JP2017215195A - レーダ装置及びターゲット検出方法 - Google Patents

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幸太郎 石本
Kotaro Ishimoto
幸太郎 石本
岸田 正幸
Masayuki Kishida
正幸 岸田
渉 長谷川
Wataru Hasegawa
渉 長谷川
杉山 裕一
Yuichi Sugiyama
裕一 杉山
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Abstract

【課題】低反射ターゲットの検出率を向上すること。【解決手段】レーダ装置1は、送信アンテナ素子群15と、受信アンテナ素子群16と、ビート信号合成部101と、ターゲット判定部104とを有する。送信アンテナ素子群15は、周波数変調された送信信号を送信する。受信アンテナ素子群16は、送信信号がターゲットにおいて反射することによって到来する反射信号を受信する。ビート信号合成部101は、送信信号の複数回の送信及び反射信号の複数回の受信によって得られる時系列な複数のビート信号を合成して合成ビート信号を得る。ターゲット判定部104は、合成ビート信号に基づいて、ターゲットが存在するか否かを判定する。【選択図】図2

Description

本発明は、レーダ装置及びターゲット検出方法に関する。
レーダ装置では、レーダ装置から送信された送信信号がターゲットにおいて反射することによって到来する反射信号を受信することによって、ターゲットが検知される。
特開2001−153946号公報
しかしながら、従来のレーダ装置では、送信信号の反射率が高いターゲット(以下では「高反射ターゲット」と呼ぶことがある)は検知可能である一方で、送信信号の反射率が低いターゲット(以下では「低反射ターゲット」と呼ぶことがある)からの反射信号は利得が低くて雑音に埋もれてしまうことがあるため、低反射ターゲットが検知されないことがある。例えば、高反射ターゲットは、送信信号の反射率が所定の閾値以上のターゲットであり、低反射ターゲットは、送信信号の反射率が所定の閾値未満のターゲットである。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、低反射ターゲットの検出率を向上することを目的とする。
開示の態様では、レーダ装置は、送信アンテナ素子と、受信アンテナ素子と、合成部と、判定部とを有する。前記送信アンテナ素子は、周波数変調された送信信号を送信する。前記受信アンテナ素子は、前記送信信号がターゲットにおいて反射することによって到来する反射信号を受信する。前記合成部は、前記送信信号の複数回の送信及び前記反射信号の複数回の受信によって得られる時系列な複数の探査結果を合成して合成探査結果を得る。前記判定部は、前記合成探査結果に基づいて、前記ターゲットが存在するか否かを判定する。
開示の態様によれば、低反射ターゲットの検出率を向上することができる。
図1は、実施例1のレーダ装置の構成例を示す図である。 図2は、実施例1のプロセッサの機能を示す機能ブロック図である。 図3は、実施例1の送信信号と反射信号とビート信号との間の関係を示す図である。 図4は、実施例1のアップ区間でのピーク抽出の説明に供する図である。 図5は、実施例1のダウン区間でのピーク抽出の説明に供する図である。 図6は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図7は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図8は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図9は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図10は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図11は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図12は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図13は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図14は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図15は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図16は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図17は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図18は、実施例1のターゲット判定部の動作例の説明に供する図である。 図19は、実施例1のターゲット判定部の動作例の説明に供する図である。 図20は、実施例1のターゲット判定部の動作例の説明に供する図である。 図21は、実施例1のターゲット判定部の動作例の説明に供する図である。 図22は、実施例1のターゲット判定部の動作例の説明に供する図である。 図23は、実施例1のレーダ装置の処理の一例の説明に供するフローチャートである。 図24は、実施例1のマップ更新部の動作例の説明に供する図である。 図25は、実施例1のビーム方向制御部の動作例の説明に供する図である。 図26は、実施例1のビーム方向制御部の動作例の説明に供する図である。 図27は、実施例1のビーム方向制御部の動作例の説明に供する図である。 図28は、実施例1のビーム方向制御部の動作例の説明に供する図である。 図29は、実施例1のビーム方向制御部の動作例の説明に供する図である。 図30は、実施例2のレーダ装置の構成例を示す図である。 図31は、実施例2の道路構造物パターン情報の一例を示す図である。 図32は、実施例2の道路構造物パターン情報の一例を示す図である。 図33は、実施例2の道路構造物パターン情報の一例を示す図である。 図34は、実施例2の道路構造物パターン情報の一例を示す図である。 図35は、実施例2の道路構造物パターン情報の一例を示す図である。 図36は、実施例2のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図37は、実施例2のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図38は、実施例3のレーダ装置の構成例を示す図である。 図39は、実施例3のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図40は、実施例3のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図41は、実施例3のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。 図42は、実施例4のレーダ装置の構成例を示す図である。
以下に、本願の開示するレーダ装置及びターゲット検出方法の実施例を図面に基づいて説明する。なお、この実施例により本願の開示するレーダ装置及びターゲット検出方法が限定されるものではない。以下では、各実施例において同一の機能を有する構成及び同一の処理を行うステップには同一の符号を付す。
本願の開示するレーダ装置の一例として、ミリ波レーダが挙げられる。また、本願の開示するレーダ装置は、例えば、車両に搭載され、周波数変調した連続波であるFM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)を用いて、車両の周辺に存在するターゲットを検出する。本願の開示するレーダ装置が検出対象とするターゲットには、静止しているターゲット(以下では「静止ターゲット」と呼ぶことがある)と、移動しているターゲット(以下では「移動ターゲット」と呼ぶことがある)との両者が含まれる。静止ターゲットの一例として、路面、路側帯及び歩道等に設置された、信号機、ポール、歩道橋、電柱、交通標識、ガードレール等が挙げられる。また、移動ターゲットの一例として、自車両の前方または側方を走行する他の車両等が挙げられる。
[実施例1]
<レーダ装置の構成>
