以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本発明の一実施形態に係る開閉装置は、開閉体がシャッターカーテンとなっている管理及び防災の併用(兼用)シャッター装置である。すなわち、本実施形態に係るシャッター装置は、防煙等の防災機能を有しているシャッターカーテンが火災等の異常事態の発生時に閉じ移動することにより、全閉となったこのシャッターカーテンによって建物等の構造物内に防災区画を形成するための防災用シャッター装置としての機能と、シャッターカーテンにより出入口等の開口部を開閉するために、シャッターカーテンが操作装置の操作により開き移動、閉じ移動、移動停止を行う管理用シャッター装置としての機能と、を有している。
図1には本実施形態に係るシャッター装置の全体が示されており、この図1は、開閉移動方向が上下方向になっていて、下向きに閉じ移動するシャッターカーテン1が全閉となった(言い換えると、全閉位置に達している)ときを示している。シャッターカーテン1で開閉される開口部は、建物に形成された出入口2であり、この出入口2は、壁等の左右の建物躯体3と、全閉となったときのシャッターカーテン1の下端部が当たる相手部材となっている床4と、天井部材5とで囲まれている。左右の建物躯体3A,3Bには、シャッターカーテン1の左右方向の両端部1C,1D、言い換えると、シャッターカーテン1の幅方向の両端部1C,1Dがスライド自在に挿入された左右一対の案内部材であるガイドレール6が取り付けられており、これらのガイドレール6に案内されてシャッターカーテン1は上下に開閉移動する。なお、図1は、全閉になったシャッターカーテン1によって仕切られる2つの空間(室内空間と室外空間)のうち、室外空間の側(言い換えると、屋外側)から見たシャッター装置の全体正面図となっている。
出入口2に対して天井部材5で仕切られている天井裏空間7には、シャッターボックス8が配置されており、このシャッターボックス8は、天井裏空間7に存在する下がり壁等の建物躯体にボルト等の結合具で結合されている。シャッターボックス8の内部には巻取軸11が水平に収納配置され、この巻取軸11は、シャッターボックス8の図1で示されている左右の側面部8A,8Bに回転自在に支持されている。また、図1に示されているように、巻取軸11の一方の端部には、スプロケットホイールとローラチェーンによる駆動力伝達手段12を介して開閉機13が接続されている。シャッターカーテン1を駆動させる(直接的には、巻取軸11を駆動させる)ための駆動装置となっているこの開閉機13の駆動軸14の回転力は、この駆動軸14に取り付けられた駆動スプロケットホイールと、巻取軸11の上記一方の端部に取り付けられた被動スプロケットホイールと、これらのスプロケットホイールの間に架け渡された無端ローラチェーンとによる駆動力伝達手段12を経て巻取軸11に伝達される。
なお、本実施形態の開閉機13は、図1に示されているように、シャッターボックス8の左右の側面部8A,8Bのうち、一方の側面部8Bに結合されたブラケット部材15に取り付けられている。
また、シャッターカーテン1は巻取軸11に巻回されているとともに、シャッターカーテン1の上端は巻取軸11の外周面に結合されている。また、シャッターカーテン1における巻取軸11より下側の部分は、天井部材5に配置されているまぐさ16に設けられたスリットを通って天井部材5の下側へ垂下され、さらに、シャッターカーテン1の幅方向の両端部1C,1Dは、左右のガイドレール6A,6Bにスライド自在に挿入されている。まぐさ16は、互いに対向配置された図示されないまぐさ部材により形成され、これらのまぐさ部材の間がスリットとなっている。
図1に示されているように、電動モータ装置とブレーキ装置とを含んで構成されている開閉機13の下部には、少なくともこの開閉機13の駆動制御を実行するための制御装置17が配置されており、また、この開閉機13の上部には、自動閉鎖装置18が配置されている。この自動閉鎖装置18は、火災等の災害の発生時において、オンの状態となっていた開閉機13のブレーキ装置をオフの状態に機械式に制御することにより、全開位置又は開閉方向途中位置で停止していたシャッターカーテン1を自動的に閉じ移動させて全閉とし、防煙性及び/又は防火性を有しているシャッターカーテン1により図1の出入口2を閉鎖するためのものである。
また、シャッターカーテン1は、シャッターカーテン1の大部分の面積を占めていて、上端が巻取軸11に結合されているカーテン本体1Aと、このカーテン本体1Aの下端部に設けられた座板1Bとを有するものとなっている。本実施形態のカーテン本体1Aは、多数のスラットを上下に連設することによって形成されている。
図1で示した左右のガイドレール6A,6Bのうち、一方のガイドレール6Bの内部には、開閉機13によるシャッターカーテン1の移動操作・停止操作を行うための点線で示されている操作装置19、すなわち、シャッターカーテン1を出入口2に対して上向きに開き移動させることと、下向きに閉じ移動させることと、移動停止させることとを行わせるための操作装置19が収納配置されている。
また、図1に示されているように、ガイドレール6Bの内部には、具体的な構造を後述する本発明の一実施形態に係る点線で示されている電源切替装置50も収納配置されている。この電源切替装置50は、非常時になったとき、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための電源を第1電源から第2電源へ切り替えるためのものである。
なお、図1で示されているように、ガイドレール6Bの正面部34における操作装置19及び電源切替装置50が収納配置されている部分と対応する部分には、外部から手を入れてこれらの操作装置19や電源切替装置50を操作するための開口部34Aが形成されている。
この開口部34Aは、取手部材(言い換えると、ハンドル部材)39を有していて後述の図3に示すヒンジ38を中心に回動自在となっている扉体(言い換えると、蓋部材)37によって開閉自在となっている。通常時において、この開口部34Aは、扉体37により閉じられており、この扉体37は、図1に示す施錠装置40により施錠されている。
図2は、図1で示されている施錠装置40により施錠されていた扉体37が解錠、開放動作され、操作装置19や電源切替装置50が開口部34Aから露出している状態を示す図である。
この図2で示されているように、操作装置19には、上から「開」ボタン19Aと、「停」ボタン19Bと、「閉」ボタン19Cとが設けられており、それぞれのボタンが操作されることにより、前述した制御装置17へは、「開」信号、「停」信号、「閉」信号の制御信号が送信される。これらの制御信号を受信した制御装置17は、開閉機13の図示しない電動モータ装置とブレーキ装置の動作制御を実行することになる。
本実施形態では、通常時において、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための本実施形態に係る第1電源は、図1で示されている商用電源20となっている。一方、非常時において、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための本実施形態に係る第2電源は、車両に搭載された後述する図6や図16に示す発電機80となっている。
本実施形態では、電源切替装置50は、非常時になったとき、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための電源を商用電源20から発電機80へ切り替えるためのものとなっている。
図3は、図1のS3−S3線断面図(言い換えると、ガイドレール6B及び壁3Bの平断面図)である。
この図3で示されているように、複数個の金属製の板材の折り曲げにより形成されている本実施形態に係るガイドレール6Bは、シャッターカーテン1のカーテン本体1Aの幅方向の端部1Dがスライド自在に挿入される溝部である挿入部31と、この挿入部31よりも壁3B側に配置されていて、内部に電源切替装置50が収納配置されている収納部32と、を含んで構成されており、挿入部31と収納部32とは、仕切部33によって仕切られている。なお、ガイドレール6Bは、アンカー部材44で壁3Bに直接取り付けられている。
また、図3に示されているように、電源切替装置50が載置固定されている台座部材61の下部には、電源切替装置50側(言い換えると、開口部34A側)に開口したC型のチャンネル材60がビス等の止着具により止着されている。
このチャンネル材60は、具体的な形状、構造を後述する取付部材115を介してガイドレール6Bの背面部(言い換えると、室外側の側面部)35の内側面部35Aに取り付けられる平坦なベース部(言い換えると、底面部)60Aと、このベース部60Aの幅方向の両端部から開口部34A側に90度屈曲した左右の第1屈曲部(言い換えると、立上り部)60Bと、これら左右の第1屈曲部60Bの先端部(言い換えると、上端部)から互いに近づく方向(このチャンネル材60の幅方向内側)に90度屈曲した左右の第2屈曲部60Cとからなっている。このように、電源切替装置50側に開口したC型のチャンネル材60の先端部には、互いに近づく方向に延出した一対のリップ部60Cが設けられている。
また、台座部材61は、電源切替装置50を構成する後述する切替スイッチ、ブレーカー、パイロットランプ(言い換えると、電源ランプ)、コンセント、端子台等が載置固定される平坦部(言い換えると、上面部)61Aと、この平坦部61Aの幅方向の両端部から開口部34A側とは反対の側に90度屈曲した左右の第1屈曲部(言い換えると、垂下部)61Bと、これら左右の第1屈曲部61Bの先端部(言い換えると、下端部)から互いに遠ざかる方向(言い換えると、平坦部61Aの幅方向外側)に90度屈曲した左右の第2屈曲部61Cとからなっている。
