JP2019179909A - 電磁波シールド用フィルム、および電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、軽量化が図られ、かつ、電磁波によるノイズの影響が抑制された電子部品搭載基板を形成することができる電磁波シールド用フィルム、および、かかる電磁波シールド用フィルムにより電子部品が封止された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板を提供すること。【解決手段】本発明の電磁波シールド用フィルム100は、基板5と、基板5上に配置された電子部品4と、基板5上に配置され電子部品4を取り囲む枠体3とを有する電子部品搭載基板45に対して、電磁波によるノイズの影響を低減させるために用いられ、電磁波シールド層13を備えるものであり、枠体3の上部開口31を覆うことで、基板5と、枠体3と、電磁波シールド層13とにより、密閉空間62を形成して、電子部品4を封止するものである。【選択図】図2
Description
本発明は、電磁波シールド用フィルム、および電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板に関するものである。
従来、携帯電話、医療機器のような電子機器が備える電磁波の影響を受けやすい電子部品や、半導体素子等の発熱性電子部品、さらにはコンデンサー、コイル等の各種電子部品は、これらの電子部品に対する電磁波によるノイズの影響を低減(抑制)することを目的に、これら電子部品が回路基板に搭載された電子部品搭載基板を、金属缶により封止することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載のように、電子部品を備える電子部品搭載基板を、金属缶により封止する構成とした場合、近年要望が高まりつつある、電子部品搭載基板の軽量化に対応できないという問題があった。
本発明の目的は、軽量化が図られ、かつ、電磁波によるノイズの影響が抑制された電子部品搭載基板を形成することができる電磁波シールド用フィルム、および、かかる電磁波シールド用フィルムにより電子部品が封止された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(9)に記載の本発明により達成される。
(1) 基板と、該基板上に配置された電子部品と、前記基板上に配置され前記電子部品を取り囲む枠体とを有する電子部品搭載基板に対して、電磁波によるノイズの影響を低減させるために用いられ、電磁波シールド層を備える電磁波シールド用フィルムであって、
前記枠体の上部開口を覆うことで、前記基板と、前記枠体と、前記電磁波シールド層とにより、密閉空間を形成して、前記電子部品を封止することを特徴とする電磁波シールド用フィルム。
(1) 基板と、該基板上に配置された電子部品と、前記基板上に配置され前記電子部品を取り囲む枠体とを有する電子部品搭載基板に対して、電磁波によるノイズの影響を低減させるために用いられ、電磁波シールド層を備える電磁波シールド用フィルムであって、
前記枠体の上部開口を覆うことで、前記基板と、前記枠体と、前記電磁波シールド層とにより、密閉空間を形成して、前記電子部品を封止することを特徴とする電磁波シールド用フィルム。
(2) 前記電磁波シールド層の前記枠体とは反対側の面に積層された第1絶縁層を有する上記(1)に記載の電磁波シールド用フィルム。
(3) 前記枠体は、導電性を有し、
前記電磁波シールド層は、前記枠体の上端部に接合される接合部を介して、前記枠体に電気的に接続される上記(1)または(2)に記載の電磁波シールド用フィルム。
前記電磁波シールド層は、前記枠体の上端部に接合される接合部を介して、前記枠体に電気的に接続される上記(1)または(2)に記載の電磁波シールド用フィルム。
(4) 前記電磁波シールド層の前記枠体側の面に積層された第2絶縁層を有し、前記接合部は、前記第2絶縁層から露出している上記(3)に記載の電磁波シールド用フィルム。
(5) 当該電磁波シールド用フィルムは、80℃における貯蔵弾性率が1.0×105Pa以上である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の電磁波シールド用フィルム。
(6) 当該電磁波シールド用フィルムは、その平均厚さが10μm以上700μm以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の電磁波シールド用フィルム。
(7) 前記電磁波シールド層は、粒子状をなす導電性材料と、バインダー樹脂とを含有する上記(1)ないし6のいずれかに記載の電磁波シールド用フィルム。
(8) 前記基板は、プリント配線基板である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の電磁波シールド用フィルム。
(9) 基板と、該基板上に配置された電子部品と、前記基板上に配置され前記電子部品を取り囲む枠体と、電磁波シールド層を備える電磁波シールド用フィルムとを有し、
前記枠体の上部開口が前記電磁波シールド用フィルムで覆われることで、前記基板と、前記枠体と、前記電磁波シールド層とにより、密閉空間を形成して、前記電子部品が封止されていることを特徴とする電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板。
前記枠体の上部開口が前記電磁波シールド用フィルムで覆われることで、前記基板と、前記枠体と、前記電磁波シールド層とにより、密閉空間を形成して、前記電子部品が封止されていることを特徴とする電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板。
本発明によれば、基板上に配置された電子部品を取り囲んで形成された枠体の上部開口が、電磁波シールド層を備える電磁波シールド用フィルムにより覆われ、これにより、電子部品搭載基板が備える、基板と枠体と電磁波シールド層とにより、密閉空間が形成され、その結果、この密閉空間内に、基板上に配置された電子部品が封止される。そのため、本発明の電磁波シールド用フィルムにより、密閉空間内に電子部品が封止された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板は、その軽量化が図られつつ、電磁波によるノイズの影響が抑制されたものとなる。
