JP2019183105A - 金属ナノワイヤ成長制御剤、金属ナノワイヤの製造方法及び金属ナノワイヤ分散液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)1−ビニル−2−ピロリジノン(a)及びN置換(メタ)アクリルアミド類(b)を構成単位として有する共重合物(c)を含有し、1−ビニル−2−ピロリジノン(a):N置換(メタ)アクリルアミド類(b)=65:35〜98:2の質量比の範囲であることを特徴とする、金属ナノワイヤ成長制御剤、
(2)前記N置換(メタ)アクリルアミド類(b)が、下記一般式(1)で示されるモノマー(d)及びアクリロイルモルホリンから選ばれる1種以上からなることを特徴とする前記(1)に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤、
(d)〔一般式(1)〕
(3)前記N置換(メタ)アクリルアミド類(b)が、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルアミド及びアクリロイルモルホリンから選ばれる1種以上からなることを特徴とする前記(2)に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤、
(4)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤を用いることを特徴とする金属ナノワイヤの製造方法、
(5)(4)に記載の金属ナノワイヤの製造方法で得られた金属ナノワイヤが、水及び有機溶媒から選ばれる1種以上の溶媒に分散されたものであることを特徴とする金属ナノワイヤ分散液の製造方法、
(6)下記i)〜iii)の工程を有することを特徴とする前記(5)に記載の金属ナノワイヤ分散液の製造方法、
i)金属ナノワイヤ成長制御剤を含むポリオール中で、金属化合物を25〜180℃で反応させて金属ナノワイヤを合成する工程
ii)金属ナノワイヤを合成した反応液から、金属ナノワイヤを取り出す工程
iii)取り出した金属ナノワイヤを溶媒あるいは樹脂溶液に分散する工程
(7)前記工程iii)で用いる溶媒あるいは樹脂溶液が、水及び有機溶媒から選ばれる1種類以上の溶媒を含むことを特徴とする前記(6)に記載の金属ナノワイヤ分散液の製造方法、
である。
本発明の金属ナノワイヤ成長制御剤は、1−ビニル−2−ピロリジノン(a)及びN置換(メタ)アクリルアミド類(b)を構成単位として有する共重合物(c)を含有する金属ナノワイヤ成長制御剤である。
1−ビニル−2−ピロリジノン(a)は、N−ビニル−2−ピロリドンとも称される分子内環状カルボン酸アミドである。
N置換(メタ)アクリルアミド類(b)は、(メタ)アクリルアミドのN位の少なくとも一つの水素原子が他の官能基で置換されているものであればよく、分子内環状N−置換アクリルアミドも含まれる。N位の水素が他の官能基で少なくとも1つ置換されているものであれば特に限定されず、これらの中から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
(d)〔一般式(1)〕
金属ナノワイヤの合成方法としては、少量の金属イオンを還元剤で金属ナノ粒子に変換し、これを結晶核粒子とし、金属イオン、還元剤を逐次添加することで前記結晶核粒子を金属ナノワイヤに成長させる方法(以下、逐次添加成長法と略する)、全金属イオンを還元剤により一旦金属ナノ粒子とした後オストワルド熟成によってワイヤ化する方法(以下、熟成成長法と略する)等が一般に用いられる。本発明においては逐次添加成長法、熟成成長法どちらの製造方法を採用してもよい。また、反応操作としては、回分反応、半回分反応、連続反応のいずれを採用してもよい。
