JP2019182827A - 吸煙用材料及び抗アレルギー剤 - Google Patents

吸煙用材料及び抗アレルギー剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2019182827A
JP2019182827A JP2018191499A JP2018191499A JP2019182827A JP 2019182827 A JP2019182827 A JP 2019182827A JP 2018191499 A JP2018191499 A JP 2018191499A JP 2018191499 A JP2018191499 A JP 2018191499A JP 2019182827 A JP2019182827 A JP 2019182827A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
smoke
cas number
component
oil
tree
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018191499A
Other languages
English (en)
Inventor
雅子 荒屋敷
Masako Arayashiki
雅子 荒屋敷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arayashiki Masako
Original Assignee
Arayashiki Masako
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arayashiki Masako filed Critical Arayashiki Masako
Publication of JP2019182827A publication Critical patent/JP2019182827A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Tobacco Products (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

【課題】 衛生的なものであり、簡易に煙を発生させることができ、アレルギー性鼻炎・花粉症や・鼻水に対する効果のある吸煙用材料、吸着材、抗アレルギー剤、およびアレルギー性鼻炎抑制方法を提供する。【解決手段】 木の成分(皮、又は、葉を含む。)を乾燥してチップ状・粉状・粒子状した木の粉に水溶液を加えて固形材料にして、この固形材料に火を付けて煙を発生させる。木の粉に水溶液を加えて固形材料にしたので、ライター等の着火具で火を付けやすく、簡易に木の成分の煙を生じさせることができるとともに、衛生的な材料による奇麗な煙を発生させることができる。そして、この煙を吸引すると、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和され、鼻の奥がスーと通りが良くなり、鼻水が引いて、気分も良くなるという即効的な効き目がある。【選択図】 図1

Description

本発明は、アレルギー性鼻炎・花粉症やクシャミ・鼻水に対する効果のある吸煙用材料及び抗アレルギー剤に関する。
鼻炎は、感染、化学物質、およびアレルギー等が原因となり、鼻腔の粘膜に発生した急性または慢性の炎症のことであり、この炎症により鼻水(鼻汁過多)や、鼻詰まり(鼻閉)やくしゃみなどの症状を引き起こす。アレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜でアレルギーを起こし、くしゃみや鼻水や鼻詰まり等の症状が現れる病気であり、アレルギーを招く原因物質(抗原)によって、花粉(スギ、ヒノキ、イネ科の植物、ヨモギなど)を原因とするものや、ハウスダスト(ホコリやダニやカビなど)を原因とするもの等が知られている。換言すれば、花粉症やハウスダストアレルギーにより生じる症状の一つがアレルギー性鼻炎である。最近では花粉症やハウスダストアレルギーの他、急な温度変化に対して自律神経の乱れが生じることでアレルギー性鼻炎の症状を呈する寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)等も知られている。
杉花粉症等の花粉症は、杉の木の増加と大気汚染の進行が相まって年々罹患者数を増やしており、特に春先にその影響を受ける人が増加する。対応処置としては、マスク等の着用による花粉の吸入の阻止と、抗ヒスタミン剤やステロイド剤によるアレルギー症状の緩和を図る対症的な処置があるが、新しい手段の開発が求められている。
特許文献1には、杜松(ネズ)の木から、原始的又科学的に樹液や香料を摘出し人体に使用する事又これを火、炭などを使い、煙を鼻から吸うこと、が開示され、「杜松の木の葉(針葉樹)を炭おこし器(市販)の中に入れ(5〜8)枝いれじょうごを炭おこし器の上から逆にかぶせてガスコンロ(弱火)の上で煙を出しその煙を鼻から吸い込むことを繰り返し早い方は3日ぐらいで効きめがあらわれてまいります。」と説明されている。また、「社松の木(ヒノキ科の常緑きょう木。葉は針状。実は黒紫色の小球形で、「ねず油」を採り利尿剤なる)を、偶然、炭焼き釜で社松の木を燃やして、その煙を、鼻で、無意識に数回すっていたようで、みず鼻がとまったということを思いだし、山へ社松の木を採取して来て、自分と家族知人などに社松の木の葉を、ライターで火をつけて煙を、吸わせてみたところ鼻の奥がスーと通りが良くなり、鼻水が引いて、気分も良く頭のボーとしていたのもスッキリとしてきたので、これを皆様の花粉症、鼻炎症、アレルギー症等にこの社松の木の葉を燃やした煙を、鼻から吸うことを数回繰り返すことにより涙なども、知らないうちに、止まっていたようでした。」と説明されている。
特許文献2には、「サクラの葉、ビワの葉、コンフリー、エンメイソウ、ボタンピ、アルニカ、オトギリソウ、ボダイジュ、サルビア、オウゴン、オウバクから選ばれる植物1種以上を用いて得られる抽出物を含有することを特徴とする繊維処理剤」が開示されている。
特許文献3には、「蓬を加工した艾に香料性の天然植物、薬草又は海草を添加物として混入させて固形発煙体を形成し、該固形発煙体の端部に火を付けて吸煙可能に形成した健康吸煙物。」(請求項1)、「少なくともマカ、ガラナ、カツアーバ、パフィアのいずれかの薬用植物を含めて固形発煙体を形成し、該固形発煙体の端部に火を付けて吸煙可能に形成した健康吸煙物。」(請求項2)、「固形発煙体の一端に帯状物を巻回して帯状物巻回部を設けてある請求項1又は請求項2に記載の健康吸煙物。」(請求項3)、「固形発煙体には一端から他端に貫通し煙りを誘導する通孔を形成してある請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の健康吸煙物。(請求項4)」が開示されている。
特開2001−240550号公報 特開平9−158042号公報 特開2000−334044号公報
ところで、本願発明者等は、アレルギー性鼻炎患者であるが、魚や肉の燻製を作成するときに、鼻炎症状・花粉症状が緩和される場面に遭遇した。そこで、燻製スモーク材料をいくつか集めて着火具(ライターやマッチ等)で火を付けたり、特許文献1のように、木の葉をライターで火をつけて煙を吸ってみたところ、鼻の奥がスーと通りが良く成ることが確認できた。そこで次に、特許文献2に示されるサクラの葉、ビワの葉等や、特許文献3に示される蓬についても実験したり、また、天然植物、薬草又は海草を添加物として混入させて固形発煙体を形成したりして、この固形発煙体に火を付けて吸煙したりする実験を行った。その結果、木の種類によって、煙成分は異なること、煙成分の香りも異なること、鼻の粘膜に与える影響も異なることを治験した。
治験の結果は、一般的には、木の樹皮や葉っぱを使用するとすると、ライター等の着火物で容易に火を付けることが難しかった(着火できないこともあった)。また、木の樹皮や葉っぱを生木のまま使用すると、樹皮や葉の表面に付着する夾雑物も同時に燃焼させるため(タールが多くなる)、安全衛生面上も好ましいものではなかった。
木の種類としては、仮に吸煙用に使用するとすると、香りのよい木が吸煙には好ましく(吸煙がし易く)、鼻の粘膜に与える影響も優しい(ソフト感がある)ものであることが感じられた。
ここで、鼻炎に関しては、医学的には、アレルギー性鼻炎・花粉症、寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)などとして定義され、いずれもクシャミや鼻水が生じるアレルギー疾患であるが、これらの分子的機序(メカニズム)の詳細は未だ解明されておらず、即効性ある薬の開発もないのが実情である。特に、寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)については、その病名からも、これといった治療薬はなく、ストレスが原因であると片づけられて、安静にする以外に方法はないと言われている。
そこで本発明の目的は、衛生的で簡易に煙成分を発生させることができ、アレルギー性鼻炎・花粉症やクシャミ・鼻水に対して(特に、寒暖差アレルギー「血管運動性鼻炎」について優れた効果を発揮する)、即効性のある鼻炎抑制用の抗アレルギー剤及びその製造方法と鼻炎抑制用の吸煙用材料及びその製造方法を提供することにある。
本願発明者等は、アレルギー性鼻炎患者であるが、燻製を作成するときに、鼻炎症状が急速に緩和する経験を通じて、本願発明を着想するに至った。そして、桜(サクラ)の木やリンゴの木等を粉状にして固めて固形状にしたものと、さらにサクラの葉やバラの葉等の植物を絞って液状にしたものやリンゴ、みかん等の果汁を絞って液状にしたものを加えて固形状にしたもので実験したところ、煙成分(火を付ける等して煙を発生させたときの煙成分)によって種々の相違があり、その効果にも違いがあることを見出して、本願発明を着想するに至った。
本発明は、木の成分を粉状にした木の粉に、水又はオイル(油)を加えて固形材料にして、この固形材料に火を付けたり摩擦したり蒸したり冷却して水又はオイル(油)と反応させたりして煙成分を発生させることを特徴とする。さらに詳しくは、木の成分を乾燥してチップ状・粉状・粒子状にした木の粉に水/油エマルジョンを加えて固形材料にして、この固形材料に火を付ける等して煙を発生させることを特徴とする。
木には、木の皮、枝、幹、根、もしくは葉、またはそれらの組み合わせが含まれる。本発明において、木の成分という場合、木の皮、枝、幹、根、もしくは葉、またはそれらの組み合わせそのものも含まれる。木の実や果実は、使用する木の成分と同じ木であることが好ましいが、これに限定されない。
本発明によれば、木の粉を固形材料にしたので、ライター等の着火具で火をつけ易く摩擦などでも煙を発生しやすく、簡易に木の成分(皮、又は、葉を含む。)の煙を生じさせることができる。また、生木を使用せず、木の成分(皮、又は、葉を含む。)を乾燥して製造しているので、衛生的な材料による奇麗な煙を発生させることができる。そして、このように発生した煙成分は「柔らかい煙」であり、油脂が含まれる成分をそのまま燃焼したりして生じた煙とは異なるが、この煙成分を吸引すると、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和された。すなわち、鼻の奥がスーと通りが良くなり、鼻水が引いて、気分も良くなり、人によっては5分以内に症状が緩和されるという即効的な効き目がある。
本発明としては、前記オイルが植物の葉や茎を絞って得られる植物汁及び/又は木の実や果実を絞って得られる果汁を加えたことを特徴とする。上記祝物汁や果汁からオイルを作成して使用しても良い。
ここで、本願発明者等は、前記木の粉のみを燃焼させた場合と、これにさらに前記植物汁及び/又は前記果汁を加えて固形材料にしたものとでは、煙成分に違いが生じることが認識できた。前記植物汁及び/又は前記果汁を加えて固形材料にしたものを燃焼させると、「柔らかい煙成分」が煙抽出物として認識できるのである。
本発明によれば、植物汁や果汁を加えることで、粘性を加えることができるので、固形材料にし易くなるとともに、オイルの成分によっても、上記柔らかい煙成分を発生させることができる。そして、この煙を吸引すると、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和された。本願発明の煙を吸煙すると、鼻の奥がスーと通りが良くなり、鼻水が引いて、気分も良くなるという即効的な効き目が確認された(早い人で、吸煙から5分足らずで効果を実感できる。)。その実験結果から、アレルギー性鼻炎・花粉症やクシャミ・鼻水に対する効果のある吸煙用材料と抗アレルギー剤を提供する。
