以下で説明する実施形態に係る照明装置1は、光源11と、通信部12と、切替部143とを具備する。光源11は、周囲を照明する。通信部12は、所定位置に配置された他の照明装置100と通信可能である。切替部143は、通信部12の電波範囲について、他の照明装置100の位置を含む第1電波範囲R12aと、他の照明装置100の位置を含まない第2電波範囲R12bとを、所定の切替条件に基づいて切り替える。
以下で説明する実施形態に係る照明装置1において、通信部12は、切替部143による切替先が第2電波範囲R12bであった場合、ユーザが携帯する端末装置200と通信を行う。
以下で説明する実施形態に係る照明装置1は、検出部141をさらに具備する。検出部141は、照明装置1の動作状況を検出する。切替部143は、検出部141によって検出された動作状況を簡易的に示す簡易情報を出力する場合、切替先を第1電波範囲R12aにし、動作状況を詳細に示す詳細情報を出力する場合、切替先を第2電波範囲R12bにする。
以下で説明する実施形態に係る照明装置1において、簡易情報は、照明装置1における動作異常の有無を示す情報である。詳細情報は、動作異常の詳細を示す情報である。
以下で説明する実施形態に係る照明装置1において、第1電波範囲R12aには、複数の他の照明装置100が含まれる。検出部141は、複数の他の照明装置100のうち、所定の他の照明装置100との通信途絶を検出する。切替部143は、検出部141によって通信途絶が検出された場合、切替先を第1電波範囲R12aにする。通信部12は、第1電波範囲R12aにおいて通信途絶となっていない他の照明装置100に対して通信途絶を示す途絶情報を出力する。
以下で説明する実施形態に係る照明装置1において、切替部143は、第1電波範囲R12aにより通信を行う第1モードmd1と、第1電波範囲R12aおよび第2電波範囲R12bを所定時間毎に切り替えて通信を行う第2モードmd2とを、所定のモード条件に基づいて切り替える。
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明装置について説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(実施形態)
まず、図1を用いて、実施形態に係る照明装置1を含む照明システムSについて説明する。図1は、実施形態に係る照明システムSの構成例を示す図である。図1に示すように、実施形態に係る照明システムSは、複数の照明装置1,100と、端末装置200とを具備する。なお、以下では、照明装置1以外の照明装置100を他の照明装置100と記載する場合がある。
端末装置200は、例えば、照明装置1の動作を点検する点検者等であるユーザが携帯する端末装置である。端末装置200は、例えば、スマートデバイス(スマートフォン、あるいはタブレット)、携帯電話、可搬性のパーソナルコンピュータ等(いわゆるノートパソコン)を採用可能である。端末装置200は、通信機能を備え、照明装置1,100と情報の送受信を行う。
照明装置1,100は、例えば、非常灯等の非常用照明装置である。非常用照明装置としての照明装置1は、施設内に所定の間隔で配置され、停電時や災害時等の非常時において、避難誘導のために室内や床面を照らす。なお、照明装置1,100は、非常口や避難通路を示すために設置される誘導灯であってもよい。また、照明装置1,100は、平常時は照明装置として点灯し、停電等の非常時に避難誘導のために室内や床面を照らす照明装置であってもよい。
なお、照明装置1,100は、非常用照明装置に限定されるものではなく、例えば、テニスコート等の競技場といった比較的広い領域全体を照らす照明装置や、道路灯等の照明装置であってもよい。換言すれば、照明装置1は、他の照明装置100と共同で所定の照射対象を照明する照明装置であればよい。
図1に示すように、照明装置1,100は、非常用ランプ等の光源11,110と、通信部12,120とを具備する。また、照明装置1,100は、蓄電池を具備し、例えば、外部電源からの電力供給が遮断された場合に、かかる蓄電池から供給される電力を用いて光源11,110や通信部12,120を動作可能にする。なお、以下では、光源11,110および通信部12,120を単に、光源11および通信部12と記載する場合がある。
光源11は、たとえば非常用ランプであり、図示しない外部電源から供給される電力が著しく低下した場合(すなわち、停電時)に点灯する。光源11としては、たとえば蛍光灯やLED(Light Emitting Diode)等、目的に応じて種々の光源が用いられてもよい。また、外部電源は、たとえば電力会社等から供給される電力源や、太陽光発電システムから供給される電力源である。
