本発明の一実施形態を説明する。以下説明は図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。図1に示す布接着装置1は、二枚のシートを接着剤で接着する。二枚のシートは、例えば上布7と下布8である。上布7は下布8に上側から重なる。布接着装置1は、上布7と下布8を後方に搬送しながら、例えば上布7の左端部である上特定端部7Aと、下布8の右端部である下特定端部8Aとを接着する。後方は搬送方向下流側、前方は搬送方向上流側である。
図1〜図7を参照し、布接着装置1の構成を説明する。図1、図2に示すように、布接着装置1は、台座部2、脚柱部3、腕部4、頭部5、下搬送装置50を備える。台座部2は略直方体状であり、作業台(図示略)に設置する。脚柱部3は台座部2上面から上方に延びる柱状である。腕部4は脚柱部3上端部から左方に延びる。頭部5は腕部4左端部から左方に突出する。台座部2は左端部に固定板2Aを備える。下搬送装置50は、固定板2Aの左面に着脱可能に固定する。固定板2A左面は、左方向に対向し且つ上下方向に平行な平面である。下搬送装置50は、後述する上搬送機構部10と協働し、上布7と下布8を重ね合わせて後方に搬送すると共に、下布8の左右方向の位置を制御する。
下搬送装置50は、搬送方向上流側から下流側に略水平に延びる細長筒状の先端部を備える所謂「筒型」である。例えばTシャツを作成する際、二枚の布の脇合わせを行うが、生地は最後は筒状態になる。脇合わせとは、二枚の布の隣り合う端部同士を貼り合わせて接着する作業である。下搬送装置50の先端部は細長筒状であるので、作業者は、生地を下搬送装置50の先端部で取り回すことができる。故に下搬送装置50は、二枚の布の端部同士を接着して筒状の生地を作成する際に好適である。
頭部5は、上搬送機構部10、ノズルレバー揺動機構部20、装着部30を備える。上搬送機構部10は下搬送装置50と協働し、上布7と下布8を重ね合わせて後方に搬送する。ノズルレバー揺動機構部20は、ノズルレバー23を前後方向に揺動可能に支持する。ノズルレバー23は上下方向に腕状に延び、ノズル24を下端部に備える。ノズル24は、上布7が重なる前の下布8に接着剤を吐出する。装着部30は、接着剤を収容するカートリッジ(図示略)を着脱可能に装着する。腕部4は上挟持ユニット40、供給機構部35、上センサ部85(図5参照)、上噴射部150(図6参照)を備える。上挟持ユニット40は、後方へ搬送する上布7の左右方向の位置を制御する。供給機構部35は、装着部30に装着したカートリッジの接着剤をノズル24に供給する。
上搬送機構部10の構成を説明する。図3、図6に示すように、上搬送機構部10は、頭部5の下面後方部に設ける。上搬送機構部10は、支持腕11、上搬送ローラ12、上搬送モータ14、腕エアシリンダ15(図8参照)を備える。支持腕11は頭部5下方で後方から前方に延び、更に屈曲して前斜め下方に延びる。支持腕11は頭部5にて揺動可能に支持する。支持腕11は下端部に上搬送ローラ12を備える。上搬送ローラ12は、左右方向に延びる回転軸12Aを中心に回転する。上搬送モータ14は支持腕11の後端部に設ける。上搬送モータ14は、支持腕11内部に設けた伝達機構を介し、上搬送ローラ12に連結する。故に上搬送ローラ12は上搬送モータ14の動力で回転する。
腕エアシリンダ15(図8参照)は頭部5に設ける。支持腕11は、腕エアシリンダ15の駆動で上下方向に揺動する。腕エアシリンダ15が支持腕11を揺動することで、上搬送ローラ12は接触位置と上方位置の間を移動する。接触位置に在る上搬送ローラ12は、下布8と上布7を後述する下搬送ローラ64(図5参照)との間で挟む。上方位置に在る上搬送ローラ12は、上布7から上方に退避する。
ノズルレバー揺動機構部20の構成を説明する。図2に示すように、ノズルレバー揺動機構部20は、頭部5内部の左側に設ける。ノズルレバー揺動機構部20は、ノズルモータ21、支持軸(図示略)、ノズルレバー23、ノズル24(図4参照)を備える。ノズルモータ21は頭部5内部の左側に設けたパルスモータである。ノズルモータ21は、ウォーム(図示略)を固定した出力軸を備える。支持軸はウォーム上方で左右方向に延びる筒状であり、ノズルレバー23を揺動可能に支持する。支持軸は、ウォーム上端と噛み合うウォームホイール(図示略)を支持する。支持軸は、ノズルモータ21の動力でウォームホイールと共に回転する。
ノズルレバー23はウォームホイール左方に設け、支持軸左端から下側へ延びる。ノズルレバー23下端部は、上搬送ローラ12よりも搬送方向上流側に位置する(図4参照)。ノズルレバー23は内部に流路を備え、支持軸内部と連通する。ノズルレバー23は、流路近傍の内部にヒータ132(図8参照)を備える。ヒータ132は流路を温めることで、接着剤の固化を防ぎ、流動性を高める。ノズル24は、ノズルレバー23下端部に着脱可能に装着する。ノズルモータ21の駆動でノズルレバー23は揺動し、ノズル24は接近位置と離間位置との間で移動する。接近位置は、ノズル24が上搬送ローラ12に対して接近する位置である。離間位置は、ノズル24が上搬送ローラ12に対して接近位置よりも搬送方向上流側に離間する位置である。供給機構部35が供給する接着剤は支持軸内部に流れる。
図4〜図6に示すように、ノズル24は、流路軸部25、上支持部26を備える。流路軸部25は、ノズルレバー23下端部から後方に対して斜め下方に突出する。流路軸部25は内部に流路を備え、ノズルレバー23の流路と連通する。上支持部26は流路軸部25下端部に設け、右方に略水平に延びる。上支持部26は左側面視略三角形の棒状である(図6参照)。上支持部26は内部に流路を備え、流路軸部25の流路と連通する。上支持部26は底部における搬送方向上流側の部位に吐出口27(図6参照)を備える。吐出口27は上支持部26底部にて左右方向に複数開口し、流路と連通する。流路を流れた接着剤は、吐出口27から下方に向けて吐出する。
上支持部26は上部後側に斜面26Aを備える。斜面26Aは、上端部から後方に向けて下り傾斜する面である。上支持部26は、斜面26Aの左右方向中央部に凹部26Bを備える。凹部26Bは下方に凹む平面視矩形状の部位である。凹部26Bの底面は略水平面である。凹部26Bは、吐出口27よりも搬送方向下流側に位置する。上支持部26は、凹部26B底面に反射板28を固定する。反射板28は、後述する上センサ部85の上発光部85A(図8参照)が発光した光を、上センサ部85の上受光部85B(図8参照)に向けて回帰反射する。
装着部30の構成を説明する。図1〜図3に示すように、装着部30は頭部5略中央部に設け、カバー31A、収容部31B、蓋31C(図2参照)、ヒータ131(図8参照)を備える。カバー31Aは略直方体の箱状であり、頭部5上面から上方に延びる。カバー31Aは上下方向に開口する。収容部31Bはカバー31A内部に設ける。収容部31Bは略直方体の箱状であり、頭部5内部からカバー31A上端まで延びる。収容部31Bは上方に開口する。収容部31Bは内部にカートリッジ(図示略)を着脱可能に収容する。蓋31Cは収容部31Bの上側に着脱可能に設け、収容部31B上部開口を開閉する。カートリッジは熱溶融性の接着剤を収容する。接着剤は所定温度に加熱すると液化し、所定温度より低い温度で固化する。ヒータ131は収容部31Bに設ける。ヒータ131は収容部31Bに収容したカートリッジを加熱する。接着剤はヒータ131の加熱で溶融して液化する。
上挟持ユニット40の構成を説明する。図1、図2に示すように、上挟持ユニット40は、腕部4下面に設ける。上挟持ユニット40は、上アーム41、上挟持ローラ42、回転軸42A、上挟持モータ48(図8参照)、バネ(図示略)、上エアシリンダ49(図8参照)を備える。上アーム41は、腕部4の下面右側部から下側且つ左側に延び、腕状且つ筒状である。上アーム41右端部は、腕部4の下面左側部において軸線P(図2参照)を中心に回動可能に支持する。上アーム41の先端部(下端部)は、接近位置に在るノズル24の搬送方向上流側に配置する。回転軸42Aは、上アーム41先端部から後方に突出し、前後方向を軸方向とする。上挟持ローラ42は回転軸42Aの後端部に固定し、回転軸42Aと共に前後方向を軸方向として回転可能である。上挟持モータ48は正逆回転可能なモータである。上挟持モータ48は、上アーム41内部に動力伝達機構を備える。動力伝達機構は例えば一対のプーリと無端状ベルト(図示略)を備える。一方のプーリは上挟持モータ48の出力軸に固定し、他方のプーリは上挟持ローラ42の回転軸42Aに固定する。無端状ベルトは一対のプーリ間に架け渡す。故に動力伝達機構は、上挟持モータ48の動力を上挟持ローラ42に伝達し、上挟持ローラ42を正逆方向に回転できる。
