JP2019180243A - 寄生虫防除方法および寄生虫防除装置 - Google Patents

寄生虫防除方法および寄生虫防除装置 Download PDF

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雅彦 貝出
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Abstract

【課題】寄生前の寄生虫を駆除、低減または予防する寄生虫防除方法および寄生虫防除装置を提供する。【解決手段】光源2から波長が380nm以上600nm以下である光を照射する集光工程と、水に含まれる寄生虫を捕獲装置に入れることで捕獲する捕獲工程と、を備える寄生虫防除方法。また、水中に設けられ、波長が380nm以上600nm以下である光を照射する光源2と、水に含まれる寄生虫を入れる捕獲装置と、を備える寄生虫防除装置。【選択図】図3

Description

本発明は、寄生虫を防除する方法および装置に関するものである。
養殖などにより魚を育成する際、魚体に寄生虫が寄生することによる安定生産性や品質の悪化が問題となっている。そのため、寄生虫の防除が求められている。
従来の寄生虫の防除方法としては、特許文献1のように、生簀内に超音波発振子を設置し、キャビテーションによって魚体の体表の寄生虫を除去するものがある。
国際公開第2013/051725号
しかしながら、従来の構成は、魚体の体表にすでに寄生した寄生虫を対象とするものであり、寄生前の寄生虫には適用できない。また、すでに寄生した寄生虫を防除しようとすると、魚体に負荷をかけることとなり、魚の品質に悪影響を及ぼす可能性がある。
そこで本開示は、寄生前の寄生虫を駆除、低減または予防する寄生虫防除方法および寄生虫防除装置を提供する。
本開示による寄生虫防除方法は、光源から波長が380nm以上600nm以下である光を照射する集光工程と、水に含まれる寄生虫を捕獲装置に入れることで捕獲する捕獲工程と、を備えることを特徴とする。
また、本開示による寄生虫防除装置は、水中に設けられ、波長が380nm以上600nm以下である光を照射する光源と、水に含まれる寄生虫を入れる捕獲装置と、を備えることを特徴とする。
本開示の寄生虫防除方法および寄生虫防除装置によれば、寄生前の寄生虫を駆除、低減または予防することができる。
ベネデニアの代表種と特徴を表す図 本実施の形態における寄生虫防除方法のフローチャート図 本実施の形態における寄生虫防除装置の模式図 本実施の形態における寄生虫防除装置の制御系の図
本開示による寄生虫防除方法は、光源から波長が380nm以上600nm以下である光を照射する集光工程と、水に含まれる寄生虫を捕獲装置に入れることで捕獲する捕獲工程と、を備える。すなわち、駆除工程における駆除とは、寄生虫を魚体に寄生できない状態にすることである。
防除対象の寄生虫は、例えばベネデニアである。ベネデニアとは、カプサラ科の単性類であり、世界中に分布し約180種類が確認されている。特に日本の養殖場や漁場で被害が大きく問題となっているのが、図1に示す5種類のベネデニアである。このうち、代表種として、Benedenia seriolae、Neobenedenia girellaeを取り上げ、以下はこれらをハダムシと称する。ハダムシは、養殖場で発生し、養殖魚の体表に寄生して、ハダムシ症を発症させる。ハダムシの宿主は、ブリ類・ヒラメ・トラフグ・マダイ・ハタ類等の魚類である。ハダムシの体は、扁平な小判状で後端が固着盤になっており盤全体で宿主の体表などの面に強固に吸着し、魚体上で成熟して産卵する。ハダムシの卵虫は四面体で一端に長いフィラメントと呼ばれる付属糸があり、それによって一塊となって生簀網に絡みつく。卵虫の四面体部は0.1〜0.2mmで付属糸部は1.5mmを持つ。生簀網の特に水深2mまでの表層部に寄生虫の卵虫が付着する傾向にある。卵虫は水温25度で5日〜6日で孵化し、卵虫が孵化した孵化幼生が魚に寄生する。成虫→卵産卵→孵化幼生→成虫のライフサイクルで、特に海水温が高くなる6月〜10月が孵化幼生発生のピークを迎える。体長は、成虫は2〜7mmで魚体に寄生してから水温25度で15日〜17日で卵を産む。孵化幼生は0.2〜0.4mmあり海水中を浮遊し魚体に寄生するが48時間以内に寄生できなければ死亡する。
