JP2019178255A - ポリオレフィン組成物、積層体および電気化学セル用包装資材 - Google Patents

ポリオレフィン組成物、積層体および電気化学セル用包装資材 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒートシール時の膜厚の減少が抑制され、かつ成形性に優れる電気化学セル用包装資材の製造に有用なポリオレフィン組成物を提供すること。【解決手段】ポリオレフィンを含有し、下記要件(1)および(2)を満たす、ポリオレフィン組成物。(1)230℃、せん断速度12.16s-1で測定されるせん断粘度η12.16と、230℃、せん断速度243.2s-1で測定されるせん断粘度η243.2との比率〔η12.16/η243.2〕が4以上である。(2)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が1g/10分以上、8g/10分以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン組成物、積層体およびこれを用いた電気化学セル用包装資材に関する。
リチウムイオン電池は、リチウム二次電池とも言われ、液状、ゲル状又は高分子ポリマー状の電解質を持ち、正極・負極活物質がポリマーからなるものを含む。このリチウムイオン電池は、充電時には正極活物質であるリチウム遷移金属酸化物中のリチウム原子(Li)がリチウムイオン(Li+)となって負極の炭素層間に入り込み(インターカレーション)、放電時にはリチウムイオン(Li+)が炭素層間から離脱(デインターカレーション)して正極に移動し、元のリチウム化合物となることにより充放電反応が進行する電池であり、ニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池より出力電圧が高く、高エネルギー密度である上、浅い放電と再充電とを繰り返すことにより見掛け上の放電容量が低下する、いわゆるメモリー効果がないという優れた特長を有している。
リチウムイオン電池は、正極集電材、正極活性物質層、電解質層、負極活性物質層及び負極集電材から構成されるリチウムイオン電池本体と、これらを包装する外装体とから構成され、外装体を形成する包装資材として従来、金属をプレス加工し円筒状または直方体状等に容器化した缶が用いられていた。しかし缶は、容器外壁がリジッドであるため、電池自体の形状が限定されてしまい、ハード側を電池に合わせて設計する必要から形状の自由度がない。このため近年、缶に替わって多層フィルムが包装資材として用いられる傾向にある。
多層フィルムを包装資材(外装体)とするリチウムイオン電池の製造工程には、外装体の内部に内容物(リチウムイオン電池本体)を充填した後にヒートシールを行い、内容物を密封する工程が含まれる。リチウムイオン電池の外装体においては、密封性が安全上非常に重要である。この多層フィルムからなる包装資材は、少なくとも基材層、金属箔、および熱接着性樹脂層で構成され、金属箔と熱接着性樹脂層との間に接着性ポリオレフィン層が設けられることもある。この包装資材を袋状に形成し電池本体を収納するパウチタイプの外装体が、または、この包装資材をプレス加工して凹部を形成し、凹部に電池本体を収納するエンボスタイプの外装体が形成される。例えば特許文献1では、厚さ10μm超え60μm以下の無延伸ポリプロピレン層、金属箔と熱接着性樹脂層とを接着するための厚さ1〜5μmの酸変性ポリオレフィン層、皮膜付着量が5〜30mg/m2の第1化成皮膜層が表面に形成された厚さ10〜100μmのアルミニウム箔層、および合成樹脂よりなる層、とを順次積層してなる包装資材が提案されている。
特開2005−056729公報
特許文献1には、リチウムイオン電池本体を、外装体に封入し電池本体の金属端子を外側に突出した状態で挟持して包装する態様が記載されている。しかし、シーラントとなる熱接着性樹脂層および接着性ポリオレフィン層の流動性が高い場合、シール時にこれらの層の膜厚の減少が大きく、短絡の危険性がある。一方で膜厚の減少を抑えるために熱接着性樹脂層および接着性ポリオレフィン層の粘度を高くすると、押出ラミネート成形のような高速成形においては膜揺れまたは膜厚精度の悪化等の成形不良が発生する。このような問題点について特許文献1には何ら記述されていない。
そこで本発明は、前記問題点に鑑み、リチウムイオン電池本体、キャパシタ、電気二重層キャパシタ等の電気化学セルを密封収納する外装体として使用される電気化学セル用包装資材であって、ヒートシール時の膜厚の減少が抑制され、かつ成形性に優れる電気化学セル用包装資材、およびこのような電気化学セル用包装資材の製造に有用なポリオレフィン組成物を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕
ポリオレフィンを含有し、下記要件(1)および(2)を満たす、ポリオレフィン組成物。
(1)230℃、せん断速度12.16s-1で測定されるせん断粘度η12.16と、230℃、せん断速度243.2s-1で測定されるせん断粘度η243.2との比率〔η12.16/η243.2〕が4以上である。
(2)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が1g/10分以上、8g/10分以下である。
〔2〕
(A)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.1 g/10分以上、1.0 g/10分未満であるポリオレフィン成分を20〜50質量%
(B)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が1 g/10分以上10 g/10分未満であるポリオレフィン成分を15〜73質量%
(C)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が10 g/10分以上20 g/10分未満であるポリオレフィン成分を5〜20質量%、および