以下、本発明の電磁波シールド用フィルムおよび電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板を、添付図面に示す好適実施形態に基づいて、詳細に説明する。
本発明の電磁波シールド用フィルムは、基板と、該基板上に配置された電子部品と、前記基板上に配置され前記電子部品を取り囲む枠体とを有する電子部品搭載基板に対して、電磁波によるノイズの影響を低減させるために用いられ、電磁波シールド層を備えるものであり、前記枠体の上部開口を覆うことで、前記基板と、前記枠体と、前記電磁波シールド層とにより、密閉空間を形成して、前記電子部品を封止することを特徴とする。
このように、本発明の電磁波シールド用フィルムによれば、基板上に配置された電子部品を取り囲んで形成された枠体の上部開口が、電磁波シールド層を備える電磁波シールド用フィルムにより覆われ、これにより、電子部品搭載基板が備える、基板と枠体と電磁波シールド層とにより、密閉空間が形成され、その結果、この密閉空間内に、基板上に配置された電子部品が封止される。そのため、本発明の電磁波シールド用フィルムにより、密閉空間内に電子部品が封止された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板は、その軽量化が図られつつ、電磁波によるノイズの影響が抑制されたものとなる。
さらに、本発明の電磁波シールド用フィルムが備える電磁波シールド層が、その縁部において、枠体の上端部に接合されることで、枠体の上部開口が、電磁波シールド層を備える電磁波シールド用フィルムにより覆われ、これにより、基板と枠体と電磁波シールド層とにより、密閉空間が形成されるが、この際の電磁波シールド層の縁部と、枠体の上端部との接合(接触)により、得られた電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板おいて、枠体を介した電磁波シールド層と外部との電気的な接続を確保することが可能となる。
<電磁波シールド用フィルム>
<<第1実施形態>>
まず、本発明の電磁波シールド用フィルム100の第1実施形態について説明する。
<<第1実施形態>>
まず、本発明の電磁波シールド用フィルム100の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の電磁波シールド用フィルムの第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示す電磁波シールド用フィルムにより電子部品が封止された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板を示す縦断面図、図3は、図1に示す電磁波シールド用フィルムを用いて、図2に示す電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板を製造する製造方法を説明するための縦断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1〜図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
電磁波シールド用フィルム100は、本実施形態では、電磁波シールド層13と、この電磁波シールド層13の一方の面側(上面側)に積層された絶縁層11とを備え、基板5と、この基板5上に配置された電子部品4と、基板上に配置され電子部品4を取り囲む枠体3とを有する電子部品搭載基板45に対して、電磁波によるノイズの影響を低減させるために用いられ、枠体3の上部開口31を電磁波シールド層13で覆うことで、基板5と、枠体3と、電磁波シールド層13とにより、密閉空間62を形成して、電子部品4を封止するものである。
この電磁波シールド用フィルム100により被覆(封止)される電子部品搭載基板45は、本実施形態では、基板5と、基板5の上面(一方の面)の中央部に搭載(載置)された少なくとも1つ(図2では2つ)の電子部品4と、基板5の上面に電子部品4よりも端部側に配置され、電子部品4を取り囲む枠体3とを備えている。
このような電子部品搭載基板45が備える基板5の上面において、電子部品4を取り囲むように配置された枠体3は、その上端側に画成された上部開口31を備え、この上部開口31が、電磁波シールド層13の縁部(接合部)と、枠体3の上端部との接合により、電磁波シールド層13を備える電磁波シールド用フィルム100により被覆され、これにより、基板5と枠体3と電磁波シールド層13とにより、電子部品4が封止された密閉空間62が形成される。
なお、基板5としては、例えば、プリント配線基板が挙げられる。また、基板5上に搭載する電子部品4としては、例えば、半導体素子、コンデンサー、コイル、コネクターおよび抵抗等が挙げられる。
さらに、枠体3は、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケルおよびアルミニウム、またはこれらを含む合金のような導電性を有する金属材料を主材料として構成されることで導電性を有し、その全体形状が筒状をなし、基板5の上面側から立設しており、基板5の上面側の中央部に配置された電子部品4を取り囲むように形成されている。
この枠体3は、電磁波シールド用フィルム100の被覆により、電子部品4を封止する密閉空間62を形成する機能を発揮するとともに、枠体3が導電性を有することで、電磁波シールド層13と電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50の外部とを電気的に接続する電極としての機能も発揮する。
また、枠体3は、その高さが、電子部品4の高さよりも高く設定され、具体的には、枠体3の高さをH3[mm]とし、電子部品4の高さをH4[mm]としたとき、1.1<H3/H4<2.0なる関係を満足することが好ましく、1.2<H3/H4<1.8なる関係を満足することがより好ましい。これにより、電子部品搭載基板45の大型化を防止しつつ、電子部品搭載基板45が電磁波シールド用フィルム100により被覆された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50に画成された密閉空間62において、電磁波シールド層13と電子部品4とが接触するのを的確に抑制または防止することができる。
