JP2019174776A - 眼鏡レンズ - Google Patents

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Takaya Yamada
隆哉 山田
利仁 金井
Toshihito Kanai
利仁 金井
田中 久子
Hisako Tanaka
久子 田中
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Abstract

【課題】本開示の一実施形態は、染色、無機積層膜の形成等、眼鏡レンズの製造工程において汎用される設備を用いて製造できる、色覚異常者のための、色の識別を補助する眼鏡レンズ及び当該眼鏡レンズの製造方法に関する。【解決手段】本開示の一実施形態は、染色されたレンズ基材と、低屈折率層及び高屈折率層を有する無機積層膜とを備える、眼鏡レンズであって、前記眼鏡レンズは、波長470〜490nmに透過率25%以下の第1の極小ピークTm1、波長500〜540nmに前記第1の極小ピークTm1よりも10%以上高い透過率の極大ピークTM、及び波長570〜600nmに透過率25%以下の第2の極小ピークTm2を有する、眼鏡レンズ等に関する。【選択図】図1

Description

本開示は、色覚異常者のための、色の識別を補助する眼鏡レンズ及び当該眼鏡レンズの製造方法に関する。
色覚異常には、先天色覚異常と後天色覚異常とが有り、後天色覚異常は、眼や脳の病気に伴って起こるものであり、視力低下等他の障害が強く現れることが多い。先天性色覚異常は、遺伝によるものであって、未だ有効な治療方法が見つかっていない。
人間の眼の視細胞には、桿状体視細胞と錐状体視細胞の2種類があり、桿状体視細胞は、明るさや暗さに対する感覚だけを持ち、錐状体視細胞は、すべての色感覚をつくり出すために必要な3光線を感じる働きをする。錐状体視細胞は3種類あり、それぞれ、長波長側よりL錐状体視細胞(赤)、M錐状体視細胞(緑)、S錐状体視細胞(青)と呼称されている。この3種類の視細胞がそれぞれの刺激を受け、その刺激される強さの組み合わせによって特定の色として知感される。
いわゆる色覚異常は、これらの3種類の視細胞のうちいずれかが不完全異常であるか、欠如しているために起こるものである。
特許文献1によれば、色覚異常者の網膜の3種の錐状体視細胞の刺激値比例を変換できる色覚矯正スペクトル特性曲線を有する眼鏡レンズであって、前記色覚矯正スペクトル特性曲線が、着色剤又は着色剤と光の部分反射膜で形成されており且つ色覚矯正スペクトル特性に濃度勾配を付けてあることを特徴とする色覚補正用眼鏡レンズが記載されている。当該発明によれば、安価で且つ濃度勾配を持つ色覚矯正スペクトル特性を有する色覚補正用眼鏡レンズを提供することができると記載されている。
特開2000−298249号公報
特許文献1に記載された眼鏡レンズであっても、色覚異常者にとっては、赤色とオレンジ色の識別や、青と青緑色の識別など、波長が近接した色の識別が難しく、例えば赤の背景に、オレンジ色の文字や模様が付された場合には、当該模様を検知することが困難であった。
本開示の一実施形態は、染色、無機積層膜の形成等、眼鏡レンズの製造工程において汎用される設備を用いて製造できる、色覚異常者のための、色の識別を補助する眼鏡レンズ及び当該眼鏡レンズの製造方法に関する。
本開示の一実施形態は、
染色されたレンズ基材と、
低屈折率層及び高屈折率層を有する無機積層膜と
を備える、眼鏡レンズであって、
前記眼鏡レンズは、波長470〜490nmに透過率25%以下の第1の極小ピークTm1、波長500〜540nmに前記第1の極小ピークTm1よりも10%以上高い透過率の極大ピークTM、及び波長570〜600nmに透過率25%以下の第2の極小ピークTm2を有する、眼鏡レンズに関する。
本開示の一実施形態は、波長470〜490nmに透過率25%以下の第1の極小ピークTm1、波長500〜540nmに前記第1の極小ピークTm1よりも10%以上高い透過率の極大ピークTM、及び波長570〜600nmに透過率25%以下の第2の極小ピークTm2を有する、眼鏡レンズの製造法であって、
波長500〜650nmに透過率の極大ピークTdMを有するようにレンズ基材を染色する工程と、
波長470〜490nmに反射率30%以上の第1の極大ピークRM1、波長500〜540nmに前記第1の極大ピークRM1よりも10%以上低い反射率の極小ピークRm、及び波長570〜600nmに反射率30%以上の第2の極大ピークRM2を有する無機積層膜を形成する工程と、