上アーム41は上挟持位置と上解放位置の間を、軸線Pを中心に回動する。上挟持位置は、上挟持ローラ42下端が上布プレート90上面と同じ高さ位置となる上アーム41の回動位置である。上解放位置は、上挟持ローラ42下端が上布プレート90上面よりも上方に離隔した位置となる上アーム41の回動位置である。バネは、他部材を介して軸線Pを中心に上アーム41を正面視時計回りに常時付勢する。故にバネは上アーム41を上挟持位置から上解放位置に向かう回動方向に常時付勢する。上アーム41は、先端部が上アーム41と上挟持ローラ42等の自重により、上挟持位置に向かう方向に回動する付勢力が働く。バネは、該付勢力に抗して上アーム41を上解放位置に向かう回動方向に付勢するので、上アーム41が上挟持位置に向かう力が過剰になるのを抑止する。上エアシリンダ49は上記の上アーム41等の自重による付勢力に抗して、軸線Pを中心に上アーム41を正面視時計回りに駆動し、上挟持位置から上解放位置に回動する。
供給機構部35の構造を説明する。図2に示すように、供給機構部35は腕部4の右端側内部に設ける。供給機構部35は、収容部31Bに収容したカートリッジの接着剤をノズル24に供給する。供給機構部35は、ポンプモータ36とギアポンプ37を備える。ポンプモータ36は腕部4内部に設け、出力軸36Aを備える。ギアポンプ37は装着部30前側に設け、ノズルレバー23の支持軸右端部に接続する。出力軸36Aはギア38を介してギアポンプ37に連結する。ギアポンプ37は収容部31Bに収容したカートリッジから接着剤を吸引する。ギアポンプ37は吸引した接着剤を、支持軸とノズルレバー23内の流路を介してノズル24に供給する。
上センサ部85とその支持構造を説明する。上センサ部85は、上発光部85Aと上受光部85B(図8参照)が一体型になった光学式センサである。図4〜図6に示すように、上センサ部85は、支持腕部500とセンサ支持部材81で、上搬送ローラ12と上挟持ローラ42の間に支持する。支持腕部500は細長板状に形成し、腕部4下面から前方に向けて凸となるように湾曲しながら下方に延びる。支持腕部500は下端部に、左右方向に並ぶ一対の固定穴501を設ける。センサ支持部材81は、支持腕部500の下端部に一対のネジ88で着脱可能に固定する。
センサ支持部材81は、固定部82と支持部83を備える。固定部82は、支持腕部500の下端部前面に接触して固定する部位であり、左右方向に延びる略矩形板状に形成する。固定部82は、左右方向に延びる長穴821を備える。一対のネジ88は長穴821を介して、支持腕部500下端部の一対の固定穴501に締結する。ネジ88の頭部は、固定部82の長穴821の縁部に前方から係止する。故に固定部82は、支持腕部500下端部前面に固定する。
支持部83は固定部82の左端部から下方に延び、下端部にセンサ固定部84を備える。センサ固定部84は支持部83下端部から右方に延び、上センサ部85を取り付けて支持する部位である。センサ固定部84に固定した上センサ部85は、上搬送ローラ12の回転軸12Aと同一高さ位置に在る。上発光部85Aは、接近位置に在るノズル24の上支持部26の凹部26Bに設けた反射板28に向けて斜め後方に光を発光する。反射板28は入射光を回帰反射する。上受光部85Bは、反射板28で反射した反射光を受光する。
例えば、上布7の上特定端部7Aが凹部26B上方に有る場合、上特定端部7Aは上発光部85Aが発光する光を遮断する。故に上受光部85Bは、上発光部85Aが発光する光を受光しない。上特定端部7Aが凹部26B上方にない場合、上発光部85Aが発光した光は、反射板28で反射する。上受光部85Bは反射光を受光する。故に上センサ部85は、凹部26B上方に上特定端部7Aがあるか否か検出できる。凹部26Bは、上センサ部85が上特定端部7Aを検出する上検出位置である。
上噴射部150とその支持構造を説明する。上噴射部150は、ノズル24の凹部26B底面に設けた反射板28にエアを吹きかけるユニットである。図1〜図7に示すように、上噴射部150は、エアノズル151、調整弁152、支持板153、固定ネジ154、流通管155、開閉弁156(図8参照)を備える。エアノズル151は曲げ加工した金属管であり、流通管155を接続した調整弁152に基端部側を取り付ける。エアノズル151は、流通管155を流通するエアを、先端部の延びる方向へ向けて、先端部から噴射する。調整弁152は調整ダイヤル152Aの操作に応じてエアの流量を調整する。故に上噴射部150は、エアノズル151の先端部から噴射するエアの噴射量を調整することができる。
支持板153は上下方向に延びる矩形板状である。支持板153は、固定ネジ154の軸部の径より僅かに大きな穴(図示略)を上端部に開口し、穴を挿通する固定ネジ154で腕部4下面に設けた取付部(図示略)に締結する。支持板153は、側面視で上搬送ローラ12の上方、且つ正面視で支持腕11の右側に配置する。調整弁152は、支持板153の下端部に設けた貫通穴(図示略)内に配置し、二つのナット157、157が螺合する。支持板153は二つのナット157、157の間に位置する。調整弁152は、二つのナット157、157で支持板153を挟むことで、支持板153に固定する。開閉弁156は流通管155の途中に設ける。開閉弁156は電磁弁であり、開放状態では流通管155内をエアが流通し、閉鎖状態ではエアの流通を遮断する。
予め、エアノズル151の曲げ具合を調整することにより、エアノズル151の先端部の開口方向は、接近位置に在るノズル24の凹部26Bに設けた反射板28の表面を向く(図4、図5参照)。支持板153は、調整弁152のナット157、157に対する位置を前後にずらすことで、エアノズル151の先端部の開口方向を前後方向に調整することができる。エアノズル151は、調整弁152のナット157、157に対する取付角度を変更することで、先端部の開口方向の角度を調整できる。エアノズル151から噴射するエアは、反射板28の表面に付着する屑又は埃を吹き払う。
下搬送装置50の構造を説明する。図1〜図3に示すように、下搬送装置50は、支持板部51、フレーム55、下搬送機構部60を備える。下搬送機構部60(図2参照)は、上搬送機構部10と協働して上布7と下布8を重ね合せて搬送し、且つ下布8の左右方向の位置を制御可能なユニットである。フレーム55(図1参照)は、下搬送機構部60を内側に収容する筐体である。支持板部51は、フレーム55と下搬送機構部60を支持する支持部材である。
図2に示すように、支持板部51は、縦板52と横板53を備える。縦板52は上下方向に延び、左右方向に面方向を有する左側面視横長略矩形状の板部材である。縦板52の右面は、台座部2の固定板2A左面に着脱可能に固定する。縦板52は左面の前側を除く部位に斜面部54を備える。斜面部54は正面視略三角形状であり、上部から左側に向けて下り傾斜する斜面を有する。斜面部54は、上布7と下布8を貼り合わせて形成する生地を滑らせることで生地の引っ掛かりを防止する。横板53は平面視略L字状に形成し、縦板52下端部の前側部分から左方に略水平に延びる部分を有する。
図1に示すように、フレーム55は、支持板部51の縦板52左面の前側部分、及び横板53上面にネジで固定する。フレーム55は搬送方向に沿って延び、収容部551と延伸部552を備える。収容部551は搬送方向上流側に設け、上部が開口する略箱状に形成する。収容部551は内部に下搬送機構部60の後述する複数のモータを収容する。収容部551は開口する上部に第一クロスプレート57をネジで固定する。第一クロスプレート57は水平に延びる板部材である。延伸部552は、収容部551の後部から搬送方向下流側に延びる細長略四角筒状に形成する。延伸部552の上部は開口する。延伸部552は内部に下搬送機構部60の先端部分を収容する。下搬送機構部60の先端部分は後方に延び、細長に形成する。延伸部552は開口する上部に第二クロスプレート58をネジで固定する。第二クロスプレート58は、平面視前後方向に長い略矩形状の板部材である。延伸部552は後方に延びる先端部に開口部553(図4参照)を有する。下搬送機構部60の先端部分は、延伸部552の開口部553から後方に突出して露出する。
下搬送機構部60の構造を説明する。図2に示すように、下搬送機構部60は、支持フレーム61、揺動軸62、下搬送モータ63、下搬送ローラ64(図6参照)、ノズル下ローラ65(図6参照)、搬送ベルト67、ノズル間隙調整モータ68、下挟持ユニット70、下センサ部78(図5参照)、終端センサ部79(図5参照)、下噴射部160(図5参照)を備える。