台座部材61のチャンネル材60への載置固定は、この台座部材61の左右の第2屈曲部61Cをチャンネル材60の左右の第2屈曲部60Cに載置するともに、これら左右の第2屈曲部61Cをチャンネル材60の左右の第2屈曲部60Cにビス等の止着具で止着することにより行う。
このように、電源切替装置50の構成部品は、同じ断面形状が長手方向(後述する図4では上下方向)に連続している断面ハット形状の台座部材61、チャンネル材60及び取付部材115を介して、ガイドレール6Bの内部に収納配置されており、台座部材61の断面形状は、電源切替装置50の構成部品が配置される平坦部61Aと、この平坦部61Aの幅方向(後述する図4では左右方向)の両端部から開口部34A側とは反対の側に90度屈曲した左右の第1屈曲部61Bと、それぞれの第1屈曲部61Bの先端部から平坦部61Aの幅方向外側に90度屈曲した左右の第2屈曲部61Cとからなっている。
なお、図3で示されているように、本実施形態では、電源切替装置50は、この電源切替装置50が使用されない通常時においては、アクリル樹脂等で形成された透明又は半透明の具体的な形状、構造を後述するカバー部材114で覆われており、このカバー部材114は、後述するように、前述した取付部材115に対して、取り付け、取り外し自在となっている。
図4は、図2で示されている台座部材61に載置固定されている電源切替装置50単独の拡大正面図であり、図5は、この図4で示されている電源切替装置50の右側面図である。
これらの図4及び図5に示されているように、本実施形態に係る電源切替装置50は、第1端子台51と、ブレーカー52と、切替スイッチ53と、左右2個のパイロットランプ54,55と、コンセント56と、を含んで構成されており、これらの構成部品は、長手方向が上下方向となっている台座部材61の上面部61Aに、上から、第1端子台51、ブレーカー52、切替スイッチ53、左右2個のパイロットランプ54,55、コンセント56の順に縦並びに載置固定されている。
図6は、本実施形態に係る電源切替装置50の配線図である。
この図6から分かるように、ブレーカー52は、商用電源20からの電力供給を遮断するためのものである。
第1端子台51には、商用電源20から延びるR相の電源線R、S相の電源線S、T相の電源線Tが接続される端子51A,51B,51Cと、制御装置17及び操作装置19へ延びるR相の電源線R1、S相の電源線S1、T相の電源線T1が接続される端子51D,51E,51Fと、ブレーカー52へ延びるU相の電源線U1、V相の電源線V1、W相の電源線W1が接続される端子51G,51H,51Iと、切替スイッチ53から延びるR相の電源線R1、S相の電源線S1、T相の電源線T1が接続される端子51J,51K,51Lと、が設けられている。
また、第2端子台57には、切替スイッチ53及びパイロットランプ55へ延びるR相の電源線RG、切替スイッチ53及びパイロットランプ55へ延びるT相の電源線TG、切替スイッチ53へ延びるS相の電源線SGが接続される端子57A,57B,57Cと、コンセント56へ延びるR相の電源線RG、S相の電源線SG、T相の電源線TGが接続される端子57D,57E,57Fと、発電機80からの電力を切替スイッチ53及びパイロットランプ55への供給するための3本の電源線25,26,27の両端部が接続される端子57G,57H,57I,57J,57K,57Lと、が設けられている。
本実施形態では、電源線25の両端部が端子57G,57Jとに接続され、電源線26の両端部が端子57H,57Kとに接続され、電源線27の両端部が端子57I,57Lとに接続され、このため、正相接続となっている。なお、逆相接続とするためには、電源線25の両端部を端子57G,57Lとに接続し、電源線26の両端部を端子57H,57Kとに接続され、電源線27の両端部を端子57I,57Jとに接続する。
ブレーカー52から延びるU相の電源線U1とW相の電源線W1は、切替スイッチ53とパイロットランプ54とに接続され、ブレーカー52から延びるV相の電源線V1は、切替スイッチ53に接続されている。
本実施形態に係る切替スイッチ53は、図6で示されているように、商用電源20側である上側のA接点53Aと、発電機80側である下側のB接点53Bと、を組み合わせたC接点(双投型)のナイフスイッチとなっている。
なお、前述したように、図3で示されているガイドレール6Bの収納部32には、電源切替装置50が収納配置されており、このため、本実施形態では、ガイドレール6Bは、内部に電源切替装置50を構成する切替スイッチ5を収納するための収納部材となっている。
このように、本実施形態では、電源切替装置50を構成する切替スイッチ53は、シャッターカーテン1の幅方向両側に配置されている左右のガイドレール6A,6Bのうち、一方の側である右側のガイドレール6Bの内部に収納配置されており、扉体37は、右開きの扉体となっている。
本実施形態では、切替スイッチ53は、図5で示されているように、上下方向に回動(言い換えると、運動)する操作部62を有している。この操作部62は、図5及び図6から分かるように、台座部材61の平坦部61Aに載置固定されているベース部53Cに配置されている図示しない3個の回動中心軸のそれぞれを中心に回動自在となっている3個のブレード(言い換えると、刃)部材65と、これらのブレード部材65の先端部に跨って取り付けられている摘み部材(言い換えると手掛け部材)64とを有している。
上述した3個のブレード部材65の大部分は、図1及び図3で示されている開口部34A側の部分が半円部63Aとなっているカバー部材63で覆われており、それぞれのブレード部材65の上部は、カバー部材63の半円部63Aの外周面の周方向に形成された図4で示されている3個の溝部63Bのそれぞれから突出している。これにより、3個のブレード部材65の先端部に跨って取り付けられている摘み部材64は、3個のブレード部材65が図5で示されている3個の溝部63Bに案内されて、上下方向に約180度回動自在となっている。
本実施形態では、図5で示されているように、回動自在となっている摘み部材64が実線で示された姿勢となっているときが、操作部62が一方の回動限位置(言い換えると、上方向の回動限位置)に達したときであり、回動自在となっている摘み部材64が2点差線で示された姿勢となっているときが、操作部62が他方の回動限位置(言い換えると、下方向の回動限位置)に達したときである。
言い換えると、図示されていないが、操作部62の回動範囲のうちの中央位置で水平姿勢となっている摘み部材64を摘んでこの摘み部材64を上方向に約90度回動させることにより、操作部62が上方向(言い換えると、上側)の回動限位置に達することになり、操作部62の回動範囲のうちの中央位置で水平姿勢となっている摘み部材64を摘んでこの摘み部材64を下方向に約90度回動させることにより、操作部62が下方向(言い換えると、下側)の回動限位置に達することになる。
本実施形態では、切替スイッチ53の操作部62を上方向の回動限位置まで回動させることにより、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための電源を、第1電源である商用電源20とすることができ、切替スイッチ53の操作部62を下方向の回動限位置まで回動させることにより、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための電源を、第2電源である発電機80とすることができる。
本実施形態では、通常時においては、切替スイッチ53の操作部62を上方向の回動限位置まで回動させた状態のままにし、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための電源を商用電源20としている。一方、停電等の非常時になったときには、切替スイッチ53の操作部62を、上方向の回動限位置から下方向の回動限位置まで約180度回動させることで、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための電源を商用電源20から発電機80とすることができる。
このように、切替スイッチ53の操作部62は、上下方向に回動自在となっており、操作部62を一方の回動限位置である上側の回動限位置まで回動させることにより、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等には、第1電源である商用電源20からの電力が供給され、操作部62を他方の回動限位置である下側の回動限位置まで回動させることにより、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等には、第2電源である発電機80からの電力が供給されるものとなっている。
このように、切替スイッチ53の操作部62を下方向に回動させることにより、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための電源が、第1電源から第2電源へ切り替わるようになっており、切替スイッチ53の操作部62を上方向に回動させることにより、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための電源が、第2電源から第1電源へ切り替わるようになっている。
