、制御部4から受けた調整情報CP2の示す減衰量だけ減衰させてパワーアンプ22Bへ出力する。
パワーアンプ22Aは、可変減衰器26Aから受けた送信信号RFt1を増幅し、増幅後の送信信号RFt1を送信アンテナ21A経由で対象エリアA1へ送信する。
パワーアンプ22Bは、可変減衰器26Bから受けた送信信号RFt2を増幅し、増幅後の送信信号RFt2を送信アンテナ21B経由で対象エリアA1へ送信する。
より詳細には、送信信号RFt1に基づく送信電波が送信アンテナ21Aから放射され、送信信号RFt2に基づく送信電波が送信アンテナ21Bから放射される。送信信号RFt1に基づく送信電波および送信信号RFt2に基づく送信電波は、伝搬空間において合成されてたとえば偏波角θの合成波となる。
受信部2における受信アンテナ部31は、対象エリアA1における対象物Tgt、具体的には、歩行者Tgt2および自動車Tgt1等の移動可能な物体、ならびにガードレールおよび支柱PV等の停止している物体によって反射された電波を受信することが可能である。以下では、対象物Tgtが移動可能な物体である場合に適した、電波センサ101の動作を説明する。
具体的には、受信部2における受信アンテナ31Aおよび受信アンテナ31Bは、それぞれ、対象エリアA1における対象物Tgt、具体的には、歩行者Tgt2および自動車Tgt1等の移動可能な物体、ならびにガードレールおよび支柱PV等の停止している物体によって反射された電波の水平偏波および垂直偏波を受信することが可能である。
また、受信アンテナ部31は、干渉電波を送信する干渉物体が送信した電波を受信することもある。干渉物体は、たとえば、対象エリアA1内または対象エリアA1外に位置する自動車Tgt1に搭載された電子走査型ミリ波レーダ装置等である。
ローノイズアンプ32Aは、受信アンテナ31Aが受信した電波に基づく受信信号RFr1を増幅し、IQ復調器35Aへ出力する。
ローノイズアンプ32Bは、受信アンテナ31Bが受信した電波に基づく受信信号RFr2を増幅し、IQ復調器35Bへ出力する。
IQ復調器35Aは、ローノイズアンプ32Aから受けた増幅後の受信信号RFr1を直交復調してI信号I1およびQ信号Q1を生成する。そして、IQ復調器35Aは、生成したI信号I1をA/Dコンバータ36Aへ出力し、生成したQ信号Q1をA/Dコンバータ37Aへ出力する。
IQ復調器35Bは、ローノイズアンプ32Bから受けた増幅後の受信信号RFr2を直交復調してI信号I2およびQ信号Q2を生成する。そして、IQ復調器35Bは、生成したI信号I2をA/Dコンバータ36Bへ出力し、生成したQ信号Q2をA/Dコンバータ37Bへ出力する。
A/Dコンバータ36AおよびA/Dコンバータ37Aは、たとえばクロック信号CSの周期TcでそれぞれI信号I1およびQ信号Q1のサンプリング処理を行う。より詳細には、A/Dコンバータ36AおよびA/Dコンバータ37Aは、それぞれ、クロック生成回路6から受けるクロック信号CSの立ち上がりエッジのタイミングに従って、IQ復調器35Aから受けたI信号I1およびQ信号Q1をサンプリング周期Tcごとにqビット(qは2以上の整数)のデジタル信号Id1およびQd1に変換し、合成部3へ出力する。
A/Dコンバータ36BおよびA/Dコンバータ37Bは、たとえばクロック信号CSの周期TcでそれぞれI信号I2およびQ信号Q2のサンプリング処理を行う。より詳細には、A/Dコンバータ36BおよびA/Dコンバータ37Bは、それぞれ、クロック生成回路6から受けるクロック信号CSの立ち上がりエッジのタイミングに従って、IQ復調器35Bから受けたI信号I2およびQ信号Q2をサンプリング周期Tcごとにqビットのデジタル信号Id2およびQd2に変換し、合成部3へ出力する。
合成部3は、制御部4の調整内容に基づいて、受信部2によって受信された電波に基づく信号を合成する。
より詳細には、合成部3は、A/Dコンバータ36A,36B,37A,37Bから受けた各デジタル信号Id1、Qd1、Id2およびQd2を用いて合成信号Md1を生成する。
合成部3は、以下の式(2)に示すように、A/Dコンバータ36A,36Bから受けた各デジタル信号Id1,Qd1に重みw1を用いて、A/Dコンバータ37A,37Bから受けた各デジタル信号Id2,Qd2に重みw2を用いて、重みづけ加算した合成信号Md1を生成する。合成信号Md1は、偏波角θの合成波に対応する信号である。
Figure 2019184283
ここで、比率w1および比率w2は、制御部4から受けた受信調整情報の示す電力P1、電力P2および位相φに基づいて、以下の式(3)および式(4)に従いそれぞれ算出される。
Figure 2019184283
Figure 2019184283
そして、合成部3は、生成した合成信号Md1を検知部5へ出力する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける検知部の構成を示す図である。
