JP2019183924A - 給水配管の凍結防止機構 - Google Patents

給水配管の凍結防止機構 Download PDF

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Abstract

【課題】コンパクトな構成であって、コストが抑えられる給水配管の凍結防止機構を提供する。【解決手段】水栓弁体ユニット3は、凍結防止機構として、スピンドル4の下部内に設けられかつ底壁上面に副弁座46を有する中空室44、中空室44に上下移動自在に収容された移動体11、移動体11の下端に設けられた副弁体14、移動体11を上向きに付勢する第1スプリング15、および移動体11を下向きに付勢する形状記憶合金製の第2スプリング16を備えている。移動体11は、略有底筒状となされていて、その上端に径方向外方に突出したスプリング受け部121を有している。第1スプリング15は、移動体11の外側においてスプリング受け部121と中空室44の底壁との間に介在されている。第2スプリング16は、移動体11の内側において移動体11の底部と中空室44の上壁との間に介在されている。【選択図】図2

Description

この発明は、給水配管において、寒冷期に水栓や給水管等の内部で水が凍結するのを防止するための凍結防止機構に関する。また、この発明は、上記凍結防止機構を備えた水栓弁体ユニット、および同ユニットを備えた水栓、ならびに上記凍結防止機構を備えた給水配管用継手に関する。
水栓の一般的な構造として、上端にハンドル取付部を有するスピンドル(弁棒)の下端に弁体が設けられてなる水栓弁体ユニット(水栓上部ユニット)を備えており、同ユニットのスピンドルが、水栓本体の収容部に螺合状態で収容されて、ハンドル取付部に取り付けられたハンドルの操作によって回転させられることにより、弁体が水栓本体内の弁座に対して当接離間させられるものが知られている。
ここで、寒冷期においては、水栓、とりわけ庭や公園等の屋外に設置された水栓や給水管の内部で水が凍結し、それによって水栓や給水管が破損し、漏水等の問題が生じることがある。
このような水の凍結による水栓や給水管の破損を回避するため、弁体凍結防止機構を備えた水栓弁体ユニットが提案されている。
水栓弁体ユニットの凍結防止機構としては、ワックスエレメントを使用したものと、形状記憶合金からなるスプリングを使用したものとが知られている。
前者の凍結防止機構を備えた水栓弁体ユニットは、例えば下記の特許文献1に示すように、スピンドルが、下端に開口した中空状の柄部と、柄部の下端に連なって設けられかつ柄部よりも外径の大きい拡径部とで構成されており、拡径部の内部に中空室が設けられ、この中空室にワックスエレメントが収容されている。中空室の底壁に、水栓本体内の一次側流路と中空室とを連通させる水導入孔が形成されるとともに、同底壁の上面における水導入孔の周縁部に副弁座が形成され、中空室の周壁に、中空室と水栓本体内の二次側流路とを連通させる水導出孔が形成されている。ワックスエレメントは、中空筒状のボディの下部に封入されたワックス類が昇温によって圧力を増大させることで、ボディの上部内に上下移動自在に配された作動ロッドの先端部がボディの上端から上方に押し出されるようになっている。ワックスエレメントのボディは、ボディ外周面のフランジと中空室の底壁との間に介在された第1スプリングによって上向きに付勢されている。ワックスエレメントの作動ロッドは、柄部内に収容された第2スプリングによって下向きに付勢されている。ワックスエレメントの周囲温度が氷点温度付近まで下がると、作動ロッドの押圧力が低下し、それに伴って第1スプリングのばね弾性力によりボディが上方に移動し、副弁体が副弁座から離間することで、水栓本体内の一次側流路の水が、水導入孔、中空室、水導出室、水栓本体内の二次側流路を流れて、吐水口から吐出される。これにより、水栓および給水管の内部に滞留していた水が流動するので、水の凍結が回避される。
一方、後者の凍結防止機構を備えた水栓弁体ユニットは、例えば下記の特許文献2に示すように、スピンドルの下部内に中空室が設けられ、中空室の底壁に水栓本体内の一次側流路と中空室とを連通させる水導入孔が形成されるとともに、同底壁の上面における水導入孔の周縁部に副弁座が形成され、中空室の周壁に中空室と水栓本体内の二次側流路とを連通させる水導出孔が形成され、中空室に、外周面の高さ中央部にフランジ部を有する棒状の昇降体が上下移動自在に収容され、昇降体の下端に、昇降体が上下移動することによって副弁座に対して当接離間させられる副弁体が設けられ、昇降体を上方に向かって付勢する第1スプリングが、昇降体のフランジ部と中空室の底壁との間に介在され、形状記憶合金よりなりかつ昇降体を下方に向かって付勢する第2スプリングが、中空室の上壁と昇降体のフランジ部との間に設けられている。第2スプリングは、周囲温度が氷点付近の所定温度よりも高い時には、第1スプリングのばね弾性力に抗して昇降体を下方に移動させて副弁体を副弁座に当接させる一方、周囲温度が前記所定温度以下となった時には、第1スプリングのばね弾性力により昇降体が上方に移動させられて副弁体が副弁座から離間させられるように収縮方向に変形するものである。
また、給水配管において、水栓等の開閉弁が閉じている時に一次側流路内に滞留した水が凍結するのを防止するための凍結防止機構を、一次側流路の所定箇所(例えば水栓の一次側流路部や給水管、給水配管用継手など)に設けることも知られている。この凍結防止機構も、上記の水栓弁体ユニットに備えられる凍結防止機構と実質的に同一の構成を有するものであって、ワックスエレメントを使用したものと、形状記憶合金からなるスプリングを使用したものとがあった(例えば下記の特許文献3参照)。