本発明の金属ナノワイヤの合成に供する還元剤にはポリオールを用いることが好ましい。ポリオールとしては、金属イオンを還元できる化合物であれば特に制限はなく、2つ以上の水酸基を有する化合物から少なくとも一種類を目的に応じて適宜選択することができる。本発明で好ましく用いることができるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、等のジオール類及びこれらの異性体;グリセリン、ブタントリオール、ペンタントリオール、ヘキサントリオール等のトリオール類及びこれらの異性体;ブタンテトラオール、ペンタンテトラオール、ヘキサンテトラオール等のテトラオール類及びこれらの異性体;ペンタンペンタオール、ヘキサンペンタオール等のペンタオール類及びこれらの異性体;ヘキサンヘキサオール等のヘキサオール類及びこれらの異性体等が挙げられる。これらの中でも、常温で液体であることや、金属ナノワイヤ成長制御剤の溶解のし易さ、といった点から、炭素数が1〜5である飽和炭化水素のジオール、炭素数が1〜5である飽和炭化水素のトリオールが好ましい。中でも、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンがより好ましい。
本発明の金属ナノワイヤの合成に供する還元剤のポリオールは、反応溶媒としても機能しているが、金属ナノワイヤ成長制御剤の溶解性や金属ナノワイヤの生成を阻害しない程度にポリオール以外の反応溶媒を加えてもよい。例えば、水;あるいは、メタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ターピネオール等のアルコール類及びこれらの異性体;あるいはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル等のエステル類;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキシド等の有機硫黄化合物類が挙げられる。
本発明の金属ナノワイヤの合成に供する金属化合物としては、ポリオールによって還元される化合物が好ましく、特に制限はない。具体的な例としては、金、白金、パラジウム、銀、銅等の無機酸塩類あるいは有機酸塩類が挙げられる。金属種としては銀が好ましく、銀の無機酸塩類がより好ましく、硝酸銀が特に好ましい。
本発明の金属ナノワイヤの合成に供する塩化物イオンは、無機塩化物あるいは有機塩化物を極性溶媒中に溶解することによって生成される。塩化物イオンとすることができる塩の具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;塩化マグネシウム、塩化カルシウム等のアルカリ土類金属塩化物;塩化アルミニウム等の土類金属塩化物;塩化亜鉛等の亜鉛族金属塩化物;塩化スズ等の炭素族金属塩化物;塩化マンガン、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、オキシ塩化ジルコニウム等の遷移金属塩化物;アンモニア塩酸塩(以下、塩化アンモニウムと略する場合がある)、ヒドラジン塩酸塩、メチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、プロピルアミン塩酸塩、ジプロピルアミン塩酸塩、トリプロピルアミン塩酸塩、ブチルアミン塩酸塩、ジブチルアミン塩酸塩、トリブチルアミン塩酸塩、ペンチルアミン塩酸塩、ヘキシルアミン塩酸塩、エタノールアミン塩酸塩、ジエタノールアミン塩酸塩、トリエタノールアミン塩酸塩、ジメチルエタノールアミン塩酸塩、メチルジエタノールアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、エチレンジアミン塩酸塩、ジエチレンテトラミン塩酸塩、トリエチレンペンタミン塩酸塩、アニリン塩酸塩、トルイジン塩酸塩、グルコサミン塩酸塩、アセトアミジン塩酸塩等のアミン塩酸塩、アラニン塩酸塩、アルギニン塩酸塩、リシン塩酸塩、システイン塩酸塩、グルタミン酸塩酸塩、オルニチン塩酸塩、シスチン二塩酸塩等のアミノ酸塩酸塩;塩化テトラブチルホスホニウム、塩化メトキシメチルトリフェニルホスホニウム、塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム等の塩化ホスホニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、塩化リチウム、塩化ナトリウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化メトキシメチルトリフェニルホスホニウム、塩化アンモニウムが好ましい。