図1は、実施例1のレーダ装置の構成例を示す図である。図1において、レーダ装置1は、プロセッサ10と、メモリ20と、変調信号発生器11と、発振器12と、分配器13と、フェーズシフタ14と、送信アンテナ素子群15とを有する。また、レーダ装置1は、受信アンテナ素子群16と、ミキサ17−1,17−2,17−3と、ADC(Analog to Digital Converter)18−1,18−2,18−3とを有する。送信アンテナ素子群15は、送信アンテナ素子15−1,15−2,15−3を有し、受信アンテナ素子群16は、受信アンテナ素子16−1,16−2,16−3を有する。送信アンテナ素子15−1,15−2,15−3は、直線上に一列に並べて配列され、送信アンテナアレイを形成する。また、受信アンテナ素子16−1,16−2,16−3は、直線上に一列に並べて配列され、受信アンテナアレイを形成する。送信アンテナ素子群15及び受信アンテナ素子群16において、各アンテナ素子間の間隔dは、例えば、送受信される電波の波長λの2分の1に設定される。送信アンテナ素子群15が有する送信アンテナ素子の数は3本に限定されず、受信アンテナ素子群16が有する受信アンテナ素子の数は3本に限定されない。また、レーダ装置1が有する送信アンテナ素子及び受信アンテナ素子の何れか一方が複数であれば、他方は単数(1本)であっても良い。また、プロセッサ10の一例として、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。また、メモリ20の一例として、SDRAM等のRAM、ROM、フラッシュメモリ等が挙げられる。
以下では、レーダ装置1によって検出されたターゲットを「検出ターゲット」と呼ぶことがある。プロセッサ10は、検出ターゲットの情報(以下では「検出ターゲット情報」と呼ぶことがある)を出力する。検出ターゲット情報には、レーダ装置1に対する検出ターゲットの方位、レーダ装置1から検出ターゲットまでの距離、及び、レーダ装置1に対する検出ターゲットの相対速度が含まれる。
変調信号生成器11は、三角波状に電圧が変化する変調信号を生成し、生成した変調信号を発振器12へ出力する。
発振器12は、変調信号生成器11から入力される変調信号に基づいて連続波の信号を周波数変調することによって、時間の経過に伴って周波数が変化する送信信号を生成し、生成した送信信号を分配器13へ出力する。
分配器13は、発振器12から入力される送信信号を、送信アンテナ素子15−1,15−2,15−3の各々と、ミキサ17−1,17−2,17−3の各々とに分配する。
フェーズシフタ14は、送信アンテナ素子15−1,15−2,15−3を重み係数Wa1,Wa2,Wa3によってそれぞれ重み付けしてビームを形成する。このとき、フェーズシフタ14は、プロセッサ10から入力される重み係数Wa1,Wa2,Wa3を用いてビームを形成する。重み係数Wan(ここでは、n=1,2,3)は、例えば以下の式(1)によって表される。但し、式(1)において、eは自然対数の底、jは虚数単位、dは送信アンテナ素子間の間隔、λは電波の波長を示す。このような重み係数Wa1,Wa2,Wa3によって送信アンテナ素子15−1,15−2,15−3が重み付けされることにより、送信アンテナ素子15−1,15−2,15−3の各々がθの方向へ放射する電波の位相が揃うため、θの方向にビームが形成される。
送信アンテナ素子15−1,15−2,15−3の各々は、発振器12によって周波数変調され、かつ、フェーズシフタ14によって重み付けされた送信信号を送信する。
受信アンテナ素子16−1,16−2,16−3の各々は、送信信号がターゲットにおいて反射することによって到来する反射信号を受信する。
ミキサ17−1,17−2,17−3の各々は、分配器13から入力される送信信号と、受信アンテナ素子16−1,16−2,16−3から入力される受信信号とをミキシングする。ミキサ17−1,17−2,17−3でのミキシングにより、送信信号の周波数と受信信号の周波数との差分周波数である「ビート周波数」を示す「ビート信号」が生成される。ミキサ17−1,17−2,17−3は、ミキシングにより生成したビート信号を、ADC18−1,18−2,18−3へ出力する。
ADC18−1,18−2,18−3は、アナログのビート信号をデジタルのビート信号に変換し、変換後のデジタルのビート信号をプロセッサ10へ出力する。
<プロセッサの機能>
図2は、実施例1のプロセッサの機能を示す機能ブロック図である。プロセッサ10は、プロセッサ10の機能として、ビート信号合成部101と、フーリエ変換部102と、データ処理部103と、ターゲット判定部104と、マップ更新部105と、ビーム方向制御部106と、タイマ107と、ターゲット情報出力部108とを有する。
ビート信号合成部101は、ADC18−1,18−2,18−3の各々から入力される現在のビート信号に過去のビート信号を合成して「合成ビート信号」を生成し、生成した合成ビート信号をフーリエ変換部102へ出力するとともに、メモリ20に記憶させる。ビート信号合成部101は、例えば、ADC18−1,18−2,18−3の各々から入力されるビート信号を互いに位相を合わせて時系列的に累積加算することによって合成ビート信号を生成する。つまり、ビート信号合成部101は、送信信号の複数回の送信及び反射信号の複数回の受信によって得られる時系列な複数のビート信号を互いに位相を合わせて合成して合成ビート信号を得る。互いに位相を合わせて複数のビート信号を合成することで、時系列的に相関のある信号成分は増強され、時系列的に相関のないノイズ成分が相対的に抑制される。よって、互いに位相を合わせて複数のビート信号を合成することで、信号成分に対する利得を実質的に高めることができる。互いに位相を合わせて複数のビート信号を合成する方法としては、例えば、合成対象の2つのビート信号の所定区間に対して、位相差を少しずつずらしながら相関係数を演算し、相関係数が最大になる位相差において2つのビート信号を加算または平均化する方法が挙げられる。3つ以上のビート信号を合成する場合には、まず、2つのビート信号を上記の方法で合成し、次いで、合成後の信号と3つ目のビート信号とを上記の方法で合成し、以降、合成後の信号と4つ目以降の各ビート信号とを対象として、同様の処理を繰り返せば良い。但し、ビート信号の合成方法は、複数のビート信号の位相を合わせて合成する方法であれば、上記の方法に限定されない。そして、実施例1において、時系列な複数の「ビート信号」は、レーダ装置1での時系列な複数の「探査結果」に相当し、「合成ビート信号」は、時系列な複数の探査結果を合成した「合成探査結果」に相当する。
フーリエ変換部102は、ADC18−1,18−2,18−3の各々から入力されるビート信号に対してFFT(Fast Fourier Transform)を実行することにより、ADC18−1,18−2,18−3から入力されるビート信号を周波数領域のデータである周波数スペクトルに変換する。また、フーリエ変換部102は、ビート信号合成部101から入力される合成ビート信号に対してFFTを実行することにより、合成ビート信号を周波数スペクトルに変換する。以下では、ビート信号合成部101を介さずにADC18−1,18−2,18−3から直接フーリエ変換部102へ入力されるビート信号に対応する周波数スペクトルを「瞬時スペクトル」と呼ぶことがある。また以下では、合成ビート信号に対応する周波数スペクトルを「合成スペクトル」と呼ぶことがある。フーリエ変換部102は、瞬時スペクトルをデータ処理部103へ出力し、合成スペクトルをターゲット判定部104へ出力する。
データ処理部103は、まず、瞬時スペクトルにおいて、所定の信号パワーを超える周波数ピークを、送信信号の周波数が上昇する区間である「アップ区間」と、送信信号の周波数が下降する区間である「ダウン区間」とのそれぞれの区間において抽出する。
ここで、周波数ピークの抽出処理について、図3〜図5を参照して説明する。図3は、実施例1の送信信号と反射信号とビート信号との間の関係を示す図である。また、図4は、実施例1のアップ区間でのピーク抽出の説明に供する図であり、図5は、実施例1のダウン区間でのピーク抽出の説明に供する図である。なお、説明を簡単にするため、図3に示す反射信号RWは1つのターゲットからの理想的な反射信号としている。また図3では、送信信号TWを実線で示し、反射信号RWを破線で示している。
図3の上図に示すように、送信信号TWは、中心周波数f0を中心として一定の周期で周波数が上下する連続波であり、送信信号TWの周波数は、時間に対して線形的に変化する。ここでは、送信信号TWの周波数の変位幅を「ΔF」、送信信号TWの周波数が上下する一周期の逆数を「fm」とする。
