JP2019181347A - 脱硫剤、脱硫方法及び脱硫システム - Google Patents

脱硫剤、脱硫方法及び脱硫システム Download PDF

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晃平 江口
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正浩 白木
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Abstract

【課題】広い温度域での脱硫性能に優れる脱硫剤、並びにこの脱硫剤を用いた脱硫方法及び脱硫システムの提供。【解決手段】活性炭と、前記活性炭に添着された金属とを含み、前記金属は銅と、ニッケル及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種と、モリブデンと、を含み、硫黄化合物を含む物質の脱硫に用いるための脱硫剤。【選択図】なし

Description

本発明は、脱硫剤、脱硫方法及び脱硫システムに関する。
都市ガス、液化石油(LP:liquefied petroleum)ガス、天然ガス等の燃料ガスは、工業用燃料や家庭用燃料として用いられるほか、水素の製造用原料としても用いられる。
水素の工業的製造方法の1つである水蒸気改質法では、燃料ガスに含まれるメタン、エタン、プロパン、ブタン等の低級炭化水素ガスを、触媒の存在下で水蒸気を加えて改質することによって、水素を主成分とする改質ガスを生成させる。
しかしながら、燃料ガスは一般に硫黄化合物を含有するため、水蒸気の改質プロセスで用いられる触媒が硫黄化合物によって被毒して触媒機能が低下するおそれがある。さらにこのプロセスを燃料電池システムに適用する場合には、改質器の触媒だけでなく、発電セル内の電極触媒も硫黄化合物による被毒の影響を受けるおそれがある。このため、燃料ガス中に含まれる硫黄化合物を除去(脱硫)することが行われている。また、石油精製プロセスにおいては原油に含まれる硫黄化合物を除去した上で、各種目的物の製造が行われる。
燃料ガス、原油等の硫黄化合物を含む物質(以下、脱硫対象ともいう)から硫黄化合物を除去する手法としては、水素化脱硫方式と常温吸着脱硫方式が主に知られている。このうち水素化脱硫方式では一般に、脱硫剤を充填した容器(脱硫器)の温度を200℃〜400℃程度に設定し、ここに硫黄成分を含むガスを流通させて硫黄成分を除去する。より具体的には、触媒反応を用いて脱硫対象中の硫黄化合物を水素と反応させて硫化水素(HS)に変換し、次いで生成した硫化水素を金属と反応させて金属硫化物として脱硫剤上に固定させる。
水素化脱硫方式で用いる脱硫剤としては、硫化水素の吸着能に優れる銅と、必要に応じて亜鉛、鉄、ニッケル等の他の金属とを併用したものなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
常温吸着脱硫方式で用いる脱硫剤としては、活性炭に銅及びニッケルを添着させて硫黄化合物の吸着性能を高めたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−61154号公報 特開2017−51928号公報
水素化脱硫方式に広く使用されている金属酸化物を用いた脱硫剤は、脱硫器の温度が低下すると硫黄化合物の水素化ができなくなり脱硫性能が顕著に低下する傾向にある。そこで、脱硫システムの運転の効率化、脱硫器の設計の自由度向上等の観点から、より広い温度域で安定した脱硫性能を示す脱硫剤の開発が望まれている。
本発明は上記事情に鑑み、広い温度域での脱硫性能に優れる脱硫剤を提供することを課題とする。本発明はまた、上記脱硫剤を用いた脱硫方法及び脱硫システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>活性炭と、前記活性炭に添着された金属とを含み、前記金属は銅と、ニッケル及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種と、モリブデンと、を含み、硫黄化合物を含む物質の脱硫に用いるための脱硫剤。