光源11の配光特性(光の広がり方)は、配光曲線の形状にちなんだ、いわゆるなみだ型や、バットウイング型の配光特性を採用可能である。なみだ型とは、光源11の直下を主として照らし、直下からの水平方向への角度(配光角)が比較的狭い配光特性を指す。なみだ型の配光特性は、例えば、照明装置1の取付高さが比較的高い場合に採用される。なお、取付高さが高い照明装置1は、高天井型とも呼ばれる。
また、バットウイング型とは、光源11の直下よりも水平方向側(例えば、配光角が60度から70度近辺)を主として照らす広範囲の配光特性を指す。バットウイング型の配光特性は、例えば、照明装置1の取付高さが比較的低い場合に採用される。なお、取付高さが低い照明装置1は、低天井型とも呼ばれる。
なお、図1では、照明装置1は、1つの光源11を備える場合を例に挙げたが、複数の光源11を備えてもよい。かかる場合、各光源11の配光特性は、同じであってもよく、異なってもよい。つまり、複数の光源11は、少なくとも1つがなみだ型の配光特性で、少なくとも1つがバットウイング型の配光特性であってもよい。
なお、光源11の配光特性を示す配光曲線は、なみだ型およびバットウイング型に限定されるものではなく、様々な形状の配光曲線であってもよく、例えば、なみだ型およびバットウイング型の双方を兼ね備えた配光曲線の形状であってもよい。
また、例えば、光源11に配光制御可能なカバーを取り付けてもよい。例えば、かかるカバーは、光源11の配光特性をなみだ型からバットウイング型に変換したり、逆に、バットウイング型からなみだ型に変換したりするものであってもよい。あるいは、かかるカバーは、なみだ型やバットウイング型の配光曲線の形状を変えずに、配光角のみを変換するものであってもよい。
また、照明装置1は、他の照明装置100に対して所定の照射態様を満たすように配置されている。照射態様とは、例えば、床面等の照射対象面における光の強度を指す。例えば、非常用照明装置の場合、床面等の照射対象面を1ルクス以上の照度で照らすよう法令(例えば、建築基準法)で定められている場合がある。例えば、図1において、照明装置1は、照射範囲の一部の領域が、照明装置100の照射範囲の一部の領域と重なるように配置されることで照射態様を満たす。換言すれば、照明装置1の照射範囲全体で1ルクス以上の照明態様を満たすために、他の照明装置100の光の一部を利用する。また、他の照明装置100にとっても、照射範囲R100全体で1ルクス以上の照明態様を満たすために、照明装置1の光の一部を利用する。つまり、照明装置1および他の照明装置100は、互いの光を共有して照射態様を満たすように配置される。
また、照射態様は、法令に定められたものに限定されるものではない。例えば、テニスコートを照らす照明装置等のように、施設毎や、競技種目毎に定められた照明態様や、所定の機関や個人が独自で定めた照明態様であってもよい。
また、照射態様は、照度(ルクス:lx)に限定されるものではなく、光の強度を示す指標であればよい。例えば、道路灯等では、輝度(カンデラ:cd/m2)の均斉度が照射態様として定められている。
通信部12は、たとえばビーコンであり、照明装置1と他の照明装置100(または、端末装置200)との間で通信を可能とする。通信部12は、たとえば、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)等の無線通信規格に従って通信を行う。
ところで、このような照明システムSでは、通信トラフィックを適切に制御することが望まれている。例えば、照明装置1は、他の照明装置100や端末装置200との間で通信を行うためには、比較的広い電波範囲を必要とする。そして、比較的広い電波範囲により他の照明装置100と通信を行っている場合に、端末装置200に対して照明装置1の異常に関する情報等を出力するとなると、通信量が嵩んでしまい、結果、通信トラフィックが大きくなる。
そこで、実施形態に係る照明装置1は、通信部12の電波範囲を状況に応じて切り替えることとした。具体的には、図1に示すように、実施形態に係る照明装置1は、他の照明装置100の位置を含む第1電波範囲R12aと、他の照明装置100の位置を含まない第2電波範囲R12bとを、所定の切替条件に基づいて切り替える。
