JP2019183417A - 鋼床版の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】デッキプレートに角変形が生じることを抑制できる、鋼床版の製造方法を提供する。【解決手段】鋼床版の製造方法は、第1面および第2面を有するデッキプレートにひずみを付与するひずみ付与工程と、ひずみが付与された状態でデッキプレートを拘束しつつ縦リブを片側すみ肉溶接によってデッキプレートの第2面に接合する溶接工程と、溶接工程後にデッキプレートの拘束を解除する解除工程とを備える。第2面のうち縦リブが配置される領域を配置領域とし、配置領域から縦リブの幅方向における一方側および他方側に160mm離れた2つの位置をそれぞれ対象位置とした場合に、ひずみ付与工程では、第2面上の上記2つの対象位置をデッキプレートの厚み方向において第1面側に2.5〜3.5mm変位させることによって、第2面側が凸となるようにデッキプレートを弧状に変形させる。【選択図】 図10

Description

本発明は、鋼床版の製造方法に関する。
従来、橋梁等の土木構造物において、鋼床版が用いられている。図1は、鋼床版を備えた橋梁の一例を示す図である。なお、図1においては、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示している。X方向は橋梁1の長さ方向を示し、Y方向は橋梁1の幅方向を示し、Z方向は鉛直方向を示す。また、図1においては、橋梁1上を走行する車両8が示されている。以下の説明では、橋梁1の幅方向を、左右方向ともいう。
図1に示す橋梁1は、鋼床版2および舗装材7を有している。鋼床版2は、デッキプレート3と、複数の主桁4と、複数の横リブ5と、複数の縦リブ6とを有している。デッキプレート3、主桁4、横リブ5および縦リブ6はそれぞれ、鋼材からなる。なお、以下においては、デッキプレート3を基準として、舗装材7が設けられる側を上方とし、縦リブ6が設けられる側を下方とする。
デッキプレート3は、平板形状を有する。デッキプレート3の上面3aは、舗装材7によって舗装されている。主桁4は、Y−Z平面に平行な断面においてI字形状を有し、かつ橋梁1の長さ方向に延びるように設けられている。横リブ5は、X−Z平面に平行な断面において逆T字形状を有し、かつ橋梁1の幅方向に延びるように設けられている。
縦リブ6は、長尺形状を有し、橋梁1の長さ方向に延びるように、かつ横リブ5を貫通するように設けられている。図1に示した縦リブ6は、いわゆるUリブであり、Y−Z平面に平行な断面において、左右方向に延びる底部6aと、底部6aの左右方向における両端部から上方に延びる一対の側壁部6b,6cとを有する。側壁部6b,6cは、先端側(図1においては上側)ほど互いの間隔が大きくなるように、底部6aに対して傾斜している。縦リブ6の上部がデッキプレート3によって塞がれるように、側壁部6b,6cの上端部は、デッキプレート3の下面3bに接続されている。すなわち、縦リブ6は、閉断面リブである。本明細書における「閉断面リブ」とは、デッキプレートの下面に接続されることで、デッキプレートの下面との間に閉断面を形成する長尺状のリブのことを言う。
一般に、縦リブは、特許文献1に開示されているように、デッキプレートの下面に溶接される。図2は、デッキプレートと縦リブとの接合部の一例を示す図である。図2に示すように、一般に、側壁部6bは、デッキプレート3に片側すみ肉溶接される。具体的には、側壁部6bの先端部のうち外側の部分6dが溶接ビード(溶接金属)10を介してデッキプレート3に接合される。一方、通常、側壁部6bの先端部のうち内側の部分6eはデッキプレート3に接合されない。このため、デッキプレート3と溶接ビード10と部分6eとの間に、切欠き状の空間11(以下、不溶着部11という。)が形成されている。図示は省略するが、デッキプレート3と側壁部6cとの接合部も同様である。
ところで、上記のようにデッキプレート3に縦リブ6を溶接する場合、溶接後に、デッキプレート3に角変形が生じることが知られている。具体的には、デッキプレート3と側壁部6bとの接合部の近傍およびデッキプレート3と側壁部6cとの接合部の近傍をそれぞれ中心として、上面3a側が凸となるようにデッキプレート3が変形する。そこで、従来、デッキプレート3に生じた角変形を、プレス加工(冷間加工)によって矯正したり、ガスバーナーを用いた線状加熱によって矯正したりしている。
特開2008−307561号公報