このような電子部品搭載基板45を被覆して、密閉空間62を形成することで、電子部品4を封止するために用いられる、本実施形態の電磁波シールド用フィルム100において、絶縁層11と電磁波シールド層13とは、ともに、樹脂材料を含有し、さらに、電磁波シールド層13は、樹脂材料の他に、導電性を有する導電性材料を含有するものである。絶縁層11および電磁波シールド層13をかかる構成のものとすることで、絶縁層11を、絶縁性を有し、電磁波シールド層13を、導電性および電磁波シールド性の双方を有するものとし得る。以下、これら絶縁層11および電磁波シールド層13について説明する。
絶縁層11(第1絶縁層)は、電磁波シールド層13の一方の面側(上面側)に積層され、電磁波シールド層13の枠体3とは反対側に位置している。これにより、基板5、枠体3および電子部品4を、絶縁層11を介して基板5と反対側に位置する他の部材(電子部品等)から絶縁する。
この絶縁層11としては、例えば、樹脂材料として、熱硬化性を有する熱硬化性樹脂(絶縁樹脂)または熱可塑性を有する熱硬化性樹脂(絶縁樹脂)を含有する絶縁フィルムが挙げられる。これらの中でも、絶縁層11は、樹脂材料として熱可塑性樹脂を含有する絶縁フィルムであることが好ましい。また、熱可塑性樹脂は、その軟化点温度に加熱すると、軟化状態となることから、接着対象の枠体3からの再剥離を容易に行うことができるため、電子部品搭載基板45の修理の際には、特に有用である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂、α−オレフィン系樹脂、酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、エチレン酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル、ポリアミド、セルロースが挙げられる。これらの中でも屈曲性、耐薬品性に優れるという理由からポリエステル系樹脂、α−オレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
さらに、絶縁層11には、熱可塑性樹脂の他に、耐熱性や耐屈曲性等の性能を損なわない範囲で、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、ユリア系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等を含有させることができる。また、絶縁層11には、後述する電磁波シールド層13の場合と同様に、耐熱性や耐屈曲性を劣化させない範囲で、シランカップリング剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤、充填剤、難燃剤等を添加してもよい。
絶縁層11の厚みT(D)は、特に限定されないが、3μm以上100μm以下であることが好ましく、4μm以上30μm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは5μm以上20μm以下である。これにより、絶縁層11を介した、基板5、枠体3および電子部品4と、基板5と反対側に位置する他の部材との絶縁性を確保することができるとともに、電子部品搭載基板45が電磁波シールド用フィルム100により被覆された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50の軽量化および薄型化を実現することができる。
なお、この絶縁層11は、図1、図2で示したように、1層で構成されるものの他、上述した絶縁フィルムのうち異なるものを積層させた2層以上の積層体であってもよい。
さらに、絶縁層11は、その電磁波シールド層13側の面に、粘着剤層を備えるものであってもよい。これにより、電磁波シールド層13と絶縁層11との粘着性(密着性)の向上が図られる。
この粘着剤層は、例えば、主として、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤およびゴム系粘着剤等のうちの少なくとも1種からなる粘着剤で構成される。
アクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルで構成される樹脂、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルと、それらと共重合可能な不飽和単量体(例えば酢酸ビニル、スチレン、アクリルニトリル等)との共重合体等が挙げられる。また、これらの樹脂を2種類以上混合したものが挙げられる。
また、これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシルおよび(メタ)アクリル酸ブチルからなる群から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび酢酸ビニルの中から選ばれる1種以上との共重合体が好ましい。これにより、粘着層が粘着する絶縁層11および電磁波シールド層13との密着性や粘着性の制御が容易になる。
この場合、粘着剤層には、粘着性(接着性)を制御するためにウレタンアクリレート、アクリレートモノマー、多価イソシアネート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート)等のイソシアネート化合物等のモノマーおよびオリゴマーが含まれていてもよい。
また、ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴム系、イソプレンゴム系、スチレン−ブタジエン系、再生ゴム系、ポリイソブチレン系のものや、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン等のゴムを含むブロック共重合体を主とするもの等が挙げられる。
さらに、シリコーン系粘着剤としては、例えば、ジメチルシロキサン系、ジフェニルシロキサン系のもの等が挙げられる。
なお、本実施形態では、電磁波シールド用フィルム100を、絶縁層11を備えるものとすることで、基板5、枠体3および電子部品4を被覆し、これにより、電子部品4と、絶縁層11を介して基板5と反対側に位置する他の部材(電子部品等)とを絶縁することとしたが、この絶縁層11による電子部品4と、他の部材との絶縁を必要としない場合、さらには、電磁波シールド層13単独で、電磁波シールド層13と電子部品4との間に空間を形成するのに十分な弾性率を有する場合には、この絶縁層11の形成を省略することもできる。