その他の添加物として、金属ナノワイヤの分散性を補助するための界面活性剤や高分子系増粘剤、金属ナノワイヤの酸化を防止するための酸化防止剤、金属ナノワイヤの硫化を防止するための硫化防止剤、系内の水素イオン濃度を調整するための無機酸あるいは有機酸といった酸成分及びアンモニア、アミン類、金属水酸化物といったアルカリ成分等を金属ナノワイヤの生成を阻害しない程度に適宜添加することができる。
本発明の金属ナノワイヤの合成における反応温度は、銀ナノワイヤが形成可能な温度であればどのような温度でもよいが、25〜180℃であることが好ましい。25℃よりも低いと金属ナノワイヤ形成に時間がかかりすぎ、180℃を超えると金属ナノワイヤ成長制御剤の変質の可能性がある。
本発明の金属ナノワイヤの合成における反応時間は、金属ナノワイヤが形成可能な時間であれば任意に設定できるが、製造コストの観点から72時間以内が好ましい。
本発明の金属ナノワイヤの合成における各原料の仕込み方法は、あらかじめ使用溶媒で溶解した後反応容器に仕込んでも、反応容器に使用溶媒を仕込んでから各原料を仕込んでもどちらでもよいが、均一混合のし易さから、あらかじめ使用溶媒に溶解してから仕込むことが好ましく、あらかじめ使用溶媒に溶解してから仕込む場合は滴下仕込みでも一括仕込みでもどちらでもよい。各原料の仕込み順序は特に指定はないが、反応初期段階でより良好な金属ナノ粒子を生成しやすくするため、金属ナノワイヤ成長制御剤、塩化物イオンを含む塩、その他の添加物を仕込んだ後、金属化合物を最後に仕込むことが好ましい。
本発明の金属ナノワイヤの合成における反応系中の金属化合物の濃度は、良好な金属ナノワイヤを形成するという観点から、0.0006〜2mol/kgが好ましく、0.006〜0.8mol/kgがさらに好ましい。金属化合物の濃度が0.0006mol/kgを下回ると金属ナノワイヤの生成量が少なくなって製造コストがかかりすぎ、2mol/kgを上回ると良好な形態の金属ナノワイヤが得られにくくなる。
本発明の金属ナノワイヤの合成における金属ナノワイヤ成長制御剤の濃度は、良好な金属ナノワイヤの形成の点から、金属ナノワイヤ成長制御剤を構成する重合体の単量体単位換算で、0.0006〜2.5mol/kgが好ましく、0.001〜2mol/kgがより好ましく、0.01〜1mol/kgがさらに好ましい。金属ナノワイヤ成長制御剤の濃度が0.0006mol/kgを下回ると良好な形態の金属ナノワイヤが得られにくくなる。また、2.5mol/kgを上回ると良好な形態の金属ナノワイヤが得られにくくなるうえに、金属ナノワイヤを単離する際に金属ナノワイヤ成長制御剤の除去操作が煩雑になることから製造コストの上昇を招く。
本発明の金属ナノワイヤの合成における塩化物イオンの反応濃度は、良好な金属ナノワイヤの形成の点から0.01〜50mmol/kgが好ましく、0.05〜10mmol/kgがさらに好ましく、0.05〜0.15mmol/kgが特に好ましい。塩化物イオンの濃度が50mmol/kgを上回る場合には、良好な形態の金属ナノワイヤが得られにくくなる。
金属ナノワイヤを透明導電膜として用いる場合、透明性を高めるためには、金属ナノワイヤの直径は小さい方が有利であり、かつ好ましい。本発明においては、金属ナノワイヤの直径として250nm未満が好ましく、150nm未満であることがより好ましく、100nm未満であることがさらに好ましい。なお、金属ナノワイヤの直径は、走査型電子顕微鏡を用い、100個の金属ナノワイヤを観察し、その算術平均値から求めることができる。
金属ナノワイヤを含有する透明電導膜は、金属ナノワイヤが互いに接触し合い、3次元的な導電ネットワーク構造が空間的に広く分布して形成されることにより、導電性を発現する。したがって、透明導電膜の用途に応じて最適な長軸長を有する金属ナノワイヤが好ましい。本発明においては、金属ナノワイヤの長軸長として0.5〜1000μmが好ましい。なお、金属ナノワイヤの長軸長は、走査型電子顕微鏡を用い、100個の金属ナノワイヤを観察し、その算術平均値から求めることができる。
本発明の金属ナノワイヤ分散液の製造方法は、下記i)〜iii)の工程を有することを特徴とする。