以上のように、本実施形態では、電源切替装置50の切替スイッチ53は、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための電源を、商用電源20から発電機80へ、あるいは、発電機80から商用電源20へ切替操作するためカバー付きのナイフスイッチとなっている。
また、本実施形態に係る電源切替装置50を構成する左右2個のパイロットランプ54,55、コンセント56は、図4及び図5に示されているように、台座部材61に直接取り付けられているものではなく、副台座部材70を介して台座部材61に取り付けられている。
この副台座部材70は、左右2個のパイロットランプ54,55、コンセント56が載置固定される平坦部(言い換えると、上面部)70Aと、この平坦部70Aの幅方向(図4では左右方向)の両端部から台座部材61の側(言い換えると、開口部34A側とは反対の側)に90度屈曲した第1屈曲部(垂下部)70Bと、左右の第1屈曲部の先端部(言い換えると、下端部)から互いに遠ざかる方向(言い換えると、平坦部70Aの幅方向外側)に90度屈曲した左右の第2屈曲部70Cとからなっている(後述する図25も参照)。
なお、副台座部材70の台座部材61への載置固定は、この副台座部材70の左右の第2屈曲部70Cを、台座部材61の平坦部61Aに載置するとともに、この平坦部61Aにビス等の止着具で止着することにより行う(後述する図25も参照)。
LEDランプとなっている図4で示されている左右2個のパイロットランプ54,55のうち、左側のパイロットランプ54は、図6から分かるように、第1電源である商用電源20からの電力供給状態を表示するための第1表示装置となっており、右側のパイロットランプ55は、第2電源である発電機80からの電力供給状態を表示するための第2表示装置となっている。
本実施形態では、ブレーカー52のスイッチ52Aが、自動的にあるいは人為的に図5で示されている上向きの状態(言い換えると、オン(入)の状態)から下向きの状態(言い換えると、オフ(切)の状態)とならない限り、左側のパイロットランプ54は商用電源20に接続された状態となるため、商用電源20からの電力が供給可能状態となっているときには、左側のパイロットランプ54は、商用電源20からの電力で点灯し続けることになる。
一方、停電となったときには、左側のパイロットランプ54は消灯した状態となるが、停電が復旧したときには、左側のパイロットランプ54は、商用電源20からの電力で再び点灯することになる。
このように、本実施形態では、ブレーカー52のスイッチ52Aが自動的にあるいは人為的にオンの状態からオフの状態とならない限り、商用電源20からの電力が現在供給可能となっているかどうかを、左側のパイロットランプ54の状態から判断することができるようになる
本実施形態では、コンセント56は、非常時において、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための電源を、図6に示す発電機80とするために、この発電機80の電源線81の終端部である電源プラグ82が差し込まれるものである。
したがって、右側のパイロットランプ55は、発電機80の電源プラグ82を電源切替装置50のコンセント56に差し込んだ後、この発電機80の駆動を開始させることにより点灯するものであり、この右側のパイロットランプ55は、発電機80の電源プラグ82を電源切替装置50のコンセント56から抜いたり、この発電機80の駆動を停止させるまで点灯し続ける。
このように、本実施形態では、パイロットランプ54は、切替スイッチ53の操作に関係なく(言い換えると、切替スイッチ53とは独立して)、商用電源20と常時回路接続されており、パイロットランプ55は、切替スイッチ53の操作に関係なく、電源プラグ82がコンセント56に差し込まれた状態の発電機80と常時回路接続されている。
また、本実施形態では、前述したように、本実施形態に係る第1表示装置となっている左側のパイロットランプ54、本実施形態に係る第2表示装置となっている右側のパイロットランプ55及び本実施形態に係る第2電源である発電機80の電源プラグ82が差し込まれるコンセント56は、副台座部材70に載置固定されて一体化(言い換えると、ユニット化)されている。
また、図4で示されているように、左右に横並びに配置されているパイロットランプ54,55は、コンセント56の上側であってこのコンセント56の近傍に配置されている。
これにより、一体化させたパイロットランプ54,55及びコンセント56のユニットをコンパクト化することができる。
なお、パイロットランプ54,55が左右に横並びに配置されているのは、商用電源20からの電力供給状態と発電機80からの電力供給状態は、比較して見られると都合が良いことが多いからである。
また、パイロットランプ54,55がコンセント56の近傍に配置されているのは、パイロットランプ55とコンセント56とは、図6から分かるように、配線において密接に関連するものであるからである。
さらに、パイロットランプ54,55が、コンセント56の上側に配置されているのは、パイロットランプ54,55をコンセント56の下側に配置した場合には、電源プラグ82をコンセント56に差し込んだとき、この電源プラグ82から垂れ下がる電源コード81がパイロットランプ54及び/又はパイロットランプ55の邪魔となり、パイロットランプ54及び/又はパイロットランプ55が見えにくくなるおそれがある。
また、本実施形態では、ガイドレール6Bの内部に収納配置されている電源切替装置50を構成する第1端子台51、ブレーカー52及び切替スイッチ53は、左右のパイロットランプ54,55及びコンセント56が載置固定されている副台座部材70とともに、台座部材61に載置固定されて一体化されている。
また、本実施形態では、ガイドレール6Bの正面部34に形成された開口部34Aは、扉体37によって開閉自在となっているが、コネクター56A(図4参照)がオス(雄)型形状となっている電源切替装置50のコンセント56は、開口部34Aと対向して配置されている。
本実施形態では、前述したように、開閉機13の駆動制御を実行するための制御装置17を備えており、電源切替装置50の切替スイッチ53から制御装置17へ延びる電源線22(図6では電源線R1,S1,T1)は、図1及び図2から分かるように、ガイドレール6Bの内部に収納配線されている。
また、本実施形態では、前述したように、開閉機13によるシャッターカーテン1の移動操作・停止操作を行うための操作装置19を備えており、この操作装置19もガイドレール6Bの内部に収納配置されており、操作装置19から制御装置17へ延びる制御線24は、図1及び図2から分かるように、ガイドレール6Bの内部に収納配線されている。
なお、電源切替装置50の切替スイッチ53から操作装置19へ延びる電源線23(図6では電源線R1,S1,T1)も、図2から分かるように、ガイドレール6Bの内部に収納配線されている。
また、商用電源20から電源切替装置50へ延びる電源線21(図6では電源線R,S,T)も、図1及び図2から分かるように、ガイドレール6Bの内部に収納配線されている。
なお、本実施形態では、電源切替装置50の切替スイッチ53は、ガイドレール6Bの内部における床4から約130cmの高さ位置に配置されるものとなっている。
また、本実施形態では、台座部材61の平坦部61Aに載置固定されている電源切替装置50の構成部品のうち、ブレーカー52と切替スイッチ53の平坦部61Aの幅方向(図4では左右方向)の配置位置は、図4で示されているように、平坦部61Aの幅方向中央位置Mから片寄った位置(本実施形態では、中央位置Mから左側に寄った位置)となっている。
これにより、図4で示されているように、平坦部61Aにおけるブレーカー52と切替スイッチ53の側部(図4では、右側部)61Dは、何も載置されていない部分が形成される。
このため、この側部61Dを、電源切替装置50の構成部品の配線スペース(言い換えると、電源線等を配置するスペース)とすることができるようになる。
また、本実施形態では、図3や図25で示されているように、台座部材61の平坦部(言い換えると、上面部又は水平部)61Aの下側には、この平坦部61Aと左右の第1屈曲部(言い換えると、垂下部)61Bとにより、空間部61Eが形成されている。
このため、この空間部61Eを、電源切替装置50の構成部品の配線スペース(言い換えると、電源線等を配置するスペース)とすることができるようになる。
なお、本実施形態では、図4で示されているように、台座部材61の平坦部61Aにおける切替スイッチ53の真上の部分には、「通常使用時」の文字が表示された「通常使用時」表示ラベル66が貼付又は刻印されており、台座部材61の平坦部61Aにおける切替スイッチ53の真下の部分には、「発電機使用時」の文字が表示された「発電機使用時」表示ラベル67が貼付又は刻印されている。
これにより、切替スイッチ53の操作者(シャッター装置の管理者等)は、通常時においては、切替スイッチ53の操作部62を上側の回動限位置まで回動操作した状態にすればよいと分かり、非常時においては、操作部62を下側の回動限位置まで回動操作した状態にすればよいことが分かる。
また、図4及び図5で示されている切替スイッチ53の操作部62の摘み部材64の幅広部64Bにおけるコンセント56側(言い換えると、下側。図4では手前側)の面部64Dには、「通常使用時」表示ラベル68が貼付又は刻印されており、摘み部材64の幅広部64Bにおけるブレーカー52側(言い換えると、上側。図4では奥側)の面部64Cには、「発電機使用時」表示ラベル69が貼付又は刻印されている。
これにより、切替スイッチ53の操作者は、通常時においては、切替スイッチ53の操作部62を上側の回動限位置まで回動操作した状態にすればよいことが一層分かりやすくなり、非常時においては、操作部62を下側の回動限位置まで回動操作した状態にすればよいことが一層分かりやすくなる。
