<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
例えば、図1に示すように、フローリング床などの床面1を清掃する際に用いられているフローリングワイパー2を補助してより使い勝手を良くするために電動チリトリ3を設ける。フローリングワイパー2は、柄2aの付いたワイパーヘッド2bに清掃シート4を取付けて使うようにした(電気を使わない)手軽な床清掃具である。フローリングワイパー2は、柄2aを持って床面1に沿うようにワイパーヘッド2bを動かすことで、ワイパーヘッド2bに取付けた清掃シート4で床面1を払拭すると共に、清掃シート4に床面1上のゴミを付着させるなどして捕集するものである。
床清掃後には、ワイパーヘッド2bで集めたゴミを電動チリトリ3に吸い込ませて除去する。清掃シート4は、ある程度汚れたら適宜交換することができる。
ここで、床面1は、フローリングワイパー2によって払拭される面(被払拭面)のことである。フローリングワイパー2は、市販のものを使用することを前提としているが、電動チリトリ3に合わせた専用のものなどを用いても良い。市販のフローリングワイパー2は、特に規格化されていないため、様々な大きさや形状のワイパーヘッド2bを有するものが出回っており、電動チリトリ3は、これらに柔軟に対応できるものにする必要がある。
ワイパーヘッド2bは、平面視ほぼ長方形状をして所要の厚みを有するほぼ薄板状などをした床払拭部材である。ワイパーヘッド2bは、その底面が床払拭面になっていると共に、上面の両側部やコーナー部などには清掃シート4のコーナー部を差込んで保持するためのシート保持部が設けられている。清掃シート4は、床払拭面を覆うように下側からワイパーヘッド2bに巻き付けた後に、そのコーナー部をワイパーヘッド2bの上面に設けられたシート保持部へ差込んで保持させるようにする。清掃シート4には、目的に応じて、ドライタイプのものやウェットタイプのものなど各種のものが存在している。
そして、電動チリトリ3を、以下のようなものとする。なお、電動チリトリ3の方向を、奥行方向X、幅方向Y、高さ方向Zとする。
(1)図2〜図6(主に、図2参照)に示すように、床面1上に載置可能な本体ケーシング11の内部に、吸引装置12と、吸引装置12から延びる吸引風路13とを収容設置する。そして、本体ケーシング11の床面1との接触部分に、吸引風路13の先端部に接続される吸引口14を設ける。更に、吸引口14は、フローリングワイパー2のワイパーヘッド2bの側縁部2b1(図1)を床面1に沿って差込可能となっている。また、この吸引口14は、本体ケーシング11の底面11aに切欠状の凹部15(図6)を有している。凹部15は、幅方向Yの両端側が浅く、幅方向Yの中央へ向かって深くなるアーチ状の部分(アーチ状凹部)を有するものとする。
ここで、本体ケーシング11は、基本的に床面1上に載置して使用するものとされるが、必ずしも床面1上に載置して使用する必要はなく、フローリングワイパー2によって払拭される面(被払拭面)の上であれば、例えば、台上などに載置して使用しても良い(この場合、床面1は、被払拭面と読み替えることになる)。本体ケーシング11は、樹脂製や金属製のものなどとされる。本体ケーシング11は、有効な大きさの吸引口14が形成できるのであれば、どのような形状としても良いが、この実施例では、本体ケーシング11を、底面11aと上面11bと4つの側面11c〜11fとを有する筐体としている。
この際、本体ケーシング11の上面11bを、ワイパーヘッド2bの平面形状とほぼ同じかそれよりも一回り程度大きい相似形状にすることで、本体ケーシング11をコンパクト化すると共に、フローリングワイパー2を本体ケーシング11の上に乗せて保管するのに適したものにしても良い。
そして、本体ケーシング11の4つの側面11c〜11fは、幅の広い一対の長辺側の側面11c,11dと、幅の狭い一対の短辺側の側面11e,11fと、を有するものとなっている。長辺側の側面11c,11dは、ワイパーヘッド2bの長辺とほぼ同じかそれよりも若干長く、短辺側の側面11e,11fは、ワイパーヘッド2bの短辺とほぼ同じかそれよりも若干長くなっている。但し、本体ケーシング11の4つの側面11c〜11fの長さは、上記に限るものではない。
この際、4つの側面11c〜11fに対し、上面11bよりも所要量だけ上へ張り出す張出部または周壁部11gを連続的または不連続的に設けることで、フローリングワイパー2を周壁部11g内に安定して収容保持できるようにしても良い。また、周壁部11gの内部にトレーを着脱可能に設置すれば、トレーによって本体ケーシング11の上面11bを保護すると共に、電動チリトリ3の外観品質を向上することができる。また、トレーが汚れた場合などには、本体ケーシング11の上面11bからトレーを取り外して洗うことなどもできる。
