JP2019176592A - 無線給電装置及びそのインピーダンス調整方法 - Google Patents

無線給電装置及びそのインピーダンス調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電力伝送の状態に応じて、送電用LC回路及び/または受電用LC回路のインダクタンスを変化させることが可能な無線給電装置を提供する。【解決手段】無線給電装置は、送電用LC回路を有する送電用カプラと受電用LC回路を有する受電用カプラとを備え、前記送電用LC回路と前記受電用LC回路とが電界または磁界によって、前記送電用カプラから前記受電用カプラにワイヤレスで電力伝送する無線給電装置であって、送電用LC回路および受電用LC回路の少なくとも一方に電気的に接続される調整コイルと、前記調整コイルを含み、該調整コイルのインダクタンスを変更可能な可変インダクタンス部と、前記電力伝送の状態に応じて、前記可変インダクタンス部の前記調整コイルのインダクタンスを変更させるインピーダンス調整部と、を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電界結合(電界共鳴を含む)または磁界結合(磁界共鳴を含む)を利用してワイヤレス(無線、非接触)で電力伝送を行う無線給電装置に関するものである。
ワイヤレスでエネルギーを給電する技術が盛んに研究されている。無線給電の方式としては、主に電磁誘導方式、電磁界共鳴方式(電界共鳴、磁界共鳴の総称)、電界結合方式等がある。
例えば、電磁界共鳴方式は、交流電力を供給する電源部、ワイヤレスで電力伝送を行うカプラ部、及びカプラ部を介して受電した電力が供給される負荷を備えている。また、カプラ部は、電源部から給電された交流電力を受電側に送電する送電用カプラと、送電用カプラから送電された交流電力を受電する受電用カプラを備えている。
送電用カプラは、給電された交流電力の周波数で共振する送電用LC回路を備え、受電用カプラは、送電用LC回路から交流電力を受電する受電用LC回路を備えており、この送電用、受電用LC回路が電界共鳴または電界共鳴することによって、LC共振する周波数成分の交流電力をワイヤレスで伝送することができる。ここで、送受電用LC回路のキャパシタ(電極等)間の電界共鳴を用いるのが電界共鳴方式であり、インダクタ(コイル等)間の磁界共鳴を用いるのが磁界共鳴方式である。
電磁界共鳴方式の無線給電では、電源部、カプラ部及び負荷の各入出力インピーダンスの整合がとれていると、給電効率の高い電力送電が行われる。しかし、現状の電磁界共鳴方式の無線給電では、送電用カプラと受電用カプラの間のカプラ間距離によってカプラ部のインピーダンスが変わる。例えば、送電用カプラと受電用カプラの間のカプラ間距離が設計値からずれるため、インピーダンスの不整合が生じていた。また、負荷の変動によりインピーダンスの不整合が生じることもあった。例えば、負荷がバッテリである場合、充電が進むにつれて回路を電流が流れにくくなる。バッテリが空の状態では低インピーダンスで、満充電に近い状態では高インピーダンスになる。このように、現状ではインピーダンスの不整合が様々な原因でおきていた。
そこで、無線給電装置におけるインピーダンスの整合方法が様々提案されている。LC回路の共振条件は、周波数、インダクタンス及び容量によって決まる。そのため、例えば、LC回路の容量を変化させて、インピーダンス整合させる方法が提案されている。特許文献1では、送電側共振器の共振容量を可変コンデンサにより構成し、電力伝送に際して、送電側共振器と受電側共振器で構成される伝送共振系の共振周波数特性を、可変コンデンサの容量を変化させることにより調整して、共振周波数特性のピークを給電される電力の周波数に一致させるように制御する磁界共鳴方式の無線給電装置が提案されている。また、低い周波数帯で利用される電磁誘導方式の無線給電装置においては、スイッチング電源の位相を制御して整合をとる方法も提案されている。
特開2013−85350号公報
しかし、特許文献1に記載の無線給電装置では、送電側共振器の共振用容量としてバリコンと呼ばれる可変コンデンサが用いられている。バリコンは、電極間を機械的に変化させるため、応答が遅いという問題がある。また、寿命が短く信頼性が悪いという問題もあった。また、MHz以上の高周波数を利用する電磁界共鳴方式の無線給電では、短時間に位相を制御することは非常に難しい。
そこで、本発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、電力伝送の状態に応じて、送電用LC回路及び/または受電用LC回路のインダクタンスを変化させることが可能な無線給電装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の無線給電装置の第1の態様は、送電用LC回路を有する送電用カプラと受電用LC回路を有する受電用カプラとを備え、前記送電用LC回路と前記受電用LC回路とが電界または磁界によって、前記送電用カプラから前記受電用カプラにワイヤレスで電力伝送する無線給電装置であって、送電用LC回路および受電用LC回路の少なくとも一方に電気的に接続される調整コイルと、前記調整コイルを含み、当該調整コイルのインダクタンスを変更可能な可変インダクタンス部と、前記電力伝送の状態に応じて、前記可変インダクタンス部の前記調整コイルのインダクタンスを変更させるインピーダンス調整部と、を有することを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記可変インダクタンス部は、入力される直流電流に基づいて前記調整コイルのインダクタンスが変化するインダクタンス可変回路と、前記インダクタンス可変回路に直流電流を出力して当該インダクタンス可変回路を作動させる作動回路と、を備え、 前記インピーダンス調整部は、前記インダクタンス可変回路へ出力する直流電流を制御することを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記インダクタンス可変回路は、磁気飽和する磁性体によって形成された磁性体コアと、前記磁性体コアにメイン巻線を巻き回す様に形成された前記調整コイルと、前記磁性体コアに制御巻線を巻き回す様に形成された制御コイルと、を備え、直流電流を前記制御巻線から入力したときに、入力した直流電流に応じて前記磁性体コアの透磁率を変化させることを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記磁性体コアは、磁路が閉回路に形成されていることを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記磁性体コアは、第1の磁性体コア部および第2の磁性体コア部と、前記第1の磁性体コア部および前記第2の磁性体コア部の間に配置される第3の磁性体コア部と、前記第1の磁性体コア部、第3の磁性体コア部および前記第2の磁性体コア部をそれぞれ一方および他方から接続する第1磁性体コア接続部および第2磁性体コア接続部と、を有し、前記制御コイルは、前記第3の磁性体コア部に前記制御巻線を巻き回す様に形成され、前記調整コイルは、前記第1の磁性体コア部および前記第2の磁性体コア部にそれぞれ第1メイン巻き線および第2メイン巻き線を巻き回す様に形成されるとともに、前記第1メイン巻き線および前記第2メイン巻き線において励磁される磁場が互いに逆向きになるように形成された第1メインコイルおよび第2メインコイルを有し、前記第1磁性体コア接続部および前記第2磁性体コア接続部は、互いの間に、前記第1メインコイル、前記第2メインコイルおよび前記制御コイルが配置され、前記第1の磁性体コア部、前記第3の磁性体コア部および前記第2の磁性体