を含む、眼鏡レンズの製造法に関する。
本開示の一実施形態によれば、染色、無機積層膜の形成等、眼鏡レンズの製造工程において汎用される設備を用いて製造できる、色覚異常者のための、色の識別を補助する眼鏡レンズ及び当該眼鏡レンズの製造方法を提供することができる。
図1は、本開示の実施形態に係る眼鏡レンズの透過率のスペクトルの模式図である。 図2は、実施例1の染色後の眼鏡レンズ基材の透過率のスペクトルを示す。 図3は、実施例1の無機積層膜の形成後の眼鏡レンズの透過率のスペクトルを示す。 図4は、実施例1の無機積層膜の形成後の眼鏡レンズの反射率のスペクトルを示す。
[眼鏡レンズ]
本開示の実施形態に係る眼鏡レンズは、染色されたレンズ基材と、低屈折率層及び高屈折率層を有する無機積層膜とを備える。
さらに、眼鏡レンズは、透過率のスペクトルにおいて、波長470〜490nmに透過率25%以下の第1の極小ピークTm1、波長500〜540nmに前記第1の極小ピークTm1よりも10%以上高い透過率の極大ピークTM、及び波長570〜600nmに透過率25%以下の第2の極小ピークTm2を有する。
以上の構成によれば、色覚異常者のための、色の識別を補助する眼鏡レンズを提供することができる。
上述の構成によれば、染色、無機積層膜の形成等、眼鏡レンズの製造工程において汎用される設備を用いて製造できる、色覚異常者のための、色の識別を補助する眼鏡レンズ及び当該眼鏡レンズの製造方法を提供することができる。
<眼鏡レンズの透過特性>
本開示の実施形態に係る眼鏡レンズの透過率のスペクトルを図面により説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る眼鏡レンズの透過率のスペクトルの模式図である。
当該眼鏡レンズは、波長470〜490nmに第1の極小ピークTm1、波長500〜540nmに極大ピークTM、及び波長570〜600nmに第2の極小ピークTm2を有する。
本開示の実施形態に係る眼鏡レンズは、波長470〜490nmに透過率25%以下の第1の極小ピークTm1を有する。当該眼鏡レンズは、S錐体細胞(青)の感知ピーク(波長430nm)とM錐体細胞(緑)の感知ピーク(波長530nm)の中間色領域に第1の極小ピークTm1を設けることで、波長の変化に対する透過率差を大きくすることができ、微妙な色の違いを明確に認識することができると考えられる。
極小ピークTm1における透過率は、好ましくは23%以下、より好ましくは20%以下である。
当該眼鏡レンズは、波長570〜600nmに透過率25%以下の第2の極小ピークTm2を有する。つまり、当該眼鏡レンズは、L錐体細胞(赤)の感知ピーク(波長560nm)よりも長波長側に第2の極小ピークTm2を有する。M錐体細胞とL錐体細胞は感知ピーク波長が近いため、ピーク間に極小ピークを設けることが難しい。そこで、長波長領域の透過率を下げることで緑と赤の違いが見分易くなると考えられる。
極小ピークTm2における透過率は、好ましくは23%以下、より好ましくは20%以下である。
当該眼鏡レンズは、波長500〜540nmに第1の極小ピークTm1よりも10%以上高い透過率の極大ピークTMを有する。当該極大ピークTMを有することで、上述の極小ピークTm1及び極小ピークTm2による効果をより顕著にする。
極大ピークTMにおける透過率は、極小ピークTm1よりも、好ましくは15%以上高く、より好ましくは30%以上高く、更に好ましくは40%以上高い。
また、極大ピークTMにおける透過率は、極小ピークTm1よりも、好ましくは80%以上高い値よりも低く、より好ましくは70%以上高い値よりも低い。
当該眼鏡レンズにおいて、波長500〜540nmの平均透過率は、上述の極小ピークTm1及び極小ピークTm2による効果をより顕著にする観点から、好ましくは15%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上である。そして、波長500〜540nmの平均透過率は、例えば、80%以下、70%以下であってもよい。
当該眼鏡レンズにおいて、ブルーライトハザードを軽減する観点から、波長400〜440nmの平均透過率は、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは15%以下である。波長400〜440nmの平均透過率は、例えば、5%以上、10%以上であってもよい。
<眼鏡レンズの反射特性>