しかしながら、上記のようにデッキプレートの角変形を矯正する場合には、矯正作業のための時間が必要になり、鋼床版の製造効率が低下する。また、溶接作業のための作業スペースとは別に、矯正作業のための作業スペースが必要になるとともに、高度の技量を有する作業者が必要となる。このため、鋼床版の製造コストが増加する。
そこで、本発明は、デッキプレートに角変形が生じることを抑制できる、鋼床版の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、下記の鋼床版の製造方法を要旨とする。
(1)鋼床版において上面となる第1面および前記鋼床版において下面となる第2面を有するデッキプレートにひずみを付与するひずみ付与工程と、
前記ひずみ付与工程で付与されたひずみを維持するように前記デッキプレートを拘束した状態で、前記第2面との間で閉断面を形成するように前記第2面に縦リブを片側すみ肉溶接によって接合する溶接工程と、
前記溶接工程後に前記デッキプレートの拘束を解除する解除工程と、を備え、
前記デッキプレートの厚み方向と前記縦リブの長さ方向とに垂直な方向を幅方向とし、前記第2面のうち前記縦リブが配置される領域を配置領域とし、前記第2面のうち前記配置領域から前記幅方向における一方側および他方側に160mm離れた2つの位置をそれぞれ対象位置とした場合に、
前記ひずみ付与工程では、前記デッキプレートにひずみが付与されていない状態から、2つの前記対象位置よりも前記幅方向における内側の位置において前記第1面を支持しつつ、前記第2面上の前記2つの対象位置を前記厚み方向において前記第1面側に2.5〜3.5mm変位させることによって、前記第2面側が凸となるように前記デッキプレートを弧状に変形させる、鋼床版の製造方法。
(2)前記解除工程では、前記デッキプレートの温度が少なくとも300℃以下になるまでは、前記デッキプレートの拘束を維持する、上記(1)に記載の鋼床版の製造方法。
(3)前記ひずみ付与工程では、前記幅方向における前記縦リブの内側において前記第1面を支持する、上記(1)または(2)に記載の鋼床版の製造方法。
本発明によれば、デッキプレートに角変形が生じることを抑制できる。
図1は、鋼床版を備えた橋梁の一例を示す図である。 図2は、デッキプレートと縦リブとの接合部の一例を示す図である。 図3は、鋼床版の解析モデルを説明するための図である。 図4は、FEM解析の詳細を説明するための図である。 図5は、FEM解析結果を示すグラフである。 図6は、FEM解析結果を示すグラフである。 図7は、鋼床版の製造方法を説明するための図である。 図8は、鋼床版の製造方法を説明するための図である。 図9は、鋼床版の製造方法を説明するための図である。 図10は、鋼床版の製造方法を説明するための図である。 図11は、鋼床版の製造方法を説明するための図である。 図12は、鋼床版の他の例を示す図である。 図13は、鋼床版の他の例を示す図である。
(本発明者らによる検討)
本発明者は、鋼床版を製造する過程においてデッキプレートに生じる角変形を抑制するために研究を行ってきた。その研究の中で、本発明者は、溶接によってデッキプレート3に生じる角変形の方向に注目した。具体的には、上述したように、デッキプレート3は、角変形によって、上面3a側が凸となるように変形する。この点を考慮して、本発明者は、デッキプレート3を角変形とは逆方向に曲げた状態で、縦リブ6をデッキプレート3に溶接することによって、デッキプレート3の角変形を抑制できるのではないかと考えた。
そこで、本発明者は、上述のデッキプレート3および縦リブ6を備えた鋼床版の解析モデルを作成し、FEM解析を行うとともに、解析結果に基づいて詳細な検討を行った。
図3は、鋼床版の解析モデルを説明するための図である。具体的には、図3(a)は、鋼床版の解析モデルを示す図であり、図3(b)は、解析モデルにおいてデッキプレートと縦リブとの接合部に相当する部分の拡大図である。なお、図3(a)においては、鋼床版の幅方向における中心線を一点鎖線で示している。
図3に示すように、本発明者は、4節点の2次元平面ひずみ要素を用いて、鋼床版2aの1/2線対称モデルを作成した。なお、鋼床版2aは、上述の主桁4および横リブ5を備えていない。鋼床版2aの寸法には、日本鋼構造協会規格 JSS II 08−2006で規定された鋼床版用U形鋼(320×240×6−40)の寸法を用いた。また、本発明者は、上述の鋼床版2aのモデルに加えてさらに、支持台20の1/2線対称モデルを作成した。FEM解析では、上面3aが下方を向き、下面3bが上方を向くように、支持台20上に鋼床版2aを配置した。以下においては、上面3aを第1面3aと記載し、下面3bを第2面3bと記載する。