<2>前記脱硫の少なくとも一部が水素化脱硫方式で行われる、<1>に記載の脱硫剤。
<3>前記脱硫の少なくとも一部が100℃以上で行われる、<1>又は<2>に記載の脱硫剤。
<4><1>〜<3>のいずれか1項に記載の脱硫剤に硫黄化合物を含む物質を接触させる工程を含む、脱硫方法。
<5>前記硫黄化合物を含む物質が燃料ガス又は原油である、<4>に記載の脱硫方法。
<6><1>〜<3>のいずれか1項に記載の脱硫剤を含み、前記脱硫剤に硫黄化合物を含む物質を接触させる脱硫部を備える、脱硫システム。
<7>前記硫黄化合物を含む物質が燃料ガス又は原油である、<6>に記載の脱硫システム。
本発明によれば、広い温度域での脱硫性能に優れる脱硫剤が提供される。また本発明によれば、上記脱硫剤を用いた脱硫方法及び脱硫システムが提供される。
実施例の評価試験に用いた脱硫器の概略図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書において、脱硫剤中の各成分の量は、各成分に該当する物質が、脱硫剤中に複数種存在する場合には、特に断らない限り、脱硫剤中に存在する複数種の物質の合計量を意味する。
[脱硫剤]
本発明の脱硫剤は、活性炭と、前記活性炭に添着された金属とを含み、前記金属は銅と、ニッケル及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種と、モリブデンと、を含み、硫黄化合物を含む物質の脱硫に用いるための脱硫剤である。
上記脱硫剤は、水素化脱硫方式の脱硫プロセス用の脱硫剤として一般的である活性炭を用いない脱硫剤に比べ、低温での脱硫性能に優れている。これは、温度低下により硫黄化合物の水素化効率が低下しても、脱硫剤に含まれる活性炭が硫黄化合物を水素化せずに吸着する性質を有しているため、脱硫性能の低下が抑制されるためと考えられる。
したがって、上記脱硫剤を用いることで、従来の脱硫剤を用いる場合よりも広い温度範囲で脱硫を実施できる、脱硫器の運転を効率化できる、脱硫器の起動停止時の硫黄吸着用に脱硫剤を増量する必要がなくなる等の効果が期待できる。さらに、活性炭は比較的安価な材料であるため、脱硫プロセスのコスト低減効果も期待できる。
一方、活性炭は常温で使用する硫黄化合物の吸着剤としての利用が提案されているが、これを水素化脱硫に利用しようという試みはこれまでなされてこなかった。本発明の脱硫剤は、活性炭に特定の金属を添着させることで、高温で実施される水素化脱硫用の脱硫剤としても利用可能としたものである。
上記脱硫剤を用いる脱硫は、その少なくとも一部が水素化脱硫方式で行われるものであってもよい。この場合の脱硫は、全工程を水素化脱硫方式で実施するものであっても、一部の工程を他の方式(常温吸着脱硫方式等)で実施するものであってもよい。
上記脱硫剤を用いる脱硫は、その少なくとも一部が100℃以上で行われるものであってもよい。この場合の脱硫は、全工程を100℃以上で実施するものであっても、一部を100℃未満で実施するものであってもよい。また、脱硫を実施する方式は水素化脱硫方式、常温吸着脱硫方式、その他の方式のいずれであってもよく、これらの組合せであってもよい。
本発明者らの検討の結果、銅と、ニッケル及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種とに加えてモリブデンを活性炭に添着させた脱硫剤は、銅と、ニッケル及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種のみを活性炭に添着させた脱硫剤に比べ、高温条件下でも優れた脱硫性能を示すことがわかった。これは、高温条件下において活性炭に添着させたモリブデンがニッケル又はコバルトとともに水素化脱硫触媒として作用し、脱硫性能を向上させるためと考えられる。