支持フレーム61は、搬送方向に対して平行に延び、長さ方向に直交する断面が上向きに開口する略U字状である。支持フレーム61は、右板部61A、左板部61B、底板部61C(図4参照)を備える。右板部61Aは上下方向に立設する板部であって、搬送方向に対して平行に延び、搬送方向上流側部分が下方に略L字に屈曲する右側面視略L字状に形成する。右板部61Aは前端側に円形状の貫通穴63Aを備え、その下方には略矩形状のカム穴63Bを備える。貫通穴63Aは、下搬送モータ63の駆動軸(図示略)を挿入する。カム穴63Bは、後述するカム板69を内側に配置する。左板部61Bは、右板部61Aに対して平行に立設する板部であって、右板部61Aよりも前後方向の長さが短く、支持フレーム61先端側(後端側)において搬送方向に対して平行に延びる左側面視細長略矩形状に形成する。底板部61Cは、右板部61Aと左板部61Bの夫々の下端部における後側部分を略水平に連結する板部であって、底面視略矩形状に形成する。
揺動軸62は、支持フレーム61の長さ方向略中間部において、右板部61Aと左板部61Bの間を左右方向に貫通して固定する。揺動軸62の左右両端部は、右板部61Aと左板部61Bの左右両側に夫々突出する。揺動軸62の両端部は、フレーム55の延伸部552の左右両壁部に設けた穴部(図示略)に回転可能に挿入する(図1参照)。故に下搬送機構部60の支持フレーム61はフレーム55に対し、揺動軸62を中心に揺動可能である。
下搬送モータ63は、支持フレーム61の右板部61A右面の前端側部分に固定する。下搬送モータ63の駆動軸(図示略)は、右板部61A右面から左方に突出する。駆動軸は右板部61Aに設けた貫通穴63Aに挿入し、支持フレーム61の内側に突出する。
図4、図6、図7に示すように、下搬送ローラ64は、支持フレーム61先端部の内側に回転可能に支持する。下搬送ローラ64の回転軸64Aは左右方向に延び、右板部61Aと左板部61Bに設けた穴部に対して回転可能に挿入する。下搬送ローラ64は上搬送ローラ12直下に配置し、上搬送ローラ12に対して下方から接触可能である。
ノズル下ローラ65は、支持フレーム61先端部の内側で、且つ下搬送ローラ64の搬送方向上流側に回転可能に支持する。ノズル下ローラ65の回転軸65Aは左右方向に延び、右板部61Aと左板部61Bに設けた穴部に対して回転可能に挿入する。ノズル下ローラ65は、ノズル24の上支持部26底部に設けた吐出口27下方に配置する(図6参照)。
図2に示すように、搬送ベルト67は、支持フレーム61の内側において、下搬送モータ63の駆動軸、回転軸64A、65Aの間に架け渡す。搬送ベルト67は、下搬送モータ63の駆動力を、下搬送ローラ64とノズル下ローラ65に伝達する。故に下搬送モータ63が駆動すると、下搬送ローラ64とノズル下ローラ65は共に回転する。
ノズル間隙調整モータ68は、支持板部51の横板53上面前側の左方に延びる部分に固定する。ノズル間隙調整モータ68の駆動軸68Aは左方に突出する。駆動軸68Aは、先端部に略円形状のカム板69を固定する。カム板69は、支持フレーム61の右板部61Aに設けたカム穴63B内側に配置する。バネ(図示略)は支持フレーム61先端部側が下方に揺動する方向に支持フレーム61を付勢する。故にカム板69はカム穴63Bの下縁部と接触する。ノズル間隙調整モータ68の駆動でカム板69が回転すると、カム板69の回転角度に応じて、支持フレーム61は揺動軸62を中心に揺動する。ノズル間隙調整モータ68は、下搬送機構部60の先端部を上下動することで、ノズル間隙を接着間隙と退避間隙との間で調整する。ノズル間隙は、ノズル24の吐出口27と、後述するノズルプレート59(図4参照)との間隙である。ノズル間隙が退避間隙の時、下搬送機構部60の先端部は上下動範囲の下端に在る。ノズル間隙が接着間隙の時、下搬送機構部60の先端部は退避間隙の時よりも上方に在り、ノズル24の吐出口27にノズルプレート59が近接する。
下挟持ユニット70は、下布8を後述する上布プレート90下面との間で挟持した状態で、下布8の左右方向の位置を制御可能なユニットである。下挟持ユニット70は、固定台部71、下挟持モータ72、支持枠部73、回転軸75、下挟持ローラ76(図6参照)を備える。固定台部71は略直方体状に形成し、フレーム55の収容部551の内側部分に固定する。固定台部71は前後方向に貫通する円形状の貫通穴(図示略)を有し、該貫通穴の内側に回転部717を回転可能に保持する。下挟持モータ72は、回転部717の前面に固定する。故に下挟持モータ72は、固定台部71に対して回転部717と一体して回転する。故に固定台部71は、回転部717と共に、下挟持モータ72を回転可能に支持する。下挟持モータ72の駆動軸(図示略)は回転部717の中心部に設けた貫通穴(図示略)に挿入し、連結軸(図示略)と連結する。連結軸は回転部717の後面から後方に突出する。支持枠部73は固定台部71の後方に配置し、回転部717の後面に固定する。故に支持枠部73は回転部717と一体的に回転する。支持枠部73は下挟持モータ72の駆動軸と連結する連結軸の後端部を内側に収容する。回転軸75は、支持フレーム61の内側に配置し、搬送方向に対して平行に延びる。連結軸と回転軸75の間にはベルト(図示略)を架ける。支持枠部73は、下挟持モータ72の駆動軸に対して右斜め上方の位置で、回転軸75の後端部を回転可能に支持する。下挟持ローラ76は回転軸75の前端部に固定する。下挟持ローラ76は、上挟持ローラ42の下方に配置する。下挟持モータ72が駆動すると、駆動軸、連結軸、ベルトを介して回転軸75が回転する。故に下挟持ローラ76は、回転軸75を中心に回転軸75と一体して回転する。
固定台部71は上面に下エアシリンダ711を設ける。下挟持モータ72は上面後部にピン712を設ける。ピン712は上方に突出する。下エアシリンダ711は、ピン712に対して左方から当接する。下挟持モータ72は左面後部に引張バネ715の一端部を固定する。引張バネ715は下方に延び、その他端部は、フレーム55の収容部551の内側部に固定する。引張バネ715は、下挟持モータ72を正面視反時計周り方向に常時付勢する。下エアシリンダ711が駆動し、ピン712を右方に押し込むと、下挟持モータ72は引張バネ715の付勢力に抗して正面視時計周り方向に回転する。故に下挟持ユニット70は固定台部71に対して時計周り方向に回転し、下挟持ローラ76は下解放位置に移動する。下解放位置は、後述する上布プレート90下面に対して下方に離間した下挟持ローラ76の位置である。
下エアシリンダ711が駆動し、ピン712を左方に移動すると、下挟持モータ72は引張バネ715の付勢力により正面視反時計周り方向に回転する。故に下挟持ユニット70は固定台部71に対して反時計周り方向に回転し、下挟持ローラ76は下挟持位置に移動する。下挟持位置は、引張バネ715の付勢力で上布プレート90下面に当接するまで上方に移動した下挟持ローラ76の位置である。
図4、図7に示すように、上記構成を有する下搬送機構部60において、支持フレーム61は、後方に開口する先端部に先端プレート56を固定する。先端プレート56は、上端部から後方に対して下り傾斜した状態で配置する。先端プレート56は上端部に矩形切欠き状の凹部56Aを備える。支持フレーム61は、上向きに開口する上部後側部分にノズルプレート59を固定する。ノズルプレート59は搬送方向に対して略平行に延びる。ノズルプレート59は、ノズル24の吐出口27の直下で、且つフレーム22に固定した第二クロスプレート58の後方に隣接するように配置する。ノズルプレート59は吐出口27の直下に矩形状の開口部59Aを設ける。ノズル下ローラ65は開口部59Aの内側に配置し、その上部は上方に突出する。ノズルプレート59は後端部に矩形切欠き状の凹部59Bを備える。凹部56Aと凹部59Bは前後方向に対向し、その中央に矩形状の開口部を形成する。下搬送ローラ64は該開口部の内側に配置し、その上部は上方に突出する。ノズルプレート59は、支持フレーム61内部に設けた後述する下センサ部78に対応する直上位置に、貫通穴59C(図7参照)を設ける。貫通穴59Cは、開口部59Aの右前端角部から右方に延びる切り欠き状に形成する。
第二クロスプレート58の後端部は、左右方向において右側の右側後端部58Aが、左右方向の中央部を含み左側の左側後端部58Bよりも後方に突出する。ノズルプレート59の前端部と第二クロスプレート58の右側後端部58Aは、前後方向に離れて位置し、左右方向に延びるスリット状の開口部58Cを形成する。後述する下噴射部160が噴射するエアは、開口部58Cを介してフレーム55の延伸部552の内部から上方に吹き出す。ノズルプレート59の前端部と第二クロスプレート58の左側後端部58Bは、前後方向の間隙が開口部58Cよりも大きい開口部58Dを形成する。下挟持ローラ76は開口部58Dの内側に配置し、その上部は上方に突出する。