(D)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が200 g/10分以上であるポリオレフィン成分を2〜15質量%
(ただしポリオレフィン成分(A)〜(D)の合計を100質量%とする。)含む前記〔1〕のポリオレフィン組成物。
〔3〕
前記ポリオレフィン成分(D)が不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性された変性ポリオレフィンである前記〔2〕のポリオレフィン組成物。
〔4〕
前記ポリオレフィン成分(A)〜(D)から選ばれる少なくとも1種の示差走査熱量測定による融点が155℃以上165℃以下であり、かつ、前記ポリオレフィン成分(A)〜(D)から選ばれる少なくとも1種の示差走査熱量測定による融点が145℃以上155℃未満である、前記〔2〕または〔3〕のポリオレフィン組成物。
〔5〕
さらに前記ポリオレフィン成分(B)がプロピレン系エラストマー(B−1)を含む前記〔2〕〜〔4〕のいずれかのポリオレフィン組成物。
〔6〕
前記〔1〕〜〔5〕のいずれかのポリオレフィン組成物を含む接着性ポリオレフィン層と、金属箔層とを含む積層体。
〔7〕
基材層、金属箔層、前記〔1〕〜〔5〕のいずれかのポリオレフィン組成物からなる接着性ポリオレフィン層、および熱接着性樹脂層がこの順序で積層されてなる積層体を含む電気化学セル用包装資材。
本発明のポリオレフィン組成物を使用することで、ヒートシール時の膜厚の減少が抑制され、かつ成形性に優れた電気化学セル用包装資材を製造することができる。
図1は、本発明に係る電気化学セル用包装資材の一態様を示す。 図2は、本発明に係る電気化学セル用包装資材の使用形態の一態様を示す。
以下、本発明のポリオレフィン組成物、およびこれを用いた電気化学セル用包装資材等についてさらに詳細に説明する。
[ポリオレフィン組成物]
本発明に係るポリオレフィン組成物は、ポリオレフィンを含有し、下記要件(1)および(2)を満たすことを特徴としている。
(1)230℃、せん断速度12.16s-1で測定されるせん断粘度η12.16と、230℃、せん断速度243.2s-1で測定されるせん断粘度η243.2との比率〔η12.16/η243.2〕(以下「せん断速度比」とも記載する。)が4以上である。
(2)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が1g/10分以上、8g/10分以下である。
なお、前記ポリオレフィン組成物は、前記ポリオレフィンを1種のみ含む態様も包含するものとする。
《要件(1)》
本発明に係るポリオレフィン組成物の前記せん断速度比は4以上であり、その上限は好ましくは20であり、より好ましくは10であり、さらに好ましくは5である。
このせん断速度比は、以下のような技術的意義を有している。
せん断速度12.16s-1で測定されるせん断粘度はヒートシールのようなせん断の小さな処理時の粘度に対応しており、せん断速度243.2s-1で測定されるせん断粘度はダイスから樹脂が出てくる際の粘度に対応している。すなわち、ヒートシール時の膜厚減少を抑制するためには、せん断速度12.16s-1で測定されるせん断粘度を高くする必要があり、製膜性(膜厚精度)を良くするためには、せん断速度243.2s-1で測定されるせん断粘度を低くする必要がある。前記せん断速度比が4以上である本発明のポリオレフィン組成物を使用することにより、ヒートシール時の膜厚の減少が抑制され、かつ成形性に優れた電気化学セル用包装資材を製造することができる。また、前記せん断速度比が前記上限値以下であると、成形時の温度バラツキの粘度への影響が小さく、成形品を安定して製造することができる。一方、前記せん断速度比が4よりも過小であると、ヒートシール時の膜厚減少抑制のため粘度を上げた場合、膜厚精度が著しく悪化し、一方で膜厚精度向上のため粘度を下げた場合、ヒートシール時の膜厚減少が大きくなる。
前記せん断速度比は、例えば組成物の分子量分布を変えることによって、増減させることができる。
《要件(2)》
本発明に係るポリオレフィン組成物のメルトフローレート(ISO 1133に準拠、230℃、2.16kg荷重)は1〜8g/10分であり、好ましくは1〜5g/10分である。
メルトフローレートが前記範囲にあると、本発明に係るポリオレフィン組成物を用いた電気化学セル用包装資材を通常のシール温度(190℃)でヒートシールした場合に十分なシール強度を確保でき、かつシール部の厚みの薄肉化を抑制できる。
一方、メルトフローレートが1g/10分よりも過小であると、高速で溶融押出するような押出ラミネート成形においては膜揺れや膜厚精度の悪化などの成形不良が生じるおそれがあり、メルトフローレートが8g/10分よりも過大であると、電気化学セル用包装資材のヒートシール時の膜厚が大きく減少するおそれがある。
本発明のポリオレフィン組成物は、前記要件(1)および(2)を満たすため、後述する電気化学セル用包装資材における、金属箔と熱接着性樹脂層とを接着させるための接着性ポリオレフィン層の材料として好ましく用いることができる。
本発明のポリオレフィン組成物に含まれるポリオレフィンは、分子量分布の広い設計にすることが重要であり、本発明に係るポリオレフィン組成物としては、
230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(以下「MFR(230℃、2.16kg)」とも記載する。)が0.1 g/10分以上1.0 g/10分未満であるポリオレフィン成分(A)を20〜50質量%、好ましくは25〜45質量%、
MFR(230℃、2.16kg)が1 g/10分以上10 g/10分未満であるポリオレフィン成分(B)を15〜73質量%、好ましくは20〜70質量%、
MFR(230℃、2.16kg)が10 g/10分以上20 g/10分未満であるポリオレフィン成分(C)を5〜20質量%、好ましくは5〜15質量%、および