吸引装置12は、ファン12aと、ファン12aを駆動するモータ12bとを有するものとされる。ファン12aとモータ12bは一体化してユニット化することができるが、吸引装置12の構造は、これに限るものではない。吸引装置12は、本体ケーシング11内に設置されると共に、本体ケーシング11の吸引装置12を設けた部分の側面11c〜11fには排気口16が設けられる。排気口16は、本体ケーシング11のどの側面11c〜11fに設けても良いが、短辺側の側面11e,11fのどちらか一方(例えば、側面11f)に設けるのが好ましい。
吸引風路13は、ほぼ横へ延びると共に、一端側が吸引装置12の吸入側に接続され、他端側(先端側)が本体ケーシング11の吸引口14に接続される。吸引風路13は、本体ケーシング11の側面11c〜11fなどに沿って配設される。この実施例では、例えば、(吸引装置12とは反対側となる)短辺側の側面11eに沿って配設される第1の風路部13aと、(吸引口14が設けられる)長辺側の側面11cに沿って配設される第2の風路部13bとを有している。吸引風路13は、丸断面などとしても良いが、本体ケーシング11内に配設した時に、本体ケーシング11の内部空間をより大きく確保できるようにしつつ、より大きな風路断面を確保できるように(縦長の)矩形断面などとすることもできる。吸引風路13の他端側(先端側)には、吸引口14と接続するための屈曲部13cを有するようにしても良い。この実施例では、屈曲部13cは吸引口14へ向かって下向きに屈曲されている。
なお、吸引風路13は、屈曲部13cを除き、全体としてほぼ水平に配設しても良いが、例えば、吸引口14から吸引装置12側へ向けて下り勾配となる傾斜部を少なくとも一部(例えば、第1の風路部13a)に設けることで、吸い込んだゴミの吸引口14への逆流を防止することが可能になる。また、吸引風路13は、全体をほぼ均一断面に形成しても良いが、例えば、吸引装置12の側の部分(第2の風路部13b)の断面を吸引口14の側の部分(第1の風路部13a)の断面よりも大きくすることで、吸引風路13のメンテナンスを吸引装置12の側から行い易くすることができる。
図7(〜図9)に示すように、吸引風路13の途中には、ゴミ容器17を着脱可能に収容する容器収容部18を設けるようにしても良い。そして、本体ケーシング11には、容器収容部18を露出させる蓋部11hを開閉可能に設けても良い。更に、蓋部11hと容器収容部18との間に、シール部材19aと、蓋部11hを閉じた時にシール部材19aが圧着するシール面19bとを有するシール部19を備えるようにしても良い。
ここで、ゴミ容器17は、ダストケースや、ゴミパックなどとすることができる。ダストケースは樹脂製などの箱などのことである。ゴミパックは、図9に示すような通気性を有する紙製や不織布製などの袋のことである。
容器収容部18は、ゴミ容器17が入る大きさの空間とされる。容器収容部18は、吸引装置12と幅方向Yに隣接するように本体ケーシング11の内部に配置されて、吸引装置12と吸引風路13の第1の風路部13aの端部との間に介在される。容器収容部18の一側には、吸引装置12の吸入側に接続される吸入口18a(図8)が設けられ、容器収容部18の他側には、吸引風路13の第1の風路部13aの端部に対する接続口18b(図7)が設けられる。接続口18bは、例えば、ゴミパックの入口部の形状に合うように丸断面などとしても良い。また、吸引風路13の第1の風路部13aや第2の風路部13bは、吸引口14よりも高くなるように、ゴミパックの入口部とほぼ同じ高さ(本体ケーシング11のほぼ中間の高さ)などに設置するのが好ましい。
蓋部11hは、本体ケーシング11の上面11bなどに設けられる。蓋部11hは、例えば、本体ケーシング11の上面11bに設けた開口部分にヒンジ部などを中心として上下方向で且つ吸引装置12の側へ開くように取付けられる。蓋部11hと本体ケーシング11の開口部分との間には、ヒンジ部と反対の側に、爪部と爪掛り部とを有するロック部が設けられる。但し、蓋部11hの位置や構成や開閉方向などについては、上記に限るものではない。
シール部材19aは、本体ケーシング11の上面11bに設けた開口部分と蓋部11hとのどちらか一方に設けられ、シール面19bは、開口部分と蓋部11hとの他方に設けられる。この実施例では、シール部材19aを蓋部11hに設けると共に、シール面19bを本体ケーシング11の開口部分に設けている。