反射信号RWは、送信信号TWがターゲットで反射したものであるため、送信信号TWと同様に、所定の周波数を中心として所定の周期で周波数が上下する連続波となる。但し、反射信号RWには、送信信号TWに対して時間遅延が生じる。送信信号TWに対する反射信号RWの遅延時間τは、自車両からターゲットまでの距離に応じたものとなる。また、反射信号RWには、自車両に対するターゲットの相対速度Vに応じたドップラー効果により、送信信号TWに対して周波数fdの周波数偏移が生じる。
このように、反射信号RWには、送信信号TWに対して、距離に応じた時間遅延とともに、相対速度に応じた周波数偏移が生じる。このため、図3の下図に示すように、ミキサ17−1,17−2,17−3で生成されるビート信号の周波数(以下では「ビート周波数」と呼ぶことがある)は、送信信号TWの周波数が上昇するアップ区間と、送信信号TWの周波数が下降するダウン区間とで異なる値となる。また、ビート周波数は、送信信号TWの周波数と反射信号RWの周波数との差の周波数となる。図3の下図では、アップ区間のビート周波数を「fup」と表記し、ダウン区間のビート周波数を「fdn」と表記する。
そして、図4及び図5に示すように、ビート信号に対するフーリエ変換部102でのFFTによって、アップ区間のビート周波数fup及びダウン区間のビート周波数fdnのそれぞれの周波数領域における周波数スペクトルが得られる。図4には、アップ区間のビート周波数fupに対応する瞬時スペクトルを示し、図5には、ダウン区間のビート周波数fdnに対応する瞬時スペクトルを示す。
データ処理部103は、図4に示す瞬時スペクトルにおいて、所定の信号パワーPrefを超える周波数ピークPuを抽出し、図5に示す瞬時スペクトルにおいて、所定の信号パワーPrefを超える周波数ピークPdを抽出する。なお、所定の信号パワーPrefは、アップ区間とダウン区間とで異なる値に設定されても良い。
次いで、データ処理部103は、抽出した周波数ピークPu,Pdに基づいてターゲットの方位を算出する。データ処理部103は、例えばESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)等の方位角度推定方式を用いて、ターゲットの方位を算出する。
次いで、データ処理部103は、周波数ピークPu,Pdのピーク値、周波数ピークPu,Pdの周波数軸上でのピーク位置、及び、算出した方位の一致度合い等に基づき、周波数ピークPuと周波数ピークPdとを対応付ける「ペアリング」を行う。
次いで、データ処理部103は、ドップラー効果による周波数偏移fdを式(2)に従って算出する。
データ処理部103は、式(2)に従って算出される周波数偏移fdが0(ゼロ)である場合、ターゲットの相対速度Vを0(ゼロ)とする。
ここで、ビート周波数を「fr」とすると、ビート周波数frは式(3)によって表される。また、ビート周波数frは遅延時間τに応じた値となる。
そこで、データ処理部103は、ビート周波数frを用い、式(4)に従って、レーダ装置1からターゲットまでの距離Rを算出する。式(4)において、「c」は光速である。
また、データ処理部103は、周波数偏移fdが0(ゼロ)ではない場合、式(5)に従って、ターゲットの相対速度Vを算出する。
そして、データ処理部103は、算出した方位、算出した距離R、及び、算出した相対速度Vをマップ更新部105及びターゲット判定部104へ出力する。データ処理部103が算出した方位及び距離Rによって、レーダ装置1の所定の探索エリアSAにおいて、ターゲットの位置が特定される。
一方で、ターゲット判定部104は、フーリエ変換部102から入力される合成スペクトルと、メモリ20に記憶されている「検出ターゲット閾値TH1」及び「非ターゲット閾値TH2」とを用いて、ターゲットが存在するか否かという判定である「ターゲット判定」を行う。ここで、ターゲット判定部104での判定結果は、ターゲットが存在するという判定結果と、ターゲットが存在しないという判定結果と、ターゲットが存在するか否かの判定を保留にするという判定結果の三種に区別される。ターゲット判定部104によって存在すると判定されたターゲットは「検出ターゲット」に相当する。
また、ターゲット判定部104は、データ処理部103から入力される方位及び距離Rを用いて、レーダ装置1の探索エリアSAにおいて、ターゲットが存在すると判定した位置(以下では「検出ターゲット位置」と呼ぶことがある)と、ターゲットが存在しないと判定した位置(以下では「非ターゲット位置」と呼ぶことがある)と、ターゲットが存在するか否かの判定を保留にした位置(以下では「ターゲット候補位置」と呼ぶことがある)とを特定する。換言すれば、ターゲット候補位置は、ターゲット判定部104が、「探索エリアSAにおいて、ターゲット存在すると判定できない位置」である。さらに換言すれば、ターゲット候補位置は、「探索エリアSAにおいて、ターゲットが存在するかもしれないが、ターゲットが存在することが未だ確定していない位置」であるターゲット判定部104は、特定した検出ターゲット位置、非ターゲット位置、及び、ターゲット候補位置をマップ更新部105へ出力する。
以上の説明では、探索エリアSAを「検出ターゲット位置」、「非ターゲット位置」、「ターゲット候補位置」の3通りに区別したが、必ずしも3通りである必要はなく、例えば、探索エリアSAを「検出ターゲット位置」、「ターゲット候補位置」の2通りに区別しても良い。
探索エリアSAを「検出ターゲット位置」、「ターゲット候補位置」の2通りに区別する場合は、「検出ターゲット閾値TH1」だけを用い、「非ターゲット閾値TH2」を用いない。そして、「検出ターゲット閾値TH1」を越えた位置(つまり、ターゲットが検出された位置)は「検出ターゲット位置」に区別され、それ以外の位置はすべて「ターゲット候補位置」に区別される。ターゲットが検出されていない位置でも、信号を合成していくことでゲインが上がり、ターゲットが検出される可能性があるからである。なお、この場合は「非ターゲット位置」は存在しないことになるため、以下の説明でも「非ターゲット位置」を特定する必要はない。
なお、合成スペクトルにも、アップ区間のビート周波数fupに対応する合成スペクトル(以下では「アップ区間合成スペクトル」と呼ぶことがある)と、ダウン区間のビート周波数fdnに対応する合成スペクトル(以下では「ダウン区間合成スペクトル」と呼ぶことがある)とがある。ターゲット判定部104は、アップ区間合成スペクトルまたはダウン区間合成スペクトルの何れか一方を用いてターゲット判定を行っても良く、また、アップ区間合成スペクトルとダウン区間合成スペクトルとの平均値を用いてターゲット判定を行っても良い。
メモリ20には、「二次元マップ」が記憶されている。メモリ20に記憶されている二次元マップは、レーダ装置1の探索エリアSAに対応する。また、レーダ装置1の探索エリアSAは、複数のブロックから形成される。つまり、メモリ20に記憶されている二次元マップには、探索エリアSAを形成する複数のブロックが含まれる。マップ更新部105は、ターゲット判定部104でのターゲット判定が行われる度に、二次元マップ内の各ブロックに「ターゲット情報」を対応付けて、二次元マップを更新する。二次元マップ内の各ブロックに対応付けられるターゲット情報には、各ブロックが検出ターゲット位置、非ターゲット位置またはターゲット候補位置の何れに該当するかを示す情報(以下では「位置種別情報」と呼ぶことがある)と、データ処理部103によって算出された方位、距離R及び相対速度Vとが含まれている。よって、メモリ20に記憶されているターゲット情報も、ターゲット判定部104でのターゲット判定が行われる度に、二次元マップの更新に同期して、マップ更新部105によって更新される。マップ更新部105は、二次元マップ及びターゲット情報の更新を行う度に、二次元マップ及びターゲット情報を更新したことを示す「更新通知」をビーム方向制御部106へ出力する。
ターゲット情報出力部108は、メモリ20に記憶され、かつ、マップ更新部105によって更新されるターゲット情報を、所定のタイミングでレーダ装置1の外部へ出力する。
ビーム方向制御部106は、マップ更新部105から更新通知が入力される度に、送信アンテナ素子群15から送信される送信信号のビーム方向をレーダ装置1の探索エリアSAにおいて順次変化させて、探索エリアSAを走査する。ビーム方向制御部106は、重み係数Wa1,Wa2,Wa3を順次変化させながら算出することにより送信信号のビーム方向を順次変化させる。ビーム方向制御部106は、算出した重み係数Wa1,Wa2,Wa3をフェーズシフタ14へ出力する。つまり、レーダ装置1は、APA(Active Phased Array)方式のレーダ装置である。