まず、集光工程を想定した実験を行った。ハダムシは眼点と呼ばれる光受容体を持ち、光に集光する正の走光性があるが、特にどの波長帯に集光されるかは判明していない部分が多い。そこで、波長帯とハダムシの集光度合との関係性を、以下の実験により確認した。
ハダムシを含む海水の入ったビーカーに特定の波長帯の光を1分間照射し、光の照射された部分、すなわち集光部の海水を0.5ml取出し、ヨウ素液で泳ぎをとめてその中のハダムシの数を顕微鏡でカウントした。
光の強度(光量)をそれぞれ300μmol/m2/secに合わせて光を照射した。照射した光源装置として、林時計工業株式会社製のUV照射キセノンランプ光源“LA−410UV”とライトガイドを用いた。また、波長帯には、コダック社製の“ゼラチンカラーフィルター”のR(600nm以上780nm以下)・G(480nm以上600nm以下)・B(380nm以上500nm以下)を使用した。Rは赤色波長、Gは緑色波長、Bは青色波長である。さらに比較例として、可視光(白色光)を使用した。試行回数はそれぞれ4回とした。なお、ビーカー中の海水に含まれるハダムシの数は一定である。
表1は、光照射によるハダムシの集光実施例を示す表である。それぞれの列は左から、試行回数、可視光によるハダムシの集光数、R波長帯によるハダムシの集光数、G波長帯によるハダムシの集光数、B波長帯によるハダムシの集光数を表す。それぞれの行は、試行ごとのハダムシの集光数と、全試行のハダムシの集光数の平均値および、可視光によるハダムシの集光数を1としたときの各波長の相対値(可視光比較)を表す。可視光、R波長帯、G波長帯、B波長帯の順に、試行1回目では5、5、9、9匹となり、試行2回目では8、3、7、4匹となり、試行3回目では4、6、7、6匹となり、試行4回目では3、6、5、7匹となった。これらを平均すると、5、5、7、6.5匹となった。相対値を見ると、R波長帯は可視光使用時と比較してハダムシの集光数が変化しないのに対して、B波長帯では1.3倍、G波長帯では1.4倍に、ハダムシの集光数が増大している。この実験結果より、平均値としてB波長帯(380nm以上500nm以下)およびG波長帯(480nm以上600nm以下)が、可視光よりも多くのハダムシが集光されることを突き止めた。このことから、集光工程において照射する光源は、青色波長(380nm以上500nm以下)又は緑色波長(480nm以上600nm以下)の光源、すなわち380nm以上600nm以下の光を用いることが好ましく、緑色波長の光源がより好ましい。
次に、駆除工程を想定した実験を行った。ハダムシは、泳ぎを止めると魚体への寄生を行わなくなる。そこで、泳ぎを止めること、すなわち無力化を目的として、以下の実験を行った。
ビーカーに100mlのハダムシの入った海水を入れ、超音波振動を一定時間印加させハダムシの泳ぎの状態を顕微鏡で確認した。
超音波振動を印加する時間は、1秒から5秒まで1秒間隔で行い、それぞれ印加後の状態を確認した。超音波装置は、ブランソン製の“450D”周波数20kHzとアズワン製の“ASU−100”周波数23kHz/43kHzを用いた。
アズワン製の“ASU−100”で簡易的にマイクロチューブに1ml入れて15秒間印加したところ、周波数43kHzでは泳ぎは全く止まらず、周波数23kHzでも約4割のハダムシは活動を継続していた。