コア部を接続していることを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記磁性体コアが環状のコアであることを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記磁性体コアが円柱状コアであることを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記作動回路は、交流の反射電力が伝送される伝送路に配される方向性結合器と、前記方向性結合器と前記インダクタンス可変回路の間に配される整流部と、を備え、前記方向性結合器は、前記反射電力を分岐して前記整流部に出力し、前記整流部は、前記方向性結合器から入力した前記反射電力を直流電流に整流して前記インダクタンス可変回路に出力することを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記作動回路は、定電流源から直流電流を前記インダクタンス可変回路に出力することを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記作動回路は、電源部から入力した交流電力を直流電力に整流して前記インダクタンス可変回路に出力することを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記可変インダクタンス部は、巻線を巻き回す様に形成された前記調整コイルと、前記調整コイルに挿入される、磁気飽和する磁性体によって形成された円柱状の磁性体コアと、前記調整コイルと前記磁性体コアとの相対位置を変更させることより、前記調整コイルのインダクタンスを変化させる位置調整部と、を備えていることを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記送電用カプラによって送電される交流の送電電力の電圧を検出する第1電圧検出回路と、前記送電電力の電流を検出する第1電流検出回路と、前記受電用カプラによって受電された交流の受電電力の電圧を検出する第2電圧検出回路と、前記受電電力の電流を検出する第2電流検出回路と、を備え、前記インピーダンス調整部は、前記第1電圧検出回路、前記第1電流検出回路、前記第2電圧検出回路及び前記第2電流検出回路によって検出された前記送電電力の電圧及び電流並びに前記受電電力の電圧及び電流を入力し、入力した前記送電電力の電圧及び電流と前記受電電力の電圧及び電流との位相差に基づいて、前記インダクタンス可変回路へ出力する直流電流を制御することを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記インピーダンス調整部は、前記第1電圧検出回路、前記第1電流検出回路、前記第2電圧検出回路及び前記第2電流検出回路によって検出された前記送電電力の電圧及び電流並びに前記受電電力の電圧及び電流を入力し、入力した前記送電電力の電圧及び電流と前記受電電力の電圧及び電流との位相差が所定の範囲内か否かを判定し、前記位相差が前記所定の範囲外のときに、前記作動回路から前記インダクタンス可変回路に出力される直流電流を変更することを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記送電用カプラと前記受電用カプラの間のカプラ間距離を検出する位置センサを備え、前記インピーダンス調整部は、前記位置センサによって検出した前記距離を入力し、入力した前記距離に基づいて前記可変インダクタンス部の前記調整コイルのインダクタンスを変更することを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、前記送電用カプラおよび受電用カプラの少なくとも一方に接続されたケーブルの外導体を流れる電流を検出する検出部を備え、前記インピーダンス調整部は、前記検出部によって検出した前記外導体を流れる電流を入力し、入力した前記電流に基づいて前記可変インダクタンス部の前記調整コイルのインダクタンスを変更することを特徴とする。
本発明の無線給電装置の他の態様は、容量を変更可能な可変容量部を、さらに備え、前記インピーダンス調整部は、前記電力伝送の状態に応じて前記調整コイルのインダクタンスと前記可変容量部の容量を変更することを特徴とする。
本発明の無線給電装置のインピーダンス調整方法の態様は、送電用LC回路を有する送電用カプラと受電用LC回路を有する受電用カプラとを備え、前記送電用LC回路と前記受電用LC回路とが電界または磁界によって、前記送電用カプラから前記受電用カプラにワイヤレスで電力伝送する無線給電装置に用いられるインピーダンス調整方法であって、送電用LC回路および受電用LC回路の少なくとも一方に電気的に接続される調整コイルと、前記調整コイルを含んで、当該調整コイルのインダクタンスを変更可能な可変インダクタンス部と、を有して、前記電力伝送の状態に応じて、前記可変インダクタンス部の前記調整コイルのインダクタンスを変更することを特徴とする。
本発明によれば、電力伝送の状態に応じて、送電用LC回路及び/または受電用LC回路のインダクタンスを変化させることができる。例えば、電磁界共鳴方式の無線給電装置では、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数がずれた場合に、送電用LC回路及び/または受電用LC回路のインダクタンスを変化させることによって、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数を、短時間で略一致させることができる。その結果、本発明の無線給電装置を使用したとき、高い給電効率で電力伝送を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る電界共鳴方式による無線給電装置の一構成例を模式的に表した回路図である。 従来技術の電界共鳴方式による無線給電装置900の構成を模式的に表した回路図である。 本発明の一実施形態に係る電界共鳴方式の無線給電装置の別の構成を模式的に表した回路図である。 フェライトのB−H曲線を示す図である。 基本的な構造のインダクタンス可変回路60の斜視図である。 環状のフェライトコアを利用したインダクタンス可変回路80の斜視図である。 インダクタンス可変回路70を説明するための図であり、(a)はインダクタンス可変回路70の斜視図であり、(b)は、インダクタンス可変回路70を回路記号で表した図であり、(c)は、インダクタンス可変回路70のフェライトコア73の正面図である。 インダクタンス可変回路70のインダクタンス可変特性を示すグラフである。 インダクタンス測定の回路図である。 円柱状のフェライトコアを利用したインダクタンス可変回路90である。 その他の可変インダクタンス部の構成を示す図である。 作動回路50を説明するための回路図である。 フィードバック制御を説明するためのブロック図である。 フィードバック制御による共振周波数調整処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る磁界共鳴方式の無線給電装置300の構成の一例を模式的に表した回路図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態における無線給電装置について、図面を参照して詳細に説明する。尚、本実施の形態における記述は、本発明に係る無線給電装置の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における無線給電装置の細部構成等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