電磁波シールド層13は、樹脂材料と、導電性を有する導電性材料とを含有するものである。このような電磁波シールド層13において、樹脂材料は、導電性材料を層中に保持するバインダーとして機能する。このようなバインダーとしての樹脂材料を含む電磁波シールド層13は、さらに、導電性を有する導電性粒子を含有することで、導電性および電磁波シールド性を発揮する層である。
このような電磁波シールド層13により、枠体3の上部開口31を覆うことで、基板5と、枠体3と、電磁波シールド層13とにより、密閉空間62が形成され、その結果、この密閉空間62内に電子部品4が封止される。そのため、電子部品搭載基板45を電磁波シールド用フィルム100で被覆することで得られる電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50は、電子部品4への電磁波によるノイズの影響が的確に抑制または防止されたものとなる。さらに、電磁波シールド層13の端部において、電磁波シールド層13が枠体3を直接被覆しており、これにより、枠体3が電磁波シールド層13に電気的に接続される。そのため、得られる電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50において、この枠体3を介した電磁波シールド層13と外部との電気的な接続を確保することが可能となる。
かかる構成の電磁波シールド層13において、バインダーとして機能する樹脂材料は、前述した絶縁層11に含まれる樹脂材料と同様のものを用いることができる。
また、導電性粒子は、電磁波シールド層13に導電性および電磁波シールド性の双方を付与し得るものであれば、特に限定されず、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケルおよびアルミニウム、またはこれらを含む合金のような金属、および、AFe2O4(式中、Aは、Mn、Co、Ni、CuまたはZnである)で表されるフェライト、ITO、ATO、FTOのような金属酸化物等を含むものが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、導電性粒子は、このような金属および/または金属酸化物を含むものの他、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレンのような導電性高分子、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンブラックのような炭素系材料を含有するものであってもよい。
導電性粒子の平均粒径は、1.0μm以上40.0μm以下であるのが好ましく、3.0μm以上8.0μm以下であるのがより好ましい。これにより、導電性粒子を電磁波シールド層13中に均一に分散させることができる。そのため、電磁波シールド層13を、このものとしての特性を均質に発揮するものとできる。
また、電磁波シールド層13中における導電性粒子の含有量は、10重量%以上95重量%以下であることが好ましく、60重量%以上90重量%以下であることがより好ましい。導電性粒子の含有量をかかる範囲内に設定することにより、電磁波シールド層13に導電性および電磁波シールド性の双方を確実に付与することができる。
また、電磁波シールド層13の平均厚さは、7μm以上600μm以下であることが好ましく、5μm以上200μm以下であることがより好ましい。電磁波シールド層13の平均厚さをかかる範囲内に設定することにより、電磁波シールド層13に、導電性および電磁波シールド性の双方をより確実に付与することができる。
以上のような絶縁層11と電磁波シールド層13とを備える電磁波シールド用フィルム100により、基板5上に配置され電子部品4を取り囲む枠体3とを有する電子部品搭載基板45に対して、枠体3の上部開口31を電磁波シールド層13で覆うように被覆する。これにより、基板5と、枠体3と、電磁波シールド層13とにより、密閉空間62が形成され、その結果、この密閉空間62内に電子部品4が封止される。そのため、電磁波シールド用フィルム100により、密閉空間62内に電子部品4が封止された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50は、金属缶により電子部品4を封止した場合と比較して、その軽量化が図られ、さらに、電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50を、電磁波によるノイズの影響が抑制されたものとし得る。
また、電磁波シールド用フィルム100は、80℃における貯蔵弾性率が1.0×105Pa以上であることが好ましく、120℃における貯蔵弾性率が3.0×105Pa以上1.0×1010Pa以下であることがより好ましい。電磁波シールド用フィルム100の加熱時の貯蔵弾性率がこのような下限値以上の値であると、電磁波シールド用フィルム100の加熱時において、電磁波シールド用フィルム100が不本意に変形するのを的確に抑制または防止することができる。そのため、基板5と枠体3と電磁波シールド層13とにより形成さる密閉空間62内において、電磁波シールド層13と電子部品4とが接触するのを確実に防止することができる。
また、電磁波シールド用フィルム100の全体としての平均厚さは、10μm以上700μm以下であることが好ましく、20μm以上400μm以下であることがより好ましい。電磁波シールド用フィルム100の平均厚さをかかる範囲内に設定することにより、電磁波シールド用フィルム100の途中において、電磁波シールド用フィルム100が破断するのを的確に抑制または防止し得るとともに、導電性および電磁波シールド性の双方を、電磁波シールド用フィルム100に、より確実に付与することができる。
なお、電磁波シールド層13は、上述したような樹脂材料と導電性材料とを含有する層で構成される単層体である場合の他、この層の電子部品4側の面に積層された、金属材料を含む金属層をさらに備える積層体であってもよい。電磁波シールド層13を、このような金属層を備える積層体で構成することで、前述の通り、電磁波シールド用フィルム100を、絶縁層11の形成を省略して、電磁波シールド層13単独で構成されるものとしても、電磁波シールド用フィルム100の貯蔵弾性率を前記範囲内に比較的容易に設定することができる。