表2は、周波数20kHzの超音波振動の印加によるハダムシの泳ぎ確認例を示す表である。それぞれの行は、超音波振動の付加時間を1秒から5秒まで1秒毎に変化させたときの、ハダムシの泳ぎ状態を表す。試行1回目は付加時間1秒で行い、ハダムシは泳いでいた。試行2回目は付加時間2秒で行い、ハダムシは泳いでいた。試行3回目は付加時間3秒で行い、ハダムシは泳いでいた。試行4回目は付加時間4秒で行い、ハダムシは泳いでいなかった。試行5回目は付加時間5秒で行い、ハダムシは泳いでいなかった。すなわち、超音波振動の付加時間が3秒までのとき、ハダムシは泳いでいるが、付加時間が4秒を超えると、ハダムシは泳いでいない。この結果より、周波数20kHzを4秒以上印加させるとハダムシの泳ぎが止まることが分かった。
以上の実験結果より、低周波になるほど防除効果が高く、また、高周波を長時間印可しても防除効果が低いことを確認した。このため、印可する超音波振動の周波数は20kHz以下、超音波振動を印加する時間は4秒以上とするのが良い。このような方法でハダムシを無力化し、駆除を行うことができる。
図2は、本実施の形態における寄生虫防除方法のフローチャート図である。図2に示すように、寄生虫防除方法は、開始後、集光工程S1、捕獲工程S2、駆除工程S3の順に行われ、終了することが望ましい。このような寄生虫防除方法を実施するための寄生虫防除装置について、以下、図面を参照しながら説明する。図3は、本実施の形態における寄生虫防除装置の模式図である。寄生虫防除装置は、集光・捕獲・駆除を一連の動作で行うことができる。具体的には、光源2によって集光した寄生虫を、モーターファン4によって発生させた水流によって本体1に捕獲し、超音波発振装置5によって駆除する。
本開示による寄生虫防除装置は、水中に設けられ、波長が380nm以上600nm以下である光を照射する光源と、水に含まれる寄生虫を入れる捕獲装置と、を備えることを特徴とする。また、寄生虫防除装置は、光源から捕獲装置に向かって流れる水流を発生させる整流装置を備える。さらに、寄生虫防除装置は、寄生虫を殺虫または仮死化または無力化する駆除装置を備える。すなわち、本実施の形態では、光源として光源2を、捕獲装置として本体1を、整流装置としてモーターファン4を、駆除装置として超音波発振装置5を例示する。
寄生虫防除装置は、例えば海や湖、人工池などの水中に設置される。本体1は、寄生虫を含む水を入れる捕獲装置である。本体1は、前面に光源2および反射板3、内部にモーターファン4、超音波発振装置5およびフィルター6を備える。光源2は、寄生虫を集光する。反射板3は、光源2によるハダムシの集光数を増やすため、光源2の周りに配置される。光源2の後部には、モーターファン4が設けられる。モーターファン4は、光源2によって集光された寄生虫を含む前面側の水を吸引し、後面側に排出する。すなわち、モーターファン4は、光源2から本体1に向かって流れる水流を発生させる。モーターファン4の後部に、超音波発振装置5が設けられる。超音波発振装置5は、モーターファン4によって吸引された水中の寄生虫を無力化する。超音波発振装置5の後部に、フィルター6が設けられる。フィルター6は、後面側に排出される水に含まれる寄生虫を濾し取る。以上の構成によって、寄生虫防除装置が成る。
本体1は、略筒状であり、流路を曲線にしても良く、直線と曲線とを組み合わせても良い。直線であれば成形性が良く、曲線を交えると省スペース化が見込める。
本体1は、断面形状が円形、楕円形や多角形を含んでいても良く、流路全体を通して同じ断面形状でなくても良い。
本体1は、流路の直径が一定でなくても良い。本体1の流路の直径は、各構成装置に合わせて設計することができる。または、流速を変化させたり制御したりする目的で設計することができる。
本体1の材料は、耐海水性や成形性、重量などを加味して適宜選択することができる。耐海水性の高い材料の代表例としては、チタンが挙げられる。また、本体1は、全体もしくは一部が軟質であっても良い。また、本体1は、耐海水性を向上させるために、コーティング剤を塗布しても良い。