本発明に係る無線給電装置は、送電用LC回路を有する送電用カプラと受電用LC回路を有する受電用カプラとを備え、送電用LC回路と受電用LC回路とが電界結合(電界共鳴を含む)または磁界結合(磁界共鳴を含む)を利用して送電用カプラから受電用カプラにワイヤレスで電力伝送を行う無線給電装置である。まず、図2に示す従来技術の電界共鳴方式による無線給電装置900を用いて、従来技術の無線給電装置の問題点を説明する。
無線給電装置900は、所定の共振周波数の交流電力を供給する電源部10、電界共鳴方式によってワイヤレスで電力伝送を行う電界共鳴型カプラ930、及び電界共鳴型カプラ930を介して受電した電力が供給される負荷20を備えている。電界共鳴型カプラ930は、送電用カプラ931と受電用カプラ932を備え、送電用カプラ931が電源部10に接続され、受電用カプラ932が負荷20に接続されている。
電界共鳴型カプラ930の送電用カプラ931は、2つの送電用電極(第1電極911と第2電極912)と2つの共振コイル(第1共振コイル913と第2共振コイル914)とを備えており、第1電極911、第2電極912がキャパシタを形成している。第1共振コイル913、第2共振コイル914は、それぞれの一端が第1電極911、第2電極912の端部にそれぞれ接続されている。これらの二つの送電用電極911、912と2つの共振コイル913、914が共振回路(送電用LC回路)を形成している。また、送電用LC回路の共振周波数は、給電される交流電力の周波数と略一致するように設計されている。
同様に受電用カプラ932も、2つの受電用電極921、922(第3電極と第4電極)と2つの共振コイル(第3共振コイルと第4共振コイル)923、924を備えており、第3電極921、第4電極922はキャパシタを形成している。そして、第3共振コイル923、第4共振コイル924のそれぞれの一端が第3電極921、第4電極922の端部にそれぞれ接続されて共振回路(受電用LC回路)を形成している。受電用LC回路の共振周波数は、受電する交流電力の周波数と略一致するように設計されている。すなわち、受電用LC回路の共振周波数は、上記した送電用LC回路の共振周波数と略一致するように設計されている。
電界共鳴型カプラ930は、送電用電極911、912と、受電用電極921、922とを対向配置することによって、送電用LC回路と受電用LC回路との間で電界共鳴させる。すなわち、送電用電極911と912、受電用電極921と922とをそれぞれ所定の間隔Dを設けて対向配置させ、送電用LC回路に所定周波数の交流電力を供給すると、送電用電極911、912と受電用電極921、922との間で電界共鳴が生じて、送電用カプラ931から受電用カプラ932に電力が供給されるように設計されている。
しかし、例えば、電気自動車等の車両の無線給電に無線給電装置900を利用する場合、車両の停車位置によって、送電用カプラ931を有する送電装置と受電用カプラ932を有する車両との間が変化する。そのため、送電用カプラ931と受電用カプラ932の間の距離D(カプラ間距離)が使用設計時のカプラ間距離からずれる場合がある。電界共鳴方式の無線給電装置では、カプラ間距離Dが変わると電界共鳴型カプラ930の容量も変化する。
ここで、LC回路の共振周波数fは、式(1)で表される。LはLC回路のインダクタンスであり、CはLC回路の容量である。
f=1/{2π(L・C)1/2} ・・・・・(1)
従って、カプラ間距離Dが使用設計時のカプラ間距離からずれると電界共鳴型カプラ930の容量が変化し、LC回路の共振周波数も変化する。その結果、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数とがずれてしまい、従来技術の無線給電装置900では、給電効率が低くなってしまうという課題があった。
上記課題は、従来技術の電界共鳴方式による無線給電装置900だけの課題ではなく、従来技術の磁界共鳴方式による無線給電装置においても、同様の課題があった。従来技術の磁界共鳴方式による無線給電装置は、電界共鳴型カプラ930の代わりに、磁界共鳴型カプラが備えた点が電界共鳴方式の無線給電装置900と異なるが、カプラ間距離Dが変化すると送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数がずれることは同じである。なお、ずれる要因は、電界共鳴方式の無線給電装置では、電界共鳴型カプラの容量が変わるためであるが、磁界共鳴方式の無線給電装置では、磁界共鳴型カプラのインダクタンスが変わるためである。
そこで、上記課題を解決するため、本発明に係る無線給電装置は、送電用LC回路および受電用LC回路の少なくとも一方に電気的に接続される調整コイルと、該調整コイルを含み、該調整コイルのインダクタンスを変更可能な可変インダクタンス部を備える。さらに、電力伝送に応じて、可変インダクタンス部の前記調整コイルのインダクタンスを変更させるインピーダンス調整部を備える。例えば、電界共鳴方式による無線給電装置では、インピーダンス調整部は、可変インダクタンス部の調整コイルのインダクタンスを変更させることによって、調整コイルに接続したLC回路の共振周波数を調整して、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数とを、短時間で略一致させることができる。
まず、図1を用いて、本発明の一実施形態に係る電界共鳴方式による無線給電装置を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電界共鳴方式による無線給電装置の一構成例を模式的に表した回路図である。
本実施形態の無線給電装置100は、所定の共振周波数の交流電力を供給する電源部10、可変インダクタンス部150、電界共鳴方式によってワイヤレスで電力伝送を行う電界共鳴型カプラ30、電界共鳴型カプラ30を介して受電した電力が供給される負荷20、及びインピーダンス調整部130を備えている。電界共鳴型カプラ30は、送電用カプラ31と受電用カプラ32を備え、送電用カプラ31は電源部10接続された可変インダクタンス部150に接続され、受電用カプラ32は負荷20に接続されている。可変インダクタンス部150は、調整コイル140を備え、調整コイル140のインダクタンスを変更する。
電界共鳴型カプラ30の送電用カプラ31は、2つの送電用電極(第1電極111と第2電極112)、2つの共振コイル(第1共振コイル113と第2共振コイル114)を備えている。送電用電極111、112は、一例として矩形状の平板電極としているが、これに限定されるものではない。第1電極111の第2電極112に近接する側の長辺とこれに対向する第2電極112の長辺とを所定の間隔を設けて略平行に配置することで、第1電極111、第2電極112はキャパシタを形成している。第1共振コイル113、第2共振コイル114は、それぞれの一端が第1電極111、第1電極112の端部にそれぞれ接続されている。
可変インダクタンス部150は、調整コイル140が送電用カプラ31に直列接続するように配置されている。例えば、図13では、調整コイルが調整コイル71である。なお、図1、図13では、調整コイル140が共振コイル113に直列に接続されているが、調整コイル140が共振コイル113に並列に接続される構成でもよい。
二つの送電用電極111、112と二つの共振コイル113、114と調整コイル140とによって共振回路(送電用LC回路)を形成している。送電用LC回路の共振周波数は、可変インダクタンス部150が作動していない初期状態のときの調整コイル140のインダクタンスを用いて、給電される交流電力の周波数と略一致するように設計されている。