特公平4−9947号公報 特許第5967788号公報 実開昭63−160478号公報
しかしながら、上記特許文献1記載のようなワックスエレメントを使用した凍結防止機構付き水栓弁体ユニットの場合、構造が複雑となる上、ユニットの全長が大きくなって、水栓の設置スペースの関係上、取付が困難なことがあり、また、コストも嵩むという問題があった。
また、上記特許文献2記載のような形状記憶合金製スプリングを使用した凍結防止機構付き水栓弁体ユニットの場合、ワックスエレメントを使用したものと比べれば、ユニットの全長は小さくなり、構造も単純化されるが、下端部に副弁体を備えた昇降体の上下移動を制御するための2つのスプリングが直列に配置されているため、一般の水栓弁体ユニットに比べると全長が大きくなり、コストも高くつくという問題があった。
以上のような問題点は、給水配管の一次側流路に設けられる凍結防止機構についても、同様に当てはまるものである。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、よりコンパクトな構成であってコストが抑えられる給水配管の凍結防止機構を提供することを目的としている。
この発明は、上記の目的を達成するために、以下の態様からなる。
1)給水配管において開閉弁が閉じている時に一次側流路内に滞留した水が凍結するのを防止するための凍結防止機構であって、
略筒状をなしかつ片面が一次側流路内に臨むように配された第1端壁および一次側流路外に配された第2端壁を有している中空室と、第1端壁に一次側流路内と中空室内とを連通させるように形成された水導入孔と、第1端壁の他面における水導入孔の周縁部に形成された副弁座と、中空室の周壁または第2端壁に中空室内と外部空間とを連通させるように形成された水導出孔と、中空室内にその長さ方向に移動自在に収容された移動体と、移動体における第1端壁側の端に設けられかつ移動体が中空室の長さ方向に移動することによって副弁座に対して当接離間させられる副弁体と、移動体を第2端壁側に向かって付勢する第1スプリングと、形状記憶合金よりなりかつ移動体を第1端壁側に向かって付勢する第2スプリングとが備えられており、第2スプリングは、周囲温度が氷点付近の所定温度よりも高い時には、第1スプリングのばね弾性力に抗して移動体を第1端壁側に移動させて副弁体を副弁座に当接させる一方、周囲温度が前記所定温度以下となった時には、第1スプリングのばね弾性力により移動体が第2端壁側に移動させられて副弁体が副弁座から離間させられるように収縮方向に変形するものであり、
移動体は、略有底筒状となされていて、その第1端壁側の端または長さ中間位置に径方向外方に突出したスプリング受け部を有しており、第1スプリングは、移動体の外側においてスプリング受け部と第1端壁との間に介在されており、第2スプリングは、移動体の内側において移動体の底部と第2端壁との間に介在されている、給水配管の凍結防止機構。
2)移動体が、外周面における第2端壁側の端または長さ中間位置に前記スプリング受け部を有するとともに内周面における第1端壁側の端に内向き係合凸部を有する略筒状のスプリングガイドと、スプリングガイドの内部に収容可能な大きさを有し、外周面に内向き係合凸部に第2端壁側から係り合わせられる外向き係合凸部を有し、かつ第1端壁側の面に前記副弁体が取り付けられている副弁体ホルダとよりなる、上記1)の給水配管の凍結防止機構。
3)内向き係合凸部および外向き係合凸部は、互いに係り合わせられた状態で移動体の内部と外部とを通水可能に連通させる通水部が形成されるような形状を有している、上記2)の給水配管の凍結防止機構。
4)上端にハンドル取付部を有するスピンドルと、スピンドルの下端に設けられた弁体とを備えており、スピンドルが、水栓本体の収容部に螺合状態で収容されて、ハンドル取付部に取り付けられたハンドルの操作によって回転させられることにより、弁体が水栓本体内の弁座に対して当接離間させられる水栓弁体ユニットであって、
スピンドルの下部に、上記1)〜3)のいずれか1つの凍結防止機構が設けられている、凍結防止機構付き水栓弁体ユニット。
より詳細には、水栓弁体ユニットの凍結防止機構は、スピンドルの下部内に設けられた中空室と、中空室の底壁に水栓本体内の一次側流路と中空室とを連通させるように形成された水導入孔と、中空室の底壁上面における水導入孔の周縁部に形成された副弁座と、中空室の周壁に中空室と水栓本体内の二次側流路とを連通させるように形成された水導出孔と、中空室に上下移動自在に収容された移動体と、移動体の下端に移動体が上下移動することによって副弁座に対して当接離間させられるように設けられた副弁体と、移動体を上方に向かって付勢する第1スプリングと、形状記憶合金よりなりかつ移動体を下方に向かって付勢する第2スプリングとを備えている。第2スプリングは、周囲温度が氷点付近の所定温度よりも高い時には、第1スプリングのばね弾性力に抗して移動体を下方に移動させて副弁体を副弁座に当接させる一方、周囲温度が前記所定温度以下となった時には、第1スプリングのばね弾性力により移動体が上方に移動させられて副弁体が副弁座から離間させられるように収縮方向に変形するものである。移動体は、略有底筒状となされていて、その上端または高さ中間位置に径方向外方に突出したスプリング受け部を有しており、第1スプリングは、移動体の外側においてスプリング受け部と中空室の底壁との間に介在されており、第2スプリングは、移動体の内側において移動体の底部と中空室の上壁との間に介在されている。上記の凍結防止機構において、移動体が、外周面の上端または高さ中間位置に前記スプリング受け部を有するとともに内周面の下端に内向き係合凸部を有する略筒状のスプリングガイドと、スプリングガイドの内部に収容可能な大きさを有し、外周面に内向き係合凸部に上方から係り合わせられる外向き係合凸部を有し、かつ下面に前記副弁体が取り付けられている副弁体ホルダとよりなる場合がある。また、上記の凍結防止機構において、内向き係合凸部および外向き係合凸部は、互いに係り合わせられた状態で移動体の内部と外部とを通水可能に連通させる通水部が形成されるような形状を有している場合がある。