光源2は、照明の中でもLED照明であるのが良い。理由としては、水中ライトとして幅広く用いられること、照明寿命が長く、頻繁な交換が不要であることなどが挙げられる。他のランプの種類としては、白熱ランプ、特にハロゲンランプや、HIDランプ、特にメタルハライドランプなどが一般的に用いられる。
光源2は、照明、特にLED照明を複数個設置するのが良い。このことで、不良や故障、照明寿命などで1つが点灯しなくなった際にも、光源2としての機能を損なわない。さらに、点灯個数を変更することで、光の強さを調節することができる。
光源2は、緑色波長(480nm以上600nm以下)または青色波長(380nm以上500nm以下)の光、特に緑色波長の光を照射することが好ましい。前述したように、寄生虫を集光させる効率が最も良いと考えられるためである。緑色波長は、水中の透過率が高いため、広範囲の集光が期待できる。さらに、いくつかの種類の魚は緑色波長の光に集光される習性を持つため、集光された魚に寄生しようと近寄る寄生虫を効率良く防除することも可能である。一方、魚に与える影響を少しでも低減したい場合は、青色波長の光、または青色波長に近い光を照射することが好ましい。
光源2は、特定の波長帯に調光して照射できる照明、特にLED照明を設置するのが良い。寄生虫を集光するために効果的な波長帯に調光することが好ましいためである。また、寄生虫の種類によって効果的な波長帯が異なることが考えられるため、調光可能な照明を光源2に採用することにより、寄生虫の特性に合わせた寄生虫防除装置を構成することができる。
光源2は、一定の波長を照射するだけでなく、所定の時間後に波長を変化させたり、点滅させたりしても良い。寄生虫がどのような光に特に走光性があるかは判明していない部分も多いが、寄生虫に走光性があるのは、海洋において海面に近い、すなわち太陽光に近い領域のほうが寄生対象の魚と遭遇しやすいためであるという説がある。このため、光源2は、魚などの寄生対象がいる、もしくはいる可能性があると寄生虫に誤認させるような光を照射することがより良いと考えられる。
光源2は、本体1の前面に配置されるが、設置方法は図3に示すような、本体1の前面に設けたフィルターに設置する方法に限られない。例えば、光源2は、筒状である本体1の周縁部に設けられても良い。この設置方法によれば、光源2は、モーターファン4による吸引の抵抗や妨げにならない。また、光源2は、本体1の内側に設けられても良い。この場合、光源2は本体1の外側にはみ出して設置されることがなく、生簀網に引っかかったりする恐れがない。
反射板3は、光源2の周りに設けられる開口されたドーム形状の板である。反射板3は、この形状により、90度から120度の照射範囲を持たせる。この照射範囲にすることでハダムシの集光数を増やし、かつ、水を中央に吸引し易くする。
反射板3は、ドーム形状、すなわち側面が開口部に向かって曲面であるが、円錐形状、すなわち側面が開口部に向かって直面であっても良い。この場合も、照射範囲が90度から120度であることが好ましい。
反射板3は、省スペースや省コストのため、省略しても良い。
モーターファン4は、水中ポンプ等でも良い。すなわち、モーターファン4は、光源2から本体1に向かって流れる水流を発生させる構成であれば良い。
モーターファン4による吸引速度は、超音波発振装置5による超音波印加領域の経路を、4秒以上かけて通過させるような速度であれば良い。本実施の形態における超音波印加領域の経路長は、0.4mから1.2mを想定しているため、0.1〜0.3m/sの範囲で調整可能とする。
モーターファン4は、フィルター6の後部に配置しても良い。このことで、フィルター6で寄生虫を濾し取った後に残る水を、効率良く後面に排出することができる。
モーターファン4は、複数箇所に設置しても良い。より詳細には、光源2の後部、超音波発振装置5の後部、フィルター6の後部、のうちのいずれか1箇所、または複数箇所であれば良い。モーターファン4を複数個設置することで、前面側の水の吸引力を向上させることができる。
超音波発振装置5は、寄生虫の駆除時、20kHz以下の周波数である超音波振動を、4秒以上印加する。このことで、前述したように、寄生虫の泳ぎを止める。
