JP2019183697A - 横軸ポンプ装置 - Google Patents

横軸ポンプ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019183697A
JP2019183697A JP2018073013A JP2018073013A JP2019183697A JP 2019183697 A JP2019183697 A JP 2019183697A JP 2018073013 A JP2018073013 A JP 2018073013A JP 2018073013 A JP2018073013 A JP 2018073013A JP 2019183697 A JP2019183697 A JP 2019183697A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump
bearing
underwater bearing
horizontal axis
pressurized fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018073013A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7051542B2 (ja
Inventor
浩之 金子
Hiroyuki Kaneko
浩之 金子
和彦 杉山
Kazuhiko Sugiyama
和彦 杉山
杉山 憲一
Kenichi Sugiyama
憲一 杉山
耕司 豊田
Koji Toyoda
耕司 豊田
雄二 中塩
Yuji Nakashio
雄二 中塩
宗俊 藤井
Munetoshi Fujii
宗俊 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2018073013A priority Critical patent/JP7051542B2/ja
Publication of JP2019183697A publication Critical patent/JP2019183697A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7051542B2 publication Critical patent/JP7051542B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

【課題】移送される液体を用いて潤滑される水中軸受を備える横軸ポンプ装置で、新たな設備の増設を極力最小限にしたままで、水中軸受の摺動部分の異物を、始動時、定常運転時、落水時などの異常時のすべてまたは一部において、適切に排出することのできる横軸ポンプ装置を、提供する。【解決手段】横軸ポンプ装置は、水平方向に延びる回転軸と、回転軸に固定された羽根車と、羽根車が収容されるポンプケーシングと、ポンプケーシング内に設けられて回転軸に対してすべり接触する水中軸受であって、羽根車によって移送される液体の一部が水中軸受と回転軸の互いのすべり面の間に流れ込むようになっている水中軸受と、を備える。また、横軸ポンプ装置は、水中軸受と回転軸の互いのすべり面の間に、加圧流体と負圧の少なくとも一方を供給するための供給機構を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、横軸ポンプ装置、特に揚水用または排水用に用いられる横軸ポンプ装置に関する。
従来から、河川水などの液体を移送するために横軸ポンプが使用されている。横軸ポンプとしては、横軸斜流ポンプ、及び軸流ポンプ等が知られている。
図21は、典型的な横軸斜流ポンプを示す側断面図である。図示のように、横軸斜流ポンプ10は、吸込水槽100より上方に設けられた据付床1000に、湾曲した管路を有する吸込ケーシング12と、吸込ケーシング12の下流側にフランジ接続される管状の吐出ケーシング14が接続されてポンプの作用する液体の流路となっている。また、横軸斜流ポンプ10の吐出側は、吐出ケーシング14に配管25が接続され、配管25と配管27の間に開閉弁26が備えられている。吸込ケーシングを軸封部13により液密に封止されて貫通した水平方向に延在する主軸11を有し、ケーシング内の主軸11には、インペラ(羽根車)17が固定される。さらに主軸11は、ポンプケーシング外の大気部に設けられた外部軸受22(転がり軸受)と、ポンプケーシング内に設けられた水中軸受40とにより回転可能に支持される。
水中軸受40は、軸受ケーシング39により固定され、さらに軸受ケーシング39は、複数の案内羽根18を介して吐出ケーシング14に固定された内部ケーシング(内筒)31内に、図示しないリブ等によって固定される。
主軸11の大気側は、主軸11を回転させるためのエンジンやモータ等の原動機24の軸継手20に接続される。
吸込ケーシング12の下方には、据付床を貫通して配管21が吸込みケーシング12と接続され、配管21は下端部の吸込口が開口している。横軸斜流ポンプを始動する際の吸込側の液面は、主軸11や羽根車の位置より低い位置にあるので、吐出ケーシング14の吐出口に接続された開閉弁26を閉止して、吸込ケーシング12と吐出ケーシング14内を真空ポンプ504で真空引をおこなう。このことにより、配管21内から吸込側の液面を上昇させ吸込ケーシング12と吐出ケーシング14内を水で満たすことができる。通常は、吸込ケーシング12と吐出ケーシング14内が満水になってから横軸斜流ポンプの主軸11を回転させてポンピングを開始するとともに、開閉弁26を開ける。
ここで、横軸斜流ポンプの機能は、吸込ケーシング12と吐出ケーシング14内が満水になってはじめて発揮されるが、運転中に軸封部13の経年劣化からもたらされるリークなどにより外部からケーシング内に大気が侵入すると、吸込ケーシング12と吐出ケーシング14内の真空が破壊され、その結果、ケーシング内の水が配管21を通じて吸込口側の吸込水槽100に戻される所謂「落水」がおこることがある。
ところで、横軸斜流ポンプのケーシング内主軸端部を受ける水中軸受は、すべり軸受が採用されるのが一般的である。図21のすべり軸受では水中軸受自体を(半)密封化し、ポンプケーシング外から潤滑剤(例えば、潤滑油など)を水中軸受の摺動部に供給する方式によるものである。ポンプケーシング外の据付床1000に置かれた潤滑剤循環用のポンプ163から潤滑剤が、配管161により水中軸受40に供給され、配管162によりにより潤滑剤循環用のポンプ163に戻される。配管161、162には、図示しなかったが、使用前の潤滑剤を溜めておくタンクと使用後の潤滑剤を溜めておくタンクを備える
場合や、摺動熱により加熱された潤滑剤を冷却するラジエーターを備えることがある。
横軸斜流ポンプは、主として河川水などの液体を移送するが、ポンプが取り扱う水中に含まれるスラリは、日により河川により、その量の多い少ない、砂礫質か粘土質であるか様々である。このようなスラリに対して、特許文献1にあるように、ポンプケーシング外部から潤滑剤を供給する方式の水中軸受では、水中軸受自体は揚水から(半)密閉化されているので、すべり軸受摺動部にスラリの侵入の心配はなく、まったく問題なく運転可能である。しかし、複雑な機構と外部から潤滑剤を供給する設備が必要で、そのうえ、水中軸受のメンテナンスをするために横軸斜流ポンプを分解する際には、水に接する部分と油が接する部分が同時に解放され、水が水中軸受の油回りに入るおそれや、逆に、油が水回りに入るおそれがある。また、潤滑剤の補給が定期的に必要となり、設置スペースが増加し、イニシャル、ランニングコストが増加する。また、移送した水を農業用または飲料用等に用いる場合、いかに密封化しているとはいえ、移送する液体に潤滑剤が混入される可能性があり、このことは好ましくない。
特開平6−346887号公報 特開2007−182769号公報 特開平7−217593号公報
以上のような方式に対して、ポンプに移送される液体により、水中軸受40のすべり軸受の摺動面を浸すことによる潤滑方式がある。このような自己潤滑による水中軸受の場合には、基本的にポンプ10が取り扱う水自体ですべり軸受摺動部を潤滑する。こうした方式を採用する意図としては、外部から潤滑剤を供給する方式における設置スペースやコストがかからないようにすることであるが、反面、水中に含まれるスラリのすべり軸受摺動部へ及ぼす悪影響の対策が必要となる。
例えば、横軸ポンプにおいては、すべり軸受と回転軸のクリアランス内を軸方向に流れる水流が存在せず、また、横軸円筒状のすべり軸受の内底部にスラリは溜まりやすく、すべり軸受と回転軸のクリアランス内のスラリは、排出しにくいという特有の問題がある。
特に、横軸ポンプは、ある程度長期のポンプ休止期間をもつ場合が多く、その場合、一旦吸込ケーシング12と吐出ケーシング14内を大気状態にする。このとき、すべり軸受と回転軸のクリアランス内に滞留したスラリは、排出が困難で、また必ずしも砂礫質のスラリだけではなく、粘土質のものもあるので下方に沈殿し、乾燥し、固まってしまう。それが、クリアランスを埋めて固まると、ポンプ運転を再開しても回転軸の回転の障害となり、不具合が生じる虞がある。
したがって、横軸ポンプの始動時、定常運転時、落水時などの異常時、および停止時以後も、すべり軸受と回転軸のクリアランス内のスラリを排出し、そこにスラリを滞留させないことが望まれる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、移送される液体を用いて潤滑される水中軸受を備える横軸ポンプ装置で、新たな設備の増設を極力最小限にしたままで、水中軸受の摺動部分の異物を、始動時、定常運転時、落水時などの異常時のすべてまたは一部において、適切に排出することのできる横軸ポンプ装置を、提供することを目的とする。