眼鏡レンズの少なくとも片面側は、好ましくは、波長470〜490nmに反射率30%以上の第1の極大ピークRM1、波長500〜540nmに前記第1の極大ピークRM1よりも10%以上低い反射率の極小ピークRm、及び波長570〜600nmに反射率30%以上の第2の極大ピークRM2を有する。
上記の反射特性は、例えば、後述の無機積層膜により、上述の透過率特性を実現することができる。
極大ピークRM1の反射率は、好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である。極大ピークRM1の反射率は、例えば、90%以下、60%以下であってもよい。
極小ピークRmの反射率は、極大ピークRM1よりも、好ましくは20%以上低く、より好ましくは30%以上低く、更に好ましくは35%以上低く、更に好ましくは40%以上低い。
極大ピークRM2の反射率は、好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である。極大ピークRM2の反射率は、例えば、90%以下、80%以下であってもよい。
本実施形態に係る眼鏡レンズは、染色されたレンズ基材と、当該レンズ基材の少なくとも片面に形成された、低屈折率層及び高屈折率層を有する無機積層膜とを備える。
眼鏡レンズは、ハードコート層、撥水層等の他の層を含んでいてもよい。
上述の光学特性を有する、眼鏡レンズは、例えば、レンズ基材の染色及び無機積層膜による眼鏡レンズの反射率特性によって実現することができる。
以下、各構成について詳細に説明する。
〔レンズ基材〕
レンズ基材の材質としては、プラスチックであっても、無機ガラスであってもよい。基材の材質としては、例えば、ポリチオウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等のポリウレタン系材料、ポリスルフィド樹脂等のエピチオ系材料、ポリカーボネート系材料、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系材料が挙げられる。
レンズ基材の屈折率は、例えば、1.50以上1.74以下である。
レンズ基材の表面形状は特に限定されず、平面、凸面、凹面等のいずれであってもよい。
レンズ基材は、単焦点レンズ、多焦点レンズ、累進屈折力レンズ等のいずれであってもよい。累進屈折力レンズについては、通常、近用部領域(近用部)及び累進部領域(中間領域)が、前述の下方領域に含まれ、遠用部領域(遠用部)が上方領域に含まれる。
レンズ基材は、波長500〜650nmに透過率の極大ピークTdMを有するように染色されたものであることが好ましい。このように染色することで、透過率の極大ピークTMを形成しやすくする。
極大ピークTdMの透過率は、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは65%以上であり、そして、80%以下であってもよい。
レンズ基材は、波長570〜650nmに透過率の極小ピークTdmを有するように染色されたものであることが好ましい。
極小ピークTdmの透過率は、好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下、更に好ましくは50%以下であり、そして、40%以上であってもよい。
レンズ基材は、波長400〜450nmに透過率を50%以下とするように染色されたものであることが好ましい。波長400〜450nmに透過率は、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下である。
染色は、極大吸収波長580〜595nmを有する色素及び極大吸収波長435〜480nmを有する色素を用いることが好ましい。このように染色することで、透過率の第1の極小ピークTm1及び第2の極小ピークTm2を形成しやすくする。
極大吸収波長580〜595nmを有する色素と、極大吸収波長530〜650nmを有する色素との比は、好ましくは10/90以上、より好ましくは20/80以上であり、そして、好ましくは40/60以下、より好ましくは30/70以下である。
極大吸収波長580〜595nmを有する色素としては、例えば、青色染料「Danix Blue AC−E」(ダイスター社製)が挙げられる。
極大吸収波長435〜480nmを有する色素の市販品としては、例えば、黄色染料「Blue Blocker 450」(ファントム社製)が挙げられる。
染色方法は、公知の方法により行うことができる。
〔無機積層膜〕