受電用カプラ32は、2つの受電用電極121、122(第3電極と第4電極)と2つの共振コイル(第3共振コイルと第4共振コイル)123、124を備えており、第3電極121と第4電極122の対向する2つの長辺を所定の間隔を設けて略平行に配置することで、第3電極121、第4電極122はキャパシタを形成している。そして、第3共振コイル123、第4共振コイル124のそれぞれの一端が第3電極121、第4電極122の端部にそれぞれ接続されて共振回路(受電用LC回路)を形成している。受電用LC回路の共振周波数は、受電する交流電力の周波数と略一致するように設計されている。すなわち、受電用LC回路の共振周波数は、上記した送電用LC回路の共振周波数と略一致するように設計されている。
電界共鳴型カプラ30は、送電用電極111、112と、受電用電極121、122とを対向配置することによって、送電用LC回路と受電用LC回路との間で電界共鳴させる。すなわち、送電用電極111と112、受電用電極121と122とをそれぞれ所定の間隔Dを設けて対向配置させ、送電用LC回路に所定周波数の交流電力を供給すると、送電用電極111、112と受電用電極121、122との間で電界共鳴が生じて、送電用カプラ31から受電用カプラ32に電力が供給されるように設計されている。
インピーダンス調整部130は、可変インダクタンス部150の調整コイル140のインダクタンスを変更することによって、可変インダクタンス部150を備えた送電用LC回路の共振周波数を調整して、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数とを略一致させる。例えば、カプラ間距離Dが使用設計上のカプラ間距離から変化すると、電界共鳴型カプラ30の容量が変化する。式(1)に示したように、LC回路の共振周波数fは、インダクタンスLと容量Cによって決まる。そのため、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数とがずれる。このように共振周波数のずれが起きたときに、インピーダンス調整部130は、可変インダクタンス部150の調整コイル140のインダクタンスを変化させることによって、送電用LC回路の共振周波数を調整して、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数を略一致させる。これにより、本実施形態の無線給電装置100は、高い給電効率で送電用カプラ31から受電用カプラ32に電力伝送することができる。
本実施形態の無線給電装置100は、送電用LC回路および受電用LC回路の少なくとも一方に電気的に接続される調整コイルを備えた可変インダクタンス部150を送電用LC回路に備えた構成の無線給電装置であって、従来技術の送電用カプラ931(図2)に可変インダクタンス部150を接続して送電用LC回路を形成した構成であるが、この構成に限定されることはない。図3は、本実施形態の電界共鳴方式による無線給電装置の別の構成を模式的に表した回路図である。例えば、図3(a)に示すように、送電用電極111に接続する第1共振コイル113の替わりに可変インダクタンス部150を配置して送電用LC回路を形成する構成の無線給電装置でも良い。また、可変インダクタンス部150を受電用LC回路に備えた構成の無線給電装置でも良い。例えば、図3(b)に示すように、従来技術の受電用LC回路に可変インダクタンス部150を追加して受電用LC回路を形成する構成の無線給電装置でも良い。
また、可変インダクタンス部150を送電用LC回路と受電用LC回路の両方に備えた構成の無線給電装置でも良い。例えば、図3(c)に示すように、従来技術の送電用LC回路に可変インダクタンス部150を追加して送電用LC回路を形成し、従来技術の受電用LC回路に可変インダクタンス部150を追加して受電用LC回路を形成する構成の無線給電装置でも良い。また、図1及び図3に示した例では、送電用LC回路と受電用LC回路には、可変インダクタンス部150を1つしか設けていないが、これに限定せず複数設けた構成の無線給電装置であっても良い。また、送電用LC回路に配置される可変インダクタンス部150と受電用LC回路に配置される可変インダクタンス部150は、個数、位置がアンバランスな状態で配置されていても良い。
(可変インダクタンス部)
次に、可変インダクタンス部について説明する。本実施形態の無線給電装置に備える可変インダクタンス部は、調整コイルのインダクタンスを変更可能な回路、機構等であれば、どのような構成であっても良い。以下に、本実施形態の無線給電装置において、好ましい可変インダクタンス部の構成例を説明する。
可変インダクタンス部は、入力する直流電流に基づいて調整コイルのインダクタンスが変化するインダクタンス可変回路と、インダクタンス可変回路に直流電流を出力して当該インダクタンス可変回路を作動させる作動回路を備えていることが好ましい。
可変インダクタンス部に備えるインダクタンス可変回路の例を挙げて説明する。
まず、磁性体の磁気特性を利用したインダクタンス可変回路について説明する。以下、本明細書では、磁性体としてフェライトを例に挙げて説明するが、磁気飽和の状態になる磁性体であれば、いかなる磁性体であっても良い。例えば、鉄、ニッケル等でも良い。
単純なフェライトにある一定時間以上電流を流し続けると磁束が飽和して、見かけ上の透磁率μ(以下、単に「透磁率」と呼ぶ)が非常に小さくなるという現象がある。
図4は、フェライトのB−H曲線を示す図である。図4からわかるように、フェライトを磁界の中に置き、磁界Hを変化させていくと磁束密度Bも変化する。そして、磁気飽和の状態になると、磁界Hを大きくしても磁束密度Bが略変化しなくなる。
ここで、透磁率μは式(2)で表される。Bは磁束密度、Hは磁界である。
μ=B/H ・・・・・(2)
従って、式(2)より、磁界Hが変化すると透磁率μは変化し、磁気飽和の状態で磁界Hを大きくしていくと透磁率μが小さくなっていく。
磁性体の磁気特性を利用したインダクタンス可変回路は、磁性体コアの透磁率μを変化させることにより、当該磁性体コアに巻かれた調整コイルのインダクタンスを変化させる回路である。図5は、磁性体の磁気特性を利用した基本的な構造のインダクタンス可変回路60の斜視図である。
インダクタンス可変回路60は、環状コアの一部が切断された構造のフェライトコア63と、フェライトコア63にメイン巻線66を巻き回すように形成された調整コイル61と、フェライトコア63に制御巻線67を巻き回すように形成された制御コイル62を備えている。
制御コイル62は、磁性体の磁気飽和特性を利用して、フェライトコア63の透磁率μを変化させるためのコイルである。例えば、直流電圧を印加する補助電源に制御巻線67の端部66a,66bに接続して、インピーダンス調整部130によって制御コイル62に流す直流電流を変化させると、フェライトコア63の透磁率μは変化する。
調整コイル61は、フェライトコア63の透磁率μの変化によって、自身のインダクタンスLが変化するコイルで、メイン巻線66の端部66a,66bを送電用LC回路および/または受電用LC回路に電気的に接続して使用する。例えば、図1に示す無線給電装置100では、メイン巻線66の端部66aを電源部10に、端部66bを受電用カプラ32(第1共振コイル113)に接続する。
ここで、調整コイル61のインダクタンスLは、式(3)で表される。
L=(μ・S・N2)/l ・・・・・(3)
μ:コアの透磁率
S:コアの断面積
N:メイン巻線の巻き数
l:磁路長
式(3)から、フェライトコア63の透磁率μを変化させると、調整コイル61のインダクタンスLが変化する。