図3に示す位置P1,P2は、第2面3b上の位置である。位置P1は、側壁部6bの外面を第2面3b側に直線状に延ばしたと仮定した場合に、その延ばした部分と第2面3bとが交差する位置を示している。また、位置P2は、鋼床版2aの幅方向における第2面3bの一端を示している。位置P2は、鋼床版2aの幅方向において、位置P1から160mm離れている。
図4は、FEM解析の詳細を説明するための図である。なお、鋼床版2aの材料としてSM490B(JIS G3106 2015)を用いたと仮定し、材料挙動は非線形移動硬化則に従うとして、FEM解析を行った。支持台20は、剛体とした。
図4に示すように、FEM解析では、まず、位置P2を下方に変位させて、第2面3b側が上方に向かって凸となるようにデッキプレート3に弾性ひずみを付与した(ひずみ付与工程)。なお、ひずみ付与工程が実施された鋼床版2aのモデルには、溶接ビード10に対応する部分が形成されているが、ひずみ付与工程では、当該部分に溶接による入熱は行われていない。すなわち、鋼床版2aの全体(溶接ビード10を含む)を常温(20℃)に設定した状態で、デッキプレート3に対してひずみ付与工程が実施されている。
次に、ひずみ付与工程で付与されたひずみを維持するようにデッキプレート3を拘束した状態で、片側すみ肉溶接によって側壁部6bをデッキプレート3の第2面3bに接合した(溶接工程)。なお、溶接工程では、アーク溶接(溶接電流:350A、アーク電圧:38V、溶接速度:45cm/min)によって、同時に2パスの片側すみ肉溶接を行ったと仮定して、溶接ビード10に入熱を行った。雰囲気温度は、20℃とした。また、鋼床版の実際の製造工程における溶接条件を考慮して、溶接ビード10の溶け込み深さd(図3(b)参照)は、縦リブ6の厚みの72%とした。
最後に、デッキプレート3の拘束を維持しつつ鋼床版2a全体を20℃まで放冷した後、デッキプレート3の拘束を解除した(解除工程)。
本発明者は、上記の解析を、デッキプレート3の厚みおよびひずみ付与工程における位置P2の下方への変位量Xを変えて行い、解除工程後のデッキプレート3に生じる角変形ついて調査した。具体的には、デッキプレート3の厚みは、12mm、14mm、16mmおよび18mmに設定した。また、変位量Xは、0mm、1.4mm、3mm、3.5mmおよび5mmに設定した。
なお、以下において、デッキプレート3の基準状態とは、ひずみ付与工程前のデッキプレート3の状態(すなわち、ひずみが付与されていないデッキプレート3の状態)を意味する。図4には、基準状態におけるデッキプレート3が一点鎖線で示されている。また、図4には、ひずみ付与工程におけるデッキプレート3の下方への変位角θ、および位置P1と位置P2とを通る直線Lが示されている。なお、本解析においてデッキプレート3の変位角とは、基準状態におけるデッキプレート3の第2面3bに対する直線Lの傾斜角度を意味する。
図5および図6に解析結果を示す。図5において横軸は、ひずみ付与工程における位置P2の変位量(基準状態からの下方への変位量)を示す。また、図5において縦軸は、解除工程後の位置P2の、基準状態からの上下方向における変位量を示している。図5において縦軸の変位量が正の値で示される場合には、解除工程後の位置P2が基準状態に対して上方に移動していることを示す。一方、図5において縦軸の変位量が負の値で示される場合には、解除工程後の位置P2が基準状態に対して下方に移動していることを示す。
また、図6において横軸は、ひずみ付与工程におけるデッキプレート3の変位角(基準状態からの下方への変位角)を示す。また、図6において縦軸は、解除工程後のデッキプレート3の変位角(基準状態に対する変位角)を示している。図6において縦軸の変位角が正の値で示される場合には、解除工程後の位置P2が基準状態に対して上方に移動していることを示す。一方、図6において縦軸の変位角が負の値で示される場合には、解除工程後の位置P2が基準状態に対して下方に移動していることを示す。
図5に示した結果から、ひずみ付与工程における位置P2の下方への変位量を3mmに設定することによって、デッキプレート3の厚みにかかわらず、解除工程後の位置P2の変位量をほぼ0にすることができることが分かった。すなわち、ひずみ付与工程における位置P2の下方への変位量を3mmに設定することによって、デッキプレート3と縦リブ6との溶接後にデッキプレート3に角変形が生じることを十分に抑制できることが分かった。同様に、図6に示した結果からは、ひずみ付与工程におけるデッキプレート3(縦リブ6よりも外側の部分)の下方への変位角を0.018radに設定することによって、デッキプレート3の厚みにかかわらず、解除工程後の位置P2の変位量をほぼ0にすることができることが分かった。すなわち、ひずみ付与工程におけるデッキプレート3の下方への変位角を0.018radに設定することによって、デッキプレート3と縦リブ6との溶接後にデッキプレート3に角変形が生じることを十分に抑制できることが分かった。