上記脱硫剤を用いる脱硫は、400℃以下で実施されるものであってもよい。この場合の脱硫は、少なくとも一部を100℃〜350℃の温度条件下で実施することが好ましく、200℃〜300℃の温度条件下で実施することがより好ましい。
<活性炭>
本発明の脱硫剤に含まれる活性炭の種類は特に制限されない。例えば、吸着剤の材料として通常用いられる活性炭を用いることができる。
活性炭の原料としては、ヤシ殻、石炭(無煙炭、瀝青炭等)、木粉、ピート炭、竹炭などが挙げられる。
これらの中でも、活性炭の原料としては、平均細孔径が小さく、不純物の含有量が少ないという観点から、ヤシ殻が好ましい。
活性炭は、無機酸で処理された活性炭であることが好ましい。活性炭を無機酸で処理すると、不純物が除去され、比表面積が向上したり、活性炭の表面が親水化されたりするため、添着金属の分散度がより向上し得る。
活性炭を処理する無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられる。
活性炭の形状としては、特に制限されず、粒状、柱状、繊維状、ハニカム状、破砕状等が挙げられる。
これらの中でも、活性炭の形状としては、コスト面の観点から、粒状、柱状、及び破砕状から選ばれる少なくとも1種の形状が好ましい。密度が高く、かつ、微細粉を含まないという観点からは、粒状及び柱状から選ばれる少なくとも1種の形状がより好ましい。
活性炭の形状が粒状である場合、活性炭の平均粒子径は、例えば、ガス流量が10L(リットル)/min以下では、ガスの偏流防止の観点及び脱硫剤の流出防止フィルターのメッシュ間隔の観点から、0.5mm〜5.0mmであることが好ましく、2.0mm〜4.0mmであることがより好ましい。本明細書において「平均粒子径」とは、体積平均粒子径(Mv)をいい、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定される値である。
活性炭の比表面積は、例えば、活性炭に添着する金属の分散度を向上させる観点から、600m/g以上であることが好ましく、1200m/g以上であることがより好ましい。活性炭の比表面積の上限は特に制限されないが、例えば、2000m/g以下であることが好ましく、1500m/g以下であることが好ましい。本明細書において「比表面積」は、BET法により測定される値である。
活性炭の平均細孔径は、例えば、硫黄化合物の分子径に合った孔径であるという観点から、0.9nm〜2.0nmであることが好ましく、0.9nm〜1.5nmであることがより好ましい。本明細書において、「平均細孔径」は、窒素ガス吸着法により測定される値である。
<金属>
本発明の脱硫剤は、活性炭に添着された金属として銅と、ニッケル及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種と、モリブデンと、を含む。
活性炭に添着された金属の大部分は、金属元素を含む化合物(酸化物、無機酸塩、有機酸塩等)として含まれていると考えられるが、金属単体として含まれていてもよい。
脱硫剤に占める金属の割合(活性炭への添着量)は、例えば、脱硫剤の全質量に対して1質量%〜40質量%であることが好ましく、5質量%〜35質量%であることがより好ましく、10質量%〜30質量%であることが更に好ましい。前記割合は、金属単体に換算した値である。
活性炭に添着された金属は、必要に応じ、銅、ニッケル、コバルト及びモリブデン以外の金属を含んでもよい。銅、ニッケル及びモリブデン以外の金属としては、亜鉛、マグネシウム、タングステン、銀、マンガン、鉄、クロム等が挙げられる。
脱硫剤に含まれる金属のうち、銅、ニッケル、コバルト及びモリブデンのそれぞれの割合は特に制限されないが、例えば、銅を1としたときのニッケル、コバルト及びモリブデンの割合が、質量比でそれぞれ独立に0.1〜2.0の範囲であってもよく、0.1〜1.0の範囲であってもよい。前記割合は、金属単体に換算した値である。