図4〜図7に示すように、フレーム55の延伸部552は、第二クロスプレート58上面の右後方角部にて、上布プレート90を固定軸部91で回動可能に取り付ける。上布プレート90は平面視略矩形状の板部材である。上布プレート90は固定軸部91を中心に、作動位置と退避位置の間で水平方向に回動可能である。作動位置は、上布プレート90が上挟持ローラ42の直下に在り、且つ下挟持ローラ76の直上に在る位置である。第二クロスプレート58は、固定軸部91の取り付け位置よりも前方の位置に、上方に突出する突起部(図示略)を備える。上布プレート90は固定軸部91の側方に磁石(図示略)を有する。磁石が突起部に磁力結合することで、上布プレート90は作動位置に在る状態を維持する。上布プレート90が作動位置に在る時、上挟持ローラ42は、上布プレート90上面との間に上布7を挟持可能である。下挟持ローラ76は、上布プレート90下面との間に下布8を挟持可能である。退避位置は、固定軸部91を中心に上布プレート90を作動位置から平面視反時計回り方向に略90度回転した位置である。退避位置に在る上布プレート90は、上挟持ローラ42と下挟持ローラ76との間の位置よりも右斜め前方の位置に退避する。
上布プレート90は下面に反射板95と反射板96を取り付ける。上布プレート90が作動位置に在る時、反射板95は、平面視で左右方向中央部且つ前後方向後端部の位置に在り、左右方向に帯状に延びる矩形状をなす。該時、反射板95は、ノズルプレート59の貫通穴59C直上に位置する。上布プレート90が作動位置に在る時、反射板96は、平面視で前後方向中央部且つ左右方向左端部の位置に在り、左右方向に延びる長円状をなす。該時、反射板96は、ノズルプレート59と第二クロスプレート58との間に形成する開口部58Dの左前方部分の上方に位置する。
下センサ部78は支持フレーム61内部で、且つ貫通穴59Cの下方に配置する。下センサ部78は、下発光部78Aと下受光部78B(図8参照)が一体型になった光学式センサである。下発光部78Aは、貫通穴59Cを介し、作動位置に在る上布プレート90下面に固定した反射板95に向けて上方に光を発光する。反射板95は貫通穴59Cを通り下発光部78Aから入射する入射光を回帰反射する。下受光部78Bは、反射板95で反射し、貫通穴59Cを通過した反射光を受光する。
例えば、下布8の下特定端部8Aが貫通穴59C上方に有る場合、下特定端部8Aは下発光部78Aが発光する光を遮断する。故に下受光部78Bは、下発光部78Aが発光する光を受光しない。下特定端部8Aが貫通穴59C上方にない場合、下発光部78Aが発光した光は、反射板95で反射する。下受光部78Bは貫通穴59Cを介して反射光を受光する。故に下センサ部78は、貫通穴59C上方に下特定端部8Aがあるか否か検出できる。貫通穴59Cは、下センサ部78が下特定端部8Aを検出する下検出位置である。
終端センサ部79は、支持フレーム61内部で、且つ作動位置に在る上布プレート90下面に固定した反射板96の下方に配置する。終端センサ部79は平面視、下挟持ローラ76の左斜め前方、且つ回転軸75の左方に位置に在る。開口部58Dにおける終端センサ部79の位置は、上下方向において下挟持ローラ76と重ならない位置である。終端センサ部79は、発光部79Aと受光部79B(図8参照)が一体型になった光学式センサである。発光部79Aは開口部58Dを介し、作動位置に在る上布プレート90下面に固定した反射板96に向けて上方に光を発光する。反射板96は開口部58Dを通り発光部79Aから入射する入射光を回帰反射する。受光部79Bは、反射板96で反射し、開口部58Dを通過した反射光を受光する。
例えば、下布8が開口部58D左前方部分上方に有る場合、下布8は発光部79Aが発光する光を遮断する。故に受光部79Bは、発光部79Aが発光する光を受光しない。下布8が開口部58D左前方部分上方にない場合、発光部79Aが発光した光は、反射板96で反射する。受光部79Bは開口部58Dを介して反射光を受光する。故に終端センサ部79は、開口部58D左前方部分上方に下布8があるか否か検出できる。下布8の搬送方向上流側の端部、即ち下布8の搬送方向上流側端部(以下、終端と称す)が開口部58D左前方部分上方を通過する時、終端センサ部79による下布8の検出結果は、下布8を検出した状態から非検出の状態に移行する。故に布接着装置1は、終端センサ部79の検出結果に基づき、下布8の終端が開口部58D左前方部分上方を通過したか否かを判断することで、下布8の終端を検出することができる。開口部58D左前方部分は、終端センサ部79が下布8の終端を検出する終端検出位置である。
下噴射部160とその支持構造を説明する。下噴射部160は、上布プレート90下面に設けた反射板95、96にエアを吹きかけるユニットである。図2、図5、図7に示すように、下噴射部160は、エアノズル161、調整弁162、支持箱163、流通管165、開閉弁166(図8参照)を備える。エアノズル161は曲げ加工した金属管であり、支持箱163に基端部側を取り付ける。支持箱163は箱状であり、支持フレーム61内部で、下挟持ローラ76の右斜め前方に配置する。支持フレーム61の底板部61C上面は、前後方向に延びる2条の軌道(図示略)を備える。支持箱163は軌道上を前後方向に移動できる。支持箱163は、上部に開口する調整穴163Aに挿入するドライバで内部のネジを締結して軌道に固定し、支持フレーム61内で前後方向の位置決めをする。調整弁162は流通管165に接続し、支持箱163に取り付ける。調整弁162はダイヤル(図示略)を回転し、エアの流量を調整する。故に下噴射部160は、エアノズル161の先端部から噴射するエアの噴射量を調整することができる。エアノズル161は、流通管165を流通するエアを、先端部の延びる方向へ向けて、先端部から噴射する。開閉弁166は流通管165の途中に設ける。開閉弁166は電磁弁であり、開放状態では流通管165内をエアが流通し、閉鎖状態ではエアの流通を遮断する。
予め、エアノズル161の曲げ具合を調整することにより、エアノズル161の先端部の開口方向は、第二クロスプレート58とノズルプレート59の間の開口部58C、58Dを向く(図7参照)。エアノズル161は、支持箱163に対する取付角度を変更することで、先端部の開口方向の角度を調整できる。上布プレート90は、作動位置に在る時、開口部58C、58Dの上方に位置する。エアノズル161から噴射するエアは、上布プレート90の下面を伝い、反射板95、96の表面に付着する屑又は埃を吹き払う。
図8を参照し、布接着装置1の電気的構成を説明する。布接着装置1は制御装置100を備える。制御装置100はCPU101、ROM102、RAM103、記憶装置104、駆動回路105、106を備える。CPU101は布接着装置1の動作を統括制御する。CPU101はROM102、RAM103、記憶装置104、操作部19、踏板18、下センサ部78、上センサ部85、終端センサ部79、駆動回路105、106、ヒータ131、132と接続する。ROM102は各種処理を実行するプログラムを記憶する。RAM103は各種情報を一時的に記憶する。記憶装置104は不揮発性であり、各種設定値等を記憶する。
操作部19は、膝スイッチ19A、その他の各種スイッチ、情報入力部等を含む。各種スイッチは頭部5前面下部に設ける。膝スイッチ19Aは作業台の下部に設け、作業者の膝で操作する。作業者は操作部19を操作して布接着装置1に各種指示を入力する。情報入力部は作業台の上に設け、各種情報を入力可能である。情報入力部は液晶画面とスピーカを備え、各種情報を表示し、各種音声を発音する。操作部19は各種指示を示す情報を検出結果としてCPU101に出力する。踏板18は作業台下部に設け、作業者の足で操作する。作業者は踏板18を介して後述の接着の開始指示又は終了指示を入力する。踏板18は、接着の開始指示又は終了指示を示す情報を検出結果としてCPU101に出力する。下センサ部78、上センサ部85、終端センサ部79は検出結果をCPU101に出力する。
CPU101は駆動回路105に制御信号を送信することで、下搬送モータ63、上搬送モータ14、ノズルモータ45、ポンプモータ36、ノズル間隙調整モータ68、下挟持モータ72、上挟持モータ48の夫々を駆動制御する。CPU101は駆動回路106に制御信号を送信することで、腕エアシリンダ15、下エアシリンダ711、上エアシリンダ49、開閉弁156、166の夫々を駆動制御する。CPU101はヒータ131、132を駆動する。