なお、鋼床版の実際の製造工程における溶接品質のばらつき(溶け込みのばらつき等)を考慮すると、ひずみ付与工程における位置P2の下方への変位量は、2.5〜3.5mmに設定されることが好ましいといえる。同様に、ひずみ付与工程におけるデッキプレート3の下方への変位角は、0.015〜0.021radに設定されることが好ましいといえる。
また、本発明者による検討の結果、解除工程においては、デッキプレート3の温度が少なくとも300℃まで低下した後に、デッキプレート3の拘束を解除することによって、デッキプレート3に角変形が生じることを抑制できることが分かった。なお、解除工程においては、デッキプレート3の温度が200℃以下まで低下した後に、デッキプレート3の拘束を解除することがより好ましい。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものである。
(本発明の実施形態の説明)
以下、本発明の一実施形態に係る鋼床版の製造方法について説明する。以下に説明するように、本実施形態に係る鋼床版の製造方法は、配置工程と、ひずみ付与工程と、溶接工程と、解除工程とを備えている。図7〜図11は、本実施形態に係る鋼床版の製造方法を説明するための図である。なお、図7〜図11は、各構成部材を縦リブ6の長さ方向から見た図である。
図7に示すように、本実施形態に係る鋼床版の製造方法では、まず、第1面3aが下方を向き、第2面3bが上方を向くように支持台20上にデッキプレート3を配置するとともに、第2面3b上に縦リブ6を配置する(配置工程)。
なお、第1面3aは、鋼床版において上面となる面であり、第2面3bは、鋼床版において下面となる面である。デッキプレート3および縦リブ6については、上述の鋼床版2のデッキプレート3および縦リブ6と同様の構成を有している。デッキプレート3の厚みは、例えば、12〜16mmに設定され、縦リブ6の厚みは、例えば、6〜9mmに設定される。なお、デッキプレート3および縦リブ6としては、公知の鋼床版のデッキプレートおよび縦リブを用いることができるので、デッキプレート3および縦リブ6の詳細な説明は省略する。
本実施形態では、支持台20は、縦リブ6の長さ方向に延びる直方体形状を有している。支持台20は、例えば、鋼等の金属材料からなる。なお、以下の説明では、デッキプレート3の厚み方向と縦リブ6の長さ方向とに垂直な方向を幅方向とする。
本実施形態においては、第2面3bのうち、縦リブ6が配置される領域を配置領域30と規定する。配置領域30は以下のようにして規定される領域である。図8は、配置領域30を説明するための図である。
図8に示すように、本実施形態では、デッキプレート3の第2面3b上に縦リブ6を配置した状態において、縦リブ6の両端部に対応する位置Pb,Pcを規定する。位置Pb,Pcはそれぞれ、第2面3b上の位置である。本実施形態では、位置Pbは、側壁部6bの外面を第2面3b側に直線状に延ばしたと仮定した場合に、その延ばした部分と第2面3bとが交差する位置である。同様に、位置Pcは、側壁部6cの外面を第2面3b側に直線状に延ばしたと仮定した場合に、その延ばした部分と第2面3bとが交差する位置である。
本実施形態では、上記の位置Pb,Pcが、配置領域30の幅方向における両端となる。すなわち、位置Pb,Pcによって、配置領域30の幅Wが規定される。本実施形態では、配置領域30は、幅Wを有しかつ縦リブ6の長さ方向に延びるように設けられた長方形状の領域である。
また、本実施形態では、図7に示すように、第2面3bのうち、配置領域30から幅方向における一方側および他方側に160mm離れた2つの位置をそれぞれ対象位置Pb1,Pc1として規定する。
本実施形態では、配置工程において第2面3b上に縦リブ6を配置した後、側壁部6b,6cの先端部(デッキプレート3側の端部)がデッキプレート3に仮付け溶接される。なお、図7においては、仮付け溶接によって形成される溶接ビードの図示は省略している。仮付け溶接および後述する溶接工程の片側すみ肉溶接における溶接方法について特に制限はないが、例えば、アーク溶接を利用することができる。