脱硫剤に含まれる金属のうち、銅、ニッケル、コバルト及びモリブデンの割合は特に制限されないが、例えば、これらの合計が金属全体の80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。前記割合は、金属単体に換算した値である。
本発明の脱硫剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、活性炭及び金属以外の他の成分を含んでもよい。また、セラミックス等の部材と組み合わせたものであってもよい。
脱硫剤の形状は、特に制限されず、目的に応じて、適宜選択することができる。脱硫剤の形状としては、粒状、柱状、繊維状、ハニカム状、破砕状等が挙げられる。
これらの中でも、脱硫剤の形状としては、コスト面の観点から、粒状、柱状、及び破砕状から選ばれる少なくとも1種の形状が好ましい。密度が高く、かつ、微細粉を含まないという観点からは粒状及び柱状から選ばれる少なくとも1種の形状がより好ましい。
本発明の脱硫剤は、水素化脱硫方式によって脱硫対象に含まれる硫黄化合物を除去するあらゆる用途に用いられる。たとえば、燃料電池システムに供給される燃料ガス中の硫黄化合物の除去のために用いられる。
脱硫対象は、硫黄化合物を含む物質であれば特に制限されず、気体、液体、固体のいずれであってもよい。気体である脱硫対象としては、空気、都市ガス、LPガス、天然ガス、消化ガス、排ガス等が挙げられる。液体である脱硫対象としては、原油等が挙げられる。
脱硫対象に含まれる硫黄化合物として具体的には、硫黄酸化物(SO、SO等)、硫化水素(HS)、硫化カルボニル(COS)、メルカプタン類〔メチルメルカプタン(MM)、エチルメルカプタン(EM)、tert-ブチルメルカプタン(TBM)等〕、サルファイド類〔ジメチルスルフィド(DMS)、ジエチルスルフィド(DES)、ジメチルジスルフィド(DMDS)等〕、チオフェン類〔テトラヒドロチオフェン(THT)等〕などの種々の硫黄化合物が挙げられる。脱硫対象に含まれる硫黄化合物は、人為的に添加した硫黄化合物と不可避的に含まれる硫黄化合物のいずれであってもよい。
[脱硫方法]
本発明の脱硫方法は、上述した脱硫剤に脱硫対象を接触させる工程(脱硫工程)を備える。
上記方法における脱硫工程の少なくとも一部が水素化脱硫方式によるものである場合、脱硫工程は具体的には、脱硫対象に含まれる硫黄化合物を水素と反応させて硫化水素(HS)に変換する工程と、生成した硫化水素を脱硫対象から分離する工程と、を含む。
脱硫対象に含まれる硫黄化合物を水素と反応させて硫化水素(HS)に変換する工程は、触媒反応を用いるものであってもよい。また、生成した硫化水素を脱硫対象から分離する工程は、生成した硫化水素を脱硫剤に含まれる金属と反応させて金属硫化物(CuS等)として脱硫剤上に固定させるものであっても、硫化水素をそのまま脱硫剤に吸着させるものであってもよい。
脱硫工程を実施する温度は特に制限されない。例えば、400℃以下で実施されるものであってもよい。本発明の効果を発揮する観点からは、脱硫工程の少なくとも一部を100℃〜350℃の温度条件下で実施することが好ましく、200℃〜300℃の温度条件下で実施することがより好ましい。
上記方法は、必要に応じてその他の工程を備えてもよい。例えば、硫黄化合物、硫化水素又は金属硫化物の除去効率を高めるため、脱硫剤に接触させる前又は接触させた後の脱硫対象をさらに別の脱硫剤に接触させる工程を設けてもよい。
上記方法において、脱硫剤に接触させる脱硫対象がガスである場合、ガスの線速度(LV:linear velocity)は、特に制限されない。例えば、0.1cm/秒〜4.0cm/秒の範囲であってもよい。ガスの線流速が0.1cm/秒以上であると、偏流の影響を受け難く、脱硫剤の寿命低下をより抑えることができる。また、ガスの線流速が4.0cm/秒以下であると、吸着帯が伸び難いため、脱硫剤の寿命を延長することができる。