本発明としては、所定の形にして固めるに際して、蜂蜜、蜂ヤニ(プロポリス)、松脂、海草のり、寒天、デンプン、コーンスターチ、グァーガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、マンナン、パラフィン、ブラックミント、レモンバーム、ローズマリー、アロエの群からなる物質のうち、少なくとも1種以上の物質を加えて固めたことを特徴とする。
粘結剤としては、例えば、デンプン、コーンスターチ、グァーガム、松脂等を使用することができる。
本発明によれば、固めるに際して、蜂ヤニ、松脂等の油性分を使用することで、固形材料を燃焼し易くすることができる。また、蜂蜜や蜂ヤニを加えることで、煙成分に栄養分を加えたり、芳香性を持たせたり、煙成分を柔らかくすることができる。特に蜂ヤニを使用することで、固形材料を燃焼し易くすることができるとともに、煙成分の抗炎症作用、免疫力調整作用、抗アレルギー作用を高めることができる。そして、この煙を吸引すると、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和された。
またブラックミント等のペパーミント中に成分として含まれる、ルテオリン、ミントポリフェノール、アズレン、およびロズマリン酸は、アレルギーを引き起こす成分であるヒスタミンやロイコトリエンの発生を抑制するため、花粉症をはじめとするアレルギー症状の症状緩和が期待できる。
またアロエを加えることで粘結材の作用や抗炎症作用を有する。
本発明としては、前記吸煙用材料は、線香を含むお香、お灸、燻製スモーク材料、煙草、液状の芳香剤、液状の脱臭剤を吸着材として、煙抽出物をこれらの吸着材に担持させることができる。
本発明によれば、線香を含むお香やお灸等を使用しながら、上記煙成分を吸煙することができるので、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和されることとなる。
本発明としては、吸着材に担持された煙抽出物であり、木の成分(皮、又は、葉を含む。)を乾燥してチップ状・粉状・粒子状した木の粉に水溶液を加えて固形材料にして、火を付ける等して煙を発生させて抽出したものを吸着材に担持させる。吸着材は、表面に煙抽出物を担持し得るものであれば特に限定されることはなく、例えば、編物、織物、不織布、紙製材料や、多孔性樹脂成形体、活性炭、多孔質セラミックス材、珪藻土などの多孔質材料等が挙げられる。マスク、被服等を吸着材とすることもできる。また、吸着材の形状は、特に限定されることなく、例えば、三角形や四角形や筒状のものなどの他、シート状であってもよいし、粒状であってもよい。
煙抽出物は、植物抽出物と空気中に飛散している花粉アレルゲン又はダニアレルゲンとが接触し得るように、吸着材の表面に担持されていればよく、植物抽出物を吸着材に担持させる方法は、特に限定されない。ここで、吸着材の表面とは、吸着材と花粉アレルゲン又はダニアレルゲンとが接触し得る吸着材の部位を意味し、吸着材の表面は、吸着材の外表面に限られず、吸着材の内部に存在する部位であって花粉アレルゲン又はダニアレルゲンと接触し得る部位をも含む。
煙抽出物を製造する方法としては、(1)吸煙用材料に火を付ける等して煙を発生させて、この煙を電気集塵機(空気をコロナ放電させることで生じた陰イオンを、煤煙を構成するコロイド粒子に付着させ帯電させて除塵する)にかけて煤煙やタール分などの汚れ成分を除去する方法、(2)吸煙用材料に火を付ける等して煙を発生させて、この煙を水上置換により(水の中を通して)煤煙やタール分などの汚れ成分を除去する方法、(3)煙を上方置換により、水に溶けやすく空気よりも軽い気体(煙成分)だけ抽出する方法、(4)煙を下方置換により、水に溶けやすく空気よりも重い気体(煙成分)だけ抽出する方法等が挙げられる。
前記オイルが松脂(松脂エキスを含む)または松葉(松葉エキスを含む)であることを特徴とする。本発明としては、木の成分の配合量は、製剤全量に対して1〜95重量%であり、残りが松脂または松葉であることが好ましい。木から樹皮などを除いて、幹と枝から木の粉を作り、除いた樹皮からオイル(油)を作ってこれを加えて固形形状にしても良い。
松脂はマツ科マツ属の木から分泌される天然樹脂であり、その主成分はテレビン油とロジンである。松葉は、トウダイグサ科の常緑低木であり、松葉エキスは、黒松や赤松の葉をすりつぶして取った製油が用いられる。また、赤松の葉を使用する場合、焼酎やワインに漬け込んで作るものでも良い。これらにより、もともと香りのよい松脂や松葉が吸煙しやすくなり、鼻の中の粘膜に付着し易くなり、その後の吸収能力も高められる。
本発明としては、松脂(松脂エキスを含む)を含ませた木の成分から抽出された、alpha−Longipinene(CAS番号:005989−08−2)、(+)−Cyclosativene(CAS番号:022469−52−9)、Longicyclene(CAS番号:001137−12−8)、(+)−Sativen(CAS番号:003650−28−0)、Isolongifolene(CAS番号:001135−66−6)、(+)−Longifolene(CAS番号:000475−20−7)、beta−Caryophyllene(CAS番号:000087−44−5)、Humulen−(v1)(CAS番号:999192−16−3)、およびIsocaryophyllene(CAS番号:000118−65−0)、からなる群から選択された1つ或いは複数の松脂由来の成分を含むか、または、これらを煙にした煙成分として含み、これらの成分が、鼻炎を抑制する有効成分となることを特徴とする。
木には、木の皮、枝、幹、根、もしくは葉、またはそれらの組み合わせが含まれる。
本発明において、木の成分という場合、木の皮、枝、幹、根、もしくは葉、またはそれらの組み合わせそのものも含まれる。水などの液状物(水溶液)は、何らかの物質を水にとかした液体であればよく、特に限定されず、水の他に、木の成分(果実、樹皮、葉、根、幹、枝)を粉状にして水を加えたものであっても良い。また、油脂、アルコールなどを使用しても良い。
本発明によれば、松脂を含ませた木の粉の固形材料からなる吸煙用材料は、火をつける等して前記固形材料の煙中に含まれる煙成分が、鼻炎を抑制する有効成分となるだけでなく、松脂の油質成分によって燃焼しやすくなり、かつ固形材料が固めやすくなるとともに、松脂は油脂を含み融点が低く、このため煙成分を発生させやすくするのみならず、この煙成分を吸煙すると、鼻の中の粘膜に煙成分を付着させやすくなり、煙成分が抗アレルギー剤としての即効性を高める。
本発明によれば、松脂(松脂エキスを含む)を含ませた木の成分の成分分析をしたところ、少なくとも、alpha−Longipinene(CAS番号:005989−08−2)、(+)−Cyclosativene(CAS番号:022469−52−9)、Longicyclene(CAS番号:001137−12−8)、(+)−Sativen(CAS番号:003650−28−0)、Isolongifolene(CAS番号:001135−66−6)、(+)−Longifolene(CAS番号:000475−20−7)、beta−Caryophyllene(CAS番号:000087−44−5)、Humulen−(v1)(CAS番号:999192−16−3)、およびIsocaryophyllene(CAS番号:000118−65−0)、の成分が含まれることを確認した。さらに、これらの成分が煙として抽出された煙成分として使用したものでも良く、これらが鼻炎を抑制する有効成分となると考えられる。
ただし、火をつけるなどして煙成分とすると、タール分が発生する。これを抑制するには水と反応させるなどする方法がある(燻煙・燻蒸式の殺虫剤等で使用されている)。特に松脂または松葉を含ませた木の成分では、直接火をつけるなどするとタール分などが多く発生する恐れがある。このため、煙成分を含まない松脂エキスを使用しても良い。
本発明は、前記木の粉は、樹皮、葉、果実および根を除いた、枝や幹をチップ状・粉状・粒子状としたものに水などの液状物を加えて固めた固形形状であることを特徴とする。これらチップ状・粉状・粒子状としては、平均粒形が1〜5mm程度が好ましい。
本発明によれば、皮が剥がされて葉や根が取り除かれた、枝および/または幹のみをチップ状(粉状)としたものであっても、火をつけるなどした前記固形材料の煙中に含まれる成分(煙成分)が、鼻炎を抑制する抗アレルギー剤の有効成分となる。さらには、人体に有害なタールの量を減少させることが可能であり、より安全に使用することができる。
なお、本発明の吸煙用材料は、前記木の粉が、枝、幹、葉、および根を除いた、樹皮のみからなってもよく、これによっても鼻炎を抑制することは可能である。
ここで、本願発明者等は、前記木の粉のみを燃焼させた場合と、これに更に前記植物汁及び/又は前記果汁(粘性のある液状物)を加えて固形材料にしたものとでは、煙成分に違いが生じることが認識できた。前記植物汁及び/又は前記果汁を加えて固形材料にしたものを燃焼させると、柔らかい煙成分が煙抽出物として認識できるのである。
本発明によれば、植物汁や果汁などの前記粘性のある液状物を加えることで、粘性を加えることができるので、固形材料にし易くなるとともに、煙成分を発生させやすく、かつ、煙成分に柔らかさを加えることができ、吸煙し易くなる。そして、この煙を吸引すると、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和された。
本願発明の煙(煙成分)を吸煙すると、鼻の奥がスーと通りが良くなり、鼻水が引いて、気分も良くなるという即効的な効き目が確認された(早い人で、吸煙から5分足らずで効果を実感できる。)。その実験結果から、アレルギー性鼻炎・花粉症やクシャミ・鼻水に対する効果のある吸煙用材料と抗アレルギー剤を提供する。その実験結果から、アレルギー性鼻炎・花粉症やクシャミ・鼻水に対する効果のある吸煙用材料と抗アレルギー剤を提供する。ここで、鼻で吸煙してから僅か5分程度で効き目が実感できる実験を行ったが、それは、カラオケスナックで、飲酒した状態から歌を歌う間に吸煙すると、鼻の奥がすっきりして、歌が歌いやすくなるのであるが、それと同時に、歌を歌う時には鼻炎が解消できている人が多数に上ったことから、治験として確認できたものである。鼻炎には、飲酒は良くない状態ではあるが、そのような最悪な状態からでも、僅か5分程度でも、鼻炎が解消できることが確認された。
前記煙成分としては、松脂等を含ませた木の成分を冷却して水と反応させることでも抽出できる。この場合は、火をつける場合よりもタール分が少なく、また、低温度の煙成分を抽出できるが、鼻の中の粘膜からの吸収性にも優れた前記煙成分となる。
本発明としては、所定の形にして固めるに際して、蜂蜜、蜂ヤニ(プロポリス)、松脂、松葉、海草のり、寒天、デンプン、コーンスターチ、グァーガム、マンナン、ブラックミント、レモンバーム、ローズマリー、アロエの群からなる物質のうち、少なくとも1種以上の物質を加えて固めることができる。
粘結剤としては、例えば、デンプン、コーンスターチ、グァーガム、松葉等を使用することができる。また、前記果汁から抽出した粘性の液状物を使用することができる。その溶融温度は、木の成分よりも低いことが好ましい。
本発明によれば、固めるに際して、蜂ヤニ、松脂、松葉等の油性分を使用することで、固形材料を燃焼し易くすることができる。また、蜂蜜や蜂ヤニを加えることで、煙成分に栄養分を加えたり、芳香性や脱臭性を持たせたり、煙成分を柔らかくすることができる。特に、松脂、松葉、蜂ヤニ等を使用することで、固形材料を燃焼し易くして煙成分を発生させややすくできるとともに、煙成分の抗炎症作用、免疫力調整作用、抗アレルギー作用を高めることができる。そして、この煙を吸引すると、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和された。
またブラックミント等のペパーミント中に成分として含まれる、ルテオリン、ミントポリフェノール、アズレン、およびロズマリン酸は、アレルギーを引き起こす成分であるヒスタミンやロイコトリエンの発生を抑制するため、花粉症をはじめとするアレルギー症状の症状緩和が期待できる。またアロエを加えることで粘結材の作用や抗炎症作用を有する。
本発明としては、前記煙成分が、編物、織物、不織布、紙製材料、多孔性樹脂成形体、活性炭、多孔質セラミックス材、多孔質材料に担持されていることを特徴とする。また、前記煙成分が、口から鼻を覆うために使用するマスク、身体を覆う被服、鼻の穴の中に入れて使用する錠剤、カプセル剤、又は、鼻の穴の中に入れて使用する布製材、織物材、編物材、或いは、これらに水などの液状物を含ませて鼻の穴の中に入れて使用する布製材、織物材、編物材に担持されていることを特徴とする。
本発明としては、前記吸煙用材料は、線香を含むお香、お灸、燻製スモーク材料、煙草、液状の芳香剤、液状の脱臭剤を吸着材として、煙抽出物(煙成分)をこれらの吸着材に担持させることができる。