また、タイマ107は、所定の満了時間を有する。ビーム方向制御部106は、探索エリアSAの全範囲の走査が完了した時点でタイマ107を起動させ、タイマ107が満了した時点で、再び、探索エリアSAの全範囲を走査する。換言すれば、ビーム方向制御部106は、探索エリアSAの全範囲の走査が完了してから所定時間が経過した時点で、再び、探索エリアSAの全範囲を走査する。つまり、ビーム方向制御部106は、一定時間毎に、探索エリアSAの全範囲を走査する。
<レーダ装置の動作>
図6〜図17は、実施例1のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。図6〜図17では、例えば、レーダ装置1は、進行方向をd1(図7)とする車両の側面に搭載され、車両の側方へ向かって送信信号を送信する。
図6は、車両の側面から見た図である。図6に示すように、レーダ装置1が側面に搭載された車両の側方には、金属製の道路標識RSと、ゴム製のポールP1,P2,P3とが設置されている。道路標識RSは金属製であるため、道路標識RSの反射率は高い一方で、ポールP1,P2,P3はゴム製であるため、ポールP1,P2,P3の反射率は低い。つまり、道路標識RSは高反射ターゲットであり、ポールP1,P2,P3は低反射ターゲットである。そして、レーダ装置1から道路標識RS及びポールP1,P2,P3に対して、ビームBMが照射される。
図7は、車両の上方から見た図である。図7に示すように、送信アンテナ素子群15から送信される送信信号のビームBMは所定の照射範囲IRを有する。また、ビーム方向制御部106は、ビームBMのビーム方向を探索エリアSA内で順次変化させる。探索エリアSAは、距離方向(X方向)における所定の長さX1と、方位方向(Y方向)における所定の長さY1とによって規定される二次元平面である。
また、図8に示すように、メモリ20には、探索エリアSAに対応する二次元マップMPが記憶されている。二次元マップMPは、探索エリアSAを形成する複数のブロックBLに分割されている。
そして、図9に示すように、まず、ビーム方向制御部106は、二次元マップ上において未だビームが照射されていない位置(以下では「未照射位置」と呼ぶことがある)の方向へビームBMを照射する。
図9でのビームの照射に対応する反射信号に基づいて、ターゲット判定部104は、図10に示すように、照射範囲IRにおいて、検出ターゲット位置TGと、ターゲット候補位置TCと、非ターゲット位置NTとを特定する。なお、図10において、未照射位置は「UI」によって示されている。
例えば、ターゲット判定部104は、図11に示すようにしてターゲット判定を行って、検出ターゲット位置TGと、ターゲット候補位置TCと、非ターゲット位置NTとを特定する。すなわち、図11における周波数はレーダ装置1からターゲットまでの距離Rに対応するため、ターゲット判定部104は、探索エリアSAの全範囲の走査が完了する前は、瞬時スペクトルにおいて、検出ターゲット閾値TH1以上の範囲に対応する位置を検出ターゲット位置TGとして特定し、非ターゲット閾値TH2未満の範囲に対応する位置を非ターゲット位置NTとして特定する。また、ターゲット判定部104は、探索エリアSAの全範囲の走査が完了する前は、瞬時スペクトルにおいて、非ターゲット閾値TH2以上かつターゲット閾値TH1未満の範囲に対応する位置をターゲット候補位置TCとして特定する。
そして、ビーム方向制御部106は、図12に示すように、時間の経過に伴ってビームBMのビーム方向を探索エリアSA内(つまり、二次元マップ内)において順次変化させながら、探索エリアSAを走査する。よって、ビーム方向制御部106による探索エリアSAの走査に伴って、ターゲット判定部104は、ビームBMの照射範囲IRにおいて、検出ターゲット位置TG、ターゲット候補位置TC及び非ターゲット位置NTとを順次特定する。また、ビーム方向制御部106による探索エリアSAの走査に伴って、マップ更新部105は、ターゲット判定部104での判定結果に従って、二次元マップを順次更新する。
そして図12では、時刻tNに達した時点で、探索エリアSAの全範囲の走査が完了したものとする。つまり、図12では、時刻tNに達した時点で、未照射位置UIが存在しなくなったものとする。図6に示す道路標識RSは高反射ターゲットであり、図6に示すポールP1,P2,P3は低反射ターゲットであるため、時刻tNの時点では、探索エリアSA(つまり、二次元マップ)において、道路標識RSが存在する位置が検出ターゲット位置TGとして特定され、ポールP1,P2,P3が存在する位置がターゲット候補位置TCとして特定されている。
ビーム方向制御部106は、探索エリアSAの全範囲の走査が完了して未照射位置UIが存在しなくなった後は、以下のようにして、探索エリアSAを繰り返し走査する。また、ビーム方向制御部106は、探索エリアSAを繰り返し走査する際に、以下のように、探索エリアSAにおいて、検出ターゲット位置TG、非ターゲット位置NT及びターゲット候補位置TCのうち、ターゲット候補位置TCの方向だけにビーム方向を設定する。
すなわち、ビーム方向制御部106は、探索エリアSAの全範囲の走査が完了して未照射位置UIが存在しなくなった後は、二次元マップを参照し、図13に示すように、探索エリアSA内(つまり、二次元マップ内)に複数のターゲット候補位置TCがある場合は、それら複数のターゲット候補位置TCのうちの何れかの方向へビーム方向を設定する。これにより、レーダ装置1では、図13に示すターゲット候補位置TCに存在するポールP2(図6,図7)によって反射した反射信号が受信される。
そこで、ビート信号合成部101は、図14に示すように、時刻taで得られた過去のビート信号BT1と、時刻tbで得られた現在のビート信号BT2とを合成し、ビート信号BT1とビート信号BT2とを合成した合成ビート信号をメモリ20に記憶させる。ビート信号の合成の際、ビート信号合成部101は、二次元マップ上での同一位置のブロックBL毎にビート信号を合成する。このようなビート信号の合成により、二次元マップ上でターゲット候補位置TCに対応するブロックBL毎に合成ビート信号が得られる。つまり、メモリ20には、二次元マップ上でターゲット候補位置TCに対応するブロックBL毎に、ビート信号が時系列的に累積加算された合成ビート信号が記憶される。また、レーダ装置1が車両に搭載されて時間の経過に伴って移動する場合は、ビート信号合成部101は、例えば、SAR(Synthetic Aperture Radar)の手法を用い、レーダ装置1からターゲット候補位置TCまでの距離を補正してビート信号を合成しても良い。SARの手法を用いることにより、仮想的にアンテナの開口長が増加するため、合成ビート信号において、利得の向上及び雑音の抑圧を図ることができる。
次いで、ターゲット判定部104は、合成ビート信号に基づいてフーリエ変換部102によって生成された合成スペクトルを用いて、図15に示すようにして再びターゲット判定を行って、検出ターゲット位置TGと、ターゲット候補位置TCと、非ターゲット位置NTとを特定する。図11と図15とを比較すると、ターゲット候補位置TCでのビート信号の合成により、図15では、図11に比べて、ターゲット候補位置TC(つまり、二次元マップにおけるポールP2の存在位置)でのパワーが増加して検出ターゲット閾値TH1を超えている。よって、ターゲット判定部104は、図11の段階では、ポールP2の存在位置をターゲット候補位置TCとして特定していたのに対し、図15の段階では、ポールP2の存在位置を検出ターゲット位置TGとして特定する。
次いで、マップ更新部105は、図16に示すように、図15に示すターゲット判定の判定結果に従って、二次元マップを更新する。この二次元マップの更新により、図16に示すように、二次元マップ上で、ポールP2(図6,図7)の存在位置に対応する位置の一部が、ターゲット候補位置TCから検出ターゲット位置TGに更新される。
その後、ビーム方向制御部106は、図17に示すように、時間の経過に伴ってビームBMのビーム方向を探索エリアSA内(つまり、二次元マップ内)において順次変化させながら、探索エリアSAを走査する。この際、ビーム方向制御部106は、二次元マップを参照し、時刻t11,t12に示すように、探索エリアSAにおいて、検出ターゲット位置TG、非ターゲット位置NT及びターゲット候補位置TCのうち、ターゲット候補位置TCの方向だけにビーム方向を設定して走査を行う。また、ビーム方向制御部106によるターゲット候補位置TCだけに対する走査に伴って、ターゲット判定部104はターゲット判定を繰り返し、マップ更新部105は二次元マップを順次更新する。このように、ターゲット候補位置TCだけに対する走査が繰り返し行われる結果、図17では、時刻tMに達した時点で、二次元マップ上において、高反射ターゲットである道路標識RSの存在位置が検出ターゲット位置TGとして特定されるのに加えて、低反射ターゲットであるポールP1,P2,P3の存在位置が検出ターゲット位置TGとして特定される。つまり、道路標識RSに加えて、ポールP1,P2,P3も、レーダ装置1によって、検出ターゲットとして認識される。