図9を参照し、主処理を説明する。例えば、作業者が主処理の開始指示を操作部19で入力する。CPU101は、主処理を開始するプログラムをROM102から読み出して、主処理を開始する。主処理の開始前、布接着装置1は初期状態である。布接着装置1が初期状態の時、ノズル24は接近位置に在り、上搬送ローラ12は接触位置に在り、上アーム41は上挟持位置に在り、下挟持ローラ76は、下挟持位置に在る。CPU101は初期化処理を行う(S10)。初期化処理では、CPU101はヒータ131、132を駆動する。
CPU101は操作部19の検出結果に基づき、ローラ移動指示又は設定指示を検出したか否かを判断する(S11、S12)。ローラ移動指示は上搬送ローラ12、上挟持ローラ42、下挟持ローラ76を夫々移動する指示である。設定指示は上噴射部150及び下噴射部160が一回のエアの噴射動作において噴射状態を維持する噴射期間を設定する指示である。ローラ移動指示又は設定指示を検出するまで(S11:NO、S12:NO)、CPU101はS11に戻って待機する。
設定指示を検出した場合(S12:YES)、CPU101は、操作部19の操作に基づき、噴射期間を設定する(S13)。噴射期間の初期値は、例えば2秒である。作業者は、操作部19の情報入力部を操作して噴射期間を入力する。噴射期間が短い程、上噴射部150と下噴射部160は屑又は埃を確実に吹き払えない可能性がある。噴射期間が長い程、上噴射部150と下噴射部160は屑又は埃を吹き飛ばし易くなるが、ノズル24を冷却する可能性がある。CPU101は、作業者が入力した噴射期間を記憶装置104に記憶し、S11に戻る。
ローラ移動指示を検出した場合(S11:YES)、CPU101は、上エアシリンダ49(図8参照)を駆動制御し、上搬送ローラ12を上昇する(S15)。上搬送ローラ12は接触位置から上方位置に上昇する。CPU101は噴射処理を実行する(S16)。上噴射部150はエアノズル151から反射板28へ向けてエアを噴射し、反射板28に付着する屑又は埃を吹き払う。下噴射部160はエアノズル161から上布プレート90下面へ向けてエアを噴射し、反射板95、96に付着する屑又は埃を吹き払う。噴射処理の詳細は後述する。
CPU101は下エアシリンダ711を駆動制御し、下挟持ローラ76を下降する(S17)。下エアシリンダ711がピン712を右方に移動すると、下挟持ユニット70が正面視時計回りに回転し、回転軸75と下挟持ローラ76は下降する。故に下挟持ローラ76は下挟持位置から下解放位置に移動する。下挟持ローラ76は、上布プレート90下面から下方に離隔する。CPU101は上エアシリンダ49を駆動制御し、上挟持ローラ42を上昇する(S18)。上アーム41は上挟持位置から上解放位置に回動する。上挟持ローラ42は上布プレート90上面から上方に離隔する。
CPU101は操作部19の検出結果に基づき、ノズル変位指示を検出したか否を判断する(S20)。ノズル変位指示はノズル24を接近位置と退避位置の間で変位する指示である。ノズル変位指示を検出するまで(S20:NO)、CPU101はS20に戻って待機する。
待機中、作業者は上布プレート90を平面視反時計回りに回動し、作動位置から退避位置に移動する。作業者がノズル変位指示を操作部19に入力すると(S20:YES)、CPU101はノズルモータ21を駆動制御してノズルレバー23を手前側に移動し、ノズル24を接近位置から離間位置に変位する(S21)。CPU101は所定のパルス信号を制御信号として駆動回路105に入力することで、ノズル24は離間位置迄変位する。上布プレート90が退避位置に在るので、ノズル24は上布プレート90に接触せずに離間位置に変位する。ノズル24が離間位置に到達時、ノズルモータ21は駆動停止する。
CPU101は操作部19の検出結果に基づき、ノズル変位指示を検出したか否かを判断する(S22)。ノズル変位指示を検出するまで(S22:NO)、CPU101はS22に戻って待機する。待機中、作業者はノズルプレート59と第二クロスプレート58に下布8を載置する。下搬送ローラ64、ノズル下ローラ65は何れも、下布8に下側から接触する。下布8を載置した作業者が、操作部19にノズル変位指示を入力すると(S22:YES)、CPU101はノズルモータ21を駆動制御し、ノズル24を離間位置から接近位置迄変位する(S23)。CPU101が所定のパルス信号を制御信号として駆動回路105に入力することで、ノズル24は接近位置迄変位する。吐出口27は上方から下布8に対向する。
ノズル24が接近位置に変位した時、吐出口27とノズルプレート59のノズル間隙は接着間隙である。故に、ノズルプレート59と第二クロスプレート58に載置した下布8は、再配置し難い。下布8を再配置する時、作業者は膝スイッチ19Aを操作する。膝スイッチ19Aがオンになると(S25:YES)、CPU101はノズル間隙調整モータ68を駆動制御して下搬送機構部60の先端部を下降し、ノズル間隙を退避間隙に変更する(S26)。作業者は下布8を再配置し易くなる。ノズル間隙を退避間隙にすると、CPU101は噴射処理を実行する(S27)。上噴射部150は反射板28に付着する屑又は埃をエアで吹き払う。該時、下噴射部160は動作しなくてもよい。
作業者は、下布8の再配置を完了するまで膝スイッチ19Aの操作を継続する。膝スイッチ19Aがオンである間(S28:NO)、CPU101はS28に戻って待機する。下布8の再配置が完了すると、作業者は膝スイッチ19Aの操作をやめる。膝スイッチ19Aがオフになると(S28:YES)、CPU101はノズル間隙調整モータ68を駆動制御して下搬送機構部60の先端部を上昇し、ノズル間隙を接着間隙に変更する(S30)。CPU101は処理をS31に移行する。S25で作業者が膝スイッチ19Aを操作しなかった場合も(S25:NO)、CPU101は処理をS31に移行する。
CPU101は間隙調整処理を実行する(S31)。間隙調整処理は下布8の厚み等に応じて作業者がノズル間隙を適宜調整する処理である。例えば作業者がノズルプレート59を上昇又は下降する指示を操作部19に入力する。CPU101は操作部19の検出結果に応じて、ノズル間隙調整モータ68(図8参照)を駆動制御して下搬送機構部60を揺動し、ノズルプレート59を上下動する。ノズル間隙が適切となるように、作業者は操作部19を操作する。該時、上布プレート90は退避位置に在り、上布7はノズルプレート59と第二クロスプレート58に載置していない。故に作業者は、ノズルプレート59と吐出口27の上下方向距離を視認し易い。作業者が間隙調整処理の終了指示を操作部19に入力すると、CPU101は処理をS32に移行する。
CPU101は操作部19の検出結果に基づき、ローラ移動指示を検出したか否かを判断する(S32)。ローラ移動指示を検出するまで(S32:NO)、CPU101はS32に戻って待機する。待機中、作業者は上布プレート90を平面視時計回りに回動し、退避位置から作動位置に移動する。作業者は、ノズルプレート59、ノズル24の上支持部26、上布プレート90、第二クロスプレート58に対して上布7を載置する。上布7は、下搬送ローラ64と上搬送ローラ12の間で、下布8に上側から重なる。上布7を載置後、作業者は操作部19にローラ移動指示を入力する。ローラ移動指示を検出した場合(S32:YES)、CPU101は腕エアシリンダ15を駆動制御し、上搬送ローラ12を接触位置に下降する(S33)。上搬送ローラ12は下布8と上布7を下搬送ローラ64との間で挟む。
CPU101は下エアシリンダ711を駆動制御し、下挟持ローラ76を上昇する(S35)。下エアシリンダ711がピン712を左方に移動すると、引張バネ715の付勢力により下挟持ユニット70が正面視反時計回りに回転し、回転軸75と下挟持ローラ76が上昇する。故に下挟持ローラ76は下解放位置から下挟持位置に移動する。下挟持ローラ76は、上布プレート90下面との間で下布8を挟む。CPU101は上エアシリンダ49を駆動制御し、上挟持ローラ42を下降する(S36)。上挟持ローラ42は上解放位置から上挟持位置に移動する。上挟持ローラ42は上布プレート90上面との間で上布7を挟む。CPU101は接着処理を実行する(S37)。接着処理は、下布8の下特定端部8Aと、上布7の上特定端部7Aを接着剤で接着する処理である。接着処理の詳細は後述する。
図10を参照し、噴射処理を説明する。CPU101は、上噴射部150と下噴射部160の夫々に対して独立に噴射処理を実行する。噴射処理を実行すると、CPU101は噴射回数を0に設定する(S41)。噴射回数は噴射処理の一回の実行においてエアを噴射する回数を計数するカウンタであり、RAM103に記憶する。CPU101は上センサ部85、下センサ部78を駆動制御し、上受光部85B、下受光部78Bから検出信号を受信する。CPU101は検出信号に基づき、上受光部85B、下受光部78Bの受光量を算出する(S42)。CPU101は算出した受光量を、初回受光量としてRAM103に記憶する。