本発明によれば、線香を含むお香やお灸等を使用しながら、上記煙成分を吸煙することができるので、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和されることとなる。また、燻製品を製造するときにも、上記煙成分を吸煙することができるので、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和されることとなる。そして、鼻に入れて使用する錠剤(前記煙成分が含まれている)、カプセル剤(前記煙成分が封入されている。)等であると、鼻の中で溶け出して、アレルギー性鼻炎等が緩和される。
本発明としては、吸着材に担持された煙抽出物であり、木の成分(皮、又は、葉を含む。)を乾燥してチップ状・粉状・粒子状した木の粉に水溶液を加えて固形材料にして、火を付けて煙を発生させて抽出したものを吸着材に担持させる。吸着材は、表面に煙抽出物(前記煙成分)を担持し得るものであれば特に限定されることはなく、例えば、編物、織物、不織布、紙製材料や、多孔性樹脂成形体、活性炭、多孔質セラミックス材、珪藻土などの多孔質材料等が挙げられる。マスク、被服等を吸着材とすることもできる。また、吸着材の形状は、特に限定されることなく、例えば、三角形や四角形や筒状のものなどの他、シート状(織物、編物等)であってもよいし、粒状(ビーズ状)であってもよい。
本発明としては、松脂を含ませた木の粉を固めた吸煙用材料から煙を発生させて、煙成分を室内に浮遊させ、室内、車内、機内に配された吸着材(カーテン)等に前記煙成分を吸着させることを特徴とする。
煙抽出物は、植物抽出物と空気中に飛散している花粉アレルゲン又はダニアレルゲンとが接触し得るように、吸着材の表面に担持されていればよく、植物抽出物を吸着材に担持させる方法は、特に限定されない。ここで、吸着材の表面とは、吸着材と花粉アレルゲン又はダニアレルゲンとが接触し得る吸着材の部位を意味し、吸着材の表面は、吸着材の外表面に限られず、吸着材の内部に存在する部位であって花粉アレルゲン又はダニアレルゲンと接触し得る部位をも含む。
本発明は、サクラの木の成分に、火を付けたり摩擦したり冷却して水と反応させたりして、鼻炎を抑制する鼻炎抑制成分としての煙成分を抽出してなることを特徴とする。
本発明によれば、木の粉を固形材料にしたので、ライター等の着火具で火を付けやすく、簡易に木の成分(皮、又は、葉を含む。)の煙を生じさせることができる。また生木を使用せず、木の成分(皮、又は、葉を含む。)を乾燥して製造しているので、衛生的な材料による奇麗な煙を発生させることができる。そして、この煙を吸引すると、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和された。すなわち、鼻の奥がスーと通りが良くなり、鼻水が引いて、気分も良くなり、人によっては5分以内に症状が緩和されるという即効的な効き目がある。
前記サクラの木の粉は、樹皮、葉、果実および根を除いた、枝および幹をチップ状・粉状・粒子状としたものに水などの液状物を含めて固めた固形形状であることを特徴とする。また、サクラの木の粉を固めた固形材料からなり、前記固形材料の煙中に含まれる煙成分が、鼻炎を抑制する有効成分となることを特徴とする。ここで、サクラは、バラ科スモモ属サクラ亜属に分類される落葉広葉樹である。
本発明の鼻炎抑制用の抗アレルギー剤や吸煙用材料は、サクラの木の粉から抽出された、Acetic acid(CAS番号:000064−19−7)、Furfural(CAS番号:000098−01−1)、Decanal(CAS番号:000112−31−2)、Benzaldehyde(CAS番号:000100−52−7)、n−Hexadecane(CAS番号:000544−76−3)、(E)−Geranylacetone(CAS番号:003796−70−1)、Benzyl alcohol(CAS番号:000100−51−6)、およびMethylpropanoicacid,C8Hydroxyester(CAS番号:074367−33−2)、からなる群から選択された1つまたは複数のサクラ由来の成分を含み、前記成分が煙として抽出された煙成分が、鼻炎を抑制する有効成分となることを特徴とする。
木には、木の皮、枝、幹、根、もしくは葉、またはそれらの組み合わせが含まれる。
本発明において、木の成分という場合、木の皮、枝、幹、根、もしくは葉、またはそれらの組み合わせそのものも含まれる。水などの液状物(水溶液)は、何らかの物質を水にとかした液体であればよく、特に限定されず、水の他に、木の成分(果実、樹皮、葉、根、幹、枝)を粉状にして水を加えたものであっても良い。また、油脂、アルコールなどを使用しても良い。
本発明によれば、サクラの木の粉を固めた固形材料からなるこの抗アレルギー剤や吸煙用材料は、バラの木、リンゴの木、またはミカンの木の粉を固めた固形材料からなる製剤や材料と比較して、火をつけた固形材料の煙中に含まれる成分(煙成分)が、鼻炎を抑制する成分としてより有効である。また、タールなどの不純物(被衛生物物)の含有も少なく、鼻から吸煙すると、吸煙しやすく、鼻の粘膜に与える影響もすくないことが確認できた。
本発明によれば、サクラの木の粉を固めた固形材料からなるこの吸煙用材料の成分分析をしたところ、少なくとも、Acetic acid(CAS番号:000064−19−7)、Furfural(CAS番号:000098−01−1)、Decanal(CAS番号:000112−31−2)、Benzaldehyde(CAS番号:000100−52−7)、n−Hexadecane(CAS番号:000544−76−3)、(E)−Geranylacetone(CAS番号:003796−70−1)、Benzyl alcohol(CAS番号:000100−51−6)、およびMethylpropanoicacid,C8Hydroxyester(CAS番号:074367−33−2)、の成分が含まれることを確認した。これらの成分が煙として抽出された煙成分が、鼻炎を抑制する有効成分となると考えられる。
本発明としては、前記サクラが、ヤマザクラ(Cerasus jamasakura)、オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)、カスミザクラ(Cerasus leveilleana ( Koehne ) H.Ohba, 2001)、オオシマザクラ(Cerasus speciosa (Koidz.) H.Ohba, 1992)、エドヒガン(Cerasus itosakura (Sieb.) Masam. & Suzuki f. ascendens (Makino) H.Ohba & H.Ikeda)、チョウジザクラ(Cerasus apetala (Sieb. & Zucc.) Masam. & S.Suzuki var. tetsuyae H.Ohba)、マメザクラ(Cerasus incisa (Thunb.) Loisel.)、タカネザクラ(Cerasus nipponica (Matsum.) Masam. & S.Suzuki)、ミヤマザクラ(Cerasus maximowiczii (Rupr.) Kom. in Kom. & Klob.−Alis.)、カンヒザクラ(Cerasus campanulata (Maxim.) Masam. & S.Suzuki)からなる群から選択された1つまたは複数のサクラであることを特徴とする。
本発明によれば、これらのサクラは、日本国内の山野に自生する野生種であり、これら野生種のサクラの群から選択された1つまたは複数のサクラが、本発明の吸煙用材料に含まれることでより鼻炎抑制作用が向上する。また山野に自生する野生種であるため、ホームセンター等の商業施設において食品等の燻製用チップとして廉価に販売されており、容易に入手することができる。
本発明としては、前記サクラの木の粉が、樹皮、葉、果実および根を除いた、枝および幹をチップ状としたものであることを特徴とする。これらチップ状・粉状・粒子状としては、平均粒形が1〜5mm程度が好ましい。
本発明によれば、皮が剥がされて葉や根が取り除かれた、枝および/または幹のみをチップ状としたものであっても、火をつけた前記固形材料の煙中に含まれる成分(煙成分)が、鼻炎を抑制する抗アレルギー剤の有効成分となる。さらには、人体に有害なタールの量を減少させることが可能であり、より安全に使用することができる。
ここで、本願発明者等は、前記木の粉のみを燃焼させた場合と、これにさらに前記植物汁及び/又は前記果汁(粘性の液状物)を加えて固形材料にしたものとでは、煙成分に違いが生じることが認識できた。前記植物汁及び/又は前記果汁を加えて固形材料にしたものを燃焼させると、柔らかい煙成分が煙抽出物として認識できるのである。
本発明によれば、植物汁や果汁などの前記液状物を加えることで、粘性を加えることができるので、固形材料にし易くなるとともに、煙成分を発生させやすく、かつ、煙成分に柔らかさを加えることができ、吸煙し易くなる。そして、この煙を吸引すると、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和された。本願発明の煙を吸煙すると、鼻の奥がスーと通りが良くなり、鼻水が引いて、気分も良くなるという即効的な効き目が確認された(早い人で、吸煙から5分足らずで効果を実感できる。)。その実験結果から、アレルギー性鼻炎・花粉症やクシャミ・鼻水に対する効果のある吸煙用材料と抗アレルギー剤を提供する。ここで、鼻で吸煙してから僅か5分程度で効き目が実感できる実験を行ったが、それは、カラオケスナックで、飲酒した状態から歌を歌う間に吸煙すると、鼻の奥がすっきりして、歌が歌いやすくなるのであるが、それと同時に、歌を歌う時には鼻炎が解消できている人が多数に上ったことから、治験として確認できたものである。鼻炎には、飲酒は良くない状態ではあるが、そのような最悪な状態からでも、僅か5分程度でも、鼻炎が解消できることが確認された。
本発明としては、所定の形にして固めるに際して、蜂蜜、蜂ヤニ(プロポリス)、松脂、松葉、海草のり、寒天、デンプン、コーンスターチ、グァーガム、マンナン、ブラックミント、レモンバーム、ローズマリー、アロエの群からなる物質のうち、少なくとも1種以上の物質を加えて固めることができる。
粘結剤としては、例えば、デンプン、コーンスターチ、グァーガム、松脂、松葉等を使用することができる。また、前記果汁から抽出した粘性の液状物を使用することができる。その溶融温度は、木の成分よりも低いことが好ましい。
本発明によれば、固めるに際して、蜂ヤニ、松脂等の油性分を使用することで、固形材料を燃焼し易くすることができる。また、蜂蜜や蜂ヤニを加えることで、煙成分に栄養分を加えたり、芳香性や脱臭性を持たせたり、煙成分を柔らかくすることができる。特に、松脂、松葉、蜂ヤニ等を使用することで、固形材料を燃焼し易くして煙成分を発生させややすくできるとともに、煙成分の抗炎症作用、免疫力調整作用、抗アレルギー作用を高めることができる。そして、この煙を吸引すると、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和された。
またブラックミント等のペパーミント中に成分として含まれる、ルテオリン、ミントポリフェノール、アズレン、およびロズマリン酸は、アレルギーを引き起こす成分であるヒスタミンやロイコトリエンの発生を抑制するため、花粉症をはじめとするアレルギー症状の症状緩和が期待できる。またアロエを加えることで粘結材の作用や抗炎症作用を有する。
本発明としては、前記煙成分が、編物、織物、不織布、紙製材料、多孔性樹脂成形体、活性炭、多孔質セラミックス材、多孔質材料に担持されていることを特徴とする。
本発明としては、前記吸煙用材料は、線香を含むお香、お灸、燻製スモーク材料、煙草、液状の芳香剤、液状の脱臭剤を吸着材として、煙抽出物(煙成分)をこれらの吸着材に担持させることができる。
本発明によれば、線香を含むお香やお灸等を使用しながら、上記煙成分を吸煙することができるので、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和されることとなる。また、燻製品を製造するときにも、上記煙成分を吸煙することができるので、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和されることとなる。そして、鼻に入れて使用する錠剤(前記煙成分が含まれている)、カプセル剤(前記煙成分が封入されている。)等であると、鼻の中で溶け出して、アレルギー性鼻炎等が緩和される。また、前記煙成分が、口から鼻を覆うために使用するマスク、身体を覆う被服、鼻の穴の中に入れて使用するカプセル剤、又は、鼻の穴の中に入れて使用する布製材、織物材、編物材、或いは、これらに水などの液状物を含ませて鼻の穴の中に入れて使用する布製材、織物材、編物材に担持されていることを特徴とする。
