JP2019179880A - 半固体電解コンデンサ用セパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性高分子粒子を含む塗層にムラ等の誘発がなく、塗工面と反対側に向かって徐々に導電性高分子粒子の濃度が薄くなる良好な濃度勾配を有するなど、基材上の導電性高分子粒子の付着形成状態が良好で、実用的リフロー耐熱性を有する耐熱性の高い固体電解コンデンサ用セパレータを提供することを課題とする。【解決手段】フィブリル化耐熱性繊維と合成繊維とを含む不織布基材の少なくとも一方の面に導電性高分子粒子を含む塗層を有することを特徴とする半固体電解コンデンサ用セパレータであり、より好ましくは、フィブリル化耐熱性繊維が、フィブリル化全芳香族ポリアミド繊維である固体電解コンデンサ用セパレータである。【選択図】なし
Description
本発明は、半固体電解コンデンサ用セパレータに関する。より詳しくは、導電性高分子と電解液とを併用する電解コンデンサ用セパレータに関する。
固体電解質として、ポリピロールやポリチオフェンなどの導電性高分子を用いる固体電解コンデンサでは、箔状の陽極電極及び陰極電極を、セパレータを介して巻き取り、巻回素子を形成し、この巻回素子中のセパレータに導電性高分子の重合液を含浸させて重合させたり、導電性高分子分散液を含浸させたりすることで、セパレータを覆い尽くす導電性高分子膜が形成される。従来、固体電解コンデンサのセパレータとしては、エスパルトや麻パルプなどの天然セルロース繊維、溶剤紡糸セルロース繊維、再生セルロース繊維等のセルロース繊維の叩解物を主体とする紙製セパレータが使用されている(例えば、特許文献1参照)。これら紙セパレータ中のセルロース繊維は、導電性高分子を重合する際に用いる酸化剤と反応して導電性高分子の重合を阻害することから、重合を阻害しないように、予め炭化処理が施される。そのため、炭化処理によって紙セパレータが熱収縮することや、脆くなることで電極のバリがセパレータを貫通しやすくなることがあり、ショート不良率が高くなる等の問題があった。
そのため、固体電解コンデンサ用セパレータとして、合成繊維を主体とする不織布を用いたセパレータの検討がなされている(例えば、特許文献2参照)。固体電解コンデンサにおいて、近年、リフロー耐熱性の要求温度が高くなってきているが、特許文献2のセパレータは260℃雰囲気下での熱収縮が大きく耐熱性が低いという問題があった。
そこで、特許文献3では、(1)フィブリル化耐熱性繊維と合成繊維とを必須成分として含有してなる不織布基材と、前記不織布基材の少なくとも一方の面に設けられてなる無機フィラーを含む塗層とを有することを特徴とする固体電解コンデンサ用セパレータもしくは、(2)フィブリル化耐熱性繊維が、フィブリル化全芳香族ポリアミド繊維とすることで、ショート不良率が低く、リフロー耐熱性を有する固体電解コンデンサ用セパレータが得られるという技術が提案されている。
また、近年、上記のような固体電解コンデンサに電解液を含浸させ、電極修復機能を持たせて耐電圧向上を図る半固体電解コンデンサのニーズも高まってきている。
また、導電性高分子の形成方法も上記の重合タイプではなく、予め合成された導電性高分子を分散させた液を含浸させることによって導電性高分子被膜を形成させる方法も使用されている。この方法は、素子内で重合反応を進行させるのに比較し、良好な品質の導電性高分子が使用できるため、品質の安定化が図られ、また、炭化処理や重合処理が不要であるため、炭化処理や重合処理時の陽極酸化被膜へのダメージも少なく、良好に使用されている。
また、耐電圧特性向上を図る目的で、セパレータに予め導電性高分子分散体を含浸させ乾燥させることで、セパレータ内に導電性高分子層を形成するとともに、セパレータ内で導電性高分子層の濃度勾配をつけることで、良好な耐電圧特性を得る技術も紹介されている(特許文献4)。
ただし、この技術においては、セパレータに導電性高分子分散体液を塗工含浸を行い乾燥する工程が難しく、塗工液がセパレータの裏側に抜けてしまうことによる悪影響が発生したり、搬送速度を遅くしなければ良好な乾燥状態が得られない場合があり、良好な生産性でセパレータへの導電性高分子分散体液の塗工含浸を行い、導電性高分子層の形成を良好に行うことは難しかった。
本発明は、上記実情を鑑みたものであって、導電性高分子粒子を含む塗層にムラ等の誘発がなく、塗工面と反対側に向かって徐々に導電性高分子粒子の濃度が薄くなる良好な濃度勾配を有するなど、基材上の導電性高分子粒子の付着形成状態が良好で、実用的リフロー耐熱性を有する半固体電解コンデンサ用セパレータを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するための手段として、下記発明を見出した。
(1)フィブリル化耐熱性繊維と合成繊維とを含む不織布基材の少なくとも一方の面に導電性高分子粒子を含む塗層を有することを特徴とする半固体電解コンデンサ用セパレータ。
(2)フィブリル化耐熱性繊維が、フィブリル化全芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とする(1)記載の半固体電解コンデンサ用セパレータ。