<ターゲット判定部の動作>
図18〜図22は、実施例1のターゲット判定部の動作例の説明に供する図である。図18〜図22は時系列的に並んでおり、図18〜図22のうち、図18が最も早い時刻の合成スペクトルを示し、図22が最も遅い時刻の合成スペクトルを示す。
二次元マップ上の或る一行のブロックBLに着目した場合、図18では、多数のブロックBLがターゲット候補位置TCとして特定されている。これに対し、時間の経過に伴って(つまり、図18から、図19、図20、図21と進むに伴って)、ビート信号が累積加算されて合成されることにより、低反射ターゲットの存在位置に対応するブロックBLでは合成スペクトルのパワーが徐々に増加する一方で、低反射ターゲットが存在しない位置に対応するブロックBLでは、雑音成分が抑圧されるため、合成スペクトルのパワーが徐々に減少する。その結果、図22では、図18においてターゲット候補位置TCとして特定されていた複数のブロックBLのうち、低反射ターゲットの存在位置に対応するブロックBLでは、合成スペクトルのパワーが検出ターゲット閾値TH1を超える一方で、低反射ターゲットが存在しない位置に対応するブロックBLでは合成スペクトルのパワーが非ターゲット閾値TH2未満となる。よって、図22では、図18においてターゲット候補位置TCとして特定されていた複数のブロックBLのうち、低反射ターゲットの存在位置に対応するブロックBLだけが、検出ターゲット位置TGとして特定される。
<レーダ装置の処理>
図23は、実施例1のレーダ装置の処理の一例の説明に供するフローチャートである。図23に示すフローチャートは、例えば、一定の時間間隔で開始される。
ビーム方向制御部106は、二次元マップを参照し、未照射位置の方向へビームを照射する(ステップST11)。
次いで、フーリエ変換部102は、ビート信号に対してFFTを行って瞬時スペクトルを得る(ステップST13)。
次いで、データ処理部103は、瞬時スペクトルを用いて、方位、距離R及び相対速度Vを算出する(ステップST15)。
次いで、ターゲット判定部104は、瞬時スペクトルを用いて、ターゲット判定を行う(ステップST17)。
次いで、マップ更新部105は、ターゲット判定部104での判定結果に従って、二次元マップを更新する(ステップST19)。
次いで、ビーム方向制御部106は、二次元マップを参照し、二次元マップ上に未照射位置が存在するか否かを判断する(ステップST21)。二次元マップ上に未照射位置が存在する場合(ステップST21:Yes)、処理はステップST11に戻る。一方で、二次元マップ上に未照射位置が存在しない場合(ステップST21:No)、つまり、探索範囲SAの全範囲の走査が完了した場合は、処理はステップST23へ進む。
ステップST23では、ビーム方向制御部106は、二次元マップを参照し、ターゲット候補位置TCの方向へビームを照射する。
次いで、ビート信号合成部101は、ビート信号を合成して合成ビート信号を得る(ステップST25)。
次いで、フーリエ変換部102は、ビート信号に対してFFTを行って瞬時スペクトルを得るとともに、合成ビート信号に対してFFTを行って合成スペクトルを得る(ステップST27)。
次いで、データ処理部103は、瞬時スペクトルを用いて、方位、距離R及び相対速度Vを算出する(ステップST29)。
次いで、ターゲット判定部104は、合成スペクトルを用いて、ターゲット判定を行う(ステップST31)。
次いで、マップ更新部105は、ターゲット判定部104での判定結果に従って、二次元マップを更新する(ステップST33)。
次いで、ビーム方向制御部106は、二次元マップを参照し、二次元マップ上にターゲット候補位置TCが存在するか否かを判断する(ステップST35)。二次元マップ上にターゲット候補位置TCが存在する場合(ステップST35:Yes)、処理はステップST23に戻る。
一方で、二次元マップ上にターゲット候補位置TCが存在しない場合は(ステップST35:No)、ターゲット情報出力部108は、ターゲット情報を出力する(ステップST37)。
<マップ更新部の動作>
図24は、実施例1のマップ更新部の動作例の説明に供する図である。マップ更新部105(図2)には、レーダ装置1を搭載する自車両の車速を示す車速情報が入力される。マップ更新部105は、自車両の車速に基づいて、所定時間毎の自車両の移動距離を算出する。そして、マップ更新部105は、図24に示すように、自車両の移動距離(つまり、レーダ装置1の移動距離)に応じて既存の二次元マップを更新する。二次元マップの更新の際、マップ更新部105は、二次元マップ上において、車両の移動方向前方に、自車両の移動距離に応じた新領域を作成する。
詳細にはレーダ装置1の移動に伴って、移動方向d1において新たにレーダ装置1の検知範囲に入ってくる領域を新たなマップ領域として作成するとともに、既存の領域の全体を移動方向d1と反対方向にシフトし、シフトの結果マップの端からはみ出る部分(つまり、レーダ装置1の移動に伴ってレーダ装置1の検知範囲から外れる領域)を削除する。
<ビーム方向制御部の動作>
図25〜図29は、実施例1のビーム方向制御部の動作例の説明に供する図である。以下、ビーム方向制御部106の動作例を、動作例1〜5に分けて説明する。
<動作例1:図25>
動作例1は、ビーム方向制御部106が、探索エリアSAにおいて、検出ターゲット位置TG、非ターゲット位置NT及びターゲット候補位置TCのうち、ターゲット候補位置TCの方向だけにビーム方向を設定する場合の動作例である。
動作例1では、二次元マップ内の各ブロックBLに対応付けられるターゲット情報には、位置種別情報、方位、距離R及び相対速度Vの他に、移動方向及び移動速度が含まれている。移動方向及び移動速度は、データ処理部103によって、方位、距離R及び相対速度Vの変化量に基づいて算出される。
ビーム方向制御部106は、二次元マップ内の各ブロックBLに対応付けられるターゲット情報を参照し、ターゲット情報に含まれる移動方向及び移動速度に基づいて、ターゲット候補位置TCが移動しているか否かを判断する。そして、ビーム方向制御部106は、図25に示すように、ターゲット候補位置TCのうち、移動してないターゲット候補位置TC2,TC3,TC4よりも、移動しているターゲット候補位置TC1に対して優先的にビームBMを照射する。また、ビーム方向制御部106は、レーダ装置1に対するターゲット候補位置TC1の相対的な移動に追従させてビーム方向を変化させる。
また、ビーム方向制御部106がターゲット候補位置TC1の移動に追従させてビーム方向を変化させる際には、ビート信号合成部101は、レーダ装置1に対するターゲット候補位置TC1の相対的な移動量を考慮してビート信号を合成するのが好ましい。
<動作例2:図26,図27>
動作例2は、探索エリアSA内に複数の未照射位置が残っている場合の動作例である。
動作例2では、ビーム方向制御部106は、二次元マップを参照し、図26に示すように、未照射位置が存在する方向D1,D2,D3のそれぞれについて、ビームの照射範囲IRに含まれる複数のブロックBLのうちの未照射位置のブロック(以下では「未照射ブロック」と呼ぶことがある)の数を算出する。ここでは、方向D1における未照射ブロックの数が「N1」、方向D2における未照射ブロックの数が「N2」、方向D3における未照射ブロックの数が「N3」と算出され、「N3>N1>N2」であったものとする。そこで、ビーム方向制御部106は、図27に示すように、ビーム方向D3のビームBM1、ビーム方向D1のビームBM2、ビーム方向D2のビームBM3の順番でビーム方向を設定する。つまり、ビーム方向制御部106は、ビームの照射範囲IRに含まれる複数のブロックBLのうち未照射ブロックの数がより多い方向から順にビーム方向を設定する。
<動作例3>
動作例2において、複数の方向D1,D2,D3の間において、ビームの照射範囲IRに含まれる未照射ブロックの数が同一となる場合がある。この場合、ビーム方向制御部106は、探索エリアSAにおいて、方向D1,D2,D3のうち、レーダ装置1の進行方向d1(図7)により近い方向から順にビーム方向を設定する。よって、複数の方向D1,D2,D3の間においてビームの照射範囲IRに含まれる未照射ブロックの数が同一となる場合は、ビーム方向制御部106は、方向D1、方向D2、方向D3の順番でビーム方向を設定する。