本発明としては、吸着材に担持された煙抽出物であり、木の成分(皮、又は、葉を含む。)を乾燥してチップ状・粉状・粒子状した木の粉に水溶液を加えて固形材料にして、火を付けて煙を発生させて抽出したものを吸着材に担持させる。吸着材は、表面に煙抽出物(前記煙成分)を担持し得るものであれば特に限定されることはなく、例えば、編物、織物、不織布、紙製材料や、多孔性樹脂成形体、活性炭、多孔質セラミックス材、珪藻土などの多孔質材料等が挙げられる。マスク、被服等を吸着材とすることもできる。また、吸着材の形状は、特に限定されることなく、例えば、三角形や四角形や筒状のものなどの他、シート状(織物、編物等)であってもよいし、粒状(ビーズ状)であってもよい。
本発明の抗アレルギー剤は、前記木の成分が社松の葉の成分であり、alpha−pinene(CAS番号:000080−56−8)、camphene(CAS番号:000079−92−5)、(1S)−(1)−beta−Pinene(CAS番号:018172−67−3)、Myrcene(CAS番号:000123−35−3)、Nesol(CAS番号:000138−86−3)、beta−phellandrene(CAS番号:000555−10−2)、bornyl acetate(CAS番号:000076−49−3)、beta−Caryophyllene(CAS番号:000087−44−5)、2,2,6,10−Tetramethylbicyclo[5.4.0]undeca−9,11−diene(CAS番号:999192−35−5)、10s,11s−Himachala−3(12),4−diene(CAS番号:060909−28−6)、(+)1a7,4a,9,10,10a−dodecahydro−1,4a,7−trimethyl−7−vinyl−1−phenanthrencarbal(CAS番号:999421−82−3)、alpha−Bisabolol(CAS番号:000515−69−5)、からなる群から選択された1つ或いは複数の社松の葉由来成分を含むか、又は、これらを煙成分として含むことを特徴とする。本発明によれば従前、社松の葉の成分が詳細に調べられたことはなく、上記の成分が検出されたといった報告もなく、抗アレルギー剤として新しい知見を与えるものである。
本発明のアレルギー性鼻炎抑制方法は、サクラの木の粉を固めた吸煙用材料から煙を発生させて、煙成分を室内に浮遊させ、前記室内に配された吸着材に前記煙成分を吸着させることを特徴とする。
煙抽出物は、植物抽出物と空気中に飛散している花粉アレルゲン又はダニアレルゲンとが接触し得るように、吸着材の表面に担持されていればよく、植物抽出物を吸着材に担持させる方法は、特に限定されない。ここで、吸着材の表面とは、吸着材と花粉アレルゲン又はダニアレルゲンとが接触し得る吸着材の部位を意味し、吸着材の表面は、吸着材の外表面に限られず、吸着材の内部に存在する部位であって花粉アレルゲン又はダニアレルゲンと接触し得る部位をも含む。
本発明によれば、松脂等を含ませた木の成分を用いるので、ライター等の着火具で火を付けるなどがしやすく、簡易に木の成分(皮、又は、葉を含む。)の煙を生じさせることができる。また、木の成分(皮、又は、葉を含む。)を乾燥して製造しているので、衛生的な材料による奇麗な煙を発生させることができる。そして、この煙を吸引すると、アレルギー性鼻炎・花粉症状やクシャミ・鼻水が緩和された。すなわち、鼻の奥がスーと通りが良くなり、鼻水が引いて、気分も良くなるという即効的な効き目がある。したがって、アレルギー性鼻炎・花粉症やクシャミ・鼻水に対する抗アレルギー剤としての活用が期待できる。そして、松脂エキスや松葉エキスを使用することで、タール分を抑制した抗アレルギー剤や吸煙用材料を提供することが可能になる。
前記煙成分としては、松脂等を含ませた木の成分を冷却して水と反応させることでも抽出できる。この場合は、火をつける場合よりもタール分が少なく、また、低温度の煙成分を抽出できるが、鼻の中の粘膜からの吸収性にも優れた前記煙成分となる。
本発明の1実施の形態の吸煙用材料を示す斜視図である。 上記実施の形態の使用例を示す斜視図である。 本発明の吸煙用材料(線香)を示す平面図である。 本願発明の煙抽出分(煙成分)で花粉を捕捉する実験を示す図である。 本発明の吸煙用材料を燃焼させるタバコの例を示す平面図である。 本発明の容器に植物汁や果汁を多く入れてこれらを吸煙用材料ととも燃焼させて煙抽出分を得る実験例を説明する斜視図である。 本発明の煙抽出分をスプレーに入れて使用する例を説明する側面図である。 本発明の第3の実施形態における桜樹皮のGC−MS分析の結果図である。 上記実施形態における固形材料AのGC−MS分析の結果図である。 上記実施形態における固形材料BのGC−MS分析の結果図である。 上記実施形態における固形材料Bの煙のGC−MS分析の結果図である。 上記実施形態における固形材料CのGC−MS分析の結果図である。 上記実施形態における固形材料DのGC−MS分析の結果図である。 上記実施形態における社松のGC−MS分析の結果図である。
以下、図面を引用しながら本発明の実施の形態を説明する。
(木の成分の乾燥固形材料または吸煙用材料)
本発明の吸煙用材料は、木の成分(皮、又は、葉を含む。)を乾燥してチップ状・粉状・粒子状にした木の粉に水又は水溶液を加えて固形材料とした吸煙用材料である。木の種類としては、サクラの木やバラの木が好ましい。また、リンゴの木やみかんの木等を使用してもよい。ここで、サクラは、バラ科スモモ属サクラ亜属に分類される落葉広葉樹である。バラ科の植物として好ましいものは、バラ、ノバラ、サクラ、モモ、リンゴ、ナシ、プラム、ウメ、イチゴ、キイチゴ等が好ましく例示される。
木の成分のうち、木の葉(サクラの木の葉、リンゴの木の葉、バラの木の葉、およびミカンの木の葉、松の葉など)だけを使用して吸煙用材料1とする場合も同様であり、木の葉を乾燥させて粉状・粒子状にした後、水を加えて三角形や四角形等、所定の固形形状にする(図1(a))。
木の成分の乾燥は天日で行っても良く、一般の乾燥装置を使用しても良く、乾留で行っても良い。また、これらの中に芯糸を挿入して、芯糸5に火を付けて、芯糸を介して吸煙用材料1に火を付けても良い(図6(b))。吸着率を高めるために、炭酸カルシウム、珪藻土を増量剤として加えても良い。
所定の形にして固めるに際しては、後述する粘結材、可燃材、鼻炎抑制剤、香料や油脂などを含有させて固形材料とする。このようにして作成された固形材料は、例えば、線香を含むお香、お灸、または煙草等の製品となる(図5)。
(水溶液中に含まれる植物汁および果汁)
本発明の水溶液中には、植物の葉や茎を絞って得られる植物汁及び/又は木の実や果実を絞って得られる果汁が添加されている。植物汁は、サクラエキスやバラエキス等である。果汁はリンゴエキスやみかんエキス等である。
サクラ由来成分から抽出されたサクラエキスは、バラ科のサクラ属の植物であるサクラの葉、茎、花、種子等から適宜な抽出溶媒を用いて得られる抽出物であり、本来の香りの良さに加えて、優れた抗酸化力を有すると共に食品衛生上等の安全性も高いことから、油脂、食品等の抗酸化剤や、皮膚外用剤等に配合されている。これを植物汁や果汁として使用することができる。また、赤ワインで知られるポリフェノールの1種である、リンゴポリフェノールが確認されている。果肉にも含まれるが、皮(樹皮)の方がより多く含まれている。リンゴポリフェノールには、虚血性心疾患などを引き起こすコレステロールを減らす働きや脂肪の吸収を抑制するなどの働きがあると言われている。また、リンゴポリフェノールは、抗酸化作用と痒みの原因とされるヒスタミンの遊離を抑える働きがあるため、アトピー性皮膚炎や花粉症等のアレルギー症状にも効果があると期待されている。
バラ科の植物から抽出されるバラエキスとしては、上述のサクラエキスの他、バラの葉、茎、根、実、蕾から抽出したものもあるので、このバラエキスを使用しても良い。
同様に、リンゴから抽出されるリンゴエキスや、みかんから抽出されるみかんエキスも、芳香性、抗酸化力、食品安全性等の観点から使用される。
これらの中で、リンゴエキスやみかんエキスで実験したものと比較して、サクラエキスやバラエキスで実験したものの方が、鼻炎症状がより改善され、好ましかった。
(粘結材、可燃材、鼻炎抑制剤、香料)
所定の形にして固めるに際しては、蜂蜜(蜂蜜エキスを含む)、蜂ヤニ、松脂、海草のり、寒天(乾燥寒天を含む)、デンプン、コーンスターチ、グァーガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、マンナン、ミント成分(ブラックミントを含む)、アロエなどを使用して固める。これらは粘結材、可燃材、鼻炎抑制剤、香料として、固形材料に機能を付加する。また、吸煙用材料1の外側に前記松脂、アロエ等を多く添加することは、燃焼させ易くするのみならず(融点が低く煙成分を発生させやすくする)、鼻炎症状を緩和するうえで(鼻の中の粘膜に煙成分を付着させやすくするので)即効性を高めるためにも有効である(図1(b))。
粘結剤(固着剤、増粘剤)は、乾燥してチップ状・粉状・粒子状となった木の粉を固形材料1とする際に、粘結・固着させるために使用する。粘結材としては、例えば、蜂ヤニ、松脂、松葉(松葉エキスを含む)、海草のり、寒天、デンプン、コーンスターチ、グァーガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、マンナン、各種ガム類、カゼイン、水溶性高分子、アロエ等が挙げられる。
可燃材は固形材料を燃えやすくするために使用される。可燃材としては油性成分が含まれた物質が好ましく、例えば蜂ヤニや松脂等の油性成分を添加することで、固形材料を燃焼し易くすることができる。なお、油脂として、松脂のほか松葉(松葉エキスを含む)を使用してもよいが、松葉を粉状にしてから水やワインや焼酎などを混入した液状物を使用しても良い。
鼻炎抑制剤は、鼻炎症状の抑制効果を高めるために使用されるもので、例えば、松脂、蜂ヤニ、ブラックミント、アロエなどである。松脂は煙として吸入することで、花粉症等の鼻炎症状が改善される。蜂ヤニは抗炎症作用、免疫力調整作用、抗アレルギー作用を奏する。ブラックミント等のペパーミント中に成分として含まれる、ルテオリン、ミントポリフェノール、アズレン、およびロズマリン酸は、アレルギーを引き起こす成分であるヒスタミンやロイコトリエンの発生を抑制するため、花粉症をはじめとするアレルギー症状を緩和する。なおアロエを加えると抗炎症効果を有するため好ましい。
香料は、固形材料に好ましい香りを添加するために使用される。香料としては、植物(ハーブを含む)源由来の油(エキスすなわち抽出物を含む)や、それらの組み合わせからなる液状の香料を使用する。ブラックミント等のミント成分はメントールの成分が強く好ましい。
以上のように、所定の形にして固めるに際しては、これらの粘結材、可燃材、鼻炎抑制剤、香料を添加して固形材料とすることで、固形材料に機能を付加することができる。
本発明において特に好ましくは、松脂、蜂ヤニ、ブラックミント、アロエを加えて固形材料とする。上述のように、松脂や蜂ヤニは、いずれも粘結材と、可燃材と、鼻炎抑制剤の機能を有する。またブラックミントは、鼻炎抑制剤と香料の機能を有する。そしてアロエは、粘結材と鼻炎抑制剤の機能を有する。以上のように、松脂、蜂ヤニ、ブラックミント、アロエはその各々が、複数の機能を有し、相乗的に効果を発揮するので、これらを含有させて固形材料とすることが好ましい。
このようにして得られた本発明(抗アレルギー剤や吸煙用材料)は、鼻炎症状や花粉症の症状緩和や発症予防の優れた作用を有する。即ち、かかる本発明の吸煙用材料を燃焼させて吸引すると(鼻から吸引すると)、鼻炎症状や花粉症の発症抑制、症状緩和又は症状悪化予防等、鼻炎症状や花粉症の治療・予防ができる。すなわち、煙成分を鼻から吸うと、最初ツーンという鼻を衝くような衝撃が感じられるが、それを経験した後は数分(5分程度)で効果が表れ、遅い人でも1時間程度で、鼻詰まり、クシャミ・鼻水が引いて、花粉症状の人でも、その症状が緩和され、それに伴う咳等の随伴症状も軽減されて、気分も良くなる即効的な効き目が実感できる。したがって、鼻炎抑制用の抗アレルギー剤や吸煙用材料になる。
本発明(抗アレルギー剤や吸煙用材料)は、アレルギー反応を緩和する作用を有するので、抗ヒスタミン剤やマスクの着用等と併用すると相乗的・相加的に鼻炎症状や花粉症に対応できる。本発明による適用可能な花粉症は、花粉の種類に特段の限定を受けず、例えば、杉花粉以外に、桧花粉、ヒバ花粉、樅花粉、茅花粉、米花粉、ブタ草花粉、セイタカアワダチ草花粉等の花粉症に適用できる。
(第1の実施例)
本実施例では、木の成分(木の皮、枝、幹、根、および葉などの混合物)を使用して、乾燥させて木の粉とし、これに水又は水溶液(水に対して植物汁、果汁、又は植物汁及び果汁のいずれか一つを混合した溶液)を加えて固形材料とすることで吸煙用材料1を作成した(表1)。木としては、サクラの木、リンゴの木、バラの木、およびミカンの木を使用した。