従って、インダクタンス可変回路60は、制御コイル62に流れる直流電流を変化させることによってフェライトコア63の透磁率μを変化させ、さらにフェライトコア63の透磁率μを変化さることによって調整コイル61のインダクタンスLを変化させることができる回路である。すなわち、制御コイル62に流れる直流電流を変化させることによって、調整コイル61のインダクタンスLを変化させることができる回路である。
フェライトコア63は、図5に示すように、磁束の通路(磁路)が開回路に形成されている開磁路構造であるが、磁路が閉回路に形成されている閉磁路構造のフェライトコアの方が好ましい。これは、閉磁路構造のフェライトコアは、磁気飽和の状態にして透磁率μを略1まで変化させることができるためである。例えば、環状のフェライトコアである。図6は、環状のフェライトコアを利用したインダクタンス可変回路80の斜視図である。インダクタンス可変回路80は、環状のフェライトコア83と、フェライトコア83にメイン巻線を巻き回すように形成された調整コイル81と、フェライトコア83に制御巻線を巻き回すように形成された制御コイル82を備えている。インダクタンス可変回路80は、制御コイルに流す制御電流を変化させることよって、フェライトコア83の透磁率μを変化させ、調整コイルのインダクタンスLを調整する。このとき、磁気飽和の状態の透磁率μは略1まで変化可能である。すなわち、フェライトコア83の透磁率μの可変幅を、1000〜10000のオーダーから略1まで広く変化させることができるため、調整コイル81のインダクタンスLの可変幅も広くなる。
次に、インダクタンス可変回路80よりも好ましいインダクタンス可変回路について説明する。インダクタンス可変回路80は、図6に示すように、調整コイル81と制御コイル82がトランス結合する構成である。そのため、単純に送電用LC回路および/または受電用LC回路に配置すると、トランス結合により制御コイル82に流した直流電流によって発生する磁界が、調整コイル81に影響を及ぼしてしまう恐れがある。そこで、本発明者は、調整コイルと制御コイルの巻線の巻き回し方とフェライトコアの形状を工夫することによって、制御コイルに直流電流を流しても、調整コイルへの影響が少ない構成にしたインダクタンス可変回路70を新たに考案した。
インダクタンス可変回路70について説明する。図7は、インダクタンス可変回路70を説明するための図であり、(a)はインダクタンス可変回路70の斜視図であり、(b)はインダクタンス可変回路70を回路記号で表した図であり、(c)はインダクタンス可変回路70のフェライトコア73の正面図である。
インダクタンス可変回路70は、閉磁路構造のフェライトコア73と、閉磁路構造のフェライトコア73にメイン巻線76を巻き回すように形成された調整コイル71と、フェライトコア73に制御巻線77を巻き回すように形成された制御コイル72を備えている。フェライトコア73は、同じ材料のE型コアと平板とを一体化させた形状であって、正面及び裏面が「日」の字を横にした形状で、かつ、上面及び下面並びに左右の側面が矩形のコアである。ここで、フェライトコア73を正面からみて、上板部と下板部とを接続する3つの縦板部を、一方の側面側から順に第1縦板部73a、第2縦板部73b、第3縦板部73cとする。
メイン巻線76は、第1メイン巻線76aと第2メイン巻線76bを備え、調整コイル71は、第1メインコイル71aと第2メインコイル71bを備えて、第1メインコイル71aと第2メインコイル71bが並列接続して形成されている。第1メインコイル71aは、ファライトコア73の第1縦板部73aに第1メイン巻線76aを巻き回すように形成されたコイルであり、第2メインコイル71bは、ファライトコア73の第3縦板部73cに第2メイン巻線76bを巻き回すように形成されたコイルである。さらに、第1メインコイル71aおよび第2メインコイル71bは、第1メイン巻き線76aおよび第2メイン巻線76bの巻き回し方向が互いに逆方向になるように形成されて並列接続されている。制御コイル72は、ファライトコア73の第2縦板部73bに制御巻線77を巻き回すように形成されたコイルである。
インダクタンス可変回路70では、例えば、補助電源にメイン巻線76の端部75a、75bを接続して調整コイル71(第1メインコイル71a、第2メインコイル71b)に直流電圧を印加すると、第1メイン巻線71aには実線矢印81aの方向に電流が流れ、第2メイン巻線71bには実線矢印81bの方向に電流が流れる。このとき、第1メイン巻線76aに流れる電流によってできる磁界は、フェライトコア73の中の閉磁路を点線矢印82aで示す方向に流れる。また、第2メイン巻線76bに流れる電流によってできる磁界は、フェライトコア73の中の閉磁路を点線矢印82bで示す方向に流れる。その結果、第2縦板部73bにおける磁路では、第1メイン巻線76aに流れる電流によってできた磁界と第2メイン巻線76bに流れる電流によってできた磁界とが、互いに打ち消し合う。
そこで、本実施形態のインダクタンス可変回路70では、磁界が互いに打ち消し合う磁路(ファライトコア73の第2縦板部73b)に、制御巻線77を巻き回すようにして制御コイル72を形成して、調整コイル71と制御コイル72がトランス結合しないような構成にした。そのため、制御コイル72に直流電流を流しても調整コイル71(71a、71b)の影響を低減できる。
上述の実施形態では、第1メイン巻線76aに流れる電流によってできた磁界と第2メイン巻線76bに流れる電流によってできた磁界とが互いに打ち消し合う様に、第1メイン巻き線76aおよび第2メイン巻線76bの巻き回し方向が互いに逆方向になるように形成されて並列接続されているが、この他、第1メイン巻き線76aおよび第2メイン巻線76bによって励磁される磁場が互いに逆向きになるように形成するようにすればよく、例えば、第1メイン巻き線76aおよび第2メイン巻線76bを直列に接続する場合には、第1メイン巻き線76aの一方の端(図15中75aに接続される端)と、第2メイン巻き線76bの他方の端(図15中75bに接続される端)とを接続することで、第1メイン巻線76aに流れる電流によってできた磁界と第2メイン巻線76bに流れる電流によってできた磁界とを上述の実施形態と同様に互いに打ち消し合う様に構成することができる。この他、第1メイン巻き線76aおよび第2メイン巻線76bの巻き回し方向が同じ方向になるように形成した場合には、第1メイン巻き線76aの一方の端(図15中75aに接続される端)と、第2メイン巻き線76bの他方の端(図15中75bに接続される端)とを並列に接続しても良いし、第1メイン巻き線76aおよび第2メイン巻き線76bの一方の端同士を直列に接続するようにしてもよい。
図8は、インダクタンス可変回路70のインダクタンス可変特性を示すグラフである。グラフは、横軸が制御コイル72の制御電流Iであり、縦軸が調整コイル71のインダクタンスLである。また、図9は、インダクタンス測定の回路図である。図7および図9に示すように、インダクタンス可変回路70の制御コイル72の制御電流を変えながら、インダクタンス可変回路70の調整コイル71のインダクタンスをLCRメータで測定した。式(3)からわかるように、インダクタンスLは、透磁率μ、コアの断面積S,調整コイルの巻線の巻き数N、磁路長lによって変わる値である。そのため、これらのパラメータの違いによって、インダクタンス可変特性は異なる。実際に利用する場合には、利用するインダクタンス可変回路70のインダクタンス可変特性を予め測定して、測定したインダクタンス可変特性に基づいて、制御コイル72の制御電流を制御することで、調整コイル71のインダクタンスLを所望の値に調整することができる。