この際、シール部材19aを蓋部11hの内面側から突設されたフランジ状または環状のリブ11iの先端部に設けると共に、シール面19bを本体ケーシング11の開口部分の奥側に設けた、リブ11iの長さと等しい深さを有する段差面などとしても良い。リブ11iは、例えば、本体ケーシング11の上面11bの肉厚よりも長い、ほぼ5ミリ程度以上で2センチ程度以下の長さなどとすることができる。
このように、吸引風路13の途中に容器収容部18を設けて、容器収容部18にゴミ容器17を着脱可能に収容できるようにすることで、吸引風路13から本体ケーシング11内へ吸い込まれたゴミをゴミ容器17に溜めておき、ゴミ容器17がゴミで満杯になった時などに本体ケーシング11の蓋部11hを開けて容器収容部18からゴミ容器17を取り出すことで、手を汚さずにゴミを捨てることができる。
この際、蓋部11hと容器収容部18との間に、シール部材19aと、蓋部11hを閉じた時にシール部材19aが圧着するシール面19bとを有するシール部19を備えるようにすることで、シール部19で、容器収容部18の密閉度を高めて吸引力の低下を防止することができる。
また、蓋部11hに環状のリブ11iを設けると共に、本体ケーシング11の開口部分の奥側に段差面状のシール面19bを設けて、シール部19を本体ケーシング11の上面11bよりも奥側の深い位置に設けることにより、蓋部11hの剛性を上げると共に、シール部19による密閉性をより向上することができる。
そして、吸引口14が設けられる本体ケーシング11の床面1との接触部分は、本体ケーシング11の側面11c〜11fの下辺部周辺のことである。
吸引口14は、フローリングワイパー2で集めたゴミを吸引するための部分である。吸引口14は、どのような形状や大きさのものとしても良いが、吸引口14は、ワイパーヘッド2bの側縁部2b1を床面1に沿って差込むのに丁度良い大きさや形状や深さ(奥行き)を有するように形成するのが好ましい。
例えば、吸引口14は、ワイパーヘッド2bの長辺側の側縁部2b1とほぼ同じかそれよりも若干長い幅寸法と、ワイパーヘッド2bの(側縁部2b1における最大部分の)厚みとほぼ同じかそれよりも若干高い高さ寸法を有して横へ細長く延びるスリット状のものなどとするのが好ましい。そして、吸引口14は、ワイパーヘッド2bの長辺側の側縁部2b1を所要量差込むことができる奥行きに形成される。そのために、この実施例では、吸引口14は、本体ケーシング11の長辺側の側面11c,11dのうちの1つ(この実施例では、側面11cとなっている)の下辺部に沿って設けられている。
この際、吸引口14は、ワイパーヘッド2bがギリギリ入る大きさにして、ワイパーヘッド2bとの隙間をより小さくするのが、吸引力を高める上では理想的である。しかし、上記したように、市販されているフローリングワイパー2は、特に規格化されていないため、様々な大きさや形状のワイパーヘッド2bを有するフローリングワイパー2が、現在、市場に数多く出回っている。
そのために、吸引口14を、市販されているほぼ全ての大きさのワイパーヘッド2bに対して使えるものにする場合、吸引口14は、市販されているうちの最も大きなワイパーヘッド2bに合わせた大きさにする必要が生じる。または、寸法上の都合などによって、最も大きなワイパーヘッド2bに合わせることが難しい場合には、使用を想定しているワイパーヘッド2bのうちの最も大きなものなどに合わせることになる。
しかし、吸引口14を大きなワイパーヘッド2bに合わせてしまうと、小さなワイパーヘッド2bを使用した時に、吸引口14と小さなワイパーヘッド2bとの間に隙間が生じてしまうため、隙間からの空気漏れによって吸引力が低下する。
そこで、まず、吸引口14は、その入口部分を、最も厚みのあるワイパーヘッド2bとほぼ同じ高さかまたはそれよりも僅かに高い高さ寸法にする。また、吸引口14は、その入口部分を、最も幅の広いワイパーヘッド2bとほぼ同じ長さかまたはそれよりも僅かに長い幅寸法にする。そして、吸引口14は、フローリングワイパー2が柄2aまで入らない程度の深さ、即ち、短辺の幅が最も狭いワイパーヘッド2bにおける、短辺の半幅程度以下の深さ(ほぼ5ミリから5〜6センチ程度)にする。
そして、図10に示すように、吸引口14の内部に床面1が露出されるような切欠状の凹部15を設けて、この切欠状の凹部15をアーチ状にする。切欠状の凹部15は、吸引口14の両端部を除いたほぼ全域に形成される。
アーチ状の凹部15は、ほぼ左右対称に形成される。アーチ状の凹部15は、主に、曲線状の部分によって形成されるが、アーチ状の凹部15の奥部または中央部には、アーチ状の凹部15が深く成り過ぎないように、所要長さの直線状の部分などを有するようにしても良い。