また、金属層は、金、銀、アルミニウム、クロム、ジルコニウム、コバルト、ニッケルのうちの1種の金属材料で構成されるものであってもよいし、これら金属材料を2種以上を含むステンレス鋼、コバルト系合金のような合金であってもよし、さらに、これら金属材料の少なくも1種を含む金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属窒化物、金属炭化物等であってもよい。また、この金属層は、金属箔または蒸着膜等のいずれであってもよい。
さらに、電磁波シールド層13が導電性を有しない金属層を電子部品4側に備える場合には、電磁波シールド層13は、図2に示すように、電子部品4との間に空間を備える必要はなく、電子部品4と空間を介さず直接接していてもよい。
(電子部品搭載基板の封止方法)
次に、以上のような構成をなす本実施形態の電磁波シールド用フィルム100を用いた電子部品搭載基板の封止方法、すなわち、電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50(本発明の電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板)の製造方法について説明する。
次に、以上のような構成をなす本実施形態の電磁波シールド用フィルム100を用いた電子部品搭載基板の封止方法、すなわち、電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50(本発明の電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板)の製造方法について説明する。
本発明の電子部品搭載基板の封止方法は、基板5と電子部品4と枠体3とを覆い、かつ、枠体3に、電磁波シールド用フィルム100が備える電磁波シールド層13が接触するように電磁波シールド用フィルム100を配置する配置工程と、電磁波シールド用フィルム100を加熱し軟化させるとともに、減圧する加熱・減圧工程と、電磁波シールド用フィルム100を冷却させるとともに、加圧することで、基板5と電子部品4と枠体3を電磁波シールド用フィルム100で被覆する冷却・加圧工程とを有する。
以下、電子部品搭載基板の封止方法の各工程について、順次説明する。
(配置工程)
まず、図3(a)に示すように、電磁波シールド用フィルム100が備える電磁波シールド層13および絶縁層11のうち電磁波シールド層13を、電子部品搭載基板45に対向させた状態で、電子部品搭載基板45が備える基板5と電子部品4と枠体3とを覆うように、電磁波シールド用フィルム100を電子部品搭載基板45上に配置する(図3(b)参照)。
(配置工程)
まず、図3(a)に示すように、電磁波シールド用フィルム100が備える電磁波シールド層13および絶縁層11のうち電磁波シールド層13を、電子部品搭載基板45に対向させた状態で、電子部品搭載基板45が備える基板5と電子部品4と枠体3とを覆うように、電磁波シールド用フィルム100を電子部品搭載基板45上に配置する(図3(b)参照)。
この際、電磁波シールド用フィルム100が備える電磁波シールド層13の縁部と、電子部品搭載基板45が備える枠体3の上面側の端部とが接触するように、電子部品搭載基板45上に電磁波シールド用フィルム100を配置する
(加熱・減圧工程)
次に、電磁波シールド用フィルム100を加熱し軟化させるとともに、減圧する。
次に、電磁波シールド用フィルム100を加熱し軟化させるとともに、減圧する。
このように、電磁波シールド用フィルム100を加熱することにより、電磁波シールド用フィルム100すなわち電磁波シールド層13および絶縁層11が軟化し、その結果、電磁波シールド層13が接触している枠体3に対して、密着し得る状態となる。
また、この際、電子部品搭載基板45および電磁波シールド用フィルム100を、減圧雰囲気下に配置することで、電磁波シールド層13と枠体3との密着度の向上を図ることができる。
本工程における電磁波シールド用フィルム100の加熱温度は、通常、80℃以上150℃以下に設定される。電磁波シールド用フィルム100の加熱時に、加熱温度がかかる範囲内に設定されたとしても、電磁波シールド用フィルム100の加熱時の貯蔵弾性率が、前述の通りの範囲内とされていることから、電磁波シールド用フィルム100が不本意に変形するのを的確に抑制または防止することができる。その結果、電磁波シールド層13と電子部品4とが接触するのが確実に防止された状態で、基板5と枠体3と電磁波シールド層13とにより密閉空間62が画成される。
なお、電磁波シールド用フィルム100の加熱と、雰囲気の減圧とは、加熱の後に減圧してもよく、減圧の後に加熱してもよいが、加熱と減圧とをほぼ同時に行うことが好ましい。これにより、軟化した電磁波シールド層13を枠体3に対して、より確実に密着させることができる。
(冷却・加圧工程)
次に、電磁波シールド用フィルム100を冷却させるとともに、加圧する。
次に、電磁波シールド用フィルム100を冷却させるとともに、加圧する。
これにより、枠体3に対して密着した状態の電磁波シールド層13が固化することで、枠体3と電磁波シールド層13とが接合し、その結果、基板5と枠体3と電磁波シールド層13とにより画成された密閉空間62内に、電子部品4が封止された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50を得ることができる。
なお、電磁波シールド用フィルム100の冷却と、雰囲気の加圧とは、加圧の後に冷却してもよいが、冷却と加圧とをほぼ同時に行うことが好ましい。これにより、電磁波シールド層13を枠体3に対して、より優れた接合強度で接合させることができる。
上記の工程を経ることで、電磁波シールド用フィルム100の被覆により、密閉空間62内に電子部品4が封止された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50を得ることができる。
<<第2実施形態>>
次に、本発明の電磁波シールド用フィルム100の第2実施形態について説明する。