MFR(230℃、2.16kg)が200 g/10分以上のポリオレフィン成分(D)を2〜15質量%、好ましくは2〜10質量%(ただし、ポリオレフィン成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計量を100質量%とする。)
含有するポリオレフィン組成物(以下「ポリオレフィン組成物(X)」とも記載する。)が好ましい。
ポリオレフィン組成物(X)において、MFR(230℃、2.16kg)が0.1 g/10分未満のポリオレフィン成分の割合は0〜30質量%であり、MFR(230℃、2.16kg)が20 g/10分以上200 g/10分未満のポリオレフィン成分の割合は0〜30質量%である(ただし、ポリオレフィン成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計量を100質量%とする。)。
前記ポリオレフィン成分(A)〜(D)の例としては、それぞれ独立にエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、およびこれらの変性体が挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどの炭素数2〜20、好ましくは4〜10のα−オレフィンが挙げられる。これらのα−オレフィンは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記共重合体に含まれる全構成単位に占める前記α−オレフィン由来の構成単位の割合は、好ましくは0.5〜50モル%、より好ましくは0.5〜30モル%である。
前記ポリオレフィン成分(A)〜(D)の種類は、すべてが同一であってもよく、一部が同一であってもよく、すべてが互いに異なっていてもよい。互いに異なる種類のポリオレフィン成分(A)〜(D)の組み合わせの例としては、プロピレン・α−オレフィン共重合体と、ポリオレフィン混合物(たとえば、プロピレン単独重合体と、プロピレン・α−オレフィン共重合体(たとえば、後述するプロピレン系エラストマー(B−1))との混合物)と、エチレン・α−オレフィン共重合体と、グラフト変性ポリオレフィンとの組み合わせが挙げられる。
前記ポリオレフィン成分(B)は、好ましくは、後述するプロピレン系エラストマー(B−1)を含有する。プロピレン系エラストマー(B−1)は、後述する電気化学セル用包装資材からなる外装体の柔軟性及び耐久性をいっそう向上させ、耐折り曲げ性の向上、成形時のクラック防止の役割も果たす。
前記ポリオレフィン組成物(X)に占めるプロピレン系エラストマー(B−1)の割合は、好ましくは3〜35質量%である。
電気化学セル用包装資材における金属箔と接着性ポリオレフィン層との接着性の観点から、前記ポリオレフィン成分(D)としては、不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされた変性ポリオレフィンが好ましい。グラフト量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。このようなグラフト量の場合、金属箔に対する接着性ポリオレフィンの接着性が良好である。
前記不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸(商品名)(エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)などの不飽和カルボン酸、またはこれらの誘導体、たとえば酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステルなどが挙げられる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、とくにマレイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物が好適である。該不飽和カルボン酸またはその誘導体をポリオレフィンにグラフト共重合して成分(D)を製造するには、従来公知の種々の方法を採用することができる。グラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下にグラフト反応を実施することが好ましい。グラフト反応は、通常60〜350℃の温度で行われる。ラジカル開始剤の使用割合は、ポリオレフィン100質量部に対して通常0.001〜1質量部である。
ラジカル開始剤の例としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステル、アゾ化合物が挙げられ、特にジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどが好ましい。
前記ポリオレフィン成分(A)〜(D)から選ばれる少なくとも1種の示差走査熱量測定による融点が155℃以上165℃以下であり、かつ、前記ポリオレフィン成分(A)〜(D)から選ばれる少なくとも1種の示差走査熱量測定による融点が145℃以上155℃未満(好ましくは154℃以下)であることが好ましい。この融点は、示差走査熱量測定(DSC)において、試料10mg程度をアルミパンに詰め、(i)500℃/分で室温から230℃まで昇温して230℃で10分間保持した後、(ii)10℃/分で室温まで降温し、次いで(iii)10℃/分で230℃まで昇温する際に、この(iii)において吸熱ピークが観察される温度であり、吸熱ピークが複数観察される場合は、最も高温側の吸熱ピークが観察される温度である。
本発明の接着用ポリオレフィン組成物を得るには、たとえば前記成分(A)〜(D)を前記範囲で種々公知の方法、たとえばヘンシェルミキサー、v−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダーなどで混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用すればよい。本発明の組成物には、前記成分に加えて、必要に応じて、プロセス安定剤、耐熱安定剤、耐候安定剤などが本発明の目的を損なわない範囲で配合されていてもよい。