5)上記4)の凍結防止機構付き水栓弁体ユニットを備えている、水栓。
6)給水配管における開閉弁の一次側流路の一部を構成する給水配管用継手であって、
所定形状の管状壁を有するとともに、管状壁の所定箇所に上記1)〜3)のいずれか1つに記載の凍結防止機構が設けられている、凍結防止機構付き給水配管用継手。
7)凍結防止機構の中空室が、略筒状をなしかつ一端部が管状壁の所定箇所にねじ接続されているケーシングによって構成されている、上記6)の凍結防止機構付き給水配管用継手。
上記1)の給水配管の凍結防止機構にあっては、凍結防止機構を構成する移動体が外周面にスプリング受け部を有する略有底筒状となされ、第1スプリングが、移動体の外側においてスプリング受け部と中空室の第1端壁との間に介在され、第2スプリングが、移動体の内側において移動体の底部と中空室の第2端壁との間に介在されている、つまり、第1スプリングおよび第2スプリングが、中空室において、第2スプリングの長さの一部が第1スプリングの内部に挿入されるように重なって配置されている。
従って、上記1)の凍結防止機構によれば、例えば上記特許文献2に記載されているような形状記憶合金製スプリングを使用した従来の凍結防止機構と比べて、全長が小さくなり、コストも安くつく。
上記2)の給水配管の凍結防止機構によれば、移動体がスプリングガイドおよび副弁体ホルダの2つの部品で構成されていて、それぞれの部品の構造が比較的単純なものであるので、製造および組立が容易であり、コストも抑えられる。
上記3)の給水配管の凍結防止機構にあっては、凍結防止機構が作動した状態、すなわち、副弁体が副弁座から離間して中空室に水が流入した状態において、流入した水が、移動体の外部から、スプリングガイドの内向き係合凸部および副弁体ホルダの外向き係合凸部に設けられた通水部を通じて、第2スプリングが収容されている移動体の内部に速やかに流れ込む。
ここで、給水配管の一次側流路のうち地中に埋設されている部分に滞留している水は、外気温度が氷点付近になった場合でも、それより数℃程度高いことが多い。
そこで、上記3)の凍結防止機構のように、作動状態において給水配管の一次側流路内の滞留水が第2スプリングに即時に接触する構成となされていれば、形状記憶合金よりなる第2スプリングが水の温度を直ちに感知して形状を復元することにより、副弁体が副弁座に当接して水導入孔を閉じ、それによって凍結防止機構が作動している間の吐水量を低減することが可能になる。
上記4)の凍結防止機構付き水栓弁体ユニットによれば、凍結防止機構を備えているにみかかわらず、ユニットの全長が小さくなり、コストも安くつく。
上記5)の水栓によれば、水栓弁体ユニットの凍結防止機構により、寒冷期における滞留水の凍結による水栓や給水管の破損が効果的に防止され、また、全体がコンパクトな構成となって、コストも抑えられる。
上記6)の凍結防止機構付き給水配管用継手によれば、例えば既存の給水配管に組み込むことによって、寒冷期における滞留水の凍結による水栓や給水管の破損を防止することが得られ、また、凍結防止機構もコンパクトな構成であって、コストも抑えられる。
上記7)の凍結防止機構付き給水配管用継手によれば、凍結防止機構の各構成部品をケーシングの内部に組み込んでユニット化することができる上、ケーシングの一端部を継手の管状壁の所定箇所にねじ接続するだけで構成することができるので、製造が容易であり、コストも抑えられる。
この発明の第1の実施形態に係る凍結防止機構付き水栓弁体ユニットを備えた水栓を示すものであって、凍結防止機構が作動していない状態の垂直断面図である。 同水栓の凍結防止機構が作動している状態の垂直断面図である。 水栓弁体ユニットの拡大垂直断面図である。 図3のIV−IV線に沿う水平断面図である。 凍結防止機構の移動体を構成するスプリングガイドおよび副弁体ホルダを分離して示す下方斜視図である。 この発明の第2の実施形態に係る凍結防止機構付き給水配管用継手を備えた水栓柱の上部を示すものであって、凍結防止機構が作動していない状態の垂直断面図である。 図6のVII−VII線に沿う拡大垂直断面図である。 凍結防止機構が作動している状態の図7相当図である。 図7のIX−IX線に沿う拡大水平断面図である。 凍結防止機構の移動体を構成するスプリングガイドおよび副弁体ホルダを分離して示す下方斜視図である。
[第1の実施形態]
まず、図1〜図5を参照して、この発明の第1の実施形態を以下に詳細に説明する。
図1および図2には、この発明の第1の実施形態に係る凍結防止機構付き水栓弁体ユニットを備えた水栓の全体構造が示されている。