次に、本発明の電磁波シールド用フィルム100の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明の電磁波シールド用フィルムの第2実施形態を示す縦断面図、図5は、図4に示す電磁波シールド用フィルムにより電子部品が封止された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板を示す縦断面図、図6は、図4に示す電磁波シールド用フィルムを用いて、図5に示す電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板を製造する製造方法を説明するための縦断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図4〜図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第2実施形態の電磁波シールド用フィルム100、および、この電磁波シールド用フィルム100で被覆された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50について、前記第1実施形態の電磁波シールド用フィルム100、および、第1実施形態の電磁波シールド用フィルム100で被覆された電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の電磁波シールド用フィルム100は、図4、図5に示すように、絶縁層11に代えて、電磁波シールド層13の他方の面側(下面側)に積層された絶縁層12(第2絶縁層)を備え、さらに、この電磁波シールド層13が、絶縁層12よりも大きく形成され、その中央部において絶縁層12が電磁波シールド層13に積層されるが、端部において、絶縁層12の端部を越えて突出することで形成された突出部15を有していること以外は、前記第1実施形態の電磁波シールド用フィルム100と同様である。
このような電磁波シールド層13により、図5に示すように、電子部品搭載基板45を電磁波シールド用フィルム100で被覆する際に、その中央部では、絶縁層12を介して、密閉空間62内において電子部品4が封止される。そのため、電子部品搭載基板45を電磁波シールド用フィルム100で被覆することで得られる電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50を、電子部品4への電磁波によるノイズの影響が的確に抑制または防止されたものとすることができる。密閉空間62内において、電子部品4と電磁波シールド層13との間に絶縁層12が介在するため、枠体3と電子部品4との間の絶縁性、さらには、電子部品4同士の絶縁性を確保することができるともに、基板5、枠体3および電子部品4と、絶縁層12を介して基板5と反対側に位置する他の部材(電子部品等)との絶縁性を確保することができる。
さらに、電磁波シールド用フィルム100において、電磁波シールド層13は、本実施形態では、絶縁層12よりも大きく形成され、その端部が絶縁層12の端部(縁部)から露出すること、換言すれば、絶縁層12の端部を越えて突出することで形成された突出部15を備えている。そのため、この電磁波シールド用フィルム100を用いた被覆の際に、基板5の上面側の端部に形成された枠体3に、突出部15を接触させた状態とすることができる。したがって、この突出部15は、電磁波シールド層13で構成され導電性を有することから、得られた電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50において、枠体3を介した、突出部15(電磁波シールド層13)と外部との電気的な接続を確保する接続部としての機能を発揮させることが可能となる。
また、この突出部15の長さは、特に限定されないが、0.1cm以上2.5cm以下であることが好ましく、0.5cm以上1.5cm以下であることがより好ましい。突出部15の長さをかかる範囲内に設定することにより、突出部15を、基板5の上面側の端部に形成された枠体3に接触させることができるため、突出部15と枠体3との電気的な接続をより確実に実現することができる。
なお、この絶縁層12は、前述した絶縁層11と同様に、樹脂材料を主材料として構成されるが、この樹脂材料としても、前述した絶縁層11に含まれる樹脂材料と同様のものを用いることができる。
(電子部品搭載基板の封止方法)
さらに、第2実施形態の絶縁層12を備える電磁波シールド用フィルム100を用いた、基板5の上面側の端部に枠体3を備える電子部品搭載基板45の封止(被覆)は、以下のようにして実施することができる。
さらに、第2実施形態の絶縁層12を備える電磁波シールド用フィルム100を用いた、基板5の上面側の端部に枠体3を備える電子部品搭載基板45の封止(被覆)は、以下のようにして実施することができる。
すなわち、図6(a)に示すように、配置工程において、電磁波シールド用フィルム100が備える電磁波シールド層13および絶縁層12のうち絶縁層12を、電子部品搭載基板45に対向させた状態で、電子部品搭載基板45が備える基板5と電子部品4と枠体3とを覆い、かつ、電磁波シールド層13が突出部15において枠体3と接触するように、電磁波シールド用フィルム100を電子部品搭載基板45上に配置し(図6(b)参照)、加熱・減圧工程において、電磁波シールド用フィルム100を加熱して軟化させて、突出部15(電磁波シールド層13)が接触している枠体3に対して、突出部15を密着し得る状態とし、その後、冷却・加圧工程を施すこと以外は、前記第1実施形態と同様にすることにより、図5に示すような電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50を得ることができる。
以上、本発明の電磁波シールド用フィルムおよび電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の電磁波シールド用フィルムにおいて、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
例えば、本発明では、前記第1〜第2実施形態で示した任意の2以上の構成を組み合わせるようにしてもよい。
さらに、本発明の電磁波シールド用フィルムには、同様の機能を発揮し得る、任意の層が追加されているものであってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
<電磁波シールド用フィルムの製造>
平板状(シート状)をなす電磁波シールド用フィルムを得るために、形成すべき電磁波シールド用フィルムの各層を構成する樹脂として、それぞれ、以下に示すものを用意した。
<電磁波シールド用フィルムの製造>
平板状(シート状)をなす電磁波シールド用フィルムを得るために、形成すべき電磁波シールド用フィルムの各層を構成する樹脂として、それぞれ、以下に示すものを用意した。
まず、絶縁層11として、ポリプロピレン系樹脂(住友化学社製、「FS2011DG2」)を用意した。
また、電磁波シールド層13に含まれる樹脂材料として、ポリエステル系樹脂(ユニチカ社製、「UE−3520」)を用意した。