反射板28、95に付着する屑又は埃の量が多くなる程、反射光の光量が少なくなり、上受光部85B、下受光部78Bの受光量は少なくなる。CPU101は、上受光部85B、下受光部78Bの受光量が予め設定した所定値以上であるか否か判断する(S45)。反射板28、95に付着する屑又は埃の量が少なく、上受光部85B、下受光部78Bの受光量が所定値以上である場合(S45:YES)、CPU101は噴射処理を終了し、主処理に戻る。反射板28、95に付着する屑又は埃の量が多く、上受光部85B、下受光部78Bの受光量が所定値未満である場合(S45:NO)、CPU101は噴射回数を1増加する(S46)。CPU101は開閉弁156、166を駆動制御して開放し、エアノズル151、161から1回目のエアの噴射を行う(S47)。
CPU101は開閉弁156、166を開放した時、噴射時間の計時を開始する。初期値又は作業者が設定した噴射時間が経過するまで(S48:NO)、CPU101はS48に戻り、開閉弁156、166を開放状態で維持する。噴射時間が経過すると(S48:YES)、CPU101は開閉弁156、166を駆動制御して閉鎖し、エアノズル151、161からのエアの噴射を停止する(S50)。CPU101は上センサ部85、下センサ部78を駆動制御し、上受光部85B、下受光部78Bから受信する検出信号に基づき、受光量を算出する(S51)。CPU101は、上受光部85B、下受光部78Bの受光量が所定値以上であるか否か判断する(S52)。反射板28、95に付着する屑又は埃を吹き払い、受光量が所定値以上になった場合(S52:YES)、CPU101は噴射処理を終了し、主処理に戻る。
反射板28、95に付着する屑又は埃の清掃が十分でなく、受光量が所定値未満である場合(S52:NO)、CPU101は、S51で算出した受光量をRAM103に記憶する初回受光量と比較する(S53)。受光量が所定値未満であっても初回受光量以上であれば(S53:YES)、CPU101は、屑又は埃を吹き払うことができたものとして、噴射処理を終了し、主処理に戻る。S51で算出した受光量が初回受光量未満である場合(S53:NO)、CPU101は、噴射回数が2回であるか否かを判断する(S55)。噴射回数が1回の場合(S55:NO)、CPU101は処理をS46に戻して噴射回数を1増加する。
CPU101はS47〜S50を再度実行し、2回目のエアの噴射を行う。2回目のエアの噴射後に算出した受光量が所定値以上(S52:YES)、又は初回受光量以上であれば(S53:YES)、CPU101は噴射処理を終了し、主処理に戻る。受光量が初回受光量未満である場合(S52:NO、S53:NO、S55:YES)、反射板28、95は、エアで吹き払えない汚れ等が付着している可能性がある。上センサ部85、下センサ部78は、故障の可能性もある。反射板28、95は、回帰反射型でない一般的な鏡等を用いた場合、反射角度に異常が生じると上センサ部85、下センサ部78が反射光を正常に検出できない可能性もある。CPU101は、操作部19の情報入力部に設けた液晶画面にエラーを表示し、スピーカからエラー音を出力してエラー報知を行う(S56)。エラー報知後、CPU101は噴射処理、主処理を終了する。
図11を参照し、接着処理を説明する。接着処理を実行すると、CPU101は作業者が踏板18を足で操作したか否かにより開始指示を検出したか否かを判断する(S61)。開始指示を検出するまで(S61:NO)、CPU101はS61に戻って待機する。開始指示は、接着動作を開始する指示である。
作業者が踏板18を足で操作して開始指示を入力すると(S61:YES)、CPU101は上搬送モータ14と下搬送モータ63を駆動制御し、上搬送ローラ12と下搬送ローラ64の夫々の駆動を開始する(S62)。上搬送ローラ12と下搬送ローラ64は協働して下布8と上布7を後方へ搬送する。ノズル下ローラ65は下搬送ローラ64と共に回転し、下布8を補助的に後方に向けて搬送する。
CPU101はポンプモータ36を駆動制御し、接着剤の吐出を開始する(S63)。供給機構部35はポンプモータ36の駆動により接着剤をノズル24に供給する。吐出口27は下方に位置する下布8の下特定端部8Aに向けて接着剤を吐出する。吐出口27が下特定端部8Aに接着剤を塗布しながら、上搬送ローラ12、下搬送ローラ64、ノズル下ローラ65は下布8と上布7を後方へ搬送する。
CPU101は下センサ部78の検出結果に基づき、下特定端部8Aが下検出位置に在るか否かを判断する(S65)。下特定端部8Aが下検出位置に在る時(S65:YES)、CPU101は下挟持モータ72を駆動制御し、下挟持ローラ76を第一出力方向に回転駆動する(S66)。第一出力方向は、下挟持ローラ76上端が左側に向かう回転方向である。第一出力方向に回転する下挟持ローラ76は下特定端部8Aを左側に移動する。該時、下特定端部8Aは下検出位置から外れる方向に移動する。CPU101は処理をS68に移行する。
下特定端部8Aが下検出位置にない時(S65:NO)。CPU101は下挟持モータ72を駆動制御し、下挟持ローラ76を第二出力方向に回転駆動する(S67)。第二出力方向は第一出力方向と反対方向である。第二出力方向に回転する下挟持ローラ76は、下特定端部8Aを右側に移動する。該時、下特定端部8Aは下検出位置に近付く方向に移動する。CPU101は処理をS68に移行する。
CPU101は、上センサ部85の検出結果に基づき、上特定端部7Aが上検出位置にあるか否かを判断する(S68)。上特定端部7Aが上検出位置に在る時(S68:YES)、CPU101は上挟持モータ48を駆動制御し、上挟持ローラ42を第三出力方向に回転駆動する(S70)。第三出力方向は、上挟持ローラ42下端が右側に向かう回転方向である。第三出力方向に回転する上挟持ローラ42は、上特定端部7Aを右側に移動する。該時、上特定端部6Aは上検出位置から外れる方向に移動する。CPU101は処理をS72に移行する。
上特定端部7Aが上検出位置にない時(S68:NO)、CPU101は上挟持モータ48を駆動制御し、上挟持ローラ42を第四出力方向に回転駆動する(S71)。第四出力方向は第三出力方向と反対方向である。第四出力方向に回転する上挟持ローラ42は、上特定端部7Aを左側に移動する。該時、上特定端部6Aは上検出位置に近付く方向に移動する。CPU101は処理をS72に移行する。
CPU101は踏板18の検出結果に基づき、接着処理の終了指示を検出したか否かを判断する(S72)。接着処理の終了指示を検出しない場合(S72:NO)、CPU101は終端センサ部79の検出結果に基づき、下布8の終端を検出したか否かを判断する(S73)。下布8の終端を検出しない場合(S73:NO)、CPU101はS65に戻って処理を繰り返す。接着剤付着後の下布8は、下搬送ローラ64と上搬送ローラ12の間に進入する。上搬送ローラ12と下搬送ローラ64は、下特定端部8Aと上特定端部7Aを接着剤で互いに圧着して後方へ搬送する。故に布接着装置1は下特定端部8Aと上特定端部7Aを、接着剤を介して接着する。
CPU101がS65〜S71を繰り返し実行する時、下挟持ローラ76は第一出力方向又は第二出力方向に回転駆動する。例えば下特定端部8Aが左前側に湾曲する時、下布8の後方への移動に伴い、下特定端部8Aは下検出位置の左側を通過する(S65:NO)。CPU101は下挟持ローラ76を第二出力方向に回転駆動する(S67)。故に下特定端部8Aが左前側に湾曲する時も、布接着装置1は、吐出口27下方を通過する下特定端部8Aと、吐出口27の左右方向における位置関係のずれを抑制できる。
下特定端部8Aが前後方向に直線状に延びる時、CPU101は下挟持ローラ76を第一出力方向と第二出力方向とに交互に回転駆動する(S65:YES、S66、S65:NO、S67)。故に布接着装置1は、吐出口27下方を通過する下特定端部8Aと、吐出口27の左右方向における位置関係のずれを抑制できる。
CPU101がS65〜S71を繰り返し実行する時、上挟持ローラ42は第三出力方向又は第四出力方向に回転駆動する。上特定端部7Aが右前側に湾曲する時、上布7の後方への移動に伴い、上特定端部7Aは上検出位置の右側を通過する(S68:NO)。CPU101は、上挟持ローラ42を第四出力方向に回転駆動する(S71)。故に布接着装置1は、上支持部26を通過する上特定端部7Aと吐出口27の左右方向における位置関係のずれを抑制できる。