[電気化学セル用包装資材]
本発明に係る電気化学セル用包装資材は、基材層、金属箔層、接着性ポリオレフィン層および熱接着性樹脂層がこの順序で積層されてなる積層体を含んでなり、好ましくはリチウムイオン電池の外装体として使用される。
本発明に係る電気化学セル用包装資材の各層を構成する材料等について、図1を参照して説明する。図1に示すように、本発明に係る電気化学セル用包装資材(外装体)7は、基材層3、熱接着性樹脂層2、およびその間に金属箔層4が配されたものであり、熱接着性樹脂層2と金属箔層4とは接着性ポリオレフィン層1を介して接着されている。金属箔層4表面には化成処理層4aが設けられていてもよく、設けることで、基材層3及び熱接着性樹脂層2と金属箔層4との層間接着強度はいっそう安定する。また、基材層3の表面には保護層5が形成されていてもよい。各層の間には異種の層が介在していてもよい。
《基材層》
基材層3は、一般に、延伸ポリエステルまたはナイロンからなるフィルムである。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。またナイロンとしては、ポリアミド樹脂、すなわち、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等が挙げられる。
また、基材層3は、耐ピンホール性および電池の外装体とした時の絶縁性を向上させるために、単層のポリエステルフィルム又はナイロンフィルムの他、異なる材質のフィルムを積層化したものであってもよい。単層フィルムからなる基材層の厚さは、通常6μm以上、好ましくは6〜25μmである。積層体化された基材層3は2層以上の樹脂層を含み、各層の厚さは6μm以上、好ましくは、6〜25μmである。積層化された基材層の各層の組み合わせの例としては、延伸ポリエチレンテレフタレート層と延伸ナイロン層との組み合わせが挙げられる。
本発明の電気化学セル用包装資材の機械適性(包装機械、加工機械の中での搬送の安定性)、表面保護性(耐熱性、耐電解質性)、あるいは2次加工にてリチウムイオン電池用の外装体7をエンボスタイプとする際に、エンボス時の金型と基材層3との摩擦抵抗を小さくする目的または電解液が付着した場合に基材層3の保護の観点から、基材層3を多層化し、基材層3の表面にフッ素系樹脂層、アクリル系樹脂層、シリコーン系樹脂層、ポリエステル系樹脂層、及びこれらのブレンド物層等の保護層5(図1参照)を設けることが好ましい。
前記延伸ポリエチレンテレフタレートの代わりに延伸ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートを用いた場合にも同様の効果が得られる。
《金属箔層》
金属箔層4は、外部からリチウムイオン電池の内部に水蒸気が浸入することを防止するための層である。金属箔層4としては、加工適性(パウチ化、エンボス成形性)を安定化し、かつ耐ピンホール性をもたせるために、厚さ15μm以上のアルミニウム、ニッケルなどの金属、又は、無機化合物、例えば、酸化珪素、アルミナ等を蒸着したフィルムなどが挙げられ、従来、厚さが20〜80μmのアルミニウム箔が用いられる。
また、ピンホールの発生を改善し、リチウムイオン電池の外装体のタイプをエンボスタイプとする場合、エンボス成形におけるクラックなどの発生のないものとするために、金属箔層4として用いるアルミニウムの材質を、鉄含有量が0.3〜9.0質量%、好ましくは0.7〜2.0質量%とすることが望ましい。
これによって、鉄を含有していないアルミニウムと比較して、アルミニウムの展延性がよく、外装体として折り曲げによるピンホールの発生が少なくなり、包装資材をエンボス成形する時に側壁を容易に形成することができる。なお、鉄含有量が、0.3質量%未満の場合は、ピンホールの発生の防止、エンボス成形性の改善等の効果が認められず、アルミニウムの鉄含有量が9.0質量%を超える場合は、アルミニウムとしての柔軟性が阻害され、包装資材として製袋性が悪くなる。
また、冷間圧延で製造されるアルミニウムは焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・腰の強さ・硬さが変化するが、本発明において用いるアルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、多少または完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にあるアルミニウムがよい。
すなわち焼きなましの条件は、加工適性(パウチ化、エンボス成形)に合わせ適宜選定すればよい。たとえば、エンボス成形時のしわやピンホールを防止するためには、成形の程度に応じた焼きなましされた軟質アルミニウムを用いることができる。
《化成処理層》
金属箔層4に化成処理を施すことによって、金属箔層4の接着剤6または接着性ポリオレフィン層1との接着強度が向上する。
図1に示すように、化成処理層4aは少なくとも金属箔層4の熱接着性樹脂層2側の面に形成される。化成処理層4aは接着性ポリオレフィン層1と金属箔層4とを安定的に接着し、金属箔層4と熱接着性樹脂層2のデラミネーションを防止することができる。また、化成処理層4aは金属箔層4の腐食を防止する。
具体的には、金属箔層4の表面にリン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物等の耐酸性皮膜、すなわち化成処理層4aを形成することによって、エンボス成形時の金属箔層4と熱接着性樹脂層2との間でのデラミネーションを防止し、リチウムイオン電池の電解質と水分とによる反応で生成するフッ化水素により、金属箔表面が溶解、腐食すること、特に金属箔がアルミニウム箔である場合にその表面に存在する酸化アルミニウムが溶解、腐食することを防止し、かつ、金属箔表面の接着性(濡れ性)を向上させることができる。