図7を参照して、検知部5は、メモリ41と、FFT(Fast Fourier Transform)処理部42と、FMCW処理部43と、パターン信号取得部44と、検知処理部45とを含む。
検知部5は、受信部2によって受信された電波に基づいて、対象エリアA1における対象物Tgtを検知する。
より詳細には、検知部5におけるメモリ41は、合成部3から受ける合成信号Md1を蓄積する。
パターン信号取得部44は、パターンPt1ごとの合成信号Md1(以下、パターン信号とも称する。)を生成する。より詳細には、パターン信号取得部44は、制御部4から受けるトリガ信号TSに基づいて、1つのシーケンスの開始タイミングおよび終了タイミングを認識する。
そして、パターン信号取得部44は、たとえば、あるシーケンスが終了するごとに、当該シーケンスにおいてサンプリング周期Tcでサンプリングされた時系列の合成信号Md1すなわちパターン信号をメモリ41から取り出す。パターン信号取得部44は、取り出したパターン信号をFFT処理部42へ出力する。
FFT処理部42は、パターン信号取得部44からパターン信号を受けると、受けたパターン信号に対してFFT処理を行うことにより、パワースペクトルFS1および位相スペクトルPS1を生成する。ここで、パワースペクトルFS1は、検知期間において蓄積された合成信号Md1に含まれる各周波数成分の振幅を示す。また、位相スペクトルPS1は、検知期間において蓄積された合成信号Md1に含まれる各周波数成分の位相を示す。
FFT処理部42は、生成したパワースペクトルFS1および位相スペクトルPS1をFMCW処理部43へ出力する。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおけるFMCW処理部が生成する処理スペクトルの一例を示す図である。なお、図8において、縦軸は強度を示し、横軸は電波センサ101から物体までの距離を示す。
FMCW処理部43は、受信部2によって受信された電波に基づいて、物体が存在するか否かを判定する。
具体的には、FMCW処理部43は、たとえば、対象エリアA1において歩行者Tgt2および自動車Tgt1等の移動可能な物体が存在しないとした状態におけるパワースペクトルである背景スペクトルを保持している。背景スペクトルは、対象物Tgtの検知におけるノイズ成分に相当する。
FMCW処理部43は、パワースペクトルFS1および位相スペクトルPS1をFFT処理部42から受けると、受けたパワースペクトルFS1の各周波数成分から背景スペクトルの各周波数成分をそれぞれ差し引くことにより処理スペクトルを生成する。
また、FMCW処理部43は、生成した処理スペクトルの周波数Fbおよび位相スペクトルPS1の周波数Fbを距離Lに換算する。
より詳細には、周波数Fbと距離Lとの関係は、非特許文献2における式(1)に基づいて、以下の式(5)により表される。
Figure 2019184283
ここで、cは光速である。vrは、電波センサ101に対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った物体の移動速度(以下、検出対象速度とも称する。)である。f0は、掃引開始周波数F2と掃引開始周波数F2に周波数掃引幅Δfを加えた掃引終了周波数F1との平均である。
たとえば、式(5)において、1シーケンスにおいて電波の送信される期間の長さすなわち掃引時間Tsに対して周波数掃引幅Δfが大きい場合、距離Lは、以下の式(6)のように近似して表すことが可能である。
Figure 2019184283
FMCW処理部43は、制御部4から受けた送信パラメータに含まれる周波数掃引幅Δfおよび掃引時間Tsと式(6)とを用いて処理スペクトルおよび位相スペクトルPS1の横軸の周波数Fbを距離Lに換算する。図8には、横軸が周波数から距離に換算された処理スペクトルが示される。
FMCW処理部43は、生成した処理スペクトルに対してピーク検出処理を行う。より詳細には、FMCW処理部43は、処理スペクトルを解析し、所定の閾値Thfm以上の強度を有するピークの検出を試みる。処理スペクトルでは、強度は信号雑音比に相当する。
FMCW処理部43は、閾値Thfm以上の強度すなわち信号雑音比を有するピークを検出できた場合、物体が存在すると判定する。この例では、FMCW処理部43は、3つのピークPn1〜Pn3を検出し、物体が存在すると判定する。一方、FMCW処理部43は、閾値Thfm以上の強度を有するピークを検出できなかった場合、物体が存在しないと判定する。
FMCW処理部43は、判定結果、検出したピークPn1〜Pn3の各々の強度、およびピークPn1〜Pn3に対応する距離L1〜L3をそれぞれ示す結果情報を検知処理部45へ出力する。