さらに、電磁波シールド層13に含まれる導電性粒子として、銀からなる球状粒子(福田金属箔粉工業製、「Ag−XF301」、50%粒子径4〜7μm)を用意した。
次に、絶縁層11を構成する樹脂を用いて押出成形法により絶縁層11を成膜し、電磁波シールド層13に含まれる樹脂材料を74vol%と導電性粒子を26vol%との溶剤混合物を用いてコンマコーターにより電磁波シールド層13を塗工成膜し、上記をラミネーターに貼り合わせることによって、電磁波シールド層13/絶縁層11の順に積層された積層体からなる電磁波シールド用フィルムを得た。
なお、得られた電磁波シールド用フィルムの各層の平均厚さ(μm)は、それぞれ、電磁波シールド層13/絶縁層11で40/100μmであり、合計厚さは、140μmであった。
また、電磁波シールド用フィルムの80℃および120℃における貯蔵弾性率を測定したところ、それぞれ、8.0×107Paおよび5.0×105Paであった。
<電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板の製造>
まず、基板5上に、電子部品4および枠体3を備える電子部品搭載基板45を用意し、その後、スキンパック包装機(ハイパック社製、「HI−750シリーズ」)が備えるチャンバー内において、電子部品搭載基板45が有する基板5と電子部品4と枠体3とを覆うように、得られた実施例1の電磁波シールド用フィルム100を、絶縁層11を電子部品搭載基板45の反対側にして、枠体3と電磁波シールド層13とが接触するように配置した。
まず、基板5上に、電子部品4および枠体3を備える電子部品搭載基板45を用意し、その後、スキンパック包装機(ハイパック社製、「HI−750シリーズ」)が備えるチャンバー内において、電子部品搭載基板45が有する基板5と電子部品4と枠体3とを覆うように、得られた実施例1の電磁波シールド用フィルム100を、絶縁層11を電子部品搭載基板45の反対側にして、枠体3と電磁波シールド層13とが接触するように配置した。
次に、電磁波シールド用フィルム100を加熱し軟化させるとともに、チャンバー内を減圧した。なお、電磁波シールド用フィルムを加熱した温度は125℃であり、チャンバーの圧力は0.4kPaであり、かかる加熱・減圧の条件を1分間保持した。
次に、チャンバー内を常温・常圧に戻すことで、電磁波シールド用フィルムを冷却するとともに、チャンバー内を加圧した。これにより、基板5と枠体3と電磁波シールド層13とにより画成された密閉空間62内に、電子部品4が封止された実施例1の電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50を得た。
なお、電子部品搭載基板45が備える枠体3の高さH3は、2.0mmであり、電子部品4の高さH4は、1.5mmであった。
また、16mm×13mmの面積を備える電磁波シールド用フィルム100の総重量は、0.1336gであった。
(実施例2)
前記実施例1において、成膜された絶縁層11上に、蒸着法を用いて、アルミニウムで構成される金属層を形成した後に、溶剤混合物を用いてコンマコーターにより樹脂材料と導電性粒子とを含有する層を形成して電磁波シールド層13を得たこと以外は、前記実施例1と同様にして電磁波シールド用フィルムを得た。
前記実施例1において、成膜された絶縁層11上に、蒸着法を用いて、アルミニウムで構成される金属層を形成した後に、溶剤混合物を用いてコンマコーターにより樹脂材料と導電性粒子とを含有する層を形成して電磁波シールド層13を得たこと以外は、前記実施例1と同様にして電磁波シールド用フィルムを得た。
なお、得られた電磁波シールド用フィルムが備える電磁波シールド層13の各層の平均厚さ(μm)は、それぞれ、金属層/樹脂材料と導電性粒子とを含有する層で、10/12μmであった。
(比較例1)
比較例1として、アルミニウムで構成される金属缶により電子部品4が封止された金属缶封止電子部品搭載基板を用意した。
比較例1として、アルミニウムで構成される金属缶により電子部品4が封止された金属缶封止電子部品搭載基板を用意した。
なお、16mm×13mmの面積を備える比較例1の金属缶の総重量は、カシメ部の重量を含めて求めたところ、0.9298gであった。
<評価試験>
各実施例および比較例で作製した電磁波シールド用フィルムまたは電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板について、電磁波シールド性、密閉空間の画成性の評価を行った。以下に、これらの評価方法について説明する。
各実施例および比較例で作製した電磁波シールド用フィルムまたは電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板について、電磁波シールド性、密閉空間の画成性の評価を行った。以下に、これらの評価方法について説明する。
<<電磁波シールド性>>
電磁波シールド性は、以下のようにして評価した。
電磁波シールド性は、以下のようにして評価した。
すなわち、各実施例で作製した電磁波シールド用フィルム、および、比較例が備える金属缶について、KEC法(電界)を用いて、周波数0.001〜1GHzの範囲内における電磁波シールド効果の値を測定し、周波数0.1GHz以上1GHz以下の範囲内における電磁波シールド効果の最小値を求めた。そして、求められた最小値を、以下の評価基準に基づいて判断した。
各符号は以下のとおりであり、◎および○を合格とし、×を不合格とした。
◎:電磁波シールド効果の最小値が40dB以上である
○:電磁波シールド効果の最小値が40dB未満、20dB以上である
×:電磁波シールド効果の最小値が20dB未満である
◎:電磁波シールド効果の最小値が40dB以上である
○:電磁波シールド効果の最小値が40dB未満、20dB以上である
×:電磁波シールド効果の最小値が20dB未満である
なお、KEC法は、近傍界で発生する電磁波のシールド効果を電界と磁界に分けて評価する方法であり、この方法を用いた測定は、送信アンテナ(送信用の治具)から送信された電磁波を、シート状をなす電磁波シールド用フィルムまたは金属缶を介して、受信アンテナ(受信用の治具)で受信することで実施することができ、かかるKEC法では、受信アンテナにおいて、電磁波シールド用フィルムを通過(透過)した電磁波が測定されるすなわち、送信された電磁波(信号)が電磁波シールド層または金属缶により受信アンテナ側でどれだけ減衰したかが測定される。