例えば、実施形態に係る照明装置1は、他の照明装置100との間での通信を行う場合に、第1電波範囲R12aに切り替え、例えば、点検者等のユーザが携帯する端末装置200と通信する場合に、第2電波範囲R12bに切り替える。これにより、例えば、点検時等において、他の照明装置100および端末装置200双方と並列して通信することを防止できるため、通信量が嵩むことを防止できる。すなわち、実施形態に係る照明装置1によれば、通信トラフィックを適切に制御することができる。
また、実施形態に係る照明装置1は、第2電波範囲R12bの場合に、点検者等のユーザが携帯する端末装置200と通信することで、照明装置1の動作状況に関する情報等の比較的情報量が多い情報を端末装置200へ迅速に送信することができる。
さらに、図1に示すように、第2電波範囲R12bは、第1電波範囲R12aよりも電波範囲が狭い、換言すれば、第2電波範囲R12bは、第1電波範囲R12aよりも電波強度が弱い。従って、第2電波範囲R12bに切り替えることで、通信部12の消費電力を抑えることができる。
なお、図1では、第1電波範囲R12aよりも第2電波範囲R12bが狭い場合を一例として示したが、例えば、通信部12の電波の指向性を切り替えてもよい。つまり、第1電波範囲R12aは、他の照明装置100を含む電波の指向性を有し、第2電波範囲R12bは、他の照明装置100を含まない電波の指向性を有してもよい。
次に、図2を用いて、実施形態に係る照明装置1の構成例について説明する。図2は、実施形態に係る照明装置1の構成例を示す図である。
図2に示すように、照明装置1は、光源11と、通信部12と、蓄電池13と、制御部14と、記憶部15とを具備する。なお、図2に示す外部電源6は、例えば電力会社等から供給される電力源である。また、外部電源6は、太陽光発電システムから供給される電力源であってもよい。
蓄電池13は、停電時において非常用電源として利用される。例えば、蓄電池13は、照明装置1に対して着脱自在である。蓄電池13は、外部電源6から供給される電力によって充電される。
制御部14は、照明装置1の各部を制御するコントローラである。制御部14は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサであってもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路であってもよい。また、制御部14は、1つの素子で構成されていてもよいし、複数の素子で構成されていてもよい。制御部14が複数の素子で構成される場合、これら複数の素子は、照明装置1内の離れた場所に配置されていてもよい。例えば、複数の素子が別々の基板に実装されていてもよい。
また、制御部14は、検出部141と、生成部142と、切替部143とを具備する。これらは制御部14の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。たとえば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ或いは1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、検出部141、生成部142および切替部143の具体的な処理については後述する。
記憶部15は、たとえば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置である。図2に示すように、記憶部15は、モード情報151と、状況情報152と、他装置情報153とを記憶する。
モード情報151は、通信部12の電波範囲の制御モードに関する情報である。図3は、モード情報151の説明図である。図3に示すように、モード情報151には、2つの制御モードが存在し、これら2つの制御モードを後述の切替部143が所定のモード条件に基づいて切り替える。なお、モード条件については後述する。
図3に示すように、2つの制御モードとは、第1モードmd1および第2モードmd2
である。第1モードmd1は、通信部12の電波範囲が、常時第1電波範囲R12aである制御モードである。
第2モードmd2は、通信部12の電波範囲について、第1電波範囲R12aおよび第2電波範囲R12bを所定時間毎に切り替える制御モードである。第2モードmd2における電波範囲の切替タイミングは、常に一定の時間毎であってもよく、第2電波範囲R12bを所定時間継続した後に、第1電波範囲R12aにごく短時間だけ切り替えて、また第2電波範囲R12bに戻してもよい。また、第2モードmd2の切替タイミングは、例えば、端末装置200と通信を行っている間は、第2モードmd2を維持し、端末装置200との通信が終了した場合には、第1電波範囲R12aおよび第2電波範囲R12bを切り替える制御を行ってもよい。