(形態1)形態1によれば、横軸ポンプ装置が提案され、前記横軸ポンプ装置は、水平方向に延びる回転軸と、前記回転軸に固定された羽根車と、前記羽根車が収容されるポンプケーシングと、前記ポンプケーシング内に設けられて前記回転軸に対してすべり接触する水中軸受であって、前記羽根車によって移送される液体の一部が前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に流れ込むようになっている水中軸受と、前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に、加圧流体と負圧の少なくとも一方を供給するための供給機構と、を備える。形態1によれば、水中軸受と回転軸の互いのすべり面の間に侵入した異物を供給機構によって外部に排出することができ、水中軸受の高寿命化を図ることができる。
(形態2)形態2によれば、形態1の横軸ポンプ装置において、前記供給機構は、前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に前記加圧流体を供給可能な加圧流体供給源を有する。
(形態3)形態3によれば、形態2の横軸ポンプ装置において、前記加圧流体供給源は、前記回転軸に接続されて当該回転軸の回転に伴って前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に加圧流体を供給する供給用ポンプである。
(形態4)形態4によれば、形態2又は3の横軸ポンプ装置において、前記供給機構は、清浄液を蓄えるタンクを有し、前記加圧流体供給源は、前記タンクに蓄えられた清浄液を前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に供給可能な供給用ポンプである。
(形態5)形態5によれば、形態2から4の何れかの横軸ポンプ装置において、前記加圧流体供給源は、前記ポンプケーシング内の液体を前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に供給可能な供給用ポンプである。
(形態6)形態6によれば、形態2から5の何れかの横軸ポンプ装置において、前記供給機構は、前記加圧流体を前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に案内する第1の配管と、前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に案内された前記加圧流体の少なくとも一部を前記ポンプケーシング外に案内する第2の配管と、を有し、前記加圧流体供給源は、前記第2の配管を流れる液体を前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に供給可能な供給用ポンプである。
(形態7)形態7によれば、形態2の横軸ポンプ装置において、前記回転軸を回転させるための内燃機関を更に備え、前記加圧流体供給源は、前記加圧流体を前記内燃機関に供給可能である。
(形態8)形態8によれば、形態7の横軸ポンプ装置において、前記加圧流体供給源は、前記内燃機関の運転を停止する際に、前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に前記加圧流体を供給する。
(形態9)形態9によれば、前記ポンプケーシング内を真空引きする真空ポンプを更に備え、前記供給機構は、前記真空ポンプにより前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に前記負圧を供給する。
(形態10)形態10によれば、形態1から9の何れかの横軸ポンプ装置において、前記水中軸受は、前記供給機構が供給する前記加圧流体または前記負圧が通る開口を有する。
(形態11)形態11によれば、形態1から10の何れかの横軸ポンプ装置において、前記水中軸受における前記回転軸の軸方向の端部を覆う閉止板を更に備える。
(形態12)形態12によれば、形態1から11の何れかの横軸ポンプ装置において、前記供給機構が供給する前記加圧流体または前記負圧が通る流路に設けられ、異物を捕捉する異物捕捉部を更に備える。
(形態13)形態13によれば、形態1から12の何れかの横軸ポンプ装置において、前記横軸ポンプによる移送対象である流体に含まれる異物の量に関連する物理量を測定する異物量関連センサを更に備え、前記供給機構は、前記異物量関連センサによる測定結果に基づいて前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に前記加圧流体または前記負圧を供給する。
(形態14)形態14によれば、形態1から13の何れかの横軸ポンプ装置において、前記水中軸受が樹脂材料から形成されている。
(形態15)形態15によれば、形態14の横軸ポンプ装置において、前記水中軸受は、タルク、芳香族ポリエーテルケトン、炭素繊維および不可避不純物を含む材料から形成されている。
(形態16)形態16によれば、形態14または15の横軸ポンプ装置において、前記すべり軸受の前記すべり面において、PTFEが30%の面積率を有し、炭素繊維が4%の面積率を有し、芳香族ポリエーテルケトンおよび不可避不純物が残りの面積を占める。
(形態17)形態17によれば、形態14から16の何れかの横軸ポンプ装置において、前記すべり軸受の前記すべり面において、PPSが23%の面積率を有し、炭素繊維が2%の面積率を有し、PTFEおよび不可避不純物が残りの面積を占める。
本実施形態に係る横軸ポンプ装置の概略構成を示す図である。 図1における洗浄水供給用ポンプ50周辺を拡大して示す図である。 本実施形態に係る横軸ポンプ装置の始動に関する運転フロー図である。 横軸斜流ポンプの揚水を、水中軸受の摺動面を清浄する清浄液として用いる場合の実施形態である。 洗浄水供給用ポンプと、横軸斜流ポンプの水中軸受及び主軸のクリアランスとが、2つの配管によって繋がれている実施形態を示している。 本実施形態に係る横軸ポンプ装置の運転停止に関するフロー図である。 本実施形態に係る横軸ポンプ装置の異常停止として、落水時の運転停止に関するフロー図である。 洗浄水供給用ポンプを配置できない場合で原動機がエンジンなどの内燃機関124である場合の実施例を示したものである。 洗浄水供給用ポンプを配置できない場合で、また図8Aとは異なり原動機に内燃機関を用いない場合の実施例を示したものである。 洗浄水供給用ポンプを配置できない場合で、設備に高置水槽が備えられている場合の実施例を示したものである。 フラッシングを行うか否かの判定を説明するための図である。 主軸と水中軸受の関係の一例を示す軸方向断面図である。 水中軸受を図12中A13−A13方向から示す図である。 主軸と水中軸受の関係の別の一例を示す軸方向断面図である。 図1に示した主軸の先端部の拡大側断面図である。 図15に示す水中軸受の拡大側断面図である。 水中軸受を図16中のA17−A17方向から示す断面図である。 別の一例に係る水中軸受の拡大側断面図である。 水中軸受を図18中のA19−A19方向から示す断面図である。 別の一例による水中軸受40の拡大側断面図である。 典型的な横軸斜流ポンプを示す側断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。なお、以下で説明する実施形態では、本発明の横軸ポンプの一例として横軸斜流ポンプを備えた横軸ポンプ装置が説明されるが、本発明は横軸軸流ポンプを備えた横軸ポンプ装置にも適用することができる。
図1は、本実施形態に係る横軸ポンプ装置の概略構成を示す図である。図示のように、横軸ポンプ装置は、吸込水槽100の上の据付床1000に据え付けられた横軸斜流ポンプ10を備えている。横軸斜流ポンプ10は、ポンプケーシングとして、湾曲した管路を有する吸込ケーシング12と、吸込ケーシング12の下流側にフランジ接続される管状の吐出ケーシング14とを有する。また、横軸斜流ポンプ10は、略水平方向に延在する主軸11(回転軸の一例に相当する)を有する。主軸11は、吸込ケーシング12を貫通し、吐出ケーシング14の内部まで延在する。主軸11と吸込ケーシング12との隙間は、軸封部13により液密に封止される。
主軸11のポンプケーシング内の端部は、吐出ケーシング14内に配置される水中軸受40によって回転可能に支持される。水中軸受40は、主軸11方向に軸を揃えた略円筒のすべり軸受であり、軸受ケーシング39により回転しないように保持される。軸受ケーシング39は、複数の案内羽根18を介して吐出ケーシング14内に固定された内部ケーシング(内筒)31の内に、図示しないリブ等によって固定される。
主軸11には、インペラ(羽根車)17がキー15によって固定される。これにより、主軸11の回転に伴ってインペラ17が回転する。インペラ17と内部ケーシング31の内面により、水中軸受40を収容する空間である水中軸受室19が形成される。但し、水中軸受室19は、吐出ケーシング14内周面と内部ケーシング(内筒)31の外周面の間の空間から孤立して密閉されているわけではなく、互いの流体の行き来は可能である。
ポンプケーシング外に延出した主軸11の端部は、軸継手20を介して、主軸11を回転させるためのエンジンやモータ等の原動機24に接続される。また、軸継手20と軸封部13との間には、吸込ケーシング12の外部において主軸11を回転可能に支持する外部軸受22が設けられる。
また、ポンプケーシング外に延出した主軸11には、図2に示すように、主軸11の回転力を機械的に一部分岐して利用し、動力としている洗浄水供給用ポンプ(供給用ポンプ)50が備えられる。この洗浄水供給用ポンプ50は、水中軸受40と主軸11との間に洗浄水を供給するために設けられており、「加圧流体供給源」の一例に相当する。この洗浄水供給用ポンプ50は、水中軸受40と主軸11との間に洗浄水を供給するために設けられている。主軸11には歯車51が備えられ、一方洗浄水供給用ポンプ50は、歯車51に噛み合う歯車52が備えられている。洗浄水供給用ポンプ50のポンプ部分54は、主軸11の歯車51を通じて動力が伝達され、歯車52および洗浄水供給用ポンプ50の回転軸53が回転することにより運転される。洗浄水供給用ポンプ50はその吸込口55側から流体を吸込み、ポンプ部分54により加圧された流体が吐出口56から吐出される。洗浄水供給用ポンプ50の吸込口55は水中軸受40の摺動面を清浄する清浄液を蓄えるタンク57と接続している。清浄液を蓄えるタンク57には外部から清浄液を補充する際に用いる注入口58が必要数備えられている。