検知処理部45は、FMCW処理部43から受ける結果情報に基づいて、対象物Tgtを検知する。
より詳細には、検知処理部45は、たとえば、結果情報の示す判定結果が物体の不存在を示す場合、対象物Tgtが存在しないと判定する。
一方、検知処理部45は、たとえば、結果情報の示す判定結果が物体の存在を示す場合、結果情報の示すピーク強度の大きさに基づいて、対象物Tgtの種類として歩行者Tgt2または自動車Tgt1を特定する。具体的には、検知処理部45は、ピーク強度が大きい場合、対象物Tgtの種類を自動車Tgt1と判定し、また、ピーク強度が小さい場合、対象物の種類を歩行者Tgt2と判定する。
検知処理部45は、たとえば、図8に示すピークPn1を自動車Tgt1と判定し、ピークPn2およびピークPn3を歩行者Tgt2と判定する。
また、検知処理部45は、結果情報の示す距離Lに基づいて、対象物Tgtが横断歩道PC1に存在するか否かを判断する。
検知処理部45は、横断歩道PC1における対象物Tgtの有無、および対象物Tgtの種類を示す検知結果を中継装置141へ送信する。
また、FMCW処理部43は、判定結果、検出したピークPn1〜Pn3の強度、およびピークPn1〜Pn3に対応する距離L1〜L3を示す結果情報と、制御部4から受けた送信パラメータに含まれる偏波角θとを関連付けた偏波情報を作成し、作成した偏波情報を記憶部7に保存する。
記憶部7は、たとえばFMCW処理部43から受ける複数の偏波情報を蓄積する。
より詳細には、制御部4は、複数種類の偏波角θを設定し、設定した各偏波角θに対応する偏波情報を作成して記憶部7に保存する。ここで、複数種類の偏波角θは、たとえば、0度、30度、45度、60度、90度、120度、135度、150度および180度等、0度から180度の間の何度であってもよい。
たとえば、制御部4は、受信部2によって受信される電波の信号レベルが大きくなるように調整処理を行う。
より詳細には、制御部4は、記憶部7に保存された各偏波情報を参照し、たとえば、受信した電波の信号レベルが大きい、すなわち最も大きいピーク強度を含む偏波情報における偏波角θを、合成波の偏波角として設定する。
あるいは、制御部4は、受信部2によって受信された電波であって、対象エリアA1のうちの受信電界に関する所定条件を満たす一部のエリアからの電波に基づいて調整処理を行う。
より詳細には、ピーク強度は、電波センサ101からの距離が大きくなるほど電波が減衰するため小さくなる。
制御部4は、たとえば、電波センサ101からの所定の距離Lk以上の距離の領域を弱電界領域と設定する。
制御部4は、たとえば、偏波情報に含まれる弱電界領域におけるピーク強度の大きさに基づいて調整処理を行う。
具体的には、制御部4は、図8に示すピークPn3に対応する距離L3がLkより大いため弱電界領域に相当する場合、各偏波情報に含まれるピークPn3のピーク強度を比較し、当該ピーク強度が最大であるピークPn3に対応する偏波角θを、合成波の偏波角として設定する。
あるいは、制御部4は、FMCW処理部43によって生成された処理スペクトルの複数のピークのうち、強度の小さいピークが優先的に大きくなるように調整処理を行う。
より詳細には、制御部4は、たとえばピーク強度が小さい対象物Tgtである歩行者Tgt2に対応するピーク強度がより大きくなるように合成波の偏波の向きを調整する。
制御部4は、図8に示す最も小さいピークであるピークPn2のピーク強度の大きさに基づいて調整処理を行う。
具体的には、制御部4は、偏波情報を参照し、ピークPn2が歩行者Tgt2であることを確認すると、各偏波情報に含まれるピークPn2のピーク強度を比較し、当該ピーク強度が最大であるピークPn2に対応する偏波角θを、合成波の偏波角として設定する。
[動作の流れ]
電波センサ101は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサが調整処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図9を参照して、まず、電波センサ101は、複数種類の偏波角θのうち、ある偏波角θを合成波の偏波角として設定する(ステップS101)。
次に、電波センサ101は、合成波を対象エリアA1へ送信する(ステップS102)。
次に、電波センサ101は、設定対象エリアA1から電波を受信する(ステップS103)。
次に、電波センサ101は、受信した電波に基づいてスペクトルを生成する(ステップS104)。
次に、電波センサ101は、生成したスペクトルのピークを検出し、対象物を判定する(ステップS105)。
次に、電波センサ101は、偏波情報を作成して保存する(ステップS106)。
次に、電波センサ101は、作成した偏波情報から弱電界領域におけるピークを検索する(ステップS107)。