図示の水栓(1)は、壁(W)に取り付けられるものであって、一端側(図の右端側)に給水管(P)の先端部に接続される給水管接続口部(21)を有し、他端側(図の左端側)に吐水口部(22)を有する中空状の水栓本体(2)を備えている。水栓本体(2)内の長さ中央付近には、横断面クランク状の仕切壁(23)が設けられている。仕切壁(23)の水平部に通水孔(231)があけられている。仕切壁(23)の水平部上面における通水孔(231)の周縁部には、弁座(24)が設けられている。また、水栓本体(2)には、弁座(24)を上方から臨む箇所に、上端が開口した略筒状の収容部(25)が設けられている。収容部(25)の内周面には、雌ねじが形成されている。収容部(25)の上端部の外周面には雄ねじが形成されている。
水栓弁体ユニット(3)は、上端にハンドル取付部(図示略)を有するスピンドル(4)と、スピンドル(4)の下端に設けられた弁体(5)とを備えている。
スピンドル(4)は、スピンドル上部材(4a)と、スピンドル下部材(4b)とで構成されている。
スピンドル上部材(4a)は、垂直棒状部(41)と、垂直棒状部(41)の下端に連なって設けられかつ垂直棒状部(41)の外径および内径よりも大きな外径および内径を有する拡径部(42)とを備えている。
図示は省略したが、垂直棒状部(41)の上端部には、ハンドル取付部が設けられている。このハンドル取付部は、例えば垂直棒状部(41)の上端部外周面にセレーションが形成されるとともに同上端面にビス孔が形成されてなるものであって、ハンドル(6)の中心部にあけられたセレーション付き取付孔(図示略)に嵌め込まれて、ハンドル(6)の上方からビス(7)がビス孔にねじ込まれることにより、ハンドル(6)がスピンドル(4)に取り付けられるようになっている。
拡径部(42)は、下端に開口した略中空筒状となされている。拡径部(42)の外周面には、水栓本体(2)の収容部(25)の雌ねじとねじ合わせられる雄ねじが形成されている。また、拡径部(42)の内周面には、雌ねじが形成されている。
スピンドル下部材(4b)は、略有底筒状のものであって、その外周面に、スピンドル上部材(4a)の拡径部(42)の雌ねじとねじ合わせられる雄ねじが形成されている。スピンドル下部材(4b)の底壁の中心部には、垂下状の弁体取付部(43)が設けられている。弁体取付部(43)の外周面には、雄ねじが設けられている。
弁体(5)は、ドーナツ板状のゴムパッキンよりなり、スピンドル(4)下端の弁体取付部(43)に外挿されて、弁体取付部にねじ嵌められたナット(8)により保持されている。
上記の水栓弁体ユニット(3)は、スピンドル(4)の雄ねじが収容部(25)の雌ねじにねじ込まれた螺合状態で、水栓本体(2)の収容部(25)内に収容され、次いで、スピンドル(4)の上部に、パッキン(9)を介して、ナットよりなる蓋(10)を収容部(25)の上部にねじ嵌めることにより、水栓本体(2)に組み付けられる。その後、スピンドル(4)上端のハンドル取付部に、ハンドル(6)が上記手順で取り付けられる。そして、ハンドル(6)を操作してスピンドル(4)が所要方向に所要量だけ回転させられることにより、弁体(5)が水栓本体(2)内の弁座(24)に対して当接離間させられ、吐水、止水および吐水量の調整が行われる。
水栓弁体ユニット(3)は、以下の構成よりなる凍結防止機構を備えている。
まず、スピンドル(4)の下部に、中空室(44)が設けられている。中空室(44)は、スピンドル上部材(4a)の拡径部(42)とスピンドル下部材(4b)とによって形成された略垂直筒状のものである。
中空室(44)の底壁(第1端壁)に、水栓本体(2)内の一次側流路(20a)と中空室(44)とを連通させるように、水導入孔(45)が形成されている。水導入孔(45)は、スピンドル下部材(4b)の底壁および弁体取付部(43)を垂直に貫通するように形成されている。そして、中空室(44)の底壁上面における水導入孔(45)の周縁部に、副弁座(46)が形成されている。
中空室(44)の周壁に、中空室(44)と水栓本体(2)内の二次側流路(20b)とを連通させるように水導出孔(47)が形成されている。水導出孔(47)は、スピンドル下部材(4b)の周壁の下部に、周方向に等間隔おきに複数(図では4つ)形成されているが、少なくとも1つあれば足りる。
中空室(44)の内部に、移動体(11)が上下移動自在に収容されている。移動体(11)の下端に副弁体(14)が設けられ、移動体(11)が上下移動することによって、副弁体(14)が副弁座(46)に対して当接離間させられるようになっている。また、中空室(44)の内部には、移動体(11)を上方に向かって付勢する第1スプリング(15)と、形状記憶合金よりなりかつ移動体(11)を下方に向かって付勢する第2スプリング(16)とが収容されている。
移動体(11)は、略有底筒状となされている。図3〜図5に詳しく示すように、移動体(11)は、スプリングガイド(12)と副弁体ホルダ(13)とで構成されている。スプリングガイド(12)は、外周面の上端にスプリング受け部(121)を有するとともに、内周面の下端に内向き係合凸部(122)を有する略筒状のものである。スプリング受け部(121)は、スプリングガイド(12)の外周面から径方向外方に突出したフランジ状となされている。このスプリング受け部(121)は、移動体(11)が上下移動する際に、その外周部分が中空室(44)の周壁内面と接触することにより、移動体(11)の姿勢を保持するスライドガイド機能も奏しうる。なお、スプリング受け部は、スプリングガイド(12)の外周面の高さ中間位置に形成されていてもよい。