化成処理層4aの形成方法としては、金属箔層4に対するクロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理、塗布型クロメート処理等のクロム系化成処理、あるいは、ジルコニウム、チタン、リン酸亜鉛等の非クロム系(塗布型)化成処理等が挙げられるが、連続処理が可能であると共に水洗工程が不要で処理コストを安価にすることができるという点などから、塗布型化成処理、特にアミノ化フェノール重合体、3価クロム化合物、リン化合物、を含有する処理液での処理が最も好ましい。
また、化成処理層4aを形成する際の処理液の塗布法としては、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法等の周知の塗布法を選択できる。また、化成処理層4aを形成する前に金属箔層4表面に、予め、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、酸活性化法等の周知の脱脂処理法で処理を施しておくと、化成処理層4aの機能を最大限に発現させるとともに、長期間維持することができる。
《接着性ポリオレフィン層》
接着性ポリオレフィン層1は、上述した本発明に係るポリオレフィン組成物からなり、金属箔層4と熱接着性樹脂層2とを接着するために設けられる層である。
接着性ポリオレフィン層1の厚さは、通常10〜50μm、好ましくは20〜40μmである。
《熱接着性樹脂層》
熱接着性樹脂層2は、本発明に係る電気化学セル用包装資材7によりリチウムイオン電池本体8などの電気化学セルを包装する際の、最内層としての、かつシーラント層としての機能を担う。
熱接着性樹脂層2の厚さは、通常10〜50μm、好ましくは20〜40μmである。
熱接着性樹脂層2としてはポリプロピレンの単層または多層のフィルム、線状低密度ポリエチレンまたは中密度ポリエチレンの単層または多層のフィルム、線状低密度ポリエチレンおよび中密度ポリエチレンの混合物の単層または多層のフィルムが挙げられ、中でもポリプロピレンの単層または多層のフィルムが好ましい。
ポリプロピレンとしては、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。ポリプロピレンからなる多層フィルムが、以下に説明するプロピレン系エラストマー(B−1)を含むポリプロピレンの層を有していると、熱接着性樹脂層2の耐久性、柔軟性、耐白化性等の物性を高めることができる。
プロピレン系エラストマー(B−1)を含むポリプロピレンは、エチレン・プロピレンランダムコポリマーのように非晶部を海とし、結晶部を島とした海島状に樹脂が分散した構造ではなく、粒径が10nm〜50nmレベルのらせん状の結晶部である「島」が互いに連結して網状の構造をとり非晶部全体を覆う構造を有していることが好ましい。この網状の構造により、プロピレン系エラストマー(B−1)を含むポリプロピレンは、優れたシール強度、耐久性、耐熱性、柔軟性を持つ。
プロピレン系エラストマー(B−1)を含むポリプロピレンがこのような構造を有していることにより、熱接着性樹脂層2がプロピレン系エラストマー(B−1)を含むポリプロピレンの層を有していると、包装資材の成形限界を高めることができ、プレス成形により熱接着性樹脂層2にクラッキングが生じることを防ぐことができる。
これは、プロピレン系エラストマー(B−1)を含むポリプロピレンの結晶部が「網」の構造であるため、プロピレン系エラストマー(B−1)を含むポリプロピレンの層がヒートシール時に一旦溶融し固形化する際も「網」の構造が残り均一に固形化するためであると考えられる。
プロピレン系エラストマー(B−1)がポリプロピレン中に3質量%以上35質量%以下の割合で含まれていると、ポリプロピレンの層の物性機能を最も向上させることができる。
前記プロピレン系エラストマー(B−1)は、プロピレン由来の構成単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位とからなる共重合体であり、プロピレン由来の構成単位を50モル%以上(ここでプロピレン由来の構成単位と炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位の合計を100モル%とする)含んでおり、以下の(a)〜(d)を満たす。
(a)後述する方法で測定されるショアーA硬度(ASTM D2240)が65〜90であり、好ましくは65〜85であり、より好ましくは72〜85である。
(b)後述する方法で測定される融点が130〜170℃であり、好ましくは130〜150℃である。
(c)密度(ASTM D1505)が860〜875kg/m3であり、好ましくは860〜872kg/m3である。
(d)後述する方法で測定されるガラス転移温度が−25℃〜−35℃であり、好ましくは−26℃〜−33℃である。
前記プロピレン系エラストマー(B−1)を構成する炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。
前記プロピレン系エラストマー(B−1)は、好ましくは、プロピレン由来の構成単位とエチレン由来の構成単位と炭素数4〜10のα−オレフィン由来の構成単位とからなる共重合体である。
プロピレン由来の構成単位の含量は、プロピレン由来の構成単位および炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位の含量の合計を100モル%とした場合に、50モル%以上99モル%以下であり、好ましくは60モル%以上99モル%以下である。
前記プロピレン系エラストマー(B−1)としては、前記(a)、(b)、(c)、(d)を満たすとともに、下記(e)又は(f)の一方を満たすものが好ましく、(e)及び(f)の両方を満たすものが更に好ましい。
(e)ヘイズ(内部ヘイズ)が、15%未満であり、好ましくは10%未満である。
(f)メルトフローレート(ASTM D1238に準拠して230℃、荷重2.16kgで測定)が3〜15g/10分であり、好ましくは5〜10g/10分の範囲である。