言い換えると、切替スイッチ53の操作者は、この切替スイッチ53の通常時の使用方法は、操作部62の摘み部材64の幅広部64Bに正面視で「通常使用時」表示ラベル68が現れるように操作部62を上側の回動限位置まで回動操作すればよいと分かり、この切替スイッチ53の非常時の使用方法は、操作部62の摘み部材64の幅広部64Bに正面視で「発電機使用時」表示ラベル69が現れるように操作部62を下側の回動限位置まで回動操作すればよいと分かるようになる。
このように、本実施形態によると、台座部材61の平坦部61Aに貼付又は刻印されている「通常使用時」表示ラベル66及び「発電機使用時」表示ラベル67と、切替スイッチ53の操作部62の摘み部材64の幅広部64Bに貼付又は刻印されている「通常使用時」表示ラベル68及び「発電機使用時」表示ラベル69と、により、切替スイッチ53の操作方法と動作状態を容易に把握することができるようになる。
本実施形態に係る電源切替装置50は、前述したように、停電等の非常時になったとき、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための電源を商用電源20から発電機80へ切り替えるためのものである。
したがって、停電が復旧したときには、電源切替装置50の切替スイッチ53の操作部62を操作して、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための電源を発電機80から商用電源20へ即時に切り替えることが好ましい。
前述したように、電源切替装置50のコンセント56は、コネクター56A(図4参照)がオス(雄)型形状となっており、このため、本実施形態では、発電機80の電源プラグ82が差し込まれていないときのコンセント56の内部に外部から塵や埃が入ることを防ぐためのキャップ部材85が備えられている。
図9には、電源切替装置50のコンセント56がこのキャップ部材85で覆われているときが示されている。キャップ部材85のコンセント56への固定は、キャップ部材85の内周面に形成された図示しない雌ねじを、コンセント56のコネクター56Aを囲んでいる円筒部56B(図4参照)の外周面に形成された図示しない雄ねじに螺合させることにより行う。
また、図9で示されているように、キャップ部材85には、チェーン等の紐状部材86の一端が取り付けられているとともに、副台座部材70の第1屈曲部70Bには、紐状部材86の他端が取り付けられている。
すなわち、本実施形態では、キャップ部材85は、紐状部材86を介して副台座部材70に取り付けられている。
このため、本実施形態によると、キャップ部材85を紛失してしまうことを防止することができる。
前述したように、本実施形態では、ガイドレール6Bの正面部34における操作装置19及び電源切替装置50が収納配置されている部分と対応する部分には、外部から手を入れてこれらの操作装置19や電源切替装置50を操作するための開口部34Aが形成されており、この開口部34Aは、扉体37によって開閉自在となっているが、通常時において、この開口部34Aは、扉体37により閉じられており、この扉体37は、図1に示す施錠装置40により施錠されている。
図10は、図1で示されている扉体37の正面部のうち、施錠装置40や把持部材39等が配置されている部分の拡大図であって、施錠時の状態を示す図である。
この図10で示されているように、シリンダー錠となっている本実施形態に係る施錠装置40は、把持部材39の回動操作により扉体37の戸先側の端面37Aから突没するラッチボルト46と、シリンダー42の鍵穴42Aに差し込んだ図示しない鍵の回動操作によって扉体37の戸先側の端面37Aからデッドボルト44と、を有している。
図11は、図10に示す施錠装置40のうち、扉体37の内部に配置されている点線で示されているケース(言い換えると、錠箱)41の内部構造を簡略化して示した図であり、施錠時の状態を示す図である。一方、図12は、図11と同様に、施錠装置40のケース41の内部構造を簡略化して示した図であり、解錠時の状態を示した図である。
図11に示されているように、施錠装置40のケース41の内部には、デッドボルト44が配置されている。このデッドボルト44は、ケース41の側面部41Bに架設された軸45Aを中心に回転自在なローラ45の上を転動しながら、扉体37の幅方向である左右方向にスライドするようになっている。
また、このデッドボルト44は、ケース41に形成された貫通孔41Aと扉体37の戸先側の端部37Jに形成された貫通孔37Iとに挿通されてこの扉体37の戸先側の端面37Bから突没する主部44Aと、この主部44Aよりも扉体37の戸尻側の部分である後方部44Bとからなっている。この後方部44Aの扉体37の幅方向と直交する方向である上下方向の寸法である上下寸法は、主部44Aの上下寸法よりも大きくなっているため、主部44Aのみが扉体37の戸先側の端面37Bから突没するようになっている。
なお、このデッドボルト44の主部44Aは、図3で示されている開口部34Aの縁部34Bの内部に配置されている図示しない第1ストライク部に係止する(言い換えると、受けられる)ものとなっており、これと同様に、施錠装置40の図10に示すラッチボルト46も、図3で示されている開口部34Aの縁部34Bの内部に配置されている図示しない第2ストライク部に係止するものとなっている。
また、図11に示されているように、施錠装置40のケース41の内部には、図10で示されているシリンダー42の鍵穴42Aに差し込まれた図示しない鍵の回動操作によって、回動中心軸43を中心に回動する回動部材108が配置されている。この回動部材108は、回動中心軸43の外周面に固定されている環状部108Aと、この環状部108Aから回動中心軸43の軸径方向外側に延びる棒状部108Bと、からなっている。
施錠状態を示している図11において、図10で示されているシリンダー42の鍵穴42Aに差し込まれた図示しない鍵を、時計回り方向である矢印A方向(扉体37の表面部37Eから見たら反時計回り方向)に約90度回動操作させることにより、回動部材108の棒状部108Bは、デッドボルト44の後方部44Bの上部44Cに形成されている凹部44Dのうち、扉体37の戸尻側の縁部44Fに当接することになる。これにより、扉体37の端面37Bから突出していたデッドボルト44の主部44Aは、図12で示すように、施錠装置40のケース41の内部に没入することになり、扉体37は解錠された状態となる。
一方、解錠状態を示している図12において、図10で示されているシリンダー42の鍵穴42Aに差し込まれた鍵を、反時計回り方向である矢印B方向(扉体37の表面部37Eから見たら時計回り方向)に約90度回動操作させることにより、回動部材108の棒状部108Bは、デッドボルト44の凹部44Dのうち、扉体37の戸先側の縁部44Eに当接することになる。これにより、施錠装置40のケース41の内部に没入していたデッドボルト44の主部44Aは、図11で示すように、扉体37の端面37Bから突出することになり、扉体37は施錠された状態となる。
このように、本実施形態では、図10で示されているシリンダー42の鍵穴42Aに差し込まれた図示しない鍵を約90度回動操作させることにより、扉体37を施錠、解錠できるようになっている。
ところで、シャッター装置のシャッターカーテン1により出入口2が全閉状態となっている夜間や休日等において、このシャッター装置が設置されている建物内で火災が発生した場合、この建物に急行した消防用自動車の消防隊員は、消防活動を行うために、全閉状態となっているシャッターカーテン1を開放させて建物内に入る必要がある。
しかし、夜間や休日等においては、扉体37の施錠装置40の鍵を管理しているシャッター装置の管理者が不在であり、また、この建物内に、夜間勤務や休日勤務の社員等や、常駐の警備員が居たとしても、これらの人間が施錠装置40の鍵の保管場所を知っているとは限らない。このような場合には、消防隊員は、建物内に入るためには、扉体37や全閉状態となっているシャッターカーテン1を特殊なカッター等で切断、破壊する等しかない。
このため、本実施形態では、施錠装置40の鍵が無い場合でも、施錠されている扉体37を解錠できるようになっている。
すなわち、本実施形態では、消火活動に使用される消防用自動車のホースから放水される水の圧力により、施錠されている扉体37を解錠できる機構を備えており、この解錠機構について、以下説明する。
本実施形態では、消防用自動車のホースから放出された水の圧力を、扉体37を解錠するための力に変換するための変換手段100が備えられており、図10で示されている扉体37の部分の裏面部37Fを示す図13には、この変換手段100の構造の正面図が示されている。また、図14には、この変換手段100の内部構造の側断面図が示されており、図15は、図10で示されている扉体37の部分の平面図が示されている。
本実施形態では、消防用自動車のホースから放水される水は、扉体37に形成された図10及び図14に示す円形状又は略円形状の貫通孔37Cを貫通するものとなっている。
扉体37の表面部37Eにおける貫通孔37Cの図14に示す周縁部37Dには、図10及び図14に示す環状部材47がビス等の止着具で取り付けられている。内径寸法が貫通孔37Cの直径寸法と同じ又は略同じとなっているこの環状部材47は、図14に示す消防用自動車のホース201から放水される水を貫通孔37Cに注水するときの目印となるとともに、貫通孔37Cに水を注水するために、扉体37の表面部37Eにおける貫通孔37Cの周縁部37Dに圧接させたホース201の先端がずれることを防止するためのものとなっている。