超音波発振装置5は、少なくとも振動子を含む。寄生虫の駆除時、振動子と寄生虫との距離が近いほど、寄生虫へダメージを与えやすい。したがって、振動子から近い距離で超音波を印加できるよう、本体1を設計することが好ましい。具体的には、振動子と寄生虫との距離が100mm以内であるのが良い。超音波発振装置5になるべく近づけるよう本体1を設計することで、寄生虫へのダメージをより大きくする。例えば、超音波印加領域の経路を螺旋状にし、螺旋の中央部に超音波発振装置5または振動子を設けることで、より効率的に寄生虫へ超音波を印加することができる。
超音波発振装置5は、設けない構成でも良い。この場合、寄生虫防除装置は、モーターファン4によって寄生虫を捕獲し、フィルター6によって寄生虫を濾し取る。
フィルター6は、超音波発振装置5による超音波印加領域の経路の終端付近に設けられる。フィルター6に超音波振動が印加されることにより、フィルター6で濾し取られた寄生虫や浮遊物が微振動し、フィルター6の詰りを低減させることができる。
フィルター6は、超音波発振装置5による超音波印加領域の経路外、かつ超音波発振装置5の後部に設けられても良い。すなわち、フィルター6は、駆除した後の寄生虫を濾し取る目的が達成できるよう設置されていれば良い。
フィルター6は、本体1の後面に設置されても良い。フィルター6の後部は寄生虫を濾し取った後の水を排出するのみであるため、本体1が続いている必要性が少ないためである。
フィルター6は、複数個設置しても良い。この場合、複数のフィルター6は、前部から後部にかけて徐々に目が細かくなるのが良い。そうすることにより、寄生虫や浮遊物をサイズごとに濾し取り、フィルター6の詰りを軽減することができる。
フィルター6は、水中の浮遊物等により詰りが発生することを避けるため、設けない構成でも良い。この場合、寄生虫防除装置は、モーターファン4によって寄生虫を捕獲し、超音波発振装置5によって寄生虫を駆除したのち、本体1の後面側から水と共に排出する。この寄生虫は超音波発振装置5によってすでに無力化され、魚体に寄生することはない。ただし、寄生虫防除装置が、超音波発振装置5に代表される駆除装置を持たない場合は、フィルター6は少なくとも1つ設けられる。
寄生虫防除装置は、生簀内の水深0〜3mの範囲に設置するのが良い。前述の通り生簀網に寄生虫の卵虫が付着する部分が特に水深2mまでの表層部で8割を占め最も多いためである。より好ましくは水深0〜2m、もしくは水深1mに設置する。寄生虫防除装置を水深0mに設置した場合、寄生虫防除装置は、少なくとも光源2を含む部分が水中にあれば良い。
寄生虫防除装置は、網の横に設置する。生簀の外から網に向かって設置しても良い。すなわち、光源2が、水中に設けられた網を含む領域に向けて光を照射するように寄生虫防除装置を設置することが好ましい。多くの寄生虫は、水中に設けられた生簀網で発生するため、魚体への寄生前に、集光、捕獲を行うためである。
寄生虫防除装置は、生簀網、または生簀を構成する枠組みに固定されるのが良い。前述の通り寄生虫は生簀網付近で発生するため、設置場所が生簀網に近いほど、より効率良く寄生虫を防除することができるためである。
寄生虫防除装置の前部、少なくとも光源2を含む部分は、回転可能に支持される部材により成っても良い。こうすることで、寄生虫防除装置を移動させる手間を軽減しつつ、より広い範囲の寄生虫を防除することができる。具体的には、一般的な生簀の形状である四角形状の生簀を対象とすると、まず角部付近に寄生虫防除装置を設置する。次に四角形状の一面に向けて光を照射し、その後にもう一面に向けて光を照射するよう寄生虫防除装置の前部を回転させる。
寄生虫防除装置は、移動可能な手段、例えばワイヤーやプロペラ、モーターなどを装備し、移動させながら使用しても良い。また、ワイヤーやプロペラ、モーター、浮力などを利用して、固定せずとも可能な限りその場に留まるよう制御することもできる。