磁性体の磁気特性を利用したインダクタンス可変回路の他の構造として、例えば、単純構造の円柱状のフェライトコアを利用しても良い。図10は、円柱状のフェライトコアを用いたインダクタンス可変回路90である。インダクタンス可変回路90は、円柱状のフェライトコア93と、フェライトコア93にメイン巻線を巻き回すように形成された調整コイル91と、フェライトコア93に制御巻線を巻き回すように形成された制御コイル92を備えている。インダクタンス可変回路90も、制御コイル92に流す制御電流を変化させることよって開磁路構造のフェライトコアの透磁率μを変化させ、調整コイル91のインダクタンスLを調整することができる。
次に、インダクタンス可変回路に直流電流を出力して、当該インダクタンス可変回路を作動させる作動回路について説明する。作動回路は、直流電流が出力できればどのような回路でも良いが、反射電力を利用する作動回路が好ましい。なお、反射電力は、送電用カプラ31から受電用カプラ32に送電されずに反射された反射波として伝送される電力である。図12を用いて、反射電力を利用する作動回路を説明する。図12は、作動回路50を説明するための回路図である。ここでは、インダクタンス可変回路として、インダクタンス可変回路70を挙げて説明する。図12に示すように、作動回路50は、方向性結合器51と整流部52を備えている。方向性結合器51は、送電用カプラ31から受電用カプラ32に送電されずに反射された反射波が反射電力として伝送される伝送路に配置されて、反射電力を分岐して整流部52に出力する。方向性結合器51としてサーキュレータを用いても良い。整流部52は、方向性結合器51とインダクタンス可変回路70の間に配置されてそれぞれに接続されている。整流部52では、方向性結合器51から入力した交流の反射電力を整流及び平滑化して直流電力にした後、接続されるインダクタンス可変回路70の制御コイル72に直流電流(制御電流)を出力する。これにより、インダクタンス可変回路70は、制御コイル72に入力された直流電流に基づいて調整コイル71のインダクタンスを変更することができる。尚、反射された反射電力に応じて直流電力を出力するように直流電源を設けるようにしてもよい。
作動回路は、作動回路50の他にも、図9に示したような、定電流源からインダクタンス可変回路に直流電流を出力する回路であってもよい。また、電源部10から入力した交流電力を整流及び平滑化して直流電力にした後、インダクタンス可変回路に直流電流を出力する回路であっても良い。
これまで説明した可変インダクタンス部は、制御コイル(62、72、82,92)を備えた構成の可変インダクタンス部であったが、そのほかの構成であっても良い。例えば、図11に示すような、巻線を巻き回すように形成された調整コイル96と、調整コイル96に挿入される円柱状のフェライトコア97と、調整コイル96とフェライトコア97との相対位置を変更することより調整コイル96のインダクタンスを変化させる位置調整部(図示せず)を備えた可変インダクタンス部95であっても良い。可変インダクタンス部95は、フェライトコア97と調整コイル96との相対位置を変えることで(例えば、フェライトコア97をスライドさせて相対位置を変える)調整コイル96のインダクタンスLを調整する。
(インピーダンス調整部)
次に、本実施形態の無線給電装置に備えたインピーダンス調整部について説明する。インピーダンス調整部は、電力伝送の状態に応じて、可変インダクタンス部の調整コイルのインダクタンスを変更する。すなわち、本実施形態の無線給電装置100のインピーダンス調整部130は、可変インダクタンス部の調整コイルのインダクタンスを変更することにより(例えば、上述した作動回路50からインダクタンス可変回路70に出力される直流電流を制御することで調整コイルのインダクタンスを変更することにより)、調整コイルに接続した送電用LC回路及び/または受電用LC回路の共振周波数を調整して、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数とを略一致させる。以下に、インピーダンス調整部で行なう共振周波数調整処理の好ましい処理について説明する。
まず、フィードバック制御による共振周波数調整処理を説明する。図13は、フィードバック制御を説明するためのブロック図である。また、図14は、フィードバック制御による共振周波数調整処理のフローチャートである。図13に示すように、本実施形態の無線給電装置100に、送電用カプラ31によって送電される交流の送電電力の電圧を検出する第1電圧検出回路211と、送電電力の電流を検出する第1電流検出回路212と、受電用カプラ32によって受電された交流の受電電力の電圧を検出する第2電圧検出回路213と、受電電力の電流を検出する第2電流検出回路214とを備えて、送電電力の電圧及び電流並びに受電電力の電圧及び電流を検出できる構成にする。そして、インピーダンス調整部130は、検出した送電電力の電圧及び電流と受電電力の電圧及び電流との位相差に基づいて、インダクタンス可変回路70に出力する制御電流(直流電流)を制御する。例えば、図14に示すフィードバック制御方法による共振周波数調整処理を行うことによって、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数とを略一致させる。
フィードバック制御による共振周波数調整処理は、まず、直流電流源215からインダクタンス可変回路70に出力する制御電流の値を初期値であるI0にして直流電流源215から出力させる(S101)。尚、I0=0として電流を出力しないとしてもよい。ここで、直流電流源215は、例えば、作動回路50によって直流電流が出力される反射電力としてもよい。次に、交流電源から電力を出力させる(S102)。次に、第1電圧検出回路211、第1電流検出回路212、第2電圧検出回路213及び第2電流検出回路214によって検出した送電電力の電圧及び電流と受電電力の電圧及び電流を入力する。そして、送電電力の電圧と受電電力の電圧、及び送電電力の電流と受電電力の電流から、交流電源から出力される進行波と電源にむかって流れる反射波との位相差を求める(S103)。次に、求めた位相差が所定の範囲内(例えば、±5度以下)であるか否かを判定する(S104)。位相差が所定の範囲内である場合(Yes)は、処理を終了する。また、位相差が所定の範囲内でない場合(No)は、直流電流源215からインダクタンス可変回路70に出力する制御電流Iの値を所定の値ΔI(例えば、ΔIを1Aとする)だけ増やして(I=I+ΔI)、直流電流源215から出力させる(S105)。その後、ステップS103に戻り、所定の周期で、ステップS103〜S105の処理を、位相差が所定の範囲内になるまで繰り返す。この処理により、調整コイル71のインダクタンスが順次変更されて、最後には送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数とが略一致する。
共振周波数調整処理としては、フィードバック制御による上記処理の他にも、位置センサを利用する調整処理もある。例えば、本実施形態の無線給電装置100に位置センサを備えて、位置センサによってカプラ間距離Dを検出する。インピーダンス調整部130は、位置センサによって検出したカプラ間距離Dを入力し、入力したカプラ間距離Dに基づいて可変インダクタンス部150の調整コイル140のインダクタンスを変更する。これにより、可変インダクタンス部150を備えた送電用LC回路及び受電用LC回路のいずれか一方または両方の共振周波数が変更され、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数とが略一致する。