また、スプリング受け部は、図示のように連続したフランジ状とする他、複数の外方凸部が周方向に間隔をおいて形成されたものや、スプリングガイド(12)の外周面に形成された下向き環状段差であってもよい。内向き係合凸部(122)は、連続したフランジ状のものとなされている。副弁体ホルダ(13)は、スプリングガイド(12)の内部に収容可能な大きさを有し、外周面に内向き係合凸部(122)に上方から係り合わせられる外向き係合凸部(131)を有し、かつ下面に副弁体(14)が取り付けられている略短円柱状のものである。外向き係合凸部(131)は、副弁体ホルダ(13)の外周面の上部に形成されており、平面より見て四角形となされている。従って、内向き係合凸部(122)と外向き係合凸部(131)とが係り合わせられた状態で、両者(122)(131)の間に、移動体(11)の内部と外部とを通水可能に連通させる複数(図では計4つ)の通水間隙(17)(通水部)が形成されるようになっている(図4参照)。なお、内向き係合凸部および外向き係合凸部は、係合状態において移動体(11)の内外部を連通させる通水部が形成されるものであれば、図示の形状には限定されない。また、図示は省略したが、さらに、スプリングガイド(12)の周壁に、通水用の孔やスリット等を形成してもよい。副弁体ホルダ(13)の下部は、スプリングガイド(12)の下端開口を通じて、スプリングガイド(12)の下方に突出させられている。
副弁体(14)は、円板状のゴムパッキンよりなり、副弁体ホルダ(13)の下面に形成された凹所に嵌め込まれて焼付(加硫接合)等によって接合一体化されている。なお、副弁体ホルダへの副弁体の取付構造は、図示のものには限定されず、例えば、副弁体ホルダを2つの部品で構成して、副弁体をその一部が副弁体ホルダの下面側に露出するように両部品に組み込んだものであってもよい。
第1スプリング(15)は、水栓等において一般に使用されるばね材料よりなり、移動体(11)の外側において、スプリング受け部(121)と中空室(44)の底壁との間に介在されている。
第2スプリング(16)は、例えばNi−Ti系等の形状記憶合金よりなり、移動体(11)の内側において、移動体(11)の底部、より詳細には、副弁体ホルダ(13)の外向き係合凸部(131)と、中空室(44)の上壁(第2端壁)との間に介在されている。この第2スプリング(16)は、例えば周囲温度が2℃±2℃まで低下した時点で収縮方向に変形し、この収縮変形状態から、周囲温度が6.5℃±2℃まで上昇した時点で元の状態に復元するように構成される。
上記の凍結防止機構付き水栓弁体ユニット(3)は、例えば以下のようにして組み立てられる。
すなわち、スピンドル下部材(4b)の内部に、その上端開口から、第1スプリング(15)、スプリングガイド(12)、下端に副弁体(14)が取り付けられた副弁体ホルダ(13)、および第2スプリング(16)を、この順序で収容した後、スピンドル下部材(4b)の雄ねじにスピンドル上部材(4a)の雌ねじをねじ合わせて、両部材(4a)(4b)を接続することにより、スピンドル(4)が構成される。次いで、スピンドル(4)下端の弁体取付部(43)に弁体(5)を外挿して、弁体取付部(43)の下部にナット(8)をねじ嵌めることにより、弁体(5)がスピンドル(4)の下端に取り付けられる。こうして、水栓弁体ユニット(3)が得られる。
したがって、この実施形態の凍結防止機構付き水栓弁体ユニット(3)によれば、その組立を容易に行うことができ、また、各構成部品の構造が比較的単純であるので、製造が容易であり、コストも抑えられる。
また、この実施形態の凍結防止機構付き水栓弁体ユニット(3)によれば、第1スプリング(15)および第2スプリング(16)が、中空室(44)において、第2スプリング(16)の長さの大部分が第1スプリング(15)の内部に挿入されるように重なって配置されているので、ユニット(3)の全長が短くてコンパクトなものとなっており、その分でもコストが抑えられる。
次に、この実施形態による水栓(1)の凍結防止機能について説明する。
まず、弁体(5)が弁座(24)に当接させられている止水状態において、第2スプリング(16)の周囲温度が氷点付近の所定温度(例えば2℃前後)よりも高い場合には、第2スプリング(16)が第1スプリング(15)のばね弾性力に抗して移動体(11)を下向きに付勢し、それによって副弁体(14)が副弁座(46)に当接させられている(図1参照)。
そして、第2スプリング(16)の周囲温度が前記所定温度以下まで低下すると、第2スプリング(16)が収縮方向に変形して付勢力が作用しなくなるので、第1スプリング(15)のばね弾性力により移動体(11)が上方に移動させられ、副弁体(14)が副弁座(46)から離間させられる。これにより、水栓本体(2)内の1次側流路(20a)および給水管(P)内に滞留していた水が、水導入孔(45)を通じて中空室(44)に流入し、ここから水導出孔(47)を通じて水栓本体(2)内の二次側流路(20b)に流れ出して吐水口部(22)から少量ずつ吐水される。このように水栓(1)や給水管(P)の内部に滞留していた水が流動することによって、水の凍結が効果的に防止される。