次に、電波センサ101は、弱電界領域におけるピークが存在する場合(ステップS107でNO)、送信電波の偏波角θの設定を維持し、対象エリアA1へ合成波を送信する(ステップS102)。
一方、電波センサ101は、弱電界領域におけるピークが存在しない場合(ステップS107でYES)、他の偏波角θを合成波の偏波角として新たに設定し(ステップS108でYESかつステップS112)、当該合成波を対象エリアA1へ送信する(ステップS113)。
次に、電波センサ101は、設定対象エリアA1から電波を受信する(ステップS114)。
次に、電波センサ101は、受信した電波に基づいてスペクトルを生成する(ステップS115)。
次に、電波センサ101は、生成したスペクトルのピークを検出し、対象物を判定する(ステップS116)。
次に、電波センサ101は、偏波情報を作成して保存する(ステップS117)。
次に、電波センサ101は、複数種類の偏波角θのうち、未設定の偏波角θが存在する場合(ステップS108でYES)、未設定の偏波角θを合成波の偏波角として設定する(ステップS112)。
一方、電波センサ101は、複数種類の偏波角θのうち、未設定の偏波角θが存在しない場合(ステップS108でNO)、保存した各偏波情報を参照し、各々のスペクトルにおいて、複数のピークのうちピーク強度が最小値のピークPwを検索する(ステップS109)。
次に、電波センサ101は、保存した各偏波情報を参照し、検索したピークPwのピーク強度が最も大きくなる偏波角θmaxを検索する(ステップS110)。
次に、電波センサ101は、偏波角θmaxを合成波の偏波角として設定し(ステップS111)、当該合成波を対象エリアA1へ送信する(ステップS102)。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、制御部4は、異なる向きの2つの偏波の振幅および位相を調整することにより調整処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部4は、異なる向きの2つの偏波の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整することにより調整処理を行う構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、制御部4は、処理スペクトルの複数のピークのうち、最も小さいピークが優先的に大きくなるよう調整処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部4は、処理スペクトルの複数のピークのうち、各ピーク強度の中央値のピーク、またはピーク強度の平均値に最も近いピーク強度であるピーク等が優先的に大きくなるように調整処理を行ってもよい。
ところで、対象エリアへ電波を送信し、反射した電波に基づいて対象物を検知する構成において、対象物をより良好に検知することができる技術が望まれる。
たとえば、特許文献1に記載の偏波制御アンテナ装置では、衛星通信を想定しているため、受信側での信号の振幅および位相の制御にとどまる。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、送信部1は、対象エリアA1へ電波を送信する。受信部2は、対象エリアA1からの電波を受信する。検知部5は、受信部2によって受信された電波に基づいて、対象エリアA1における対象物Tgtを検知する。制御部4は、受信部2によって受信された電波に基づいて、送信部1を制御することにより、対象エリアA1へ送信される電波の偏波の向きを調整する調整処理を行う。
このような構成により、たとえば自動車Tgt1または歩行者Tgt2等の検知対象物に適した偏波の向きに調整した電波を送信することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、対象物Tgtをより良好に検知することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、送信部1は、異なる向きの2つの偏波を送信する。制御部4は、当該2つの偏波の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整することにより、調整処理を行う。
このような構成により、電波の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整した2つの電波を、2つの送信アンテナ21A,21Bからそれぞれ送信することで、当該2つの電波の合成により任意の偏波の向きの電波を送信することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、受信部2によって受信される電波の信号レベルが大きくなるように調整処理を行う。