本発明によれば、フィブリル化耐熱性繊維と合成繊維とを必須成分として含有してなる不織布基材を用いることによって、不織布基材の空孔が小さくなり、また、比較的均一に形成される。そのため、この不織布基材の少なくとも一方の面から塗工を行った際に、適度にセパレータ中に含浸され、かつ塗工面側により高濃度に付着し、良好な導電性高分子粒子の濃度勾配を持った不織布が形成される。この導電性高分子粒子を含む不織布により、半固体電解コンデンサの低ESR性能を向上させ、フィブリル化耐熱性繊維によるリフロー耐熱性が得られるとともに、導電性高分子層の層内の濃度勾配により、塗工面と反対面を陽極側に対向させることで、耐圧性向上も期待できる。
本発明において、「セパレータ」と表記する場合は、「半固体電解コンデンサ用セパレータ」を意味する。
<半固体電解コンデンサ>
本発明において、半固体電解コンデンサは、電解質として、導電性を有する機能性高分子(導電性高分子)を用いるとともに電解液も含浸させた電解コンデンサのことである。導電性を有する機能性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、これらの誘導体などが挙げられる。本発明において、電解液としては、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、アセトニトリル(AN)、γ−ブチロラクトン(BL)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、スルホラン(SL)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、半固体電解コンデンサは、電解質として、導電性を有する機能性高分子(導電性高分子)を用いるとともに電解液も含浸させた電解コンデンサのことである。導電性を有する機能性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、これらの誘導体などが挙げられる。本発明において、電解液としては、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、アセトニトリル(AN)、γ−ブチロラクトン(BL)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、スルホラン(SL)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<半固体電解コンデンサ用セパレータ>
本発明において、不織布基材を構成する必須成分であるフィブリル化耐熱性繊維としては、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリテトラフルオロエチレン等からなる耐熱性繊維をフィブリル化したものが用いられる。これらの中でも全芳香族ポリアミドが電解液との親和性に優れるため好ましい。フィブリル化の程度としては、JIS P8121に規定されるカナダ標準形濾水度0〜400mlが好ましい。400mlを超えると、繊維径分布が広くなり、地合ムラや厚みムラになる場合や塗層を設けるために使用される塗液の裏抜けが生じる場合がある。フィブリル化耐熱性繊維の長さ加重平均繊維長は、0.2〜2.0mmであることが好ましい。0.2mm未満であると、不織布基材から脱落する場合や不織布基材が毛羽立つ場合があり、2.0mmより長いとダマになる場合がある。
本発明において、不織布基材を構成する必須成分であるフィブリル化耐熱性繊維としては、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリテトラフルオロエチレン等からなる耐熱性繊維をフィブリル化したものが用いられる。これらの中でも全芳香族ポリアミドが電解液との親和性に優れるため好ましい。フィブリル化の程度としては、JIS P8121に規定されるカナダ標準形濾水度0〜400mlが好ましい。400mlを超えると、繊維径分布が広くなり、地合ムラや厚みムラになる場合や塗層を設けるために使用される塗液の裏抜けが生じる場合がある。フィブリル化耐熱性繊維の長さ加重平均繊維長は、0.2〜2.0mmであることが好ましい。0.2mm未満であると、不織布基材から脱落する場合や不織布基材が毛羽立つ場合があり、2.0mmより長いとダマになる場合がある。
フィブリル化耐熱性繊維は、耐熱性繊維をリファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間でせん断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも3000psiの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維にせん断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて処理することによって得られる。
本発明において、不織布基材を構成する必須成分である合成繊維は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、ジエン、ポリウレタン、フェノール、メラミン、フラン、尿素、アニリン、不飽和ポリエステル、フッ素、シリコーン、これらの誘導体等の樹脂からなる繊維、上記した耐熱性繊維が挙げられる。合成繊維は不織布基材の引張強度や突刺強度を強くする。