なお、環状部材47の内側には、外部からの不純物の流入を防ぐための網状部材48が配置されている。また、扉体37における環状部材47の下方には、消防隊員に対してホースから放水される水を環状部材47の内側に注入すべきことを分からせるための「消」マーク49が付されている。
また、図14に示されているように、扉体37の貫通孔37Cの内部には、筒状部材102が挿入配置されている。この筒状部材102は、外径寸法が扉体37の貫通孔37Cの直径寸法と同じ又は略同じであって、長さ寸法が扉体37の厚さ寸法と同じ又は略同じである円筒部102Aと、円筒部102Aにおける扉体37の裏面部37F側の端部に形成され、扉体37の裏面部37Fにおける貫通孔37Cの周縁部37Gに結合されるフランジ部102Bと、からなっている。これにより、ホースから放水された水は、扉体37の表面部37Eの環状部材47を通過した後、扉体37の内部に流入することなく、扉体37の裏面部37Fの側へ流出することになる。
次に、ホースから放出された水の圧力(言い換えると、水圧)を、扉体37を解錠するための力に変換するための変換手段100、より具体的には、水圧を、扉体37の戸先側の端面37Bから突出していたデッドボルト44を扉体37の内部に没入させる力に変換するための変換手段100について説明する。
前述したように、デッドボルト44は、鍵の回動操作により回動中心軸43を中心に回動する回動部材108との当接によって突没するものとなっており、本実施形態に係る変換手段100はは、水圧を、扉体37の戸先側の端面37Bから突出していたデッドボルト44を扉体37の内部に没入させる方向に回動中心軸43を回動させる力に変換するものである。
変換手段100は、図13〜図15から分かるように、水圧により回転する羽根車101と、長さ方向である上下方向の両端部のうちの一方の端部である下端部105A又はその近傍に形成された第1歯部105Cと他方の端部である上端部105B又はその近傍に形成された第2歯部105Dを有するラック部材105と、羽根車101の回転中心軸101Aに結合されていて第1歯部105Cに噛合する歯部106Aを有する第1ピニオン106と、回動部材108の回動中心軸43に結合されていて第2歯部105Dに噛合する歯部107Aを有する第2ピニオン107と、を含んで構成されている。そして、水圧で羽根車101が回転することにより、ラック部材105が、このラック部材105の上下方向のうちの一方の方向である上方向にスライドすることで、回動中心軸43が、扉体37の戸先側の端面37Bから突出していたデッドボルト44を扉体37の内部に没入させる方向に回動するものとなっている。
図14に示されているように、羽根車101は、扉体37の裏面部37Fよりもガイドレール6Bの収納部32の側へ配置されており、また、第1ピニオン106は、この羽根車101よりもガイドレール6Bの収納部32の側へ配置されている。
図13〜図15から分かるように、ラック部材105の下端部及びその近傍、羽根車101及び第1ピニオン106は、覆い部材111で覆われている。
この覆い部材111は、ラック部材105の下端部及びその近傍、羽根車101及び第1ピニオン106と対向する正面部111Aと、左右の側面部111Bと、上面部111Cと、左右の側面部111Bの後端部から正面部111Aの幅方向(言い換えると、左右方向)外側に延出する延出部111Dと、を有しており、底面部を有していない。すなわち、本実施形態では、覆い部材111の下部は開口部となっており、この開口部は、ホースから放水された水を排出するためのものとなっている。なお、この覆い部材111は、図13で示されているように、左右の延出部111Dがビス等の止着具112で止着されることにより、扉体37の取り付けられるものなっている。
羽根車101及び第1ピニオン106の回動中心軸101Aの両端部のうち、一方の端部(言い換えると、収納部32側の端部)は、覆い部材111の正面部111Aの内側面部に結合された第1軸受け部材103に形成された貫通孔103Cに挿通されているとともに、他方の端部(言い換えると、扉体37側の端部)は、筒状部材102の円筒部102Aの内側面部102Cに立設された第2軸受け部材104の上部に形成された貫通孔104Aに挿通されており、このため、羽根車101及び第1ピニオン106の回動中心軸101Aは、第1及び第2軸受け部材103,104に回転自在に支持されて(言い換えると、受けられて)いる。なお、第2軸受け部材104の下部には、ホースから放水された水を通過させるための開口部104Bが形成されている。
なお、覆い部材111の上面部111Cには、開口部(言い換えると、貫通孔)111Eが形成されており、上下方向にスライドするラック部材105は、この開口部111Eに挿通されるものとなっている。
また、ラック部材105の上端部105Bには、このラック部材105の長さ方向である上下方向への長さを有する長孔105Eが形成されており、この長孔105Eには、収納部32側からビス等の止着具121の軸部121Aが挿通されているとともに、この軸部121Aの先端部が扉体37の内部に螺入、結合されている。これにより、ラック部材105は、扉体37の側とは反対の側(言い換えると、扉体37から遠ざかる方向)へ移動しようとしても、このラック部材105が止着具121の頭部121Bと当接するため、この移動が阻止されるようになっている。
次に、図10、図11、図13〜図15で示されている施錠状態の扉体37を、消防用自動車のホースから放水された水の圧力により解錠状態とするための変換手段100の動作について説明する。
図14に示されているように、消防用自動車のホース201の先端部である開口部201Aを、扉体37の表面部37Eにおける貫通孔37Cの周縁部37Dに取り付けられている前述の環状部材47に圧接させた後、ホース201から水を放水させると、この放水された水は、扉体37の貫通孔37Cに配置された筒状部材102の円筒部102Aを通過する、
これにより、放水された水の圧力で羽根車101が回転中心軸101Aを中心に図13に示す時計回り方向である矢印C方向に回転するとともに、この回転中心軸101Aに結合されている第1ピニオン106も矢印C方向に回転する。
このため、第1歯部105Cが第1ピニオン106の歯部106Aに噛合しているラック部材105は、図16で示されているように、上下方向うちの一方の方向である上方向である矢印D方向にスライドすることになる。これにより、歯部107Aがラック部材105の第2歯部105Dに噛合している第2ピニオン107は、時計回り方向である矢印E方向に回転するとともに、この第2ピニオン107の回転中心軸43も、時計回り方向である矢印E方向に回転することになる。
このため、回転中心軸43を中心に回動自在となっている図11に示す回動部材108も、時計回り方向である矢印A方向に回動することになる。この回動部材108が矢印A方向に約90度回動することにより、この回動部材108の棒状部108Bは、デッドボルト44の後方部44Bの上部44Cに形成されている凹部44Dのうち、扉体37の戸尻側の縁部44Fに当接することになる。これにより、扉体37の端面37Bから突出していたデッドボルト44の主部44Aは、図12で示すように、施錠装置40のケース41の内部に没入することになり、扉体37は解錠された状態となる。
なお、ホースから水が放水され続けることにより、羽根車101が回転し続けることなり、このため、ラック部材105も上方向にスライドし続けることなる。
しかし、施錠状態を示している図13〜図15において、ラック部材105の長孔105Eの上縁部に当接していたビス等の止着具121の軸部121Aは、羽根車101が、解錠状態を示している図16に示すように矢印C方向に90度又は約90度回転したときには、止着具121の軸部102Bは、ラック部材105の長孔105Eの下縁部に当接することになる。このため、ラック部材105の上方向のスライドが停止するとともに、第2ピニオン107の回転も停止することなり、回動部材108の回動も停止し、デッドボルト44は、図12に示すように、主部44Aの先端部の端面が扉体37の戸先側の端面37Bと面一状態となる。
このように、本実施形態では、ラック部材105にこのラック部材105の長さ方向(言い換えると、スライド方向)への長さを有する長孔105Eを形成するとともに、この長孔105Eに挿通され、このラック部材105に対して不動となっている不動部材である扉体37の裏面部37Fやシリンダー錠40のケース41に止着したビス等の止着具121の軸部121Aとにより、ラック部材105の上方向へのスライド量を規制する規制手段(言い換えると、第2ピニオン107の回転量を規制する規制手段)が構成されている。
これにより、ホースから放水された水の圧力により回転する羽根車101の回転量は、90度又は約90度に規制され、この羽根車101と連動する第1ピニオン106及び第2ピニオン107の回転量も、90度又は約90度に規制され、さらに、この第2ピニオン107と連動する回動部材108の回動量も、90度又は約90度に規制されることになる。
以上説明したように、本実施形態では、施錠状態となっていた扉体37を、ホースから放水された水の圧力により、解錠状態とさせることができるようになっている。
