JP2019178277A - 硬化性樹脂組成物、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
R1は、水素原子 、メチル基、エチル基、又はプロピル基を示す。
R2は、置換又は非置換の、ビニル基、フェニル基又は炭素数1〜8の環状又は非環状アルキル基を示し、少なくとも1以上はグリシジル基を有する。R2は同一又は異なっていても良い。
本発明の硬化性樹脂組成物は、グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂を必須成分として含有する。前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂は、極性基であるグリシジル基を含有し、オリゴマーであるため、水溶性を示す。また、前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂は、部分縮合体であるD1、T1、T2構造(D1、T1、T2については後述する)を多く含み、極性基であるシラノール基を多く保有するため、水溶性を示す。
前記硬化性樹脂組成物に含まれる前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂に用いられるオルガノアルコキシシランとしては、一般式(VI)で表されるオルガノトリアルコキシシラン及び一般式(VII)で表されるオルガノジアルコキシシランの少なくとも一方を使用することが好ましい。少なくとも一般式(VI)で表されるオルガノトリアルコキシシランを使用し、必要に応じて一般式(VII)で表されるオルガノジアルコキシシランを併用して使用することがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物を製造する方法は特に限定されないが、以下に一例を説明する。
本発明の製造方法は、オルガノアルコキシシランを、水を含む反応液中で、加水分解および脱水縮合反応させる工程を含み、構成単位(I)〜(V)中におけるa〜eが(d+e)/(a+b+c+d+e)≧0.7を満たす状況下で、発生したアルコールの除去工程と水での希釈工程を実施し、組成物全量に対して水を30重量%以上、アルコールを10重量%以下にする工程を含む。アルコールの除去工程と水での希釈工程は、どちらを先に行っても良い。アルコールの除去工程を先に実施した場合は、常に濃度が高く製造できるため必要な反応容器が小さくて済む。水での希釈工程を先に実施した場合は、樹脂濃度が高まりゲル化する可能性を低減出来る。
本発明の硬化性樹脂組成物は、グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂以外の成分として他の樹脂、金属酸化物粒子、溶剤などを配合してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、塗料用の硬化性樹脂組成物、すなわち塗液とすることができる。塗液とするにあたっては、顔料、可塑剤、分散剤、沈降防止剤、防カビ剤、防腐剤、皮張り防止剤、乾燥剤、たれ防止剤、つや消し剤、帯電防止剤、導電剤、難燃剤など、公知の塗料用添加物を適宜配合することができる。本発明の硬化性樹脂組成物は、硬度、耐候性に優れ、透明性が高いものであることから、顔料を含まない、クリア塗膜用塗液として用いることが好ましい。
メチルトリメトキシシラン(A−1630:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、分子量136.2)
メチルトリエトキシシラン(XIAMETER OFS−6370:東レ・ダウコーニング株式会社、分子量178.3)
ビニルトリメトキシシラン(A−171:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、分子量148.2)
フェニルトリメキシシラン(Z−6124:東レ・ダウコーニング株式会社、分子量198.3)
3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(A−187:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、分子量236.3)。
ジブチルホスフェート(城北化学工業株式会社製、分子量210.2)。
トリエチルアミン(ナカライテスク株式会社、分子量101.2)
ジブチル錫ラウレート(日東化成株式会社 分子量631.6)
ポリエチレンイミン(和光純薬工業株式会社、平均分子量約1800)
ジブチルホスフェート(城北化学工業株式会社製、分子量210.2)。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、DBP0.015重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を13.7重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した後、水を添加し希釈して45%濃度のポリシロキサン樹脂含有水溶液を得た。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、A−1630 16.0重量部、DBP0.016重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した後、水を添加し希釈して45%濃度のポリシロキサン樹脂含有水溶液を得た。