なお、図3では、1種類の第2モードmd2を示したが、例えば、照明装置1の周囲の状況毎に複数の第2モードmd2が設定されてもよい。また、第2モードmd2における第2電波範囲R12bも1種類に限定されず、複数種類の第2電波範囲R12bを順次切り替えてもよい。
また、図3では、第1モードmd1は、第1電波範囲R12aのみの場合を示したが、第1モードmd1も、第2モードmd2と同様に、第1電波範囲R12aおよび第2電波範囲R12bを交互に切り替える制御モードであってもよい。かかる場合、例えば、第1モードmd1は、第1電波範囲R12aの継続時間を第2モードmd2の第1電波範囲R12aの継続時間よりも長くする。
次に、状況情報152は、照明装置1の動作状況を示す情報である。状況情報152は、後述の生成部142によって生成される。また、動作状況は、後述の検出部141によって検出される。図4は、状況情報152の説明図である。図4に示すように、状況情報152には、時刻、異常有無、異常詳細といった項目が含まれる。
「時刻」は、検出部141による検出処理が行われた時刻を示す。「異常有無」は、検出部141の検出結果であり、異常の有無を示す情報である。「異常詳細」は、検出された異常の詳細を示す情報である。
図4に示す例では、時刻「T1」においては、照明装置1は正常であることを示す。また、時刻「T2」においては、照明装置1は異常であることを示し、その異常が「ランプ寿命」、つまり、光源11の寿命であることを示す。
次に、他装置情報153は、他の照明装置100の動作状況を示す情報である。他装置情報153は、例えば、第1電波範囲R12aによる通信時に他の照明装置100から取得可能である。図5は、他装置情報153の説明図である。
図5に示すように、他装置情報153には、装置ID、通信異常、その他異常等といった項目が含まれる。「装置ID」は、他の照明装置100を識別する識別情報である。「通信異常」は、他の照明装置100における通信部120の異常の有無を示す情報である。「その他異常」は、上述した通信異常以外の異常の有無を示す情報である。
図5に示す例では、装置ID「L1」で識別される他の照明装置100は、動作状況が正常であることを示し、装置ID「L2」で識別される他の照明装置100は、通信異常以外の異常が有ることを示し、装置ID「L3」で識別される他の照明装置100は、通信異常であることを示す。なお、装置ID「L2」で識別される他の照明装置100の異常の詳細については、他装置情報153には含まれない。つまり、他の照明装置100の動作状況については、異常の有無のみに関する情報が、照明装置1に記憶される。
図2に戻って、制御部14が具備する各部の機能について説明する。図2に示すように、制御部14は、検出部141と、生成部142と、切替部143とを具備する。なお、制御部14は、上記の機能以外に、光源11の点灯制御や、蓄電池13の充放電制御を行うが、詳細については省略する。
検出部141は、照明装置1の動作状況を検出する。動作状況は、例えば、照明装置1における照明機能の異常や、通信機能の異常を含む。具体的には、照明機能の異常とは、光源11の寿命(使用時間)や、蓄電池13の劣化度、各回路の故障等を含む。また、通信機能の異常とは、通信部12の異常である。これらの異常検出は、例えば、ウォッチドッグタイマ等の既知の検出手法を採用可能である。
また、検出部141は、他の照明装置100の通信途絶を検出する。具体的には、検出部141は、第1電波範囲R12aに含まれる他の照明装置100と通信が確立できない場合に、通信途絶を検出する。例えば、検出部141は、他の照明装置100から所定時間以上応答が無かった場合に、通信途絶を検出する。
なお、検出部141は、上記した検出処理(動作状況および通信途絶)により1回だけ動作状況が異常の場合に異常を検出してもよく、あるいは、複数回連続して動作状況が異常の場合に異常を検出してもよい。これにより、検出処理におけるノイズ成分を異常であると誤検出することを防止できる。なお、検出部141は、異常検出後については、引き続き検出処理を行ってもよく、検出処理を停止させてもよい。
なお、検出部141による上記した検出処理の処理タイミングは、任意である。例えば、検出部141は、一定間隔で検出処理を行ってもよく、あるいは、点検者等のユーザから端末装置200を介して指示を受け付けた場合に、検出処理を行ってもよい。あるいは、検出部141は、1回動作状況の異常が検出されて以降の検出処理については、それ以前よりも高頻度に行ってもよい。