上特定端部7Aが前後方向に直線状に延びる時、CPU101は、上挟持ローラ42を第三出力方向と第四出力方向とに交互に回転駆動する(S68:YES、S70、S68:NO、S71)。故に布接着装置1は、上支持部26を通過する上特定端部7Aと、吐出口27の左右方向における位置関係のずれを抑制できる。
CPU101がS65〜S71を繰り返し実行することで、布接着装置1は、ノズル24を通過する下特定端部8Aと上特定端部7Aの左右方向位置を調整できる。故に下特定端部8Aに対して上下方向に重なる上特定端部7Aの左右方向長さは所定範囲内に収めることができる。
終端センサ部79の検出結果に基づき下布8の終端を検出した場合(S73:YES)、CPU101は下挟持モータ72と上挟持モータ48の駆動制御を停止する。下挟持ローラ76と上挟持ローラ42は回転を停止し、下布8と上布7の位置調整が停止する(S75)。CPU101は、下布8の終端を検出した時、待機時間の計時を開始する。待機時間は、下布8の終端が終端検出位置を通過してから、上搬送ローラ12と下搬送ローラ64の圧着点を通過するまでにかかる時間である。待機時間が経過するまで(S76:NO)、CPU101はS76に戻って待機する。CPU101は、上布7と下布8の位置調整を行わずに搬送と接着を継続する。待機時間が経過すると(S76:YES)、CPU101は、上搬送モータ14、下搬送モータ63、ポンプモータ36の駆動を停止する(S77)。故にCPU101は、下布8の終端部分を確実に接着してから、上布7と下布8の搬送と接着を停止する。CPU101は噴射処理を実行する(S78)。S78の噴射処理は図9のS27の処理と同様である。上噴射部150は反射板28に付着する屑又は埃をエアで吹き払う。下噴射部160は反射板95、96に付着する屑又は埃をエアで吹き払う。CPU101は接着処理を終了し、主処理を終了する。
下布8の終端を検出する前に接着処理を終了する場合、作業者は、踏板18を足で操作して接着処理の終了指示を入力する。接着処理の終了指示を検出した場合(S72:YES)、CPU101は、上搬送モータ14、下搬送モータ63、ポンプモータ36、下挟持モータ72、上挟持モータ48の駆動を停止する(S77)。CPU101は噴射処理を実行してから(S78)、接着処理を終了し、主処理を終了する。
以上説明したように、上布7と下布8から生ずる屑又は空気中の埃は、上布7と下布8の搬送時の摩擦による静電気等に起因し、反射板28、95に付着する可能性がある。屑又は埃は、上センサ部85、下センサ部78の上発光部85A、下発光部78Aから発光した光が反射板28、95を経由して上受光部85B、下受光部78Bに到達する過程で光を遮る。該時、上受光部85B、下受光部78Bが受光する光量が減少し、上センサ部85、下センサ部78による上布7、下布8の検出精度の低下を招く可能性がある。エアは、上搬送機構部10、下搬送機構部60と供給機構部35の駆動が停止する間に、反射板28、95に付着する屑と埃を吹き払う。故に上センサ部85、下センサ部78は、上検出位置、下検出位置に上布7、下布8が在るか否かの検出精度を維持することができ、上布7の上特定端部7Aと下布8の下特定端部8Aの検出精度を確保することができる。
上センサ部85は、上検出位置に上布7の上特定端部7Aが在るか否かの検出精度を維持することができる。下センサ部78は、下検出位置に下布8の下特定端部8Aが在るか否かの検出精度を維持することができる。故に布接着装置1は、上特定端部7Aと下特定端部8Aを接着する時の接着品質を確保することができる。
上搬送ローラ12が上方位置にある時、作業者は上布7、下布8を配置できる。該時、上噴射部150、下噴射部160はエアを噴射し、反射板28、95に付着する屑と埃を吹き払う。即ち上布7、下布8を配置する度に必ずエアを噴射するので、布接着装置1は、反射板28、95の清掃し忘れを防止できる。上搬送ローラ12を接触位置から上方位置に移動する時、即ち上布7、下布8を配置する前にエアを噴射するので、布接着装置1は、配置後の上布7、下布8にエアがかかることによる上布7、下布8の乱れを防止できる。
作業者は膝スイッチ19Aを操作し、第二クロスプレート58、ノズルプレート59とノズル24の吐出口27とのノズル間隙を大きくする。この時、上噴射部150はエアを噴射し、反射板28に付着する屑と埃を吹き払う。第二クロスプレート58、ノズルプレート59とノズル24の吐出口27とのノズル間隙が退避間隙の時、作業者は第二クロスプレート58、ノズルプレート59に下布8を配置できる。即ち下布8を配置する度に必ずエアを噴射するので、布接着装置1は、反射板28の清掃し忘れを防止できる。第二クロスプレート58、ノズルプレート59とノズル24の吐出口27とのノズル間隙を接着間隙から退避間隙に変更する時、即ち上布7を配置する前にエアを噴射するので、布接着装置1は、配置後の上布7にエアがかかることによる上布7の乱れを防止できる。
布接着装置1が上布7と下布8を接着するとき、上布7と下布8は必ず終端検出位置を通過する。上噴射部150、下噴射部160は、下布8が終端検出位置を通り過ぎてからエアを噴射し、反射板28、95に付着する屑と埃を吹き払う。即ち上布7と下布8を接着する時、接着終了時に必ずエアを噴射するので、布接着装置1は、反射板28、95の清掃し忘れを防止できる。また、上布7と下布8を接着した後にエアを噴射するので、布接着装置1は、上布7と下布8にエアがかかることによる上布7、下布8の乱れを防止できる。
布接着装置1は流通管155、165に設けた調整弁152、162によりエアノズル151、161からのエアの噴射量を調整できるので、反射板28、95に付着する屑と埃が吹ききれない等の清掃不良を防止し、上検出位置、下検出位置に上布7と下布8が在るか否かの検出精度を維持することができる。
エアの噴射期間を設定することで、布接着装置1はエアノズル151、161からのエアの噴射量を調整できる。故に布接着装置1は、反射板28、95に付着する屑と埃が吹ききれない等の清掃不良を防止し、上検出位置、下検出位置に上布7と下布8が在るか否かの検出精度を維持することができる。
布接着装置1は支持板153、支持箱163の固定位置を調整することによりエアノズル151、161の開口方向を変更可能である。故に布接着装置1は、エアを反射板28、95に確実に噴射でき、上検出位置、下検出位置に上布7、下布8が在るか否かの検出精度を維持することができる。
布接着装置1は支持板153、支持箱163を搬送方向に移動可能なので、エアを反射板28、95に確実に噴射でき、上検出位置、下検出位置に上布7と下布8が在るか否かの検出精度を維持することができる。
布接着装置1のCPU101は上受光部85B、下受光部78Bが受光した光の光量が所定値未満の場合に、エアを噴射する。即ちCPU101は反射板28、95に屑又は埃が付着しているときのみエアで吹き払う。故に布接着装置1は、不必要にエアを噴射せず、上布7と下布8が乱れることを防止できる。
CPU101はエアの噴射後に上受光部85B、下受光部78Bが受光した光の光量が所定値未満か再度判断し、未だ所定値未満の場合にエアを噴射する。CPU101は二度のエアを噴射しても上受光部85B、下受光部78Bが受光した光の光量が所定値未満の場合にはエラーを報知する。故に布接着装置1は、上センサ部85、下センサ部78の故障、反射板28、95の汚れ等を報知でき、エアを噴射し続けることを防止できる。
以上説明において、下布8は本発明の下シートの一例である。供給機構部35は本発明の供給機構の一例である。上布7は本発明の上シートの一例である。上搬送機構部10と下搬送機構部60は本発明の搬送機構の一例である。S62、S63の処理を実行するCPU101は本発明の吐出搬送制御部の一例である。布接着装置1は本発明の接着装置の一例である。上センサ部85及び反射板28、下センサ部78及び反射板95は本発明の検出部の一例である。エアノズル151、161は本発明の噴射口の一例である。S47、S48、S50の処理を実行するCPU101は本発明のエア制御部の一例である。
左右方向は本発明の特定方向の一例である。上布プレート90は本発明の支持部材の一例である。S68、S70、S71の処理を実行するCPU101は本発明の上モータ制御部の一例である。第二クロスプレート58、ノズルプレート59は本発明の下支持部の一例である。S65、S66、S67の処理を実行するCPU101は本発明の下モータ制御部の一例である。上センサ部85及び反射板28は本発明の上検出部の一例であり、下センサ部78及び反射板95は本発明の下検出部の一例である。支持腕11は本発明の上搬送アームの一例である。腕エアシリンダ15は本発明の上駆動部の一例である。S15の処理を実行するCPU101は本発明の上駆動制御部の一例である。ノズル間隙調整モータ68、カム板69は本発明の間隙変更機構の一例である。膝スイッチ19Aは本発明の変更スイッチの一例である。S26の処理を実行するCPU101は本発明の間隙制御部の一例である。