合成繊維は、非フィブリル化繊維であり、単一の樹脂からなる繊維(単繊維)であっても良いし、2種以上の樹脂からなる複合繊維であっても良い。また、本発明に係る不織布基材に含まれる合成繊維は、1種でも良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。複合繊維は、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型が挙げられる。
合成繊維の繊度は、0.007〜1.1dtexが好ましく、0.02〜0.6dtexがより好ましい。合成繊維の繊度が1.1dtexを超えた場合、厚さ方向における繊維本数が少なくなるため、厚みを薄くしにくくなる。合成繊維の繊度が0.007dtex未満の場合、繊維の安定製造が困難になる。
合成繊維の繊維長としては、1mm以上10mm以下が好ましく、1mm以上6mm以下がより好ましい。繊維長が10mmを超えた場合、地合不良となることがある。一方、繊維長が1mm未満の場合には、不織布基材の機械的強度が弱くなる場合がある。
本発明において、不織布基材におけるフィブリル化耐熱性繊維と合成繊維との合計含有率は、50〜100質量%が好ましく、60〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%がさらに好ましい。合計含有率が50質量%未満であると、導電性高分子粒子層形成状態が悪くなる場合がある。フィブリル化耐熱性繊維:合成繊維の質量比率は、7:1〜1:19が好ましく、5:1〜3:17がより好ましく、4:1〜1:5がさらに好ましい。合成繊維の比率が1:19より多いと、セパレータの熱収縮が大きくなったりするなど、耐熱性が低くなる場合があり、7:1より少ないと、不織布基材の突刺強度が弱くなり、不織布基材の取り扱い時や塗工時に破損する場合がある。
本発明に係る不織布基材は、フィブリル化耐熱性繊維と合成繊維以外の繊維を含有しても良い。例えば、セルロース繊維、セルロース繊維のパルプ化物やフィブリル化物、合成樹脂からなるフィブリッド、パルプ化物、フィブリル化物、無機繊維が挙げられる。無機繊維としては、ガラス、アルミナ、シリカ、セラミックス、ロックウールが挙げられる。無機繊維を含有する場合は、不織布基材の耐熱寸法安定性や突刺強度が向上するため好ましい。セルロース繊維は、天然セルロース、再生セルロースの何れでも良い。
本発明において、不織布基材の坪量は、8.0〜20.0g/m2が好ましく、9.0〜19.0g/m2がより好ましく、10.0〜18.0g/m2がさらに好ましい。20.0g/m2を超えると、セパレータの厚みが厚くなる場合があり、8.0g/m2未満であると、十分な強度を得ることが難しい場合がある。なお、坪量はJIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定された方法に基づき測定される。
本発明において、不織布基材の厚みは、8〜50μmが好ましく、9〜45μmがより好ましく、10〜40μmがさらに好ましい。50μmを超えると、セパレータの抵抗値が高くなりすぎる場合があり、8μm未満であると、不織布基材の強度が弱くなりすぎて、不織布基材の取り扱い時や塗工時に破損する恐れがある。なお、厚みはJIS B 7502に規定された方法に基づき測定した値、つまり、5N荷重時の外側マイクロメーターにより測定された値を意味する。
本発明において、不織布基材の密度は、0.250〜0.700g/cm3が好ましく、0.400〜0.600g/cm3がより好ましい。密度が0.250g/cm3未満であると、ショートが発生しやすくなる場合があり、0.700g/cm3超であると、セパレータの抵抗値が高くなりすぎる場合がある。なお、密度は、坪量を厚みで除した値(坪量/厚み)である。
本発明において、不織布基材は、湿式抄紙法で製造された湿式不織布であることが好ましい。湿式抄紙法は、繊維を水に分散して均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリーを抄紙機で漉きあげて湿式不織布を作製する。抄紙機としては、円網、長網、傾斜型、傾斜短網等の抄紙網を単独で使用する抄紙機や、これらの抄紙網を複数組み合わせた複合抄紙機が挙げられる。湿式不織布を製造する工程においては、必要に応じて、水流交絡処理を施しても良い。不織布基材に対して、熱処理、カレンダー処理、熱カレンダー処理などの加工処理を施しても良い。
本発明のセパレータは、フィブリル化耐熱性繊維と合成繊維とを必須成分として含有してなる不織布基材と、前記不織布基材の少なくとも一方の面に設けられてなる導電性高分子粒子を含む塗層とを有する。導電性高分子粒子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチオフェンビニレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良く、2種以上のモノマーの共重合体でもよい。なお、上記名称は基本骨格とする高分子を意味し、それらの誘導体も含まれ得る。
導電性高分子はドーパントを含んでいても良い。ドーパントとしては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸などのアニオンが挙げられる。中でも、ポリスチレンスルホン酸由来のポリアニオンが好ましい。これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、これらは単独モノマーの重合体であっても良く、2種以上のモノマーの共重合体であっても良い。