<動作例4:図28,図29>
動作例4は、ビーム方向制御部106が、探索エリアSAにおいて、検出ターゲット位置TG、非ターゲット位置NT及びターゲット候補位置TCのうち、ターゲット候補位置TCの方向だけにビーム方向を設定する場合の動作例である。
動作例4では、ビーム方向制御部106は、二次元マップを参照し、図28に示すように、ターゲット候補位置TCが存在する方向D4,D5,D6のそれぞれについて、ビームの照射範囲IRに含まれる複数のブロックBLのうちのターゲット候補位置のブロック(以下では「ターゲット候補ブロック」と呼ぶことがある)の数を算出する。ここでは、方向D4におけるターゲット候補ブロックの数が「M4」、方向D5におけるターゲット候補ブロックの数が「M5」、方向D6におけるターゲット候補ブロックの数が「M6」と算出され、「M5>M4>M6」であったものとする。そこで、ビーム方向制御部106は、図29に示すように、ビーム方向D5のビームBM1、ビーム方向D4のビームBM2、ビーム方向D6のビームBM3の順番で、ビーム方向を設定する。つまり、ビーム方向制御部106は、ビームの照射範囲IRに含まれる複数のブロックBLのうちターゲット候補ブロックの数がより多い方向から順にビーム方向を設定する。
<動作例5>
動作例4において、複数の方向D4,D5,D6の間において、ビームの照射範囲IRに含まれるターゲット候補ブロックの数が同一となる場合がある。この場合、ビーム方向制御部106は、探索エリアSAにおいて、方向D4,D5,D6のうち、レーダ装置1の進行方向d1(図7)により近い方向から順にビーム方向を設定する。よって、複数の方向D4,D5,D6の間においてビームの照射範囲IRに含まれるターゲット候補ブロックの数が同一となる場合は、ビーム方向制御部106は、方向D4、方向D5、方向D6の順番でビーム方向を設定する。
以上のように、実施例1では、レーダ装置1は、送信アンテナ素子群15と、受信アンテナ素子群16と、ビート信号合成部101と、ターゲット判定部104とを有する。送信アンテナ素子群15は、周波数変調された送信信号を送信する。受信アンテナ素子群16は、送信信号がターゲットにおいて反射することによって到来する反射信号を受信する。ビート信号合成部101は、送信信号の複数回の送信及び反射信号の複数回の受信によって得られる時系列な複数のビート信号を合成して合成ビート信号を得る。ターゲット判定部104は、合成ビート信号に基づいて、ターゲットが存在するか否かを判定する。
こうすることで、低反射ターゲットに対するビート信号の利得を上げることができるため、低反射ターゲットの検出率を向上することができる。
また、実施例1では、レーダ装置1は、ビーム方向制御部106を有する。ビーム方向制御部106は、送信アンテナ素子群15から送信される送信信号のビーム方向を探索エリアSAにおいて順次変化させて探索エリアSAを繰り返し走査する。ターゲット判定部104は、ビーム方向制御部106による走査に伴って、ターゲット候補位置TCを特定する。そして、ビーム方向制御部106は、ターゲット判定部104がターゲット候補位置TCを特定すると、以降の走査において、ターゲット候補位置TCの方向だけにビーム方向を設定する。
こうすることで、探索エリアSAを繰り返し走査する際に、検出ターゲット位置TG、非ターゲット位置NT及びターゲット候補位置TCのうち、検出ターゲット位置TG及び非ターゲット位置NTをスキップしてターゲット候補位置TCだけを走査できるため、低反射ターゲットの検出率を向上するにあたり、探索エリアSAに対する走査の効率を向上させることができる。また、探索エリアSAを繰り返し走査する際に、検出ターゲット位置TG及び非ターゲット位置NTをスキップしてターゲット候補位置TCだけを走査できるため、ターゲット候補位置TCに対するビート信号の利得を相対的に高くすることができ、よって、低反射ターゲットを確実に検出できるようになる。
また、実施例1では、ターゲット判定部104は、探索エリアSAにおいて、合成ビート信号の周波数スペクトルのパワーが非ターゲット閾値TH2以上かつ検出ターゲット閾値TH1未満となる周波数位置に対応する位置をターゲット候補位置TCとして特定する。
こうすることで、検出ターゲット位置TG、非ターゲット位置NT及びターゲット候補位置TCを、簡易かつ正確に特定することができる。
また、実施例1では、ビーム方向制御部106は、一定時間毎に、探索エリアSAの全範囲を走査する。
こうすることで、探索エリアSA内のターゲットが移動を開始したことや、探索エリアSA内に新たに進入して来たターゲットを検出することができるため、ターゲットの検出率を向上することができる。
また、実施例1では、ビーム方向制御部106は、レーダ装置1に対するターゲット候補位置TCの相対的な移動に追従させてビーム方向を変化させる。
こうすることで、低反射ターゲットが移動ターゲットである場合でも、低反射ターゲットのターゲット候補位置TCを二次元マップに正しくマッピングすることができる。
また、実施例1では、ビート信号合成部101は、レーダ装置1に対するターゲット候補位置TCの相対的な移動量を考慮して時系列な複数のビート信号を合成する。
こうすることで、低反射ターゲットが移動ターゲットである場合でも、低反射ターゲットに対する合成ビート信号を正確に得ることができる。
また、実施例1では、探索エリアSAは複数のブロックBLから形成される。送信信号のビームは照射範囲IRを有する。ビーム方向制御部106は、探索エリアSAにおいて、ビームの照射範囲IRに含まれる未照射ブロックの数がより多い方向から順にビーム方向を設定する。
こうすることで、照射範囲IRを有するビームによって探索エリアSAの全範囲を走査するにあたり、ビームの最小の照射回数で探索エリアSAの全範囲を走査することができる。
また、実施例1では、ビーム方向制御部106は、複数の方向においてビームの照射範囲IRに含まれる未照射ブロックの数が同一である場合は、探索エリアSAにおいて、複数の方向のうち、レーダ装置1の進行方向により近い方向から順にビーム方向を設定する。
こうすることで、照射範囲IRを有するビームによって探索エリアSAの全範囲を走査する際に、新たなターゲットが検出される可能性がより高い方向から順にビーム方向を設定することができる。
また、実施例1では、ビーム方向制御部106は、探索エリアSAにおいて、ビームの照射範囲IRに含まれるターゲット候補ブロックの数がより多い方向から順にビーム方向を設定する。
こうすることで、照射範囲IRを有するビームによってターゲット候補位置TCを走査するにあたり、ビームの最小の照射回数で探索エリアSA内の全ターゲット候補位置TCを走査することができる。
また、実施例1では、ビーム方向制御部106は、複数の方向においてビームの照射範囲IRに含まれるターゲット候補ブロックの数が同一である場合は、探索エリアSAにおいて、複数の方向のうち、レーダ装置1の進行方向により近い方向から順にビーム方向を設定する。
こうすることで、照射範囲IRを有するビームによってターゲット候補位置TCを走査する際に、新たなターゲットが検出される可能性がより高い方向から順にビーム方向を設定することができる。
[実施例2]
実施例2は、ビーム方向制御部106が、探索エリアSAにおいて、検出ターゲット位置TG、非ターゲット位置NT及びターゲット候補位置TCのうち、ターゲット候補位置TCの方向だけにビーム方向を設定する場合の実施例である。
<レーダ装置の構成>
図30は、実施例2のレーダ装置の構成例を示す図である。図30において、メモリ20には道路構造物パターン情報が記憶されている。図31〜図35は、実施例2の道路構造物パターン情報の一例を示す図である。図31〜図35に示すように、メモリ20に記憶されている道路構造物パターン情報には、道路構造物の設置パターンPT1〜PT5が含まれる。例えば、設置パターンPT1(図31)はポールの設置パターンであり、設置パターンPT2(図32)は橋梁の欄干の設置パターンであり、設置パターンPT3(図33)は道路の白線上のリブの設置パターンであり、設置パターンPT4(図34)は防護柵の設置パターンであり、設置パターンPT5(図35)は防護壁の設置パターンである。また、道路構造物パターン情報に含まれる設置パターンPT1〜PT5の何れもが、低反射ターゲットの設置パターンである。よって、設置パターンPT1〜PT5の何れかを有する道路構造物がレーダ装置1の探索エリアSA内に存在する場合、探索エリアSAの全範囲の走査が完了した時点(つまり、探索エリアSA内に未照射位置UIが存在しなくなった時点)で、二次元マップ上において、設置パターンPT1〜PT5の何れかを有する道路構造物の存在位置がターゲット候補位置TCとして特定される。