前記(a)〜(f)で示した物性の測定方法について順に説明する。
(a)のショアーA硬度は、下記プレス成形条件で成形して得られた厚さ2mmのプレスシートを23℃で72時間静置した後、ゴム硬度計(ショアA型)を用いこれを2枚重ねて押針接触後直ちに目盛りを読み取った(ASTM D2240に準拠)ものである。
プレス成形条件:温度190℃、加熱、加圧時間7分間、15℃チラーで冷却
(b)の融点(Tm)は、示差走査熱量測定(DSC)において、試料10mg程度をアルミパンに詰め、(i)100℃/分で200℃まで昇温して200℃で5分間保持した後(ii)10℃/分で−150℃まで降温し、次いで(iii)10℃/分で200℃まで昇温したとき、この(iii)で観察される吸熱ピークの温度を測定したものである。
(c)の密度は、前記ショアーA硬度測定サンプルと同一のプレス成形条件で得られた厚さ2mmのプレスシートを23℃で72時間静置した後、ASTM D1505に準拠する方法で測定したものである。
(d)のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)において、試料10mg程度を専用アルミパンに詰め、(i)30℃から200℃までを200℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した後、(ii)200℃から−100℃までを10℃/分で降温し、−100℃でさらに5分間保持した後、次いで(iii)10℃/分で昇温する。この(iii)の際のDSC曲線より求めたものである。
(e)のへイズ(内部ヘイズ)は、前記ショアーA硬度測定サンプルと同一のプレス成形条件で得られた圧亜s2mmのプレスシートを23℃で72時間静置した後、日本電色工業(株)社製のデジタル濁度計(NDH−2000)またはこれと同等の濁度計を用いてシクロヘキサノール溶液中でC光源による拡散透過光量及びC光源による全透過光量を測定し、下式によりヘイズ(内部ヘイズ)を測定したものである。
ヘイズ(%)=100×(拡散透過光量)/(全透過光量)
(f)のメルトフローレートはASTM D1238に準拠して230℃、荷重2.16kgで測定したものである。
また、プロピレン系エラストマー(B−1)の各構成単位の含量は 13C−NMRを用いて測定したものである。
前記プロピレン系エラストマー(B−1)としては、前記物性を満たすものであれば特に制限はないが、市販品であってもよい。市販品としては、例えば三井化学株式会社製「タフマー(登録商標)」を挙げることができる。
電気化学セル用包装資材を構成する前記の各層には、適宜、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性を向上、安定化する目的のために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理が施されていてもよい。
(積層方法)
本発明の電気化学セル用包装資材は、本発明のポリオレフィン組成物から接着性ポリオレフィン層1を形成する点を除いて、従来公知の方法で製造することができる。
本発明の電気化学セル用包装資材は、たとえば、まず基材層3と金属箔層4とを、ドライラミネーション法を用いて接着剤層6により貼り合わせ、次いで得られた積層体に接着性ポリオレフィン層1および熱接着性樹脂層2を積層することにより製造することができる。
前記積層体に接着性ポリオレフィン層1および熱接着性樹脂層2を積層する方法としては、接着性ポリオレフィン層1と熱接着性樹脂層2からなる共押しフィルムを熱ラミネーション法により金属箔層4に積層する方法、および溶融した接着性ポリオレフィン層1を金属箔層4と熱接着性樹脂層2とで挟み込み積層するサンドイッチラミネーション法が挙げられる。
具体的には熱ラミネーション法は、接着性ポリオレフィン層1と熱接着性樹脂層2からなる共押出しフィルムの接着性ポリオレフィン層1の面に化成処理を施したアルミニウム等の金属箔層4の化成処理層4aを貼り合わせ熱ラミネートする方法であり、サンドイッチラミネーション法は、金属箔層4の化成処理層4aに接着性ポリオレフィン層1を接着樹脂として押出し、熱接着性樹脂層2と接着させる方法である。ここで、接着性ポリオレフィン層1を押出ラミネートする場合、得られる積層体を接着性ポリオレフィンの軟化点以上に加熱する(後加熱)か、または、接着性ポリオレフィンの押出し加工において、アルミニウムの面を接着性ポリオレフィンの軟化点以上に加熱する(前加熱)ことにより、包装資材は外装体として、耐内容物性、成形性に耐えられる接着強度のあるラミネートが可能になる。
この加熱方法としては、熱ロール接触式、熱風式、近または遠赤外線式等の方法があるが、本発明においてはいずれの加熱方法でもよく、前述のように、接着樹脂がその軟化点温度以上に加熱できればよい。
リチウムイオン電池本体等の電気化学セルを封入する外装体は、たとえば、まず本発明の電気化学セル用包装資材を熱接着性樹脂層2が内側となるように折り曲げ、または2枚のあるいは本発明の電気化学セル用包装資材を熱接着性樹脂層2が内側となるように向い合せ、次に電気化学セルの挿入部を除いて周囲をヒートシールすることにより、製造することができる。このようにして作製された外装体に電気化学セルを封入し、外装体の開口部がシールされる。電気化学セルがリチウムイオン電池本体である場合には、外装体にリチウムイオン電池本体を封入し、電池本体の金属端子を外側に突出した状態で挟持して、装体の開口部のシールが行われる。例えば、図2で示したように、リチウムイオン電池本体8を外装体7に封入し電池本体の金属端子9を外側に突出した状態で挟持して密封シールする際、溶融押出しされた接着性ポリオレフィン層1、熱接着性樹脂層2の流動性が高いため金属端子9の挟持部分全体を覆うようにして外装体7の開口部を密封シールできる。そのため、金属端子9の挟持部から浸透する外部の水蒸気を遮断し、電解質と水蒸気の反応によるフッ化水素酸の生成を抑制することができる。
以下、本発明を、実施例に基づきさらに具体的に説明する。