[脱硫システム]
本発明の脱硫システムは、上述した脱硫剤を含み、前記脱硫剤に脱硫対象を接触させる脱硫部を備える。
上記システムにおける脱硫部が水素化脱硫方式により脱硫を行うものである場合、脱硫部は具体的には、脱硫対象に含まれる硫黄化合物を水素と反応させて硫化水素(HS)に変換する機能と、生成した硫化水素を脱硫対象から分離する機能と、を備える。
脱硫対象に含まれる硫黄化合物を水素と反応させて硫化水素(HS)に変換する機能は、触媒反応を用いるものであってもよい。また、生成した硫化水素を脱硫対象から分離する機能は、生成した硫化水素を脱硫剤に含まれる金属と反応させて金属硫化物(CuS等)として脱硫剤上に固定させるものであっても、硫化水素をそのまま脱硫剤に吸着させるものであってもよい。
脱硫システムを用いて脱硫工程を実施する際の温度は特に制限されない。例えば、400℃以下で実施するものであってもよい。本発明の効果を発揮する観点からは、脱硫工程の少なくとも一部を100℃〜350℃の温度条件下で実施することが好ましく、200℃〜300℃の温度条件下で実施することがより好ましい。
上記システムは、必要に応じてその他の手段を備えてもよい。例えば、硫黄化合物、硫化水素又は金属硫化物の除去効率を高めるため、脱硫部に含まれる脱硫剤に接触させる前又は接触させた後の脱硫対象をさらに別の脱硫部に含まれる脱硫剤に接触させる工程を設けてもよい。
脱硫部及び脱硫システムの構成は特に制限されず、脱硫対象からの硫黄化合物の除去を実施するために用いられる公知の構成を適用することができる。ある実施態様では、脱硫システムは燃料電池用の脱硫システムであってもよい。
[脱硫剤の製造方法]
本発明の脱硫剤の製造方法は、特に制限されず、活性炭に金属を添着させる方法として公知の方法を採用することができる。
本発明の脱硫剤は、例えば、下記の工程(1)〜(4)を含む方法により製造することができる。但し、脱硫剤の製造方法は、これに限定されるものではない。
(1)活性炭に添着させる金属の元素を含む金属化合物を、溶媒に溶解又は分散させた溶液(含浸溶液)を調製する。
(2)含浸溶液に、活性炭を浸漬させる。
(3)含浸溶液に浸漬させた活性炭を乾燥させ、溶媒を除去する。
(4)乾燥した浸漬後の活性炭を焼成して、活性炭上に金属酸化物等を形成させて、金属添着炭(脱硫剤)を得る。
含浸溶液を調製するための金属化合物としては、金属硝酸塩、金属酢酸塩、金属硫酸塩、金属塩化物、金属リン酸塩等の金属塩類が挙げられる。
銅を含む金属化合物として具体的には、硝酸銅三水和物、酢酸銅一水和物等が挙げられる。
ニッケルを含む金属化合物として具体的には、硝酸ニッケル六水和物等が挙げられる。
コバルトを含む金属化合物として具体的には、硝酸コバルト六水和物等が挙げられる。
モリブデンを含む金属化合物として具体的には、モリブデン酸アンモニウム四水和物等が挙げられる。
含浸溶液を調製するための溶剤としては、特に制限されず、水、酸性水溶液(硝酸水溶液等)、塩基性水溶液(アンモニア水溶液等)、アルコール系溶剤(メタノール、エタノール、n−プロパノール等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル系溶剤(ジエチルエーテル等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素系溶剤(トルエン等)などが挙げられる。
これらの中でも、含浸溶液を調製するための溶媒としては、焼成後に残留しない等の観点から、水が好ましい。
含浸溶液の調製には、溶媒を1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
含浸溶液は、金属化合物を1種のみ含んでいても、2種以上を含んでいてもよい。また、含浸溶液への活性炭の含浸は1度のみ行っても、2度以上行ってもよい。