なお、外部軸受22は潤滑油を使用する一方、洗浄水供給用ポンプ50は水を使用し、軸封部13部分は水の漏洩を防ぐために設けられている。そのため、外部軸受22に水が侵入したり、逆に洗浄水供給用ポンプ50の水へ潤滑油が侵入したり、軸封部からポンプ内にオイルの侵入汚染をしないように、外部軸受22、洗浄水供給用ポンプ50、軸封部13は互いに液密に分離されている。したがって、潤滑油を用いる外部軸受22を収めた軸受ケーシングを開いて外部軸受22の保守や交換を行う場合には、水を用いる洗浄水供給用ポンプ50のケーシングや、吸込ケーシング12、吐出ケーシング14を必ずしも開いて分解する必要はなく、逆に、洗浄水供給用ポンプ50のケーシングや、吸込ケーシング12や吐出ケーシング14を開いて洗浄水供給用ポンプ50やケーシング内部の保守や交換を行う場合には、外部軸受22を収めた軸受ケーシングを開く必要はない。
洗浄水供給用ポンプ50の動力は、横軸斜流ポンプ10の主軸11の回転力を機械的な歯車で一部分岐して利用するので、横軸斜流ポンプ10と連動して洗浄水供給用ポンプ50を運転することが可能である。したがって、従来の潤滑油供給装置の場合は、横軸斜流ポンプに隣接する据付床1000の敷地に、別置きに配置された潤滑油循環ポンプの運転や停止の指示を、横軸斜流ポンプ10の運転状況について、いちいち電気信号的な確認動作のあとに、潤滑油循環ポンプを運転するか、または停止するかの電気的な判断作業を行うために、電気的な信号や制御ロジック回路やスイッチなどを含む制御装置を用いる必要があったが、その必要がなくなるので、制御は簡単になり、制御装置に係るコストやそれを置くスペースが低減できる。また、潤滑油を供給する場合には、潤滑油を蓄えるタンクの残量を監視し、適切なタイミングでタンクに潤滑油を供給する必要がある。これに対して、本実施形態のように水を供給する場合には、水道水、設備に高架水槽があれば高架水槽に貯留された水、又は横軸斜流ポンプ10の揚水などを使用することができ、潤滑油を供給する場合に比して供給源を監視する負担が小さくなる。
洗浄水供給用ポンプ50は、主軸11の近傍に備えられることが好ましく、特に主軸11の上部に設けられることが、平面的な設置スペースを求めなくて済むため望ましい。
同じ理由から、洗浄水供給用ポンプ50の上方にタンク57を備えることが望ましい。
このようにすると、従来の潤滑油供給装置の場合は、別置きの潤滑油循環ポンプを配置するスペースが、横軸斜流ポンプ10の周辺に必要になり、メンテナンススペースが狭くなっていたが、ポンプ周辺のメンテナンススペースが広くとれるので、メンテナンスがしやすくなる。
洗浄水供給用ポンプ50の吐出口56は、水中軸受40と主軸11の摺動部クリアランスに連通する配管61が接続される。なお、配管61は、典型的には吐出ケーシング14の外面に顕れる接続ポートを境に、吐出ケーシング14外部の配管と内部の配管に分けられる。吐出ケーシング14外部の配管は、洗浄水供給用ポンプ50の吐出口56から吐出ケーシング14の外面の接続ポートまでの配管であり、吐出ケーシング14内部の配管は、接続ポートから軸受ケーシング39と水中軸受40を貫通して水中軸受40の内周面に開口する部分までの配管である。別途水中軸受40の説明をする際に、便宜的に接続ポートから軸受ケーシング39の外周面の開口までとしているものもある。
また、洗浄水供給用ポンプ50のタンク57に備えられた注入口に連通する配管62が備えられる。配管62にはストレーナ(異物捕捉部)63を設けられている。洗浄水供給用ポンプ50のタンク57に配管62を介して、設備の水道水や、設備に高架水槽があれば高架水槽に貯留された水、横軸斜流ポンプ10の揚水などが、水中軸受40の摺動面と主軸11の摺動面の間のクリアランスに、両摺動面の異物を除去するために、清浄液として供給される。洗浄水供給用ポンプ50のタンク57の水位を検知する水位検知器(図示しない)により、配管62に備えられたバルブ501が開閉され、洗浄水供給用ポンプ5
0のタンク内の水位は適正に維持される。
図1に示すように、吸込ケーシング12の頂部近傍には、真空ポンプ504が接続されている。吸込ケーシング12と真空ポンプ504とを接続する吸気配管505には、吸気弁(電磁弁または電動弁)506、及び満水検知器507、真空破壊弁500が設けられている。真空ポンプ504は、動力源508からの動力を用いてポンプケーシング内部に負圧を提供し、吸気する。真空ポンプ504でポンプケーシング内部を吸気して満水検知器507で満水を検知することによって、ポンプケーシング内部を水で満たして横軸斜流ポンプ10を始動することができる。
図3は、本実施形態に係る横軸ポンプ装置の始動に関する運転フロー図である。本フローは、横軸斜流ポンプ10を始動する際に、横軸ポンプ装置に備えられた図示しない制御部、またはユーザによって実行される。
始動前の状態は、開閉弁26が閉止し、ポンプケーシング内部は大気の状態である。すなわち、ポンプケーシング内部は水で満たされていない。
始動に際しては、吸込ケーシング12と接続される配管21の下端部の吸込口よりも上方に吸込水槽100の液面があるかどうかを、図示しない液面計により確認した後(S10)、真空破壊弁500を閉止し、真空ポンプ504を始動、および吸気弁506を開く(S12)。そうすると、ポンプケーシング内部が真空状態になり、配管21の下端部の吸込口から水が上昇する。満水検知器507により、ポンプケーシング内部が満水となったことが確認されると(S14)、吸気弁506を閉止し、真空ポンプ504を停止する(S16)。
次に、横軸斜流ポンプ10を始動する(S18)。横軸斜流ポンプ10の始動により、主軸11が回転し、インペラ17がポンピングを開始する。それと同時に主軸11に備えられた動力伝達機構である歯車51が回転し、歯車51に噛合う歯車52を備えた洗浄水供給用ポンプ50も駆動する。洗浄水供給用ポンプ50は、予めタンク57内に蓄えられた清浄水を数気圧から数十気圧に加圧して吐出する加圧ポンプで、加圧された清浄水は、配管61を介して水中軸受40と主軸11の間のクリアランスに吹き付けられる。この時の清浄水の吹付圧力は、横軸斜流ポンプ10のインペラ17による吐出圧力より高い圧力である。
横軸斜流ポンプ10の始動後まもなく、横軸斜流ポンプ10の吐出し側の開閉弁26を全開状態にする(S20)。このようにして、横軸斜流ポンプ10の始動が完了し、横軸斜流ポンプ10は定常運転状態となる。
定常運転中は、洗浄水供給用ポンプ50により供給される清浄水が、水中軸受40と主軸11の間のクリアランスに吹き付けられるので、横軸斜流ポンプ10のインペラ17により揚水される液中のスラリが、水中軸受40と主軸11の間のクリアランスに侵入することが困難となる。水中軸受40と主軸11の間のクリアランスに吹き付けられた清浄水は、る、特に環境に影響する薬品や物質を含まないので、横軸斜流ポンプ10の揚水と混合して排出することができ、清浄水は、クリアランス内を通して水中軸受40の外に流出し、横軸斜流ポンプ10の揚水と混合して排出される。
なお、定常運転中に清浄水を継続的に、水中軸受40と主軸11の間のクリアランスに供給するのではなく、配管61中に外部信号により開閉するバルブ等を設け、必要な時にバルブを開いて必要なだけ清浄水を供給して、水中軸受40と主軸11の間のクリアランスを洗浄する、所謂フラッシングも可能である。
このように、横軸斜流ポンプ10は、定常運転時に水中軸受40と主軸11の間のクリアランスに洗浄水を供給し続けて運転するので、停止までの間、水中軸受40と主軸11
の間のクリアランスは、スラリの侵入も堆積もない状態が保たれる。そのため、横軸斜流ポンプ10を停止して、長期間大気開放状態に放置したあと、ポンプの再起動をかけても、主軸11は、従来の様な、クリアランス中の固まったスラリに拘束されることはなく、安定的に再起動することが可能である。
また、洗浄水供給用ポンプ50とタンク57および、水中軸受40と主軸11の間のクリアランスへの供給配管61、洗浄水補給用の配管62などによる洗浄水供給機構(供給機構)は、横軸斜流ポンプ10の主軸11の近傍に備えられるので、特に平面的な設置スペースを求めなくて済む。
図4は、横軸斜流ポンプ10の揚水を、水中軸受40の摺動面を清浄する清浄液として用いる場合の実施形態である。インペラ17で加圧された揚水を、インペラ17より下流の吐出ケーシング内から配管62により抽出し、配管62を通じてバルブ501、パーティクルカウンターあるいは濁度計などの異物量測定器(異物量関連センサ)29、およびストレーナ63を介して洗浄水供給用ポンプ50のタンク57に備えられた注入口58に供給する。また、ストレーナ63の前後の配管62の圧力を測定する圧力計P1、P2を備えている。
このようにすることで、洗浄水供給用ポンプ50のタンク57には、横軸斜流ポンプ10の揚水が常時補充供給されるので、清浄液補充用に特別なポンプ装置を更に要することなく済ますことができ、そのような設備の追加の設置スペースの問題もなく、清浄液の不足の心配がない。また、異物量測定器29により横軸斜流ポンプ10の揚水の汚れ具合を観測することができ、圧力計P1、P2の圧力差の変化により、ストレーナ63の再生または交換の時期を知ることができる。
図5は、洗浄水供給用ポンプ50と、横軸斜流ポンプ10の水中軸受40及び主軸11のクリアランスとが、2つの配管61a、61bによって繋がれている実施形態を示している。配管(第1の配管)61aは、洗浄水供給用ポンプ50により清浄液を、水中軸受40と主軸11の摺動面間のクリアランスに供給する。配管(第2の配管)61bは、水中軸受40と主軸11の摺動面間のクリアランスから水を回収して洗浄水供給用ポンプ50のタンク57に戻す役割を担うものである。