前述したように、通常時においては、デッドボルト44は、鍵の回動操作により回動中心軸43を中心に回動する回動部材108との当接によって突没するものとなっている。すなわち、通常時においては、扉体37の施錠、解錠は、鍵の回動操作により行われるものとなっているが、鍵の回動量は、上述した規制手段よって、施錠するときには、図12に示す反時計回りである矢印B方向に90度又は約90度しか回動することができず、一方、解錠するときには、図11に示す時計回りである矢印A方向に90度又は約90度しか回動することができないようになっている。
なお、前述したように、本実施形態では、図13〜図15から分かるように、ラック部材105の下端部及びその近傍、羽根車101及び第1ピニオン106は、覆い部材111で覆われるようになっている。
しかし、これでは、ラック部材105が通過する覆い部材111の上面部111Cの開口部111Eからホースから放水された水が噴き出し、この噴き出した水が電源切替装置50や操作装置19に被るおそれがある。
このため、本実施形態では、ラック部材105の下端部及びその近傍、羽根車101及び第1ピニオン106を覆っている覆い部材111と、ラック部材105のうち、覆い部材111から露出している部分と、第2ピニオン107等は、覆い部材113(図13及び図15では2点鎖線で表示されている)で覆われるようになっている。
この覆い部材(言い換えると、第2覆い部材)113は、正面部113Aと、左右の側面部113Bと、上面部113Cと、上面部113Cの後端部から上側に90度屈曲する屈曲部113Dと、を有しており、この覆い部材113の下部は、開口部となっている覆い部材(言い換えると、第1覆い部材)111の下部から流れ落ちた水を排出したり、ラック部材105が通過する覆い部材111の上面部111Cの開口部111Eから噴き出した水を排出するための開口部となっている。なお、この覆い部材113は、図13及び図14で示されているように、上面部113Cの後端部から上側に90度屈曲する上述の屈曲部113Dがビス等の止着具112で止着されることにより、扉体37の取り付けられるものなっている。
なお、本実施形態では、前述の図3で示されているように、電源切替装置50には、この電源切替装置50に埃がかからないように、また、雨水や上述したようにホースから放水された水が万が一かかることのないように、カバー部材114で覆われるようになっている。
前述したように、電源切替装置50が載置固定されている台座部材61の下部には、電源切替装置50側に開口したC型のチャンネル材60がビス等の止着具により止着されており、このチャンネル材60は、具体的な形状、構造を後述する取付部材115を介してガイドレール6Bの背面部35の内側面部35Aに取り付けられている。そして、電源切替装置50を覆うための上述のカバー部材114は、ガイドレール6Bの背面部35の内側面部35Aに取り付けられている上述の取付部材115に対して、取り付け、取り外し自在となっている。
図17は、図3で示されている取付部材115単独の正面図であり、図18は、この取付部材115単独の平面図である。
図17及び図18から分かるように、板状の取付部材115のうち、幅方向である左右方向の両端部115Aは肉厚部115Aとなっていて、取付部材115のうち、左右方向の両端部115Aを除く部分は、肉薄部となっており、図3及び図19で示されているように、この肉薄部に、電源切替装置50が載置固定されている台座部材61の下部に止着されているチャンネル材60が取り付けられるものとなっている。
また、図17及び図18から分かるように、肉厚部115Aの上端部115Bから下端部115Cの手前の部分115Dまでは、この取付部材115の幅方向内側に開口した溝部115Eが形成されている。この溝部115Eの縦寸法である上下寸法H1は、肉厚部115Aの上端部115Bから下端部115Cの手前の部分115Dまでの長さ寸法H1となっている。
図20には、カバー部材114の正面図が示されており、図21には、このカバー部材114の平面図が示されている。
図20及び図21から分かるように、カバー部材114は、正面部114Aと、左右の側面部114Bと、左右の側面部114Bの後端部から正面部114Aの幅方向である左右方向外側に延出する延出部114Cと、上面部114Dと、を有しており、このため、カバー部材114は、背面部と底面部を有さず、下部が開口した形状を有している。
本実施形態では、図17に示す取付部材115の溝部115Eの上下寸法H1は、図20示すカバー部材114の延出部114Cの上下寸法H2と同じ又は略同じとなっている。
また、図17及び図18に示す取付部材115の肉厚部115Aに形成された溝部115Eの横寸法である左右寸法W1は、図21に示すカバー部材114の延出部114Cの幅寸法である左右寸法W2と同じ又は略同じとなっている。また、図18に示す取付部材115の溝部115Eの幅寸法である前後寸法D1は、図21に示すカバー部材114の延出部114Cの厚さ寸法である前後寸法D2と同じ又はこれより若干大きいものとなっている。
カバー部材114の取付部材115への取り付けは、図22に示されているように、カバー部材114を取付部材115の上方まで持ち上げた後、このカバー部材114の左右の延出部114Cを、取付部材115の左右の溝部115Eに上から挿入していけばよい。
この挿入作業は、図20に示すカバー部材114の左右の延出部114Cの下端部114Eが、図17に示す取付部材115の左右の溝部115Eの下端部115Dに載置するまで行う。このときの状態、すなわち、カバー部材114が取付部材115へ取り付けられた状態が図23に示されている。
前述したように、図17に示す取付部材115の溝部115Eの上下寸法H1は、図20示すカバー部材114の延出部114Cの上下寸法H2と同じ又は略同じとなっている。このため、図23から分かるように、図20に示すカバー部材114の左右の延出部114Cの下端部114Eが、図17に示す取付部材115の左右の溝部115Eの下端部115Dに載置したときには、カバー部材114の上面部114D及び左右の延出部11Bの上端部114は、取付部材115の肉厚部115Aの上端部115Fと面一状態となる。
このように、本実施形態では、取付部材115は、カバー部材114が係止する被係止部材となっている。
本実施形態では、カバー部材114は、非常時や電源切替装置50の点検時等を除いて、図23に示されているように、取付部材115に取り付けられた状態となっており、非常時や電源切替装置50の点検時等には、カバー部材114を持ちながらこのカバー部材114を引っ張り上げることにより、このカバー部材114を取付部材115から容易に取り外すことができるようになっている。
次に、実施形態に係るシャッター装置の電源切替方法の一実施形態について、図24及び図25により説明する。
図24及び図25は、本実施形態に係るシャッター装置が設置されている建物において、火災が発生し、商用電源20が停電状態となっているときに、この商用電源20の代わりに、この火災現場に急行した消防用自動車に搭載された発電機を使用するときを示す図である。
図24は、消防用自動車200に搭載されている本実施形態に係る第2電源となっている図示されない発電機の電源プラグ82を電源切替装置50のコンセント56(図25参照)に差し込んだときを示す図である。図25は、図24で示されている消防用自動車200に搭載の発電機の電源プラグ82を電源切替装置50のコンセント56に差し込むときを示す図3と同様の図である。
なお、本実施形態では、消防用自動車200に搭載されている図示されない発電機は、この消防用自動車から移動自在となっており、この発電機は、後述する図26に示されている発電機80である。
前述したように、本実施形態では、通常時においては、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給するための本実施形態に係る第1電源は、図25で示されている商用電源20となっている。
しかし、火災が発生したことによる停電で商用電源20からの電力供給が不可能となったときには、図24に示されているように、この火災のために急行した消防用自動車200をシャッター装置が設置されている場所まで移動する作業を実施する第1工程を行う。
前述したように、通常時において、内部に操作装置19や電源切替装置50が収納配置されているガイドレール6Bの正面部34に形成されている開口部34Aを開閉する扉体37は施錠されている。
このため、図24及び図25で示すように消防用自動車200に搭載されている発電機の電源プラグ82を電源切替装置50のコンセント56に差し込むために、第1工程の後、施錠状態となっている扉体37を解錠し、この扉体37を図24及び図25で示されているように開放動作させる作業を実施する第2工程を行う。この第2工程では、扉体37の解錠は、前述したように、鍵の操作により、又は、この鍵がない場合には消防用自動車200のホース201から放水される水の圧力により行う。なお、施錠されている扉体37の解錠を鍵の操作でできる場合には、この解錠作業の実施は、第1工程の前に行ってもよい。
この後、通常時において図3や図23に示されているように電源切替装置50を覆っている前述のカバー部材114を取り外す作業を実施する第3工程を行う。通常時において取付部材115に係止しているカバー部材114のこの取付部材115からの取り外しは、図22で示されている取付作業のときとは逆に、カバー部材114を上方向に持ち上げるだけでよい。これにより、ガイドレール6Bの収納部32の内部に収納配置されている電源切替装置50を外部から操作できる状態となる。