また、送電用カプラまたは受電用カプラに接続されたケーブルの外導体を流れるコモンモード電流を利用する調整処理もある。例えば、本実施形態の無線給電装置100にコモンモード電流を検出する検出部を備えて、検出部によってコモンモード電流を検出する。インピーダンス調整部130は、検出部によって検出したコモンモード電流を入力し、入力した前記コモンモード電流に基づいて可変インダクタンス部150の調整コイル140のインダクタンスを変更する。これにより、可変インダクタンス部150を備えた送電用LC回路及び受電用LC回路のいずれか一方または両方の共振周波数が変更され、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数とが略一致する。
以上説明したように、本実施形態の無線給電装置は、インピーダンス不整合の状態のときに、例えば、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数がずれた場合に、送電用LC回路及び/または受電用LC回路のインダクタンスを変化させることによって、送電用LC回路と受電用LC回路の共振周波数を、容易に略一致させることができる。その結果、本実施形態の無線給電装置を使用したとき、高い給電効率で電力伝送を行うことができる。また、ISM周波数帯の高周波では比帯域が狭いため、高周波における共振周波数の調整は、精度良く細かく共振周波数を調整する必要がある。そのため、調整パラメータの可変幅は大きい方が良い。本実施形態の無線給電装置では、誘電率εに比較して可変幅の大きい透磁率μを利用している。従って、インダクタンスを用いて共振周波数を調整する方が、容量Cを用いて共振周波数を調整するよりも、精度良く細かく調整することができる。
上述した本実施形態の無線給電装置は、調整コイルのインダクタンスを変更して送電用LC回路及び/または受電用LC回路のインダクタンスを変更する構成であるが、容量を変更可能な可変容量部をさらに備える構成にして、インピーダンス調整部が電力伝送の状態に応じて調整コイルのインダクタンスと可変容量部の容量を変更するようにしても良い。
次に、本発明の一実施形態に係る磁界共鳴方式の無線給電装置を説明する。これまでは、電界共鳴方式の無線給電装置を説明したが、磁界共鳴方式の無線給電装置についても、電界共鳴方式の無線給電装置と同様である。図15は、本発明の一実施形態に係る磁界共鳴方式の無線給電装置300の一構成例を模式的に表した回路図である。本実施形態の無線給電装置300は、所定の共振周波数の交流電力を供給する電源部10、可変インダクタンス部150、磁界共鳴方式によってワイヤレスで電力伝送を行う磁界共鳴型カプラ330、磁界共鳴型カプラ330を介して受電した電力が供給される負荷20、及びインピーダンス調整部130を備えている。磁界共鳴型カプラ330は、送電用カプラ331と受電用カプラ332を備え、送電用カプラ331が電源部10に接続され、受電用カプラ332が負荷20に接続されている。可変インダクタンス部150は、電界共鳴方式の無線給電装置で説明したものと同様のものあり、調整コイル140を備え、調整コイル140のインダクタンスを変更することができる。
送電用カプラ331は、第1共振コイル341、第1コンデンサ342及び可変インダクタンス部150を備えている。また、共振コイル341、第1コンデンサ342及び調整コイル140は直列接続されて共振回路(送電用LC回路)を形成している。受電用カプラ332は、第2共振コイル351と第2コンデンサ352を備え、これら第2共振コイル351及び第2コンデンサ352が接続されて共振回路(受電用LC回路)を形成している。なお、送電用LC回路の共振周波数は、可変インダクタンス部150が作動していない初期状態のときの調整コイル140のインダクタンスをもとに、給電される交流電力の周波数と略一致するように設計されている。また、受電用LC回路の共振周波数は、受電する交流電力の周波数と略一致するように設計されている。すなわち、受電用LC回路の共振周波数は、上記した送電用LC回路の共振周波数と略一致するように設計されている。そして、磁界共鳴型カプラ330は、送電用カプラ331と受電用カプラ332を所定の間隔で対向配置させ、送電用LC回路に所定周波数の交流電力を供給すると、送電用LC回路と受電用LC回路との間で磁界共鳴が生じて、送電用カプラ331から受電用カプラ332に電力が供給されるように設計されている。
インピーダンス調整部130は、電界共鳴方式の無線給電装置で説明したもの同じ機能で、調整コイル140のインダクタンスを変更することによって、送電用LC回路の共振周波数を調整して、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数とを略一致させる。例えば、カプラ間距離Dが使用設計上のカプラ間距離D0から変化すると、磁界共鳴型カプラ300のインダクタンスが変化する。式(1)に示したように、LC回路の共振周波数fは、インダクタンスLと容量Cによって決まるため、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数とがずれてしまう。そこで、インピーダンス調整部130は、送電用LC回路の共振周波数と受電用LC回路の共振周波数とが略一致するように、可変インダクタンス部150の調整コイル140のインダクタンスを変化させて、送電用LC回路の共振周波数を調整する。これにより、本実施形態の無線給電装置300は、高い給電効率で送電用カプラ331から受電用カプラ332に電力伝送することができる。
本実施形態の無線給電装置300に備えた可変インダクタンス部150は、電界共鳴方式の無線給電装置と同様に、送電用LC回路と受電用LC回路のいずれか一方または両方に備えられていればよい。
以上のことから、本実施形態の磁界共鳴方式による無線給電装置についても、本実施形態の電界共鳴方式による無線給電装置と同様の効果を得ることができる。
尚、本発明に記載のインピーダンス調整部、可変インダクタンス部(インダクタンス可変回路および作業回路)および調整コイル等は、電界共鳴または磁界共鳴での電力伝送だけでなく、電力の伝送状態に応じてインダクタンスの変更を要する他の電気回路に適用するようにしてもよい。たとえば、電界共鳴や磁界共鳴でない電界結合や磁界結合を利用した無線給電装置において、給電状態に応じて送電側および受電側の少なくとも一方のインダクタンスを変更する場合においても本発明を適用する事ができる。
30 電界共鳴型カプラ
31 送電用カプラ
32 受電用カプラ
50 作動回路
51 方向性結合器
52 整流部
60、70、80、90 インダクタンス可変回路
61,71、81、91,140 調整コイル
62、72、82,92 制御コイル
63、73、83,93 フェライトコア
100、300 無線給電装置
130 インピーダンス調整部
150 可変インダクタンス部

Claims (17)

  1. 送電用LC回路を有する送電用カプラと受電用LC回路を有する受電用カプラとを備え、前記送電用LC回路と前記受電用LC回路とが電界または磁界によって、前記送電用カプラから前記受電用カプラにワイヤレスで電力伝送する無線給電装置であって、
    送電用LC回路および受電用LC回路の少なくとも一方に電気的に接続される調整コイルと、
    前記調整コイルを含み、当該調整コイルのインダクタンスを変更可能な可変インダクタンス部と、
    前記電力伝送の状態に応じて、前記可変インダクタンス部の前記調整コイルのインダクタンスを変更させるインピーダンス調整部と、を有する
    ことを特徴とする無線給電装置。
  2. 前記可変インダクタンス部は、
    入力される直流電流に基づいて前記調整コイルのインダクタンスが変化するインダクタンス可変回路と、
    前記インダクタンス可変回路に直流電流を出力して当該インダクタンス可変回路を作動させる作動回路と、
    を備え、