このような構成により、合成波の偏波の向きを、受信電波の信号雑音比が大きくなるような偏波の向きに調整することができるため、対象物Tgtをより良好に検知することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、制御部4は、受信部2によって受信された電波であって、対象エリアA1のうちの受信電界に関する所定条件を満たす一部のエリアからの電波に基づいて調整処理を行う。
このように、たとえば電波サンサ101からの距離が遠く、電波の電界強度が弱いエリアからの電波を優先的に用いて合成波の偏波の向きを調整する構成により、対象物Tgtをより良好に検知することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、検知部5は、受信部2によって受信された電波に基づいてスペクトルを生成する。制御部4は、検知部5によって作成されたスペクトルの複数のピークのうち、強度の小さいピークが優先的に大きくなるように調整処理を行う。
このように、たとえば歩行者Tgt2と自動車Tgt1とでは歩行者Tgt2の方が反射波のピーク強度が小さいことから、合成波の偏波の向きを歩行者Tgt2に適した偏波の向きに調整する構成により、対象物Tgtをより良好に検知することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る制御方法では、まず、対象エリアA1へ電波を送信する。次に、対象エリアA1からの電波を受信する。次に、受信した電波に基づいて、対象エリアA1における対象物Tgtを検知する。次に、受信した電波に基づいて、送信部1を制御することにより、対象エリアA1へ送信される電波の偏波の向きを調整する調整処理を行う。
たとえば自動車Tgt1または歩行者Tgt2等の検知対象物に適した偏波の向きに調整した電波を送信することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る制御方法では、対象物Tgtをより良好に検知することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電波センサと比べて調整処理の内容が異なる電波センサに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電波センサと同様である。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの構成を示す図である。
図10を参照して、電波センサ102は、図3に示す電波センサ101と比べて、検知部5の代わりに検知部8を備える。
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおける検知部の構成を示す図である。
図11を参照して、検知部8は、図7に示す検知部5と比べて、電力算出部46をさらに備える。
電力算出部46は、制御部4から受けるトリガ信号TSに基づいて、1つのシーケンスの開始タイミングおよび終了タイミングを認識する。
電力算出部46は、たとえば、あるシーケンスが終了するごとに、当該シーケンスにおいてサンプリング周期Tcでサンプリングされた時系列の合成信号Md1をメモリ41から取り出す。
電力算出部46は、取り出した各合成信号Md1における上記の式(2)に示す各デジタル信号Id1,Qd1,Id2,Qd2の係数に基づいて、対応の合成信号Md1の電力を算出し、算出した各電力の平均値を算出する。
電力算出部46は、算出した各電力のうちの最大値の、算出した平均値に対する比率であるピーク対平均電力比(PAR:Peak to Average Power Ratio)を算出して制御部4へ出力する。合成信号Md1の電力は、たとえば電波センサ102が送信する電波と同じ周波数を有する他の電波を受信すると大きくなる。すなわち、PARが大きいほど、他の電波等の干渉の影響が大きい。
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおけるFMCW処理部が生成する処理スペクトルの一例を示す図である。なお、図12において、縦軸は強度を示し、横軸は電波センサ102から物体までの距離を示す。
図12に示す処理スペクトルは、たとえば電波センサ102が送信する電波と同じ周波数を有する他の電波の干渉を受けてノイズが大きくなるため、相対的にスペクトルの強度が小さくなる。
制御部4は、たとえば、PARが所定の閾値以上である場合、受信部2によって受信された電波に基づいて、受信部2における電波の受信電力が小さくなるように調整処理を行う。
たとえば、制御部4は、送信部1が電波を送信していない期間において受信部2が受信した電波に基づいて調整処理を行う。
より詳細には、生成部25は、PARが所定の閾値以上となった検知期間の次の検知期間において、送信信号RFtを生成しない。