固形材料として、香りが良いもの、形状が崩れにくく安定化したものを、△、〇、◎の順で評価してもらった(表1)。表中のSは、香りのよさの項目であり、Zは、固形材料としての塊(固形状態)の良さの項目である。
乾燥させて木の粉として、これに水を加えて固形材料とするよりも、乾燥させて木の粉として、これに水溶液(水に対して植物汁、果汁、又は植物汁及び果汁のいずれか一つを混合した溶液)を加えて固形材料とすることで吸煙用材料とした方が、香りのよさや、固形材料としての塊(固形状態)の良さが向上した。
(第2の実施例)
本実施例では木の粉を乾燥させて固形材料とした吸煙用材料を作成し、これを燃焼させた煙を鼻炎患者や花粉症患者18名に吸煙してもらい、その症状を報告してもらった(表2)。木としては、サクラの木(実施例A)、バラの木(実施例B)、リンゴの木(実施例C)、およびミカンの木(実施例D)を使用した。
より具体的には、木の成分(木の皮、枝、幹、根、および葉などの混合物)を使用して、乾燥させて木の粉として、水又は水溶液を加えずに、木の粉のみを固形材料とすることで吸煙用材料を作成した。木としては、サクラの木(実施例A−1)、リンゴの木(実施例B−1)、バラの木(実施例C−1)、およびミカンの木(実施例D−1)を使用した。そして、これを燃焼させた煙を吸入してもらった(表2)。
また別に、木の成分全般(木の皮、枝、幹、根、および葉などの混合物)を使用して、乾燥させて木の粉とし、これに水又は水溶液を加えて固形材料とすることで吸煙用材料を作成した。木としては、サクラの木(実施例A−2)、バラの木(実施例B−2)、リンゴの木(実施例C−2)、およびミカンの木(実施例D−2)を使用した。そして、これを燃焼させた煙を吸入してもらった(表2)。
また別に、木の成分(木の皮、枝、幹、根、および葉など)のうち、皮や葉を剥ぎ、根を取り除いて、枝や幹のみを使用した木の粉とし、これに水又は水溶液を加えて固形材料とすることで吸煙用材料を作成した。木としては、サクラの木(実施例A−3)、バラの木(実施例B−3)、リンゴの木(実施例C−3)、およびミカンの木(実施例D−3)を使用した。そして、これを燃焼させた煙を吸入してもらった(表2)。なお、皮や葉を剥いだ木の枝や幹からなる木の粉(例えば木材チップ)を使用すれば、皮や葉の表面に付着する農薬、空中の飛散物質等、外来性の夾雑物(汚染物質や不純物など)を含まないため、安全衛生上好ましい。
また別に、木の葉だけを使用し、乾燥させて木の葉の粉とし、これに水又は水溶液を加えて固形材料とすることで吸煙用材料を作成した。木としては、サクラの木(実施例A−4)、バラの木(実施例B−4)、リンゴの木(実施例C−4)、およびミカンの木(実施例D−4)を使用した。そして、これを燃焼させた煙を吸入してもらった(表2)。
また別に、木の成分(すなわち木の皮、枝、幹、根、および葉の混合物)を乾燥させて木の粉とし、これに植物汁及び果汁を混合したものを水溶液としたものを加えて固形材料とすることで吸煙用材料を作成した。木としては、サクラの木(実施例A−5)、バラの木(実施例B−5)、リンゴの木(実施例C−5)、およびミカンの木(実施例D−5)を使用した。そして、これを燃焼させた煙を吸入してもらった(表2)。植物汁及び果汁に対して、1〜10倍量の溶媒(水)を加えた。
表2から、木の種類でみると、サクラの木(実施例A)や、バラの木(実施例B)を使用した実施例の方が、リンゴの木(実施例3)や、ミカンの木(実施例4)を使用した実施例よりも鼻炎症状を改善させる良い結果が得られた。木の使用部位でみると、枝や幹のみを使用した場合(実施例A−3、実施例B−3、実施例C−3、実施例D−3)を使用した場合の方が、より鼻炎症状を改善させる良い結果が得られた。水又は水溶液の有無でみると、木の粉のみ(水又は水溶液を加えていないもの)を固形材料とした実施例(実施例A−1、実施例B−1、実施例C−1、実施例D−1)であっても、鼻の奥がスーと通りが良くなり、鼻水が引いて、症状が緩和されるということが実験で分かった。また、水又は水溶液(液状物)を入れた方が、鼻炎症状を改善させる良い結果が得られた。これは鼻の中の粘膜に煙成分を付着させやすくする作用効果があるためと考えられる。そして植物及び果汁の有無でみると、植物汁及び果汁を混合したものを水溶液に加えて固形材料にした実施例(実施例A−5、実施例B−5、実施例C−5、実施例D−5)について、固形材料のみの場合よりも、鼻炎症状を改善させる良い結果が得られた。これに加え、被検者からは、煙成分が柔らかく感じたとの感想があった。これにより本願発明者等は、木の粉のみを燃焼させた場合と、木の粉にさらに水溶液を加えて固形材料にしたものとでは、煙成分に違いが生じることが認識できた。水溶液を加えて固形材料にしたものを燃焼させると、柔らかい煙成分が煙抽出物として認識できるのである。この結果報告から、図6(a)(b)に示すように、金属製容器3に水Wや果汁Wを入れるとともに吸煙用材料1を入れた容器3において、これら水Wと吸煙用材料1とを同時に燃焼させたところ、柔らかい煙成分が煙抽出物として認識でき、この柔らかい成分は被験者に吸煙し易く感じられるとの報告があった。
なお、目薬を差した後と、目薬を差す前とで、鼻炎症状に変化があるかどうか確認したところ、目薬を差す前の方が、効果があるという結果を得た。したがって、本願発明の吸煙用材料1を燃焼させて吸煙するときには、目薬などを差す前に行うことが好ましい。
次に、上記実施例A−2、実施例A−3、実施例B−2、実施例B−3を使用して、既に花粉症を発現している患者18名に、3月の晴れた日において花粉症の症状が変化したか否かについて下記の調査を行った。具体的には、一日おきにマスクをした日と、マスクをしないで本願発明の吸煙用材料1を燃焼させて吸煙した場合との間で、症状に変化があったかどうかを調査した。結果を表3に示す。この表3より、本発明の化粧料が花粉症の症状を緩和していることが分かる。また、鼻づまり、鼻のかゆみや、鼻の粘膜の腫れが著しく減少した人が多かった。その効き目は即効的であり、煙成分を吸煙してから、僅か5分程度で早い人で効果が表れ、遅い人でも1時間程度でいずれの症状も緩和させることができた。
次に、寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)の方を対象に実験を行った。今年は、北陸地方は大雪になり1月から2月の大雪の日に、家の中から外に出たとき、あるいは外から家の中に入った時の寒暖の差がある環境下で、気温差によって生じるアレルギー(医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれている)の方を対象(50歳以上の女性10人と、男性8人)に実験を行った。その結果、ほぼ全員に症状の改善が即効的に見られた(表4)。表4に示すように家の中から雪の降る外に出た状況で、鼻水が生じた状態を確認してから、上記実施例A−2、実施例A−3、実施例B−2、実施例B−3の煙成分を吸煙したところ、ほぼ全員が5分〜10分程度で、鼻水が止まり、それに伴う咳等の随伴症状も軽減されて、気分も良くなる即効的な効き目が実感できたと、報告された。そして、吸煙用材料1を高温にして燃焼させた方が、効き目が早いこと(3分〜7分程度)の報告があった。そこで、吸煙用材料1の外側に松脂等の油質成分を多くすると、固形材料として固めやすくなることのみならず、即効性を高める作用効果が想定された。そこで、吸煙用材料1の外側に松脂等の油質成分を多くしたところ、主に50歳以上の被験者10人中8人が、即効性が高まったとの報告があった。したがって、吸煙用材料1に松脂等の油質を多く添加することが有効であることが分かった。
水の入ったスプレー(液体スプレー)の中に本願発明の上記実施例A−2、実施例A−3、実施例A−5、実施例B−2、実施例B−3、実施例B−5の煙成分を封入して、スプレー散布の際に煙成分とともに散布させる実験を行った。そして、鼻水患者に、燃焼させていた煙成分を使用してもらい、その症状を報告してもらった。その結果を表5に示す。この表5より、本発明の化粧料が花粉症の症状を緩和していることが判る。また、実施例A−3、実施例B−3のように、木の部位として枝や幹を使用して固形材料としてその煙成分を封入して、スプレー散布の際に煙成分とともに散布させた場合に効果が向上した。同様に、実施例A−5、実施例B−5のように、植物汁や果汁を加えた水溶液を使用して固形材料としてその煙成分を封入して、スプレー散布の際に煙成分とともに散布させた場合に効果が向上した。ここで、木の樹皮、葉、果実および根を除いた枝と幹を粉状にして、木の樹皮、葉から抽出される油脂成分を含む液状物または木の実や果実から抽出される粘性の液状物を加えて固めて固形形状1にして、冷却して水と反応させたりして、鼻炎を抑制する鼻炎抑制成分としての煙成分を抽出したものを、前記スプレー散布に使用することができる。
次に、液状の芳香剤と液状の消臭剤の入った液体スプレーの中に(上方の水の入っていない部分に)、本願発明の上記実施例A−2、実施例A−3、実施例B−2、実施例B−3の煙成分を封入して、スプレー散布の際に煙成分とともに散布させても良い。そして、鼻水患者に、燃焼させていた煙成分を使用してもらい、その症状を報告してもらった。その結果を表6に示す。この表6より、本発明の化粧料が花粉症の症状を緩和していることがわかる。
次に、お香(線香を含む)、お灸、燻製スモーク材料、煙草に、本願発明の煙成分(煙抽出物)を担持させた。担持させるに際しては、上記実施例A−2、実施例A−3、実施例B−2、実施例B−3の固形材料(吸煙用材料)1に、燻煙などの方法により添加させたり、後述する煙成分の抽出方法で得た煙成分を燻煙などの方法により添加させたりした(表7)。すなわち、所定の大きさの容器(室温)の中において、煙成分を循環させるようにして、その中に、お香やお灸を載置して、煙成分を担持させた。つまり、容器内を減圧濃縮して煙成分のエッセンスを得るようにした。そして、この実施例の煙成分のエッセンスを液状の芳香剤と、液状の脱臭剤に添加した。液状の芳香剤と液状の脱臭剤は、市販のスプレー式のものを購入して、液体上方の空き部分に、蓋を開けて煙成分Kを封入(入れて)して使用した((図7(a)(b))。
次に、タバコT1の中に本発明の煙成分をタバコのフィルターTfや葉っぱ部分に含ませて、形成した開口T1から煙成分が吸煙できるように工夫した(図5)。また、タバコの葉とともにフィルターから煙成分Kが出るようにして、鼻からの吸煙に近くなるようにした。
また、マイクロカプセルBに煙成分を封入して、ヒトの鼻の中に入れて、水(鼻水)成分でマイクロカプセルBが溶けて内部の煙が出る構造としたものとした(図2)。マイクロカプセルBは、物質をミクロン単位の小さな粒子にし、その一粒一粒を、ゼラチンなどを主成分とする薄い皮膜で包んだもので、本発明では水分で溶解するものを使用し、これを吸着材などに添加させるときに使用する。このような使用例としては、ゼラチンの粒子に煙成分を付着させてることで(ビーズ状Bにして)、同じように添加させる場合等に使用することができる。
このような添加としては、お香(線香を含む)、お灸、燻製スモーク材料等に煙成分を添加(燻煙状態において添加)させることができる。
次に、本願発明者らは、サクラの木の葉の代わりに、茶の葉やレモンバームの葉及び茎などを使用した実験を行ったが、本願発明のサクラの木の葉と同じような結果が得られた。また、ブラックミント、ローズマリーを加えたが、更に鼻の通りがよくなったとの報告が得られた。この場合の配合量は、次の通りである。桜チップ232g、松脂35g、蜂ヤニを少々(15滴)、乾燥寒天1本を使用して、水600ccを加えた。そして、これらを混合して、乾燥して、三角形状、四角形,筒状等の所定の固形形状に固めて、吸煙用材料1を製造した。なお、さらにアロエを加えると粘結性や抗炎症効果を有するため好ましい。松脂35g、蜂ヤニやアロエの量は、上記よりも多く添加すると本剤としての即刻性を更に高めることができる。
本発明の煙成分(抗アレルギー剤)は、空気中に担持されると、空気中に飛散する花粉アレルゲンと吸着材に担持された煙抽出物とが接触し、煙抽出物が有する花粉アレルゲン不活性化(捕捉)機能を発揮することができる。これを確かめるために、容器6を用意して花粉を集めて容器6に飛散した状態にして、吸煙用材料1を燃焼させて生じる煙成分が花粉Fに与える影響を検査したところ(図4)、花粉Fを煙成分が補足して不活性化させることが確認できた。また、同じようにして、空気中に飛散するダニアレルゲンと吸着材に担持された煙抽出物とが接触し、ダニアレルゲンを不活性化することができる。したがって、煙抽出物はダニアレルゲン不活性化作用を有することが分かる。