本発明において、導電性高分子粒子を含む塗層は、導電性高分子粒子を含む塗液を不織布基材に塗工する方法で得られる。
導電性高分子粒子をセパレータに付着させるには、導電性高分子粒子の分散液を用いて付着させる以外に、ポリアニリン等を溶媒に溶解した溶液等をセパレータに含浸させ、その後乾燥させる方法もある。
分散体によって導電性高分子粒子をセパレータに付着させる場合、導電性高分子粒子の平均粒子径は0.1〜3.0μmが好ましく、0.3〜2.5μmがより好ましく、0.5〜2.0μmがさらに好ましい。0.1μm未満であると、不織布の裏側に抜けて塗工の問題が発生しやすくなるとともに、濃度勾配をつけることが難しくなる。また、3.0μmを超えると、セパレータの内部に入って行かずに低ESRが実現できず、また、セパレータの厚みも厚くなってしまう。
本発明における(体積)平均粒子径とは、レーザー回折法による粒度分布測定から求められる体積平均粒子径(D50)である。
電解液は電解コンデンサの陰極として機能する。電解液はセパレータ内部の空隙や、陽極酸化被膜のエッチングピットにより形成された孔に入り込んでいる。電解液は、溶媒に溶質を溶解して調整されている。溶媒としては、アルコール類や、非プロトン性の有機溶媒であるアミド系溶剤、ラクトン類、スルホキシド類等を用いることができる。
導電性高分子粒子を含む塗液を不織布基材上に塗工する方法としては、例えばブレード、ロッド、リバースロール、リップ、ダイ、カーテン、エアーナイフ等各種の塗工方式、フレキソ、スクリーン、オフセット、グラビア、インクジェット等の各種印刷方式、ロール転写、フィルム転写などの転写方式、ディッピング等の引き上げ方式等を、必要に応じて選択して用いることができる。塗工の際、不織布基材と工程紙を重ねて塗工し、乾燥後に工程紙を剥離しても良い。
本発明の半固体電解コンデンサ用セパレータの坪量は、9.5〜34.0g/m2が好ましく、12.0〜32.0g/m2がより好ましく、15.0〜30.0g/m2がさらに好ましい。34.0g/m2を超えると、セパレータの抵抗が高くなりすぎることがあり、9.5g/m2未満であると、ショートが発生しやすくなる場合や、十分な強度を得ることが難しくなる場合がある。
本発明の半固体電解コンデンサ用セパレータの厚みは、9〜55μmが好ましく、11〜50μmがより好ましく、13〜45μmがさらに好ましい。55μmを超えると、セパレータの厚みが厚くなりすぎてしまい、セパレータの抵抗が高くなりすぎる場合があり、9μm未満であると、ショートが発生しやすくなる場合や、十分な強度を得ることが難しくなる場合がある。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
<不織布基材1、4、5、6、7>
表1に示したスラリー1、4、5、6、7を調製し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙した後、200℃に加熱した金属ロールに両面を接触させて熱処理し、さらにカレンダー処理して厚み調整し、不織布基材1、4、5、6、7を作製した。
表1に示したスラリー1、4、5、6、7を調製し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙した後、200℃に加熱した金属ロールに両面を接触させて熱処理し、さらにカレンダー処理して厚み調整し、不織布基材1、4、5、6、7を作製した。
<不織布基材2、3>
表1に示したスラリー2、3を調製し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙した後、カレンダー処理して厚み調整し、不織布基材2、3を作製した。
表1に示したスラリー2、3を調製し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙した後、カレンダー処理して厚み調整し、不織布基材2、3を作製した。
<不織布基材8>
表1に示したスラリー8を調製し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙した後、200℃に加熱した金属ロールに両面を接触させて熱処理し、さらにカレンダー処理して厚み調整し、不織布基材8を作製した。
表1に示したスラリー8を調製し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙した後、200℃に加熱した金属ロールに両面を接触させて熱処理し、さらにカレンダー処理して厚み調整し、不織布基材8を作製した。
<不織布基材9、紙基材11>
表1に示したスラリー9、11を調製し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙した後、カレンダー処理して厚み調整し、不織布基材9、紙基材11を作製した。
表1に示したスラリー9、11を調製し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙した後、カレンダー処理して厚み調整し、不織布基材9、紙基材11を作製した。