無機積層膜は、屈折率の異なる膜を積層させた多層構造を有し、干渉作用によって光の反射特性を制御する膜である。このような無機積層膜は、一例として低屈折率層と高屈折率層とを多層積層してなる多層構造が挙げられる。低屈折率層の屈折率は、波長500〜550nmで、例えば、1.35〜1.80である。高屈折率層の屈折率は、波長500〜550nmで、例えば、1.90〜2.60である。
低屈折率層は、例えば、屈折率1.43〜1.47程度の二酸化珪素(SiO)からなる。また高屈折率層は、低屈折率層よりも高い屈折率を有する材料からなり、例えば、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化イットリウム(Y)、酸化アルミニウム(Al)等の金属酸化物を、適宜の割合で用いて構成される。
無機積層膜は、上述の眼鏡レンズの反射特性となるように、各層の膜厚を制御して積層される。
〔ハードコート層〕
ハードコート層は、例えば、無機酸化物粒子とケイ素化合物とを含む硬化性組成物を硬化して得られる。ハードコート層は、レンズ基材の材質に応じて組成が選択される。なお、ハードコート層の屈折率(nD)は、例えば、1.50以上1.74以下である。
〔撥水層〕
撥水層は、例えば、フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を含有する。この撥水層は、反射防止層と合わせて反射防止機能を奏するように設定された膜厚を有している。
[眼鏡レンズの製造方法]
本開示の実施形態に係る眼鏡レンズの製造法は、例えば、
波長500〜650nmに透過率の極大ピークTdMを有するようにレンズ基材を染色する工程(以下「染色工程」ともいう)と、
波長470〜490nmに反射率30%以上の第1の極大ピークRM1、波長500〜540nmに前記第1の極大ピークRM1よりも10%以上低い反射率の極小ピークRm、及び波長570〜600nmに反射率30%以上の第2の極大ピークRM2を有する無機積層膜を形成する工程(以下「無機積層膜形成工程」ともいう)と、
を含む。
本開示の実施形態に係る眼鏡レンズの製造法は、
ハードコート層を形成する工程と、
撥水層を形成する工程と
を更に含んでいてもよい。
<染色工程>
眼鏡レンズ基材を染色する工程では、例えば、染料を含有する浸漬液に、レンズ基材を浸漬する。
浸漬液は、染料を含有し、好ましくは、界面活性剤、キャリア、溶媒等を含有する。
染料としては、上述の染料が挙げられる。
〔界面活性剤〕
界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ラウリル硫酸塩が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の市販品としては、陰イオン系界面活性剤である「ニッカサンソルト7000」(日華化学株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、浸漬液中、好ましくは1〜100mL/L、より好ましくは10〜80mL/L、更に好ましくは20〜60mL/Lである。
〔キャリア〕
キャリアとは、染料の浸透を促進する効果を有する化合物である。
キャリアとしては、例えば、芳香族化合物が挙げられる。芳香族化合物としては、例えば、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール等の芳香族置換基を有するアルコール、オルソフェニルフェノール、パラフェニルフェノール等のフェノール系化合物、メチルナフタレン、各種ベンゾフェノン系化合物、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,5−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、テトラクロロベンゼン、ペンタクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、モノクロロナフタレン、各種ポリクロロナフタレン化合物が挙げられる。これらのキャリアは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、シンナミルアルコール、ベンジルアルコールが好ましい。
キャリアの含有量は、浸漬液中、好ましくは1〜30mL/L、より好ましくは2〜20mL/L、更に好ましくは3〜10mL/Lである。
〔溶媒〕
溶媒としては、好ましくは水系溶媒であり、より好ましくは水である。