実施例等で用いた原料を以下に示す。
・ポリオレフィン成分(A)
rPP-1:プロピレン・エチレンランダム共重合体
(メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)0.5g/10分、密度0.90g/cm3、エチレン含量6.0モル%、融点145℃)
・ポリオレフィン成分(B)
hPP-1:プロピレン単独重合体
(メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)3.5g/10分、密度0.90g/cm3、融点160℃)
hPP-2:プロピレン単独重合体
(メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)7.0g/10分、密度0.90g/cm3、融点160℃)
(B−1)成分
PN-1:タフマー(登録商標)PN−2070(MITSUI ELASTOMERS SINGAPORE PTE LTD製)
(メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)7.0g/10分、密度0.87g/cm3、ショア―A硬度75、融点138℃、ガラス転移温度−29℃、ヘイズ7%)
・ポリオレフィン成分(C)
PE-1:低密度ポリエチレン
(メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)15g/10分、密度0.92g/cm3、融点103℃)
・ポリオレフィン成分(D)
MAH-PP-1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン
(メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)200g/10分、密度0.90g/cm3、融点158℃)
・熱接着性樹脂
rPP-2:プロピレン・エチレンランダム共重合体
(メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)10.0g/10分、密度0.90g/cm3、エチレン含量4.0モル%)
[実施例1]
(ポリオレフィン組成物)
30質量%のhPP-1、30質量%のrPP-1、20質量%のPN-1、10質量%のPE-1、および10質量%のMAH-PP-1を二軸混練機(日本製鋼所製、TEX−30)を用いて230℃で溶融混練し、接着用ポリオレフィン組成物(1)を得た。得られた組成物のメルトフローレートは3.8g/10分であり、密度は0.90g/cm3であった。せん断速度12.16s-1下の粘度と、せん断速度243.2s-1下の粘度との比(η12.16/η243.2)を表1に示す。なお、上記せん断速度下の粘度は、キャピラリーレオメーターを用い、230℃条件下で測定した。
(電気化学セル用包装資材)
二軸延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)からなる基材層の上に、両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm)からなる金属箔層をドライラミネーション法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリエステル系の主剤とイソシアネート系の硬化剤)を塗布し、金属箔層上に接着層(厚さ4μm)を形成した。次いで、金属箔層上の接着層と基材層を加圧加熱貼合した後、60℃で24時間のエージング処理を実施することにより、基材層/接着層/金属箔層の積層体を製造した。なお、金属箔層として使用したアルミニウム箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥重量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム箔の両面に塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で20秒間焼付けすることにより行った。
次いで、金属箔層の上に、接着用ポリオレフィン(1)、および熱接着樹脂を共押出法により積層させた。かくして、基材層/接着層/金属箔層/接着用ポリオレフィン層/熱接着樹脂層が順に積層された積層体からなる電気化学セル用包装資材(1)を得た。接着用ポリオレフィン層および熱接着樹脂層の厚さは、それぞれ20μmおよび20μmであった。
電気化学セル用包装資材(1)を以下の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
[成形性]
金属箔層の上に接着用ポリオレフィンおよび熱接着樹脂を共押出しする際のTD方向の膜厚精度(具体的には共押出しされたフィルムの最大厚み部と最小厚み部の厚さの差。キーエンス製デジタル顕微鏡VH-5500により測定。)を以下の基準で評価した。
○:TD方向の最大厚み部の厚さと最小厚み部の厚さとの差異が、最大厚み部の厚さに対して25%未満
×:TD方向の最大厚み部の厚さと最小厚み部の厚さとの差異が、最大厚み部の厚さに対して25%以上
[フィルム厚残存率]
電気化学セル用包装資材を60mm(MD方向)×60mm(TD方向)のシート片に裁断し、このシート片をTD方向に対して水平に、熱接着樹脂層が内側となるように2つ折りし、TD方向に7mm巾で下記条件でヒートシールを行い、ヒートシール前後のフィルム厚さを測定し、下式によりフィルム厚残存率を算出した。
ヒートシール条件:面圧1.0MPa、シール温度190℃、シール時間3.0秒
フィルム厚残存率(%)
=ヒートシール後のフィルム厚さ/ヒートシール前のフィルム厚さ×100
[白化の有無]
電気化学セル用包装資材をかみ合い深さ5mmの金型で深絞り成形し、壁面の白化の有無を目視で確認した。
[実施例2]
(ポリオレフィン組成物の調製)