生成部142は、検出部141に検出された動作状況を示す状況情報152を生成する。状況情報152には、照明装置1や他の照明装置100が正常または異常であることを示す情報や、異常である場合における異常の詳細情報が含まれる。例えば、生成部142は、後述の切替部143による切替先の電波範囲に応じた状況情報152を生成するが、かかる点については図6〜図8で後述する。
切替部143は、モード情報151における制御モードの切替処理および第2モードmd2における電波範囲の切替処理を行う。まず、制御モードの切替処理について説明する。例えば、切替部143は、モード情報151における第1モードmd1と、第2モードmd2とを、所定のモード条件に基づいて切り替える。上記したように、第1モードmd1とは、第1電波範囲R12aにより通信を行う制御モードであり、第2モードmd2とは、第1電波範囲R12aおよび第2電波範囲R12bを所定時間毎に切り替えて通信を行う制御モードである。
例えば、切替部143は、制御モードが第1モードmd1である場合に、点検者等のユーザから端末装置200を介して切替指示を受け付けた場合に、モード条件を満たすとして、第1モードmd1から第2モードmd2へ切り替える。
また、切替部143は、制御モードが第2モードmd2である場合に、点検者等から端末装置200を介して切替指示を受け付けた場合に、モード条件を満たすとして、第2モードmd2から第1モードmd1へ切り替える。
なお、切替部143は、ユーザからの切替指示に基づく手動切替に限定されず、例えば、時間に基づく自動切替であってもよい。例えば、照明装置1がショッピングセンタ等に設置される場合、切替部143は、かかるショッピングセンタの閉店時間となった場合に、第1モードmd1から第2モードmd2へ切り替え、ショッピングセンタの開店時間となった場合に、第2モードmd2から第1モードmd1へ切り替えてもよい。
次に、第2モードmd2における電波範囲の切替処理について説明する。切替部143は、第1電波範囲R12aと、第2電波範囲R12bとを、所定の切替条件に基づいて切り替える。
例えば、切替部143は、第1電波範囲R12aの継続時間と、第2電波範囲R12bの継続時間を略同じになるように切り替える。つまり、切替部143は、第1電波範囲R12aおよび第2電波範囲R12bを等間隔(例えば、500msec毎)で切り替える。
なお、切替部143は、第1電波範囲R12aの継続時間が第2電波範囲R12bの継続時間よりも短く(あるいは長く)なるように切り替えてもよい。
あるいは、切替部143は、生成部142によって生成された状況情報152の出力先に応じて電波範囲を切り替えてもよい。例えば、切替部143は、他の照明装置100へ状況情報152を出力する場合には、切替先を第1電波範囲R12aにし、端末装置200へ状況情報152を出力する場合には、切替先を第2電波範囲R12bにする。
なお、他の照明装置100へ状況情報152を出力する場合には、検出された動作状況を簡易的に示す簡易情報を出力し、端末装置200へ状況情報152を出力する場合には、検出された動作状況を詳細に示す詳細情報を出力するがかかる点については図6〜図8で後述する。
また、切替部143は、例えば、端末装置200が第2電波範囲R12bにより検出されるまでは、第2電波範囲R12bを継続してもよい。かかる場合、切替部143は、端末装置200が検出されて以降については、第1電波範囲R12aおよび第2電波範囲R12bを交互に切り替えることで、他の照明装置100の最新の状況情報152を取得可能とする。
これにより、点検者が所望の位置の照明装置1,100と確実に通信できるとともに、第2電波範囲R12bの継続中に古くなった他の照明装置100の状況情報152を更新することができる。
次に、図6〜図8を用いて、照明システムSにおける照明装置1,100の異常時の情報出力処理について具体的に説明する。図6〜図8は、実施形態に係る照明システムSにおける情報出力処理を示す図である。なお、図6〜図8では、照明システムSは、照明装置1および複数の他の照明装置100a〜100dを具備する場合を示す。また、図6〜図8には、各照明装置1,100a〜100dの第1電波範囲R12a,R120aa〜R120adおよび第2電波範囲R12b,R120ba〜R120bdを示す。なお、図6〜図8では、すべての照明装置1,100a〜100dの制御モードが同じであり、制御モードの切替も一斉に行われることとする。なお、図6〜図8に示す、照明装置1および他の照明装置100a〜100dの配置関係は一例であって、任意の配置を採用可能である。