また、前記花粉を集めた容器6の内部の湿度を高くして(湿度40〜60%)、吸煙用材料1を燃焼させて生じる煙成分Kが花粉Fに与える影響を検査したところ(図4)、花粉(図4中の点で示す)Fを煙成分が補足して不活性化させる割合が高くなることが確認できた。なお、同じようにして、空気中に飛散するダニアレルゲンと吸着材に担持された煙抽出物とが接触し、ダニアレルゲンを不活性化することができる確率が高くなることが確認できた。したがって、前記植物汁・果汁の他、松脂、蜂蜜、蜂ヤニ等を多く吸煙用材料1に添加することは、アレルゲン不活性化作用に有効であり、単に燃焼効果を高めるだけではないことが分かる。
また、前記花粉を集めた容器6の内部に、前記植物汁・果汁を液状にして散布して、吸煙用材料1を燃焼させて生じる煙成分が花粉Fに与える影響を検査したところ(図4)、花粉Fを煙成分が補足して不活性化させる割合高くなることが確認できた。なお、同じようにして、空気中に飛散するダニアレルゲンと吸着材に担持された煙抽出物とが接触し、ダニアレルゲンを不活性化することができる確率が高くなることが確認できた。したがって、前記植物汁・果汁を多く吸煙用材料1に添加することは、アレルゲン不活性化作用に有効であり、単に燃焼効果を高めるだけではないことが分かる。
また、前記花粉を集めた容器6の内部に、松脂、蜂蜜、蜂ヤニを液状にして散布して、吸煙用材料1を燃焼させて生じる煙成分が花粉Fに与える影響を検査したところ(図4)、花粉Fを煙成分が補足して不活性化させる割合が更に高くなることが確認できた。なお、同じようにして、空気中に飛散するダニアレルゲンと吸着材に担持された煙抽出物とが接触し、ダニアレルゲンを不活性化することができる確率が高くなることが確認できた。したがって、松脂、蜂蜜、蜂ヤニ等を吸煙用材料1に多く添加することは、アレルゲン不活性化作用に有効であり、単に燃焼効果を高めるだけではないことが分かる。
なお、以上の結果は、ヒトの鼻の内部(粘膜や粘液等)の環境に合わせた状態に近づけることが有効であることを推考させる。また、高温多湿化で、本願発明の吸煙用材料と抗アレルギー剤を服用することが効果を高めることができると推考できる。
ここで煙抽出物を吸着材に含浸させる場合、その含浸時間は、植物抽出物を吸着材に担持させることができる限り特に限定されるものではなく、通常0.1〜3時間、好ましくは0.5〜2時間である。吸着材に担持される植物抽出物の量は、植物抽出物と花粉アレルゲン又はダニアレルゲンとが接触し、花粉アレルゲン又はダニアレルゲンを不活性化させることができる量であれば特に限定されるものではない。
以上の考察から次のような本願発明の応用例が考えられる。
まず、抗アレルギー剤としては、エアコン用フィルター、空気清浄機用フィルター、換気装置用フィルター等のフィルター類、マスク、被服等として用いることができる。アレルゲン不活性化材をフィルター類として用いれば、花粉アレルゲン又はダニアレルゲンがアレルギー活性を持ったまま再飛散するのを防止することができる。
また、抗アレルギー剤をマスクとして用いれば、マスクを通過する微細な花粉アレルゲン又はダニアレルゲンを不活性化することができる。さらに、抗アレルギー剤を被服として用いれば、被服に付着した花粉アレルゲン又はダニアレルゲンがアレルギー活性を持ったまま室内等に侵入するのを防止することができる。
また、水の入ったスプレー(液体スプレー)の中に本願発明の煙成分を封入して、スプレー散布の際に煙成分とともに散布させると、室内や、田畑などにおいて、ダニを含む害虫の予防効果を発揮することが期待される。
(第3の実施例)
本実施例では、吸煙用材料のGC−MS分析を行ない、これらに含まれる成分を明らかとした。分析された吸煙用材料(試料)は、桜樹皮、固形材料A(桜チップを含有)、固形材料B(桜チップと松脂を含有)、固形材料Bの煙、固形材料C(桜チップと松脂と蜂ヤニとブラックミントを含有)、固形材料D(桜チップと松脂と蜂ヤニとブラックミントとローズマリーを含有)、および社松の葉である。
桜樹皮は、サクラの木のうち、枝、幹(樹皮を剥いだ幹の芯の部分)、根、および葉などを除いた、樹皮(木の皮)の部分だけを使用したものである。サクラの木の樹皮に火をつけたその煙中に含まれる成分(煙成分、抗アレルギー成分)は、鼻炎を抑制する抗アレルギー剤の有効成分となると考えられる。
固形材料Aは、第2の実施例で使用した桜チップの固形材料(実施例A−3)と同様である。すなわちサクラの木の成分(樹皮、枝、幹、根、および葉など)のうち、樹皮を剥ぎ、葉や根を取り除いて、枝や幹のみを使用してチップ状の木の粉とし、これに水を加えて固形材料とすることで吸煙用材料としたものである。第2の実施例に示したように、サクラの木の粉を固めた固形材料からなるこの吸煙用材料は、火をつけた前記固形材料の煙中に含まれる成分(煙成分)が、鼻炎を抑制する抗アレルギー剤の有効成分となることが報告されている。
なお第2の実施例で使用した桜チップの固形材料(実施例A−3)として使用されたサクラは、日本国内の山野に自生する野生種である。前記野生種のサクラとしては、例えば、ヤマザクラ(Cerasus jamasakura)、オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)、カスミザクラ(Cerasus leveilleana ( Koehne ) H.Ohba, 2001)、オオシマザクラ(Cerasus speciosa (Koidz.) H.Ohba, 1992)、エドヒガン(Cerasus itosakura (Sieb.) Masam. & Suzuki f. ascendens (Makino) H.Ohba & H.Ikeda)、チョウジザクラ(Cerasus apetala (Sieb. & Zucc.) Masam. & S.Suzuki var. tetsuyae H.Ohba)、マメザクラ(Cerasus incisa (Thunb.) Loisel.)、タカネザクラ(Cerasus nipponica (Matsum.) Masam. & S.Suzuki)、ミヤマザクラ(Cerasus maximowiczii (Rupr.) Kom. in Kom. & Klob.−Alis.)、カンヒザクラ(Cerasus campanulata (Maxim.) Masam. & S.Suzuki)が含まれる。本発明では、これら野生種のサクラの群から選択された1つまたは複数のサクラが、本発明の吸煙用材料に含まれることでより鼻炎抑制作用が向上することが報告されている。
固形材料Bは、固形材料Aの材料に松脂が材料として加わったものである。すなわち第2の実施例(実施例A−3)で使用した桜チップ(ヤマザクラ(Cerasus jamasakura)の木の成分(樹皮、枝、幹、根、および葉など)のうち、樹皮を剥ぎ、葉や根を取り除いて、枝や幹のみを使用してチップ状の木の粉としたもの)に、松脂を含有させて、水と乾燥寒天を配合した後に乾燥させて固形化し、所定の形状とした固形材料からなる吸煙用材料である。この固形材料Bを燃焼させた際の煙中に含まれる成分(煙成分)は、上述の固形材料Aを燃焼させた際の煙中に含まれる成分(煙成分)の効果に加え、松脂の油質成分によって燃焼しやすくなり、かつ固形材料が固めやすくなるとともに、松脂の煙中に含まれる成分(煙成分)が抗アレルギー剤としての即効性を高める。
固形材料Bの煙は、固形材料Bを燃焼させることで得た煙のことである。固形材料Bを燃焼させた際の煙中に含まれる成分(煙成分)は、上述の通り鼻炎を抑制する抗アレルギー剤の有効成分や、抗アレルギー剤としての即効性を高める有効成分として作用する。
固形材料Cは、固形材料Bの材料に蜂ヤニとブラックミントが材料として加わったものである。すなわち第2の実施例(実施例A−3)で使用した桜チップ(ヤマザクラ(Cerasus jamasakura)の木の成分(樹皮、枝、幹、根、および葉など)のうち、樹皮を剥ぎ、葉や根を取り除いて、枝や幹のみを使用してチップ状の木の粉としたもの)に、松脂、蜂ヤニ、およびブラックミントを含有させて、水と乾燥寒天を配合した後に乾燥させて固形化し、所定の形状とした固形材料からなる吸煙用材料である。この固形材料Cを燃焼させた際の煙中に含まれる成分(煙成分)は、上述の固形材料Bを燃焼させた際の煙中に含まれる成分(煙成分)の効果に加え、蜂ヤニが粘結材、可燃材、香料として作用するとともに、蜂ヤニの煙中に含まれる成分(煙成分)が鼻炎抑制剤として抗アレルギー作用を高める。またブラックミントが鼻炎抑制剤および香料としての作用を発揮する。
固形材料Dは、固形材料Cの材料にローズマリーが材料として加わったものである。すなわち第2の実施例(実施例A−3)で使用した桜チップ(ヤマザクラ(Cerasus jamasakura)の木の成分(樹皮、枝、幹、根、および葉など)のうち、樹皮を剥ぎ、葉や根を取り除いて、枝や幹のみを使用してチップ状の木の粉としたもの)に、松脂、蜂ヤニ、ブラックミント、およびローズマリーを含有させて、水と乾燥寒天を配合した後に乾燥させて固形化し、所定の形状とした固形材料からなる吸煙用材料である。この固形材料Dを燃焼させた際の煙中に含まれる成分(煙成分)は、上述の固形材料Cを燃焼させた際の煙中に含まれる成分(煙成分)の効果に加え、ローズマリーが香料として作用するとともに、ローズマリーの煙中に含まれる成分(煙成分)が鼻炎抑制剤として作用し、鼻の通りがよくなったとの報告が得られている。
社松(ネズ、別名ムロノキ)の葉は、社松(Juniperus rigida)の木の成分(樹皮、枝、幹、根、および葉など)のうち、葉だけを使用して乾燥させ、粉末状としたものである。
これらの試料は、GC−MS分析によって、成分分析を行った。GC−MS分析では、A7890Aガスクロマトグラフシステム(GC)、および5975C質量分析計検出器(MS)(Agilent Technologies、CA、USA)を組み合わせて使用した。DB−WAXカラム(60m、0.25mmID、0.25μmDf)を用いて、試料構成成分を分離した。自動サンプラーMPS2(GERSTEL、Mulheim an der Ruhr、Germany)に取り付けられた固相マイクロ抽出(SPME)繊維(50/30 lm ジビニルベンゼン/カルボキシン/ポリジメチルシロキサン)を用いて、80℃で40分間(予備加熱10分、抽出30分)、揮発性成分を抽出した。その後、SPME繊維をGC注入室に移し、試料を250℃で注入した。GCオーブンは、40℃で開始し、10分間保持し、次に5℃/分で220℃まで上昇させ、12分間保持するようにプログラムした。なお分析は、従来技術(Hattan et al.2016 Planta vol.243、page959−972)を参照して行った。
図8は、桜樹皮の吸煙用材料をGC−MS分析して得られた、トータルイオンカレント(TIC)クロマトグラムの結果図である。横軸はカラムに導入してからの時間(保持時間)、縦軸はイオン強度である。図8には、検出された成分の化学構造式が記載されている。表8に、桜樹皮の吸煙用材料の成分一覧を示す。
表8に示される通り、桜樹皮の吸煙用材料は、Acetic acid(CAS番号:000064−19−7)、alpha−Longipinene(CAS番号:005989−08−2)、Pentadecane(CAS番号:000629−62−9)、(+)−LONGICYCLENE(CAS番号:999192−12−2)、Benzaldehyde(CAS番号:000100−52−7)、1−Octanоl(CAS番号:000111−87−5)、Isolongifolene(CAS番号:001135−66−6)、Carbitоl(CAS番号:000111−90−0)、(−)−Menthol(CAS番号:002216−51−5)、1H−Benzocycloheptene,2,4a,(CAS番号:003853−83−6)、beta−Himachalene(CAS番号:001461−03−6)、Butyldiglycol(CAS番号:000112−34−5)、Hexanоic acid(CAS番号:000142−62−1)、およびBenzyl Alcohol(CAS番号:000100−51−6)からなる群から選択された1つまたは複数の成分を含む。
図9は、桜チップを含有する固形材料AをGC−MS分析して得られた、トータルイオンカレント(TIC)クロマトグラムの結果図である。横軸はカラムに導入してからの時間(保持時間)、縦軸はイオン強度である。図9には、検出された成分の化学構造式が記載されている。表9に、桜チップを含有する固形材料Aの成分一覧を示す。
表9に示される通り、固形材料Aの吸煙用材料は、Acetic acid(CAS番号:000064−19−7)、Furfural(CAS番号:000098−01−1)、Decanal(CAS番号:000112−31−2)、Benzaldehyde(CAS番号:000100−52−7)、n−Hexadecane(CAS番号:000544−76−3)、(E)−Geranylacetone(CAS番号:003796−70−1)、Benzyl alcohol(CAS番号:000100−51−6)、およびMethylpropanoicacid,C8Hydroxyester(CAS番号:074367−33−2)、からなる群から選択された1つまたは複数の成分を含み、前記1つまたは複数の成分が煙として抽出された煙成分が、鼻炎を抑制する有効成分となると考えられる。これらの群から選択された、1つまたは複数の成分を含有することで、アレルギー性鼻炎を抑制する抗アレルギー剤とすることができる。