i)金属ナノワイヤ成長制御剤を含むポリオール中で、金属化合物を25〜180℃で反応させて金属ナノワイヤを合成する工程。
ii)金属ナノワイヤを合成した反応液から、金属ナノワイヤを取り出す工程。
iii)取り出した金属ナノワイヤを溶媒あるいは樹脂溶液に分散する工程。
HEAA:N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、商品名HEAA、KJケミカルズ(株)製
DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド、商品名DMAA、KJケミカルズ(株)製
DEAA:N,N−ジエチルアクリルアミド、商品名DEAA、KJケミカルズ(株)製
NIPAM:N−イソプロピルアクリルアミド、商品名NIPAM,KJケミカルズ(株)製
TBAA:N−t−ブチルアクリルアミド、商品名TBAA、MCCユニテック(株)製
HEAA:2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、商品名HEAA、KJケミカルズ(株)製
ACMO:アクリロイルモルホリン、商品名ACMO、KJケミカルズ(株)製
DAAM:N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド、商品名DAAM、KHネオケム(株)製
NMMA:N−メトキシメチルアクリルアミド、商品名NMMA、MCCユニテック(株)製
CBA:アクリル酸2−エトキシエトキシエチル、商品名ビスコート#190、大阪有機化学工業(株)製
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、商品名HEA、大阪有機化学工業(株)製
PG:プロピレングリコール、商品名工業用プロピレングリコール、(株)ADEKA製
(成長制御剤PG溶液1)
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を具備した四つ口フラスコに水769部、プロピレングリコール66部、1−ビニル−2−ピロリジノン127部、アクリロイルモルホリン23部を仕込んだ。窒素ガスを送入しながらフラスコ内温を70℃に昇温したのち、5質量%2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)プロピレングリコール溶液15部を添加した。重合熱による昇温が停止したことを確認後内温90℃で保持し3時間反応させた。
その後ナス型フラスコに成長制御剤反応液333部、プロピレングリコール800部を投入し、ロータリーエバポレーターによって含有している水の理論量よりも少し上回る蒸留液を留去し溶媒置換を行った。溶媒置換後の液を直径約5cmのアルミカップに約1g量りとり、150℃の強制対流電気乾燥機で恒量になるまで乾燥させて固形分を測定し、濃度5質量%に調整するために必要なプロピレングリコール量を算出した。算出量のプロピレングリコールを溶媒置換後の液に加えて撹拌し、濃度5質量%の成長制御剤PG溶液1を調製した。B型粘度計による粘度は25℃において1560mPa・sであった。
単量体組成を表1に記載のように変更した以外は成長制御剤PG溶液1と同様にして成長制御剤PG溶液2〜17を合成した。
(銀ナノワイヤ反応原液1)
撹拌装置、温度計、窒素導入管を具備した四つ口フラスコに窒素を送入しながら、成長制御剤PG溶液1を137部、ヒドロキシアセトン2部、プロピレングリコール714部、濃度1.5質量%の塩化ナトリウムのプロピレングリコール溶液5部、濃度2.5質量%の臭化ナトリウムのプロピレングリコール溶液2部を加え、室温で30分間撹拌した。次いで、内温を145℃まで昇温し、濃度5質量%の硝酸銀のプロピレングリコール溶液140部を15分かけて加え、さらに30分撹拌し、銀ナノワイヤ反応原液1を合成した。
成長制御剤PG溶液1を成長制御剤PG溶液2〜17に換えた以外は銀ナノワイヤ反応原液1と同様にして銀ナノワイヤ反応原液2〜17を得た。
(銀ナノワイヤ水分散液1)