この後、図6、図24及び図25で示されている発電機80の電源線81の電源プラグ82を電源切替装置50のコンセント56に差し込む作業を実施するとともに、図4及び図5で示されているように、上側の回動限位置に達して上向きの略垂直姿勢となっている電源切替装置50の切替スイッチ53の操作部62の摘み部材64を摘んで、この摘み部材64が、図7及び図8で示されているように、下側の回動限位置に達して下向きの略垂直姿勢となるように、摘み部材64を下向きに約180度回動させる作業を実施する。これにより、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等が発電機80と接続された状態となる。
すなわち、発電機80を電源切替装置50に接続する作業を実施するとともに、この電源切替装置50により、制御装置17、開閉機13及び操作装置19等に電力を供給する電源を、商用電源20から発電機80へ切り替える作業を実施する第4工程を行う。
以上の工程により、発電機80からの電力が、図2及び図24に示す電源線22を経由して制御装置17へ供給されるとともに、図示しない電源線を経由して開閉機13へも供給されることになる。また、このとき、発電機80からの電力は、図2及び図24に示す電源線23を経由して操作装置19へも供給される。
この後、図2で示されている操作装置19の「開」ボタン19Aを操作して、全閉となっていたシャッターカーテン1を開き移動させる。
図26は、図24に示すように消防用自動車200をシャッター装置の設置場所で停車させることができない場合に、消防用自動車200をシャッター装置の設置場所から離れた場所に一旦停車させた後、この消防用自動車200に搭載されている発電機80をこの消防用自動車200から降ろし、この発電機80をシャッター装置の設置場所まで移動したときを示す図である。
本実施形態では、消防用自動車200に搭載されている発電機80は、図26で示されているように、少なくとも3個の車輪80Aを有していて移動自在となっており、このため、発電機80を消防用自動車200からシャッター装置の設置場所まで容易に移動させることができるようになっている。なお、発電機80自体に車輪80Aが備えられていない場合には、この発電機80を消防用自動車200から降ろし、台車等に積載してから、シャッター装置の設置場所まで移動させる。
また、以上説明した本実施形態では、第2電源は、消防用自動車200に搭載されている発電機80となっている。このため、本実施形態によると、停電が発生した非常時において、第1電源の代わりに使用できる第2電源について、種々のものを使用することができるようになる。言い換えると、本実施形態によると、停電が発生した非常時において、第1電源の代わりに使用できる第2電源の種類をより多くすることができるようになる。
また、本実施形態によると、シャッター装置の内部又はその近傍、あるいは、シャッター装置の設置場所からやや離れた場所に第2電源を常備しておく必要がない。
このため、本実施形態によると、第2電源の設置コストも削減化できるようになる。
特に、現場にシャッター装置が複数個設置されるものである場合には、それぞれのシャッター装置の内部又はその近傍、あるいは、シャッター装置の設置場所からやや離れた場所に、それぞれのシャッター装置専用の発電機80を常備しておく必要がなく、複数個のシャッター装置で消防用自動車200に搭載された1個の発電機80を使い回しすることが可能となる。これにより、発電機80の設置コストの大幅な削減化を図ることができるようになる。
なお、本実施形態では、第2電源として、消防用自動車200に搭載されている発電機80を使用するものであったが、図1で示されているシャッター装置が設置されている場所とは別の場所である倉庫等にも、移動自在な発電機(発電機80と同じタイプの発電機であってもよく、異なるタイプの発電機であってもよい)を保管しておくようにしてもよい。
この場合には、非常時において、倉庫等に保管してある発電機をシャッター装置が設置されている場所まで持ち出す(言い換えると、移動する)ことが可能である場合には、この発電機を第2電源として使用するようにし、倉庫等に保管してある発電機を持ち出すことができない場合(例えば、この発電機が故障していたり、この発電機の保管場所を知っている者がいない場合等)には、消防用自動車200に搭載されている発電機80を第2電源として使用するように運用する。
なお、本実施形態において、非常時において、施錠状態となっている扉体37を、鍵がなく、消防用自動車200のホース201から放水される水の圧力によっても解錠できない場合を想定して、扉体37自体を破壊しやすいように、この扉体37の表面部37Eに線状に窪んだ切れ目等を形成しておいてもよい。
なお、本実施形態において、図18に示す取付部材115の溝部115Eには、カバー部材114を係止させたときにおけるこのカバー部材114の防塵性や防水性等を向上させるために、シーリング材を配置するようにしてもよい。この場合には、取付部材115の溝部115Eの幅寸法である前後寸法D1をより大きくする必要がある。
また、本実施形態において、操作装置19についても、電源切替装置50を覆うためのカバー部材114のようなカバー部材で覆うようにしてもよい。
なお、本実施形態では、ガイドレール6Bの正面部34に形成する開口部34Aは、外部から手を入れて操作装置19及び電源切替装置50を操作するためのものであったが、ガイドレール6Bの正面部34には、外部から手を入れて操作装置19を操作するための第1開口部と、外部から手を入れて電源切替装置50を操作するための第2開口部と、を形成するようにしてもよい。すなわち、ガイドレール6Bの正面部34には開口部を2個形成し、一方の開口部は、外部から手を入れて操作装置19を操作するためのものとし、他方の開口部は、外部から手を入れて電源切替装置50を操作するためのものとするようにしてもよい。
なお、本実施形態において、消防用自動車200に搭載されている第2電源である発電機80には、様々なメーカーのもの、同じメーカーでも様々なタイプのものがあり、これらの発電機80から延びる電源線81の電源プラグ82の形状が、電源切替装置50のコンセント56の形状に適合したものであるとは限らない。
このため、様々な発電機80から延びる電源線81の様々な電源プラグ82を、電源切替装置50のコンセント56に差し込むことができるように、電源プラグ82の形状を電源切替装置50のコンセント56の形状に適合させるための変換アダプターを予め製造しておき、製造した変換アダプターを現場(言い換えると、シャッター装置の設置場所)に常備しておくことが好ましい。
なお、本実施形態において、発電機80は、ディーゼル発電機でもよく、ガソリン発電機でもよく、さらには、太陽光発電機、風力発電機等でもよい。
また、本実施形態において、第2電源は、消防用自動車200に搭載可能な大容量の蓄電池(言い換えると、バッテリー)としてもよい。ここで、この大容量の蓄電池は、消防用自動車200から移動自在となっていてもよく、移動不能となっていてもよい。
なお、本実施形態において、消防用自動車200には、第2電源として、発電機80と大容量の蓄電池の両方を搭載するようにし、これらの発電機80と大容量の蓄電池のうち、少なくとも一方を第2電源として使用するようにしてもよい。これは、発電機80が燃料切れや故障等により使用できなくなったときに特に有効なものとなる。
なお、本実施形態では、第2電源である発電機80が搭載される車両は、緊急自動車である消防用自動車200であったが、この消防用自動車200に限定されるものではなく、例えば、消防署に備えられていて、消防活動等に使用される電源照明車等であってもよい。言い換えると、第2電源は、電源照明車等に搭載されている発電機、さらには、蓄電池でもよい。
なお、第2電源を上述したように蓄電池とする場合には、この蓄電池から出力される電力を直流から交流に変換するための変換装置を車両に搭載することが好ましい。
また、本実施形態では、電源切替装置50の切替スイッチ53は、カバー付きのナイフスイッチであったが、この切替スイッチ53は、これに限定されるものではく、例えば、トグルスイッチ、ロッカースイッチ、ロータリースイッチ、セレクタスイッチ、押しボタンスイッチ等でもよい。
なお、本実施形態では、左右のガイドレール6A,6Bのうち、右側のガイドレール6Bは、電源切替装置50が収納配置される収納部32を有する分、左側のガイドレール6Aよりも、シャッターカーテン1の幅方向である左右方向の形状、寸法が大きいものであったが、左側のガイドレール6Aも、右側のガイドレール6Bと同様の形状、寸法を有するものとしてもよい。
また、本実施形態では、電源切替装置50は、屋外側から操作するものとなっていたが、この電源切替装置50は、屋内側と屋外側の両方から操作できるようにしてもよい。電源切替装置50を屋内側と屋外側の両方から操作できるようにするためには、例えば、図3に示されているガイドレール6Bにおける壁3Bと対向する側の側面部36の内側面部36Aに電源切替装置50を配置するとともに、ガイドレール6Bの背面部35における電源切替装置50が配置されている高さ位置と同じ又は略同じ高さ位置の部分に、非常時に手を入れて電源切替装置50を操作するための開口部を形成すればよい。
なお、消防用自動車のホースから放出された水の圧力を、扉体37を解錠するための力に変換するための変換手段100は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、施錠装置40については、市販のサムターン付のシリンダー錠を使用し、図16に示すように上方向にスライドしたラック部材105の上端部がサムターンに当接することにより、このサムターンが矢印E方向に90度又は約90度回動して扉体37が解錠されるものとしてもよい。