上記の通水状態において、中空室(44)内に流入した水は、スプリングガイド(12)の内向き係合凸部(122)と副弁体ホルダ(13)の外向き係合凸部(131)との間に設けられた通水間隙(17)を通じて、第2スプリング(16)が収容されているスプリングガイド(12)の内部に速やかに流れ込み、第2スプリング(16)と接触する。地中に埋設されている給水管(P)内に滞留している水は、外気温度が氷点付近になった場合でも、それより数℃程度高いことが多い。この水に接触した第2スプリング(16)が、水の温度を感知する、換言すれば、氷点より温度の高い水によって加温されると、その形状を復元してばね弾性力を作用させることにより、移動体(11)および副弁体(14)を下方に移動させる。これにより、副弁体(14)が副弁座(46)に当接して水導入孔(45)を閉じ、凍結防止のための通水が停止される。従って、凍結防止機構の作動による通水時間が短くなり、ひいては、吐水量が必要最小限に抑えられる。
なお、この発明による凍結防止機構は、図1,2のような横水栓に限らず、その他、例えば立水栓等にも適用可能であり、また、水栓弁体ユニットの向きが垂直となる水栓の他、水栓弁体ユニットが斜め向きや横向きとなる水栓にも適用可能である。
また、この発明による凍結防止機構は、図1〜3に示すような通常の水栓の水栓弁体ユニットに設けられる他、例えば公共施設や公園等に設置される共用水栓、すなわち、使用時にハンドルをスピンドル上端のハンドル取付部に着脱自在に取り付けて水の盗用を防止する水栓の水栓本体ユニットにも適用することができる。この共用水栓の水栓本体ユニットは、ハンドル取付部が、例えばハンドル下部に設けられた嵌合凹所(雌キー部)に嵌め合わせうる嵌合凸部(雄キー部)よりなるキータイプのものとなされるが、凍結防止機構を含めたその他の構造については、第1の実施形態と実質的に同一とすることができる。
[第2の実施形態]
次に、図6〜10を参照して、この発明の第2の実施形態を説明する。なお、以下の説明において、図6の左を「前」、同右を「後」というものとする。
図6には、この発明の第2の実施形態に係る凍結防止機構付き給水配管用継手を備えた水栓柱の上部構造が示されている。
図示の水栓柱(100)は、中空筒状をなしかつ周壁上部に水平貫通孔(101a)を有する水栓柱本体(101)と、水栓柱本体(101)内に挿入された垂直な給水管(102)と、水栓本体(2)後端の接続口部(21)が給水管(102)の上端部に水栓柱本体(101)の水平貫通孔(101a)を通して継手(103)(104)(105)により接続された水栓(1X)とを備えている。
給水管(102)の周囲には、筒状の断熱材(106)が嵌め被せられている。
継手は、一端部が給水管(102)の上端部に接続されかつ他端部が水栓柱本体(101)の水平貫通孔(101a)の後端に臨まされたエルボよりなる第1継手(103)と、水栓柱本体(101)の水平貫通孔(101a)に前方から挿入されかつ後端部が第1継手(103)の他端部にねじ接続されたソケットよりなる第2継手(104)と、後端部が第2継手(104)の前端部にねじ接続されかつ前端部が水栓本体(2)の接続口部(21)にねじ接続されたソケットよりなる第3継手(105)とを備えている。
水栓(1X)は、水栓本体(2)内の仕切壁(23)に設けられた弁座(24)に対して、水栓弁体ユニット(3X)のスピンドル(4X)下端に設けられた弁体(5)が、スピンドル(4X)上端に取り付けられたハンドル(6X)の回動操作によって当接離間させられることにより、弁の開閉、すなわち、水栓本体(2)前端の吐水口部(22)からの吐水および止水が行われるようになっている。
なお、水栓本体(2)の接続口部(21)は、第3継手(105)を介さずに、第2継手(104)の前端部にねじ接続することも可能である。言い換えれば、第3継手(105)は、第2継手(104)と水栓(1X)との間に後付けで介在させることができる。
図7〜10に詳しく示すように、第3継手(105)は、以下の構成よりなる凍結防止機構(107)(凍結防止用水抜き弁)を備えている。
まず、上端壁(108a)を有する略筒状のケーシング(108)の上端部に形成された雄ねじ付き接続部(108b)が、第3継手(105)の水平な管状壁(105a)の下部に形成された雌ねじ付き垂直貫通孔(105b)にねじ接続されている。このケーシング(108)によって、略垂直筒状の中空室(108c)が構成されている。ケーシング(108)上端の接続部(108b)は、その他の部分よりもやや小さい外径を有している。ケーシング(108)の内周面には、その下端部に下向き環状段差(108d)が形成されているとともに、下向き環状段差(108d)の下方に近接して横断面略半円弧状の環状溝(108e)が形成されている。
中空室(108c)の上壁(第1端壁)、すなわちケーシング(108)の上端壁(108a)には、第3継手(105)の内部(一次側流路)と中空室(108c)とを連通させるように水導入孔(108f)が形成されている。また、中空室(108c)の上壁下面における水導入孔(108f)の周縁部に、副弁座(108g)が形成されている。中空室(108c)の下端、すなわちケーシング(108)の下端は開口しており、この開口によって、中空室(108c)と外部空間とを連通させる水導出孔(108h)が構成されている。
中空室(108c)の内部に、移動体(11X)が上下移動自在に収容されている。移動体(11X)の上端に副弁体(14X)が設けられており、移動体(11X)が上下移動することによって、副弁体(14X)が副弁座(108g)に対して当接離間させられるようになっている。また、中空室(108c)の内部に、移動体(11X)を下方に向かって付勢する第1スプリング(15)と、形状記憶合金よりなりかつ移動体(11X)を上方に向かって付勢する第2スプリング(16)とが収容されている。