活性炭に均質にモリブデンを添着する観点からは、活性炭を含浸する際のモリブデンを含む含浸溶液がアルカリ性であることが好ましい。酸性の液中ではイオン径の大きい二モリブデン酸イオン(Mo 2−)となっており、液中に活性炭を浸漬すると活性炭の表面近傍にモリブデンが高濃度に添着される。結果として、活性炭内の部位によって組成ずれが生じてしまう。
アルカリ性の液中ではモリブデンはイオン径の小さいモリブデン酸イオン(MoO 2−)となり、活性炭の内部にまで分散した状態で添着されやすくなって、活性炭に均質にモリブデンが添着した脱硫剤となる。モリブデンを含む溶液がアルカリ性である場合のpHは、8以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。
含浸溶液における金属化合物の濃度は、特に制限されず、例えば、金属化合物の種類、活性炭に添着させる金属の添着量、活性炭の種類等に応じて、適宜設定することができる。
含浸溶液への活性炭の浸漬温度は、特に制限されず、例えば、10℃〜80℃とすることができる。浸漬時間についても、特に制限されず、例えば、5分間〜2時間とすることができる。
乾燥方法は、特に制限されず、例えば、加熱により乾燥させる方法が挙げられる。
加熱温度は、特に制限されず、例えば、50℃〜150℃とすることができる。
焼成温度は、例えば、金属化合物の分解促進、及び金属添着炭の発火抑制の観点から、150℃〜200℃であることが好ましい。また、発火抑制のために焼成雰囲気を窒素寄気流中で行うこともできる。
焼成時間は、特に制限されず、例えば、1時間〜24時間とすることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[脱硫剤の調製]
<比較例1>
硝酸銅三水和物10質量%と、硝酸ニッケル六水和物5.0質量%と、を蒸留水50gに溶解させて、含浸溶液を得た。得られた含浸溶液に、活性炭として無機酸で処理したヤシ殻活性炭(商品名:粒状白鷺C2X、形状:粒子状、比表面積:1200m/g〜1500m/g、大阪ガスケミカル(株)製)10gを、5分間浸漬した。浸漬後の活性炭を、ロータリーエバポレーター(型番:N1110型、東京理化器械(株)製)に備えられたフラスコに入れた。浸漬後の活性炭を、フラスコを回転させて撹拌しながら、突沸しないように、50℃の減圧下で120分間乾燥した。フラスコから乾燥処理した浸漬後の活性炭を取り出し、熱風循環乾燥器(型番:FS−60W、東京硝子器械(株)製)に入れ、空気流通下、焼成温度150℃にて15時間焼成し、活性炭に銅及びニッケルが添着された金属添着炭(即ち、脱硫剤)を得た。得られた金属添着炭を、メノウ乳鉢を用いて破砕した後、目開き0.35μm〜0.75μmの篩にかけて整粒し、脱硫剤とした。
<実施例1>
硝酸銅三水和物8.3質量%と、硝酸ニッケル六水和物4.2質量%に加えてモリブデン酸アンモニウム四水和物4.2質量%を蒸留水50gに溶解させて得た含浸溶液に活性炭を5分間浸漬したこと以外は比較例1と同様にして、活性炭に銅、ニッケル及びモリブデンが添着された脱硫剤を得た。なお、モリブデン酸アンモニウム四水和物を含む含浸溶液のpHは3.6であった。
<実施例2>
モリブデン酸アンモニウム四水和物3.6質量%を硝酸銅三水和物21.4質量%と硝酸ニッケル六水和物3.6質量%と同時に加えて溶解して得た含浸溶液を用いたこと以外は比較例1と同様にして、活性炭に銅、ニッケル及びモリブデンが添着された脱硫剤を得た。なお、硝酸銅三水和物、硝酸ニッケル六水和物及びモリブデン酸アンモニウム四水和物を含む含浸溶液のpHは3.1であった。
<実施例3>
モリブデン酸アンモニウム四水和物3.6質量%を蒸留水50gに溶解させ、28濃度%のアンモニア水を滴下してpHを11に調整した含浸溶液に活性炭を5分間浸漬し、篩にかけて整粒する以外は比較例1と同様にして、モリブデンが添着された活性炭を得た。これを、硝酸銅三水和物21.4質量%と、硝酸ニッケル六水和物3.6質量%を蒸留水50gに溶解させて得た含浸液に5分間浸漬し、再度比較例1と同様にして、活性炭に銅、ニッケル及びモリブデンが添着された脱硫剤を得た。