この際、アーチ状の凹部15を、様々な大きさや形状のワイパーヘッド2bに合うような形状にする。例えば、アーチ状の凹部15は、以下のようにしてその形状を設定することができる。
まず、市販されているフローリングワイパー2を、一般的な大きさのワイパーヘッド2bと、それよりも大き目のワイパーヘッド2bとに分類する。一般的な大きさのワイパーヘッド2bには、フローリングワイパー2のうちの代表的なものや平均的なものなどを含む大多数のワイパーヘッド2bが属するようにする。大き目のワイパーヘッド2bは、一般的な大きさのワイパーヘッド2bの範疇を外れた少数のものが属するようにする。
そして、例えば、中心を合わせて吸引口14へ平行に差込んだ一般的な大きさのワイパーヘッド2bの側縁部2b1の両端部の位置を、(様々な大きさや形状を有する)ワイパーヘッド2bごとにそれぞれ求め、これらの位置を手前側から奥側へ向かって徐々に幅が狭くなって行くように順番に並べて滑らかに結んだ曲線などの線を求めてアーチ状の凹部15にする。これにより、凹部15を一般的な大きさのワイパーヘッド2bに合ったものとすることが可能となる。但し、アーチ状の凹部15の設定の仕方は、上記に限るものではない。
(2)図6に示すように、本体ケーシング11の底面11aに、(アーチ状をした)凹部15の縁部に沿って床面1と密着可能なシール材21を取付けるようにしても良い。
ここで、シール材21は、ゴム系のものや、軟質樹脂製のものや、発泡ウレタン系のものや、スポンジ系のものや、不織布系のものなどとすることができる。シール材21による密着性は、余り厳密なものでなくても良いが、電動チリトリ3として必要な吸引性能を確保できる程度のものであることが望ましい。シール材21は、粘着テープ状にしたものを、貼り付けるようにして設けても良い。シール材21は、凹部15の縁部を越えて、吸引口14の縁部や本体ケーシング11の縁部に届くように延ばしても良い。なお、底面11a高さを揃えるために、本体ケーシング11の底面11aにおける背面(側面11d)側のコーナー部などにも同様のシール材21を取付けるようにする。
(3)図10(c)に示すように、吸引口14が、凹部15の両側に、本体ケーシング11の側面11cに対して凹部15よりも浅く凹む段部22を有するようにしても良い。
ここで、段部22は、上記した一般的な大きさのワイパーヘッド2bの範疇から外れた数少ない大き目のワイパーヘッド2bに合わせるために、凹部15の外側(または吸引口14の入口部分)に設けられるものである。段部22は、例えば、上記大き目のワイパーヘッド2b(のうちの、市販されている最も大きなものや、使用を想定しているうちの最も大きなものなど)に合わせた幅や高さに形成するのが好ましい。
段部22は、例えば、中心を合わせて吸引口14へ平行に差込んだ大き目のワイパーヘッド2bの側縁部2b1の両端部や上縁部を受けて密閉性を確保し得る大きさにする。段部22は、凹部15の両側部に設けられるが、必要に応じて凹部15の上側の部分にも設けられる。段部22は、本体ケーシング11の側面11cと平行な面を有するものとされる。
本体ケーシング11の側面11cに対する段部22の深さは、大き目のワイパーヘッド2bが吸引口14の入口部分に当たる程度でもその密閉性によって十分な吸引力が得られることから、ほぼ5ミリから1センチ程度などのように比較的浅めにできる。必要に応じて、段部22の外側には、大き目のワイパーヘッド2bを段部22へ案内するために、段部22へ向って徐々に幅や高さが小さくなるガイド用の傾斜面23などを設けるようにしても良い。
(4)図11(および図6)に示すように、吸引口14の上部が奥側へ向かって下り勾配となる傾斜面24を有するようにしても良い。
ここで、傾斜面24は、例えば、図10(a)に示すように、中心を合わせて吸引口14に平行に差込んだワイパーヘッド2bの側縁部2b1の両端部が、アーチ状の凹部15に2点でほぼ接した時に、図11に示すように、ワイパーヘッド2bの側縁部2b1の上縁部分が吸引口14の上部に当接またはほぼ当接するようなものが好ましい。
そのために、例えば、ワイパーヘッド2bの側縁部2b1の両端部が、上記したようにアーチ状の凹部15に2点でほぼ接した時のワイパーヘッド2bの側縁部2b1の上縁部分の位置を、様々な大きさや形状を有するワイパーヘッド2bごとに求めて、これらの位置を結んだ形状の面を求めるようにする。この面が、凹凸や段差を有する場合には、できるだけ滑らかになるように形状を調整して、傾斜面24となるようにする。これにより、傾斜面24は、様々な大きさや形状を有するワイパーヘッド2bにとって、丁度良い高さのものとなる。但し、吸引口14の上面の形状の設定の仕方は、上記に限るものではない。また、例えば、上記とは逆に、吸引口14の上面の形状を先に設定してから、本体ケーシング11の底面11aの凹部15の形状を設定するようにしても良い。