なお、配管61bは、配管61について前述したのと同じく、典型的には吐出ケーシング14の外面に顕れる接続ポートを境に、吐出ケーシング14外部の配管と内部の配管に分けられる。吐出ケーシング14外部の配管は、洗浄水供給用ポンプ50のタンク57の注入口と吐出ケーシング14の外面の接続ポートを結ぶ配管である。吐出ケーシング14内部の配管は、接続ポートから軸受ケーシング39と水中軸受40を貫通して水中軸受40の内周面に開口する部分までの配管である。別途水中軸受40の説明をする際に、便宜的に接続ポートから軸受ケーシング39の外周面の開口までとしているものもある。
横軸斜流ポンプ10の運転により、水中軸受室19内の圧力Pは大気圧よりも加圧されている。また、配管61により水中軸受40と主軸11の摺動面間のクリアランスに供給される清浄液の圧力Pは、Pよりも高い圧力である。配管61bの水中軸受40と主軸11の摺動面間のクリアランスとの接続する開口部分の圧力は、圧力PとPの間の値の圧力Pとして、洗浄水供給用ポンプのタンクの内圧が大気圧程度とすれば、供給した清浄液を全量汚染度の高い揚水に放出することなく、一部ではあるが、回収することが可能となる。
配管61bにストレーナ63bを備えれば、水中軸受40と主軸11の摺動による摩耗粉などがストレーナで捕捉され、清浄液の清浄の程度を維持することができる。
したがって、貴重なきれいな水を大量に消費することなく、節約して使用することが可能である。
洗浄水供給用ポンプ50のタンク57の水位を検知する水位検知器(図示しない)を備え、この検出信号に基づいて清浄液を補給する配管62に備えられたバルブ501が開閉されるものとしてもよい。こうすれば、洗浄水供給用ポンプ50のタンク57内の清浄液の水位は適正に維持され、且つ、そのバルブ501が開閉される頻度は低減するので、バルブなどの機器の長寿命化に貢献する。
また、配管61bにパーティクルカウンターあるいは濁度計などの異物量測定器を備えたり、ストレーナの前後の配管61bの圧力を測定する圧力計P1、P2を備えたりすることもできる。濁度や圧力計P1、P2の間の圧力差や、あるいはストレーナに捕捉された異物を分析することで、水中軸受40と主軸11の摺動部の摩耗の進行状況を観測することができ、水中軸受40の適切な交換の時期を推定することができる。
また、図5の清浄液を図4に示した例の様に、横軸斜流ポンプ10の揚水の一部で賄うことも可能である。更に図20で示したように、従来、ポンプケーシング外部から潤滑剤循環用のポンプ163によって潤滑剤を水中軸受40と主軸11の摺動部に供給し、また回収循環していた横軸斜流ポンプ装置があった場合に、その時に用いたポンプケーシングの潤滑剤の供給ポートと回収ポートを利用して、本実施形態の横軸斜流ポンプ装置を実現することも可能である。
図6は、本実施形態に係る横軸ポンプ装置の運転停止に関するフロー図である。本フローは、横軸斜流ポンプ10を停止する際に、横軸ポンプ装置に備えられた図示しない制御部、またはユーザによって実行される。
正常に停止する場合には、まず、横軸斜流ポンプ10の下流に備えられ、定常運転では全開状態の開閉弁26を全閉にする(S30)。開閉弁26を全閉にした後、原動機24を停止し、横軸斜流ポンプ10の運転を停止する(S32)。次に、吸気配管505に備えられ、定常運転では閉状態の真空破壊弁500を開状態にする(S34)。すると、大気がポンプケーシング内に侵入し、ケーシング内の水は吸込ケーシング12および、配管21を通じて吸込水槽100に流出する。
水中軸受室19および、水中軸受40と主軸11の間のクリアランスに存在する水も、内部ケーシング31とインペラ17の隙間などから内部ケーシング31の外に流出し、吸込ケーシング12および、配管21を通じて吸込水槽100に流出する。
ポンプケーシング内に大気が十分に入ったら、真空破壊弁500を閉止し(S36)、ポンプの停止動作を完了する。
図7は、本実施形態に係る横軸ポンプ装置の異常停止として、落水時の運転停止に関するフロー図である。本フローは、横軸ポンプ装置に異常が生じた際に、横軸ポンプ装置に備えられた図示しない制御部、またはユーザによって実行される。
軸封部13のリークなどにより、ポンプケーシング内に大気が侵入し、ポンプケーシング内の水が揚水されずに吸込水槽100に逆戻りしてしまう現象を落水という。この落水の状態でポンプ10の主軸11を回転し続けると、水中軸受40と主軸11の間のクリアランスには、大気状態であるので、潤滑する水がなく、水中軸受40は焼き付いて損傷しポンプ10は故障してしまう。
したがって、落水時には開閉弁26を閉止し、直ちにポンプ10を停止する(S40)。つまり、ポンプ10を正常に停止させるときには開閉弁26が全閉した後にポンプ10を停止させるのに対して、ポンプ10を異常停止させるときには直ちにポンプ10を停止
させる。開閉弁26を閉止し、ポンプ10を停止したら、次に、真空破壊弁500を開状態にして(S42)、ポンプケーシング内に大気を導入してポンプケーシング内の水を吸込水槽100に排出する。ポンプケーシング内に大気を十分導入したら真空破壊弁500を閉止して(S44)、ポンプ停止は完了である。落水の場合には、リーク箇所の特定などの原因究明を行い、リーク箇所の修理を行った後に、通常の始動を行って復帰する。
このように、落水を例にしたが、重大な損害が想定される重故障の場合には、開閉弁26とポンプ10を直ちに停止する操作を行う。
これまで、図1、図4、図5により、ポンプ10の主軸11の回転力を一部分岐して利用し、動力としている洗浄水供給用ポンプ50を用いて、清浄水を水中軸受40と主軸11の間のクリアランスに供給する実施例を紹介してきた。これらの実施例では、運転時には常時、清浄水を水中軸受40と主軸11の間のクリアランスに供給するので、水中軸受40と主軸11の間のクリアランスには異物が堆積したり、侵入したりするおそれはない。尚、主軸11の回転力を一部分岐して動力を伝達する装置として、歯車を例にしているが、その他プーリー等を用いてもよい。また、上記した実施例では、清浄水供給用ポンプ40が、主軸11に接続され、主軸11の回転に伴って水中軸受40と主軸11の互いのすべり面の間に加圧した清浄水を供給するものとした。しかし、こうした例に限定されず、清浄水供給用ポンプ40は、主軸11の回転に伴って、清浄水に代えて空気などの流体を水中軸受40と主軸11との間に供給するもの等としてもよい。
しかしながら、洗浄水供給用ポンプを図1、図4、図5のように配置できない場合もありうる。
図8は、洗浄水供給用ポンプを配置できない場合で原動機がエンジンなどの内燃機関124である場合の実施例を示したものである。図8において、主軸11の回転力を一部分岐して利用し、動力として用いる洗浄水供給用ポンプ50が備えられておらず、したがって洗浄水供給用ポンプ50に直接関係する歯車51や、配管61、62は存在しない。
その一方で、内燃機関124をポンプ10の動力として用いるので、内燃機関124に燃料を供給する燃料供給配管270、内燃機関124に始動用の空気を供給する空気供給配管260が備えられている。
空気供給配管260には、空気圧縮機(加圧流体供給源)262と、空気圧縮機262で圧縮された空気を圧縮された圧力のまま蓄える空気槽264とが接続されている。空気圧縮機262で圧縮された空気や、空気槽264の空気は、空気供給配管260を通じ、バルブ250を介して内燃機関124に供給される。内燃機関124は、供給された燃料と空気により駆動され、その動力により主軸11を回転する。このようにしてポンプ10は運転する。
本実施例において、空気供給配管260から分岐し、バルブ251を介してポンプ10の主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに空気を供給できるように接続される配管261は備えられている。
以上の相違を除いて、本実施例は、図1の実施例と同一の機器を有し、当該機器に同一の符号を付している。
本実施例においては、始動及び定常運転においては、バルブ251は閉止状態で、バルブ250は開状態である。つまり、空気圧縮機262及び空気槽264からの圧縮空気は内燃機関124に供給される。しかしながら、通常停止あるいは、異常停止においては、図6乃至図7のフローにおいて、ポンプ10の停止に伴いバルブ250を閉止状態にし、続いて真空破壊弁500を開状態にしてから真空破壊弁500を閉状態にするまでの間にバルブ251を開く。これにより、空気圧縮機262及び空気槽264からの圧縮空気は、ポンプ10の主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに供給される。
図8においては、定常運転時には、ポンプ10の主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに異物の堆積を防ぐ作用を外部から行わない。その代わり、停止ごとに(それが、正常停止であれ異常停止であれ)ポンプ機場に常用として用いられる圧縮空気をポンプ10の主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに吹き付け、クリアランス内に堆積した異物を噴き出して堆積を防いでいる。このため、長期間にわたりポンプ10の運転を休止したあとに、再起動を行っても、従来の様に、主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに堆積したスラリが固まって再起動に困難を生ずるというおそれ虞はない。
尚、図8においては、主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに吹き付けられる空気の威力は、空気の圧力差が大きいほど効果があるので、更に真空ポンプ504によりポンプケーシング内を真空引きしながら配管261より圧縮空気を供給することもありうる。尚、この場合には真空破壊弁500を閉止したあとに行うべきである。