<不織布基材10>
表1に示したスラリー10を調製し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙したが、フィブリル化全芳香族ポリアミド繊維に結着力がないため、不織布基材を作製することができなかった。
表1に示したスラリー10を調製し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙したが、フィブリル化全芳香族ポリアミド繊維に結着力がないため、不織布基材を作製することができなかった。
表1中のA1、A3、A6はフィブリル化全芳香族ポリアミド、A2はフィブリル化全芳香族ポリエステル、A4はフィブリル化ポリイミド、A5はフィブリル化ポリフェニレンスルフィドを意味し、これらのカナダ標準濾水度は表1に示した通りである。B1は繊度0.06dtex、繊維長3mmのポリエステル繊維(帝人ファイバー製、商品名:TP04N)、B2は繊度1.1dtex、繊維長5mmの熱融着性芯鞘ポリエステル繊維(帝人ファイバー製、商品名:TJ04CN)、B3は繊度0.1dtex、繊維長3mmのアクリル繊維(三菱レイヨン製、商品名:ボンネル(登録商標))、B4は繊度0.3dtex、繊維長3mmのナイロン6,6繊維、B5はポリビニルアルコール繊維(クラレ製、商品名:VPB107−1×3)を意味する。C1はカナダ標準濾水度500mlの麻パルプを意味する。表2に、各不織布基材及び紙基材の坪量、厚み及び密度を示した。
導電性高分子粒子の平均粒子径を変えた塗液を準備した。平均粒子径は以下の通り。a1:0.5μm、a2:1.0μm、a3:0.2μm。
<固体電解コンデンサ用セパレータ>
(実施例1〜4)
不織布基材1〜4上に、塗液a1を、キスリバース(kiss reverse)方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が4.0g/m2となるように塗工・乾燥し、表3に示す実施例1〜4の半固体電解コンデンサ用セパレータを得た。
(実施例1〜4)
不織布基材1〜4上に、塗液a1を、キスリバース(kiss reverse)方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が4.0g/m2となるように塗工・乾燥し、表3に示す実施例1〜4の半固体電解コンデンサ用セパレータを得た。
(実施例5〜7)
不織布基材5〜7上に、塗液a2を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が4.0g/m2となるように塗工・乾燥し、表3に示す実施例5〜7の半固体電解コンデンサ用セパレータを得た。
不織布基材5〜7上に、塗液a2を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が4.0g/m2となるように塗工・乾燥し、表3に示す実施例5〜7の半固体電解コンデンサ用セパレータを得た。
(実施例8)
不織布基材2上に、塗液をa2で塗工し乾燥した後、再度同じ面からa3を形成させた。塗工量(絶乾)はa2を2.0g/m2、a3を2.0g/m2とした。
不織布基材2上に、塗液をa2で塗工し乾燥した後、再度同じ面からa3を形成させた。塗工量(絶乾)はa2を2.0g/m2、a3を2.0g/m2とした。
(比較例1、2)
不織布基材8、9上に、塗液a1を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)4.0g/m2となるように塗工・乾燥し、表3に示す比較例1、2の半固体電解コンデンサ用セパレータを得た。
不織布基材8、9上に、塗液a1を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)4.0g/m2となるように塗工・乾燥し、表3に示す比較例1、2の半固体電解コンデンサ用セパレータを得た。
(比較例3)
不織布基材10の作製ができなかったため、比較例3の半固体電解コンデンサ用セパレータの作製はできなかった。
不織布基材10の作製ができなかったため、比較例3の半固体電解コンデンサ用セパレータの作製はできなかった。
(比較例4)
紙基材11上に、塗液a1を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)4.0g/m2となるように塗工・乾燥し、表3に示す比較例4の半固体電解コンデンサ用セパレータとした。
紙基材11上に、塗液a1を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)4.0g/m2となるように塗工・乾燥し、表3に示す比較例4の半固体電解コンデンサ用セパレータとした。
実施例及び比較例の半固体電解コンデンサ用セパレータについての評価は、導電性高分子粒子の付着形成状態及び耐熱性について行った。その結果を表3に示した。
[導電性高分子形成状態]
実施例及び比較例のセパレータの観察を行い、セパレータに付着した導電性高分子の形成状態を評価した。「○」:良好(均一で、塗工面と反対側に向かって徐々に濃度が薄くなっていく。「△」:性能上問題無し、だが、ムラやや発生。「×」:裏抜けにより塗工面と反対側の面により多くの導電性高分子層が形成されてしまっている部位が発生。コンデンサに使用した場合には耐電圧の低下が発生すると考えられた。