受信部2は、対象エリアA1からの電波RFr3を受信する。
ローノイズアンプ32A,32Bは、受信アンテナ31A,31Bにおいて受信された電波に基づく受信信号を増幅し、IQ復調器35A,35Bへ受信信号RFr3および受信信号RFr4を出力する。IQ復調器35A,35Bは、それぞれ、ローノイズアンプ32A,32Bから受けた受信信号RFr3および受信信号RFr4を直交復調してI信号I1、Q信号Q1、I信号I2およびQ信号Q2を生成し、A/Dコンバータ36A,37A,36B,37Bへ出力する。A/Dコンバータ36A,37A,36B,37Bは、それぞれ、I信号I1、Q信号Q1、I信号I2およびQ信号Q2をデジタル信号Id1、Qd1、Id2およびQd2に変換し、合成部3へ出力する。
合成部3は、A/Dコンバータ36A,37A,36B,37Bから受けた各デジタル信号Id1、Qd1、Id2およびQd2を用いて、受信部2における電波の受信電力が小さくなる合成波の偏波の向き、たとえば、電波RFr3の偏波の向きと直交する向きを算出する解析的処理を行う。
具体的には、合成部3は、以下の式(7)に示す受信信号ベクトルを用いて、以下の式(8)に示す受信相関行列Rの演算を行う。ここで、A/Dコンバータ36A,36B,37A,37Bは、検知期間において、T回のサンプリングを行う。式(7)および式(8)に示す(i)は、i回目にサンプリングされた各デジタル信号であることを示す。
Figure 2019184283
Figure 2019184283
そして、合成部3は、以下の式(9)に示す、受信相関行列Rの最小固有値に対応する固有ベクトルvを算出する。
Figure 2019184283
合成部3は、算出した固有ベクトルvを示す情報を制御部4へ出力する。
制御部4は、合成部3から受けた固有ベクトルvを示す情報に基づいて、固有ベクトルvの複素共役であるベクトルの要素v*1および要素v*2を算出する。
制御部4は、要素v*1および要素v*2が以下の式(10)、式(11)および式(12)を満たす偏波角θ2を算出し、算出した偏波角θ2を含む送信パラメータを送信部1、合成部3および検知部8へ出力する。
Figure 2019184283
Figure 2019184283
Figure 2019184283
また、制御部4は、送信アンテナ21Aが受ける送信信号RFt4の送信電力を式(10)および式(11)を満たす電力P1に設定し、設定した電力P1を得るための減衰量を示す調整情報CP4を可変減衰器26Aへ出力する。
また、制御部4は、送信アンテナ21Bが受ける送信信号RFt5の送信電力を式(10)および式(11)を満たす電力P2に設定し、設定した電力P2を得るための減衰量を示す調整情報CP5を可変減衰器26Bへ出力する。
また、制御部4は、送信信号RFt5の位相φを式(12)に従って0度または180度に設定し、設定した位相を示す調整情報CP6を移相器23へ出力する。
また、制御部4は、上記調整内容に基づいて、受信アンテナ部31において受信された電波に基づく信号の振幅および位相を調整する。
より詳細には、制御部4は、設定した電力P1、電力P2および位相φを示す受信調整情報を合成部3へ出力する。
生成部25は、制御部4からトリガ信号TSを受けると、送信パラメータとして制御部4から受けた掃引開始周波数F2、周波数掃引方向、周波数掃引幅Δfおよび掃引時間Tsを用いて、送信信号RFt3を生成し、生成した送信信号RFt3をハイブリッドカプラ27へ出力する。
ハイブリッドカプラ27は、生成部25から受けた送信信号RFt3を送信信号RFt4および送信信号RFt5に分離し、送信信号RFt4を可変減衰器26Aへ出力し、送信信号RFt5を移相器23へ出力する。
可変減衰器26Aは、ハイブリッドカプラ27から受けた送信信号RFt4の送信電力を、制御部4から受けた調整情報CP4の示す減衰量だけ減衰させてパワーアンプ22Aへ出力する。
移相器23は、ハイブリッドカプラ27から受けた送信信号RFt5の位相φのシフト量を、制御部4から受けた調整情報CP6の示す0度または180度に設定し、シフト後の送信信号RFt5を可変減衰器26Bへ出力する。
可変減衰器26Bは、移相器23から受けた送信信号RFt5の送信電力を、制御部4から受けた調整情報CP5の示す減衰量だけ減衰させてパワーアンプ22Bへ出力する。
合成部3は、制御部4から受けた受信調整情報の示す電力P1、電力P2および位相φに基づいて、要素v*1および要素v*2を算出し、算出した要素v*1および要素v*2、ならびにA/Dコンバータ36A,36B,37A,37Bから受けた各デジタル信号Id1、Qd1、Id2およびQd2を用いた合成信号Md2を生成する。