図10は桜チップと松脂を含む固形材料BをGC−MS分析して得られた、トータルイオンカレント(TIC)クロマトグラムの結果図である。横軸はカラムに導入してからの時間(保持時間)、縦軸はイオン強度である。図10には、検出された成分の化学構造式が記載されている。表10に、桜チップと松脂を含む固形材料Bの成分一覧を示す。
表10に示される通り、固形材料Bの吸煙用材料は、松脂由来成分が多く検出されている。固形材料Bは、alpha−Longipinene(CAS番号:005989−08−2)、(+)−Cyclosativene(CAS番号:022469−52−9)、Longicyclene(CAS番号:001137−12−8)、(+)−Sativen(CAS番号:003650−28−0)、Isolongifolene(CAS番号:001135−66−6)、(+)−Longifolene(CAS番号:000475−20−7)、beta−Caryophyllene(CAS番号:000087−44−5)、Humulen−(v1)(CAS番号:999192−16−3)、およびIsocaryophyllene(CAS番号:000118−65−0)、からなる群から選択された1つまたは複数の成分を含み、前記1つまたは複数の成分が煙として抽出された煙成分が、鼻炎を抑制する有効成分となると考えられる。これらの群から選択された、1つまたは複数の成分を含有することで、アレルギー性鼻炎を抑制する抗アレルギー剤とすることができる。
図11は桜チップと松脂を含む固形材料Bの煙をGC−MS分析して得られた、トータルイオンカレント(TIC)クロマトグラムの結果図である。横軸はカラムに導入してからの時間(保持時間)、縦軸はイオン強度である。図11には、検出された成分の化学構造式が記載されている。表11に、桜チップと松脂を含有する固形材料Bの煙の成分一覧を示す。
表11に示される通り、固形材料Bの煙は少なくとも、Acetic acid(CAS番号:000064−19−7)、Furfural(CAS番号:000098−01−1)、Creоsоl(CAS番号:000093−51−6)、およびPhenоl(CAS番号:000108−95−2)、からなる群から選択された1つまたは複数の成分を含む。前記1つまたは複数の成分が煙として抽出された煙成分は、鼻炎を抑制する有効成分となる可能性がある。これらの群から選択された、1つまたは複数の成分を含有することで、アレルギー性鼻炎を抑制する抗アレルギー剤となる可能性がある。
ただし、煙を試料とする場合、その測定方法は未だ十分に確立されているとは言えず、固形材料Bの煙を試料として得た本結果は、測定方法として不十分である可能性がある。すなわち、固形材料Bから煙として抽出されるべき煙成分の全てを正確に検出できているかは不明であり、煙から抽出されるべき煙成分の一部或いは全部が、化学変化、変性、吸収、拡散等をして、測定不可となっている可能性がある。このように、煙試料の正確な測定方法は確立できていないため、本発明においては、吸煙用材料の燃焼前の成分に基づいた記載をしており、それらの成分が煙として抽出された煙成分が鼻炎を抑制する有効成分となる、と記載している。
図12は、固形材料Cの吸煙用材料をGC−MS分析して得られた、トータルイオンカレント(TIC)クロマトグラムの結果図である。横軸はカラムに導入してからの時間(保持時間)、縦軸はイオン強度である。図12には、検出された成分の化学構造式が記載されている。表12に、固形材料Cの吸煙用材料の成分一覧を示す。
表12に示される通り、固形材料Cの吸煙用材料は、alpha−Longipinene(CAS番号:005989−08−2)、(+)−Cyclosativene(CAS番号:022469−52−9)、(+)−Longicyclene(CAS番号:999192−12−2)、(+)−Sativen(CAS番号:003650−28−0)、longifolene(CAS番号:000475−20−7)、trans−caryоphyllene(CAS番号:000087−44−5)、Isocaryophillene(CAS番号:999191−50−9)、alpha−Humulen(CAS番号:006753−98−6)、delta−Elemene(CAS番号:020307−84−0)、delta−Cadinene(CAS番号:00483−76−1)、および(−)−Caryоphyllene oxide(CAS番号:001139−30−6)、からなる群から選択された1つまたは複数の成分を含み、前記1つまたは複数の成分が煙として抽出された煙成分が、鼻炎を抑制する有効成分となると考えられる。これらの群から選択された、1つまたは複数の成分を含有することで、アレルギー性鼻炎を抑制する抗アレルギー剤とすることができる。
図13は、固形材料Dの吸煙用材料をGC−MS分析して得られた、トータルイオンカレント(TIC)クロマトグラムの結果図である。横軸はカラムに導入してからの時間(保持時間)、縦軸はイオン強度である。図13には、検出された成分の化学構造式が記載されている。表13に、固形材料Dの吸煙用材料の成分一覧を示す。
表13に示される通り、固形材料Dの吸煙用材料は、alpha−Longipinene(CAS番号:005989−08−2)、(+)−Cycloisosativene(CAS番号:999191−89−0)、(+)−Longicyclene(CAS番号:999192−12−2)、(+)−Sativene(CAS番号:003650−28−0)、longifolene(CAS番号:000475−20−7)、trans−caryоphyllene(CAS番号:000087−44−5)、trans−beta−Farnesene(CAS番号:000502−60−3)、alpha−Humulene(CAS番号:006753−98−6)、delta−Elemene(CAS番号:020307−84−0)、およびdelta−Cadinene(CAS番号:00483−76−1)、からなる群から選択された1つまたは複数の成分を含み、前記1つまたは複数の成分が煙として抽出された煙成分が、鼻炎を抑制する有効成分となると考えられる。これらの群から選択された、1つまたは複数の成分を含有することで、アレルギー性鼻炎を抑制する抗アレルギー剤とすることができる。
図14は、社松(ムロノキ、別名ネズ)の葉を粉状とし、これに水を配合した試料をGC−MS分析して得られた、トータルイオンカレント(TIC)クロマトグラムの結果図である。横軸はカラムに導入してからの時間(保持時間)、縦軸はイオン強度である。図14には、検出された成分の化学構造式が記載されている。表14に、社松の葉の試料の成分一覧を示す。
表14に示される通り、社松の葉の試料は、alpha−pinene(CAS番号:000080−56−8)、camphene(CAS番号:000079−92−5)、(1S)−(1)−beta−Pinene(CAS番号:018172−67−3)、Myrcene(CAS番号:000123−35−3)、Nesol(CAS番号:000138−86−3)、beta−phellandrene(CAS番号:000555−10−2)、bornyl acetate(CAS番号:000076−49−3)、beta−Caryophyllene(CAS番号:000087−44−5)、2,2,6,10−Tetramethylbicyclo[5.4.0]undeca−9,11−diene(CAS番号:999192−35−5)、10s,11s−Himachala−3(12),4−diene(CAS番号:060909−28−6)、(+)1a7,4a,9,10,10a−dodecahydro−1,4a,7−trimethyl−7−vinyl−1−phenanthrencarbal(CAS番号:999421−82−3)、alpha−Bisabolol(CAS番号:000515−69−5)、の成分を含む。社松の葉の試料と、上述したその他の吸煙用材料とを比較すると、その他の吸煙用材料には、社松の葉には含まれていない成分が含まれていた。
本発明の固形材料(吸煙用材料)に火を付けたり摩擦したり蒸したり冷却して水又はオイル(油)と反応させたりして煙成分を発生させる方法(燻煙方法)としては、従来公知の燻煙方法が適用できる。例えば、吸煙用材料を密閉した容器(例えば金属製、セラミック製容器)内で、直接的又は間接的に加熱する方法が挙げられる。
吸煙用材料を直接的に加熱する方法としては、吸煙用材料の一部分に直接点火して吸煙用材料を燃焼させる方法や、密閉容器内のスリ板を摩擦することで吸煙用材料に火をつけて煙を発生させる方法などがある。
吸煙用材料を間接的に加熱する方法としては、吸煙用材料を燃焼することなく、成分が熱分解を生じ得る熱エネルギーを吸煙用材料に供給する方法が挙げられ、具体的には、加水発熱剤(水と接触して発熱する物質)を水と接触させ、その水和反応熱を利用して吸煙用材料を150〜450℃程度の温度に加熱させ、蒸散させる方法が挙げられる。加水発熱剤としては、酸化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化鉄、酸化鉄等が挙げられ、これらの混合調整により、吸煙用材料が蒸散温度に達するまでの時間を調整することができる。なお吸煙用材料中に、蒸散促進作用のある発泡剤(例えば、アゾジカルボンアミド、硝酸アンモニウム、およびニトロセルロース等)を配合してもよい。間接的に加熱する方法により、燃えカス等を抑制することができ、ハウスダストとなるアレルギー物質を低減することができる。
その他、吸煙用材料を蒸すことで、吸煙用材料に含まれる有効成分の蒸散温度以上としてそれらを蒸散させる方法をとることもできる。また、吸煙用材料またはその有効成分を溶剤に溶解した液状のものを、吸液芯を備えた装置に収容し、吸液芯に吸液させ、該吸液芯を加熱することで有効成分を徐々に揮発させる方法をとることもできる。
以上、本発明は実施の形態に限らず適宜変更実施可能である。例えば、本発明の吸煙用材料は、前記煙成分が、お香(線香を含む。)、お灸、燻製スモーク材料、煙草(水たばこを含む。)、殺虫剤(煙成分を室内や車内・機内などの所定空間に拡散させる燻製・燻蒸式のものを含む。)、芳香剤(煙成分を室内や車内・機内などの所定空間に拡散させる燻製・燻蒸式のものを含む。)、脱臭剤(煙成分を室内や車内・機内などの所定空間に拡散させる燻製・燻蒸式のものを含む。)に含まれたものとすることができる。また吸煙用材料として、上記煙成分が、口から鼻を覆うために使用するマスク、身体を覆う被服、鼻の穴の中に入れて使用する錠剤、カプセル剤、又は、鼻の穴の中に入れて使用する布製材、織物材、編物材、或いは、これらに水又はオイル(油)などの液状物を含ませて鼻の穴の中に入れて使用する布製材、織物材、編物材に担持されたものとすることもできる。また本発明の吸煙用材料を用いて、例えば、住宅の室内において本発明の吸煙用材料を用いて煙を発生させて、アレルギー性鼻炎抑制効果を有する煙成分を室内空間に浮遊・充満させ、吸煙用材料の煙から抽出されたアレルギー性鼻炎抑制効果を有する煙成分を、室内の繊維製品等の吸着材に付着・吸着させ、居住者がこの部屋を利用することでアレルギー性鼻炎抑制効果を得ることができる。また本発明の鼻炎抑制用の抗アレルギー剤の製造方法として、木の樹皮、葉、果実および根を除いた枝と幹を粉状にして、木の樹皮、葉から抽出されるオイルを含む水溶液または木の実や果実から抽出される粘性の水溶液(果汁を含む水溶液)を加えて固めて固形形状にして、火を付けたり摩擦したり蒸したり冷却して水又はオイル(油)と反応させたりして、鼻炎を抑制する鼻炎抑制成分としての煙成分を抽出することで、鼻炎抑制用の抗アレルギー剤を製造することもできる。
1 吸煙用材料(吸着材)、
2 線香(吸煙用材料、吸着材)、
3 容器、
4 スプレー、
5 芯、
B マイクロカプセル(煙成分が入ったビーズ)、
F 花粉、
K 煙抽出分(煙、煙成分)、
T1 タバコ,Tf フィルター,T2 煙を出す穴、
W 水、植物汁、果汁


Claims (18)

  1. 木の成分を粉状にした木の粉に、水又はオイル(油)を加えて固形材料にして、この固形材料に火を付けたり摩擦したり蒸したり冷却して水又はオイル(油)と反応させたりして煙成分を発生させることを特徴とする吸煙用材料。
  2. 前記水に植物の葉や茎を絞って得られる植物汁及び/又は木の実や果実を絞って得られる果汁を加えたものであることを特徴とする請求項1記載の吸煙用材料。