図9は、洗浄水供給用ポンプを配置できない場合で、また図8とは異なり原動機に内燃機関を用いない場合の実施例を示したものである。図9において、主軸11の回転力を一部分岐して利用し、動力として用いる洗浄水供給用ポンプ50が備えられておらず、したがって洗浄水供給用ポンプに直接関係する歯車51や、配管61、62は存在しない。
一方で、吸気配管505の真空ポンプ504と吸気弁506の間から、ポンプ10の主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに通じる配管461が備えられ、配管461はバルブ450を備えている。
以上の相違を除いて、本実施例は、図1の実施例と同一の機器を有し、当該機器に同一の符号を付している。
ポンプ10の始動時、及び定常運転時にはバルブ450は閉状態である。ポンプ10の通常、異常停止を問わず停止時には、真空破壊弁500を開状態にした後に、真空ポンプ504を起動し、バルブ450を開状態にする。配管461には、主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに蓄積されたスラリと揚水が流入する。配管461には図示しないストレーナや気液分離器を備え、そこで、スラリの混入した液体は分離される。このように、真空ポンプ504による真空で、主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに蓄積されたスラリを吸引し、回収する。
なお、配管461に入る揚水は少ない方が良いので、バルブ450を開状態にするのは、ポンプケーシング内は大気で満たされた後で、真空破壊弁500を閉止する前が好ましい。
一定時間吸引したら、バルブ450を閉止し、真空破壊弁500も続けて閉止して停止状態に至る。
図9においては、定常運転時には、ポンプ10の主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに異物の堆積を防ぐ作用を外部から行わない。その代わり、停止ごとに(それが、正常停止であれ異常停止であれ)ポンプ機場に常用として用いられる真空ポンプ504の真空圧で、ポンプ10の主軸11と水中軸受40の間のクリアランス内に堆積した異物を吸引、回収して堆積を防いでいる。このため、長期間にわたりポンプ10の運転を休止したあとに、再起動を行っても、従来の様に、主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに堆積したスラリが固まって再起動に困難を生ずるというおそれはない。
いずれの場合にしても、新たな装置を用意しないで既存の設備における機器を有効利用するので、平面的な設置スペースも不要である。
図10は、洗浄水供給用ポンプを配置できない場合で、設備に高置水槽が備えられている場合の実施例を示したものである。図10において、主軸11の回転力を一部分岐して
利用し、動力として用いる洗浄水供給用ポンプが備えられておらず、したがって洗浄水供給用ポンプに直接関係する歯車51や、配管61、62は存在しない。
また、図8のような、内燃機関を用いないので、内燃機関に燃料を供給する燃料供給配管や空気を供給する空気供給配管が備えられていない。
その一方で、高置水槽300に満たされた清浄水を、ポンプ10の主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに供給する配管361が備えられている。高置水槽300の清浄水は、配管361を通じてバルブ350を介して主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに供給されるようになっている。
本実施例においては、高置水槽300の高さが十分高ければ、ポンプ10の始動、定常運転、停止に依らず、バルブ350を開くことで、清浄水を主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに供給することが可能である。
しかしながら、高置水槽300の容量は限られているので、連続的に清浄水を供給し続けるよりも、断続的に主軸11と水中軸受40の間のクリアランスにフラッシングして供給する方が望ましい。
また、主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに供給される清浄水の勢いは高置水槽300の高さに加えてポンプケーシング内の圧力が低いほど大きいので、定常運転時よりは、停止時や始動時にフラッシングを行うことが効果的である。
これにより、ポンプ10の運転を休止したあとに、再起動を行っても、クリアランスに堆積したスラリが固まって再起動に困難を生ずるというおそれはない。
その他、高置水槽300に給水するポンプなどから配管を分岐して、主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに供給する配管し接続することも考えられる。
このいずれの場合にしても、新たな装置を用意しないで既存の設備における機器を有効利用するので、平面的な設置スペースも不要である。
以上、ポンプ10の主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに清浄水を供給する設備の説明をしてきた。ただし、いずれの場合についても、必要な時に必要なだけ清浄水や圧縮空気、高置水槽300からの清浄水の供給や、真空引きによる吸引により、水中軸受40と主軸11の間のクリアランスを洗浄するやりかたとして、所謂フラッシングも可能である。
この場合のフラッシングを行うか否かの判定については、一例として図11に示すように、ポンプ10が始動前であっても長期停止であっても停止状態では、運転履歴として発停頻度、運転時間、停止時間乃至期間により判断されるとよい。また、ポンプ10の運転状態では、運転時間、ストレーナ差圧、濁度等により把握される揚水環境等の汚れ具合や、定期的なドレン排出の頻度により判断されるとよい。さらに、ポンプ10の停止後では、ポンプ通常停止とポンプ落水の回数等の運転履歴と、例えば同じ機種の、揚水環境の汚れ具合や運転時間と相関する水中軸受40の摩耗に関する基礎データと、摩耗予測・寿命予測の推定との対照により判断されるとよい。
次にポンプ10に用いられる水中軸受40について述べる
図12は、主軸11と水中軸受40の関係を示す軸方向断面図であり、図13は、水中軸受40を図12中A13−A13方向から示す図である。図示するように、主軸11の外周面には、水中軸受40の内周面(すべり面)に対してすべり接触する円筒状のスリーブ11aが固定される。スリーブ11aの外周面(すべり面)と、水中軸受40の内周面(すべり面)との間には、非常に小さい隙間(クリアランス)が設けられる。ただし、主軸11には、スリーブ11aが設けられていなくてもよい。スリーブ11aは、主軸11が水中軸受40に直接摺動することによる主軸11の損傷を防止するための付加的な部材
である。スリーブ11aは、例えばステンレス鋼等の金属から構成される。また、スリーブ11aの外周面には、炭化タングステン又は炭化クロムを主構成物とする物質からなる膜が製膜されていてもよい。一例として、ステンレス鋼の外周面に、肉盛溶接、自溶性合金、または、溶射(特に、高速フレーム溶射(HVOF、HVAFなど))を用いて成膜を施すことができる。さらに、スリーブ11aは、セラミックス、超硬合金、及びサーメットのいずれかで構成されていてもよい。
水中軸受40は、セラミック、又は例えば特開2013−194769号公報に開示されているような、フッ素樹脂、タルク、芳香族ポリエーテルケトン、炭素繊維、及び不可避不純物を含む樹脂材料から構成される。また、水中軸受40のすべり面は、例えば特開2015−21551号公報に開示されているような、PTFEが30%の面積率を有し、炭素繊維が4%の面積率を有し、芳香族ポリエーテルケトンおよび不可避不純物が残りの面積を占めるように構成されていてもよい。さらに、水中軸受40のすべり面は、例えば特開2015−21551号公報に開示されているような、PPSが23%の面積率を有し、炭素繊維が2%の面積率を有し、PTFEおよび不可避不純物が残りの面積を占めるように構成されていてもよい。
水中軸受40は、全体として円筒状であり、内側に主軸11及びスリーブ11aが挿通されてスリーブ11aの外周面とすべり接触する。水中軸受40は、軸受ケーシング39によって主軸11の回転につられて回転しないように支持されている。軸受ケーシング39には、主軸11の端部を蓋うように閉止板38が取り付けられ、水中軸受室19の水が、軸受ケーシング39と閉止板38の間を通じて水中軸受40の内部と流通しないようにシールしている。一方、閉止板38とは軸方向で反対側では、水中軸受40と主軸11のクリアランスは水中軸受室19に開口している。
ここで、水中軸受40のすべり面には、内周面と外周面と連通する開口41が設けられ、軸受ケーシング39には、水中軸受40の開口41に対応する位置に、開口39aが設けられている。つまり、開口41は、水中軸受40のすべり面を貫通し、更に開口39aを通じて軸受ケーシング39も貫通している。開口41及び開口39aは、水中軸受40の軸方向長さの半分より閉止板38に近い位置に配置される。周方向の配置は任意で良いが比較的主軸11の軸芯より下方が好ましい。この開口39aに、前述した配管61、61a、261、361を通じて清浄水が供給され、開口41より主軸11と水中軸受40の間のクリアランスに放出される。軸受ケーシング39と閉止板38によって、供給された清浄水の圧力を有効に一方向、すなわち主軸11と水中軸受40のクリアランスを通じてインペラ側の方向にしか流れることができないので、供給された清浄水は、その圧力を有効に一方向に向けて利用して勢いよく流れ、水中軸受室19に噴出する。