より詳細には、合成部3は、以下の式(13)に示すように、A/Dコンバータ36A,36Bから受けた各デジタル信号Id1,Qd1に重みv*1を用いて、A/Dコンバータ37A,37Bから受けた各デジタル信号Id2,Qd2に重みv*2を用いて、重みづけ加算した合成信号Md2を生成する。
Figure 2019184283
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサが調整処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図13を参照して、まず、電波センサ102は、対象エリアA1から電波を受信する(ステップS201)。
次に、電波センサ102は、受信した電波に基づく合成信号の電力を算出し、算出した電力に基づいてPARを算出する(ステップS202)。
次に、電波センサ102は、PARが所定の閾値以上である場合(ステップS203でYES)、対象エリアA1へ合成波を送信せず、リスニングすなわち対象エリアA1からの電波の受信を行う(ステップS204)。
次に、電波センサ102は、受信した対象エリアA1における電波に基づいて、当該電波の受信電力が最小となる合成波の偏波の向きを算出する(ステップS205)。
次に、電波センサ102は、算出した合成波の偏波の向きに基づいて、対象エリアA1へ送信する合成波の偏波の向きを調整する(ステップS206)。
次に、電波センサ102は、算出した偏波の向きに基づいて、受信した電波に基づく受信信号から合成信号を生成するための要素v*1および要素v*2を算出する。(ステップS207)。
次に、電波センサ102は、対象エリアA1へ合成波を送信し(ステップS208)、対象エリアA1から新たな電波を受信する(ステップS201)。
一方、電波センサ102は、PARが所定の閾値未満である場合(ステップS203でNO)、受信した電波に基づいてスペクトルを生成する(ステップS209)。
次に、電波センサ102は、生成したスペクトルのピークを検出し、対象物を判定する(ステップS210)。
次に、電波センサ102は、対象エリアA1へ合成波を送信し(ステップS208)、対象エリアA1から新たな電波を受信するまで待機する(ステップS201)。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電波センサと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサでは、生成部25は、PARが所定の閾値以上である場合、次の検知期間において送信信号RFtを生成しない構成であるとしたが、これに限定するものではない。生成部25は、PARが所定の閾値以上であっても、次の検知期間において送信信号RFtを生成してもよい。この場合、制御部4は、たとえば受信部2がガード期間において受信した電波に基づいて、調整処理を行う。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサでは、生成部25は、PARが所定の閾値以上である場合、次の検知期間において送信信号RFtを生成しない構成であるとしたが、これに限定するものではない。生成部25は、PARが所定の閾値以上で以上である場合、次の複数の検知期間において送信信号RFtを生成しない構成であってもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサでは、制御部4は、送信部1が電波を送信していない期間において受信部1が受信した電波に基づいて調整処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部4は、たとえば、送信信号RFtを生成しない検知期間および送信信号RFtを生成する検知期間において受信部1が受信した電波に基づいて調整処理を行う構成であってもよい。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサでは、制御部4は、受信部2によって受信された電波に基づいて、受信部2における当該電波の受信電力が小さくなるように調整処理を行う。
このような構成により、たとえば電波センサ102が干渉電波を受信している場合においても、合成波の偏波の向きを、干渉電波の影響を受け難い偏波の向きに調整することができるため、対象物Tgtをより良好に検知することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサでは、制御部4は、送信部1が電波を送信していない期間において受信部2が受信した電波に基づいて調整処理を行う。
このような構成により、たとえば干渉電波の偏波の向きを検出することができるため、干渉電波の影響を受け難い偏波の向きを算出することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
電波センサであって、