傾斜面24は、例えば、平坦面としても良いし、下側へ突出する凸曲面としても良いし、上側に凹む凹曲面としても良いし、これらを組み合わせた形状としても良い。この実施例では、吸引口14の上面の傾斜面24は、その大部分が、傾斜角度がほぼ一定で滑らかに奥下がりとなる平坦面としている。なお、傾斜面24は、構造的には、上記したような凹凸や段差のままとすることもできる。
吸引口14の上部には、例えば、ワイパーヘッド2bとの密着性を高めるために、例えば、発泡ウレタンやゴムやスポンジなどの弾性変形可能なシール面材を貼り付けても良い。
(5)図11または図12(図3、図6なども合わせて参照)に示すように、吸引口14の上部から床面1へ向けて延びると共に、吸引口14と吸引風路13の先端部との接続口部25の両側に位置する一対のスイッチレバー26を設けるようにしても良い。
ここで、スイッチレバー26は、ワイパーヘッド2bの長辺側の側縁部2b1を吸引口14へ差込むとオンになり、ワイパーヘッド2bを吸引口14から外すとオフになるものである。これにより、ワイパーヘッド2bを吸引口14へ差込んでいる短い時間だけ電動チリトリ3を作動させることができる。
スイッチレバー26は、本体ケーシング11の内部に設置されたスタートスイッチ27を押すための部材とされる。スイッチレバー26は、本体ケーシング11の側面11cにほぼ沿って配置され、側面11cと平行な水平軸26aによって本体ケーシング11内部の吸引口14の上側に回動可能に軸支された連結部材26bの両端部またはその近傍からそれぞれほぼ下方へ向けて延びるものされている。連結部材26bにはスタートスイッチ27を押すための突起部26cが設けられている。スイッチレバー26は、スタートスイッチ27に設けられた復帰バネの復帰力を利用して待機位置(スタートスイッチ27を操作する前の位置)へ戻るようにしても良いし、スイッチレバー26に専用の復帰バネを別に設けるようにしても良い。
スイッチレバー26は、床面1にギリギリ到達しない程度の長さにするのが好ましい。そのために、スイッチレバー26は、例えば、吸引口14の高さ寸法よりも短く、吸引口14の高さ寸法の半分よりは長くなるようにする。
吸引口14と吸引風路13の先端部との接続口部25は、吸引口14から吸引風路13へのゴミの取込口となるものであり、この実施例では、上記した屈曲部13cの先端部となっている。
接続口部25の両側は、接続口部25の正面を避けた接続口部25に近い位置のことである。一対のスイッチレバー26は、接続口部25の両側に分けてそれぞれ1つずつ配置する。
スイッチレバー26は、どのような形状のものとしても良いが、少なくとも、ワイパーヘッド2bが当たる下側の部分を丸棒状にするのが好ましい。この実施例では、各スイッチレバー26は、吸引口14から本体ケーシング11の底面11aに対してほぼ垂直に延びる丸棒状の部分を有している。また、必要な場合には、各スイッチレバー26に、吸引口14へ向けて延びる分岐部などを適宜設けるようにしても良い。
なお、図5(図8)に示すように、本体ケーシング11には、スタートスイッチ27の他に、電源スイッチ28を設けることができる。電源スイッチ28は、オンにした時だけスタートスイッチ27を使えるようにするための主電源である。但し、構造的には、スタートスイッチ27を設けずに電源スイッチ28だけを設けるようにしても良い。この実施例では、電源スイッチ28を、本体ケーシング11における吸引口14とは反対側に位置する長辺側の側面11d(背面)に設けている。この際、長辺側の側面11dに幅方向Yのほぼ全域に及ぶような凹状部分29を設けて、凹状部分29に電源スイッチ28や、電源コード31および電源コード31の巻付部32などを設けて、凹状部分29に電源コード31を収めることで、図4(b)に示すように、電動チリトリ3を部屋の壁面33などにほぼピッタリとくっつけて設置する(または、壁際に設置する)ことができるようになる。
(6)図10に示すように、接続口部25は、吸引口14の幅中央部に設けられるようにしても良い。そして、一対のスイッチレバー26が、吸引口14を幅方向Yに3分割する位置に設けられるようにしても良い。