また、図20及び図21に示すカバー部材114の形状、構造は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、カバー部材114は、本実施形態では、背面部と底面部を有さず、下部が開口した形状を有しているものであったが、底面部を有するものとしてもよい。
この場合のカバー部材114の取付部材115への取り付けは、図22に示すように上からスライドさせて取付部材115に係止させるものではなく、例えば、取付部材115にビス等の止着具で止着するようにしてもよい。また、この場合のカバー部材114は、取付部材115を介さずに、図3に示すガイドレール6Bの背面部35の内側面部35Aに、ビス等の止着具で直接止着するようにしてもよい。
また、ラック部材105のスライド量を規制する規制手段も、本実施形態に限定されるものではない。例えば、この規制手段は、ラック部材105が上方向にスライドすることにより、扉体37の戸先側の端面37Bから突出していたデッドボルト44の主部44Aが扉体37の内部に没入したときには、ラック部材104の上端部が当接する第1当接部材と、ラック部材105が下方向にスライドすることにより、扉体37の内部に没入していたデッドボルト44の主部44Aが扉体37の戸先側の端面37Bから突出したときには、ラック部材105の下端部が当接する第2当接部材と、をラック部材105に対して不動となっている不動部材である扉体37の裏面部37Fに配置したものとしてもよい。
なお、本実施形態では、電源切替装置50を構成する第1端子台51、ブレーカー52、切替スイッチ53、左右2個のパイロットランプ54,55、コンセント56及び第2端子台57は、台座部材61に載置固定されて一体化されてガイドレール6Bの内部に収納配置されるものとなっている。
このため、本実施形態によると、工場において、電源切替装置50を構成する第1端子台51、ブレーカー52、切替スイッチ53、左右2個のパイロットランプ54,55、コンセント56及び第2端子台57を、台座部材61に載置固定する作業を予め行っておくことができ、この後、現場であるシャッター装置の設置場所では、電源切替装置50を構成する上述した各部品が載置固定された台座部材61を、あらかじめ取付部材115にビス等の止着具で止着しておいたチャンネル材60に固定する作業を行うだけで済むようになる。
すなわち、本実施形態によると、電源切替装置50を構成する各部品をガイドレール6Bの内部に収納配置する作業時間の短縮化を図ることができるようになる。
また、本実施形態では、前述したように、商用電源20から電源切替装置50へ延びる電源線21と、電源切替装置50の切替スイッチ53から制御装置17へ延びる電源線22は、ガイドレール6Bの内部である収納部32に収納配線されている(図1及び図2参照)。
このため、本実施形態によると、切替スイッチ53から制御装置17へ延びる電源線22を壁3B等の建物躯体の内部に通す必要がない。すなわち、建物躯体3Bに上記電源線22を配線するための凹部等を形成する作業等は必要なくなる。
すなわち、本実施形態によると、電源線21,22の配線作業が容易となる。また、本実施形態によると、電源線21,22を壁3Aの内部に収納配線する場合と比較して、電源線21,22の配線作業コストの削減化を図れるようになる。
本実施形態では、操作装置19は、電源切替装置50が収納配置されているガイドレール6Bの内部に収納配置するようになっている。
このため、本実施形態によると、操作装置19を壁3B等の建物躯体に設置する必要がないため、それだけ、操作装置19の設置コストの削減化を図ることができる。
なお、本実施形態では、操作装置19は、電源切替装置50の上側に配置されているものであるが、この操作装置19は、電源切替装置50の左側又は右側に配置するようにしてもよく、電源切替装置50の下側に配置するようにしてもよい。
また、本実施形態では、図1及び図2から分かるように、操作装置19から制御装置17へ延びる制御線24は、ガイドレール6Bの内部である収納部32を経由して制御装置17へ接続されている。すなわち、制御線24は、電源線21〜23と同様に、ガイドレール6Bの内部である収納部32に収納配線されている。
このため、本実施形態によると、電源線21〜23と同様に、制御線24の配線作業が容易となる。また、本実施形態によると、制御線24を壁3Aの内部に収納配線する場合と比較して、制御線24の配線作業コストの削減化を図れるようになる。
また、本実施形態では、電源切替装置50や操作装置19が収納部32に収納配置されているため、火災が発生した場合、この火災による熱で電源切替装置50や操作装置19が溶融、損傷してしまうことが防止される。
また、本実施形態では、前述したように、図1で示されているガイドレール6Bの正面部34に形成された開口部34Aは、扉体である扉体37によって開閉自在となっているが、コネクター56A(図4参照)がオス(雄)型形状となっている電源切替装置50のコンセント56は、開口部34Aと対向して配置されている。
このため、本実施形態によると、図24や図26から分かるように、発電機80の電源プラグ82を電源切替装置50のコンセント56に差し込む作業や、電源切替装置50のコンセント56に差し込んでいた発電機80の電源プラグ82を抜き取る作業(言い換えると、取り外す作業)が容易となる。
なお、本実施形態では、右側のガイドレール6Bの正面部34に形成されている開口部34Aを開閉する扉体37は、右開きの扉体(言い換えると、右開きの開き戸)となっている。
これは、扉体37が左開きの扉体となっている場合には、シャッター装置の管理者等が、扉体37を開放動作させて電源切替作業や電源切替装置50のメンテナンス作業等を行うとき、このシャッター装置の管理者等は、開放動作されて左側に存在する扉体37と、右側に存在する壁3Bとの間の窮屈なスペースで作業を行わなければならないからである。
これに対して、本実施形態では、シャッター装置の管理者等が、扉体37を開放動作させて電源切替作業や電源切替装置50のメンテナンス作業等を行うとき、このシャッター装置の管理者等の左側には、作業の邪魔となる扉体37が存在しないため、このシャッター装置の管理者等は、扉体37が左開きの扉体となっている場合と比較して、作業がし易くなる。
なお、本実施形態では、前述したように、左右に横並びに配置されているパイロットランプ54,55は、コンセント56の上側であってこのコンセント56の近傍に配置されている(図4参照)。
これは、左右に横並びに配置されているパイロットランプ54,55を、コンセント56の下側に配置した場合には、非常時において、パイロットランプ54,55が、コンセント56に電源プラグ82を差し込んだ発電機80の電源線81によって見えにくくなるおそれがあるからである。
以上説明した各実施形態では、第2電源は、緊急自動車である消防用自動車に搭載されている発電機であったが、図27は、特殊自動車であるフォーク・リフト202に搭載されている本実施形態に係る第2電源となっている図示されない発電機の電源線203の終端部である図示しない電源プラグを電源切替装置50のコンセント56(図25参照)に差し込んだときを示す図である。
このように、第2電源は、図27で示されているフォーク・リフト202やターレット式構内運搬自動車等の特殊自動車に搭載されている発電機及び/又は蓄電池でもよい。なお、第2電源を蓄電池とする場合には、この蓄電池から出力される電力を直流から交流に変換するための変換装置を車両に搭載することが好ましい。
以上説明した各実施形態において、車両である緊急自動車や特殊自動車が、電気自動車や燃料電池自動車である場合には、これらの自動車のエネルギー源となるリチウムイオン電池や燃料電池そのものを第2電源としてもよい。この場合には、これらの電池から出力される電力を直流から交流に変換するための変換装置を備える必要があり、この変換装置を車両に搭載することが好ましい。
なお、以上説明した各実施形態における車両は、緊急自動車や特殊自動車に限定されるものではなく、普通自動車(電気自動車や燃料電池自動車を含む)でもよい。この場合には、第2電源は、この普通自動車に搭載された発電機及び/又は蓄電池でもよい。また、普通自動車が電気自動車や燃料電池自動車である場合には、上述したように、これらの自動車のエネルギー源となるリチウムイオン電池や燃料電池そのものを第2電源としてもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、操作装置19からの制御信号は、有線である図1及び図2に示す制御線24を経由して制御装置17に送信されるものであったが、操作装置19と制御装置17とは、無線により接続されるものであってもよい。
なお、以上説明した各実施形態では、制御装置17は、図1や図27等で示されているように、開閉機13や自動閉鎖装置18とともに、天井裏空間7に配置されていたが、図28は、制御装置17、操作装置19及び電源切替装置50をユニット化したものをガイドレール6Bの内部に収納配置した実施形態が示されている。
本実施形態では、これらの制御装置17、操作装置19及び電源切替装置50は、ベース部材210に配置されてユニット化されており、このベース部材210は、ガイドレール6Bの背面部35の内側面部35A(図3参照)に、図示しない取付部材を介して取り付けられている。なお、制御装置17から開閉機13までは電源線211が延びており、この電源線211は、ガイドレール6Bの内部を経由して配線されている。
本実施形態によると、互いに密接な関係を有する制御装置17、操作装置19及び電源切替装置50のメンテナンスがし易くなる。また、本実施形態によると、制御装置17の配線作業の容易化や、配線・配管部材の削減化も図れるようになる。