対象エリアへ電波を送信する送信部と、
前記対象エリアからの電波を受信する受信部と、
受信部によって受信された電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知する検知部と、
受信部によって受信された電波に基づいて、前記送信部を制御することにより、前記対象エリアへ送信される電波の偏波の向きを調整する調整処理を行う制御部とを備え
前記送信部は、交差する2つのアンテナを含み、
前記制御部は、各前記アンテナへ出力される無線信号の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整することにより前記調整処理を行い、
前記制御部は、前記送信部の前記偏波の調整内容に基づいて、各受信アンテナにおいて受信された電波に基づく信号の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整し、
前記電波センサは、さらに、
前記制御部の調整内容に基づいて、前記受信部によって受信された電波に基づく信号を合成する合成部を備える、電波センサ。
1 送信部
2 受信部
3 合成部
4 制御部
5,8 検知部
6 クロック生成回路
7 記憶部
21 送信アンテナ部
21A,21B 送信アンテナ
22A,22B パワーアンプ
23 移相器
25 生成部
26A,26B 可変減衰器
27 ハイブリッドカプラ
31 受信アンテナ部
31A,31B 受信アンテナ
32A,32B ローノイズアンプ
35A,35B IQ復調器
36A,36B,37A,37B A/Dコンバータ
41 メモリ
42 FFT処理部
43 FMCW処理部
44 パターン信号取得部
45 検知処理部
46 電力算出部
101,102 電波センサ
141 中継装置
151 信号制御装置
152 無線送信装置
153 アンテナ
161 歩行者用信号灯器
301 安全運転支援システム

Claims (8)

  1. 対象エリアへ電波を送信する送信部と、
    前記対象エリアからの電波を受信する受信部と、
    受信部によって受信された電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知する検知部と、
    受信部によって受信された電波に基づいて、前記送信部を制御することにより、前記対象エリアへ送信される電波の偏波の向きを調整する調整処理を行う制御部とを備える、電波センサ。
  2. 前記送信部は、異なる向きの2つの偏波を送信し、
    前記制御部は、前記2つの偏波の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整することにより、前記調整処理を行う、請求項1に記載の電波センサ。
  3. 前記制御部は、前記受信部によって受信される電波の信号レベルが大きくなるように前記調整処理を行う、請求項1または請求項2に記載の電波センサ。
  4. 前記制御部は、前記受信部によって受信された電波であって、前記対象エリアのうちの受信電界に関する所定条件を満たす一部のエリアからの電波に基づいて前記調整処理を行う、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電波センサ。
  5. 前記検知部は、前記受信部によって受信された電波に基づいてスペクトルを生成し、
    前記制御部は、前記検知部によって作成された前記スペクトルの複数のピークのうち、強度の小さいピークが優先的に大きくなるように前記調整処理を行う、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電波センサ。
  6. 前記制御部は、前記受信部によって受信された電波に基づいて、前記受信部における前記電波の受信電力が小さくなるように前記調整処理を行う、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電波センサ。
  7. 前記制御部は、前記送信部が電波を送信していない期間において前記受信部が受信した電波に基づいて前記調整処理を行う、請求項6に記載の電波センサ。
  8. 電波を送信する送信部を備える電波センサにおける制御方法であって、
    対象エリアへ電波を送信するステップと、
    前記対象エリアからの電波を受信するステップと、
    受信した電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知するステップと、
    受信した電波に基づいて、前記送信部を制御することにより、前記対象エリアへ送信される電波の偏波の向きを調整する調整処理を行うステップとを含む、制御方法。
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