<実施例4>
硝酸ニッケル六水和物の代わりに硝酸コバルト六水和物を3.6質量%用いること以外は、実施例3と同様にして、活性炭に銅、コバルト及びモリブデンが添着された脱硫剤を得た。
[評価]
上記で得られた脱硫剤を用いて、評価試験用脱硫器を作製した。具体的には、図1に示すような円筒管10(内径:8.0mm)内に、脱硫剤20を充填層高が19mmとなるように充填した。脱硫剤の充填量としては、約1cmとなる。なお、円筒管10は、出口部に目皿30を有している。
作製した評価試験用脱硫器を恒温槽(図示せず)内に配置し、脱硫済みの都市ガス13Aに水素5体積%と、硫黄化合物としてジメチルスルフィド(DMS)を硫黄濃度10ppmとなるように添加した供試ガスを0.3L/minの流量で供給した。なお、供試ガスの露点温度は、約−60℃である。以上の工程を、恒温槽内の温度を25℃、200℃、250℃、300℃としてそれぞれ実施した。
硫黄化合物の破過点(破過基準:20ppb)が確認されるまで、供試ガスを流した。そして、供試ガスを流してから硫黄化合物の破過点が確認されるまでの時間、供試ガスの流量、及び供試ガスの組成から、硫黄化合物の脱硫剤への吸着量(質量%S)を算出した。結果を表1に示す。
なお、硫黄化合物の破過点は、3時間毎に、評価試験用脱硫器の出口から排出されたガスを採取し、ガスクロマトグラフィを用いて、各硫黄化合物に帰属されるピークの検出により確認した。ガスクロマトグラフィの測定条件は、以下の通りである。
(測定条件)
ガスクロマトグラフィシステム:(株)島津アクセス製のGC−2014A(型番)
検出器:水素炎イオン化検出器
分析カラム:Shimalite 80/100 AW−AMDS−ST(商品名、4.1m×3.2mmI.D.、信和化工(株)製)
インジェクション量:3mL
カラム温度:170℃
表1に示すように、活性炭に添着させる金属として銅、ニッケル又はコバルト、及びモリブデンを用いて作製した実施例の脱硫剤は、活性炭に添着させる金属として銅及びニッケルのみを用いて作製した比較例の脱硫剤に比べ、高温での脱硫性能により優れている。
さらに、含浸溶液がアルカリ性の状態でモリブデンを添着して作製した実施例3、4の脱硫剤は、含浸溶液がアルカリ性の状態でモリブデンを添着しなかった実施例1、2の脱硫剤に比べて250℃〜300℃の水素化脱硫性能により優れている。
10・・・円筒管、20・・・脱硫剤、30・・・目皿

Claims (8)

  1. 活性炭と、前記活性炭に添着された金属とを含み、前記金属は銅と、ニッケル及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種と、モリブデンと、を含み、硫黄化合物を含む物質の脱硫に用いるための脱硫剤。
  2. 前記脱硫の少なくとも一部が水素化脱硫方式で行われる、請求項1に記載の脱硫剤。
  3. 前記脱硫の少なくとも一部が100℃以上で行われる、請求項1又は請求項2に記載の脱硫剤。
  4. 前記脱硫が400℃以下で行われる、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の脱硫剤。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の脱硫剤に硫黄化合物を含む物質を接触させる工程を含む、脱硫方法。
  6. 前記硫黄化合物を含む物質が燃料ガス又は原油である、請求項5に記載の脱硫方法。
  7. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の脱硫剤を含み、前記脱硫剤に硫黄化合物を含む物質を接触させる脱硫部を備える、脱硫システム。
  8. 前記硫黄化合物を含む物質が燃料ガス又は原油である、請求項7に記載の脱硫システム。
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