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、A−1630 36.1重量部、DBP0.018重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した後、水を添加し希釈して45%濃度のポリシロキサン樹脂含有水溶液を得た。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、A−1630 61.9重量部、DBP0.021重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した後、水を添加し希釈して45%濃度のポリシロキサン樹脂含有水溶液を得た。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、A−1630 144.3重量部、DBP0.029重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した後、水を添加し希釈して45%濃度のポリシロキサン樹脂含有水溶液を得た。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、XIAMETER OFS−6370 13.1重量部、DBP0.016重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した後、水を添加し希釈して45%濃度のポリシロキサン樹脂含有水溶液を得た。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、A−171 14.5重量部、DBP0.016重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した後、水を添加し希釈して45%濃度のポリシロキサン樹脂含有水溶液を得た。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、Z−6124 11.9重量部、DBP0.016重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した後、水を添加し希釈して45%濃度のポリシロキサン樹脂含有水溶液を得た。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、A−1630 16.0重量部、DBP0.016重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、36時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、A−1630 16.0重量部、トリエチルアミン0.0081重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、A−1630 16.0重量部、ジブチル錫ラウレート0.0081重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、A−1630 336.8重量部、DBP0.049重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した後、水を添加し希釈して45%濃度のポリシロキサン樹脂含有水溶液を得た。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−187 100.0重量部、A−1630 1299.1重量部、DBP0.147重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した後、水を添加し希釈して45%濃度のポリシロキサン樹脂含有水溶液を得た。
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mL容積の4口フラスコにA−1630 100.0重量部、DBP0.010重量部を仕込み、室温下で10分間撹拌し、次いで純水を17.5重量部加え、90℃に昇温したオイルバスで昇温しつつ撹拌し続け、4時間反応し縮合物を得た。得られた縮合物はエバポレータを用いて減圧蒸留し、反応によって生じたメタノールを除去して濃縮した後、水を添加し希釈して45%濃度のポリシロキサン樹脂含有水溶液を得た。
各実施例及び比較例において、室温下でオルガノアルコキシシラン、縮合触媒、及び、水を混合した後、前記混合物を、80℃に昇温したオイルバスで加熱した時間を、反応時間とした。
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた300mL容積の4口フラスコに、表2に記載の処方に従い、iPA35.8重量部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ90℃に昇温した後、A−174 2.0重量部、BA40.0重量部、MMA48.3重量部、AA10.0重量部、及び、V59 7.22重量部の混合物を滴下ロートから3時間かけて等速滴下した。次に、V59 0.36重量部、及び、iPA10.0重量部の混合溶液を1時間かけて等速滴下した。その後、引き続き、90℃で3時間攪拌して、トリメトキシシリル基、及びカルボキシル基を側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂を合成した。得られた樹脂の重量平均分子量は7300だった。
実施例1〜8及び比較例1〜6において、蒸留によって除去したメタノールは計算値で90%であった。また、得られたポリシロキサン樹脂におけるT1、T2構造の比率((d+e)/(a+b+c+d+e))、グリシジル基、ケイ素の含有率は表1中に記載した。各算出法については、以下に示す。