ここで、3分割する位置は、正確な3等分点とするのが配置上最も好ましいが、必ずしも正確な3等分点にする必要はなく、おおむね均等となるように3つに分けた位置に設ければ良い。また、一対のスイッチレバー26は、吸引口14の幅中央部やまたは両端部から等距離に設置するのが最も好ましいが、必ずしも等距離でなくても良い。
(7)図13(〜図15)に示すように、本体ケーシング11の側面11cに、吸引口14の外側からスイッチレバー26を操作するスイッチ操作具41を装着可能としても良い。
ここで、スイッチ操作具41は、樹脂製や金属製などとすることができる。スイッチ操作具41は、吸引口14が設けられた本体ケーシング11の側面11cに対して着脱可能な着脱部42と、着脱部42に対して可動するように取付けられて、スイッチレバー26を外部から操作する操作部43とを備えている。
図14(図15)に示すように、着脱部42は、本体ケーシング11の側面11cに沿った平坦な取付面42aを一体に有すると共に、取付面42aの上縁部に本体ケーシング11の側面11cの上部に設けられたフランジ状の周壁部11gに対して上方から係止可能な第一の係止部42bを有している。取付面42aは、一対のスイッチレバー26の間隔とほぼ同じかそれよりも広幅に形成され、第一の係止部42bは、取付面42aの幅全域に対して連続して延びるものとされている。但し、第一の係止部42bは、取付面42aの幅方向Yに対して不連続状態で複数設けるようにしても良い。
取付面42aの下部または下縁部には、吸引口14の上縁部に対して外側から横方向に装着して下方から係止可能な第二の係止部42cを有している。第二の係止部42cは、取付面42aの幅方向Yに対し一対のスイッチレバー26を避けて不連続に設けられるようにする。この実施例では、第二の係止部42cは、一対のスイッチレバー26の両側をそれぞれ挟むように4個(二対)設けられている。
操作部43は、スイッチレバー26の押込操作に必要なストローク分の間隔44を有して少なくともその下部が取付面42a(の外表面)から離間される可動部43aを有している。可動部43aと取付面42aとの上縁部間は、幅方向Yへ延びるヒンジ軸を有するヒンジ部45によって回動可能に連結されている。
可動部43aの下部または下縁部には、一対のスイッチレバー26を直接押込操作するための操作片43bを有している。操作片43bは、第二の係止部42cよりも下側に位置して、スイッチレバー26へ向けて(スイッチレバー26にほぼ達する程度の長さで)横方向へ延びるものとされている。可動部43aは、取付面42aとの間に上記した間隔44を確保・形成するために、例えば、外側へ向かって突出する屈曲形状や曲面形状の面などとしても良い。
この場合には、可動部43aは、屈曲形状のものとされている。可動部43aの屈曲形状部43cは、高さ方向のほぼ中央部またはそれよりも上側に設けられており、上記した間隔44は、屈曲形状部43cよりも下側に確保形成されると共に、上記した間隔44は、(スイッチレバー26によって操作される)スタートスイッチ27に設けた復帰バネやスイッチレバー26に設けた復帰バネなどの復帰力を利用して維持されるようになっている。可動部43aの外表面には、可動部43aを外部から押し易くするために、例えば、リブなどの突起部を適宜設けるようにしても良い。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
フローリング床を、フローリングワイパー2を用いて清掃する。フローリングワイパー2は、柄2aを持ってワイパーヘッド2bを床面1に沿うように動かすことで、ワイパーヘッド2bに取付けた清掃シート4で床面1を払拭することができると共に、清掃シート4に床面1上のゴミを付着させて捕集することができる。
床清掃後に、清掃シート4には、ワイパーヘッド2bの側縁部2b1の部分などにゴミが集中的に付着されることになり、また、清掃シート4に付着しないようなゴミも、ワイパーヘッド2bの側縁部2b1の周辺に集められる。この清掃シート4の側縁部2b1に付着したゴミとワイパーヘッド2bの側縁部2b1周辺に集められたゴミとを捨てることで床清掃は終了となる。清掃シート4は、ある程度汚れたら適宜交換することができるが、付着したゴミを取ることで交換時期を延ばすことが可能である。
この際、ゴミは、ワイパーヘッド2bの床払拭面(底面)よりもワイパーヘッド2bの側縁部2b1に対して多く付着するため、床清掃後に、ワイパーヘッド2b(に取付けた清掃シート4)の側縁部2b1(の部分)に集中的に付着しているゴミを手作業で取り除いて捨てることになるが、この作業は手が汚れると共に、煩わしいものである。