移動体(11X)は、略有底筒状のものであって、スプリングガイド(12)と副弁体ホルダ(13X)とで構成されている。
スプリングガイド(12)は、外周面の下端にスプリング受け部(121)を有するとともに、内周面の上端に内向き係合凸部(122)を有する略筒状のものである。
副弁体ホルダ(13X)は、スプリングガイド(12)の内部に収容可能な大きさを有するものであって、略筒状をなしかつ内周面の下部に雌ねじを有するホルダ外部材(132)と、ホルダ外部材(132)の下部にねじ込まれる雄ねじを有する略短円柱状のホルダ内部材(133)とで構成されている。ホルダ外部材(132)の外周面の下部には、スプリングガイド(12)の内向き係合凸部(122)に下方から係り合わせられる平面より見て四角形の外向き係合凸部(132a)が形成されている。ホルダ外部材(132)の内周面の上部には、その高さ中間位置に下向き環状段差(132b)が形成されている。ホルダ内部材(133)の外周面の下端部近傍に水平環状のフランジ部(133a)が形成されており、このフランジ部(133a)がホルダ外部材(132)の下端面に当接させられるようになっている。副弁体ホルダ(13)の上部は、スプリングガイド(12)の上端開口を通じて、スプリングガイド(12)の上方に突出させられている。
副弁体(14X)は、略短円柱状のゴムパッキンよりなり、その外周面の高さ中間位置に上向き環状段差(141)を有している。副弁体(14X)をホルダ外部材(132)内にその下端開口から挿入すると、副弁体(14X)の上向き環状段差(141)がホルダ外部材(132)の下向き環状段差(132b)と当接する位置で止まり、その後、ホルダ外部材(132)の下部にホルダ内部材(133)をねじ込むことで、副弁体(14X)が、その上端部をホルダ外部材(132)の上端開口から露出して僅かに上方に突出した状態で、副弁体ホルダ(13X)によって保持される。
図9に示すように、内向き係合凸部(122)と外向き係合凸部(132a)とが係り合わせられた状態で、両者(122)(132a)の間に、移動体(11X)の内部と外部とを通水可能に連通させる複数(図では計4つ)の通水間隙(17)(通水部)が形成されるようになっている。
第1スプリング(15)は、移動体(11X)の外側において、スプリング受け部(121)と中空室(108c)の上壁(ケーシング(108)の上端壁(108a))との間に介在されている。
第2スプリング(16)は、移動体(11X)の内側において、移動体(11X)の底部、より詳細にはホルダ内部材(133)のフランジ部(133a)と、中空室(108c)の下壁(第2端壁)、より詳細にはケーシング(108)内に下端開口から挿入されて外周部が下向き環状段差(108d)に当接させられているドーナツ板状のばね受け部材(109)との間に介在されている。ばね受け部材(109)は、ケーシング(108)の環状溝(108e)に嵌め込まれた抜け止めリング(110)によって、ケーシングに保持されている。
上記以外の凍結防止機構(107)の詳細な構造や材料等については、第1の実施形態の凍結防止機構と実質的に同一であるので、説明を省略する。
上記の凍結防止機構(107)付き第3継手(ソケット)(105)は、ケーシング(108)内に、副弁体(14X)、副弁体ホルダ(13X)、スプリングガイド(12)、第1スプリング(15)および第2スプリング(16)を予め組み込んでユニット化しておいてから、同ケーシング(108)上端の接続部(108b)を、第3継手(105)の管状壁(105a)の垂直貫通孔(105b)にねじ接続することにより組み立てられるので、組立作業を容易に行うことができ、また、各構成部品の構造が比較的単純であるので、製造が容易であり、コストも抑えられる。
なお、凍結防止機構は、上記のようなケーシング(108)を利用したユニット構造体(107)とする他、第3継手(105)の管状壁(105a)に中空室を一体に設けたものとすることも可能である。
また、上記の凍結防止機構(107)付き第3継手(ソケット)(105)は、既存の水栓柱(100)において、第2継手(104)と水栓(1X)との間に後付けで簡単に介在させることができるので、簡単にかつ低コストで凍結防止機能を付加することができる。
次に、第2の実施形態による水栓柱(100)の上部(給水配管)の凍結防止機能について説明する。
まず、水栓(2X)の弁体(5)が弁座(24)に当接させられている止水状態において、第2スプリング(16)の周囲温度が氷点付近の所定温度(例えば2℃前後)よりも高い場合には、第2スプリング(16)が第1スプリング(15)のばね弾性力に抗して移動体(11X)を上向きに付勢し、それによって副弁体(14X)が副弁座(108g)に当接させられている(図7参照)。
そして、第2スプリング(16)の周囲温度が前記所定温度以下まで低下すると、第2スプリング(16)が収縮方向に変形して付勢力が作用しなくなるので、第1スプリング(15)のばね弾性力により移動体(11X)が下方に移動させられ、副弁体(14X)が副弁座(108g)から離間させられる。これにより、水栓本体(2)内の1次側流路(20a)、継手(103)(104)(105)および給水管(102)内に滞留していた水が、水導入孔(108f)を通じて中空室(108c)に流入し、その下端の水導出孔(108h)から少量ずつ外部へ流出させられる。このように水栓(1X)、継手(103)(104)(105)および給水管(102)の内部に滞留していた水が流動することによって、水の凍結が効果的に防止される。