  3. 前記オイルが松脂(松脂エキスを含む)または松葉(松葉エキスを含む)であることを特徴とする請求項1記載の吸煙用材料。
  4. 前記煙成分が、編物、織物、不織布、布製材料、紙製材料、多孔性樹脂成形体、活性炭、多孔質セラミックス材、多孔質材料に担持されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の吸煙用材料。
  5. 前記煙成分が、口から鼻を覆うために使用するマスク、身体を覆う被服、鼻の穴の中に入れて使用する錠剤、カプセル剤、又は、鼻の穴の中に入れて使用する布製材、織物材、編物材、或いは、これらに水又はオイル(油)などの液状物を含ませて鼻の穴の中に入れて使用する布製材、織物材、編物材に担持されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の吸煙用材料。
  6. 前記煙成分が、お香(線香を含む。)、お灸、燻製スモーク材料、煙草(水たばこを含む。)、殺虫剤(煙成分を室内や車内・機内などの所定空間に拡散させる燻製・燻蒸式のものを含む。)、芳香剤(煙成分を室内や車内・機内などの所定空間に拡散させる燻製・燻蒸式のものを含む。)、脱臭剤(煙成分を室内や車内・機内などの所定空間に拡散させる燻製・燻蒸式のものを含む。)に含まれていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の吸煙用材料。
  7. 木の成分を粉状した木の粉に、水又はオイル(油)を加えて固形材料にして、火を付けたり摩擦したり蒸したり冷却して水又はオイル(油)と反応させたりして抽出した煙成分を抽出することを特徴とする煙成分の抽出方法。
  8. 木の樹皮、葉、果実および根を除いた枝と幹を粉状にして、木の樹皮や葉から抽出される油脂を含む水溶液または木の実や果実から抽出される粘性の水溶液(果汁を含む水溶液)を加えて固めて固形材料にして、火を付けたり摩擦したり蒸したり冷却して水又はオイル(油)と反応させたりして、抽出した煙成分を抽出することを特徴とする煙成分の抽出方法。
  9. 前記固形材料に固めるに際して、蜂蜜、蜂ヤニ、海草のり、寒天、デンプン、コーンスターチ、グァーガム、マンナン、ブラックミント、レモンバーム、ローズマリー、アロエの群からなる物質のうち、少なくとも1種以上の物質を加えて固めることを特徴とする請求項7又は8記載の煙成分の抽出方法。
  10. 木の成分を粉状にした木の粉に、水又はオイル(油)を加えて固形材料にして、火を付けたり摩擦したり蒸したり冷却して水又はオイル(油)と反応させたりして抽出した煙成分であることを特徴とする鼻炎抑制用の抗アレルギー剤。
  11. 前記オイルが植物の葉や茎を絞って得られる植物汁又は木の実や果実を絞って得られる果汁を加えたものであることを特徴とする請求項10記載の鼻炎抑制用の抗アレルギー剤。
  12. 前記オイルが松脂(松脂エキスを含む)または松葉(松葉エキスを含む)であることを特徴とする請求項10記載の鼻炎抑制用の抗アレルギー剤。
  13. 前記オイルが松脂(松脂エキスを含む)であり、alpha−Longipinene(CAS番号:005989−08−2)、(+)−Cyclosativene(CAS番号:022469−52−9)、Longicyclene(CAS番号:001137−12−8)、(+)−Sativen(CAS番号:003650−28−0)、Isolongifolene(CAS番号:001135−66−6)、(+)−Longifolene(CAS番号:000475−20−7)、beta−Caryophyllene(CAS番号:000087−44−5)、Humulen−(v1)(CAS番号:999192−16−3)、およびIsocaryophyllene(CAS番号:000118−65−0)、からなる群から選択された1つ或いは複数の松脂由来成分を含むか、又は、これらを煙成分として含むことを特徴とする請求項10記載の鼻炎抑制用の抗アレルギー剤。
  14. 前記木の成分がバラ科に分類される木の成分であることを特徴とする請求項10ないし13記載の鼻炎抑制用の抗アレルギー剤。
  15. 前記木がサクラであり、ヤマザクラ(Cerasus jamasakura)、オオヤマザクラ(Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)、カスミザクラ(Cerasus leveilleana ( Koehne ) H.Ohba, 2001)、オオシマザクラ(Cerasus speciosa (Koidz.) H.Ohba, 1992)、エドヒガン(Cerasus itosakura (Sieb.) Masam. & Suzuki f. ascendens (Makino) H.Ohba & H.Ikeda)、チョウジザクラ(Cerasus apetala (Sieb. & Zucc.) Masam. & S.Suzuki var. tetsuyae H.Ohba)、マメザクラ(Cerasus incisa (Thunb.) Loisel.)、タカネザクラ(Cerasus nipponica (Matsum.) Masam. & S.Suzuki)、ミヤマザクラ(Cerasus maximowiczii (Rupr.) Kom. in Kom. & Klob.−Alis.)、カンヒザクラ(Cerasus campanulata (Maxim.) Masam. & S.Suzuki)からなる群から選択された1つまたは複数のサクラであることを特徴とする請求項10ないし14記載の鼻炎抑制用の抗アレルギー剤。
  16. サクラの木から抽出された、Acetic acid(CAS番号:000064−19−7)、Furfural(CAS番号:000098−01−1)、Decanal(CAS番号:000112−31−2)、Benzaldehyde(CAS番号:000100−52−7)、n−Hexadecane(CAS番号:000544−76−3)、(E)−Geranylacetone(CAS番号:003796−70−1)、Benzyl alcohol(CAS番号:000100−51−6)、およびMethylpropanoicacid,C8Hydroxyester(CAS番号:074367−33−2)、からなる群から選択された1つまたは複数のサクラ由来成分を含むか、又は、前記成分が煙として抽出された煙成分として含まれることを特徴とする請求項10ないし15のいずれか1項記載の鼻炎抑制用の抗アレルギー剤。
  17. 前記木の成分が社松の葉の成分であり、alpha−pinene(CAS番号:000080−56−8)、camphene(CAS番号:000079−92−5)、(1S)−(1)−beta−Pinene(CAS番号:018172−67−3)、Myrcene(CAS番号:000123−35−3)、Nesol(CAS番号:000138−86−3)、beta−phellandrene(CAS番号:000555−10−2)、bornyl acetate(CAS番号:000076−49−3)、beta−Caryophyllene(CAS番号:000087−44−5)、2,2,6,10−Tetramethylbicyclo[5.4.0]undeca−9,11−diene(CAS番号:999192−35−5)、10s,11s−Himachala−3(12),4−diene(CAS番号:060909−28−6)、(+)1a7,4a,9,10,10a−dodecahydro−1,4a,7−trimethyl−7−vinyl−1−phenanthrencarbal(CAS番号:999421−82−3)、alpha−Bisabolol(CAS番号:000515−69−5)、からなる群から選択された1つ或いは複数の社松の葉由来成分を含むか、又は、これらを煙成分として含むことを特徴とする請求項10ないし13のいずれか1項記載の鼻炎抑制用の抗アレルギー剤。
  18. 木の樹皮、葉、果実および根を除いた枝と幹を粉状にして、木の樹皮、葉から抽出されるオイルを含む水溶液または木の実や果実から抽出される粘性の水溶液(果汁を含む水溶液)を加えて固めて固形形状にして、火を付けたり摩擦したり蒸したり冷却して水又はオイル(油)と反応させたりして、鼻炎を抑制する鼻炎抑制成分としての煙成分を抽出してなることを特徴とする鼻炎抑制用の抗アレルギー剤の製造方法。


JP2018191499A 2018-04-13 2018-10-10 吸煙用材料及び抗アレルギー剤 Pending JP2019182827A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018077874 2018-04-13
JP2018077874 2018-04-13

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019182827A true JP2019182827A (ja) 2019-10-24

Family

ID=68339627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018191499A Pending JP2019182827A (ja) 2018-04-13 2018-10-10 吸煙用材料及び抗アレルギー剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019182827A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5323064B2 (ja) 天然ハーブ植物を素材としたタバコフィルタ及びこれを採用したタバコ
KR20210127731A (ko) 에어로졸 생성 재료의 블렌드를 함유하는 충전제
JP6087951B2 (ja) 喫煙の化学受容を刺激するためのデバイス及び方法
KR100739872B1 (ko) 녹차를 주성분으로 한 담배대용품 및 그 제조방법
JP2024054280A (ja) 複数相送達組成物及びそのような組成物を組み込んだ製品
JP2022519877A (ja) エアロゾル生成用の再構成大麻材料
CN113677221B (zh) 包含再造可可壳纤维材料的气溶胶产生材料
KR20200064997A (ko) 태우지 않고 담배를 가열하는 장치를 위한 재구성 식물 시트
US20220354821A1 (en) Defined dose cannabis pod
JP2022520940A (ja) エアロゾル生成用の再構成カカオ材料
CN105660623A (zh) 一种中草药燃薰排毒驱蚊香及其制备方法
WO2019149257A1 (zh) 一种加热蒸发本草熏支
CN113662234B (zh) 抑菌抗菌的雾化液及其制备方法
JP2019182827A (ja) 吸煙用材料及び抗アレルギー剤
CN108669636B (zh) 花香风格的烟草组合物、发烟段以及加热不燃烧卷烟烟棒
KR102575957B1 (ko) 케나프 잎을 이용한 담배 및 이의 제조방법
CN110477436A (zh) 一种烟用香精缓释粒子的制备方法及应用
CN215189454U (zh) 加热不燃烧薄片、加热不燃烧制品
CN109922676A (zh) 用于调节烟草或草药烟雾的感官影响的试剂和方法
KR101273925B1 (ko) 친환경 기능성 살충 조성물
US20220369693A1 (en) Process For Incorporating Additives Into Aerosol-Producing Substrates and Products Made Therefrom
KR101685530B1 (ko) 오리나무를 이용한 금연보조제
KR100649552B1 (ko) 담배 형태의 휘발성 물질 흡입장치
CN112007090A (zh) 一种琥珀香及其制备方法
JPH07274923A (ja) たばこ煙香料の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20181127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191015

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191206

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20191219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200210

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200623