水系溶媒とは、水を60質量%以上含有する溶媒である。水系溶媒中、水の含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。また、水系溶媒中、水の含有量は、100質量%以下であり、より好ましくは100質量%である。
基材を浸漬する際の浸漬液の温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上である。当該温度は、好ましくは99℃以下、より好ましくは98℃以下、更に好ましくは95℃以下である。
浸漬液への浸漬時間は、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上である。また、当該浸漬時間は、好ましくは120分以下、より好ましくは60分以下である。
浸漬液から引き揚げた基材は、必要に応じて水洗や乾燥処理を行ってもよい。乾燥温度、乾燥時間等の条件は適宜選択することができる。
無機積層膜は、公知の方法で積層することができ、例えば、電子ビーム加熱式蒸着(以下、「EB加熱式蒸着」ともいう)、イオンアシスト蒸着等の方法で積層することができる。
ハードコート層を形成する工程では、微粒子状無機物等を有するコーティング液を塗工して形成することができる。
撥水層を形成する工程では、例えば、有機ケイ素化合物を蒸着して形成することができる。
[眼鏡]
本発明の一実施形態に係る眼鏡は、眼鏡レンズと、この眼鏡レンズを取り付けたフレームとを有する。
フレームとしては、例えば、一対のリムと、当該リム間に設けられたブリッチと、当該リムの片端に設けられた一対のテンプルとを有する。
リムは、ハーフリムであってもよい。
フレームとしては、いわゆるリムレスフレームであってもよい。この場合、眼鏡は、例えば、一対の眼鏡レンズと、当該眼鏡レンズ間に設けられたブリッチと、当該眼鏡レンズの片端に設けられた一対のテンプルとを有する。
本開示の実施形態によれば、色覚異常者のための、色の識別を補助する眼鏡レンズを提供することができる。
以下、具体的な実施例を示すが、本請求の範囲は、以下の実施例によって限定されるものではない。各種物性の測定方法、及び評価方法は、以下に示す方法により行った。
[測定方法]
〔透過率及び反射率〕
透過率及び反射率は、分光光度計「U−4100」(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定した。
[眼鏡レンズの製造方法]
実施例1
(染色工程)
青色染料「Danix Blue AC−E」(ダイスター社製)0.7g、黄色染料「Blue Blocker 450」(ファントム社製)1.8g、界面活性剤「ネオノール20」(山川薬品工業株式会社製)20mL、シンナミルアルコール4mL及び純水1000mLを混合して、浸漬液を調製した。
浸漬液を、液温91℃に保ち、チオウレタン樹脂の眼鏡レンズ基材「EYAS」(屈折率1.60、HOYA株式会社製)を3分間浸漬して浸透させた。
浸漬後、眼鏡レンズ基材の透過率測定を行った。
図2は、実施例1の染色後の眼鏡レンズ基材の透過率のスペクトルを示す。
波長510nm付近に透過率の極大ピークTdMが観測された。波長550nm〜690nmに現れる透過率の極小ピークTdmの透過率は、45%であった。
(ハードコート層形成)
ハードコート液(HOYA株式会社製、商品名「HC60S」)を用いて浸漬法により、眼鏡レンズ基材の表面にハードコート層形成した。
(無機積層膜)
そして、染色された眼鏡レンズ基材について、以下の表1に示す構成でSiO2層は、通常EB加熱式蒸着、ZrO2はイオンアシスト蒸着(Ar、O混合ガス)で蒸着し、無機積層膜を形成した。
得られた眼鏡レンズの透過率を測定し、図3及び表2に示す。
図3は、実施例1の無機積層膜の形成後の眼鏡レンズの透過率のスペクトルを示す。
得られた眼鏡レンズの反射率を測定し、図4に示す。
図4は、実施例1の無機積層膜の形成後の眼鏡レンズの反射率のスペクトルを示す。
眼鏡レンズの凸面は、波長467nmに反射率44.96%の第1の極大ピークRM1、波長510nmに反射率2.3%の極小ピークRm、波長579nmに反射率48.34%以上の第2の極大ピークRM2が観測された。眼鏡レンズの凹面は、波長471nmに反射率40.80%の第1の極大ピークRM1、波長516nmに反射率1.93%の極小ピークRm、波長583nmに反射率45.85%以上の第2の極大ピークRM2が観測された。
最後に、本開示の実施形態を、図等を用いて総括する。
本開示の一実施形態は、
染色されたレンズ基材と、
低屈折率層及び高屈折率層を有する無機積層膜と