図13に示す例では、中心より下側において周方向に約120°の間隔をあけて2つの開口41が設けられている。また、図12に示すように、開口41は軸方向において単一の場所に設けられている。水中軸受40を支持する軸受ケーシング39においても、水中軸受40の開口41に対応した位置に開口39aが設けられている。
図14は、別の一例による主軸および水中軸受を示す軸方向断面図である。図示するように、軸受ケーシング39は、図13で説明した水中軸受40の開口39aに加えて、開口39aから供給された清浄水を回収する回収流路39bが形成されている。回収流路39bは、ポンプケーシング外部に連通し、前述した配管61bを通じて清浄水が洗浄水供給用ポンプのタンクに回収される。こうした構成によれば、洗浄水供給機構からすべり面に噴出された清浄水が、回収流路39bを流れてドレン又は洗浄水供給機構の流体溜めに回収される。これにより、横軸斜流ポンプ10が移送する液体に、洗浄水供給機構が噴出する流体が混ざることを抑制することができる。また、回収した流体を再度洗浄水供給機
構から噴出することもできる。
尚、図14に示す軸受ケーシング39は、水中軸受40の一次側(インペラ17側)に設けられて主軸11との隙間を封止または流通を抑制するオイルシーリング(封止部の一例に相当する。)39cを備えていることが好ましい。このようにすることで、水中軸受室19の揚水が、回収流路39bに侵入することを抑制し、開口39aから供給される清浄水の圧力によってオイルシーリング(封止部の一例に相当する。)39cと回収流路39bにより形成される空間の圧力を水中軸受室19の揚水の圧力より高めやすくなる。
また、軸方向のスペース上の制約がある場合には、水中軸受40と軸受ケーシング39を貫通して39bを設けてもよい。その場合には39bは軸方向では可能な限りインペラ17側に備えることが望ましい。
図15は、別の一例による主軸および水中軸受を示す軸方向断面図である。図15に示すように、主軸11の外周面には、水中軸受40の内周面(すべり面)に対してすべり接触する円筒状のスリーブ11aが固定される。スリーブ11aの外周面と、水中軸受40の内周面との間には、非常に小さい隙間(クリアランス)が設けられる。ただし、主軸11には、スリーブ11aが設けられていなくてもよい。スリーブ11aは、主軸11が水中軸受40に直接摺動することによる主軸11の損傷を防止するための付加的な部材である。スリーブ11aは、例えばステンレス鋼等の金属から構成される。また、スリーブ11aの外周面には、炭化タングステン又は炭化クロムを主構成物とする物質からなる膜が製膜されていてもよい。一例として、ステンレス鋼の外周面に、肉盛溶接、自溶性合金、または、溶射(特に、高速フレーム溶射(HVOF、HVAFなど))を用いて成膜を施すことができる。さらに、スリーブ11aは、セラミックス、超硬合金、及びサーメットのいずれかで構成されていてもよい。
水中軸受40は、セラミック、又は例えば特開2013−194769号公報に開示されているような、フッ素樹脂、タルク、芳香族ポリエーテルケトン、炭素繊維、及び不可避不純物を含む樹脂材料から構成される。また、水中軸受40のすべり面は、例えば特開2015−21551号公報に開示されているような、PTFEが30%の面積率を有し、炭素繊維が4%の面積率を有し、芳香族ポリエーテルケトンおよび不可避不純物が残りの面積を占めるように構成されていてもよい。さらに、水中軸受40のすべり面は、例えば特開2015−21551号公報に開示されているような、PPSが23%の面積率を有し、炭素繊維が2%の面積率を有し、PTFEおよび不可避不純物が残りの面積を占めるように構成されていてもよい。
図16は、図15に示す水中軸受40の拡大側断面図である。また、図17は、実施形態の水中軸受40を図16中のA17−A17方向から示す断面図である。水中軸受40は、全体として円筒状であり、内側に主軸11及びスリーブ11aが挿通されてスリーブ11aの外周面とすべり接触する。図16及び図17に示すように、水中軸受40のすべり面には、主軸11の中央よりも下方の領域において外周面と連通する開口41が設けられている。つまり、開口41は、水中軸受40のすべり面を貫通している。本実施形態では、すべり面に、主軸11の軸方向(以下、単に「軸方向」ともいう)に沿って複数(図16に示す例では3つ)の開口41が設けられている。
開口41は、主軸11の回転方向(以下、「周方向」ともいう)に沿って長いスリット状の長孔である。開口41は、主軸11とすべり面とがすべり接触されると想定される下側の面に設けられている。具体的には、開口41は、周方向において60°以上180°未満の領域にわたって設けられることが好ましい。図17に示す例では、下端を中心とする約120°の領域にわたって開口41が設けられている(図17中、θo≒120°)。しかし、こうした例に限定されず、開口41は、下端から主軸11の回転方向、又は反
回転方向にずれて設けられていてもよい。ただし、開口41は、すべり面の下端を含んで設けられることが好ましい。
図17に示す例では、水中軸受40の中心とすべり面とを結ぶ直線に沿って開口41の周方向の端部41aが形成されている。しかし、こうした例に限定されず、例えば開口41の周方向の端部41aが鉛直方向または水平方向に沿って形成されてもよい。また、開口41の周方向の端部41a、又は軸方向の端部は、角が丸められていてもよい。
開口41は、軸方向の寸法Loが3mm以上10mm以下であることが好ましい。これは、3mm未満であると異物が開口41に詰まることが懸念され、10mmより長く形成しても異物を排出する効果があまり上昇しないと考えられるためである。また、水中軸受40は、すべり面の直径Daに対する、軸方向の開口41が設けられている領域を除いたすべり面の長さ(図16中、Lbの合計:4・Lb)の割合(Ra=4・Lb/Da)が、0.3以上1.0以下であることが好ましい。言い換えると、水中軸受40は、すべり面の直径Daに対する、軸方向の長さLaから開口41が設けられている長さ(図16中、Loの合計)を減じた長さ(La−3・Lo)の割合(Ra=(La−3・Lo)/Da)が、0.3以上1.0以下であることが好ましい。これは、割合が0.3未満であるとすべり接触する面に作用する圧力が過多になり、割合が1.0を超えると主軸11の傾きによる影響が大きくなることに基づく。
また、水中軸受40における開口41を設ける場所、及び開口41の数は、水中軸受40の強度に基づいて決定されることが好ましい。図17に示す例では、開口41によって離間されているすべり面の軸方向の長さLbが一致するように、開口41が設けられているが、こうした例に限定されず、開口41はすべり面の任意の場所に設けられればよい。また、図17に示す例では、3つの開口41は互いに同一の寸法であるものとしたが、互いに異なる寸法であってもよい。
再び図1及び図15を参照して説明する。図15に示すように、水中軸受40は、軸受ケーシング39によって支持されている。ここで、軸受ケーシング39には、水中軸受40の開口41に対応する位置に、異物を排出するための開口39aが設けられている。これにより、水中軸受40の内部から開口41を通じて排出される異物を水中軸受室19内に案内することができる。なお、図15では、軸受ケーシング39には、水中軸受40の開口41に応じた複数の開口39aが設けられている。しかし、こうした例に限定されず、軸受ケーシング39には、複数の開口41を含む大きな開口が設けられていてもよい。
また、軸受ケーシング39には、主軸11の軸方向の端部を覆う閉止板38が取り付けられている。閉止板38は、水中軸受40との接触部を封止するOリング38aを有する。ただし、Oリング38aは、軸受ケーシング39との隙間を封止するように設けられていてもよい。
また、横軸ポンプ装置は、水中軸受40のすべり面を洗浄する清浄水を供給する洗浄水供給機構(供給機構)60を備えている。洗浄水供給機構60は、真空ポンプ504の動力源508からの動力を用いて、軸受ケーシング39の開口39a、及び水中軸受40の開口41を通じてすべり面に流体を噴出する(図15中、白抜き矢印参照)。ここで、本実施形態の水中軸受40は複数の開口41を有するものとしたが、洗浄水供給機構は、何れかの開口41からすべり面に向けて流体を噴出してもよいし、すべての開口41からすべり面に向けて流体を噴出してもよい。一部の開口41から流体が噴出される場合、残りの開口41、及びすべり面の軸方向の端部から流体が排出されると考えられる。また、すべての開口41からすべり流体が噴出される場合、すべり面の軸方向の端部から流体が排出される。ここで、本実施形態では、主軸11の端部側は閉止板38によって覆われてい
るため、洗浄水供給機構から噴出された流体はすべり面の一次側に向かって流れる。このため、開口41が、軸方向において水中軸受40の中央より閉止板38側、特に閉止板38の近くに設けられることが好ましい。こうすれば、開口41を通じて噴出される流体をすべり面全体に流すことができ、好適に異物を排出することができる。
洗浄水供給機構60が噴出する流体としては、圧縮した空気などの気体であってもよいし、横軸ポンプ装置の移送対象である吸込水槽100内の水、又は清浄液などの液体であってもよい。ここで、噴出する流体として特に吸込水槽100内の水を利用する場合には、流体が通る配管61に、流体に含まれる異物を捕捉するための異物捕捉部62が設けられることが好ましい。異物捕捉部62としては、公知のストレーナ、及びフィルタ等を用いることができる。こうした異物捕捉部62によって、洗浄水供給機構60による清浄水に異物が含まれることを抑制でき、すべり面に異物が侵入することを抑制できる。