そこで、この実施例では、フローリングワイパー2と組み合わせて使用するのに適した電動チリトリ3を設けて、フローリングワイパー2に付着したゴミを取って捨てる作業を容易且つ確実に行い得るようにした。
<効果>この実施例の電動チリトリ3によれば、以下のような効果を得ることができる。
(効果1)吸引口14が、本体ケーシング11の底面11aに切欠状の凹部15を有していることにより、吸引口14の外側から内側まで床面1がそのまま連続するようになるので、吸引口14へ差込んだワイパーヘッド2bや、ワイパーヘッド2bの側縁部2b1に付着したゴミが、本体ケーシング11の底面11aに引掛かったり突掛ったりしなくなり、ワイパーヘッド2bやゴミをスムーズに吸引口14の奥へと案内することができる。これにより、吸引口14でのゴミの吸い残しをなくすことが可能になると共に、電動チリトリ3の操作感を良くすることができる。
なお、ゴミは、ワイパーヘッド2bの床払拭面(底面)よりもワイパーヘッド2bの側縁部2b1に対して多く付着するため、ワイパーヘッド2b(に取付けた清掃シート4)の側縁部2b1(の部分)に付着したゴミが吸い込めれば清掃シート4の再使用には十分である。
また、凹部15を、幅方向Yの両端側が浅く、幅方向Yの中央へ向かって深くなるアーチ状にした。これにより、図10(a)に示すように、吸引口14へ差込んだワイパーヘッド2bの側縁部2b1の両端部が、凹部15に対して2点で接することで、吸引口14の内部の2点間の部分がワイパーヘッド2bとの間で密閉されるかまたは密閉性が高められることになるので、ワイパーヘッド2bの大きさや形状に拘らず、安定して強い吸引力を発生できるようになる。よって、市販されている様々な大きさや形状のワイパーヘッド2bに広く対応させて、効率的にゴミを吸い取らせることができる。
また、ワイパーヘッド2bの側縁部2b1の両端部が、凹部15に2点で接することで吸引口14の内部で密閉される空間が小さくなるので、図10(b)に示すように、吸引口14に対するワイパーヘッド2bの差込み位置や差込み角度がどのようになっても、それに拘らず、安定して強い吸引力を発生させることができる。よって、吸引口14にワイパーヘッド2bがどのように差込まれても支障なくワイパーヘッド2bの側縁部2b1に付着したゴミを吸引できるようになるので、吸引口14に注意深くワイパーヘッド2bを差込む必要がなくなって、電動チリトリ3の使い勝手を良くできる。
以上により、吸引口14を単純な形状や構造としつつ、様々な大きさや形状のワイパーヘッド2bに対応できて、しかも、どのようなワイパーヘッド2bであっても効率的にゴミを吸い取れるようになる。
(効果2)本体ケーシング11の底面11aに、(アーチ状をした)凹部15の縁部に沿って床面1と密着可能なシール材21を取付けても良い。これにより、床面1と(アーチ状をした)凹部15の縁部との間に高い密着性が確保されるので、吸引口14の内部の密閉性を高めることができる。
そして、シール材21を、アーチ状をした凹部15の縁部に沿って取付けることで、より少ないシール材21を用いて、より効率的に床面1との密着性および吸引口14内部の密閉性を高めることができる。
このように、吸引口14の内部の密閉性が高まると、吸引装置12を駆動した時に吸引口14の内部に発生する真空度が高まるので、吸引装置12のモータ12b容量を上げずに吸引力を上げることができる。よって、一般的な掃除機では吸い込み難い砂粒のようなゴミなどであっても強力に吸い込めるようになる。更に、モータ12bの容量を上げなくても吸引力が高まるので、その分、部品コストやランニングコストを抑えることができる。
(効果3)吸引口14が、凹部15の両側に、本体ケーシング11の側面11cに対して凹部15よりも浅く凹む段部22を有しても良い。これにより、一般的な大きさのワイパーヘッド2bに合わせて作った凹部15へ差込むことができないような大き目のワイパーヘッド2bなどであっても、吸引口14へ呼び込んでゴミを吸込ませられるようになる。よって、一般的なものよりも大き目のワイパーヘッド2bを有するフローリングワイパー2にも対応することが可能となり、対応力を高めることができる。
そして、ワイパーヘッド2bの大きさなどによって凹部15と段部22とを分けて設けることにより、凹部15を、一般的な大きさのワイパーヘッド2bにとって最も効果的となるように設定することが可能になり、凹部15での吸引力を一層高めることができる。
(効果4)吸引口14の上部に奥側へ向かって下り勾配となる傾斜面24を設けても良い。これにより、吸引口14の内部空間の容積をより小さくすると共に、吸引口14の内部空間を、奥へ行く程狭くなるようにして奥側程吸引力を高くできる。