終端センサ部79は本発明の終端検出部の一例である。調整弁152、調整弁162は本発明の調整部の一例である。S13の処理を実行するCPU101は本発明の設定部の一例である。支持板153は本発明の管支持部の一例である。S42の処理を実行するCPU101は本発明の光量算出部の一例である。S45の処理を実行するCPU101は本発明の光量判断部の一例である。S52の1回目の処理を実行するCPU101は本発明の再判断部の一例である。S52の2回目の処理を実行するCPU101は本発明のエラー判断部の一例である。S56の処理を実行するCPU101は本発明の報知部の一例である。
本発明は上記実施形態の他に種々の変更が可能である。上記実施形態は、筒型の下搬送装置50を固定した布接着装置1を例に説明したが、下布8を搬送する下搬送装置の形状、構造は、上記実施形態とは異なるものでもよい。図12に示すように、布接着装置1は、下搬送装置250を台座部2の固定板2A左面に固定してもよい。下搬送装置250の筐体は平面視、左右方向に長い矩形の箱状を呈し、左部に下搬送機構部を収容する。下搬送装置250は、筐体上部の開口部分に、平面視略L字状の支持プレート210を固定する。支持プレート210を固定した筐体は、右後方部分が開口する。下搬送装置250は筐体内の右後方部分に、エアシリンダ230と可動体(図示略)を備える。可動体は、エアシリンダ230の駆動で筐体内を左右方向に移動する。可動体は、上面に、平面視略矩形状の可動プレート220を固定する。可動プレート220は、支持プレート210右後方の開口部分を覆う。故に支持プレート210と可動プレート220の上面は、接着対象の布を載置可能なベッドを構成する。図12、図13では上挟持ユニット40の図示は省略する。
可動体は、左後部に、本実施形態と同様の上布プレート290を固定する。上布プレート290は、可動プレート220の左後部に隣接して設け、左方に延びる。上布プレート290の上面は、可動プレート220の上面と略同じ高さ位置にある。接着時、支持プレート210は下布8を下側から支持し、可動プレート220と上布プレート290は上布7を下側から支持する。
布接着装置1のCPU101は、操作部19に設けた移動スイッチ19Bの操作に応じてエアシリンダ230を駆動制御し、可動体を介して可動プレート220と上布プレート290を一体に左右方向に移動する。可動体が移動範囲の左端に位置する時、上布プレート290は、上挟持ローラ42の直下で、且つ下挟持ローラ76の直上の作動位置に在る。可動体が移動範囲の右端に位置する時、上布プレート290は、上挟持ローラ42と下挟持ローラ76との間の位置よりも右方の退避位置に在る。
図13に示すように、下搬送装置250は、上記実施形態と同様の下噴射部260を備える。下噴射部260は、下搬送装置250の筐体内で、下挟持ローラ76の右方で、上噴射部150の下方に配置する。下噴射部260は、上布プレート290が退避位置に在る時の反射板295の位置に、エアノズル261の開口方向を向ける。作業者は、接着作業を行う時、作動位置に在る上布プレート290を退避位置に移動してから支持プレート210に下布8を載置し、上布プレート290を作動位置に戻してから上布プレート290と可動プレート220に上布7を載置する。故にCPU101は、接着処理を実行する前に、作業者による移動スイッチ19Bの操作を受け付けるので、該時、噴射処理を実行してもよい。
CPU101は、主処理の実行時に移動処理を並列に実行する。図14に示すように、CPU101は、移動処理の実行当初は動作を無効化して処理を待機する(S90:NO)。CPU101は、主処理のS20でノズル変位指示の検出を行う時、移動処理を有効化し、移動スイッチ19Bの操作を受け付ける(S90:YES)。CPU101は、移動スイッチ19Bがオンになるまで(S91:NO)、S90に戻って待機する。作業者が下布8を支持プレート210に載置する為、移動スイッチ19Bをオンに操作した場合(S91:YES)、CPU101は、エアシリンダ230を駆動制御し、可動体を右方に移動する。上布プレート290は、作動位置から退避位置に移動する(S92)。
CPU101は、噴射処理を実行する(S93)。S93の噴射処理は図9のS27の処理と同様である。上噴射部150はエアノズル151から反射板28へ向けてエアを噴射し、反射板28に付着する屑又は埃を吹き払う。下噴射部260はエアノズル261から上布プレート290下面へ向けてエアを噴射し、反射板295に付着する屑又は埃を吹き払う。CPU101は、作業者が移動スイッチ19Bをオフにするまで(S95:NO)、S95に戻って待機する。作業者が支持プレート210に下布8を載置し終えて移動スイッチ19Bをオフにすると(S95:YES)、CPU101は、エアシリンダ230を駆動制御し、可動体を左方に移動する。上布プレート290は、退避位置から作動位置に移動する(S96)。CPU101は処理をS90に移行し、移動スイッチ19Bの操作を受け付ける。CPU101は、主処理のS32でローラ移動指示の検出を行う時、移動処理を無効化する。
以上説明したように、作業者が移動スイッチ19Bを操作し、上布プレート290を退避位置に移動した時、作業者は支持プレート210に下布8を配置しやすい。この時、上噴射部150、下噴射部260はエアを噴射し、反射板28、295に付着する屑と埃を吹き払う。即ち上布7、下布8を配置する度に必ずエアを噴射するので、布接着装置1は、反射板28、295の清掃し忘れを防止できる。上布プレート290を作動位置から退避位置に移動する時にエアを噴射するので、布接着装置1は、配置後の上布7、下布8にエアがかかることによる上布7、下布8の乱れを防止できる。上記変形例の説明において、エアシリンダ230は本発明の移動機構の一例である。S92の処理を実行するCPU101は本発明の移動制御部の一例である。
上記実施形態は、布同士を接着する布接着装置1であるが、シート状であれば、例えば紙、フェルト、薄板、ビニール等、布以外の材質であるシート同士を接着する接着装置であってもよい。上特定端部7Aと下特定端部8Aは、例えば一枚のシートの両端であってもよい。該場合、布接着装置1は、筒状に折り曲げたシートの両端同士を重ね合わせて接着してもよい。上記実施形態の上センサ部85は、上発光部85Aと上受光部85Bを一体型に備える光学式センサであるが、上発光部85Aと上受光部85Bは別々の位置に設けてもよい。下センサ部78、終端センサ部79においても同様である。終端センサ部79は備えなくてもよい。
エアノズル151、161の開口方向は反射板28、95を向くが、上センサ部85、下センサ部78へ向けてもよい。エアノズル151、161は先端部を二股に形成し、夫々の開口方向を反射板28、95と上センサ部85、下センサ部78とへ向けてもよい。エアノズル151、161の開口方向は、調整弁152、支持箱163を固定する位置によって調整するが、例えば自在継手を用い、調整弁152、支持箱163を固定した状態でも開口方向を調整できるようにしてもよい。エアノズル151、161は、例えばフレキシブルパイプを用い、開口方向を自在に調整できるようにしてもよい。支持板153は、固定ネジ154の軸部の径より大きな穴(図示略)を上端部に開口し、固定ネジ154を穴の範囲内で位置変更し腕部4下面に設けた取付部(図示略)に締結してもよい。該時、エアノズル151の先端部の開口位置を左右方向及び上下方向に調整することができる。上噴射部150、下噴射部160は、何れか一方のみ設けてもよい。
反射板28、95は備えなくてもよい。該場合、上センサ部85は上発光部85Aから発光した光の出射先に上受光部85Bを備えればよい。エアノズル151は、上発光部85A又は上受光部85Bに向ければよく、先端部を二股に形成し、上発光部85Aと上受光部85B夫々に向けてもよい。下センサ部78、終端センサ部79においても同様である。
ノズル24の吐出口27は上支持部26底部に形成し、下布8に向けて接着剤を吐出する。ノズルの吐出口は上布7に向けて接着剤を吐出してもよい。該時、吐出口は上支持部26において上布7と対向する面に形成すればよい。
上噴射部150、下噴射部160は、例えばホットエアを噴射してもよい。該場合、上噴射部150は噴射期間が長くなってもノズル24を冷却しにくくなるので、屑又は埃をより確実に吹き払うことができる。噴射処理のS55で噴射回数が2回に達した場合にエラー報知を行ったが、判断する噴射回数は1回でも3回以上でもよい。S42、S43、S53の処理は省略してもよい。