寄生虫防除装置は、光源2が水中のできる限り同じ範囲、または同じ方向を照らすよう、設置または制御されることが好ましい。光源2の集光効率をできる限り下げないようにするためである。寄生虫防除装置が動作するための手段や機構を備える場合は、光源2が常に移動することを避けて用いるのが良い。
寄生虫防除装置は、本実施の形態では水中に設置される生簀に設置することを前提としているが、陸上養殖における寄生虫防除の用途にも適用することができる。
寄生虫防除装置は、本体1のすべてが水中にある必要はなく、また、本体1のすべてが陸上にある必要もない。本体1の一部および光源2が水中にあることが好ましく、他の構成はその限りではない。例えば、超音波発振装置5による超音波印加領域の経路は、水中でなく陸上または水上の船または灯台や橋等の水上設備に設けられても良い。この場合、光源2が水中で寄生虫を集光したのち、モーターファン4によって捕獲された寄生虫は本体1の内部を通って陸上に移動し、陸上に設けられた超音波発振装置5によって駆除される。
寄生虫防除装置は、夕暮れに動作を開始するのが良い。太陽光が無い暗闇では照射時の光で養魚が驚きストレスの原因となることから、太陽光の光が弱くなる時から照射し光に馴らすことにより養魚へのストレスを抑制する。
寄生虫防除装置は、夕暮れから明け方にかけて動作させるのが良い。太陽光のない時間帯は、光源2による集光の役割が発揮しやすくなるためである。一方で、寄生虫の中には明け方に孵化を行う習性が報告されている種も存在する。この場合、寄生虫防除装置は、明け方以降も継続して動作させるか、明け方頃から動作させるのが良い。すなわち、寄生虫防除装置は、寄生虫の特性に合わせて動作させるのが好ましい。
図4は、本実施の形態における寄生虫防除装置の制御系の図である。寄生虫防除装置は、制御部7により制御を行っても良い。制御部7による制御を行うことによって、稼働時間以外は寄生虫防除装置の電源を切っておくことでコストを削減したり、寄生虫防除装置に起きる不調の一部をいち早く知ったりすることができる。
制御部7は、寄生虫防除装置の電源、姿勢や動作、光源2の点灯などの制御などを行うことができる。
制御部7は、陸上または水上の船または灯台や橋等の水上設備に設置される。
制御部7は、寄生虫防除装置に設けられたセンサーなどから入力された情報をもとに、自動で制御を行っても良く、制御部7に設けられた入力手段によって手動で制御を行っても良い。
制御部7は、記憶部を有し、寄生虫防除装置に関する設定などを予め記憶するように構成されても良い。例えば、制御部7に時間情報を記憶しておくことで、動作に適切な時間に合わせて、寄生虫防除装置を作動させるよう制御することができる。
寄生虫防除装置は、耐水コードを備え、耐水コードは、陸上または水上の船または灯台や橋等の水上設備に設置される電源と接続されている。寄生虫防除装置はこの電源を動力源として動作する。寄生虫防除装置が制御部7を持たない場合、耐水コードをコンセントなどの電源供給手段に接続することによって、寄生虫防除装置が作動する。また、寄生虫防除装置は、耐水コードを備えず、リチウムイオンバッテリーなどの蓄電池を搭載し、これを電源としても良い。この場合、寄生虫防除装置は電源の入り切りを行うスイッチを有するか、もしくは電源を制御する制御部7を有することが望ましい。
防除対象の寄生虫は、本開示の実験で用いたハダムシに限らない。特に、正の走光性を持つ寄生虫は、集光工程において効率よく集光させることができるため、本開示の適用が効果的である。また、卵虫がフィラメントを有する寄生虫も、生簀網の付近で発生しやすいため、本開示の適用が効果的である。例えば、ベネデニアは、今回特性を確かめることのできたハダムシと同様の特性を有する寄生虫の種類であることが考えられ、特に本開示の適用が効果的である。