<レーダ装置の動作>
図36及び図37は、実施例2のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。図36には、探索エリアSAの全範囲の走査の完了時点、または、ターゲット候補位置TCの方向だけにビーム方向が設定された走査が何回か行われた時点での二次元マップMP1の一例を示す。図36では、検出ターゲット位置TGが、一定の周期構造をもったパターンPTA,PTBとして検出されている。
ターゲット判定部104は、二次元マップMP1上でのビーム方向の設定にあたり、メモリ20を参照し、道路構造物パターン情報に含まれる設置パターンPT1〜PT5と、二次元マップMP1(つまり、探索エリアSA)における検出ターゲット位置TGの存在パターンとを比較する。この比較の結果、図37に示すように、道路構造物パターン情報に含まれる設置パターンPT1が、二次元マップMP1における検出ターゲット位置TGの存在パターンPTAにほぼ一致する。また、この比較の結果、図37に示すように、道路構造物パターン情報に含まれる設置パターンPT4が、二次元マップMP1における検出ターゲット位置TGの存在パターンPTBにほぼ一致する。
しかしながら、設置パターンPT1と存在パターンPTA、設置パターンPT4と存在パターンPTBはほぼ一致するものの、一部一致しない部分(つまり、図36における領域A,B,C)もある。これらの領域A,B,Cはターゲットが検出されていないものの、ターゲットが存在する可能性が高い領域と言える。道路構造物は、一般に、一定の周期をもって連続して存在していることが多いため、一部分に連続した構造のターゲットが検出されれば、まだターゲットが検出されていない領域にも同じようにターゲットが連続して存在している可能性が高いからである。
そこで、ターゲット判定部104は、設置パターンPT1ではターゲットが存在するはずであるが、存在パターンPTAではターゲットが検出されていない領域や、設置パターンPT4にはターゲットが存在するはずであるが、存在パターンPTBではターゲットが検出されていない領域をターゲット候補位置TCとして特定する。ビーム方向制御部106は、ターゲット判定部104でのターゲット候補位置TCの特定に従って、図37に示すように、探索エリアSAにおいて、存在パターンPTAまたは存在パターンPTBに含まれるターゲット候補位置TCの方向だけにビームBMのビーム方向を設定する。
以上のように、実施例2では、メモリ20には、道路構造物の設置パターンPT1〜PT5が記憶されている。設置パターンPT1〜PT5と、探索エリアSAにおける検出ターゲット位置TGの存在パターンとの比較結果に基づいて、ターゲット判定部104はターゲット候補位置TCを特定し、ビーム方向制御部106はビーム方向を設定する。
こうすることで、ターゲット候補位置TCの確度を高めることができ、低反射ターゲットが存在する可能性が高い位置に向けてビームを照射することができるため、低反射ターゲットに対するビームの照射を効率良く行うことができる。
[実施例3]
実施例3は、ビーム方向制御部106が、探索エリアSAにおいて、検出ターゲット位置TG、非ターゲット位置NT及びターゲット候補位置TCのうち、ターゲット候補位置TCの方向だけにビーム方向を設定する場合の実施例である。
<レーダ装置の構成>
図38は、実施例3のレーダ装置の構成例を示す図である。図38において、プロセッサ10は、閾値制御部111と、更新回数カウンタ112とを有する。また、メモリ20にはデジタル地図が記憶されている。
<レーダ装置の動作>
図39〜図41は、実施例3のレーダ装置の動作例の説明に供する図である。以下、レーダ装置1の動作例を、動作例Aと動作例Bとに分けて説明する。
<動作例A:図39,図40>
マップ更新部105は、二次元マップを更新する度に、更新回数カウンタ112をインクリメントする。二次元マップは、探索エリアSA内の走査が行われる度(つまり、ターゲット判定が行われる度)に更新されるため、更新回数カウンタ112のカウント数は、ビーム方向制御部106による探索エリアSA内の走査回数に相当する。
閾値制御部111は、更新回数カウンタ112のカウント数が所定の回数に達した時点で、二次元マップを参照し、二次元マップに検出ターゲット位置TGが所定の個数(例えば1個)以上含まれていない場合には、図39及び図40に示すように、検出ターゲット閾値をTH1(図39)からTH1’(図40)に減少させる。また、閾値制御部111は、検出ターゲット位置TGが所定の個数(例えば10個)以上含まれている場合には、検出ターゲット閾値をTH1’(図40)からTH1(図39)に増加させる。検出ターゲット位置TGの個数が少なすぎる場合は、ターゲットの反射レベルに対して検出ターゲット閾値TH1が高すぎ、検出ターゲット位置TGの個数が多すぎる場合は、ノイズレベルに対して検出ターゲット閾値TH1が低すぎる可能性があるためである。
また、閾値制御部111は、ターゲット候補位置TCが所定の個数(例えば10個)以上含まれている場合には、非ターゲット閾値をTH2(図39)からTH2’(図40)に増加させ、ターゲット候補位置TCが所定の個数(例えば1個)以上含まれていない場合には非ターゲット閾値をTH2’(図40)からTH2(図39)に減少させる。ターゲット候補位置TCの個数が多すぎる場合は、ノイズレベルに対して非ターゲット閾値TH2が低すぎ、ターゲット候補位置TCの個数が少なすぎる場合は、ターゲットの反射レベルに対して非ターゲット閾値TH2が高すぎる可能性があるためである。
閾値制御部111は、検出ターゲット閾値及び非ターゲット閾値の更新後、更新回数カウンタ112を0(ゼロ)にリセットする。
なお、動作例Aにおいて、閾値制御部111は、検出ターゲット閾値または非ターゲット閾値の何れか一方を変化させても良く、また、検出ターゲット閾値及び非ターゲット閾値の双方を同時に変化させても良い。
<動作例B:図41>
メモリ20に記憶されているデジタル地図には、例えば、日本全国の地図とともに、地図上に存在する道路構造物が記録されている。また、各道路構造物での反射率が記録されている。
閾値制御部111には、レーダ装置1が搭載された自車両の現在位置を示す「現在位置情報」が入力される。現在位置情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて取得される。
低反射ターゲットに対するビート信号の利得は低い一方で、高反射ターゲットに対するビート信号の利得は高い。
そこで、閾値制御部111は、図41に示すように、レーダ装置1が搭載された自車両の現在位置の周囲の探索エリアSA内で反射率が閾値未満の道路構造物(つまり、反射率が低い道路構造物)が存在する位置に対応する周波数位置では、検出ターゲット閾値TH1及び非ターゲット閾値TH2を減少させる。こうすることで、低反射ターゲットの検出率を上げることができる。
一方で、閾値制御部111は、図41に示すように、レーダ装置1が搭載された自車両の現在位置の周囲の探索エリアSA内で反射率が閾値以上の道路構造物(つまり、反射率が高い道路構造物)が存在する位置に対応する周波数位置では、検出ターゲット閾値TH1及び非ターゲット閾値TH2を増加させる。こうすることで、高反射ターゲットが誤って検出される確率(つまり、高反射ターゲットの誤検出率)を減少させることができる。
なお、動作例Bにおいて、閾値制御部111は、検出ターゲット閾値または非ターゲット閾値の何れか一方を変化させても良い。
以上のように、実施例3では、プロセッサ10は、閾値制御部111を有する。閾値制御部111は、ビーム方向制御部106が探索エリアSA内を所定の回数だけ走査した時点で、ターゲットの検出個数、または、ターゲット候補位置TCの検出個数に基づいて、検出ターゲット閾値または非ターゲット閾値を変化させる。
こうすることで、ターゲット候補位置TCを繰り返し走査する際に、ターゲット候補位置TCが検出ターゲット位置TGまたは非ターゲット位置NTへ遷移しやすくなるため、ターゲットの検出率を高めることができる。
また、実施例3では、閾値制御部111は、探索エリアSAに存在する道路構造物での反射率に基づいて、検出ターゲット閾値または非ターゲット閾値を変化させる。
低反射ターゲットに対するビート信号の利得は低い一方で、高反射ターゲットに対するビート信号の利得は高いため、こうすることで、ターゲットの反射率に応じた、適切な検出ターゲット閾値または適切な非ターゲット閾値を設定することができる。
[実施例4]