硬化性樹脂組成物中の、シロキサン単位の存在比については、29Si−NMRを用いて、D1、D2、T1、T2、T3構造由来のピーク面積比より算出した。D1、D2、T1、T2、T3構造由来のピークはそれぞれ異なる位置(化学シフト)にピークを示し、具体的には、例えば、前記構成単位(I)〜(V)の少なくとも1以上を有する場合、D1、D2、T1、T2、T3構造由来のピークはそれぞれ−10ppm〜−18ppm、−20ppm〜−25ppm、−45ppm〜−52ppm、−54ppm〜−62ppm、―64〜−70ppm近傍で確認できる。前記の手法により、合成した硬化性樹脂組成物中のシロキサン単位の存在比を確認した。
汎用自動滴定装置GT−200(三菱ケミカルアナリテック)を用いて、樹脂組成物全量に対するエポキシ当量を計測した。例えばエポキシ当量の測定結果が430だった場合、エポキシ基の分子量が43であることからエポキシ基を43/430×100=10重量%含有していることを示す。
まず、29Si−NMRを用いてテトラエチルシランを内部標準としてグリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂に含まれるD1、D2、T1、T2、及びT3構造のモル比を定量する。次いでグリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂に含まれるT3構造由来のケイ素含有量を上記T3構造のモル比と、検量線から算出する。検量線は、予め29Si−NMRを用いて、テトラエチルシランを内部標準として、[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]−ヘプタイソブチルシルセスキオキサンを用いて作成しておいた。求めたT3構造由来のケイ素含有量と、最初に求めたD1、D2、T1、T2、及びT3構造のモル比から樹脂組成物に含まれるケイ素総量を算出した。例えば、29Si−NMRを用いて求めたT1、T2、及びT3構造のモル比が1:2:3であり、T3構造由来のケイ素含有量が検量線より3重量%と算出された場合、この樹脂組成物に含まれるケイ素送量は6重量%と算出することができる。
1H−NMRを用いて、テトラエトキシシランを内部標準として、メチルトリメトキシシランから前記メチル基量の検量線を作成し、グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂中における前記メチル基含有量を定量する。メチルトリメトキシシランの分子量が136.2であることから、メチルトリメトキシシランは前記メチル基を15/136.2=11.0重量%含有しており、この値とテトラエトキシシランを内部標準とした検量線からグリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂の固形分全量に対する前記メチル基の含有率を算出した。
1気圧下において、25℃の純水に対して、前記硬化性樹脂組成物が40重量%分溶解した場合は、前記硬化性樹脂組成物を水溶性とし、それ以外の場合を非水溶性として、表中に記載した。
不揮発分45%に調整したグリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂含有水溶液をガラス瓶内に密閉した状態で、25℃に昇温した熱風乾燥機内に静置し、前記ガラス瓶を45度傾けた際に内溶液に流動性が確認できなくなった時点をゲル化点として、その時間を表中に記載した。
不揮発分45%に調整したグリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂含有水溶液をガラス瓶内に密閉した状態で、25℃に昇温した熱風乾燥機内に静置し、容器の底部に白色の沈殿が1mm以上堆積した時点を沈殿点として、その時間を表中に記載した。
得られた前記硬化性樹脂組成物について、硬化触媒、及び、希釈用水を加え均一になるまで撹拌し塗工液を得た。各成分の配合比は、実施例、比較例及び参考例([表1]及び[表2])に記載のとおりである。各表に記載した配合量は有効成分の重量基準であり、実際には、各実施例、比較例及び参考例で得た樹脂分45%の樹脂水溶液を配合している。よって、前記塗工液の配合量は、各表に記載した樹脂の配合量は45%で除した値となる。
上記塗工液を70×150×2mmのガラス板上に6milアプリケータを用いて、乾燥膜厚が約60μmとなるように塗布して塗膜を形成した。前記塗膜を23℃、50%RHの条件下で1週間養生した後に、塗膜の透明性、硬度、耐候性、及び耐水性の評価を、上述した基準に基づいて行った。
前記評価膜作製条件で形成した塗膜の透明性をヘイズ値で判定した。ヘイズ値の測定には、色彩及び濁度同時測定器 COH400(日本電色工業株式会社製)を用いて、前記測定値から、基材であるガラス板のヘイズ値を引いて得た値を各表に記載した。
前記評価膜作製条件で形成した塗膜の硬さをペルゾー振子硬度計 model299/300(Erichsen社製)で測定した。
ダイプラ・ウィンテス株式会社製メタルウェザーを用いて促進耐候性試験を実施した。試験条件は、試験板を63℃、50%RHで6時間照射した後、30℃98%RHで2時間暗黒結露させることを1サイクルとし、連続25サイクル実施することとした。また評価は、形成直後の塗膜表面の光沢値と25サイクル終了後の塗膜表面の光沢値の差から算出される光沢保持率によって行った。尚、光沢値の測定にはGM268(ミノルタ(株)製)を用いて測定した。また、前記試験板はガラス板上に乾燥膜厚が10マイクロミリメートルから15マイクロミリメートルとなる量の前記塗工液をスプレーにより塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生することで作製した。塗膜とガラス基板界面(試験板側面)に水が浸入して剥離やクラックを生じることを防ぐため、試験板側面はアルミテープでシールした。