駆除工程での駆除手段は、超音波振動を印加すること以外でも良い。例えば、一般的に寄生された魚体に対して効果的である薬浴も同様に、寄生前の寄生虫に対しても効果的である。この場合、駆除装置は過酸化水素水などの薬液に寄生虫を浸漬するように構成する。また、紫外線やパルス波、マイクロバブルやナノバブルといった泡を、寄生虫に対して印加する方法も効果的である。この場合、駆除装置はこれらを寄生虫に印加するための構成を有していれば良い。いずれの場合も、寄生虫の殺虫または仮死化または無力化を行い、寄生虫を駆除する。
寄生虫防除方法および寄生虫防除装置は、集光工程、捕獲工程が略同時に行われていても良い。また、駆除工程も略同時に行われても良い。寄生虫はそれぞれ挙動が異なるため、上記工程を略同時に行うことで、それぞれの寄生虫を適切なタイミングで次工程へ進め、より確実な防除を行うことができる。
本開示の寄生虫防除方法および寄生虫防除装置は、水中に発生した寄生虫を効率よく集光、駆除することが可能であるため、海上養殖または陸上養殖における寄生虫防除の用途に適用できる。更に装置構成が容易で薬品等の使用もしないため、防除に掛かる薬品代および人件費が削減できる。また、養魚へのストレス削減による安定生産および品質向上の効果も得ることができる。
本開示の寄生虫防除方法および装置は、水中の寄生虫、特に養殖場や漁場の寄生虫に対して効果的に用いることが可能である。
1 本体
2 光源
3 反射板
4 モーターファン
5 超音波発振装置
6 フィルター
7 制御部

Claims (16)

  1. 光源から波長が380nm以上600nm以下である光を照射する集光工程と、
    水に含まれる寄生虫を捕獲装置に入れることで捕獲する捕獲工程と、を備えることを特徴とする、寄生虫防除方法。
  2. 前記集光工程において、水中に設けられた網に向けて前記光を照射する、請求項1に記載の寄生虫防除方法。
  3. 前記捕獲工程において、整流装置によって前記光源から前記捕獲装置に向かって流れる水流を発生させることで、前記寄生虫を含む水を捕獲装置に入れる、請求項1または2に記載の寄生虫防除方法。
  4. 前記集光工程において、前記光の波長が480nm以上600nm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の寄生虫防除方法。
  5. 前記寄生虫を殺虫、仮死化または無力化する駆除工程を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の寄生虫防除方法。
  6. 前記駆除工程は、前記捕獲工程の後に行われる、請求項5に記載の寄生虫防除方法。
  7. 前記駆除工程において、前記寄生虫に対して超音波振動を印加する、請求項5または6に記載の寄生虫防除方法。
  8. 前記駆除工程において、前記超音波振動を4秒以上印加する、請求項7に記載の寄生虫防除方法。
  9. 前記駆除工程において、前記超音波振動の周波数が20kHz以下である、請求項7または8に記載の寄生虫防除方法。
  10. 前記寄生虫は、ベネデニアである、請求項1〜9のいずれかに記載の寄生虫防除方法。
  11. 水中に設けられ、波長が380nm以上600nm以下である光を照射する光源と、
    水に含まれる寄生虫を入れる捕獲装置と、を備えることを特徴とする、寄生虫防除装置。
  12. 前記光源は、水中に設けられた網に向けて前記光を照射する、請求項11に記載の寄生虫防除装置。
  13. 前記光源から前記捕獲装置に向かって流れる水流を発生させる整流装置を備える、請求項11または12に記載の寄生虫防除装置。
  14. 前記寄生虫を殺虫、仮死化または無力化する駆除装置を備える、請求項11〜13のいずれかに記載の寄生虫防除装置。
  15. 前記駆除装置は、前記捕獲装置の内部に設けられる、請求項14に記載の寄生虫防除装置。
  16. 前記駆除装置は、超音波発振装置である、請求項14または15に記載の寄生虫防除装置。
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