まず、図6および図7を用いて、照明装置1がランプ寿命であることを検出部141が検出した場合について説明する。図6では、第1電波範囲R12aにおける状況情報152の出力処理を示し、図7では、第2電波範囲R12bにおける状況情報152の出力処理を示す。なお、図6に示す第1電波範囲R12aは、第1モードmd1および第2モードmd2のいずれの制御モードであってもよい。
照明装置1の生成部142は、通信部12の電波範囲が第1電波範囲R12aである場合、検出部141によって検出された動作状況を簡易的に示す簡易情報を生成する。具体的には、簡易情報は、照明装置1の動作異常の有無を示す情報である。より具体的には、簡易情報は、ランプ寿命の有無であってもよく、単に照明装置1の異常の有無であってもよい。例えば、簡易情報は、異常の有無を示す「0」または「1」のいずれかのフラグ情報である。
そして、図6に示すように、照明装置1は、第1電波範囲R12aに含まれる他の照明装置100c,100dへ生成した簡易情報を出力する。換言すれば、照明装置1の切替部143は、簡易情報を出力する場合、切替先を第1電波範囲R12aにするとも言える。そして、図6に示すように、他の照明装置100cは、照明装置1が動作異常であることを示す簡易情報を自身の第1電波範囲R120acに含まれる他の照明装置100a,100bへ出力する。
これにより、照明システムSにおいて、すべての他の照明装置100a〜100dが照明装置1の動作異常を示す簡易情報を取得することができる。すなわち、点検者が端末装置200を介して他の照明装置100a〜100dのいずれと通信したとしても、照明装置1の動作異常を確認できるため、動作異常の照明装置1を早期に発見でき、点検作業の効率化に寄与できる。
一方、照明装置1の生成部142は、通信部12の電波範囲が第2電波範囲R12bである場合、検出部141によって検出された動作状況を詳細に示す詳細情報を生成する。具体的には、詳細情報は、ランプ寿命となったランプの使用時間や、ランプの品番等を含む。つまり、詳細情報は、簡易情報に比べて情報量が多い情報である。
そして、図7に示すように、照明装置1は、第2電波範囲R12bに含まれる端末装置200へ生成した詳細情報を出力する。換言すれば、照明装置1の切替部143は、詳細情報を出力する場合、切替先を第2電波範囲R12bにするとも言える。
つまり、切替部143は、詳細情報のように、比較的情報量が多い情報を出力する場合には、他の照明装置100c,100dとの通信を禁止し、端末装置200とのみ通信できるようにする。これにより、詳細情報を出力中に他の照明装置100c,100dと通信できなくなるため、通信トラフィックが大きくなることを防止できる。
なお、切替部143は、第2電波範囲R12b内に端末装置200が存在したとしても、詳細情報の要求指示が無い場合には、定期的に第1電波範囲R12aに切り替えて、他の照明装置100a〜100dの状況情報152を取得(あるいは自身の状況情報152を送信)して、他装置情報153を更新してもよい。
また、図6および図7に示す例では、照明装置1が動作異常である場合を示したが、例えば、照明装置1が正常である場合も、他の照明装置100c,100dや、端末装置200に対して正常であることを示す状況情報152を出力してもよい。
また、照明装置1は、出力する状況情報152について、正常か動作異常かにより出力頻度を変えてもよい。具体的には、照明装置1は、動作異常を示す状況情報152の出力頻度を、正常を示す状況情報152の出力頻度よりも高くしてもよい。
次に、図8を用いて、他の照明装置100が通信途絶の場合における情報出力処理について説明する。図8では、照明装置1の第1電波範囲R12aに含まれる他の照明装置100dが通信途絶である場合を示す。
図8に示すように、照明装置1の生成部142は、検出部141が第1電波範囲R12aに含まれる他の照明装置100dの通信途絶を検出した場合、他の照明装置100dが通信途絶であることを示す途絶情報を生成する。
そして、照明装置1は、通信途絶となっていない他の照明装置100cへ生成した途絶情報を出力する。換言すれば、切替部143は、検出部141によって通信途絶が検出された場合、切替先を第1電波範囲R12aにするとも言える。