特に、図11に示すように、吸引口14へ差込んだワイパーヘッド2bの側縁部2b1の上側の縁部が傾斜面24に接することで、吸引口14のワイパーヘッド2bと接した部分よりも奥側の部分がワイパーヘッド2bとの間で密閉されるかまたは密閉性が高められることになるので、その分、安定して強い吸引力を発生できるようになる。
(効果5)吸引口14に一対のスイッチレバー26を設け、一対のスイッチレバー26を吸引口14の上縁部から床面1へ向けて延びると共に、吸引口14と吸引風路13の先端部との接続口部25(吸引風路13へのゴミの取込口)の両側に位置するようにしても良い。
これにより、スイッチレバー26が接続口部25(取込口)の正面を避けた両側位置に配置されるので、スイッチレバー26が接続口部25(取込口)へのゴミの吸い込みの邪魔にならない。
また、スイッチレバー26などのような長さを有する部材の場合には、スイッチボタンなどのような小さな突起状の操作部と比べて、ゴミの引掛りや挟まりなどを起こし易くなるが、スイッチレバー26を接続口部25(取込口)の両側に設けることで、スイッチレバー26周辺のゴミを効率良く接続口部25(取込口)へ吸い込ませることができるので、スイッチレバー26へのゴミの引掛りや挟まりなどを防止することが可能となる。
この際、例えば、スイッチレバー26を丸棒状のものとすることで、スイッチレバー26へのゴミの引掛りや挟まりなどを起こし難くすることができると共に、ワイパーヘッド2bがどのような角度でスイッチレバー26に当ったとしてもスイッチレバー26を安定して押すことができるので、スイッチレバー26を他の形状とした場合と比べて、作動の安定性を高めることができ、電動チリトリ3の使い勝手を良くすることができる。
(効果6)接続口部25(取込口)を吸引口14の幅中央部に設けると共に、一対のスイッチレバー26を、吸引口14を幅方向Yに3分割する位置に離して設けるようにしても良い。これにより、図10(b)に示すように、吸引口14に対してワイパーヘッド2bが斜めに差込まれたような場合でも、ワイパーヘッド2bがスイッチレバー26のどちらか一方に当たることで吸引装置12を確実に作動させることができるので、作動ミスをなくすことができる。
しかも、吸引口14に対してワイパーヘッド2bが斜めに差込まれた場合には、ワイパーヘッド2bが先に当たったスイッチレバー26によって吸引装置12が作動されるので、スイッチレバー26を1つのみ設けた場合と比べて電動チリトリ3の反応が早くなり、電動チリトリ3の使い勝手を良くすることができる。
この際、一対のスイッチレバー26を、吸引口14を幅方向Yに3分割する位置に離して設けることで、ワイパーヘッド2bが斜めに差込まれた時に、一対のスイッチレバー26を狭い間隔に近接配置したものと比べて、より早期に吸引装置12を作動できるようになる。
なお、吸引口14に対してワイパーヘッド2bが(極端に)斜めに差込まれた場合、状況によっては、ワイパーヘッド2bで集めたゴミのほぼ半分程度しか吸い込めないおそれが生じるが、このような場合には、ワイパーヘッド2bの角度を変えて反対側の部分を差込むことで、残り半分のゴミも吸い込むことができるので、2回の操作で集めたゴミの全てを吸い込むことができ、最小限の手間で済む。
(効果7)ケーシングの側面11cに対して、吸引口14の外側からスイッチレバー26を操作するスイッチ操作具41を装着できるようにしても良い。これにより、吸引口14へ差込むことができないフローリングワイパー2以外の清掃具(例えば、箒)であっても、ケーシングの側面11cにスイッチ操作具41を装着することで、スイッチ操作具41を介して吸引口14の外側からスイッチレバー26を押せるようになり、これによって、フローリングワイパー2以外の清掃具で集めたゴミを、清掃具を使って吸引口14から吸い込ませることが可能になる。このように、フローリングワイパー2以外の清掃具によっても電動チリトリ3を操作できるようになるので、電動チリトリ3の用途を拡げることができる。
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、実施の形態はこの発明の例示にしか過ぎないものである。よって、この発明は実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施の形態に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、実施の形態に複数の実施例や変形例がこの発明のものとして開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。