洗浄水供給機構は、真空ポンプ504の運転に伴って運転されるものとしてもよい。真空ポンプ504は、落水時や、横軸斜流ポンプ10の始動時に使用される。横軸ポンプ装置は、農業に使用される場合など、休閑のために一定期間使用されない場合がある。特にこうした場合に水中軸受40の内部に滞留した異物が乾くと、次回に横軸斜流ポンプ10を始動するときに主軸11の回転が阻害されて、原動機24に過大な負荷がかかったり、主軸11および水中軸受40の損傷を招くおそれがある。これに対して、真空ポンプ504の運転に伴って洗浄水供給機構が作動することにより、水中軸受40の内部に滞留した異物を除去することができ、横軸斜流ポンプ10を円滑に始動することができる。
また、洗浄水供給機構は、真空ポンプ504の動力源508に代えて、又は加えて、横軸斜流ポンプ10の原動機24など、他の動力源からの動力を用いて流体を噴出してもよい。もしくは、真空ポンプ504の動力源508は、真空ポンプ504との接続を解除することができ、洗浄水供給機構を単独で駆動できるのとしてもよい。こうすれば、横軸斜流ポンプ10の運転中においても、洗浄水供給機構を運転させて水中軸受40のすべり面に清浄水を供給することができる。この場合には、洗浄水供給機構による清浄水の供給は、ユーザによる操作によって開始されるものとしてもよいし、定期的に開始されるなど、自動で開始されるものとしてもよい。
さらに、横軸ポンプ装置は、水中軸受40の温度を測定する温度センサ28と、横軸ポンプ装置の移送対象である水を測定する異物量測定器29と、を備える。そして、洗浄水供給機構は、温度センサ28及び異物量測定器29による測定結果に基づいて運転がされてもよい。水中軸受40と主軸11(スリーブ11a)との隙間に異物が侵入すると、主軸11が回転するときの摩擦抵抗が大きくなって水中軸受40の温度が上昇する。このため、洗浄水供給機構は、温度センサ28による測定温度が所定温度以上に至ったときにすべり面をフラッシングすることにより、好適なタイミングでフラッシングを行うことができる。ここで、所定温度としては、主軸11及び水中軸受40の材質などに基づいて、実験またはシミュレーションなどにより予め定められた温度が用いられればよい。また、横軸ポンプ装置の移送対象である水に含まれる異物が多いほど、水中軸受40のすべり面に異物が侵入する可能性は高くなると考えられる。このため、洗浄水供給機構は、異物量測定器29による測定によって水に含まれる異物が多いと判断されるほど、高い頻度ですべり面をフラッシングしてもよい。ここで、異物量測定器29は、移送対象である水に含まれる異物の量に関連する物理量を測定するセンサである。一例として、異物量測定器29として、水の透明度(または濁度)を測定するセンサを用いることができる。また、異物量測定器29として、異物捕捉部62に捕捉された異物の量を測定するセンサを用いてもよい。異物捕捉部62に捕捉された異物の量の測定は、異物捕捉部62の一次側と二次側との圧力の差を測定することによって行われてもよい。
以上説明した実施形態の横軸斜流ポンプ10は、水中軸受40のすべり面に流体を噴出することによってすべり面を洗浄またはフラッシングする洗浄水供給機構、フラッシング機構を備える。これにより、水中軸受40のすべり面に侵入した異物を外部に排出することができ、水中軸受40の高寿命化を図ることができる。また、すべり面に侵入した異物を排出して横軸斜流ポンプ10を始動することができるため、横軸斜流ポンプ10を円滑に始動することができる。
また、とくに水中軸受40がフッ素樹脂、タルク、芳香族ポリエーテルケトン、炭素繊維、及び不可避不純物を含む樹脂材料から形成されることにより、フラッシング時にヒートショックによる割れが生じることを抑制できる。また、樹脂材料は、セラミックスよりも成形性に優れるため、開口41が設けられている水中軸受40を形成するのに優れていると考えられる。ただし、水中軸受40は、こうした樹脂材料から形成されることに限定されず、任意の材料により形成されればよい。
図18は、別の一例による水中軸受40の拡大側断面図であり、図19は、水中軸受40を図18中のA19−A19方向から示す断面図である。この水中軸受40は、実施形態の水中軸受40に対して更に溝42が設けられている。溝42は、開口41の周方向の端部41aから連続して、周方向に沿ってすべり面一周にわたって設けられている。言い換えれば、溝42は、周方向に沿って開口41の端部41aの一端から他端にわたって設けられている。溝42の深さDgは、1mm以上5mm以下であることが好ましい。これは、溝42の深さDpが1mm未満であると異物を案内する効果が小さく、溝42の深さDpが5mmを越えても異物を案内する効果が上昇しないと考えられることに基づく。
水中軸受40では、周方向において開口41に連続して溝42が設けられており、この溝42によって水中軸受40内部に侵入する異物を開口41へ向かって案内することができる。これにより、水中軸受40の軸方向の中央に向かって異物が侵入することをより好適に抑制することができる。なお、図18及び図19に示す例では、溝42は、水中軸受40のすべり面の上端を含めて一周にわたって設けられているが、一部にだけ設けられていてもよい。
図20は、別の一例による水中軸受40の拡大側断面図である。複数の開口41における軸方向両端の開口41に溝42が連続して設けられており、軸方向中央側に位置する開口41には溝42が設けられていない。これは、異物が主として軸方向の両端から水中軸受40の内部に侵入し、軸方向両端に近い領域に異物が比較的多く滞留すると考えられることに基づく。ただし、こうした例に限定されず、例えば、溝42はインペラ17に近い開口41に対して設けられ、残りの開口41に対しては設けられないものとしてもよい。
上記した実施形態および変形例では、水中軸受40に開口41が設けられ、開口41を通じて洗浄水供給機構から流体または負圧が提供されるものとした。しかし、水中軸受40に開口41が設けられず、軸方向の端部の主軸11(スリーブ11a)との隙間を通じて、洗浄水供給機構からすべり面に流体または負圧が提供されてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、実施形態および変形例の任意の組み合わせが可能であり、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
10…横軸斜流ポンプ
11…主軸
11b…スリーブ
12…吸込ケーシング
13…軸封部
14…吐出ケーシング
17…インペラ
29…異物量測定器(異物量関連センサ)
38…閉止板
39…軸受ケーシング
40…水中軸受
41…開口
42…溝
50…洗浄水供給用ポンプ(供給用ポンプ、加圧流体供給源)
60…洗浄水供給機構(供給機構)
61a、61b…配管
63…異物捕捉部
124…内燃機関
262…空気圧縮機(加圧流体供給源)
300…高置水槽

Claims (17)

  1. 水平方向に延びる回転軸と、
    前記回転軸に固定された羽根車と、
    前記羽根車が収容されるポンプケーシングと、
    前記ポンプケーシング内に設けられて前記回転軸に対してすべり接触する水中軸受であって、前記羽根車によって移送される液体の一部が前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に流れ込むようになっている水中軸受と、
    前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に、加圧流体と負圧の少なくとも一方を供給するための供給機構と、
    を備える横軸ポンプ装置。
  2. 前記供給機構は、前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に前記加圧流体を供給可能な加圧流体供給源を有する、請求項1に記載の横軸ポンプ装置。
  3. 前記加圧流体供給源は、前記回転軸に接続されて当該回転軸の回転に伴って前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に加圧流体を供給する供給用ポンプである、請求項2に記載の横軸ポンプ装置。
  4. 前記供給機構は、清浄液を蓄えるタンクを有し、
    前記加圧流体供給源は、前記タンクに蓄えられた清浄液を前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に供給可能な供給用ポンプである、
    請求項2又は3に記載の横軸ポンプ装置。
  5. 前記加圧流体供給源は、前記ポンプケーシング内の液体を前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に供給可能な供給用ポンプである、請求項2から4の何れか1項に記載の横軸ポンプ装置。
  6. 前記供給機構は、前記加圧流体を前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に案内する第1の配管と、前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に案内された前記加圧流体の少なくとも一部を前記ポンプケーシング外に案内する第2の配管と、を有し、
    前記加圧流体供給源は、前記第2の配管を流れる液体を前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に供給可能な供給用ポンプである、
    請求項2から5の何れか1項に記載の横軸ポンプ装置。
  7. 前記回転軸を回転させるための内燃機関を更に備え、
    前記加圧流体供給源は、前記加圧流体を前記内燃機関に供給可能である、
    請求項2に記載の横軸ポンプ装置。
  8. 前記加圧流体供給源は、前記内燃機関の運転を停止する際に、前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に前記加圧流体を供給する、請求項7に記載の横軸ポンプ装置。
  9. 前記ポンプケーシング内を真空引きする真空ポンプを更に備え、
    前記供給機構は、前記真空ポンプにより前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に前記負圧を供給する、