上記銀ナノワイヤ反応原液1 100部に水100部を加えて希釈し、メンブレンフィルターで吸引濾過した。さらに残渣上に水を加えて吸引濾過を5回繰り返すことで銀ナノワイヤを単離した。得られた銀ナノワイヤを、水で銀濃度が1質量%になるように銀ナノワイヤ水分散液1を調製した。銀ナノワイヤの平均直径は50nm以下であった。
上記銀ナノワイヤ反応原液1を銀ナノワイヤ反応原液2〜17に換えた以外は銀ナノワイヤ水分散液1と同様にして銀ナノワイヤ水分散液2〜17を得た。銀ナノワイヤの平均直径は、銀ナノワイヤがほとんど得られなかった銀ナノワイヤ水分散液17を除き、いずれも50nm以下であった。
撹拌装置を具備した四つ口フラスコに水995部を投入したのち撹拌下、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名メトセル311、ダウ・ケミカル(株)製)5部を投入して溶解し、0.5質量%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液を得た。
(銀ナノワイヤインク1)
撹拌装置を具備した四つ口フラスコに水725部を投入したのち撹拌下、0.5質量%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液200部、上記銀ナノワイヤ水分散液1 75部を順に投入し均一に分散させ、銀ナノワイヤインク1を得た。
銀ナノワイヤ水分散液1を銀ナノワイヤ水分散液2〜16に換えた以外は銀ナノワイヤインク1と同様にして銀ナノワイヤインク2〜16を得た。なお、銀ナノワイヤがほとんど得られなかった銀ナノワイヤ水分散液17からは実用的でないことから銀ナノワイヤインクを調製しなかった。
(実施例1)
銀ナノワイヤインク1を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラーU403、東レ(株)製、厚さ100μm)にバーコーターNo.14を用いて塗工後、120℃の強制対流式電気乾燥機で2分間乾燥し、銀ナノワイヤ塗工フィルム1を得、評価に供した。
銀ナノワイヤインク1を、銀ナノワイヤインク2〜16に換えた以外は同様にして、銀ナノワイヤ塗工フィルム2〜16を得た。
得られた銀ナノワイヤ塗工フィルムの、各評価項目における評価方法及び測定方法は以下の方法に従った。
暗視野顕微鏡(商品名:BX51、オリンパス(株)製)を用い、1000本以上の銀ナノワイヤを撮影し、画像処理ソフトウエア(商品名:Image−Pro Premier、Media Cybernetics, Inc製)を用いて銀ナノワイヤ長を算出した。
NDH5000(日本電色工業(株)製)を用い、銀ナノワイヤ塗工フィルムの全光線透過率を測定した。さらに下式により、未塗工のフィルムと塗工後のフィルムとの前光線透過率の差を算出して、Δ全光線透過率とした。
Δ全光線透過率(%)=未塗工のフィルムの全光線透過率−塗工後のフィルムの全光線透過率
ここで、Δ全光線透過率はその絶対値が小さいほど優れていることを示し、Δ全光線透過率の絶対値が1.5%以下であれば実用上問題ないレベルである。
NDH5000(日本電色工業(株)製)を用い、銀ナノワイヤ塗工フィルムのヘイズを測定した。さらに下式により、未塗工のフィルムと塗工後のフィルムとのヘイズの差を算出して、Δヘイズとした。
Δヘイズ(%)=未塗工のフィルムのヘイズ−塗工後のフィルムのヘイズ
ここで、Δヘイズはその絶対値が小さいほど優れていることを示し、Δヘイズの絶対値が1%以下であれば実用上問題ないレベルである。
銀ナノワイヤ塗工フィルム上の異なる10部位の表面抵抗率(Ω/□)を測定し、その算術平均値から銀ナノワイヤ塗工フィルムの平均表面抵抗率を求めた。表面抵抗率の測定には、非接触式表面抵抗率測定器EC−80P(ナプソン(株)製)を用いた。
ここで、表面抵抗率は値が小さいほど優れていることを示し、表面抵抗率が60Ω/□未満であれば実用上問題ないレベルである。
また、標準偏差(Ω/□)および平均表面抵抗率(Ω/□)から、下式により変動係数(%)を算出した。
変動係数(%)=標準偏差/平均表面抵抗率×100
ここで、変動係数は0%に近いほど優れていることを示し、変動係数が20%以下であれば実用上問題ないレベルである。