実施例1では、レーダ装置1での時系列な複数の「探査結果」として、時系列な複数の「ビート信号」を用い、時系列な複数の探査結果を合成した「合成探査結果」として「合成ビート信号」を用いる場合について説明した。
これに対し、実施例4では、レーダ装置1での時系列な複数の「探査結果」として、時系列な複数の「周波数スペクトル」を用い、時系列な複数の探査結果を合成した「合成探査結果」として、周波数スペクトルを合成した「合成スペクトル」を用いる。
<レーダ装置の構成>
図42は、実施例4のレーダ装置の構成例を示す図である。図42において、プロセッサ10は、スペクトル合成部121を有する。
スペクトル合成部121には、フーリエ変換部102から瞬時スペクトルが入力される。スペクトル合成部121は、フーリエ変換部102から入力される瞬時スペクトルに過去の周波数スペクトルを合成して「合成スペクトル」を生成し、生成した合成スペクトルをターゲット判定部104へ出力するとともに、メモリ20に記憶させる。スペクトル合成部121は、例えば、フーリエ変換部102から入力される瞬時スペクトルの移動平均をとることにより合成スペクトルを生成する。つまり、スペクトル合成部121は、送信信号の複数回の送信及び反射信号の複数回の受信によって得られる時系列な瞬時スペクトルを合成して合成スペクトルを得る。そして、実施例4において、時系列な複数の「瞬時スペクトル」は、レーダ装置1での時系列な複数の「探査結果」に相当し、「合成スペクトル」は、時系列な複数の探査結果を合成した「合成探査結果」に相当する。
ターゲット判定部104は、スペクトル合成部121から入力される合成スペクトルと、メモリ20に記憶されている検出ターゲット閾値TH1及び非ターゲット閾値TH2とを用いて、実施例1と同様にして、ターゲット判定を行う。
以上のように、実施例4では、レーダ装置1は、送信アンテナ素子群15と、受信アンテナ素子群16と、スペクトル合成部121と、ターゲット判定部104とを有する。送信アンテナ素子群15は、周波数変調された送信信号を送信する。受信アンテナ素子群16は、送信信号がターゲットにおいて反射することによって到来する反射信号を受信する。スペクトル合成部121は、送信信号の複数回の送信及び反射信号の複数回の受信によって得られる時系列な複数の瞬時スペクトルを合成して合成スペクトルを得る。ターゲット判定部104は、合成スペクトルに基づいて、ターゲットが存在するか否かを判定する。
こうすることで、実施例1と同様に、低反射ターゲットに対するビート信号の利得を上げることができるため、低反射ターゲットの検出率を向上することができる。
[他の実施例]
[1]実施例1の動作例4では、ターゲット候補位置TCのうち、移動しているターゲット候補位置TCを実行対象とせず、移動してないターゲット候補位置TCだけを実行対象としても良い。
[2]実施例4と、実施例1の動作例1〜5とを組み合わせて実施することもできる。
[3]実施例4と、実施例2とを組み合わせて実施することもできる。
[4]実施例4と、実施例3の動作例A,Bとを組み合わせて実施することもできる。
1 レーダ装置
11 変調信号生成器
12 発振器
13 分配器
14 フェーズシフタ
15 送信アンテナ素子群
16 受信アンテナ素子群
17−1〜17−3 ミキサ
18−1〜18−3 ADC
10 プロセッサ
20 メモリ
101 ビート信号合成部
102 フーリエ変換部
103 データ処理部
104 ターゲット判定部
105 マップ更新部
106 ビーム方向制御部
107 タイマ
108 ターゲット情報出力部
111 閾値制御部
112 更新回数カウンタ
121 スペクトル合成部

Claims (14)

  1. 周波数変調された送信信号を送信する送信アンテナ素子と、
    前記送信信号がターゲットにおいて反射することによって到来する反射信号を受信する受信アンテナ素子と、
    前記送信信号の複数回の送信及び前記反射信号の複数回の受信によって得られる時系列な複数の探査結果を合成して合成探査結果を得る合成部と、
    前記合成探査結果に基づいて、前記ターゲットが存在するか否かを判定する判定部と、
    を具備するレーダ装置。
  2. 前記送信アンテナ素子から送信される前記送信信号のビーム方向を所定の探索エリアにおいて順次変化させて前記所定の探索エリアを繰り返し走査するビーム方向制御部、をさらに具備し、
    前記判定部は、前記走査に伴って、前記ターゲットが存在すると判定できない位置をターゲット候補位置として特定し、
    前記ビーム方向制御部は、前記判定部が前記ターゲット候補位置を特定すると、以降の走査において、前記ターゲット候補位置の方向だけに前記ビーム方向を設定する、
    請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記判定部は、前記所定の探索エリアにおいて、前記合成探査結果の周波数スペクトルのパワーが第一閾値未満、かつ、前記第一閾値より小さい第二閾値以上となる周波数位置に対応する位置を前記ターゲット候補位置として特定する、
    請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 前記ビーム方向制御部は、一定時間毎に、前記所定の探索エリアの全範囲を走査する、
    請求項2に記載のレーダ装置。
  5. 前記ビーム方向制御部は、前記レーダ装置に対する前記ターゲット候補位置の相対的な移動に追従させて前記ビーム方向を変化させる、
    請求項2に記載のレーダ装置。
  6. 前記合成部は、前記レーダ装置に対する前記ターゲット候補位置の相対的な移動量を考慮して前記複数の探査結果を合成する、
    請求項5に記載のレーダ装置。
  7. 前記所定の探索エリアは複数のブロックから形成され、
    前記送信信号のビームは所定の照射範囲を有し、
    前記ビーム方向制御部は、前記所定の探索エリアにおいて、前記所定の照射範囲に含まれる複数のブロックのうち前記ビームが照射されていないブロックである未照射ブロックの数がより多い方向から順に前記ビーム方向を設定する、
    請求項2に記載のレーダ装置。
  8. 前記ビーム方向制御部は、複数の方向において前記所定の照射範囲に含まれる前記未照射ブロックの数が同一である場合は、前記所定の探索エリアにおいて、前記複数の方向のうち、前記レーダ装置の進行方向により近い方向から順に前記ビーム方向を設定する、
    請求項7に記載のレーダ装置。
  9. 前記所定の探索エリアは複数のブロックから形成され、
    前記送信信号のビームは所定の照射範囲を有し、
    前記ビーム方向制御部は、前記所定の探索エリアにおいて、前記所定の照射範囲に含まれる複数のブロックのうち前記ターゲット候補位置のブロックであるターゲット候補ブロックの数がより多い方向から順に前記ビーム方向を設定する、
    請求項2に記載のレーダ装置。
  10. 前記ビーム方向制御部は、複数の方向において前記所定の照射範囲に含まれる前記ターゲット候補ブロックの数が同一である場合は、前記所定の探索エリアにおいて、前記複数の方向のうち、前記レーダ装置の進行方向により近い方向から順に前記ビーム方向を設定する、
    請求項9に記載のレーダ装置。
  11. 道路構造物の設置パターンを記憶するメモリ、をさらに具備し、
    前記判定部は、前記設置パターンと、前記所定の探索エリアにおける前記ターゲットの存在パターンとの比較結果に基づいて、前記ターゲット候補位置を特定する、
    請求項2に記載のレーダ装置。
  12. 前記ビーム方向制御部が前記所定の探索エリア内を所定の回数だけ走査した時点で、前記ターゲットの検出個数、または、前記ターゲット候補位置の検出個数に基づいて、前記第一閾値または前記第二閾値を変化させる閾値制御部、
    をさらに具備する請求項3に記載のレーダ装置。
  13. 前記所定の探索エリアに存在する道路構造物での反射率に基づいて、前記第一閾値または前記第二閾値を変化させる閾値制御部、
    をさらに具備する請求項3に記載のレーダ装置。
  14. 周波数変調された送信信号を送信する送信アンテナ素子と、前記送信信号がターゲットにおいて反射することによって到来する反射信号を受信する受信アンテナ素子と、を有するレーダ装置に用いられるターゲット検出方法であって、
    前記送信信号の複数回の送信及び前記反射信号の複数回の受信によって得られる時系列な複数の探査結果を合成して合成探査結果を得て、
    前記合成探査結果に基づいて、前記ターゲットが存在するか否かを判定する、
    ターゲット検出方法。
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