そして、図8に示すように、他の照明装置100cは、他の照明装置100dが通信途絶であることを示す途絶情報を自身の第1電波範囲R120acに含まれる他の照明装置100a,100bへ出力する。なお、他の照明装置100cは、他の照明装置100dと通信を行い、通信途絶であることを確認してから他の照明装置100a,100bへ途絶情報を出力してもよい。
これにより、照明システムSにおいて、照明装置100dが通信途絶となっていることを示す途絶情報を残りのすべての照明装置1,100a〜100cが取得できる。すなわち、実施形態に係る照明システムSにおいて、点検者がどの照明装置1,100a〜100cと通信したとしても、照明装置100dの通信途絶を知ることができる。
なお、図8では、他の照明装置100dが通信途絶である場合を示したが、例えば、他の照明装置100cが通信途絶となった場合、照明装置1および他の照明装置100a,100b,100dそれぞれが通信途絶を検出する。
次に、図9〜図11を用いて、実施形態に係る照明装置1が実行する処理手順について説明する。図9は、照明装置1が実行するモード切替処理の処理手順を示すフローチャートである。図10は、照明装置1が実行する出力処理(その1)の処理手順を示すフローチャートである。図11は、照明装置1が実行する出力処理(その2)の処理手順を示すフローチャートである。
まず、図9を用いて、モード切替処理について説明する。図9に示すように、まず、切替部143は、切替先を第1モードmd1に設定する(ステップS101)。つづいて、切替部143は、所定のモード条件を満たすか否かを判定する(ステップS102)。例えば、切替部143は、点検者等のユーザの端末装置200から点検指示を示す指示情報を取得した場合に、モード条件を満たすと判定する。
切替部143は、モード条件を満たした場合(ステップS102,Yes)、第1モードmd1から第2モードmd2へ切り替え(ステップS103)、処理を終了する。なお、切替部143は、モード条件を満たさない場合(ステップS102,No)、処理をステップS101へ移行する。
次に、図10を用いて、照明装置1の異常時における出力処理について説明する。図10に示すように、まず、検出部141は、照明装置1の動作状況を検出する(ステップS201)。
つづいて、検出部141は、検出処理の結果、動作異常が有るか否かを判定する(ステップS202)。生成部142は、動作異常が有ると判定された場合(ステップS202,Yes)、通信部12の電波範囲が第1電波範囲R12aであるか否かを判定する(ステップS203)。
生成部142は、通信部12の電波範囲が第1電波範囲R12aであった場合(ステップS203,Yes)、動作異常を簡易的に示す簡易情報を生成し、通信部12を介して他の照明装置100へ簡易情報を出力し(ステップS204)、処理を終了する。
一方、検出部141は、動作異常が無かった場合(ステップS202,No)、処理を終了する。また、生成部142は、通信部12の電波範囲が第1電波範囲R12aではない、つまり、第2電波範囲R12bである場合(ステップS203,No)、動作異常を詳細に示す詳細情報を生成し、通信部12を介して端末装置200へ詳細情報を出力し(ステップS205)、処理を終了する。
次に、図11を用いて、他の照明装置100の通信異常時における照明装置1の出力処理について説明する。図11に示すように、まず、検出部141は、他の照明装置100との通信途絶が有るか否かを判定する(ステップS301)。
生成部142は、検出部141によって他の照明装置100との通信途絶が有ると判定された場合(ステップS301,Yes)、通信途絶を示す途絶情報を生成し、通信可能な(通信途絶となっていない)他の照明装置100へ途絶情報を出力し(ステップS302)、処理を終了する。一方、生成部142は、検出部141によって他の照明装置100との通信途絶が無いと判定された場合(ステップS301,No)、処理を終了する。
上述したように、実施形態に係る照明装置1は、光源11と、通信部12と、切替部143とを具備する。光源11は、周囲を照明する。通信部12は、所定位置に配置された他の照明装置100と通信可能である。切替部143は、通信部12の電波範囲について、他の照明装置100の位置を含む第1電波範囲R12aと、他の照明装置100の位置を含まない第2電波範囲R12bとを、所定の切替条件に基づいて切り替える。これにより、通信トラフィックを適切に制御することができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。