50質量%のhPP-1、30質量%のrPP-1、10質量%のPE-1、および10質量%MAH-PP-1を二軸混練機(日本製鋼所製、TEX−30)を用いて230℃で溶融混練し、接着用ポリオレフィン組成物(2)を得た。得られた組成物のメルトフローレートは3.4g/10分であり、密度は0.90g/cm3であった。せん断速度12.16s-1下の粘度と、せん断速度243.2s-1下の粘度の比(η12.16/η243.2)を表1に示す。
(電気化学セル用包装資材)
接着用ポリオレフィン組成物(1)を接着用ポリオレフィン組成物(2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、電気化学セル用包装資材を製造し、評価した。
[比較例1]
(ポリオレフィン組成物)
99質量%のhPP-1、および1質量%のMAH-PP-1を二軸混練機(日本製鋼所製、TEX−30)を用いて230℃で溶融混練し、接着用ポリオレフィン組成物(3)を得た。接着用ポリオレフィン組成物(3)のメルトフローレートは3.6g/10分であり、密度は0.90g/cm3であった。せん断速度12.16s-1下の粘度と、せん断速度243.2s-1下の粘度の比(η12.16/η243.2)を表1に示す。
(電気化学セル用包装資材)
接着用ポリオレフィン組成物(1)を接着用ポリオレフィン組成物(3)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、電気化学セル用包装資材を製造し、評価した。
[比較例2]
(ポリオレフィン組成物の調製)
30質量%のhPP-1、30質量%のhPP-2、20質量%のPN-1、10質量%のPE-1、および10質量%のMAH-PP-1を二軸混練機(日本製鋼所製、TEX−30)を用いて230℃で溶融混練し、接着用ポリオレフィン組成物(4)を得た。得られた組成物のメルトフローレートは8.3g/10分であり、密度は0.90g/cm3であった。せん断速度12.16s-1下の粘度と、せん断速度243.2s-1下の粘度の比(η12.16/η243.2)を表1に示す。
(電気化学セル用包装資材)
接着用ポリオレフィン組成物(1)を接着用ポリオレフィン組成物(4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、電気化学セル用包装資材を製造し、評価した。
表1の結果の通り、接着用ポリオレフィン層を本発明に係るポリオレフィン組成物から形成した実施例の電気化学セル用包装資材においては、成形性とヒートシール時のフィルム膜厚減少の抑制とを両立できた。また、プロピレン系エラストマーを添加することで、耐白化性が向上した。
一方、比較例2のように接着用ポリオレフィン層を形成するポリオレフィン組成物のメルトフローレートが8g/10分よりも大きいと、成形性は良いが、ヒートシール時のフィルム厚残存率が低くなる。
1:接着性ポリオレフィン層
2:熱接着性樹脂層
3:基材層
4:金属箔層
4a:化成処理層
5:保護層
6:接着剤層
7:電気化学セル用包装資材(外装体)
8:リチウムイオン電池本体
9:金属端子

Claims (7)

  1. ポリオレフィンを含有し、下記要件(1)および(2)を満たす、ポリオレフィン組成物。
    (1)230℃、せん断速度12.16s-1で測定されるせん断粘度η12.16と、230℃、せん断速度243.2s-1で測定されるせん断粘度η243.2との比率〔η12.16/η243.2〕が4以上である。
    (2)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が1g/10分以上、8g/10分以下である。
  2. (A)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.1 g/10分以上、1.0 g/10分未満であるポリオレフィン成分を20〜50質量%
    (B)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が1 g/10分以上10 g/10分未満であるポリオレフィン成分を15〜73質量%
    (C)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が10 g/10分以上20 g/10分未満であるポリオレフィン成分を5〜20質量%、および
    (D)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が200 g/10分以上であるポリオレフィン成分を2〜15質量%
    (ただしポリオレフィン成分(A)〜(D)の合計を100質量%とする。)含む請求項1に記載のポリオレフィン組成物。
  3. 前記ポリオレフィン成分(D)が不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性された変性ポリオレフィンである請求項2に記載のポリオレフィン組成物。
  4. 前記ポリオレフィン成分(A)〜(D)から選ばれる少なくとも1種の示差走査熱量測定による融点が155℃以上165℃以下であり、かつ、前記ポリオレフィン成分(A)〜(D)から選ばれる少なくとも1種の示差走査熱量測定による融点が145℃以上155℃未満である、請求項2または3に記載のポリオレフィン組成物。
  5. さらに前記ポリオレフィン成分(B)がプロピレン系エラストマー(B−1)を含む請求項2〜4のいずれか一項に記載のポリオレフィン組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリオレフィン組成物を含む接着性ポリオレフィン層と、金属箔層とを含む積層体。
  7. 基材層、金属箔層、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリオレフィン組成物からなる接着性ポリオレフィン層、および熱接着性樹脂層がこの順序で積層されてなる積層体を含む電気化学セル用包装資材。
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