銀ナノワイヤ塗工フィルム上の異なる5部位の抵抗(Ω)をMD方向及びTD方向においてテスター(商品名:デジタルマルチメータPM3、三和電気計器(株)製)を用いて測定し、その算術平均値から各抵抗を求めた。さらに下式により、MD方向の抵抗に対するTD方向の抵抗の比を算出して、TD/MD比とした。
TD/MD比=TD方向の抵抗/MD方向の抵抗
ここで、TD/MD比は1に近いほど優れていることを示し、TD/MD比が1.2以下であれば実用上問題ないレベルである。
本願発明で規定する共重合物(c)を含有する成長制御剤を使用しているために、すべての評価項目において実用上問題ないレベルにある。
実施例1〜13と比べ、1−ビニル−2−ピロリジノンのみを含有する成長制御剤を使用しているために、表面抵抗率、表面抵抗率の変動係数、及びTD/MD比において実用上問題がある。
実施例1〜13と比べ、N−置換(メタ)アクリルアミド(b)のみを含有し、1−ビニル−2−ピロリジノンを含有しない成長制御剤を使用しているために、Δ全光線透過率の絶対値及びΔヘイズの絶対値において実用上問題がある。
実施例1〜13と比べ、N−置換(メタ)アクリルアミド(b)を含有せず、N−置換(メタ)アクリルアミド(b)以外の単量体を含有する成長制御剤を使用しているために、表面抵抗率、表面抵抗率の変動係数、及びTD/MD比において実用上問題がある。
Claims (7)
- 1−ビニル−2−ピロリジノン(a)及びN置換(メタ)アクリルアミド類(b)を構成単位として有する共重合物(c)を含有し、1−ビニル−2−ピロリジノン(a):N置換(メタ)アクリルアミド類(b)=65:35〜98:2の質量比の範囲であることを特徴とする、金属ナノワイヤ成長制御剤。
- 前記N置換(メタ)アクリルアミド類(b)が、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルアミド及びアクリロイルモルホリンから選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項2に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤を用いることを特徴とする金属ナノワイヤの製造方法。
- 請求項4に記載の金属ナノワイヤの製造方法で得られた金属ナノワイヤが、水及び有機溶媒から選ばれる1種以上の溶媒に分散されたものであることを特徴とする金属ナノワイヤ分散液の製造方法。
- 下記i)〜iii)の工程を有することを特徴とする請求項5に記載の金属ナノワイヤ分散液の製造方法。
i)金属ナノワイヤ成長制御剤を含むポリオール中で、金属化合物を25〜180℃で反応させて金属ナノワイヤを合成する工程
ii)金属ナノワイヤを合成した反応液から、金属ナノワイヤを取り出す工程
iii)取り出した金属ナノワイヤを溶媒あるいは樹脂溶液に分散する工程 - 前記工程iii)で用いる溶媒あるいは樹脂溶液が、水及び有機溶媒から選ばれる1種類以上の溶媒を含むことを特徴とする請求項6に記載の金属ナノワイヤ分散液の製造方法。
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JP2012140701A (ja) * | 2010-12-17 | 2012-07-26 | Seiko Pmc Corp | 銀ナノワイヤの製造方法及び銀ナノワイヤ成長制御剤 |
JP2017508869A (ja) * | 2013-12-31 | 2017-03-30 | ローディア オペレーションズ | 銀ナノ構造体の作製方法 |
JP2017078207A (ja) * | 2015-10-20 | 2017-04-27 | 公立大学法人 滋賀県立大学 | 銀ナノワイヤおよびその製造方法並びに分散液およびインク |
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- 2018-10-29 JP JP2018202798A patent/JP7110910B2/ja active Active
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