<<密閉空間の画成性>>
電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板が備える密閉空間の画成性は、以下のようにして評価した。
電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板が備える密閉空間の画成性は、以下のようにして評価した。
すなわち、各実施例で作製した電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板について、電磁波シールド用フィルムで電子部品搭載基板を被覆することにより画成された密閉空間について、以下の評価基準に基づいて評価した。
各符号は以下のとおりであり、◎および○を合格とし、×を不合格とした。
◎:電磁波シールド用フィルムの電子部品側に対する湾曲が認められず、
電磁波シールド用フィルムが電子部品に接触することなく、
密閉空間が画成されている
○:電磁波シールド用フィルムの電子部品側に対する湾曲が若干認められる
ものの、電磁波シールド用フィルムが電子部品に接触することなく、
密閉空間が画成されている
×:電磁波シールド用フィルムの電子部品側に対する明らかな湾曲が認められ、
電磁波シールド用フィルムが電子部品に接触した状態で、
密閉空間が画成されている
◎:電磁波シールド用フィルムの電子部品側に対する湾曲が認められず、
電磁波シールド用フィルムが電子部品に接触することなく、
密閉空間が画成されている
○:電磁波シールド用フィルムの電子部品側に対する湾曲が若干認められる
ものの、電磁波シールド用フィルムが電子部品に接触することなく、
密閉空間が画成されている
×:電磁波シールド用フィルムの電子部品側に対する明らかな湾曲が認められ、
電磁波シールド用フィルムが電子部品に接触した状態で、
密閉空間が画成されている
表1から明らかなように、各実施例の電磁波シールド用フィルムを備える電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50では、電磁波シールド用フィルムが電子部品に接触することなく密閉空間を画成することができ、さらに、比較例1の金属缶封止電子部品搭載基板と同等の電磁波シールド性を示した。
また、各実施例の電磁波シールド用フィルムを備える電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板50は、比較例1の金属缶封止電子部品搭載基板と比較して、軽量化が図られている結果を示した。
3 枠体
4 電子部品
5 基板
11 絶縁層
12 絶縁層
13 電磁波シールド層
15 突出部
31 上部開口
45 電子部品搭載基板
50 電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板
62 密閉空間
100 電磁波シールド用フィルム
4 電子部品
5 基板
11 絶縁層
12 絶縁層
13 電磁波シールド層
15 突出部
31 上部開口
45 電子部品搭載基板
50 電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板
62 密閉空間
100 電磁波シールド用フィルム
Claims (9)
- 基板と、該基板上に配置された電子部品と、前記基板上に配置され前記電子部品を取り囲む枠体とを有する電子部品搭載基板に対して、電磁波によるノイズの影響を低減させるために用いられ、電磁波シールド層を備える電磁波シールド用フィルムであって、
前記枠体の上部開口を覆うことで、前記基板と、前記枠体と、前記電磁波シールド層とにより、密閉空間を形成して、前記電子部品を封止することを特徴とする電磁波シールド用フィルム。 - 前記電磁波シールド層の前記枠体とは反対側の面に積層された第1絶縁層を有する請求項1に記載の電磁波シールド用フィルム。
- 前記枠体は、導電性を有し、
前記電磁波シールド層は、前記枠体の上端部に接合される接合部を介して、前記枠体に電気的に接続される請求項1または2に記載の電磁波シールド用フィルム。 - 前記電磁波シールド層の前記枠体側の面に積層された第2絶縁層を有し、前記接合部は、前記第2絶縁層から露出している請求項3に記載の電磁波シールド用フィルム。
- 当該電磁波シールド用フィルムは、80℃における貯蔵弾性率が1.0×105Pa以上である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電磁波シールド用フィルム。
- 当該電磁波シールド用フィルムは、その平均厚さが10μm以上700μm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電磁波シールド用フィルム。
- 前記電磁波シールド層は、粒子状をなす導電性材料と、バインダー樹脂とを含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電磁波シールド用フィルム。
- 前記基板は、プリント配線基板である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電磁波シールド用フィルム。
- 基板と、該基板上に配置された電子部品と、前記基板上に配置され前記電子部品を取り囲む枠体と、電磁波シールド層を備える電磁波シールド用フィルムとを有し、
前記枠体の上部開口が前記電磁波シールド用フィルムで覆われることで、前記基板と、前記枠体と、前記電磁波シールド層とにより、密閉空間を形成して、前記電子部品が封止されていることを特徴とする電磁波シールド用フィルム封止電子部品搭載基板。
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US10583617B2 (en) | 2016-11-28 | 2020-03-10 | General Electric Company | Automatic systems and methods for stacking composite plies |
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-
2018
- 2018-03-30 JP JP2018070114A patent/JP2019179909A/ja active Pending
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