    請求項1に記載の横軸ポンプ装置。
  10. 前記水中軸受は、前記供給機構が供給する前記加圧流体または前記負圧が通る開口を有する、請求項1から9の何れか1項に記載の横軸ポンプ装置。
  11. 前記水中軸受における前記回転軸の軸方向の端部を覆う閉止板を更に備える、請求項1から10の何れか1項に記載の横軸ポンプ装置。
  12. 前記供給機構が供給する前記加圧流体または前記負圧が通る流路に設けられ、異物を捕捉する異物捕捉部を更に備える、請求項1から11の何れか1項に記載の横軸ポンプ装置。
  13. 前記横軸ポンプによる移送対象である流体に含まれる異物の量に関連する物理量を測定する異物量関連センサを更に備え、
    前記供給機構は、前記異物量関連センサによる測定結果に基づいて前記水中軸受と前記回転軸の互いのすべり面の間に前記加圧流体または前記負圧を供給する、請求項1から12の何れか1項に記載の横軸ポンプ装置。
  14. 前記水中軸受が樹脂材料から形成されている、請求項1から13の何れか1項に記載の横軸ポンプ装置。
  15. 前記水中軸受は、タルク、芳香族ポリエーテルケトン、炭素繊維および不可避不純物を含む材料から形成されている、請求項14に記載の横軸ポンプ。
  16. 前記すべり軸受の前記すべり面において、PTFEが30%の面積率を有し、炭素繊維が4%の面積率を有し、芳香族ポリエーテルケトンおよび不可避不純物が残りの面積を占める、請求項14または15に記載の横軸ポンプ。
  17. 前記すべり軸受の前記すべり面において、PPSが23%の面積率を有し、炭素繊維が2%の面積率を有し、PTFEおよび不可避不純物が残りの面積を占める、請求項14から16の何れか1項に記載の横軸ポンプ。

JP2018073013A 2018-04-05 2018-04-05 横軸ポンプ装置 Active JP7051542B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018073013A JP7051542B2 (ja) 2018-04-05 2018-04-05 横軸ポンプ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018073013A JP7051542B2 (ja) 2018-04-05 2018-04-05 横軸ポンプ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019183697A true JP2019183697A (ja) 2019-10-24
JP7051542B2 JP7051542B2 (ja) 2022-04-11

Family

ID=68340313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018073013A Active JP7051542B2 (ja) 2018-04-05 2018-04-05 横軸ポンプ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7051542B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021105372A (ja) * 2019-12-26 2021-07-26 株式会社荏原製作所 ポンプ装置、ポンプ機場
CN114278578A (zh) * 2021-11-25 2022-04-05 江苏航天水力设备有限公司 一种具有叶片自清洁功能的混流泵

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04127867U (ja) * 1991-05-10 1992-11-20 三菱重工業株式会社 水中軸受の排砂装置
JPH07217593A (ja) * 1994-01-28 1995-08-15 Hitachi Ltd 自給水潤滑の水中軸受
JP2002156092A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Dmw Corp 水中軸受潤滑システム
JP2007127026A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Hitachi Engineering & Services Co Ltd 水中軸受装置の潤滑システム
JP2007182769A (ja) * 2006-01-05 2007-07-19 Ishigaki Co Ltd 横軸ポンプの水中軸受装置
JP2013194769A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Ebara Corp すべり軸受装置
JP2014013027A (ja) * 2012-07-05 2014-01-23 Torishima Pump Mfg Co Ltd ポンプの軸受清掃装置およびその方法
JP2015021551A (ja) * 2013-07-18 2015-02-02 株式会社荏原製作所 すべり軸受装置およびこれを備えたポンプ

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04127867U (ja) * 1991-05-10 1992-11-20 三菱重工業株式会社 水中軸受の排砂装置
JPH07217593A (ja) * 1994-01-28 1995-08-15 Hitachi Ltd 自給水潤滑の水中軸受
JP2002156092A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Dmw Corp 水中軸受潤滑システム
JP2007127026A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Hitachi Engineering & Services Co Ltd 水中軸受装置の潤滑システム
JP2007182769A (ja) * 2006-01-05 2007-07-19 Ishigaki Co Ltd 横軸ポンプの水中軸受装置
JP2013194769A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Ebara Corp すべり軸受装置
JP2014013027A (ja) * 2012-07-05 2014-01-23 Torishima Pump Mfg Co Ltd ポンプの軸受清掃装置およびその方法
JP2015021551A (ja) * 2013-07-18 2015-02-02 株式会社荏原製作所 すべり軸受装置およびこれを備えたポンプ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021105372A (ja) * 2019-12-26 2021-07-26 株式会社荏原製作所 ポンプ装置、ポンプ機場
JP7353968B2 (ja) 2019-12-26 2023-10-02 株式会社荏原製作所 ポンプ装置、ポンプ機場
CN114278578A (zh) * 2021-11-25 2022-04-05 江苏航天水力设备有限公司 一种具有叶片自清洁功能的混流泵

Also Published As

Publication number Publication date
JP7051542B2 (ja) 2022-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6695340B2 (ja) シール装置、方法および船舶
JP7051542B2 (ja) 横軸ポンプ装置
EA006115B1 (ru) Вращательные соединения
JP2017166423A (ja) ポンプ
JP6259289B2 (ja) 横軸ポンプ
JP4637614B2 (ja) 水中ポンプオイル監視装置
JP5404859B2 (ja) ポンプの軸受清掃装置およびその方法
EP3890861B1 (en) A bearing housing and a method of removing impurities from a bearing housing
KR101134351B1 (ko) 드라이컨디션 상태에서 시험가동이 가능한 펌프
JP5738586B2 (ja) 水素冷却式発電機の潤滑油ドレンシステム
JP6966388B2 (ja) ポンプ
JP6827366B2 (ja) 横軸ポンプ
JP2007138716A (ja) ポンプおよびその軸封装置
JP2005325745A (ja) エンジンオイル循環装置
JP5703102B2 (ja) 水中軸受装置及び横軸ポンプ
KR200456935Y1 (ko) 윤활유 공급 탱크 장치
JP4408242B2 (ja) 回転縦軸の軸受け装置、遠心分離機
JP4704066B2 (ja) 立軸ポンプ
JP4737717B2 (ja) 横軸ポンプの水中軸受装置
JP2024013003A (ja) ポンプ設備及び制御装置
JP6683553B2 (ja) ポンプ設備
JP5567418B2 (ja) 水中回転機器
RU2387880C1 (ru) Погружной насос для перекачки сточных вод
JP6382678B2 (ja) タービン用保護装置およびその制御方法
JP5869127B2 (ja) 水中軸受の摺動部劣化検知システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220330

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7051542

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150