次に、図9に示すように、第2面3bのうち縦リブ6よりも外側の部分を、一対の押圧部材22a,22bによって第1面3a側に向かって押すことによって、デッキプレート3にひずみを付与する(ひずみ付与工程)。なお、図9には、基準状態(ひずみ付与前の状態)におけるデッキプレート3の第2面3bが一点鎖線で示されている。また、図9には、デッキプレート3のうち側壁部6bよりも外側の部分3cの変位角θb、および位置Pbと位置Pb1とを通る直線Lbが示されている。なお、本実施形態において、デッキプレート3の部分3cの変位角θbとは、基準状態におけるデッキプレート3の第2面3bに対する直線Lbの傾斜角度を意味する。詳細な説明は省略するが、デッキプレート3のうち側壁部6cよりも外側の部分3dの変位角についても同様に規定される。
本実施形態では、ひずみ付与工程において、第1面3aは、支持台20の2つの角部20a,20bによって支持されている。その状態で、押圧部材22a,22bによって第2面3bが押圧されることによって、対象位置Pb1,Pc1が、デッキプレート3の厚み方向において第1面3a側に2.5〜3.5mm変位する。これによって、第2面3b側が凸となるように、デッキプレート3が孤状に変形する。
本実施形態では、対象位置Pb1を上記のように2.5〜3.5mm変位させることによって、デッキプレート3の部分3cの第1面3a側への変位角θbは、0.015〜0.021radとなる。同様に、対象位置Pc1を上記のように2.5〜3.5mm変位させることによって、デッキプレート3の部分3dの第1面3a側への変位角は、0.015〜0.021radとなる。したがって、ひずみ付与工程では、デッキプレート3のうち縦リブ6よりも外側の部分の第1面3a側への変位角が0.015〜0.021radとなるように、デッキプレート3を変形させてもよい。
なお、本実施形態では、角部20a,20bは、幅方向において、対象位置Pb1,Pc1よりも内側において、第1面3aを支持している。より具体的には、角部20a,20bは、幅方向において、縦リブ6よりも内側において、第1面3aを支持している。角部20aは、幅方向における配置領域30の中央部よりも一方側において第1面3aを支持し、角部20bは、幅方向における配置領域30の中央部よりも他方側において第1面3aを支持している。このように角部20a,20bによって第1面3aを支持することによって、ひずみ付与工程において対象位置Pb1,Pc1を容易に変位させることができる。
なお、図9においては、押圧部材22a,22bによって対象位置Pb1,Pc1を直接押圧しているが、押圧部材22a,22bによる第2面3bの押圧位置は図9に示した例に限定されない。本実施形態では、対象位置Pb1,Pc1を、デッキプレート3の厚み方向において第1面3a側に2.5〜3.5mm変位させることができればよい。したがって、第2面3bのうち、幅方向において対象位置Pb1,Pc1よりも外側の位置を、押圧部材22a,22bによって押圧してもよく、幅方向において対象位置Pb1,Pc1よりも内側の位置を押圧部材22a,22bによって押圧してもよい。
また、押圧部材22a,22bの形状も図9に示した例に限定されず、対象位置Pb1,Pc1を、上記のように2.5〜3.5mm変位させることができる形状であればよい。また、縦リブ6の長さ方向における押圧部材22a,22bの形状も特に限定されない。したがって、例えば、デッキプレート3の厚み方向から見て、押圧部材22a,22bが、縦リブ6の長さ方向に延びるように長尺形状を有していてもよい。また、押圧部材22a,22bが円柱形状を有していてもよい。この場合には、例えば、複数の押圧部材22a,22bを縦リブ6の長さ方向に並べて、複数の押圧部材22a,22bによって同時にひずみ付与工程を実施すればよい。
次に、図10に示すように、ひずみ付与工程で付与されたひずみを維持するようにデッキプレート3を拘束した状態で、縦リブ6を片側すみ肉溶接によってデッキプレート3に接合する(溶接工程)。本実施形態では、押圧部材22a,22bの位置を固定することによってデッキプレート3を拘束した状態で、側壁部6b,6cがそれぞれ片側すみ肉溶接によってデッキプレート3に接合される。これにより、側壁部6b,6cとデッキプレート3とを接合するように、一対の溶接ビード10が形成される。
次に、デッキプレート3の拘束を解除する(解除工程)。本実施形態では、例えば、デッキプレート3の温度が所定の温度(例えば、300℃以下、好ましくは200℃以下)まで低下した後、押圧部材22a,22bをデッキプレート3から離すことによって、デッキプレート3の拘束を解除する。これにより、図11に示すように、デッキプレート3の角変形が抑制された鋼床版100が製造される。