前記評価膜作製条件で形成した塗膜を、80℃に昇温した温水中に浸漬して2時間保持した後、塗膜の変化を目視で確認して、次の基準によって評価した。尚、塗膜とガラス基板界面(試験板側面)に水が浸入して剥離やクラックを生じることを防ぐため、試験板側面はアルミテープでシールした。
A:目視で観察した際、塗膜に白濁やクラックは生じていなかった。B:目視で観察した際、塗膜に白濁やクラックは生じていなかったが、明らかな艶引け(光沢を一部、 またはすべて失ってしまう現象)がみられた。C:目視で観察した際、塗膜が白濁していた、及び/又は、塗膜にクラックが生じていた。
実施例1〜8のグリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂は、いずれも水溶性であり、かつ貯蔵安定性も良好であった。一方、比較例1〜3は水溶性が不十分で水希釈できなかった。比較例4〜6は水溶性であったものの、貯蔵安定性が悪かった。以上のことから、樹脂合成の際に酸触媒を用いて比較的短時間で合成した際は、シラノールの残存比率が高くなり水溶性が見られると考えられる。一方、塩基触媒や錫触媒を用いた場合はシラノールの縮合が進行し、残存するシラノールが減ったため水溶化しなくなったと考えられる。また、酸触媒を用いた場合であっても反応時間が長くなると、シラノールの縮合が進行し、残存するシラノールが減ることで、水溶化しなくなったと考えられる。
Claims (6)
- グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂を含む硬化性樹脂組成物であって、
前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂は、下記構成単位(I)〜(V)の少なくとも1以上を含み、
前記構成単位(I)〜(V)の構成比は(d+e)/(a+b+c+d+e)≧0.7を満たし、
前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂の固形分全量に対するグリシジル基の含有率が12重量%以上であり、
前記硬化性樹脂組成物中において、前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂の固形分全量に対して水が30重量%以上、かつ、アルコールが10重量%以下含まれる、
硬化性樹脂組成物。
R1は、水素原子 、メチル基、エチル基、又はプロピル基を示す。
R2は、置換又は非置換の、ビニル基、フェニル基又は炭素数1〜8の環状又は非環状アルキル基を示し、少なくとも1以上はグリシジル基を有する。R2は同一又は異なっていても良い。 - 前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂の固形分全量に対するケイ素の含有率が15重量%以上である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン単独縮合、あるいは3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランと、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、又は3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシランの4種から選ばれる1以上のシラン化合物との共縮合によって合成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂は、前記構成単位(I)〜(V)においてメチル基であるR2を含有し、前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂全量に含まれる前記メチル基の含有率が2重量%以上12重量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を含むクリア塗膜用塗液。
- グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂を含む硬化性樹脂組成物の製造方法であって、
前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂は前記構成単位(I)〜(V)の少なくとも1以上を含み、
前記構成単位(I)〜(V)の構成比は(d+e)/(a+b+c+d+e)≧0.7を満たし、
前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂は、酸性触媒を用いてシラン化合物を加水分解及び脱水縮合反応させることで前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂を得る工程を含み、
前記硬化性樹脂組成物は、前記硬化性樹脂組成物の全量100重量%に対して、水の含有率を30重量%以上とする工程
及び、
前記硬化性樹脂組成物の全量100重量%に対して、アルコールの含有率を10重量%以下とする工程
を含み、
前記グリシジル基含有変性ポリシロキサン樹脂は固形分全量に対してグリシジル基を12重量%以上含有する
ことを特徴とする製造方法。
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