    前記インピーダンス調整部は、前記インダクタンス可変回路へ出力する直流電流を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線給電装置。
  3. 前記インダクタンス可変回路は、
    磁気飽和する磁性体によって形成された磁性体コアと、
    前記磁性体コアにメイン巻線を巻き回す様に形成された前記調整コイルと、
    前記磁性体コアに制御巻線を巻き回す様に形成された制御コイルと、
    を備え、
    直流電流を前記制御巻線から入力したときに、入力した直流電流に応じて前記磁性体コアの透磁率を変化させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線給電装置。
  4. 前記磁性体コアは、磁路が閉回路に形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線給電装置。
  5. 前記磁性体コアは、第1の磁性体コア部および第2の磁性体コア部と、
    前記第1の磁性体コア部および前記第2の磁性体コア部の間に配置される第3の磁性体コア部と、
    前記第1の磁性体コア部、第3の磁性体コア部および前記第2の磁性体コア部をそれぞれ一方および他方から接続する第1磁性体コア接続部および第2磁性体コア接続部と、を有し、
    前記制御コイルは、前記第3の磁性体コア部に前記制御巻線を巻き回す様に形成され、
    前記調整コイルは、前記第1の磁性体コア部および前記第2の磁性体コア部にそれぞれ第1メイン巻き線および第2メイン巻き線を巻き回す様に形成されるとともに、前記第1メイン巻き線および前記第2メイン巻き線において励磁される磁場が互いに逆向きになるように形成された第1メインコイルおよび第2メインコイルを有し、
    前記第1磁性体コア接続部および前記第2磁性体コア接続部は、互いの間に、前記第1メインコイル、前記第2メインコイルおよび前記制御コイルが配置され、前記第1の磁性体コア部、前記第3の磁性体コア部および前記第2の磁性体コア部を接続している
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線給電装置。
  6. 前記磁性体コアが環状のコアである
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線給電装置。
  7. 前記磁性体コアが円柱状コアである
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線給電装置。
  8. 前記作動回路は、交流の反射電力が伝送される伝送路に配される方向性結合器と、前記方向性結合器と前記インダクタンス可変回路の間に配される整流部と、を備え、
    前記方向性結合器は、前記反射電力を分岐して前記整流部に出力し、
    前記整流部は、前記方向性結合器から入力した前記反射電力を直流電流に整流して前記インダクタンス可変回路に出力する
    ことを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の無線給電装置。
  9. 前記作動回路は、定電流源から直流電流を前記インダクタンス可変回路に出力する
    ことを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の無線給電装置。
  10. 前記作動回路は、電源部から入力した交流電力を直流電力に整流して前記インダクタンス可変回路に出力する
    ことを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の無線給電装置。
  11. 前記可変インダクタンス部は、
    巻線を巻き回す様に形成された前記調整コイルと、
    前記調整コイルに挿入される、磁気飽和する磁性体によって形成された円柱状の磁性体コアと、
    前記調整コイルと前記磁性体コアとの相対位置を変更させることより、前記調整コイルのインダクタンスを変化させる位置調整部と、
    を備えている
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線給電装置。
  12. 前記送電用カプラによって送電される交流の送電電力の電圧を検出する第1電圧検出回路と、
    前記送電電力の電流を検出する第1電流検出回路と、
    前記受電用カプラによって受電された交流の受電電力の電圧を検出する第2電圧検出回路と、
    前記受電電力の電流を検出する第2電流検出回路と、を備え、
    前記インピーダンス調整部は、
    前記第1電圧検出回路、前記第1電流検出回路、前記第2電圧検出回路及び前記第2電流検出回路によって検出された前記送電電力の電圧及び電流並びに前記受電電力の電圧及び電流を入力し、入力した前記送電電力の電圧及び電流と前記受電電力の電圧及び電流との位相差に基づいて、前記インダクタンス可変回路へ出力する直流電流を制御する
    ことを特徴とする請求項2から10のいずれか1項に記載の無線給電装置。
  13. 前記インピーダンス調整部は、
    前記第1電圧検出回路、前記第1電流検出回路、前記第2電圧検出回路及び前記第2電流検出回路によって検出された前記送電電力の電圧及び電流並びに前記受電電力の電圧及び電流を入力し、入力した前記送電電力の電圧及び電流と前記受電電力の電圧及び電流との位相差が所定の範囲内か否かを判定し、前記位相差が前記所定の範囲外のときに、前記作動回路から前記インダクタンス可変回路に出力される直流電流を変更する
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線給電装置。
  14. 前記送電用カプラと前記受電用カプラの間のカプラ間距離を検出する位置センサを備え、
    前記インピーダンス調整部は、前記位置センサによって検出した前記距離を入力し、入力した前記距離に基づいて前記可変インダクタンス部の前記調整コイルのインダクタンスを変更する
    ことを特徴とする請求項2から10のいずれか1項に記載の無線給電装置。
  15. 前記送電用カプラおよび受電用カプラの少なくとも一方に接続されたケーブルの外導体を流れる電流を検出する検出部を備え、
    前記インピーダンス調整部は、前記検出部によって検出した前記外導体を流れる電流を入力し、入力した前記電流に基づいて前記可変インダクタンス部の前記調整コイルのインダクタンスを変更する
    ことを特徴とする請求項2から10のいずれか1項に記載の無線給電装置。
  16. 容量を変更可能な可変容量部を、さらに備え、
    前記インピーダンス調整部は、前記電力伝送の状態に応じて前記調整コイルのインダクタンスと前記可変容量部の容量を変更する
    ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の無線給電装置。
  17. 送電用LC回路を有する送電用カプラと受電用LC回路を有する受電用カプラとを備え、前記送電用LC回路と前記受電用LC回路とが電界または磁界によって、前記送電用カプラから前記受電用カプラにワイヤレスで電力伝送する無線給電装置に用いられるインピーダンス調整方法であって、
    送電用LC回路および受電用LC回路の少なくとも一方に電気的に接続される調整コイルと、
    前記調整コイルを含んで、当該調整コイルのインダクタンスを変更可能な可変インダクタンス部と、を有して、
    前記電力伝送の状態に応じて、前記可変インダクタンス部の前記調整コイルのインダクタンスを変更する
    ことを特徴とする無線給電装置のインピーダンス調整方法。
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