以上のように、本実施形態では、デッキプレート3の第2面3b上の対象位置Pb1,Pc1を、第1面3a側に2.5〜3.5mm変位させた状態で、縦リブ6がデッキプレート3に溶接される。言い換えると、従来の製造方法においてデッキプレート3に生じていた角変形の方向とは逆方向にデッキプレート3を変形させた状態で、縦リブ6がデッキプレート3に溶接される。これにより、溶接後にデッキプレート3に角変形が生じることを十分に抑制することができる。
なお、上述の実施形態では、支持台20は、幅方向において、縦リブ6よりも内側において第1面3aを支持しているが、縦リブ6よりも外側において第1面3aを支持するように支持台を構成してもよい。
また、上述の実施形態では、支持台20の角部20a,20bによって第1面3aを支持している。すなわち、上述の実施形態では、幅方向における2つの位置で第1面3aを支持している。しかしながら、幅方向における1つの位置で第1面3aを支持してもよい。具体的には、図10に示す角部20aと角部20bとの中間位置において、第1面3aを支持してもよい。
上述の実施形態では、配置工程において縦リブ6をデッキプレート3に仮付け溶接しているが、配置工程において仮付け溶接を行わなくてもよい。この場合、例えば、ひずみ付与工程においてデッキプレート3にひずみを付与した状態で仮付け溶接を行い、その後、上述の溶接工程(本溶接)を実施してもよい。
また、上述の実施形態では、縦リブ6がいわゆるUリブである場合について説明したが、本発明に係る鋼床版の製造方法は、種々の形状の閉断面リブを備えた鋼床版に適用できる。例えば、本発明に係る鋼床版の製造方法によって、図12に示すような、V字形状を有する縦リブ40を備えた鋼床版100aを製造してもよく、図13に示すような、全体として略円弧状に湾曲した縦リブ42を備えた鋼床版100bを製造してもよい。これらの場合も、上述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
本発明によれば、デッキプレートに角変形が生じることを抑制できる。
1 橋梁
2,2a,100,100a,100b 鋼床版
3 デッキプレート
3a 第1面(上面)
3b 第2面(下面)
4 主桁
5 横リブ
6,40,42 縦リブ
6a 底部
6b,6c, 側壁部
7 舗装材
8 自動車
10 溶接ビード(溶接金属)
11 不溶着部
20 支持台
22a,22b 押圧部材
30 配置領域
Pb1,Pc1 対象位置

Claims (3)

  1. 鋼床版において上面となる第1面および前記鋼床版において下面となる第2面を有するデッキプレートにひずみを付与するひずみ付与工程と、
    前記ひずみ付与工程で付与されたひずみを維持するように前記デッキプレートを拘束した状態で、前記第2面との間で閉断面を形成するように前記第2面に縦リブを片側すみ肉溶接によって接合する溶接工程と、
    前記溶接工程後に前記デッキプレートの拘束を解除する解除工程と、を備え、
    前記デッキプレートの厚み方向と前記縦リブの長さ方向とに垂直な方向を幅方向とし、前記第2面のうち前記縦リブが配置される領域を配置領域とし、前記第2面のうち前記配置領域から前記幅方向における一方側および他方側に160mm離れた2つの位置をそれぞれ対象位置とした場合に、
    前記ひずみ付与工程では、前記デッキプレートにひずみが付与されていない状態から、2つの前記対象位置よりも前記幅方向における内側の位置において前記第1面を支持しつつ、前記第2面上の前記2つの対象位置を前記厚み方向において前記第1面側に2.5〜3.5mm変位させることによって、前記第2面側が凸となるように前記デッキプレートを弧状に変形させる、鋼床版の製造方法。
  2. 前記解除工程では、前記デッキプレートの温度が少なくとも300℃以下になるまでは、前記デッキプレートの拘束を維持する、請求項1に記載の鋼床版の製造方法。
  3. 前記ひずみ付与工程では、前記幅方向における前記縦リブの内側において前記第1面を支持する、請求項1または2に記載の鋼床版の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115455771A (zh) * 2022-09-15 2022-12-09 华南理工大学 大节段钢箱梁制造中温度效应引起的变形误差控制方法

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