上記凍結防止機構(107)によるその他の作用・効果は、第1の実施形態の場合と実質的に同じである。
第2の実施形態では、この発明による凍結防止機構(凍結防止用水抜き弁)を、水栓と給水管との間に介在される継手に設けた例を示したが、これと同様の凍結防止機構を、例えば、水栓本体の一次側流路部や給水管に設けることも可能であり、それによっても同様の作用効果が得られる。
この発明は、給水配管において寒冷期に水栓や給水管等の内部で水が凍結するのを防止するための凍結防止機構であって、例えば、水栓に組み込まれる凍結防止機構付き水栓弁体ユニットや、給水配管における開閉弁の一次側流路の一部を構成する凍結防止機構付き給水配管用継手等として好適に用いられる。
(1):水栓
(2):水栓本体
(20a):一次側流路
(20b):二次側流路
(3):水栓弁体ユニット
(4):スピンドル
(44):中空室
(45):水導入孔
(46):副弁座
(47):水導出孔
(5):弁体
(6):ハンドル
(11):移動体
(12):スプリングガイド
(121):スプリング受け部
(122):内向き係合凸部
(13):副弁体ホルダ
(131):外向き係合凸部
(14):副弁体
(15):第1スプリング
(16):第2スプリング
(17):通水間隙(通水部)
(100):水栓柱
(105):第3継手(給水配管用継手)
(105a):管状壁
(105b):雌ねじ付き垂直貫通孔
(107):凍結防止機構
(108):ケーシング
(108a):ケーシングの上端壁(中空室の上壁(第1端壁))
(108b):雄ねじ付き接続部
(108c):中空室
(108f):水導入孔
(108g):副弁座
(108h):水導出孔
(11X):移動体
(13X):副弁体ホルダ
(132):ホルダ外部材
(132a):外向き係合凸部
(133):ホルダ内部材
(14X):副弁体

Claims (7)

  1. 給水配管において開閉弁が閉じている時に一次側流路内に滞留した水が凍結するのを防止するための凍結防止機構であって、
    略筒状をなしかつ片面が一次側流路内に臨むように配された第1端壁および一次側流路外に配された第2端壁を有している中空室と、第1端壁に一次側流路内と中空室内とを連通させるように形成された水導入孔と、第1端壁の他面における水導入孔の周縁部に形成された副弁座と、中空室の周壁または第2端壁に中空室内と外部空間とを連通させるように形成された水導出孔と、中空室内にその長さ方向に移動自在に収容された移動体と、移動体における第1端壁側の端に設けられかつ移動体が中空室の長さ方向に移動することによって副弁座に対して当接離間させられる副弁体と、移動体を第2端壁側に向かって付勢する第1スプリングと、形状記憶合金よりなりかつ移動体を第1端壁側に向かって付勢する第2スプリングとが備えられており、第2スプリングは、周囲温度が氷点付近の所定温度よりも高い時には、第1スプリングのばね弾性力に抗して移動体を第1端壁側に移動させて副弁体を副弁座に当接させる一方、周囲温度が前記所定温度以下となった時には、第1スプリングのばね弾性力により移動体が第2端壁側に移動させられて副弁体が副弁座から離間させられるように収縮方向に変形するものであり、
    移動体は、略有底筒状となされていて、その第1端壁側の端または長さ中間位置に径方向外方に突出したスプリング受け部を有しており、第1スプリングは、移動体の外側においてスプリング受け部と第1端壁との間に介在されており、第2スプリングは、移動体の内側において移動体の底部と第2端壁との間に介在されている、給水配管の凍結防止機構。
  2. 移動体が、外周面における第2端壁側の端または長さ中間位置に前記スプリング受け部を有するとともに内周面における第1端壁側の端に内向き係合凸部を有する略筒状のスプリングガイドと、スプリングガイドの内部に収容可能な大きさを有し、外周面に内向き係合凸部に第2端壁側から係り合わせられる外向き係合凸部を有し、かつ第1端壁側の面に前記副弁体が取り付けられている副弁体ホルダとよりなる、請求項1記載の給水配管の凍結防止機構。
  3. 内向き係合凸部および外向き係合凸部は、互いに係り合わせられた状態で移動体の内部と外部とを通水可能に連通させる通水部が形成されるような形状を有している、請求項2記載の給水配管の凍結防止機構。
  4. 上端にハンドル取付部を有するスピンドルと、スピンドルの下端に設けられた弁体とを備えており、スピンドルが、水栓本体の収容部に螺合状態で収容されて、ハンドル取付部に取り付けられたハンドルの操作によって回転させられることにより、弁体が水栓本体内の弁座に対して当接離間させられる水栓弁体ユニットであって、
    スピンドルの下部に、請求項1〜3のいずれか1つに記載の凍結防止機構が設けられている、凍結防止機構付き水栓弁体ユニット。
  5. 請求項4に記載の凍結防止機構付き水栓弁体ユニットを備えている、水栓。
  6. 給水配管における開閉弁の一次側流路の一部を構成する給水配管用継手であって、
    所定形状の管状壁を有するとともに、管状壁の所定箇所に請求項1〜3のいずれか1つに記載の凍結防止機構が設けられている、凍結防止機構付き給水配管用継手。
  7. 凍結防止機構の中空室が、略筒状をなしかつ一端部が管状壁の所定箇所にねじ接続されているケーシングによって構成されている、請求項6記載の凍結防止機構付き給水配管用継手。
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