実施例及び比較例のセパレータの観察を行い、セパレータに付着した導電性高分子の形成状態を評価した。「○」:良好(均一で、塗工面と反対側に向かって徐々に濃度が薄くなっていく。「△」:性能上問題無し、だが、ムラやや発生。「×」:裏抜けにより塗工面と反対側の面により多くの導電性高分子層が形成されてしまっている部位が発生。コンデンサに使用した場合には耐電圧の低下が発生すると考えられた。
[耐熱性]
セパレータを200mm巾×200mm長さに切り、200℃の恒温乾燥機に3時間静置し、長さ方向及び巾方向の収縮率を算出した。長さ方向及び巾方向の収縮率の平均値が0.8%未満であれば「○」、0.8%以上1.0%未満であれば「△」、1.0%以上であれば「×」で表し、表3に示した。
セパレータを200mm巾×200mm長さに切り、200℃の恒温乾燥機に3時間静置し、長さ方向及び巾方向の収縮率を算出した。長さ方向及び巾方向の収縮率の平均値が0.8%未満であれば「○」、0.8%以上1.0%未満であれば「△」、1.0%以上であれば「×」で表し、表3に示した。
実施例1〜8の固体電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維と合成繊維とを必須成分として含有してなる不織布基材と、前記不織布基材の少なくとも一方の面に設けてなる導電性高分子粒子を含む塗層とを有しているため、ショート不良率が低く、耐熱性に優れていた。
一方、比較例1及び2の固体電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維を含有しないため、耐熱性が劣っていた。
比較例3は、フィブリル化耐熱性繊維のみで不織布基材10の作製を試みたが、該繊維に結着力がないため、不織布基材10を作製することはできなかった。
比較例4の半固体電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維と合成繊維を含有せず、天然パルプのみからなる紙基材であるため、耐熱性が劣っており、また、塗工した際に、部分的に裏抜けが発生し(塗工面と反対側まで塗工液が完全に抜けてしまい)、塗工面と反対側の面により多くの導電性高分子粒子層が形成されてしまう部位が発生していた。
実施例1の半固体電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維の含有量がやや少ないため、実施例2〜7の半固体電解コンデンサ用セパレータに比べ、耐熱性がやや劣っていた。
実施例7の半固体電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維のカナダ標準濾水度がやや大きいため、不織布基材がやや粗くなり、導電性高分子粒子を含む塗層の均一性がやや悪くなったことから、実施例1〜6の半固体電解コンデンサ用セパレータに比べ、導電性高分子層の形成状態にややムラが発生していた。
実施例8の半固体電解コンデンサ用セパレータは、a3の小粒径の導電性高分子粒子が塗工面から遠い側にも形成されていたが、裏抜けの問題は発生していなかった。
本発明の活用例としては、半固体電解コンデンサ用セパレータが好適である。また、リチウムイオンキャパシタに代表されるハイブリッドキャパシタにも利用できる。
Claims (2)
- フィブリル化耐熱性繊維と合成繊維とを含む不織布基材の少なくとも一方の面に導電性高分子粒子を含む塗層を有することを特徴とする半固体電解コンデンサ用セパレータ。
- フィブリル化耐熱性繊維が、フィブリル化全芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とする請求項1記載の半固体電解コンデンサ用セパレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018069260A JP2019179880A (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | 半固体電解コンデンサ用セパレータ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2019179880A true JP2019179880A (ja) | 2019-10-17 |
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ID=68279019
Family Applications (1)
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JP2018069260A Pending JP2019179880A (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | 半固体電解コンデンサ用セパレータ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2019179880A (ja) |
-
2018
- 2018-03-30 JP JP2018069260A patent/JP2019179880A/ja active Pending
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