を備える、眼鏡レンズであって、
前記眼鏡レンズは、図1に示すように、波長470〜490nmに透過率25%以下の第1の極小ピークTm1、波長500〜540nmに前記第1の極小ピークTm1よりも10%以上高い透過率の極大ピークTM、及び波長570〜600nmに透過率25%以下の第2の極小ピークTm2を有する、眼鏡レンズに関する。
本開示の一実施形態は、波長470〜490nmに透過率25%以下の第1の極小ピークTm1、波長500〜540nmに前記第1の極小ピークTm1よりも10%以上高い透過率の極大ピークTM、及び波長570〜600nmに透過率25%以下の第2の極小ピークTm2を有する、眼鏡レンズの製造法であって、
波長500〜650nmに透過率の極大ピークTdMを有するようにレンズ基材を染色する工程と、
波長470〜490nmに反射率30%以上の第1の極大ピークRM1、波長500〜540nmに前記第1の極大ピークRM1よりも10%以上低い反射率の極小ピークRm、及び波長570〜600nmに反射率30%以上の第2の極大ピークRM2を有する無機積層膜を形成する工程と、
を含む、眼鏡レンズの製造法に関する。
本開示の一実施形態によれば、染色、無機積層膜の形成等、眼鏡レンズの製造工程において汎用される設備を用いて製造できる、色覚異常者のための、色の識別を補助する眼鏡レンズ及び当該眼鏡レンズの製造方法を提供することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
m1:第1の極小ピーク
M:極大ピーク
m2:第2の極小ピーク

Claims (8)

  1. 染色されたレンズ基材と、
    低屈折率層及び高屈折率層を有する無機積層膜と
    を備える、眼鏡レンズであって、
    前記眼鏡レンズは、波長470〜490nmに透過率25%以下の第1の極小ピークTm1、波長500〜540nmに前記第1の極小ピークTm1よりも10%以上高い透過率の極大ピークTM、及び波長570〜600nmに透過率25%以下の第2の極小ピークTm2を有する、眼鏡レンズ。
  2. 前記眼鏡レンズの少なくとも片面側が、波長470〜490nmに反射率30%以上の第1の極大ピークRM1、波長500〜540nmに前記第1の極大ピークRM1よりも10%以上低い反射率の極小ピークRm、及び波長570〜600nmに反射率30%以上の第2の極大ピークRM2を有する、請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  3. 前記眼鏡レンズが、波長500〜650nmに透過率の極大ピークTdMを有するように染色された、請求項1又は2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 前記眼鏡レンズが、極大吸収波長580〜595nmを有する色素、極大吸収波長435〜480nmを有する色素により染色された、請求項1〜3のいずれかに記載の眼鏡レンズ。
  5. 波長400〜440nmの平均透過率が30%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の眼鏡レンズ。
  6. 波長500〜540nmの平均透過率が15%以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の眼鏡レンズ。
  7. 波長470〜490nmに透過率25%以下の第1の極小ピークTm1、波長500〜540nmに前記第1の極小ピークTm1よりも10%以上高い透過率の極大ピークTM、及び波長570〜600nmに透過率25%以下の第2の極小ピークTm2を有する、眼鏡レンズの製造法であって、
    波長500〜650nmに透過率の極大ピークTdMを有するようにレンズ基材を染色する工程と、
    波長470〜490nmに反射率30%以上の第1の極大ピークRM1、波長500〜540nmに前記第1の極大ピークRM1よりも10%以上低い反射率の極小ピークRm、及び波長570〜600nmに反射率30%以上の第2の極大ピークRM2を有する無機積層膜を形成する工程と、
    を含む、眼鏡レンズの製造法。
  8. 前記染色する工程において、極大吸収波長580〜595nmを有する色素、極大吸収波長435〜480nmを有する色素を含む浸漬液中に前記レンズ基材を浸漬する、請求項7に記載の眼鏡レンズの製造法。
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